JP2019018568A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、取出ヘッドの変位振動を短い時間で抑制することができる成形品取出機に関するものである。
特開2017−105190号公報(特許文献1)には、アクティブ振動抑制技術を用いて、従来よりも短い時間で取出ヘッドの変位振動を抑制することができる成形品取出機が開示されている。抑制の対象とする変位振動には、昇降フレーム及び取出ヘッドの動作により生じる一次振動、二次振動等に基づく複数の振動周波数成分が含まれている。そこで特許文献1に記載の従来の技術では、位相補正部は、変位振動検出部が出力する変位振動検出信号の位相ずれを予め求めた位相ずれ情報に基づいて補正して補正変位振動検出信号を生成する。変位振動検出信号と実際の変位振動との間には、変位振動検出部の構成等の様々な要因による位相ずれが生じる。成形品取出機の場合、一度セッティングを行うと取出ヘッド及び取り出す成形品の形状及び重量は変わらない。したがって取出動作を開始する前の事前測定により、この位相ずれは予め求めることができる。そこで従来は、予め求めた位相ずれ情報により、変位振動検出信号の位相ずれを補正して補正変位振動検出信号を生成し、位相ずれに基づく発振を抑制する。
しかしながら従来の技術で、アクティブ制御を用いる箇所を増やすと、制御パラメータの設定に時間を要する問題が発生する。
本発明の目的は、振動の抑制にアクティブ制御を用いる成形品取出機において、アクティブ制御の制御パラメータの設定を自動で行うことができる成形品取出機を提供することにある。
本発明の他の目的は、振動の抑制にアクティブ制御を用いる成形品取出機において、制御予定位置の設定と制御パラメータの自動設定が容易な成形品取出機を提供することにある。
本発明は、サーボモータを用いる位置決めサーボ装置によって制御される進入フレームにアタッチメントを備え、アタッチメントの変位振動を検出する変位振動検出部と、変位振動検出部が検出した変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータからアタッチメントに加えてアタッチメントの変位振動を抑制するアクティブ制御を行うアクティブ振動抑制装置を備えた成形品取出機を対象とする。本発明においては、アクティブ振動抑制装置を、固有振動数決定部と、制御パラメータ決定部と、パラメータ記憶部と、駆動信号生成部を備えている。固有振動数決定部は、事前に、ティーチングの際に、ティーチング後の試験運転の際にまたは運転中に、アクティブ制御を行うことを予定している1以上の制御予定位置においてアタッチメントの固有振動数を決定する。制御パラメータ決定部は、決定した固有振動数に基づいて、アクティブ制御に必要な制御パラメータを決定する。パラメータ記憶部は、制御パラメータ決定部が決定した制御パラメータを記憶する。そして駆動信号生成部は、パラメータ記憶部に記憶した制御パラメータに基づいて、制御予定位置において電動アクチュエータを用いたアクティブ制御を実行するための駆動信号を発生する。
アクティブ制御は、成形品取出機が稼働状態にあるときには、常時動作状態にあるのが好ましい。このようにすると常に取出ヘッドの振動を抑制するので、成形品を変形させることなく取り出すことができ、しかも取出ヘッドで取り出した後まだ完全に硬化していない成形品が変形するのを防止できる。そのため制御予定位置の数が多くなる。このように制御予定位置の数が多くなる場合でも、本発明によれば、固有振動数決定部を設けて制御予定位置における固有振動数を自動で決定し、決定した固有振動数に基づいて制御パラメータ決定部が制御予定位置においてアクティブ制御を行うのに必要な制御パラメータを自動決定するので、短い時間で制御パラメータの設定をして、アクティブ制御を実行できる。
固有振動数決定部は、変位振動検出部の出力に基づいて、1以上の制御予定位置におけるアタッチメントの固有振動数を決定するものであり、演算のみより固有振動数を決定するものでも、加速度センサ等のセンサ出力を用いるものであっても、その構成は任意である。また固有振動数決定部は、変位振動検出部の出力を演算処理して固有振動数を推定するように構成してもよい。固有振動数の推定は、公知の推定法を用いて行うことができる。推定により、固有振動数を決定すれば、迅速に固有振動数を決定して制動制御を行うことができる。
固有振動数決定部は、例えば、アタッチメントが制御予定位置に到達してから(サーボモータの振動抑制装置が移動完了指令を出力したときから)、所定の時間経過した後または予め定めた周期分の振動が発生した後の変位振動検出部の出力の周期の平均値に基づいて固有振動数を決定するように構成することができる。変位振動検出部が検出する変位振動は、初期の振動中に雑音が含まれていることが多い。そのためこのようにすると、固有振動数の決定精度を高めることができる。
変位振動検出部は振動抑制対象となる振動を検出できるものであれば、何でもよい。三軸方向の振動を全て打ち消すためには、三軸加速度センサを変位振動検出部としてアタッチメントに実装すればよい。例えばアタッチメントが取出ヘッドの場合には、取出ヘッドが成形品開放位置で停止動作をする際にアクティブ制御を実行するのが一般的である。また成形品開放位置に、取出ヘッドが左右方向及び上下方向と直交する横行方向に変位振動しているときの横行変位振動を検出する変位センサを変位振動検出部として設けてもよい。この場合には、アクティブ振動抑制装置は、変位センサの出力に基づいて横行変位振動を抑制するアクティブ制御を行うように構成すればよい。
