JP2019019147A - 解熱鎮痛医薬品 - Google Patents

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Abstract

【課題】イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを含有する解熱鎮痛製剤において、ウイスカーの発生やそれに伴う不快な臭いの発生を抑制することのできる技術を提供すること。【解決手段】イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをそれぞれ質量比で10:3:4の割合で含有する解熱鎮痛製剤を密封包装してなる解熱鎮痛医薬品。【選択図】なし

Description

本発明は、解熱鎮痛医薬品に関し、更に詳細には、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを活性医薬品成分として含有し、これらの活性医薬品成分を特定の割合で配合することによって、収納容器内での曇りや臭いの発生を抑制した解熱鎮痛製剤を密封包装してなる解熱鎮痛医薬品に関する。
イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及び無水カフェインを含有する解熱鎮痛剤は、1990年9月1日にイブA錠(エスエス製薬社製)として発売されたものであり、イブプロフェン単独の製剤の効きはじめがやや弱いという弱点を克服し、早くよく効くイブプロフェン含有の解熱鎮痛薬として汎用されている。このイブA錠には、活性医薬品成分として、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及び無水カフェインが2錠中にそれぞれ150mg、60mg及び80mg配合されているが、イブA錠と同量のイブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及び無水カフェインを配合した解熱鎮痛薬が一般用医薬品として本邦で数多く販売されるに至り、さらに、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲルなどの制酸剤を配合した解熱鎮痛薬も含めると、解熱鎮痛薬は30種類以上に上っている。
ところで、イブプロフェンは、融点が75〜77℃と比較的に低く、また昇華性であるため、ガラス瓶等の密閉容器の内壁に再結晶が形成されて、曇り(ウイスカー)が生じることが知られている。また、カフェインも昇華性であるため保存容器内に曇りが生じ、さらに、製剤の表面や保管容器内にカフェインが針状結晶となって成長することも知られている。そして、これら昇華性の活性医薬品成分に、他の活性医薬品成分や賦形剤などを混合すると、融点降下が生じるため、活性医薬品成分を単独で配合する場合よりもさらに昇華し易くなることが知られている。
また、上記解熱鎮痛薬のような固形製剤は、通常、PTP包装、プラスチックボトル、ガラス瓶等の密閉した容器内で保存し、安定性を確保した包装形態で販売されている。しかし、昇華しやすい活性医薬品成分が含まれている固形製剤では、製品の保存時にガラス瓶やPTP容器などの密封容器の内側に曇りが生じる場合があり、また、密封容器を開封する時に活性医薬品成分由来の不快な臭いを感じることも知られており、商品価値の低下の問題を生じる。特に、店頭で在庫され販売される一般用医薬品は、店内の空調の運転状況、日光の照射、季節及び朝晩の気温及び湿度変動などにより、様々な過酷な環境にさらされることがあるため、想定外に外観の劣化が生じてしまうことがある。
このように昇華しやすい活性医薬品成分であるイブプロフェンのウイスカー防止方法としては、イブプロフェン含有素錠に、素錠質量5〜60%の量の糖衣を施すことや(特許文献1)、イブプロフェン含有素錠と外層フィルムコーティングとの間に、糖類の層を形成させる方法(特許文献2)等、素錠に糖類を被覆させる方法が報告されている。また、イブプロフェン含有素錠に直接フィルムコーティングを行う方法も報告されており、フィルムコーティング液の組成としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリンまたはコポリビドン及び水溶性高分子基剤(特許文献3)、水溶性高分子及びトリアセチン(特許文献4)、ポリビニルアルコール及びケイ酸(特許文献5)、ポリビニルアルコール、パラフィン、カルナウバロウ及び特定量の酸化チタン(特許文献6)等が開示されている。
さらに、イブプロフェンのウイスカー防止方法としては、イブプロフェン含有固形製剤を密閉容器に保存の際、ポリビニルピロリドン、酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム等の物質(特許文献7)、シルカゲルや塩化カルシウム等の乾燥剤(特許文献8)を同製剤に共存させて密閉容器で保存する方法が報告されている。また、イブプロフェン含有粉体に、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びコハク酸から選択される酸を粉末状で添加して混合する方法も報告されている(特許文献9)。
