JP2019017474A - インプラントの表面構造およびインプラントの表面構造の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】骨組織との間において血液循環通路が多数形成されると共に、骨組織と強固に係合可能なインプラントを提供する。【解決手段】本発明のインプラントの表面構造は、上記インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部と、上記インプラントの表面から突出する複数の突出部と、を備える。そして、少なくとも1つの上記窪み部は、自身の周縁を構成する周縁部と、上記窪み部の凹空間側の上記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、上記窪み部の深さ方向における上記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、上記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における上記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、インプラントの表面構造およびインプラントの表面構造の製造方法に関する。
近年、骨組織との接合部位に金属製のインプラントが広く使用されている。骨組織との接合部位に用いられるインプラントとしては、例えば、骨組織との接合部位においてチタン金属又はチタン合金からなる基材の表面に溝又は穴が形成され、その溝又は穴の内表面に酸化物皮膜を有する骨親和性インプラントが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記骨親和性インプラントでは、溝又は穴以外の部分の表面を平滑にするために研磨処理が行われる。上記骨親和性インプラントによれば、溝又は穴の内部においてハイドロキシアパタイトが形成されやすくなる。
特開2007−159685号公報
ところで、骨は、リモデリングという代謝を繰り返している。リモデリングでは、破骨細胞により骨が壊され、骨芽細胞により新たな骨が生成される。新たな骨の生成過程において、骨芽細胞は、コラーゲン等の骨基質タンパク質を発現・分泌する。骨基質タンパク質に血液を通じて運ばれてくるカルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着して、新たな骨が生成される。したがって、基質タンパク質に向かってカルシウムが運ばれるように、骨組織とインプラントとの間に血液が循環される血液循環通路が複数必要となる。
上記骨親和性インプラントでは、溝又は穴以外の部分の表面が平滑になっているため、骨組織とインプラントとの間に血液循環通路が都合よく形成されるとは限らない。
本発明は、斯かる実情に鑑み、骨組織との間において血液循環通路が多数形成されると共に、骨組織と強固に係合可能なインプラントの表面構造、およびインプラントの表面構造の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のインプラントの表面構造は、インプラントの表面構造であって、前記インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部と、前記インプラントの表面から突出する複数の突出部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、少なくとも1つの前記窪み部は、自身の周縁を構成する周縁部と、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、前記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、少なくとも1つの前記窪み部は、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の前記深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ進むにしたがって、前記面方向における前記窪み部の中央側へ向かう方向へ進む窪み部側かえり面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記拡張面は、前記周縁部の周方向の一部の範囲である第一周方向範囲の少なくとも一部に形成され、前記窪み部側かえり面は、前記第一周方向範囲以外の前記周縁部の周方向の一部の範囲である第二周方向範囲の少なくとも一部に形成されることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、複数の前記窪み部には、第一窪み部と第二窪み部とが含まれ、前記第一窪み部と前記第二窪み部とは隣り合い、前記第一窪み部と前記第二窪み部との境界部分の前記周縁部は、共通の前記周縁部(以下、第一共通周縁部と呼ぶ)で構成され、前記第一共通周縁部の前記第一窪み部側の面は、前記拡張面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記第一共通周縁部の前記第二窪み部側の面は、前記窪み部側かえり面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、複数の前記窪み部には、前記第一窪み部および前記第二窪み部と共に、前記第一窪み部および前記第二窪み部が並ぶ第一配列方向に沿って配列される第三窪み部が含まれ、前記第二窪み部と前記第三窪み部とは隣り合い、前記第二窪み部と前記第三窪み部との境界部分の前記周縁部は、共通の前記周縁部(以下、第二共通周縁部と呼ぶ)で構成され、前記第二共通周縁部の前記第二窪み部側の面は、前記拡張面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記第二共通周縁部の前記第三窪み部側の面は、前記窪み部側かえり面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、複数の前記窪み部の少なくとも一部は、前記第一配列方向に対して角度θ(0°<θ<180°)を有する方向である第二配列方向に沿って配列されることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記角度θは、略90°であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記第一配列方向および/または前記第二配列方向に配列される複数の前記窪み部の少なくとも一部は、うろこ状に配列されることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記周縁部は、波状および/またはひだ状に形成される部分を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記インプラントの表面は、骨芽細胞を収容可能な大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記骨芽細胞収容可能窪み部の個数が略200(個/mm)以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20μm以上、かつ、前記窪み部平面面積が略300μm以上である窪み部(以下、第一条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記第一条件合致窪み部の個数が略200(個/mm)以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、前記インプラントの表面は、骨芽細胞を収容可能な大きさを有する前記骨芽細胞収容可能窪み部が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、前記骨芽細胞収容可能窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略20%以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20μm以上、かつ、前記窪み部平面面積が略300μm以上である前記第一条件合致窪み部が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、前記第一条件合致窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略20%以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記インプラントの表面は、骨芽細胞と略同じ大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞同サイズ窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記骨芽細胞同サイズ窪み部の個数が略35(個/mm)以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20〜30μmの間、かつ、前記窪み部平面面積が略300〜750μmの間の範囲内にある窪み部(以下、第二条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記第二条件合致窪み部の個数が略35(個/mm)以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、前記インプラントの表面は、骨芽細胞と略同じ大きさを有する前記骨芽細胞同サイズ窪み部が