JP2019017474A - インプラントの表面構造およびインプラントの表面構造の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<歯科インプラントの第一表面構造>
図1を参照して、本発明の第一実施形態における歯科インプラント1の第一表面構造100について説明する。歯科インプラント1の第一表面構造100は、図1に示すように、歯科インプラント1の表面1Aに形成される複数の窪み部2と、歯科インプラント1の表面1Aから突出する複数の突出部3とを備える。
本発明の第一実施形態における歯科インプラント1の材料は、生体適合性を有するいずれの材料であってもよい。生体適合性を有する材料として、例えば、チタン、チタン合金、コバルトクロム合金、コバルトクロムモリブデン合金、ステンレス鋼等が挙げられる。歯科インプラント1の材料として、チタンが好ましく、強度および生体適合性の観点から、チタン合金がより好ましい。チタン合金として、例えば、タンタル、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、ニオブ、パラジウム、モリブデンのうち少なくとも1つが含有されるチタン合金が好ましい。
複数の窪み部2には、様々な形態を有するものが混在する。複数の窪み部2には、例えば、図1に示すように、全体が放射状または傘状に広がった形状の窪み部2Aや、放射状または傘状に広がった形状部分(以下、拡張部分と呼ぶ。)と、自身の中央側へ延在する部分(以下、中央側延在部分と呼ぶ。)とが混在する窪み部2B,2Cが含まれる。以下において、窪み部2A、および窪み部2B,2Cについて説明する。
まず、図2〜4を参照して、窪み部2Aについて説明する。
図2(B)に示すように、窪み部2Aは、歯科インプラント1の表面1Aに凹状の凹空間12を形成する。窪み部2Aの凹空間12は、窪み部2Aの周面13で囲まれて形成される。周面13は、窪み部2Aの略中心20Aから放射状または傘状に広がった形状になっている。
窪み部2Aは、周縁部14と、第一拡張面15を有する。周縁部14は、窪み部2Aの周縁を構成する部分である。周縁部14には、様々な態様のものがある。周縁部14は、例えば、図2(B)の左側部分に示すように、窪み部2Aに隣接する歯科インプラント1の表面(以下、隣接表面と呼ぶ。)1Bから窪み部2Aの深さ方向における窪み部2Aの内側から外側に向かう方向へ突出する突出基端部16の先端から延びる態様であってもよい。なお、図2(B)の左側部分および図2(C)に示す周縁部14は、例えば、図3の二次電子像(SEI)(撮影倍率:1500倍)の写真のように形成される。
図5を参照して、窪み部2Aおよび空間E,Fの役割について説明する。図5に示すように、患者の口内の骨組織4に歯科インプラント1が当接するよう取り付けられると、骨組織4の骨芽細胞5が窪み部2Aに収容される。骨芽細胞5と窪み部2Aとの隙間および空間E,Fが血液循環通路として機能する。カルシウムは、血液循環通路を流れてくる血液により運ばれる。骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質にカルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着して、新たな骨が生成される。
窪み部2Aが以上のように形成されるには、例えば、歯科インプラント1の表面1Aの微小領域に電気エネルギーを与えて、その微小領域を溶解した後に冷却すればよい。冷却により、その微小領域における歯科インプラント1の材料は飛散して、窪み部2が形成される。以上のようなことは、例えば、ワイヤー放電加工、レーザー加工等により実現可能である。
次に、図6〜8を参照して、窪み部2Bについて説明するが、窪み部2Cも同様に説明できる。なお、図6(A),(B)に示す窪み部2B,2Cは、例えば、図7の二次電子像(SEI)の写真のように形成される。
窪み部2Bは、図6(B)に示すように、歯科インプラント1の表面1Aに凹状の凹空間22を形成する。窪み部2Bの凹空間22は、窪み部2Bの周面23で囲まれて形成される。周面23には、窪み部2Bにおける周面23の略中心20Bから放射状または傘状に広がる拡張部分と、窪み部2Bにおける中央側へ延在する中央側延在部分とが混在する。
窪み部2Bは、周縁部24と、第三拡張面25と、かえり面26とを有する。周縁部24は、窪み部2Bの周縁を構成する部分である。周縁部24には、周縁部14と同様に様々な態様のものがある。そして、周縁部14での説明は、周縁部24にもそのまま適用することができる。
次に、再び図6を参照して、窪み部2B〜2Dの配列について説明する。窪み部2B,2Cは、それぞれ隣り合う。窪み部2B,2Cの境界部分の周縁部は、共通の周縁部(以下、第一共通周縁部と呼ぶ)24Aで構成される。第一共通周縁部24Aの窪み部2C側の面は、第三拡張面25を有する。一方、第一共通周縁部24Aの窪み部2B側の面は、かえり面26を有する。
次に、図9を参照して、窪み部2B〜2Dおよび空間I〜Lの役割について説明する。図9に示すように、歯科インプラント1が口内の骨組織4と当接するよう取り付けられると、骨組織4の骨芽細胞5が窪み部2B〜2Dに収容される。骨芽細胞5と窪み部2B〜2Dとの隙間が血液循環通路として機能する。仮に、骨芽細胞5と窪み部2B〜2Dとの間に隙間が形成されなくても、空間I〜Lが確保されるため、各骨芽細胞5それぞれに対して血液循環通路を必ず確保することができる。結果、各骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質に、均一に、カルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着され、健康な骨組織4が新たに形成される。