一方、カフェインのウイスカー防止方法としては、カフェインに特定の物質を添加させること、例えば、含水二酸化ケイ素(特許文献10)、制酸剤及び含水二酸化ケイ素(特許文献11)、ポリビニルピロリドン類(特許文献12)、グリチルリチン酸類(特許文献13)等をカフェインに添加混合し、顆粒剤や錠剤を製造する方法が開示されている。また、カフェインに高分子重合体を添加し、混練押出処理(特許文献14)や多軸エクストルーダーによる押し出し処理(特許文献15)をする方法も報告されている。
さらに、カフェインのウイスカー防止方法としては、カフェインを平衡相対湿度75%以下の条件で水分制御を行って湿式造粒する方法(特許文献16)や、カフェイン以外の薬物を顆粒状とし、この顆粒状薬物にカフェインを粉末で添加する方法(特許文献17)が報告されている。
また、イブプロフェンとカフェインの両方を含有する製剤のウイスカーによる曇り防止方法としては、これらの成分を含有する素錠にカルボキシメチルセルロース類をコーティングする方法や、イブプロフェン及びカフェインにカルボキシメチルセルロース類を添加して造粒する方法が報告されている(特許文献18)。
しかしながら、これらの方法は、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及び無水カフェインが配合されている一般用医薬品として市販されている解熱鎮痛製剤に適用した場合、何れも効果が不十分であったり、過酷な環境下では効果を示さないものであった。また、上記方法は、製造工程が複雑であるため、コストがかさみ採用するのが困難であるという問題も有していた。
特開2002−179559号公報 特開2002−241275号公報 特開2003−183181号公報 特開2007−31281号公報 特開2009−7295号公報 特開2010−189378号公報 特開平8−193027号公報 特開平8−333247号公報 特開2011−231105号公報 特開平5−339158号公報 特開平8−301764号公報 特開2000−247870号公報 特開平8−310953号公報 特開2004−26750号公報 WO95/13794号公報 特開2011−207877号公報 特開平4−5234号公報 特開2005−162619号公報
従って、本発明の課題は、従来技術よりも簡便に、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを含有する解熱鎮痛製剤において、ウイスカーの発生やそれに伴う不快な臭いの発生を抑制することのできる技術を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを含有する解熱鎮痛製剤について、その製剤処方の検討を行っていたところ、従来から使用されてきた各活性医薬品成分の質量比率において、イブプロフェンの比率を高めるのみで密閉容器に保存した時の曇りや開封時の不快な臭いを軽減できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをそれぞれ質量比で10:3:4の割合で含有する解熱鎮痛製剤を密封包装してなる解熱鎮痛医薬品である。
また、本発明は、解熱鎮痛剤が、更に制酸剤、ビタミン類、生薬から選ばれる1種以上を含有する上記解熱鎮痛医薬品である。
本発明によれば、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを含有する解熱鎮痛製剤を密閉容器に保存したときの曇りの発生や不快な臭いの発生を抑制することができる。そのため、この解熱鎮痛医薬品の商品価値を高めることが可能となる。
本発明の解熱鎮痛医薬品に使用される解熱鎮痛製剤は、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを単位製剤中に10:3:4の比率で含有するものであり(以下、「本発明製剤」という)、必要に応じてその他の活性医薬品成分や製剤添加物を含有してもよい。
本発明製剤に含有するイブプロフェンは、その化学名が、(2RS)−2−[4−(2−メチルプロピル)フェニル]プロパン酸(英名:(2RS)−2−[4−(2−Methylpropyl) phenyl] propanoic acid)であり、分子式は、C1318で、その分子量は、206.28、融点は、75〜77℃であるフェニルプロピオン酸系の非ステロイド抗炎症薬で、プロスタグランジン生合成阻害作用により、抗炎症・鎮痛・解熱作用を発揮するものである。
また、本発明製剤に含有するアリルイソプロピルアセチル尿素は、その化学名が、2−イソプロピル−4−ペンテノイルウレア(英名:2−Isopropyl−4−pentenoylurea)であり、分子式は、C16で、その分子量は、184.24、融点は、193〜198℃の穏和な鎮静薬で、痛みに伴う不安、不快感、恐怖心等の疼痛反応を除去することにより疼痛を緩和するとともに、鎮痛薬の作用を増強するものである。