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、前記骨芽細胞同サイズ窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略1.5%以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20〜30μmの間、かつ、前記窪み部平面面積が略300〜750μmの間の範囲内にある前記第二条件合致窪み部が設けられる特定領域を有し、前記特定領域では、前記第二条件合致窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略1.5%以上であることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記突出部は、前記インプラントの表面から突出する基部と、前記基部の先端側に設けられる頭部と、を備え、前記頭部は、前記基部との境界の近傍において、前記基部から前記頭部へ向かう方向である突出方向へ進むにしたがって、該突出方向に垂直な方向の外側へ向かう突出部かえり面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記頭部の表面の少なくとも一部は、曲面で形成されることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記頭部は、略球状に形成されることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造は、インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部を備え、少なくとも1つの前記窪み部は、自身の周縁を構成する周縁部と、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、前記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、少なくとも1つの前記窪み部は、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の前記深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ進むにしたがって、前記面方向における前記窪み部の中央側へ向かう方向へ進む窪み部側かえり面を有することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造において、前記インプラントは、歯科インプラントであることを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造の製造方法は、上記のいずれかに記載のインプラントの表面構造の製造方法であって、電気エネルギーを前記インプラントの表面の微小領域に与えて、微小領域を溶解させる表面加工処理を行うことにより前記インプラントの表面構造を形成することを特徴とする。
また、本発明のインプラントの表面構造の製造方法において、前記表面加工処理は、ワイヤー放電加工であることを特徴とする。
本発明のインプラントの表面構造によれば、骨組織との間において血液循環通路が多数形成されると共に、骨組織と強固に係合可能になるという優れた効果を奏し得る。
本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の二次電子像(SEI)(撮影倍率:250倍)の写真である。 (A)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部2Aの平面概略図である。(B)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部2AのA−A断面概略図である。(C),(D)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部2Aの周縁部近傍を示す図である。 本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部2Aの周縁部近傍部分の二次電子像(SEI)(撮影倍率:1500倍)の写真である。 (A),(B)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部2Aの変形例の断面概略図である。 本発明の第一実施形態における歯科インプラントの窪み部に口内の骨組織の骨芽細胞が収容された様子を示す図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面において3つ並んだ窪み部の平面概略図である。(B)は、本発明の実施形態における歯科インプラントの表面において3つ並んだ窪み部のB−B断面概略図である。(C)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部2Bの周縁部近傍を示す図である。 本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面における3つ並んだ窪み部を含む領域の二次電子像(撮影倍率:500倍)の写真である。 (A)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部の第一周方向範囲および第二周方向範囲を示す平面概略図である。(B)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の窪み部の第一周方向範囲および第二周方向範囲の変形例を示す平面概略図である。 本発明の第一実施形態における歯科インプラントの3つ並んだ窪み部に患者の口内の骨組織の骨芽細胞が収容された様子を示す図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面において、第一配列方向および、第一配列方向と直角な第二配列方向のそれぞれに3つずつ並んだ窪み部の平面概略図である。(B)は、本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面において、第一配列方向および、第一配列方向と角度θを成す第二配列方向のそれぞれに3つずつ並んだ窪み部の平面概略図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における第一窪み部配列にしたがって配列された複数の窪み部の平面模式図である。(B)は、本発明の第一実施形態における第二窪み部配列にしたがって配列された複数の窪み部の平面模式図である。 (A)は、本発明の第一実施形態における第三窪み部配列にしたがって配列された複数の窪み部の平面模式図である。(B)は、本発明の第一実施形態における第四窪み部配列にしたがって配列された複数の窪み部の平面模式図である。 本発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面における突出部を含む部分の二次電子像(撮影倍率:1500倍)の写真である。 発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面の突出部の側面概略図である。 (A)は、発明の第一実施形態における歯科インプラントの表面に新たな骨組織が形成された様子の一例を示す断面図である。(B)は、突出部の周囲に形成された新たな骨組織に外力が加わる様子を示す断面図である。 (A)は本発明の第二実施形態における歯科インプラントの表面における二次電子像(撮影倍率:200倍)の写真である。(B)は本発明の第二実施形態における歯科インプラントの表面における第二表面構造解析写真である。 第二表面構造解析写真の作成において境界条件として用いられる対角幅を説明するための図である。 (A)は本発明の第二〜第五実施形態における歯科インプラントの表面の第一条件合致窪み部の解析結果を示す表である。(B)は本発明の第二〜第五実施形態における歯科インプラントの表面の第二条件合致窪み部の解析結果を示す表である。 (A)は本発明の第三実施形態における歯科インプラントの表面における二次電子像(撮影倍率:100倍)の写真である。(B)は本発明の第三実施形態における歯科インプラントの表面における第三表面構造解析写真である。 (A)は本発明の第四実施形態における歯科インプラントの表面における二次電子像(撮影倍率:150倍)の写真である。(B)は本発明の第四実施形態における歯科インプラントの表面における第四表面構造解析写真である。 (A)は本発明の第五実施形態における歯科インプラントの表面における二次電子像(撮影倍率:150倍)の写真である。(B)は本発明の第五実施形態における歯科インプラントの表面における第五表面構造解析写真である。
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、本発明のインプラントは、骨組織と当接されることを主目的とするものであり、人体の全ての部位に適用可能である。つまり、本発明のインプラントは、例えば、歯科治療で用いられる歯科インプラント、整骨を目的とするインプラント、その他の骨組織と当接される全てのインプラントのいずれにも適用可能である。以下において、本発明のインプラントが歯科インプラントである場合を例にとって説明する。なお、以下の歯科インプラントの説明はその他のインプラントにも適用可能である。
<第一実施形態>
<歯科インプラントの第一表面構造>
図1を参照して、本発明の第一実施形態における歯科インプラント1の第一表面構造100について説明する。歯科インプラント1の第一表面構造100は、図1に示すように、歯科インプラント1の表面1Aに形成される複数の窪み部2と、歯科インプラント1の表面1Aから突出する複数の突出部3とを備える。