電動アクチュエータは、取出ヘッドに振動を加えることができるものであれば、どのようなものでもよいが、電磁アクチュエータであれば、任意のパワーで且つ任意の周波数の振動を発生することができる。例えば、アクチュエータとして圧電アクチュエータを用いることもできる。圧電アクチュエータは小型であるが、パワーが小さいため、圧電アクチュエータを用いる場合には、多層(バイモルフ)タイプの圧電アクチュエータを用いるのが好ましい。電動アクチュエータの数は、抑制する振動の方向の数分だけ、それらの振動を抑制する逆位相の振動を加えることができる位置に設ければよい。取出ヘッドが、昇降フレームに装着された反転ユニットと反転ユニットに装着された取り出し機構とからなる場合には、アクチュエータは反転ユニットに装着すればよい。反転ユニットは、所定の剛性を有するため、効果的に振動を抑制できる。
アクティブ振動抑制装置は、1以上の制御予定位置を選択的に設定することを可能にする制御位置設定部を更に備えているのが好ましい。制御位置設定部は、例えば、制御画面に少なくとも制御予定位置とアクティブ制御の有無を設定できるインタフェイスとして固定することができる。制御位置設定部があれば、希望する制御予定位置において、アクティブ制御の実行、非実行を簡単にセットできる。
制御予定位置としては、少なくとも取出位置及び開放位置を含むアタッチメントの停止位置が含まれている。その他の進入フレームが移動する移動ルートの全ての停止位置及び2つの停止位置の間の移動位置を制御予定位置として設定できるようにしてもよい。
制御パラメータ決定部は、固有振動数と1以上の制御パラメータとの間の対応関係を記憶したテーブルに基づいて、1以上の制御パラメータを決定するように構成することができる。このようにすると短い時間で制御パラメータを決定できる。なお基本的な制御パラメータは、位相遅れとゲインである。ゲインは、一定でも大きな問題は生じないが位相遅れは、アクティブ制御の制振効果に直結するため、必ず設定する必要がある。
この場合の固有振動数決定部は、変位振動検出部の出力を演算処理して固有振動数を決定する際に時間遅れが発生する回路を用いて固有振動数を決定するように構成されており、制御パラメータ決定部は、固有振動数決定部より演算処理された遅れ時間とゲインを制御パラメータとして決定するように構成されているのが好ましい。
制御パラメータ決定部は、1以上の制御予定位置について既に決定された1以上の制御パラメータに基づいて、1以上の制御予定位置の近くにある他の制御予定位置の制御パラメータを、補間法を用いて決定する機能を有していてもよい。このようにすると制御パラメータの決定に他の制御予定位置での固有振動数を求めなくても、制御パラメータを決定できる。例えば、成形品が複数の容器からなる場合において、成形された容器を複数個重ねて開放位置に置くような場合、1段目の開放位置における固有振動数と最終段目の開放位置における固有振動数を求めておき、その間の開放位置における固有振動数をこの補間法を用いて決定するようにすると、迅速に制御パラメータを決定できる。(請求項8)なお制御パラメータ決定部は、他の制御予定位置を入力する入力部と、入力部により入力された他の制御予定位置の変更が許容範囲内であれば、補間法に基づいて演算により他の予定位置の制御パラメータを決定するパラメータ補間決定部を備えているのが好ましい。
パラメータ記憶部は、過去に制御パラメータ決定部が決定した制御パラメータを成形機の型に対応付けて記憶しており、駆動信号生成部は、成形機の型が交換されると、従前に記憶した制御パラメータに基づいてアクティブ制御に必要な駆動信号を発生するのが好ましい。このようにすると過去データを有効に利用して、型が交換された場合の制御パラメータの決定を省略することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の成形品取出機の実施の形態について詳細に説明する。
<成形品取出機の構成>
図1(A)は本実施の形態の成形品取出機1の全体構成を示す図であり、(B)乃至(D)は取出ヘッドの構成を説明するために用いる図である。成形品取出機1は、トラバース型の成形品取出機であり、図示されていない成形機の固定プラテンに基部が支持される。図1(A)に示す成形品取出機1は、横行軸3と、第1の走行体5と、引き抜き軸7と、ランナ用昇降ユニット8と、成形品吸着用昇降ユニット9とを備えている。横行軸3は、図示しない成形機の長手方向に水平に直交したX軸方向に延設される片持ビーム構造を有している。第1の走行体5は、横行軸3に支持されており、サーボ機構に含まれる図示しないACサーボモータを駆動源として横行軸3に沿ってX軸方向に進退する。引き抜き軸7は、第1の走行体5に設けられており、成形機の長手方向と平行なY軸方向に延びている。引き抜き軸7には、ランナ用昇降ユニット8及び成形品吸着用昇降ユニット9がサーボ機構に含まれる図示しないACサーボモータを駆動源としてY方向に移動可能に支持されている。
図1(A)は本実施の形態の成形品取出機1の全体構成を示す図であり、(B)乃至(D)は取出ヘッドの構成を説明するために用いる図である。成形品取出機1は、トラバース型の成形品取出機であり、図示されていない成形機の固定プラテンに基部が支持される。図1(A)に示す成形品取出機1は、横行軸3と、第1の走行体5と、引き抜き軸7と、ランナ用昇降ユニット8と、成形品吸着用昇降ユニット9とを備えている。横行軸3は、図示しない成形機の長手方向に水平に直交したX軸方向に延設される片持ビーム構造を有している。第1の走行体5は、横行軸3に支持されており、サーボ機構に含まれる図示しないACサーボモータを駆動源として横行軸3に沿ってX軸方向に進退する。引き抜き軸7は、第1の走行体5に設けられており、成形機の長手方向と平行なY軸方向に延びている。引き抜き軸7には、ランナ用昇降ユニット8及び成形品吸着用昇降ユニット9がサーボ機構に含まれる図示しないACサーボモータを駆動源としてY方向に移動可能に支持されている。