更に、本発明製剤に含有するカフェインとしては、無水カフェイン、カフェイン水和物あるいはこれらの混合物を使用することができる。このうち無水カフェインは、化学名が、1,3,7−トリメチル−1H−プリン−2,6(3H,7H)−ジオン(英名:1,3,7−Trimethyl−1H−purine−2,6(3H,7H)−dione)であり、その分子式は、C10であり、分子量は、194.19、融点は、235〜238℃である。また、カフェイン水和物は、化学名が、1,3,7−トリメチル−1H−プリン−2,6(3H,7H)−ジオン 一水和物(英名:1,3,7−Trimethyl−1H−purine−2,6(3H,7H)−dione monohydrate)で、その分子式は、C10・HOで、その分子量は、212.21、融点は235〜238℃(乾燥後)である。これらは共に、中枢神経興奮作用を有し、神経機能を活発にして、不快感等の疼痛反応を除去することにより、疼痛を緩和し、更に、血管性頭痛に対しては脳血管を収縮して鎮痛作用を示すものである。
本発明製剤は、上記したように、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをイブプロフェン:アリルイソプロピルアセチル尿素:カフェイン=10:3:4の比率で単位製剤中に配合するものである。具体的には、例えば錠剤の剤型で、1錠中にイブプロフェン50mgを配合する場合には、アリルイソプロピルアセチル尿素15mgとカフェイン20mgとを1錠中配合する。また、1錠中にイブプロフェン75mgを配合する場合には、アリルイソプロピルアセチル尿素22.5mgとカフェイン30mgとを1錠中配合する。同様に、1錠中にイブプロフェン100mgを配合する場合には、アリルイソプロピルアセチル尿素30mgとカフェイン40mgとを、1錠中にイブプロフェン150mgを配合する場合には、アリルイソプロピルアセチル尿素45mgとカフェイン60mgとを、1錠中にイブプロフェン200mgを配合する場合には、アリルイソプロピルアセチル尿素60mgとカフェイン80mgとを、それぞれ1錠中に配合する。
本発明製剤では、必要に応じて、上記各医薬品成分の他、制酸剤を配合してもよい。制酸剤としては、例えば、アミノ酢酸(グリシン)、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム等が挙げられる。なお、これらは、1種または2種以上を混合して添加しても良い。
これら制酸剤の配合量は、制酸剤の種類によって異なるが、イブプロフェン450mg〜600mgに対して10〜5000mgを用いることが好ましく、さらに好ましくは16〜4000mgである。より詳細には、イブプロフェン450mg〜600mgに対して、制酸剤としてアミノ酢酸や、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物を使用する場合は、30〜900mg程度、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲルを使用する場合は、100〜3000mg程度、合成ヒドロタルサイトを使用する場合は、133〜4000mg程度、酸化マグネシウムを使用する場合は、16〜500mg程度、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウムを使用する場合は、50〜1500mg程度、水酸化アルミニウムゲル、乾燥水酸化アルミニウムゲルを使用する場合は、乾燥水酸化アルミニウムゲルとして33〜1000mg程度、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物を使用する場合は、60〜1800mg程度、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムを使用する場合は、66〜2000mg程度、水酸化マグネシウム、無水リン酸水素カルシウムを使用する場合は、40〜1200mg程度、炭酸水素ナトリウムを使用する場合は、83〜2500mg程度とすることが好ましい。
本発明製剤には、さらに必要に応じて、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ヘスペリジン及びこれらの誘導体並びにこれらの塩類や、地竜、カンゾウ、ケイヒ、シャクヤク、ボタンピ、カノコソウ、ショウキョウ、チンピなどの生薬を添加することもできる。
本発明製剤の製造に当たっては、上記した各成分に加え、さらに、製剤分野で一般的に使用され得る賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の製剤添加剤を利用することができる。本発明製剤に配合できる製剤添加剤としては、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤の他、各種担体、安定(化)剤、界面活性剤、可塑剤、滑沢化剤、可溶(化)剤、還元剤、緩衝剤、甘味剤、基剤、吸着剤、矯味剤、懸濁(化)剤、抗酸化剤、光沢化剤、コーティング剤、剤皮、湿潤剤、湿潤調整剤、充填剤、消泡剤、清涼化剤、着色剤、着香剤、香料、糖衣剤、等張化剤、軟化剤、乳化剤、粘稠化剤、粘稠剤、発泡剤、pH調整剤、稀釈剤、分散剤、崩壊補助剤、崩壊延長剤、芳香剤、防湿剤、防腐剤、保存剤、溶解剤、溶解補助剤、溶剤、流動化剤、帯電防止剤、増量剤、保湿剤、付湿剤等の製剤添加物を挙げることができる。該添加剤の例は、薬食発1204第1号(薬事行政法令)、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集、薬事日報社)及び第8版食品添加物公定書(日本食品添加物協会)に記載されている。