<歯科インプラントの材料>
本発明の第一実施形態における歯科インプラント1の材料は、生体適合性を有するいずれの材料であってもよい。生体適合性を有する材料として、例えば、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、コバルトクロムモリブデン合金、ステンレス鋼等が挙げられる。歯科インプラント1の材料として、チタンが好ましく、強度および生体適合性の観点から、チタン合金がより好ましい。チタン合金として、例えば、タンタル、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、モリブデンのうち少なくとも1つが含有されるチタン合金が好ましい。
<窪み部>
複数の窪み部2には、様々な形態を有するものが混在する。複数の窪み部2には、例えば、図1に示すように、全体が放射状または傘状に広がった形状の窪み部2Aや、放射状または傘状に広がった形状部分(以下、拡張部分と呼ぶ。)と、自身の中央側へ延在する部分(以下、中央側延在部分と呼ぶ。)とが混在する窪み部2B,2Cが含まれる。以下において、窪み部2A、および窪み部2B,2Cについて説明する。
<窪み部2A>
まず、図2〜4を参照して、窪み部2Aについて説明する。
<窪み部2Aの凹空間>
図2(B)に示すように、窪み部2Aは、歯科インプラント1の表面1Aに凹状の凹空間12を形成する。窪み部2Aの凹空間12は、窪み部2Aの周面13で囲まれて形成される。周面13は、窪み部2Aの略中心20Aから放射状または傘状に広がった形状になっている。
窪み部2Aは、歯科インプラント1の表面1Aに複数形成される。そして、窪み部2Aの凹空間12は、様々な大きさを有するものが混在する。凹空間12には、骨芽細胞が収容されることが好ましい。骨芽細胞の径の大きさは、略20〜30μm程度である。したがって、凹空間12の径は、骨芽細胞の径の大きさ(略20〜30μm程度)以上あればよい。しかしながら、例えば、径が略200μm以上あるような凹空間12のように、骨芽細胞の径と比較して径が大き過ぎる凹空間12では、骨芽細胞の接着性が得られにくい。したがって、凹空間12の径の大きさは、例えば、略200μm以下が好ましく、骨芽細胞を収容可能な略20〜50μmがより好ましく、骨芽細胞の径の大きさとほぼ同じ程度の略20〜30μm程度が最も好ましい。
<窪み部2Aの周縁部>
窪み部2Aは、周縁部14と、第一拡張面15を有する。周縁部14は、窪み部2Aの周縁を構成する部分である。周縁部14には、様々な態様のものがある。周縁部14は、例えば、図2(B)の左側部分に示すように、窪み部2Aに隣接する歯科インプラント1の表面(以下、隣接表面と呼ぶ。)1Bから窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの内側から外側に向かう方向へ突出する突出基端部16の先端から延びる態様であってもよい。なお、図2(B)の左側部分および図2(C)に示す周縁部14は、例えば、図3の二次電子像(SEI)(撮影倍率:1500倍)の写真のように形成される。
また、周縁部14は、例えば、図2(B)の右側部分に示すように、歯科インプラント1の隣接表面1Bから窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの内側から外側に向かう方向へ突出する態様であってもよい。図2(B)の左右の周縁部14の違いは、歯科インプラント1の表面1Aから突出する高さの程度の差である。
また、周縁部14は、例えば、図4(A)の左側部分に示すように、歯科インプラント1の隣接表面1Bからわずかに盛り上がる態様であってもよい。この場合、周縁部14は、歯科インプラント1の隣接表面1Bを跨ぐように窪み部2Aの深さ方向へ延びる。また、周縁部14は、例えば、図4(A)の右側部分に示すように、歯科インプラント1の隣接表面1Bよりも窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの外側から内側に向かう方向に形成される態様であってもよい。
そして、周縁部14の少なくとも一部には、図2(A)に示すように、自身の周方向に沿って波状および/またはひだ状に形成される。周縁部14の近傍が波状および/またはひだ状に形成されるとその部分に袋状の空間が形成される。歯科インプラント1と骨組織とを当接させても袋状の空間には骨組織は入り込まないため、袋状の空間は、血液循環通路として機能することができる。
第一拡張面15は、凹空間12側の周縁部14の面(以下、凹空間側周縁面と呼ぶ。)である。そして、第一拡張面15は、図2(B)に示すように、窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向、かつ、窪み部2Aの深さ方向に対して直角となる面方向における窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向へ延びる。
例えば、図2(B),(C)に示すように、窪み部2Aの深さ方向をY軸とし、所定の面方向をX軸とした場合、第一拡張面15は、X軸に沿って窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向の第一ベクトル15Aと、Y軸に沿って窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向の第二ベクトル15Bとの和である合成ベクトル15Cの方向(以下、第一傾斜方向と呼ぶ。)へ延びる。なお、第一傾斜方向は、第一ベクトル15Aおよび第二ベクトル15Bの大きさに応じて様々な方向になり、その範囲内において取り得る方向の全てを含むものである。
なお、凹空間側周縁面には、図4(B)の右側部分に示すように、第一拡張面15ではなく、窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向へ延びる深さ方向立設面19が設けられる部分があってもよい。
また、図2(B)に示すように、凹空間12とは反対側の周縁部14の面(以下、反凹空間側周縁面と呼ぶ。)に、第二拡張面17が形成されてもよい。第二拡張面17は、第一拡張面15と同様に、図2(B)に示すように、窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向、かつ、窪み部2Aの深さ方向に対して直角となる面方向における窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向へ延びる。
例えば、図2(D)に示すように、窪み部2Aの深さ方向をY軸とし、所定の面方向をX軸とした場合、第二拡張面17は、X軸に沿って窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向の第一ベクトル17Aと、Y軸に沿って窪み部2Aの内側から外側へ向かう方向の第二ベクトル17Bとの和である合成ベクトル17Cの方向(以下、第二傾斜方向と呼ぶ。)へ延びる。なお、第二傾斜方向は、第一ベクトル17Aおよび第二ベクトル17Bの大きさに応じて様々な方向になり、その範囲内において取り得る方向の全てを含むものである。
そして、第二拡張面17と歯科インプラント1の隣接表面1Bとは、窪み部2Aの深さ方向から平面視して重なり合う。重なり合う部分において第二拡張面17と歯科インプラント1の隣接表面1Bとの間には、空間Eが形成される。
凹空間12とは反対側の突出基端部16の面に、突出基端拡張面18が形成されてもよい。突出基端拡張面18は、第二拡張面17と同様に、第二傾斜方向へ延びる。ただし、突出基端拡張面18と第二拡張面17とにおける第二傾斜方向は、第二傾斜方向が取り得る方向の範囲内であれば、同じであっても異なっていてもよい。
そして、突出基端拡張面18と歯科インプラント1の隣接表面1Bとは、窪み部2Aの深さ方向から平面視して重なり合う。重なり合う部分において突出基端拡張面18と歯科インプラント1の隣接表面1Bのとの間には、空間Fが形成される。
<窪み部2Aおよび空間E,Fの役割>
図5を参照して、窪み部2Aおよび空間E,Fの役割について説明する。図5に示すように、患者の口内の骨組織4に歯科インプラント1が当接するよう取り付けられると、骨組織4の骨芽細胞5が窪み部2Aに収容される。骨芽細胞5と窪み部2Aとの隙間および空間E,Fが血液循環通路として機能する。カルシウムは、血液循環通路を流れてくる血液により運ばれる。骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質にカルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着して、新たな骨が生成される。
従来の歯科インプラントならば、表面が平滑になっているため、骨組織4の形状によっては骨芽細胞5と窪み部2Aとの間に十分な隙間が取れず、血液循環通路が形成されない可能性がある。一方、本実施形態の歯科インプラント1によれば、骨芽細胞5と窪み部2Aとの間に十分な隙間が取れなくても、血液循環通路としての上記空間E,Fまたは空間Eは必ず確保されるため、各骨芽細胞5それぞれに対して血液循環通路を必ず確保することができる。結果、各骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質に、均一に、カルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着され、健康な骨組織4が新たに形成される。
<窪み部2Aの加工方法>
