JP2019019868A - リップ付きブッシュ - Google Patents
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Abstract
【課題】寸法精度、とくに径方向の寸法精度を向上させることができ、シールリップにバネ性を付与することもできるリップ付きブッシュを提供する。【解決手段】円筒状を呈するブッシュ本体12と、前記ブッシュ本体12の軸方向一方の端部に一体成形されたシールリップ13とを有するウレタン製のリップ付きブッシュ11において、前記ブッシュ本体12の摺動面15および嵌合面16に対し露出しないように前記ブッシュ本体12の厚み内に埋設された補強環21と、前記シールリップ13にバネ性を付与すべく前記シールリップ13の根元部に埋設または嵌合されたバネ部材31とを有することを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明は、リップ付きブッシュに関する。本発明のリップ付きブッシュは、例えば、自動車等の走行車両において軸受部品として用いられる。
従来からこの種のブッシュとして図3に示すように、ウレタン材料の単体よりなるブッシュ51が知られており、また図4に示すように、ブッシュ内周の摺動面63へダスト等の外部異物が侵入しないように円筒状のブッシュ本体62の軸方向一方の端部にシールリップ64を一体成形したウレタン材料の単体よりなるリップ付きブッシュ61が知られている。
しかしながら、上記リップ付きブッシュ61には、以下の点で改良の余地がある。
すなわち、上記リップ付きブッシュ61は、ウレタンの単体よりなるため、寸法精度が低く、径寸法が大き過ぎると、当該ブッシュ61をハウジングの軸孔に挿入できなくなったり、当該ブッシュ61と軸との間に大きなしめ代が設定されたりすることがある。また反対に、径寸法が小さ過ぎると、当該ブッシュ61がハウジングから脱落したり、当該ブッシュ61と軸との間に大きなガタつきが発生したりすることがある。したがってウレタンよりなるリップ付きブッシュ61に対しては、その寸法精度を向上することが求められる。
本発明は、寸法精度、とくに径方向の寸法精度を向上させることができ、シールリップにバネ性を付与することもできるリップ付きブッシュを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のリップ付きブッシュは、円筒状を呈するブッシュ本体と、前記ブッシュ本体の軸方向一方の端部に一体成形されたシールリップとを有するウレタン製のリップ付きブッシュにおいて、前記ブッシュ本体の摺動面および嵌合面に対し露出しないように前記ブッシュ本体の厚み内に埋設された補強環と、前記シールリップにバネ性を付与すべく前記シールリップの根元部に埋設または嵌合されたバネ部材とを有することを特徴とする。
また、実施の態様として、上記記載のリップ付きブッシュにおいて、前記ブッシュ本体の軸方向一方の端部から軸方向一方であってかつ径方向内方へ向けて斜めに前記シールリップを一体成形するとともに、前記軸方向一方の端部から径方向外方へ向けてフランジ部を一体成形し、前記シールリップの根元部と前記フランジ部との間に前記バネ部材を収容するバネ収容部を設け、前記バネ収容部は、前記ブッシュ本体の軸方向一方の端部に設けた溝状空間として形成されていることを特徴とする。
本発明では、ブッシュ本体の摺動面および嵌合面に対し露出しないようにブッシュ本体の厚み内に補強環が埋設されているため、この補強環がウレタンよりなるブッシュ本体に対する保形作用を発揮し、ウレタン成形後における収縮などの寸法変化を小さく抑えることが可能とされる。また、シールリップにバネ性を付与すべくシールリップの根元部にバネ部材が埋設または嵌合されているため、このバネ部材がシールリップに対するバネ性付与の作用を発揮し、ヘタリ発生時におけるシール性の低下などを抑えることが可能とされる。
図1に示すように、実施の形態に係るリップ付きブッシュ11は、ハウジング41の軸孔42内周に装着されて、回転駆動する軸43を摺動可能に保持する機能を発揮するものであって、併せて、ブッシュ11内周の摺動面15へダスト等の外部異物が侵入しないようにシール機能を発揮するものとされている。
図2の単品図に示すように、リップ付きブッシュ11は、円筒状を呈するブッシュ本体12を備え、このブッシュ本体12の軸方向一方の端部から軸方向一方であってかつ径方向内方へ向けて斜めにシールリップ13が一体に成形されるとともに、軸方向一方の端部から径方向外方へ向けてフランジ部14が一体に成形されている。ブッシュ本体12、シールリップ13およびフランジ部14はウレタンを成形材料として金型により一体成形されている。
また、ブッシュ本体12の厚み内に、金属または硬質樹脂等の剛材よりなる補強環21が同心的に埋設されている。
埋設は、金型によるインサート成形によって行われ、成形後、補強環21はブッシュ本体12内周の摺動面15および外周の嵌合面16の双方に対し露出しない状態とされる。
また、シールリップ13の根元部に、金属または硬質樹脂等の剛材よりなる環状のバネ部材31が同心的に埋設または嵌合されている。バネ部材31は径方向のバネ性を有するものである。
埋設は、上記補強環21と同様、金型によるインサート成形によって行われ、成形後、バネ部材31はブッシュ本体12の軸方向一方の端部で軸方向一方へ向けて一部が露出した状態とされる。嵌合は、金型によるブッシュ11成形時に予め後記するバネ収容部17を成形したうえで成形後に後付けすることによって行われ、嵌合後、バネ部材31はやはりブッシュ本体12の軸方向一方の端部で軸方向一方へ向けて一部が露出した状態とされる。
また、埋設および嵌合いずれの場合であっても、シールリップ13の根元部とフランジ部14との間には、バネ部材31を収容するバネ収容部17が軸方向一方へ向けて開口する溝状空間として形成されることになり、このバネ収容部17内にバネ部材31が軸方向一方へ向け露出した状態で収容されている。