ランナ用昇降ユニット8は、引き抜き軸7に移動可能に支持された走行体17´にZ方向に昇降する昇降フレーム19´を備えた構造を有している。走行体17´は、図示しないACサーボモータによりベルト15が回転駆動されてY方向に移動する。昇降フレーム19´は、図示しないACサーボモータによって上下方向(Z方向)に昇降する。昇降フレーム19´は、廃棄されるランナを保持するアタッチメントとしてのチャック6を備えている。
また成形品吸着用昇降ユニット9に含まれる走行体17は、図示しないACサーボモータによりベルト15が回転駆動されることにより、引き抜き軸7上をY方向に移動する。成形品吸着用昇降ユニット9は、図示しないACサーボモータによって上下方向(Z方向)に昇降する進入フレームとしての昇降フレーム19と、昇降フレーム19の軸線を中心として回動する姿勢振動抑制装置としての反転ユニット21と、反転ユニット21に設けられた取出ヘッド23とを備えている。本実施の形態では、反転ユニット21と取出ヘッド23とによりアタッチメント24が構成されている。反転ユニット21が設けられてない場合には、取出ヘッド23によってアタッチメント24が構成される。また本実施の形態では、アタッチメント24の反転ユニット21に電動アクチュエータとしての電磁アクチュエータ25が取り付けられている。また電磁アクチュエータ25の可動子には加速度センサ27が取り付けられている。なお理論的に電磁アクチュエータ25の装着位置はアタッチメント24に限定されるわけではなく、昇降フレーム19に電磁アクチュエータ25を装着してもよいのは勿論である。
またこの例では、アタッチメント24の変位振動に比例する変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号を出力する変位振動検出部として三軸加速度センサ28が反転ユニット21に装着されている。反転ユニット21には、第1の位置と第2の位置との間を90°回動可能な取出ヘッド取付具22が装着されている。この取出ヘッド取付具22は、図1(A)乃至(C)に示すような第1の位置にあるときには、取出ヘッド23が昇降フレーム19に沿って延びており、取出ヘッド取付具22が図1(D)に示すような第2の位置にあるときには、取出ヘッド23が、昇降フレーム19が延びる方向と直交する方向に延びている。
図2(A)乃至(C)は、本発明の成形品取出機で使用可能な3つの電磁アクチュエータ25X、25Y及び25Zが装着されたアタッチメントを中心とした要部の斜視図、その側面図及び変形したアタッチメントを含む斜視図である。図2(A)乃至(C)においては、図1に示した成形品取出機の構成部品と同様の構成部品には、図1に付した符号と同じ符号を付して説明を省略する。この例のアタッチメントが図1のアタッチメントと相違するのは、第1の位置と第2の位置との間を90°回動可能な取出ヘッド取付具22に、取出ヘッド23に固定されたL字状の取付板20が装着されていて、この取付板20に3つの電磁アクチュエータ25X、25Y及び25Zが装着され、3つの電磁アクチュエータ25X、25Y及び25Zにそれぞれ加速度センサ27Y、27X及び27Zが装着されている点である。3つの電磁アクチュエータ25X〜25Zは、昇降フレーム19が昇降する方向をZ方向、Z方向と直交し且つ型内でアタッチメントが成形品に近づくまたは成形品から離れる方向をY方向、Z方向及びY方向と直交する方向をX方向と定義したときに、Y方向の変位振動を抑制する第1の電磁アクチュエータ25Yと、X方向の変位振動を抑制する第2の電磁アクチュエータ25Xと、Z方向の変位振動を抑制する第3の電磁アクチュエータ25Zである。これら第1乃至第3の電磁アクチュエータ25X〜25Zを備えていれば、昇降フレーム19が、どのような経路を移動していても、またどのような位置で停止するとしても、常時アクテイブ制御を行うことが可能なる。図2(C)に示す状態は、取出ヘッド23を水平状態にした状態を示している。
<アクティブ振動抑制装置の基本構成>
以下1つの電磁アクチュエータ25を用いる場合のアクティブ振動抑制装置31の基本構成を説明する。成形品取出機1は、図1には示していない制御部に図3に示すアクティブ振動抑制装置31を具備する。アクティブ振動抑制装置31は、変位振動検出部33と、位相補正部34と、アタッチメント24の水平方向への振動を抑制するために反転ユニット21に装着される電磁アクチュエータ25と、付加振動検出部35と、駆動信号生成部37を備えている。本実施の形態では、電動アクチュエータとして電磁アクチュエータ25を用いているが、電磁アクチュエータに限定されるものではない。本実施の形態では、シンフォニアテクノロジー株式会社がRM040−021の製品番号で製造した電磁アクチュエータを用いている。本実施の形態では、アタッチメント24が、昇降フレーム19に装着された反転ユニット21と反転ユニット21に装着された取出ヘッド23とにより構成されるため、前述の通り、電磁アクチュエータ25を反転ユニット21に装着している。これは反転ユニット21が所定の剛性を有するため、効果的に振動を抑制できるからである。なお電磁アクチュエータ25は、水平方向(Y方向またはX方向)の振動を抑制するためには、電磁アクチュエータ25が発生する振動方向が水平方向(Y方向またはX方向)になるように取付ける。そして上下方向(Z方向)の振動を抑制するためには、電磁アクチュエータが発生する振動方向が上下方向(Z方向)になるように電磁アクチュエータを取付ければよい。