窪み部2Aが以上のように形成されるには、例えば、歯科インプラント1の表面1Aの微小領域に電気エネルギーを与えて、その微小領域を溶解した後に冷却すればよい。冷却により、その微小領域における歯科インプラント1の材料は飛散して、窪み部2が形成される。以上のようなことは、例えば、ワイヤー放電加工、レーザー加工等により実現可能である。
<窪み部2B,2C>
次に、図6〜8を参照して、窪み部2Bについて説明するが、窪み部2Cも同様に説明できる。なお、図6(A),(B)に示す窪み部2B,2Cは、例えば、図7の二次電子像(SEI)の写真のように形成される。
<窪み部2B,2Cの凹空間>
窪み部2Bは、図6(B)に示すように、歯科インプラント1の表面1Aに凹状の凹空間22を形成する。窪み部2Bの凹空間22は、窪み部2Bの周面23で囲まれて形成される。周面23には、窪み部2Bにおける周面23の略中心20Bから放射状または傘状に広がる拡張部分と、窪み部2Bにおける中央側へ延在する中央側延在部分とが混在する。
窪み部2Bは歯科インプラント1の表面1Aに複数形成される。そして、窪み部2Bの凹空間22は、窪み部2Aの凹空間12と同様に、様々な大きさを有するものが混在する。
<窪み部2Aの周縁部>
窪み部2Bは、周縁部24と、第三拡張面25と、かえり面26とを有する。周縁部24は、窪み部2Bの周縁を構成する部分である。周縁部24には、周縁部14と同様に様々な態様のものがある。そして、周縁部14での説明は、周縁部24にもそのまま適用することができる。
第三拡張面25は、凹空間22側の周縁部24の面(凹空間側周縁面)である。そして、第三拡張面25は、拡張部分に対応する。また、第三拡張面25は、凹空間側周縁面の少なくとも一部に設けられ、窪み部2Bの深さ方向における窪み部2Bの内側から外側へ向かう方向、かつ、窪み部2Bの深さ方向に対して直角となる面方向における窪み部2Bの内側から外側へ向かう方向へ延びる。
例えば、図6(B),(C)に示すように、窪み部2Bの深さ方向をY軸とし、所定の面方向をX軸とした場合、第三拡張面25は、X軸に沿って窪み部2Bの内側から外側へ向かう方向の第三ベクトル25Aと、Y軸に沿って窪み部2Bの内側から外側へ向かう方向の第四ベクトル25Bとの和である合成ベクトル25Cの方向(以下、第三傾斜方向と呼ぶ。)へ延びる。なお、第三傾斜方向は、第三ベクトル25Aおよび第四ベクトル25Bの大きさに応じて様々な方向になり、その範囲内において取り得る方向の全てを含むものである。
なお、凹空間側周縁面には、窪み部2Aと同様に、第三拡張面25ではなく、深さ方向立設面が設けられる部分があってもよい。
また、凹空間22とは反対側の周縁部24の面(反凹空間側周縁面)に、第四拡張面27が形成されてもよい。第四拡張面27は、窪み部2Aにおける第二拡張面17に対応するものであり、第二拡張面17の説明を適用可能である。
そして、第四拡張面27と歯科インプラント1の隣接表面1Bとは、窪み部2Bの深さ方向から平面視して重なり合う。重なり合う部分において第四拡張面27と歯科インプラント1の隣接表面1Bとの間には、空間Gが形成される。また、突出基端部に相当する部分との間に空間Hが形成される。
かえり面26は、凹空間22側の周縁部24の面(凹空間側周縁面)である。そして、かえり面26は、中央側延在部分に対応する。かえり面26は、凹空間側周縁面の少なくとも一部に設けられ、窪み部2Bの深さ方向における窪み部2Bの内側から外側へ向かう方向に進むにしたがって、窪み部2Bの深さ方向に対して直角となる面方向における窪み部2Bの中央側へ向かう方向へ進むように延びる。つまり、かえり面26は、Y軸に沿って窪み部2Bの内側から外側へ向かう方向(Y軸の正方向)へ進むにしたがってX軸に沿って窪み部2Bの中央側へ向かう方向へ延びる。
そして、かえり面26と窪み部2Bの周面23とは、窪み部2Bの深さ方向から平面視して重なり合う。重なり合う部分においてかえり面26と窪み部2Bの周面23のとの間には、空間Iが形成される。窪み部2Cにおけるかえり面26と窪み部2Cの周面23のとの間には、空間Jが形成される。また、窪み部2B,2Cの突出基端部に相当する部分と周面23との間に空間K,Lが形成される。
第三拡張面25は、図8(A)に示すように、周縁部24の周方向の一部の範囲である第一周方向範囲R1内に設けられる。また、かえり面26は、第一周方向範囲R1以外の周縁部24の周方向の一部の範囲である第二周方向範囲R2内に設けられる。なお、第一周方向範囲R1と第二周方向範囲R2とは、図8(A)に示すように、両者が一体となって周縁部24の周方向を一周するものであってもよいが、これに限定されるものではなく、図8(B)に示すように、両者が一体となっても周縁部24の周方向を一周しないよう設定されてもよい。
なお、図8(A)において周縁部24の周方向は、太線と細線とで構成されるが、太線が第一周方向範囲R1で、細線が第二周方向範囲R2に相当する。また、図8(B)において周縁部24の周方向は、大太線と小太線と細線とで構成されるが、大太線が第一周方向範囲R1で、小太線が第二周方向範囲R2に相当する。
<窪み部の第一配列方向配列>
次に、再び図6を参照して、窪み部2B〜2Dの配列について説明する。窪み部2B,2Cは、それぞれ隣り合う。窪み部2B,2Cの境界部分の周縁部は、共通の周縁部(以下、第一共通周縁部と呼ぶ)24Aで構成される。第一共通周縁部24Aの窪み部2C側の面は、第三拡張面25を有する。一方、第一共通周縁部24Aの窪み部2B側の面は、かえり面26を有する。
また、窪み部2C,2Dは、それぞれ隣り合う。窪み部2B,2Cが配列される方向を第一配列方向と定義した場合、窪み部2Dは、第一配列方向に沿って配列される。窪み部2C,2Dの境界部分の周縁部は、共通の周縁部(以下、第二共通周縁部と呼ぶ)24Bで構成される。第二共通周縁部24Bの窪み部2D側の面は、第三拡張面25を有する。一方、第二共通周縁部24Bの窪み部2C側の面は、かえり面26を有する。
以上のように、第一配列方向に沿って配列される窪み部において、隣り合う窪み部の境界部分の周縁部は、共通の周縁部で構成される。そして、共通の周縁部の一方の窪み部側の面には、拡張面が形成される。また、共通の周縁部の他方の窪み部側の面には、かえり面が形成される。隣り合う窪み部の境界が以上のように形成されると、共通の周縁部は、かえり面が形成される側へ傾斜する。結果、窪み部の深さ方向から平面視して共通の周縁部は、第一配列方向の先頭側の窪み部の一部と重なり合うように形成される。そして、重なり合う共通の周縁部と窪み部の周面との間には空間が形成される。その空間が血液循環通路として機能する。
また、窪み部2B〜2Dの最後尾に配列される窪み部2Dは、窪み部2Aのように全体が周面13の略中心20Aから放射状または傘状に広がった形状になっている。さらに複数の窪み部が第一配列方向に沿って配列された場合であっても、最後尾の窪み部は、窪み部2Aのように全体が周面の略中心から放射状または傘状に広がった形状になる。
<窪み部2B〜2Dおよび空間I〜Lの役割>
次に、図9を参照して、窪み部2B〜2Dおよび空間I〜Lの役割について説明する。図9に示すように、歯科インプラント1が口内の骨組織4と当接するよう取り付けられると、骨組織4の骨芽細胞5が窪み部2B〜2Dに収容される。骨芽細胞5と窪み部2B〜2Dとの隙間が血液循環通路として機能する。仮に、骨芽細胞5と窪み部2B〜2Dとの間に隙間が形成されなくても、空間I〜Lが確保されるため、各骨芽細胞5それぞれに対して血液循環通路を必ず確保することができる。結果、各骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質に、均一に、カルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着され、健康な骨組織4が新たに形成される。
<窪み部の第二配列方向配列>
次に、図10を参照して、窪み部2E〜2Gの配列について説明する。窪み部2E〜2Gの第二配列方向D2は、図10(A)に示すように、窪み部2B〜2Dの第一配列方向D1に対して略直角な方向である。なお、実際の第一配列方向D1および第二配列方向D2の関係は、図1に示す歯科インプラント1の表面の二次電子像の写真に示すとおりである。
また、窪み部2E〜2Gは、窪み部2B〜2Dと同様に、隣り合う窪み部の境界部分の周縁部は、共通の周縁部で構成されてもよい。この場合、共通の周縁部の一方の窪み部側の面には、拡張面が形成され、共通の周縁部の他方の窪み部側の面には、かえり面が形成されてもよい。
なお、窪み部2E〜2Gは、図10(B)に示すように、第一配列方向D1に対して角度θ(ただし、0°<θ<90°、90°<θ<180°)を成す第三配列方向D3に沿って配列される態様であってもよい。
<窪み部の配列例>
次に、図11,12を参照して、歯科インプラント1の所定の領域における窪み部2の配列について説明する。第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って窪み部2が配列される歯科インプラント1の第一領域において、図11(A)に示すように、第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って隣り合う窪み部2同士は、例えば、一部が重なり合うように配列される。このような窪み部2の配列を第一窪み部配列と呼ぶ。この場合、隣り合う窪み部の境界部分の周縁部は、共通の周縁部で構成される。窪み部2が第一窪み部配列にしたがって配列されると、複数の窪み部2は、第一領域においてうろこ状に配列される。