上記製剤添加剤のうち、賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、精製白糖、糖アルコール類、軽質無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、沈降炭酸カルシウム等が挙げられる。これらの賦形剤は1種または2種以上を使用することができる。
また、結合剤としては、例えば、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、プルラン、デキストリン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メタクリル酸コポリマー等のアクリル酸誘導体、セラック、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース等が挙げられる。これらの結合剤は1種または2種以上を使用することができる。
更に、崩壊剤としては、例えば、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、バレイショデンプン、コーンスターチ、アルファー化デンプン等が挙げられる。これらの崩壊剤は1種または2種以上を使用することができる。
更にまた、滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの滑沢剤は1種または2種以上を使用することができる。
以上説明した本発明製剤は、錠剤の他、カプレット、硬カプセル剤、口腔内崩壊錠、チュアブル錠、細粒剤、顆粒剤、ドライシロップ剤などの内服固形製剤として提供される。また、必要に応じてフィルムコーティングや糖衣を施し、上記製剤のコーティング製剤とすることもできる。これらの剤型には、通常行われている製剤化方法(津田恭介・上野寿著、「医薬品開発基礎講座XI 薬剤製造法(上)(下)」、地人書館、1971年発行;仲井由宣著、「製剤工学ハンドブック」、地人書館、1983年発行;仲井由宣著、「医薬品の開発11 製剤の単位操作と機械」、廣川書店、1989年発行;橋田充著、「経口投与製剤の設計と評価」、薬業時報社、1995年発行;橋田充著、「経口投与製剤の処方設計」、薬業時報社、1995年発行)により製造することができる。また、マイクロカプセル、ナノカプセル、マイクロスフィアー、ナノスフィアー等の微小粒子を用いてもよい。
本発明製剤の投与量は、従来品と同様であり、通常、1回量を1日3回限度とし、なるべく空腹時をさけて水又はぬるま湯で服用するのが好ましい。
斯くして得られる本発明の解熱鎮痛製剤は、ガラス瓶、プラスチックボトル、PTP包装、アルミヒートシール包装等の密閉容器に保存することにより、本発明の解熱鎮痛医薬品とすることができ、かつ、保存の際の曇りや不快な臭いの発生を抑制することができる。
次に、実施例および比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
フィルムコーティング錠の製造:
(1)イブプロフェン300g、アリルイソプロピルアセチル尿素90g、無水カフェイン120g、トウモロコシデンプン60g、結晶セルロース255g、軽質無水ケイ酸30g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース150gおよびタルク63gを秤量し、高速攪拌造粒機で、精製水を添加して、湿式造粒を行った。整粒後、流動層で乾燥したのち、24メッシュの篩を通過させ、これにタルク12gを混合し打錠用顆粒を製した。常法により、1錠あたり360mgになるようにロータリー打錠機で圧縮成型し、素錠を得た。この素錠にヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール及び水(7:2.5:0.5:90)からなるフィルムコーティング剤を通気式コーティング装置にて噴霧し、直径約9mm、365mg/錠のフィルムコーティング錠として発明品1を得た。
(2)イブプロフェン660g、アリルイソプロピルアセチル尿素198g、無水カフェイン264g、酸化マグネシウム330gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース481.8gを高速攪拌造粒機で混合後、精製水を添加し練合した。次に、0.6mmスクリーンで押し出し造粒後、流動層乾燥機にて乾燥した。この乾燥顆粒を1758g量り取り、結晶セルロース165.6g、クロスカルメロースナトリウム120g、軽質無水ケイ酸16.2g、タルク24g、ステアリン酸マグネシウム16.2gを混合し打錠用顆粒を製した。常法により、1錠あたり350mgになるようにロータリー打錠機で圧縮成型し、素錠を得た。この素錠にヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化チタン、マクロゴール及び水(7:2.5:0.5:90)からなるフィルムコーティング剤を通気式コーティング装置にて噴霧し、直径約9mm、360mg/錠のフィルムコーティング錠として発明品2を得た。
比 較 例 1
上記実施例1(1)において、使用イブプロフェンを225gに変更し、素錠質量を335mg及びフィルムコーティング錠質量を340mgと変更する以外は同様にしてフィルムコーティング錠を得た。これを比較品1とした。