次に、図10を参照して、窪み部2E〜2Gの配列について説明する。窪み部2E〜2Gの第二配列方向D2は、図10(A)に示すように、窪み部2B〜2Dの第一配列方向D1に対して略直角な方向である。なお、実際の第一配列方向D1および第二配列方向D2の関係は、図1に示す歯科インプラント1の表面の二次電子像の写真に示すとおりである。
次に、図11,12を参照して、歯科インプラント1の所定の領域における窪み部2の配列について説明する。第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って窪み部2が配列される歯科インプラント1の第一領域において、図11(A)に示すように、第一配列方向D1および第二配列方向D2に沿って隣り合う窪み部2同士は、例えば、一部が重なり合うように配列される。このような窪み部2の配列を第一窪み部配列と呼ぶ。この場合、隣り合う窪み部の境界部分の周縁部は、共通の周縁部で構成される。窪み部2が第一窪み部配列にしたがって配列されると、複数の窪み部2は、第一領域においてうろこ状に配列される。
次に、図11を参照して、第一窪み部配列に配列される複数の窪みがワイヤー放電加工により形成される場合について説明する。まず、ワイヤー放電加工によりワーク(歯科インプラント1)表面に窪み部2Hが形成される。この時、窪み部2Hは、窪み部2Aのような態様に形成される。
次に、図13,14を参照して、突出部3について説明する。突出部3は、窪み部2の近傍に複数存在する。その具体的な態様を図13に示す。突出部3は、図14に示すように、基部30と、頭部31とを備える。基部30は、窪み部2の周面を含む歯科インプラント1の表面1Aから突出する部分である。
図15を参照して、突出部3の役割について説明する。歯科インプラント1が口内の骨組織4と当接するよう取り付けられると、骨組織4の骨芽細胞5が窪み部2Aに収容される。そして、図15(A)に示すように、骨芽細胞5から発現・分泌される骨基質タンパク質にカルシウムがハイドロキシアパタイトとなって付着して、新たな骨組織4Aが生成される。なお、図15(A)では、新たな骨組織4Aの形成態様の一例として、歯科インプラント1と骨組織4との間の空間が新たな骨組織4Aによって埋められるような態様が示されている。このような場合、新たな骨組織4Aは、突出部3の周囲全体および周縁部14の周囲全体にも形成される。
図16を参照して、本発明の第二実施形態における歯科インプラント1の第二表面構造110について説明する。歯科インプラント1の第二表面構造110も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図16における歯科インプラント1の第二表面構造110の二次電子像写真(以下、第二表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第一長方形領域(横618μm、縦420μm)におけるものである。
本発明の第一実施形態における歯科インプラント1の第一表面構造100で説明したように、窪み部2には骨芽細胞が収容され得る。そして、骨芽細胞の径が略20〜30μmである。本願発明者は、第一長方形領域において骨芽細胞を収容可能な大きさの窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)がどれくらいあるのかを解析した。なお、参考として、図16(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
次に、図18を参照して、第二表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の1行目の解析結果に示すように、第二表面構造解析写真において第一条件合致窪み部は67個存在した。また、第一長方形領域の面積は、略259560(618×420)μm2である。したがって、単位面積を1mm2とした場合、第一長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略258.1(67/0.259560)(個/mm2)となる。
図19を参照して、本発明の第三実施形態における歯科インプラント1の第三表面構造120について説明する。歯科インプラント1の第三表面構造120も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図19における歯科インプラント1の第三表面構造120の二次電子像写真(以下、第三表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第二長方形領域(横1717μm、縦824μm)におけるものである。
本願発明者は、歯科インプラント1の第二長方形領域において骨芽細胞収容可能窪み部がどれくらいあるのかを解析した。解析において図19(A)に示す第三表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、図19(B)に示す第三表面構造解析写真を作成した。第三表面構造解析写真の作成は、第二実施形態で説明した第二表面構造解析写真の作成の場合と同様であるため、その説明を省略する。本願発明者は、以上の第三表面構造解析写真に基づいて、第二長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)および骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)に対する解析を行った。なお、参考として、図19(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