また、第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って窪み部2が配列される歯科インプラント1の第二領域において、図11(B)に示すように、第一配列方向D1(第二配列方向D2)に沿って隣り合う窪み部2同士は、一部が重なり合うように配列され、第二配列方向D2(第一配列方向D1)に沿って隣り合う窪み部2同士は、重なり合わないように配列される。このような配列を第二窪み部配列と呼ぶ。少なくとも重なり合う窪み部同士の境界部分の周縁部は、共通の周縁部で構成される。窪み部2が第二窪み部配列にしたがって配列されると、複数の窪み部2は、第二領域においてうろこ状に形成される。
なお、図12(A)に示すように、第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って窪み部2が配列される歯科インプラント1の第三領域において、隣り合う窪み部2同士がいずれも重なり合わない配列(以下、第三窪み部配列と呼ぶ。)も本発明に含まれる。また、図12(B)に示すように、第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って窪み部2が配列される歯科インプラント1の第四領域において、第一配列方向D1(第二配列方向D2)に沿って隣り合う窪み部2同士は、一部が重なり合うものと重なり合わないものが混在するよう配列され、第二配列方向D2(第一配列方向D1)に沿って隣り合う窪み部2同士は、重なり合わないような配列(以下、第四窪み部配列と呼ぶ。)も本発明に含まれる。
<複数の窪み部の加工方法>
次に、図11を参照して、第一窪み部配列に配列される複数の窪みがワイヤー放電加工により形成される場合について説明する。まず、ワイヤー放電加工によりワーク(歯科インプラント1)表面に窪み部2Hが形成される。この時、窪み部2Hは、窪み部2Aのような態様に形成される。
次に、第一加工方向Q1に沿って窪み部2Hの中心C1から所定距離L1ずれたワーク表面位置P1を中心としてワイヤー放電加工が行われるようワーク表面がワイヤーに対して第一加工方向Q1に相対移動される。ワーク表面位置P1を中心としてワイヤー放電加工が行なわれて中心C2を有する窪み部2Iが形成される。なお、第一加工方向Q1は、第一配列方向D1と同方向とする。この時、図11(A)に示すように、窪み部2H,2Iの深さ方向から平面視して、窪み部2Iの一部は、窪み部2Hの一部と重なり合うよう形成される。
さらに、第一加工方向Q1に沿ってワーク表面位置P1から所定距離L1ずれたワーク表面位置P2を中心としてワイヤー放電加工が行われるようワーク表面がワイヤーに対して第一加工方向Q1に相対移動される。ワーク表面位置P2を中心としてワイヤー放電加工が行なわれて中心C3を有する窪み部2Jが形成される。この時、図11(A)に示すように、窪み部2I,2Jの深さ方向から平面視して窪み部2Jの一部は、窪み部2Iの一部と重なり合うよう形成される。以上の第一加工方向Q1における加工処理を第一加工処理と呼ぶ。
第一加工処理が終了すると、次に、ワーク表面がワイヤーに対して第二加工方向Q2に相対移動される。具体的には、第二加工方向Q2に沿って窪み部2Hの中心C1から所定距離L2ずれたワーク表面位置P3を中心としてワイヤー放電加工が行われるようワーク表面がワイヤーに対して第二加工方向Q2に相対移動される。ワーク表面位置P3を中心としてワイヤー放電加工が行なわれて中心C4を有する窪み部2Kが形成される。なお、第一加工方向Q2は、第二配列方向D2と同方向とする。
これにより、窪み部2Hの第二周方向範囲R2(太線参照)における拡張部分はなくなり、窪み部2Kの拡張部分が新たに形成される。すなわち、窪み部2Hの第二周方向範囲R2では、窪み部2Kの拡張部分(第三拡張面25)が窪み部2Hの中央側延在部分(かえり面26)に置き換えられる。以上の第二加工方向Q2における加工処理を第二加工処理と呼ぶ。
次に、ワーク表面がワイヤーに対して第一加工方向Q1に相対移動されて、第一加工処理が行われて、窪み部2L,2Mが形成される。以後、同様に、第一加工処理と第二加工処理とが交互に行なわれて第一窪み部配列に配列される複数の窪み部2がワーク表面に形成される。
第二窪み部配列に配列される複数の窪みがワイヤー放電加工により形成される場合についても、第二加工処理における第二加工方向Q2に沿った所定距離L2を調整すれば、上記第一窪み部配列における説明と同様に説明することができる。また、第三窪み部配列および第四窪み部配列についても第一加工方向Q1に沿った所定距離L1および第二加工方向Q2に沿った所定距離L2を調整すれば、上記第一窪み部配列における説明と同様に説明することができる。
<突出部>
次に、図13,14を参照して、突出部3について説明する。突出部3は、窪み部2の近傍に複数存在する。その具体的な態様を図13に示す。突出部3は、図14に示すように、基部30と、頭部31とを備える。基部30は、窪み部2の周面を含む歯科インプラント1の表面1Aから突出する部分である。
頭部31は、基部30の先端側に設けられる部分である。頭部31は、表面の少なくとも一部が曲面で形成される。頭部31の形状は、例えば、略球状であってもよい。このように頭部31が形成されると、骨組織との間に多数の隙間が形成される。この隙間が血液循環通路として機能する。
また、頭部31は、基部30との境界の近傍において、かえり面32を有する。かえり面32は、基部30から頭部31へ向かう方向である突出方向へ進むにしたがって、突出方向に垂直な方向(以下、幅方向と呼ぶ。)における外側方向へ向かう頭部31の表面である。突出方向をY軸とし、幅方向をX軸とした場合、かえり面32は、Y軸の正方向へ進むにしたがってX軸に沿って頭部31中心から離れる方向へ延びる。かえり面32が形成されると、基部30と頭部31との境界付近には、幅方向の内側方向へ括れる括れ形状が形成される。
また、かえり面32と歯科インプラント1の表面1Aまたは基部30の表面との間に空間N1,N2を形成する。空間N1,N2は、骨組織によって埋設され難く、血液循環通路として機能する。
<突出部の役割>
図15を参照して、突出部3の役割について説明する。歯科インプラント1が口内の骨組織4と当接するよう取り付けられると、骨組織4の骨芽細胞5が窪み部2Aに収容される。そして、図15(A)に示すように、骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質にカルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着して、新たな骨組織4Aが生成される。なお、図15(A)では、新たな骨組織4Aの形成態様の一例として、歯科インプラント1と骨組織4との間の空間が新たな骨組織4Aによって埋められるような態様が示されている。このような場合、新たな骨組織4Aは、突出部3の周囲全体および周縁部14の周囲全体にも形成される。
ここで、図15(B)に示すように、歯科インプラント1と骨組織4とが離れるような外力(図15(B)の矢印参照)が加わった場合、骨組織4は、新たな骨組織4Aと共に、歯科インプラント1から離れようとする。しかしながら、新たな骨組織4Aに歯科インプラント1から離れようとする外力が加わっても、突出部3のかえり面32に新たな骨組織4Aが引っ掛かるため、新たな骨組織4Aは歯科インプラント1から離れない。
また、新たな骨組織4Aに歯科インプラント1から離れようとする外力が加わっても、周縁部14の第二拡張面17および突出基端拡張面18に新たな骨組織4Aが引っ掛かるため、新たな骨組織4Aは歯科インプラント1から離れない。
以上のように、本発明の第一実施形態における歯科インプラント1と骨組織4との当接面に新たな骨組織4Aが形成されると、両者は強固に係合される。
<第二実施形態>
図16を参照して、本発明の第二実施形態における歯科インプラント1の第二表面構造110について説明する。歯科インプラント1の第二表面構造110も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図16における歯科インプラント1の第二表面構造110の二次電子像写真(以下、第二表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第一長方形領域(横618μm、縦420μm)におけるものである。
<第二表面構造の解析方法>
本発明の第一実施形態における歯科インプラント1の第一表面構造100で説明したように、窪み部2には骨芽細胞が収容され得る。そして、骨芽細胞の径が略20〜30μmである。本願発明者は、第一長方形領域において骨芽細胞を収容可能な大きさの窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)がどれくらいあるのかを解析した。なお、参考として、図16(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
解析において図16(A)に示す第二表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、骨芽細胞収容可能窪み部に相当する部分をグレーに色付けして、図16(B)に示す第二表面構造解析写真を作成した。第二表面構造解析写真の作成において、第二表面構造写真の明るく見える白く色付いた部分(骨芽細胞収容可能窪み部の周縁部に相当する部分)から骨芽細胞収容可能窪み部の内側へ略2μm離れた位置を骨芽細胞収容可能窪み部の輪郭部分とした。
そして、輪郭部分より骨芽細胞収容可能窪み部の内側の部分をグレーに色付けする。ただし、対角幅Uが20μm以下、かつ、窪み部平面面積が300μm以下のものは、径の大きさが20〜30μm程度の骨芽細胞が収容されないと見做し、グレーに色付けしない。