以下1つの電磁アクチュエータ25を用いる場合のアクティブ振動抑制装置31の基本構成を説明する。成形品取出機1は、図1には示していない制御部に図3に示すアクティブ振動抑制装置31を具備する。アクティブ振動抑制装置31は、変位振動検出部33と、位相補正部34と、アタッチメント24の水平方向への振動を抑制するために反転ユニット21に装着される電磁アクチュエータ25と、付加振動検出部35と、駆動信号生成部37を備えている。本実施の形態では、電動アクチュエータとして電磁アクチュエータ25を用いているが、電磁アクチュエータに限定されるものではない。本実施の形態では、シンフォニアテクノロジー株式会社がRM040−021の製品番号で製造した電磁アクチュエータを用いている。本実施の形態では、アタッチメント24が、昇降フレーム19に装着された反転ユニット21と反転ユニット21に装着された取出ヘッド23とにより構成されるため、前述の通り、電磁アクチュエータ25を反転ユニット21に装着している。これは反転ユニット21が所定の剛性を有するため、効果的に振動を抑制できるからである。なお電磁アクチュエータ25は、水平方向(Y方向またはX方向)の振動を抑制するためには、電磁アクチュエータ25が発生する振動方向が水平方向(Y方向またはX方向)になるように取付ける。そして上下方向(Z方向)の振動を抑制するためには、電磁アクチュエータが発生する振動方向が上下方向(Z方向)になるように電磁アクチュエータを取付ければよい。
本実施の形態では、変位振動検出部33が、アタッチメント24の水平方向(Y方向)への変位振動に比例する変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号S1を出力する。変位振動には、昇降フレーム19及びアタッチメント24の動作により生じる一次振動、二次振動等に基づく複数の振動周波数成分が含まれている。本実施の形態では、三軸加速度センサ28の出力からアタッチメントの変位振動を検出する変位振動検出部33が、変位振動に比例する変位振動検出信号S1を出力する。
なお図4及び図5の説明では、特開2017−105190号公報に記載のように、変位振動検出部33として昇降フレーム19を駆動する図示しないACサーボモータのトルクから変位振動を検出している。図4(A)は、引き抜き動作時のアタッチメント24の振動状態をレーザ変位計(株式会社キーエンスがIL−S100の製品名で販売しているレーザ変位計)により測定した振動波形Aと昇降フレーム19を駆動するACサーボモータのトルク指令波形Bとを対比できるように表示した波形図である。ちなみにトルク指令波形Bは、富士電機株式会社がRYT201D5-LS2-Z25の商品名で販売しているサーボアンプのトルク指令出力端子から取り出しものである。波形Aと波形Bとを比較すると、位相のずれはあるものの、ピーク値で見ると、両波形A及びBは比例関係にあることが判る。このことは図4(B)に示す通りである。トルク指令波形の絶対値とレーザ変位計の出力の絶対値のプロット結果からも確認できた。この関係はモータのモータ電流信号についても同様に現れていることが確認されている。両波形の第1ピーク及び第2ピークに着目してみると、両波形には0.03〜0.04秒の立ち上がりのずれ(進み)があることが判る。
位相補正部34は、変位振動検出部33が出力する変位振動検出信号S1の位相ずれを予め求めた位相ずれ情報(後に説明する制御パラメータ)に基づいて補正して補正変位振動検出信号S1´を生成する。変位振動検出信号S1と実際の変位振動との間には、変位振動検出部33の構成等の様々な要因による位相ずれが生じる。成形品取出機の場合、一度セッティングを行うとアタッチメント24及び取り出す成形品の形状及び重量は変わらない。そこで本実施の形態では、予め求めた位相ずれ情報(制御パラメータ)により、変位振動検出信号S1の位相ずれを補正して補正変位振動検出信号S1´を生成し、位相ずれに基づく発振の発生を防止する。
付加振動検出部35は、電磁アクチュエータ25自身が発生する水平方向(Y方向)への付加振動を検出して付加振動の付加振動周波数成分の情報を含む付加振動検出信号S2´を出力する。補正変位振動検出信号S1´のみを用いて電磁アクチュエータ25を動作させて制振動作を行った場合には、電磁アクチュエータ25自身の水平方向の付加振動周波数成分は変位振動周波数成分に含まれている。しかしこの付加振動周波数成分も考慮しなければ、電磁アクチュエータ25を用いた制振を迅速に且つ発振することなく実現することはできない。本実施の形態では、付加振動検出部35として、電磁アクチュエータ25の可動子に装着されて可動子の加速度を検出する加速度センサ27を用いている。現在、加速度センサ27としては、例えば、半導体型加速度センサを用いることができる。
駆動信号生成部37は、補正変位振動検出信号S1´に含まれる変位振動周波数成分と付加振動検出信号に含まれる付加振動周波数成分とに基づいて、アタッチメント24の水平方向(Y方向)の振動を抑制するように電磁アクチュエータ25をアクティブ制御するのに必要な駆動信号を生成する。変位振動周波数成分の情報を含む変位振動検出信号S1のみに基づいて生成したアクチュエータを駆動する駆動信号だけでは、振動の抑制ができなくなる場合がある。その原因は、アクチュエータ自身の振動が原因となって発生する付加振動(付加振動周波数成分)が変位振動周波数成分に含まれているためである。そこで、変位振動周波数成分の情報を含む検出信号S1を位相補正した補正変位振動検出信号S1´から、アタッチメント24の水平方向の振動を抑制するための振動を発生する電磁アクチュエータ25の振動子の付加振動による付加振動周波数成分の情報を含む加速度センサ27の加速度信号S2を積分して得た速度に比例する付加振動検出信号S2´を除いて生成した駆動信号Saを用いる。これにより、付加振動の減衰を大きくして発振を防ぐことができ、電磁アクチュエータ25を利用したアクティブ制御をより有効なものとする。その結果、従来よりも短い時間でアタッチメント24の振動を確実に抑制することができる。
