JP2019016846A - 導波管スロットアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】インピーダンス整合が取りやすく、スロットから高い電力放射量を得ることができる導波管スロットアンテナを得ることを目的とする。【解決手段】第2内壁面は、リッジにより分かたれ、リッジと連続する一方の第1連続面及びリッジと連続する他方の第2連続面を有し、第1連続面は、第1内壁面との距離が最長である第1最長部と、第1内壁面との距離が最短である第1最短部とを有し、第1内壁面は、スロットにおける長手方向に沿った辺の中央部を通り長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で第1最長部と対向し、第1内壁面は、隣り合うスロットの間を通り長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で第1最短部と対向することを特徴とする。【選択図】図1

Description

この発明は、導波管本体部の平面に穿たれたスロットを有する導波管スロットアンテナに関するものである。
従来から、導波管の広壁面にスロットを設けた導波管スロットアンテナは知られている(例えば、特許文献1参照)。このような導波管スロットアンテナの動作は、次のとおりである。導波管の広壁面において、導波管の中心線からオフセットさせてスロットを形成し、さらに、導波管の管軸と平行にすることで、スロットに遮られる電流が発生する。このように、電流がスロットに遮られることで、スロット上に電界が励起され、スロットから電波が放射される。これが導波管スロットアンテナによる電波の送信動作となる。導波管スロットアンテナは、可逆回路のため、空間から到来した電波の受信動作は、送信動作の逆となる。
導波管スロットアンテナにおいては、導波管の広壁面に複数のスロットを設け、各スロットを同位相で励振し、効率よく電波を放射させるために、スロットを管軸方向に互い違いに配列、すなわちオフセット配列するものがある(例えば、特許文献1の図1参照)。このような構造の導波管スロットアンテナを管軸直交方向に複数配列し、隣接する導波管を逆相で給電を行った場合、スロットの配列が四角の格子から大きくずれるため、サイドローブが高くなる。サイドローブを抑圧するには、スロットをオフセット配列せずに、スロットを直線状に配列する必要がある(例えば、特許文献1の図2参照)。
また、導波管スロットアンテナには、導波管の内面にリッジやアイリスを設けたものがある(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。さらに、導波管スロットアンテナには、リッジの形状を変化させて電波の放射量(電力放射量)を制御するものがある(例えば、特許文献4参照)。直線状に配列したスロットの放射電力量を制御するために、リッジの形状を変形させた場合、高い電力放射量を得ることができず、所望の特性を有するスロットを設計できない場合がある。
導波管スロットアンテナにおいて、スロットを直線状に配列すると、同位相で励振するにはスロット間隔を1管内波長としなければならず、スロット間隔に起因して高いサイドローブが生じたり、電力放射量を制御することが困難であったりする。このような場合は、直線状に配列し足スロットと対向したリッジを導波管に形成し、リッジを設けた導波管のリッジ両側にある溝の深さを調整することが考えられる(例えば、特許文献1の図2、特許文献2の図3参照)。
リッジ両側にある溝の深さをそれぞれ変えることで、導波管の電気的中心線が移動する。電気的中心線が移動するので、スロットに遮られる電流が発生し、スロットから電波が放射されることになる。また、溝の形状を1/2管内波長ごとに互い違いにすることで、1/2管内波長で配列したスロットを同位相で励振することができる。また、溝の深さを調整することで、スロットからの電力放射量を制御することができる。
特表平9−505962号公報 特開昭61−248601号公報 特表2000−513553号公報 特開2003−32027号公報
しかしながら、従来の導波管スロットアンテナのように、リッジ両側の溝の深さを調整した構造では、スロットから高い電力放射量を得るには、深くした溝と浅くした溝の差を大きくする必要がある。したがって、導波管が厚くなってしまうという課題がある。リッジ両側の溝による導波管の長手方向(延在方向)における大きな段差が生じ、導波管の不連続部分が大きくなり、インピーダンス整合を取ることが困難となる問題もある。
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、インピーダンス整合が取りやすく、スロットから高い電力放射量を得ることができる導波管スロットアンテナに関するものである。
この発明に係る導波管スロットアンテナは、対向する第1内壁面及び第2内壁面を有する導波管本体部と、前記第1内壁面に、前記導波管本体部が延在する長手方向に直線状に形成された複数のスロットと、前記第2内壁面から突出し、前記複数のスロットの配列に対向して形成され、前記長手方向に沿って延在したリッジとを備えた導波管スロットアンテナにおいて、前記第2内壁面は、前記リッジにより分かたれ、前記リッジと連続する一方の第1連続面及び前記リッジと連続する他方の第2連続面を有し、前記第1連続面は、前記第1内壁面との距離が最長である第1最長部と、前記第1内壁面との距離が最短である第1最短部とを有し、前記第1内壁面は、前記スロットにおける前記長手方向に沿った辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第1最長部と対向し、前記第1内壁面は、隣り合う前記スロットの間を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第1最短部と対向することを特徴とするものである。