なお、対角幅Uは、図17に示すように、(窪み部2の外側、かつ、窪み部2の深さ方向から)窪み部2を平面視した場合において、窪み部2における最大長を有する仮想線Sに平行な2本の接線T1,T2で窪み部2全体を挟んだ時の2接線T1,T2間の最短距離と定義される。つまり、対角幅Uは、仮想線Sに直角な方向(幅方向)における窪み部2の最大幅である。また、窪み部平面面積は、(窪み部2の外側、かつ、窪み部2の深さ方向から)窪み部2を平面視した場合における窪み部2の平面面積と定義される。
なお、対角幅Uにおける20μmは、骨芽細胞の径の最小値に起因するものである。また、窪み部平面面積における300μmは、骨芽細胞が球形状であると仮定した際、径が20μmの骨芽細胞を平面視した際の平面面積に相当する。
本願発明者は、以上の第二表面構造解析写真に基づいて、骨芽細胞収容可能窪み部の解析を行った。なお、第二表面構造解析写真において、本願発明者は、対角幅Uが20μm以上であり、かつ、窪み部平面面積が300μm以上であるという条件を満たす窪み部(以下、第一条件合致窪み部と呼ぶ。)が骨芽細胞収容可能窪み部に相当すると判断して解析を行った。
対角幅Uが略20μm以上という条件は、骨芽細胞の径の最小値が20μm程度あることに起因する。窪み部平面面積が300μm以上であるという条件は、骨芽細胞が球形状であると仮定した際、径が20μmの骨芽細胞を平面視した際の平面面積が略300μmであることに起因する。
<第二表面構造の解析結果>
次に、図18を参照して、第二表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の1行目の解析結果に示すように、第二表面構造解析写真において第一条件合致窪み部は67個存在した。また、第一長方形領域の面積は、略259560(618×420)μmである。したがって、単位面積を1mmとした場合、第一長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略258.1(67/0.259560)(個/mm)となる。
また、以上の第一条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、略88885.4μmであった。したがって、第一長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略34.2%(88885.4/259560)となる。
次に、本願発明者は、以上の第二表面構造解析写真に基づいて、骨芽細胞と略同じ大きさを有する窪み部(以下、骨芽細胞同サイズ窪み部と呼ぶ。)の解析を行った。なお、第二表面構造解析写真において、本願発明者は、対角幅Uが略20〜30μmの間で、かつ、窪み部平面面積が略300〜750μmの間であるという条件を満たす窪み部(以下、第二条件合致窪み部と呼ぶ。)が骨芽細胞同サイズ窪み部に相当すると判断して解析を行った。
対角幅Uが略20〜30μmの間という条件は、骨芽細胞の径が概ね20〜30μm程度あることに起因する。また、窪み部平面面積が略300〜750μmの間という条件は、骨芽細胞が球形状であると仮定した際、径が20μmまたは30μmの骨芽細胞を平面視した際の平面面積がそれぞれ略300μm、略750μm程度であることに起因する。
図18(B)の表の1行目の解析結果に示すように、第二表面構造解析写真において第二条件合致窪み部は16個存在した。したがって、単位面積を1mmとした場合、第一長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の個数は、略61.6(16/0.259560)(個/mm)となる。
また、以上の第二条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、6863.2μmであった。したがって、第一長方形領域における骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略2.6%(6863.2/259560)となる。
<第三実施形態>
図19を参照して、本発明の第三実施形態における歯科インプラント1の第三表面構造120について説明する。歯科インプラント1の第三表面構造120も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図19における歯科インプラント1の第三表面構造120の二次電子像写真(以下、第三表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第二長方形領域(横1717μm、縦824μm)におけるものである。
<第三表面構造の解析方法>
本願発明者は、歯科インプラント1の第二長方形領域において骨芽細胞収容可能窪み部がどれくらいあるのかを解析した。解析において図19(A)に示す第三表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、図19(B)に示す第三表面構造解析写真を作成した。第三表面構造解析写真の作成は、第二実施形態で説明した第二表面構造解析写真の作成の場合と同様であるため、その説明を省略する。本願発明者は、以上の第三表面構造解析写真に基づいて、第二長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)および骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)に対する解析を行った。なお、参考として、図19(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
<第三表面構造の解析結果>
次に、図18を参照して、第三表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の2行目の解析結果に示すように、第二長方形領域において第一条件合致窪み部は203個存在した。また、第二長方形領域の面積は、略1002808(1217×824)μmである。したがって、単位面積を1mmとした場合、第二長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略202.4(203/1.002808)(個/mm)となる。
また、以上の第一条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、略315193.6μmであった。したがって、第二長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略31.4%(315193.6/1002808)となる。
また、図18(B)の表の2行目の解析結果に示すように、第二長方形領域において第二条件合致窪み部は40個存在した。したがって、単位面積を1mmとした場合、第二長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の個数は、略39.9(40/1.002808)(個/mm)となる。
また、以上の第二条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、16880.7μmであった。したがって、第二長方形領域における骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略1.7%(16880.7/1002808)となる。
<第四実施形態>
図20を参照して、本発明の第四実施形態における歯科インプラント1の第四表面構造130について説明する。歯科インプラント1の第四表面構造130も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図20における歯科インプラント1の第四表面構造130の二次電子像写真(以下、第四表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第三長方形領域(横800μm、縦542μm)におけるものである。
<第四表面構造の解析方法>
本願発明者は、歯科インプラント1の第三長方形領域において骨芽細胞を収容可能な大きさの骨芽細胞収容可能窪み部がどれくらいあるのかを解析した。解析において図20(A)に示す第四表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、図20(B)に示す第四表面構造解析写真を作成した。第四表面構造解析写真の作成は、第二実施形態で説明した第二表面構造解析写真の作成の場合と同様であるため、その説明を省略する。本願発明者は、以上の第四表面構造解析写真に基づいて、第三長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)および骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)に対する解析を行った。なお、参考として、図20(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
<第四表面構造の解析結果>
次に、図18を参照して、第四表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の3行目の解析結果に示すように、第三長方形領域において第一条件合致窪み部は94個存在した。また、第三長方形領域の面積は、略433600(800×542)μmである。したがって、単位面積を1mmとした場合、第三長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略216.8(94/0.433600)(個/mm)となる。