図5は、電磁アクチュエータの駆動信号Saを生成する構成と過程を波形と一緒に示した図である。図5に示すように、駆動信号生成部37は、第1ゲイン調整部37Aと、第2ゲイン調整部37Bと演算部37Cとから構成されている。第1ゲイン調整部37Aは位相補正部34から出力された補正変位振動検出信号S1´のゲインを調整する。第2ゲイン調整部37Bは、付加振動検出部35から出力される付加振動検出信号S2´のゲインを調整する。第1ゲイン調整部37A及び第2ゲイン調整部37Bは、補正変位振動検出信号S1´と付加振動検出信号S2´の次元及び振幅の相違を調整して演算を可能にしている。そして演算部37Cは、変位振動周波数成分に含まれるアクチュエータの付加振動によって発生する付加振動周波数成分による影響を低減または除去する演算として、ゲイン調整した補正変位振動検出信号S1´からゲイン調整した付加振動検出信号S2´を除去する演算を実行する。加速度センサ27の出力の極性がマイナスの場合には、演算部37Cで加算演算を行うことになる。
アクティブ振動抑制装置31は、成形品取出機が稼働状態にあるときには、常時動作状態にあるのが好ましい。このようにすると常にアタッチメント24の振動を抑制するので、成形品を変形させることなく取り出すことができ、しかも取出ヘッドで取り出した後まだ完全に硬化していない成形品が変形するのを防止できる。またアクティブ振動抑制装置31は、少なくともアタッチメント24が成形機の型内で停止動作をする際に動作状態にあれば、アタッチメント24による成形品の取出動作を早期に且つ確実に行える。
さらにアクティブ振動抑制装置31は、アタッチメント24が成形品開放位置で停止動作をする際に動作状態にあってもよい。このようにすると、まだ完全に硬化していない成形品の変形を防止できる。
<フィードバック制御の結果>
以下本実施の形態で用いるアクティブ振動抑制装置におけるフィードバック制御の効果を確認した結果について図6及び図7に基づいて説明する。なお図6及び図7においても、特開2017−105190号公報に記載のように、変位振動検出部33としては昇降フレーム19を駆動する図示しないACサーボモータのトルクから変位振動を検出する構成のものを用いている。まず図6は、X0はアクティブ制御をしていないときの結果を示しており、X1はレーザ位置センサの出力を変位振動検出信号として利用したアクティブ制御結果を示しており、X2は本実施の形態のようにトルク信号波形S1を変位振動検出信号として利用して、0.02秒の位相ずれ(進み)を補正した補正変位振動検出信号S1´を用いたアクティブ制御結果を示している。整定時間は、目標位置に到達してから反転ユニット21の振動振幅が、±0.1mm以内に収まるまでの時間である。この結果から、本実施の形態によれば、レーザ変位計を用いた場合と同様の制振効果が得られることが確認できた。図7は、図6の結果に、さらに位相補正を行わない場合の制振結果X3を加えた試験果を示している。これらの試験結果から位相補正を入れることで、整定時間を0.2秒以内に抑えられることが確認できた。
以下本実施の形態で用いるアクティブ振動抑制装置におけるフィードバック制御の効果を確認した結果について図6及び図7に基づいて説明する。なお図6及び図7においても、特開2017−105190号公報に記載のように、変位振動検出部33としては昇降フレーム19を駆動する図示しないACサーボモータのトルクから変位振動を検出する構成のものを用いている。まず図6は、X0はアクティブ制御をしていないときの結果を示しており、X1はレーザ位置センサの出力を変位振動検出信号として利用したアクティブ制御結果を示しており、X2は本実施の形態のようにトルク信号波形S1を変位振動検出信号として利用して、0.02秒の位相ずれ(進み)を補正した補正変位振動検出信号S1´を用いたアクティブ制御結果を示している。整定時間は、目標位置に到達してから反転ユニット21の振動振幅が、±0.1mm以内に収まるまでの時間である。この結果から、本実施の形態によれば、レーザ変位計を用いた場合と同様の制振効果が得られることが確認できた。図7は、図6の結果に、さらに位相補正を行わない場合の制振結果X3を加えた試験果を示している。これらの試験結果から位相補正を入れることで、整定時間を0.2秒以内に抑えられることが確認できた。
<制御パラメータの自動設定>
図8は、本発明の実施の形態の成形品取出機のアクティブ振動抑制装置31´の構成を示すブロック図である。図3に示したアクティブ振動抑制装置31の基本構成と同じ部分には、図3に付した符号と同じ符合を付して説明を省略する。このアクティブ振動抑制装置31´は、位相補正部34´が自動的に制御パラメータとしての位相とゲインを決定する機能を有している点で図3の基本構成と異なっている。
図8は、本発明の実施の形態の成形品取出機のアクティブ振動抑制装置31´の構成を示すブロック図である。図3に示したアクティブ振動抑制装置31の基本構成と同じ部分には、図3に付した符号と同じ符合を付して説明を省略する。このアクティブ振動抑制装置31´は、位相補正部34´が自動的に制御パラメータとしての位相とゲインを決定する機能を有している点で図3の基本構成と異なっている。
アクティブ振動抑制装置31´は、サーボモータを用いる位置決めサーボ装置によって制御される昇降フレーム19(進入フレーム)にアタッチメントを備え、アタッチメント24の変位振動を検出する変位振動検出部33と、変位振動検出部33が検出した変位振動と逆位相の振動を電磁アクチュエータ25からアタッチメント24に加えてアタッチメント24の変位振動を抑制するアクティブ制御を行う。このアクティブ振動抑制装置31´は、制御位置設定部41と、固有振動数決定部42と、制御パラメータ決定部43と、制御パラメータ記憶部44と、型判定部45と、駆動信号生成部37を備えている。