次に、図18を参照して、第三表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の2行目の解析結果に示すように、第二長方形領域において第一条件合致窪み部は203個存在した。また、第二長方形領域の面積は、略1002808(1217×824)μm2である。したがって、単位面積を1mm2とした場合、第二長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略202.4(203/1.002808)(個/mm2)となる。
図20を参照して、本発明の第四実施形態における歯科インプラント1の第四表面構造130について説明する。歯科インプラント1の第四表面構造130も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図20における歯科インプラント1の第四表面構造130の二次電子像写真(以下、第四表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第三長方形領域(横800μm、縦542μm)におけるものである。
本願発明者は、歯科インプラント1の第三長方形領域において骨芽細胞を収容可能な大きさの骨芽細胞収容可能窪み部がどれくらいあるのかを解析した。解析において図20(A)に示す第四表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、図20(B)に示す第四表面構造解析写真を作成した。第四表面構造解析写真の作成は、第二実施形態で説明した第二表面構造解析写真の作成の場合と同様であるため、その説明を省略する。本願発明者は、以上の第四表面構造解析写真に基づいて、第三長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)および骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)に対する解析を行った。なお、参考として、図20(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
次に、図18を参照して、第四表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の3行目の解析結果に示すように、第三長方形領域において第一条件合致窪み部は94個存在した。また、第三長方形領域の面積は、略433600(800×542)μm2である。したがって、単位面積を1mm2とした場合、第三長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略216.8(94/0.433600)(個/mm2)となる。
図21を参照して、本発明の第五実施形態における歯科インプラント1の第五表面構造140について説明する。歯科インプラント1の第五表面構造140も第一表面構造100と同様に複数の窪み部2と、複数の突出部3とを備える。なお、図21における歯科インプラント1の第五表面構造140の二次電子像写真(以下、第五表面構造写真と呼ぶ。)は、歯科インプラント1の表面の第四長方形領域(横799μm、縦545μm)におけるものである。
本願発明者は、歯科インプラント1の第五表面構造140において骨芽細胞収容可能窪み部がどれくらいあるのかを解析した。解析において図21(A)に示す第五表面構造写真の骨芽細胞収容可能窪み部が明らかになるように、図21(B)に示す第五表面構造解析写真を作成した。第五表面構造解析写真の作成は、第二実施形態で説明した第二表面構造解析写真の作成の場合と同様であるため、その説明を省略する。本願発明者は、以上の第五表面構造解析写真に基づいて、第第四長方形領域における骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)および骨芽細胞同サイズ窪み部(第二条件合致窪み部)に対する解析を行った。なお、参考として、図21(A),(B)において1つの骨芽細胞収容可能窪み部に符号2Nを付した。
次に、図18を参照して、第五表面構造解析写真に基づいた解析結果を説明する。まず、図18(A)の表の4行目の解析結果に示すように、第四長方形領域において第一条件合致窪み部は97個存在した。また、第四長方形領域の面積は、略435455(799×545)μm2である。したがって、単位面積を1mm2とした場合、第四長方形領域における単位面積当たりの骨芽細胞収容可能窪み部(第一条件合致窪み部)の個数は、略222.8(97/0.435455)(個/mm2)となる。
以上の歯科インプラント1の第二表面構造100〜第五表面構造140を考察すると、歯科インプラント1の表面は、単位面積(1mm2)当たりの骨芽細胞収容可能窪み部の個数が200個以上となる特定領域を有することが好ましい。また、歯科インプラント1の表面は、単位面積(1mm2)当たりの骨芽細胞同サイズ窪み部の個数が35個以上となる特定領域を有することが好ましく、40個以上である特定領域を有することがより好ましい。
1A 歯科インプラントの表面