また、以上の第一条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、略128475.3μmであった。したがって、第三長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略29.6%(128475.3/433600)となる。
また、図18(B)の表の3行目の解析結果に示すように、第三長方形領域において第二条件合致窪み部は28個存在した。したがって、単位面積を1mmとした場合、第三長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の個数は、略64.6(28/0.433600)(個/mm)となる。
また、以上の第二条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、12310.7μmであった。したがって、第三長方形領域における骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略2.8%(12310.7/433600)となる。
<第五実施形態>
図21を参照して、本発明の第五実施形態における歯科インプラント1の第五表面構造140について説明する。歯科インプラント1の第五表面構造140も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図21における歯科インプラント1の第五表面構造140の二次電子像写真(以下、第五表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第四長方形領域(横799μm、縦545μm)におけるものである。
<第五表面構造の解析方法>
本願発明者は、歯科インプラント1の第五表面構造140において骨芽細胞収容可能窪み部がどれくらいあるのかを解析した。解析において図21(A)に示す第五表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、図21(B)に示す第五表面構造解析写真を作成した。第五表面構造解析写真の作成は、第二実施形態で説明した第二表面構造解析写真の作成の場合と同様であるため、その説明を省略する。本願発明者は、以上の第五表面構造解析写真に基づいて、第第四長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)および骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)に対する解析を行った。なお、参考として、図21(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
<第五表面構造の解析結果>
次に、図18を参照して、第五表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の4行目の解析結果に示すように、第四長方形領域において第一条件合致窪み部は97個存在した。また、第四長方形領域の面積は、略435455(799×545)μmである。したがって、単位面積を1mmとした場合、第四長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略222.8(97/0.435455)(個/mm)となる。
また、以上の第一条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、略99854.5μmであった。したがって、第四長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略22.9%(99854.5/435455)となる。
また、図18(B)の表の4行目の解析結果に示すように、第四長方形領域において第二条件合致窪み部は33個存在した。したがって、単位面積を1mmとした場合、第四長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の個数は、略75.8(33/0.435455)個となる。
また、以上の第二条件合致窪み部の全体の窪み部平面面積は、14313.1μmであった。したがって、第四長方形領域における骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)の窪み部平面面積の占有率(%)は、略3.3%(14313.1/435455)となる。
<第二〜第五表面構造の考察>
以上の歯科インプラント1の第二表面構造100〜第五表面構造140を考察すると、歯科インプラント1の表面は、単位面積(1mm)当たりの骨芽細胞収容可能窪み部の個数が200個以上となる特定領域を有することが好ましい。また、歯科インプラント1の表面は、単位面積(1mm)当たりの骨芽細胞同サイズ窪み部の個数が35個以上となる特定領域を有することが好ましく、40個以上である特定領域を有することがより好ましい。
20〜30μm程度の対角幅Uまたは径を有する骨芽細胞同サイズ窪み部では骨芽細胞の接着性が得られやすい。したがって、歯科インプラントの表面に設けられる窪み部全体に対して骨芽細胞同サイズ窪み部の占める割合が多いほうが好ましい。また、骨組織の骨芽細胞の多くが骨芽細胞同サイズ窪み部に収容されるよう、骨組織の骨芽細胞の配列パターンと同パターンで骨芽細胞同サイズ窪み部が歯科インプラントの表面に形成されることが好ましい。
また、歯科インプラント1の表面は、骨芽細胞収容可能窪み部の窪み部平面面積の占有率(%)が略20%以上となる特定領域を有することが好ましく、略22%以上となる特定領域を有することがより好ましい。また、歯科インプラント1の表面は、骨芽細胞同サイズ窪み部の窪み部平面面積の占有率(%)が略1.5%以上となる特定領域を有することが好ましく、略2.0%以上となる特定領域を有することがより好ましい。
尚、本発明のインプラントの表面構造およびその製造方法は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 歯科インプラント
1A 歯科インプラントの表面
1B 隣接表面
2,2A,2B,2C,2D,2E,2F,2G 窪み部
2N 骨芽細胞収容可能窪み部
3 突出部
4 骨組織
4A 新たな骨組織
5 骨芽細胞
12,22 凹空間
13,23 周面
14,24 周縁部
15 第一拡張面
16 突出基端部
17 第二拡張面
18 突出基端拡張面
20A,20B 中心
24A 第一共通周縁部
24B 第二共通周縁部
25 第三拡張面
26,32 かえり面
27 第四拡張面
30 基部
31 頭部
100 第一表面構造
110 第二表面構造
120 第三表面構造
130 第四表面構造
140 第五表面構造
D1 第一配列方向
D2 第二配列方向
D3 第三配列方向
空間 E,F,G,H,I,J,K,L,M
P1,P2,P3 ワーク表面位置
Q1 第一加工方向
Q2 第二加工方向
R1 第一周方向範囲
R2 第二周方向範囲
U 対角幅

Claims (27)

  1. インプラントの表面構造であって、
    前記インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部と、
    前記インプラントの表面から突出する複数の突出部と、
    を備えることを特徴とする、
    インプラントの表面構造。
  2. 少なくとも1つの前記窪み部は、
    自身の周縁を構成する周縁部と、
    前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、前記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、
    を有することを特徴とする、
    請求項1に記載のインプラントの表面構造。
  3. 少なくとも1つの前記窪み部は、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の前記深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ進むにしたがって、前記面方向における前記窪み部の中央側へ向かう方向へ進む窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
    請求項2に記載のインプラントの表面構造。
  4. 前記拡張面は、前記周縁部の周方向の一部の範囲である第一周方向範囲の少なくとも一部に形成され、
    前記窪み部側かえり面は、前記第一周方向範囲以外の前記周縁部の周方向の一部の範囲である第二周方向範囲の少なくとも一部に形成されることを特徴とする、
    請求項2に記載のインプラントの表面構造。
  5. 複数の前記窪み部には、第一窪み部と第二窪み部とが含まれ、
    前記第一窪み部と前記第二窪み部とは隣り合い、
    前記第一窪み部と前記第二窪み部との境界部分の前記周縁部は、共通の前記周縁部(以下、第一共通周縁部と呼ぶ)で構成され、
    前記第一共通周縁部の前記第一窪み部側の面は、前記拡張面を有することを特徴とする、
    請求項3または4に記載のインプラントの表面構造。
  6. 前記第一共通周縁部の前記第二窪み部側の面は、前記窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
    請求項5に記載のインプラントの表面構造。
  7. 複数の前記窪み部には、前記第一窪み部および前記第二窪み部と共に、前記第一窪み部および前記第二窪み部が並ぶ第一配列方向に沿って配列される第三窪み部が含まれ、
    前記第二窪み部と前記第三窪み部とは隣り合い、