制御位置設定部41の一例は、図9に示す通りである。図9の制御位置設定部41は成形品取出機に付随するコントローラの表示画面を入力インタフェイスとして制御予定位置を選択的に設定することを可能にする。制御予定位置は、例えば図10に示すようなアタッチメントの移動ルートの各所に設定可能である。図9の「位置」の欄の番号1,2,・・・は、図10のアタッチメントの移動ルートに付した番号1,2,・・・と対応している。この入力インタフェイスでは、制御予定位置の設定と、その位置に向かうときの昇降フレームの移動速度、その位置でのアクティブ制御の有無(ON/OFF)の設定が可能である。図9において「周波数」の表記欄には、制御予定位置におけるアクティブ制御により打ち消す固有振動数である。本実施の形態では、この固有振動数は固有振動数決定部42によって決定される。ちなみに図10の移動ルートは、位置7と位置9の両方の製品開口位置で成形品の開放を行う2箇所開放タイプのルートである。図10の移動ルートにおいては数字2乃至4で示した位置が、取出動作の際の「下降位置」、「取出位置」、「引抜位置」である。このような制御位置設定部41を設けると、希望する制御予定位置において、アクティブ制御の実行、非実行を簡単にセットできる。
固有振動数決定部42は、事前に、ティーチングの際に、ティーチング後の試験運転の際にまたは運転中に、アクティブ制御を行うことを予定している1以上の制御予定位置(例えば、図9及び図10に示した位置)においてアタッチメント24の固有振動数を決定する。固有振動数決定部42は、変位振動検出部33の出力に基づいて、1以上の制御予定位置におけるアタッチメントの固有振動数を決定するものであり、演算のみより固有振動数を決定するものでも、加速度センサ等のセンサ出力を用いるものであっても、その構成は任意である。本実施の形態では、加速度センサ28の出力に基づいて固有振動数を決定する。
加速度センサ28の出力に基づいて、固有振動数を決定する場合の一例を、図11の波形図を用いて説明する。固有振動数決定部42は、アタッチメントが制御予定位置に到達してから、すなわちサーボモータの制御装置が移動完了指令を出力したときから(図11の時刻tから)、所定の時間経過した後または予め定めた周期分の振動が発生した後の変位振動検出部33の出力の周期の平均値に基づいて固有振動数を決定する。図11の例では、サーボモータ停止後に初めて加速度がゼロになる点を通過したときから1周期(T)分の振動波形を棄てて、その後のn−1周期分(2以上の正の整数)の周期分の固有振動数を平均化する。例えば、平均周期=[(t4−t2)+(t6−t4)+(t8−t6)]/3として平均周期を求める。そしてこの平均周期の逆数を固有振動数とする。変位振動検出部33が検出する変位振動は、初期の振動中に雑音が含まれていることが多い。そのためこのようにすると、固有振動数の決定精度を高めることができる。
なお固有振動数は、制御予定位置における昇降フレーム19の長さ、剛性、アタッチメントの重量等の条件が明確であれば、計算によっても求めることができる。
変位振動検出部33は振動抑制対象となる振動を検出できるものであれば、何でもよい。三軸方向の振動を全て打ち消すためには、三軸加速度センサ28を変位振動検出部としてアタッチメントに実装すればよい。例えばアタッチメントが取出ヘッド23の場合には、取出ヘッド23が成形品開放位置で停止動作をする際にアクティブ制御を実行するのが一般的である。また成形品開放位置に、取出ヘッドが左右方向及び上下方向と直交する横行方向に変位振動しているときの横行変位振動を検出する変位センサを変位振動検出部33として設けてもよい。この場合には、アクティブ振動抑制装置は、変位センサの出力に基づいて横行変位振動を抑制するアクティブ振動抑制制御を行うように構成すればよい。
電動アクチュエータは、取出ヘッドに振動を加えることができるものであれば、どのようなものでもよいが、本実施の形態のように電磁アクチュエータ25であれば、任意のパワーで且つ任意の周波数の振動を発生することができる。例えば、アクチュエータとして圧電アクチュエータを用いることもできる。圧電アクチュエータは小型であるが、パワーが小さいため、圧電アクチュエータを用いる場合には、多層(バイモルフ)タイプの圧電アクチュエータを用いるのが好ましい。電動アクチュエータの数は、抑制する振動の方向の数分だけ、それらの振動を抑制する逆位相の振動を加えることができる位置に設ければよい。図1に示すように、取出ヘッド23が、昇降フレーム19に装着された反転ユニット21と反転ユニット21に装着された取り出し機構とからなる場合には、アクチュエータは反転ユニット21に装着すればよい。反転ユニット21は、所定の剛性を有するため、効果的に振動を抑制できる。
制御パラメータ決定部43は、決定した固有振動数に基づいて、アクティブ振動抑制制御に必要な制御パラメータを決定する。制御パラメータ記憶部44は、制御パラメータ決定部43が決定した制御パラメータを記憶する。そして駆動信号生成部37は、パラメータ記憶部に記憶した制御パラメータに基づいて、制御予定位置において電動アクチュエータを用いたアクティブ振動抑制制御を実行するための駆動信号を発生する。本実施の形態では、制御パラメータ決定部43が、固有振動数と1以上の制御パラメータとの間の対応関係を記憶したテーブルに基づいて、1以上の制御パラメータを決定するように構成されている。このようにテーブルを用いると、短い時間で制御パラメータを決定できる。図12には、固有振動数と遅れとの相関関係の一例をグラフで示してあり、また図13には固有振動の振幅と必要なゲインとの相関関係の一例をグラフで示してある。例えば、前述のテーブルには、これらのグラフに示される相関関係を予め記録しておけばよい。なお図12及び図13は例示であって、正確なものではない。なお基本的な制御パラメータは、位相遅れとゲインである。ゲインは,一定でも振動抑制時間が多少影響を受ける程度で、大きな問題は生じないが、位相遅れはアクティブ制御の制振効果に直結するため、必ず設定する必要がある。固有振動数決定部42は、変位振動検出部33の出力を演算処理して固有振動数を決定する際に時間遅れが発生する回路を用いて固有振動数を決定するように構成されており、制御パラメータ決定部43は、固有振動数決定部42より演算処理された遅れ時間とゲインを制御パラメータとして決定するように構成されている。