上記構成のリップ付きブッシュ11においては、ウレタンよりなるブッシュ本体12の厚み内に金属等の剛材よりなる補強環21が埋設されているため、この補強環21がブッシュ本体12を保形する作用を発揮し、ブッシュ本体12の成形後における熱収縮などの寸法変化を小さく抑えることが可能とされ、ブッシュ本体12の寸法精度が向上されている。したがって、ブッシュ11をハウジング41の軸孔42に挿入できない、ブッシュ11と軸43との間に大きなしめ代が設定される、ブッシュ11がハウジング41から脱落する、ブッシュ11と軸43との間に大きなガタつきが発生すると云った不都合が発生するのを未然に防止することができる。ブッシュ11は、使用時に偏荷重などが作用しても径方向に変位するのが抑えられることになり、ヘタリの発生も少なく抑えられることになる。
また、上記構成のリップ付きブッシュ11においては、ウレタンよりなるシールリップ13の根元部に金属等の剛材よりなるバネ部材31が埋設または嵌合されているため、このバネ部材31がシールリップ13にバネ性を付与する作用を発揮し、シールリップ13を軸43の外周面に押し付ける。したがって、シールリップ13にヘタリが発生してもシールリップ13および軸43間にスキマが発生しにくくなり、よって対ダストのシール性を向上することができる。
また、ブッシュ本体12の軸方向一方の端部にバネ部材31を組み付けると、このバネ部材31のバネ性がブッシュ本体12の寸法精度に影響を及ぼすことが懸念されるが、上記構成のリップ付きブッシュ11においては、ブッシュ本体12の軸方向一方の端部にバネ部材31が組み付けられるとともにブッシュ本体11の厚み内に補強環21が埋設されているため、シールリップ13以外の部分には寸法変化が発生しにくい。したがってこの点からしてもブッシュ本体12の寸法精度を向上することができる。
また、ブッシュ本体12の厚み内に埋設される補強環21がブッシュ本体12内周の摺動面15や外周の嵌合面16に露出した状態とされると、ブッシュ11の摺動特性や嵌合力の大きさが変わってしまうことが懸念されるが、上記構成のリップ付きブッシュ11においては、ブッシュ本体12の厚み内に埋設される補強環21がブッシュ本体12内周の摺動面15や外周の嵌合面16に露出しない構造とされているため、このような懸念が発生することがない。ウレタンは耐摩耗性に優れる特性を有するところ、この耐摩耗性が減じることもない。したがって、補強環21による寸法精度の向上およびバネ部材31によるバネ性の付与と、ウレタンによる耐摩耗性の向上とを両立させることができる。
11 リップ付きブッシュ
12 ブッシュ本体
13 シールリップ
14 フランジ部
15 摺動面
16 嵌合面
17 バネ収容部
21 補強環
31 バネ部材
41 ハウジング
42 軸孔
43 軸
12 ブッシュ本体
13 シールリップ
14 フランジ部
15 摺動面
16 嵌合面
17 バネ収容部
21 補強環
31 バネ部材
41 ハウジング
42 軸孔
43 軸
Claims (2)
- 円筒状を呈するブッシュ本体と、前記ブッシュ本体の軸方向一方の端部に一体成形されたシールリップとを有するウレタン製のリップ付きブッシュにおいて、
前記ブッシュ本体の摺動面および嵌合面に対し露出しないように前記ブッシュ本体の厚み内に埋設された補強環と、前記シールリップにバネ性を付与すべく前記シールリップの根元部に埋設または嵌合されたバネ部材とを有することを特徴とするリップ付きブッシュ。 - 請求項1記載のリップ付きブッシュにおいて、
前記ブッシュ本体の軸方向一方の端部から軸方向一方であってかつ径方向内方へ向けて斜めに前記シールリップを一体成形するとともに、前記軸方向一方の端部から径方向外方へ向けてフランジ部を一体成形し、
前記シールリップの根元部と前記フランジ部との間に前記バネ部材を収容するバネ収容部を設け、
前記バネ収容部は、前記ブッシュ本体の軸方向一方の端部に設けた溝状空間として形成されていることを特徴とするリップ付きブッシュ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017137931A JP2019019868A (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | リップ付きブッシュ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017137931A JP2019019868A (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | リップ付きブッシュ |
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Family
ID=65355443
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JP2017137931A Pending JP2019019868A (ja) | 2017-07-14 | 2017-07-14 | リップ付きブッシュ |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0338461U (ja) * | 1989-08-28 | 1991-04-15 | ||
JPH0681851A (ja) * | 1992-09-04 | 1994-03-22 | Nippon Mektron Ltd | ブッシュ |
JP2016223562A (ja) * | 2015-06-01 | 2016-12-28 | 大豊工業株式会社 | 内燃機関用軸受および内燃機関用軸受の製造方法 |
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2017
- 2017-07-14 JP JP2017137931A patent/JP2019019868A/ja active Pending
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