    前記第二窪み部と前記第三窪み部との境界部分の前記周縁部は、共通の前記周縁部(以下、第二共通周縁部と呼ぶ)で構成され、
    前記第二共通周縁部の前記第二窪み部側の面は、前記拡張面を有することを特徴とする、
    請求項5または6に記載のインプラントの表面構造。
  8. 前記第二共通周縁部の前記第三窪み部側の面は、前記窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
    請求項7に記載のインプラントの表面構造。
  9. 複数の前記窪み部の少なくとも一部は、前記第一配列方向に対して角度θ(0°<θ<180°)を有する方向である第二配列方向に沿って配列されることを特徴とする、
    請求項7または8に記載のインプラントの表面構造。
  10. 前記角度θは、略90°であることを特徴とする、
    請求項9に記載のインプラントの表面構造。
  11. 前記第一配列方向および/または前記第二配列方向に配列される複数の前記窪み部の少なくとも一部は、うろこ状に配列されることを特徴とする、
    請求項9または10に記載のインプラントの表面構造。
  12. 前記周縁部は、波状および/またはひだ状に形成される部分を有することを特徴とする、
    請求項1〜11のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  13. 前記インプラントの表面は、骨芽細胞を収容可能な大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記骨芽細胞収容可能窪み部の個数が略200(個/mm)以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  14. 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
    前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
    前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20μm以上、かつ、前記窪み部平面面積が略300μm以上である窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記条件合致窪み部の個数が略200(個/mm)以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  15. 前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
    前記インプラントの表面は、骨芽細胞を収容可能な大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、前記骨芽細胞収容可能窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略20%以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  16. 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
    前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
    前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20μm以上、かつ、前記窪み部平面面積が略300μm以上である窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、前記条件合致窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略20%以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  17. 前記インプラントの表面は、骨芽細胞と略同じ大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞同サイズ窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記骨芽細胞同サイズ窪み部の個数が略35(個/mm)以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  18. 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
    前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
    前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20〜30μmの間、かつ、前記窪み部平面面積が略300〜750μmの間の範囲内にある窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、単位面積1mm当たりに設けられる前記条件合致窪み部の個数が略35(個/mm)以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  19. 前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
    前記インプラントの表面は、骨芽細胞と略同じ大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞同サイズ窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、前記骨芽細胞同サイズ窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略1.5%以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  20. 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
    前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
    前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20〜30μmの間、かつ、前記窪み部平面面積が略300〜750μmの間の範囲内にある窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
    前記特定領域では、前記条件合致窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略1.5%以上であることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  21. 前記突出部は、
    前記インプラントの表面から突出する基部と、
    前記基部の先端側に設けられる頭部と、
    を備え、
    前記頭部は、前記基部との境界の近傍において、前記基部から前記頭部へ向かう方向である突出方向へ進むにしたがって、該突出方向に垂直な方向の外側へ向かう突出部かえり面を有することを特徴とする、
    請求項1〜20のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  22. 前記頭部の表面の少なくとも一部は、曲面で形成されることを特徴とする、
    請求項21に記載のインプラントの表面構造。
  23. 前記頭部は、略球状に形成されることを特徴とする、
    請求項21または22に記載のインプラントの表面構造。
  24. インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部を備え、
    少なくとも1つの前記窪み部は、
    自身の周縁を構成する周縁部と、
    前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、前記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、
    少なくとも1つの前記窪み部は、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の前記深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ進むにしたがって、前記面方向における前記窪み部の中央側へ向かう方向へ進む窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
    インプラントの表面構造。
  25. 前記インプラントは、歯科インプラントであることを特徴とする、
    請求項1〜24のいずれかに記載のインプラントの表面構造。
  26. 請求項1〜25のいずれかに記載のインプラントの表面構造の製造方法であって、
    電気エネルギーを前記インプラントの表面の微小領域に与えて、微小領域を溶解させる表面加工処理を行うことにより前記インプラントの表面構造を形成することを特徴とする、
    インプラントの表面構造の製造方法。
  27. 前記表面加工処理は、ワイヤー放電加工であることを特徴とする、
    請求項26に記載のインプラントの表面構造の製造方法。
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