1B 隣接表面
2,2A,2B,2C,2D,2E,2F,2G 窪み部
2N 骨芽細胞収容可能窪み部
3 突出部
4 骨組織
4A 新たな骨組織
5 骨芽細胞
12,22 凹空間
13,23 周面
14,24 周縁部
15 第一拡張面
16 突出基端部
17 第二拡張面
18 突出基端拡張面
20A,20B 中心
24A 第一共通周縁部
24B 第二共通周縁部
25 第三拡張面
26,32 かえり面
27 第四拡張面
30 基部
31 頭部
100 第一表面構造
110 第二表面構造
120 第三表面構造
130 第四表面構造
140 第五表面構造
D1 第一配列方向
D2 第二配列方向
D3 第三配列方向
空間 E,F,G,H,I,J,K,L,M
P1,P2,P3 ワーク表面位置
Q1 第一加工方向
Q2 第二加工方向
R1 第一周方向範囲
R2 第二周方向範囲
U 対角幅
Claims (27)
- インプラントの表面構造であって、
前記インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部と、
前記インプラントの表面から突出する複数の突出部と、
を備えることを特徴とする、
インプラントの表面構造。 - 少なくとも1つの前記窪み部は、
自身の周縁を構成する周縁部と、
前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、前記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、
を有することを特徴とする、
請求項1に記載のインプラントの表面構造。 - 少なくとも1つの前記窪み部は、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の前記深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ進むにしたがって、前記面方向における前記窪み部の中央側へ向かう方向へ進む窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
請求項2に記載のインプラントの表面構造。 - 前記拡張面は、前記周縁部の周方向の一部の範囲である第一周方向範囲の少なくとも一部に形成され、
前記窪み部側かえり面は、前記第一周方向範囲以外の前記周縁部の周方向の一部の範囲である第二周方向範囲の少なくとも一部に形成されることを特徴とする、
請求項2に記載のインプラントの表面構造。 - 複数の前記窪み部には、第一窪み部と第二窪み部とが含まれ、
前記第一窪み部と前記第二窪み部とは隣り合い、
前記第一窪み部と前記第二窪み部との境界部分の前記周縁部は、共通の前記周縁部(以下、第一共通周縁部と呼ぶ)で構成され、
前記第一共通周縁部の前記第一窪み部側の面は、前記拡張面を有することを特徴とする、
請求項3または4に記載のインプラントの表面構造。 - 前記第一共通周縁部の前記第二窪み部側の面は、前記窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
請求項5に記載のインプラントの表面構造。 - 複数の前記窪み部には、前記第一窪み部および前記第二窪み部と共に、前記第一窪み部および前記第二窪み部が並ぶ第一配列方向に沿って配列される第三窪み部が含まれ、
前記第二窪み部と前記第三窪み部とは隣り合い、
前記第二窪み部と前記第三窪み部との境界部分の前記周縁部は、共通の前記周縁部(以下、第二共通周縁部と呼ぶ)で構成され、
前記第二共通周縁部の前記第二窪み部側の面は、前記拡張面を有することを特徴とする、
請求項5または6に記載のインプラントの表面構造。 - 前記第二共通周縁部の前記第三窪み部側の面は、前記窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
請求項7に記載のインプラントの表面構造。 - 複数の前記窪み部の少なくとも一部は、前記第一配列方向に対して角度θ(0°<θ<180°)を有する方向である第二配列方向に沿って配列されることを特徴とする、
請求項7または8に記載のインプラントの表面構造。 - 前記角度θは、略90°であることを特徴とする、
請求項9に記載のインプラントの表面構造。 - 前記第一配列方向および/または前記第二配列方向に配列される複数の前記窪み部の少なくとも一部は、うろこ状に配列されることを特徴とする、
請求項9または10に記載のインプラントの表面構造。 - 前記周縁部は、波状および/またはひだ状に形成される部分を有することを特徴とする、
請求項1〜11のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記インプラントの表面は、骨芽細胞を収容可能な大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、単位面積1mm2当たりに設けられる前記骨芽細胞収容可能窪み部の個数が略200(個/mm2)以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20μm以上、かつ、前記窪み部平面面積が略300μm2以上である窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、単位面積1mm2当たりに設けられる前記条件合致窪み部の個数が略200(個/mm2)以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