上記実施例1(2)において、使用イブプロフェンを495gに変更し、乾燥顆粒の使用量を1608g、素錠質量を325mg及びフィルムコーティング錠質量を335mgに変更とする以外は、同様にしてフィルムコーティング錠を得た。これを比較品2とした。
上記発明品1〜2及び比較品1〜2のフィルムコーティング錠1錠当たりの各成分の組成を表1に示す。
Figure 2019019147
試 験 例 1
保存試験:
上記発明品1〜2及び比較品1〜2をそれぞれ1シート10錠のPTP包装にて1錠ごとに密閉包装し、2シートを紙箱に入れた。それらを、40℃で8時間加熱送風後、室温(23℃)で16時間送風することを1サイクルとして、これを6カ月間繰り返して保管した。保管後のPTP包装の透明部分の曇りを下記の評価基準に従って評価した。結果を表2に示す。
<曇りの評価基準>
(評 価) (内 容)
−: 曇りを全く認めない
±: 曇りをほとんど認めない
+: 曇りを認める
++: 強く曇りを認める
+++: 著しく強く曇りを認める
Figure 2019019147
この結果から、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをそれぞれ質量比で10:3:4の割合で有する本発明製剤は、曇りが全く認められないのに対し、同じ成分を異なる比率(15:6:8)で使用する比較品では曇りが発生することが明らかになった。
試 験 例 2
臭いの発生試験:
上記発明品1〜2及び比較品1〜2をそれぞれ50錠無色透明ガラス瓶に入れて密閉し、50℃で10日保管した。ガラス瓶の蓋を開けた直後の臭いを下記の評価基準に従って評価した。結果を表3に示す。
<臭いの評価基準>
(評 価) (内容)
−: 不快な臭いが全くない
±: 不快な臭いがほとんどない
+: 不快な臭いがある
++: 強く不快な臭いがある
Figure 2019019147
この結果から明らかなように、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをそれぞれ質量比で10:3:4の割合で有する本発明製剤では、開封時の不快な臭いが全く〜ほとんどないのに対し、同じ成分を異なる比率で使用する比較品では開封時に強い不快な臭いがあった。
実 施 例 2
錠剤の製造:
イブプロフェン400g、アリルイソプロピルアセチル尿素120g、無水カフェイン160g、結晶セルロース160g、軽質無水ケイ酸40g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース120gおよびタルク50gを秤量し、高速攪拌造粒機で、精製水を添加して、湿式造粒を行った。整粒後、流動層で乾燥したのち、24メッシュの篩を通過させ、これにタルク10gを混合し打錠用顆粒を製した。常法により、1錠あたり530mgになるようにロータリー打錠機で圧縮成型して発明品3を得た。
比 較 例 2
上記実施例2において、使用イブプロフェン量を300gに変更し、また1錠あたりの質量を480mgと変更とする以外は、同様にして錠剤を得が。これを比較品3とした。
上記発明品3及び比較品3の錠剤1錠当たりの各成分の組成を表4に示す。
Figure 2019019147
試 験 例 3
保存試験及び臭いの発生試験:
発明品3と比較品3をそれぞれ1シート10錠のPTP包装にて1錠ごとに密閉包装し、2シートを紙箱に入れ、試験例1と同様に保存し、上記保存試験と同様の評価基準で、曇りを評価した。また、発明品3と比較品3をそれぞれ50錠無色透明ガラス瓶に入れて密閉し、試験例2と同様に保存し、上記臭いの発生試験と同様の評価基準で、臭いを評価した。結果を表5に示す。
Figure 2019019147
この実験から、イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをそれぞれ質量比で10:3:4の割合で有する本発明製剤は、PTP包装中でも曇りが全く発生せず、また不快な臭いもほとんどなかったのに対し、同じ成分を異なる比率で使用する比較品では強い曇りが発生し、また開封時に強い不快臭が感じられることが明らかになった。
本発明によれば、イブプロフェンとアリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインを含有する解熱鎮痛製剤において、その配合比率を変更することで、容易に密封容器に保存の際、曇りや不快な臭いを防止ないし低減することができる。
従って、本発明により簡単に曇りや不快臭を防ぎ、商品価値の低下を防止することが可能となるので、固形の解熱鎮痛剤を利用する解熱鎮痛医薬品の製造において広く利用しうるものである。

Claims (3)

  1. イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素及びカフェインをそれぞれ質量比で10:3:4の割合で含有する解熱鎮痛製剤を密封包装してなる解熱鎮痛医薬品。
  2. 解熱鎮痛剤が、さらに、制酸剤、ビタミン類、生薬から選ばれる1種以上を含有する請求項1記載の解熱鎮痛医薬品。
  3. 前記密封包装がPTP包装、ガラス瓶、プラスチックボトル又はアルミピロー包装である請求項1または2記載の解熱鎮痛医薬品。

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