アクティブ振動抑制装置31´は、成形品取出機が稼働状態にあるときには、常時動作状態にあるのが好ましい。このようにすると常に取出ヘッドの振動を抑制するので、成形品を変形させることなく取り出すことができ、しかも取出ヘッドで取り出した後まだ完全に硬化していない成形品が変形するのを防止できる。そのため制御予定位置の数が多くなる。このように制御予定位置の数が多くなる場合でも、本実施の形態によれば、固有振動数決定部42を設けて各制御予定位置における固有振動数を自動で決定し、決定した固有振動数に基づいて制御パラメータ決定部43が各制御予定位置においてアクティブ振動抑制制御を行うのに必要な制御パラメータを自動決定するので、短い時間で制御パラメータの設定をして、アクティブ振動抑制制御を実行できる。
図8における型判定部45は、成形機で使用される型を判定して制御パラメータ記憶部44に使用する型の情報を出力する。なお型判定部45が、操作者のマニュアル入力でもよい。本実施の形態では、制御パラメータ記憶部44は、過去に制御パラメータ決定部43が決定した制御パラメータを成形機の型に対応付けて記憶している。そこで駆動信号生成部37は、成形機の型が交換されると、従前に記憶した制御パラメータに基づいてアクティブ制御に必要な制御パラメータを用いて駆動信号を生成する。このようにすると過去データを有効に利用して、型が交換された場合の制御パラメータの決定を省略することができる。
<制御パラメータ決定部の変形例>
図14は、制御パラメータ決定部43´の変形例を示すブロック図である。この制御パラメータ決定部43´は、1以上の制御予定位置について既に決定された1以上の制御パラメータに基づいて、1以上の制御予定位置の近くにある他の制御予定位置の制御パラメータを、補間法を用いて決定する。制御パラメータ決定部43´は、固有振動数に基づいてテーブル47から対応する制御パラメータを選択して決定する対応パラメータ決定部46と、他の制御予定位置を入力する入力部49と、入力部49により入力された他の制御予定位置の変更が許容範囲内であれば、補間法に基づいて演算により他の予定位置の制御パラメータを決定するパラメータ補間決定部48を備えている。このようにすると制御パラメータの決定に他の制御予定位置での固有振動数を求めなくても、制御パラメータを決定できる。例えば、成形品が複数の容器からなる場合において、成形された容器を複数個重ねて開放位置に置くような場合、1段目の開放位置における固有振動数と最終段目の開放位置における固有振動数を求めておき、その間の開放位置における固有振動数をこの補間法を用いて決定するようにすると、迅速に制御パラメータを決定できる。
図14は、制御パラメータ決定部43´の変形例を示すブロック図である。この制御パラメータ決定部43´は、1以上の制御予定位置について既に決定された1以上の制御パラメータに基づいて、1以上の制御予定位置の近くにある他の制御予定位置の制御パラメータを、補間法を用いて決定する。制御パラメータ決定部43´は、固有振動数に基づいてテーブル47から対応する制御パラメータを選択して決定する対応パラメータ決定部46と、他の制御予定位置を入力する入力部49と、入力部49により入力された他の制御予定位置の変更が許容範囲内であれば、補間法に基づいて演算により他の予定位置の制御パラメータを決定するパラメータ補間決定部48を備えている。このようにすると制御パラメータの決定に他の制御予定位置での固有振動数を求めなくても、制御パラメータを決定できる。例えば、成形品が複数の容器からなる場合において、成形された容器を複数個重ねて開放位置に置くような場合、1段目の開放位置における固有振動数と最終段目の開放位置における固有振動数を求めておき、その間の開放位置における固有振動数をこの補間法を用いて決定するようにすると、迅速に制御パラメータを決定できる。
<固有振動数決定部の変形例>
固有振動数決定部42は、変位振動検出部33の出力を演算処理して固有振動数を推定するように構成してもよい。固有振動数の推定は、例えば、図11の時刻t4までのデータに基づいて、それ以降の変位振動を推定して、前述の平均化と同様に、平均周期=[(t4−t2)+(t6−t4)+(t8−t6)]/3として平均周期を求めることができる。固有振動数の推定は、公知の推定技術を用いて行うことができる。例えば、特許第4713355号に示されるアクティブ制御における固有振動数の推定技術を用いてもよい。この特許では、過去の基盤あるいは質量体の運動情報と未来の基盤あるいは質量体の振動情報から、FIRデジタルフィルタ処理によって所定の周波数重み付けがなされた振動情報を演算する。そして、その振動情報を元に所定のアクチュエータ制御力を演算する。その結果、理想的な制御力に対する位相ずれの小さいフィルタ処理を可能にして、低周波における制御性を向上させている。
固有振動数決定部42は、変位振動検出部33の出力を演算処理して固有振動数を推定するように構成してもよい。固有振動数の推定は、例えば、図11の時刻t4までのデータに基づいて、それ以降の変位振動を推定して、前述の平均化と同様に、平均周期=[(t4−t2)+(t6−t4)+(t8−t6)]/3として平均周期を求めることができる。固有振動数の推定は、公知の推定技術を用いて行うことができる。例えば、特許第4713355号に示されるアクティブ制御における固有振動数の推定技術を用いてもよい。この特許では、過去の基盤あるいは質量体の運動情報と未来の基盤あるいは質量体の振動情報から、FIRデジタルフィルタ処理によって所定の周波数重み付けがなされた振動情報を演算する。そして、その振動情報を元に所定のアクチュエータ制御力を演算する。その結果、理想的な制御力に対する位相ずれの小さいフィルタ処理を可能にして、低周波における制御性を向上させている。