前記インプラントの表面は、骨芽細胞を収容可能な大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞収容可能窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、前記骨芽細胞収容可能窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略20%以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20μm以上、かつ、前記窪み部平面面積が略300μm2以上である窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、前記条件合致窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略20%以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記インプラントの表面は、骨芽細胞と略同じ大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞同サイズ窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、単位面積1mm2当たりに設けられる前記骨芽細胞同サイズ窪み部の個数が略35(個/mm2)以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20〜30μmの間、かつ、前記窪み部平面面積が略300〜750μm2の間の範囲内にある窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、単位面積1mm2当たりに設けられる前記条件合致窪み部の個数が略35(個/mm2)以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
前記インプラントの表面は、骨芽細胞と略同じ大きさを有する前記窪み部(以下、骨芽細胞同サイズ窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、前記骨芽細胞同サイズ窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略1.5%以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記窪み部を平面視した場合において、前記窪み部において最大長を有する仮想線に直角な方向における前記窪み部の最大幅を対角幅と定義し、
前記窪み部を平面視した場合における前記窪み部の面積を窪み部平面面積と定義した場合、
前記インプラントの表面は、前記対角幅が略20〜30μmの間、かつ、前記窪み部平面面積が略300〜750μm2の間の範囲内にある窪み部(以下、条件合致窪み部と呼ぶ。)が設けられる特定領域を有し、
前記特定領域では、前記条件合致窪み部の前記窪み部平面面積の占有率が略1.5%以上であることを特徴とする、
請求項1〜12のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記突出部は、
前記インプラントの表面から突出する基部と、
前記基部の先端側に設けられる頭部と、
を備え、
前記頭部は、前記基部との境界の近傍において、前記基部から前記頭部へ向かう方向である突出方向へ進むにしたがって、該突出方向に垂直な方向の外側へ向かう突出部かえり面を有することを特徴とする、
請求項1〜20のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 前記頭部の表面の少なくとも一部は、曲面で形成されることを特徴とする、
請求項21に記載のインプラントの表面構造。 - 前記頭部は、略球状に形成されることを特徴とする、
請求項21または22に記載のインプラントの表面構造。 - インプラントの表面に形成される、凹状の複数の窪み部を備え、
少なくとも1つの前記窪み部は、
自身の周縁を構成する周縁部と、
前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向、かつ、前記窪み部の深さ方向に対して直角となる面方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ延びる拡張面と、
少なくとも1つの前記窪み部は、前記窪み部の凹空間側の前記周縁部の面の少なくとも一部に設けられ、前記窪み部の前記深さ方向における前記窪み部の内側から外側へ向かう方向へ進むにしたがって、前記面方向における前記窪み部の中央側へ向かう方向へ進む窪み部側かえり面を有することを特徴とする、
インプラントの表面構造。 - 前記インプラントは、歯科インプラントであることを特徴とする、
請求項1〜24のいずれかに記載のインプラントの表面構造。 - 請求項1〜25のいずれかに記載のインプラントの表面構造の製造方法であって、
電気エネルギーを前記インプラントの表面の微小領域に与えて、微小領域を溶解させる表面加工処理を行うことにより前記インプラントの表面構造を形成することを特徴とする、
インプラントの表面構造の製造方法。 - 前記表面加工処理は、ワイヤー放電加工であることを特徴とする、
請求項26に記載のインプラントの表面構造の製造方法。
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