本発明によれば、固有振動数決定部を設けて制御予定位置における固有振動数を自動で決定し、決定した固有振動数に基づいて制御パラメータ決定部が制御予定位置においてアクティブ制御を行うのに必要な制御パラメータを自動決定するので、短い時間で制御パラメータの設定をして、アクティブ制御を実行できる。
3 横行軸
5 走行体
6 チャック
8 ランナ用昇降ユニット
9 成形品吸着用昇降ユニット
11 ACサーボモータ
13 ACサーボモータ
15 ベルト
17,17´ 走行体
19,19´ 昇降フレーム
21 反転ユニット
23 取出ヘッド
25,25X,25Y,25Z アクチュエータ
27,27X,27Y,27Z 加速度センサ
28 加速度センサ
31,31´ アクティブ振動抑制装置
33 変位振動検出部
34,34´ 位相補正部
35 付加振動検出部
37 駆動信号生成部
5 走行体
6 チャック
8 ランナ用昇降ユニット
9 成形品吸着用昇降ユニット
11 ACサーボモータ
13 ACサーボモータ
15 ベルト
17,17´ 走行体
19,19´ 昇降フレーム
21 反転ユニット
23 取出ヘッド
25,25X,25Y,25Z アクチュエータ
27,27X,27Y,27Z 加速度センサ
28 加速度センサ
31,31´ アクティブ振動抑制装置
33 変位振動検出部
34,34´ 位相補正部
35 付加振動検出部
37 駆動信号生成部
Claims (11)
- サーボモータを用いる位置決めサーボ装置によって制御される進入フレームにアタッチメントを備え、
前記アタッチメントの変位振動を検出する変位振動検出部と、
前記変位振動検出部が検出した前記変位振動と逆位相の振動を電動アクチュエータから前記アタッチメントに加えて前記アタッチメントの前記変位振動を抑制するアクティブ振動抑制制御を行うアクティブ振動抑制装置を備えた成形品取出機であって、
前記アクティブ振動抑制装置は、事前に、ティーチングの際に、ティーチング後の試験運転の際にまたは運転中に、アクティブ振動抑制制御を行うことを予定している1以上の制御予定位置において前記アタッチメントの固有振動数を決定する固有振動数決定部と、
決定した前記固有振動数に基づいて、アクティブ振動抑制制御に必要な制御パラメータを決定する制御パラメータ決定部と、
前記制御パラメータ決定部が決定した前記制御パラメータを記憶するパラメータ記憶部と、
前記パラメータ記憶部に記憶した前記制御パラメータに基づいて、前記制御予定位置において前記電動アクチュエータを用いたアクティブ振動抑制制御を実行するための駆動信号を発生する駆動信号生成部を備えていることを特徴とする成形品取出機。 - 前記アクティブ振動抑制装置は、前記1以上の制御予定位置を選択的に設定することを可能にする制御位置設定部を更に備えている請求項1に記載の成形品取出機。
- 前記制御予定位置として、少なくとも取出位置及び開放位置を含むアタッチメントの停止位置が含まれている請求項2に記載の成形品取出機。
- 前記固有振動数決定部は、前記変位振動検出部の出力に基づいて、前記1以上の制御予定位置における前記アタッチメントの前記固有振動数を決定する請求項1に記載の成形品取出機。
- 前記固有振動数決定部は、前記アタッチメントが前記制御予定位置に到達してから(サーボモータの振動抑制装置が移動完了指令を出力したときから)、所定の時間経過した後または予め定めた周期分の振動が発生した後の前記変位振動検出部の出力の周期の平均値に基づいて前記固有振動数を決定する請求項4に記載の成形品取出機。
- 前記制御パラメータ決定部は、前記固有振動数と前記1以上の制御パラメータとの間の対応関係を記憶したテーブルに基づいて、前記1以上の制御パラメータを決定する請求項1に記載の成形品取出機。
- 前記制御パラメータ決定部は、1以上の前記制御予定位置について既に決定された1以上の前記制御パラメータに基づいて、前記1以上の制御予定位置の近くにある他の制御予定位置の制御パラメータを補間法を用いて決定する機能を有している請求項1に記載の成形品取出機。
- 前記制御パラメータ決定部は、前記他の制御予定位置を入力する入力部と、前記入力部により入力された前記他の制御予定位置の変更が許容範囲内であれば、前記補間法に基づいて演算により前記他の予定位置の前記制御パラメータを決定するパラメータ補間決定部を備えている請求項7に記載の成形品取出機。
- 前記パラメータ記憶部は、過去に前記制御パラメータ決定部が決定した前記制御パラメータを成形機の型に対応付けて記憶しており、
前記アクティブ振動抑制装置は、前記成形機の型が交換されると、従前に記憶した制御パラメータに基づいてアクティブ振動抑制制御を実施する請求項1に記載の成形品取出機。 - 前記固有振動数決定部は、前記変位振動検出部の出力を演算処理して前記固有振動数を決定する際に時間遅れが発生する回路を用いて前記固有振動数を決定するように構成されており、
前記制御パラメータ決定部は、前記固有振動数決定部より演算処理された遅れ時間とゲインを前記制御パラメータとして決定するように構成されている請求項1に記載の成形品取出機。 - 前記固有振動数決定部は、前記変位振動検出部の出力を演算処理して前記固有振動数を推定するように構成されている請求項1に記載の成形品取出機。
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