以上のように、この発明によれば、導波管の不連続部分が比較的少ない構造で、導波管の電気的中心線が変化させることが容易な導波管スロットアンテナを得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態2に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態2に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態2に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。 この発明の実施の形態3に係る導波管スロットアンテナの構成図(平面図、断面図)である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る導波管スロットアンテナについて図1から図5を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する場合がある。図2(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図2(b)は、図2(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’、一点鎖線C−C’による導波管スロットアンテナの断面図である。図2(c)は、図2(a)に示す一点鎖線D−D’による導波管スロットアンテナの断面図である。図2(d)は、図2(a)に示す一点鎖線E−E’による導波管スロットアンテナの断面図である。図3(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図3(b)は、図3(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’、一点鎖線C−C’による導波管スロットアンテナの断面図である。図3(c)は、図3(a)に示す一点鎖線D−D’による導波管スロットアンテナの断面図である。図3(d)は、図3(a)に示す一点鎖線E−E’による導波管スロットアンテナの断面図である。
同じく、図4(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図4(b)は、図4(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’、一点鎖線C−C’による導波管スロットアンテナの断面図である。図4(c)は、図4(a)に示す一点鎖線D−D’による導波管スロットアンテナの断面図である。図4(d)は、図4(a)に示す一点鎖線E−E’による導波管スロットアンテナの断面図である。図5(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図5(b)は、図5(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’、一点鎖線C−C’による導波管スロットアンテナの断面図である。図5(c)は、図5(a)に示す一点鎖線D−D’による導波管スロットアンテナの断面図である。図5(d)は、図5(a)に示す一点鎖線E−E’による導波管スロットアンテナの断面図である。
図1から図5において、導波管本体部1は、導波管スロットアンテナの中心構成である。導波管本体部1が導波管スロットアンテナそのものであるとしてもよい。導波管本体部1は、長手方向(延在方向)に延在する矩形の導波管である。図1から図5では、長手方向(延在方向)がy方向、短手方向がx方向と図示している。長手方向及び短手方向は、直交している。一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’、一点鎖線C−C’は、それぞれ、x方向に平行となっている。一点鎖線D−D’、一点鎖線E−E’は、それぞれ、y方向に平行となっている。長手方向及び短手方向のそれぞれに直交しているものが、z方向となる。そのため、長手方向は、導波管本体部1の管軸方向といえる。短手方向は、導波管本体部1の管軸直交方向といえる。なお、図1から図5では、x方向(x軸)、y方向(y軸)、z方向(z軸)の原点を後述する三つのスロット8のうち、真ん中のスロット8の中心にしている。この中心は、スロット8におけるx方向に沿った辺の中央部81を通り直交するy方向の仮想線が、通るものである。
導波管(導波管本体部1)は、少なくとも内面が金属面であれば、全体が金属ではなくてもよい。例えば、導波管本体部1は、内面に金属面である導体層が形成された樹脂製の導波管でもよい。導波管本体部1は、四つの壁(平板)で構成されており、それぞれ、z方向において対向する広壁2及び広壁3と、広壁2及び広壁3よりも短く、y方向において対向する側壁4及び側壁5である。導波管本体部1は、対向する広壁2及び広壁3と直交する方向で分割した導波管を組み合わせたものでよいし、対向する側壁4及び側壁5と直交する方向で分割した導波管を組み合わせたものでよい。
図1から図5において、導波管本体部1は、z方向において対向する第1内壁面6及び第2内壁面7を有している。第1内壁面6は、広壁2の内面に相当する。第2内壁面7は、広壁3の内面に相当する。スロット8は、第1内壁面6に、導波管本体部1が延在する長手方向(y方向)に直線状に複数形成されている。詳しくは、スロット8は、広壁2に穿たれ、広壁2の内面(第1内壁面6)と広壁2の外面とを貫通した孔である。スロット8の内部に誘電体が存在していてもよい。この場合は、広壁2の内面(第1内壁面6)と広壁2の外面との間が貫通していないことになる。図1から図5では、スロット8が三つの場合を例示しているがこれに限るものではない。
図1から図5において、リッジ9は、第2内壁面7から突出し、複数のスロット8の配列に対向して形成され、長手方向に沿って直線状に延在している。詳しくは、リッジ9は、広壁3の内面(第2内壁面7)から導波管本体部1の内部にz方向において突出して、導波管本体部1の内面を形成しているものである。そのため、z方向をリッジ突出方向と称してもよい。広壁3の外面において、リッジ9が形成されている位置に対応する部分は、リッジ9の形状に沿って窪んでいてもよいし、平面でもよい。平面の場合は樹脂によって平面になっていてもよいし、金属によって平面になっていてもよい。なお、図1から図5に記載の導波管スロットアンテナでは、リッジ9が、広壁3の外面において、リッジ9が形成されている位置に対応する部分が、リッジ9の形状に沿って窪んでいるものを例示している。
図1から図5において、第2内壁面7は、リッジ9により分かたれ、リッジ9と連続する一方の第1連続面71及びリッジ9と連続する他方の第2連続面72を有している。第1連続面71は、第1内壁面6との距離が最長である第1最長部711と、第1内壁面6との距離が最短である第1最短部712を有している。
まず、図1及び図2を用いて実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第1例を説明する。図1に示す導波管スロットアンテナ装置は、外観を斜視図で示したものであるため、本願に係る導波管スロットアンテナにおいては共通の形状である。
図2に示すように、第1内壁面6は、スロット8における長手方向(y方向)に沿った辺の中央部81を通り長手方向に直交する仮想直線L1(短手方向;x方向に平行な直線)が、通る部分で第1最長部711とz方向において対向している。仮想直線L1は、図2(a)における一点鎖線B−B’に相当する。そのため、第1内壁面6と第1最長部711とが対向している状態を示す図が、図2(b)B−B’となる。同じく、図2に示すように、第1内壁面6は、隣り合うスロット8の間を通り長手方向(y方向)に直交する仮想直線L2(短手方向;x方向に平行な直線)が、通る部分で第1最短部712と対向している。仮想直線L2は、図2(a)における一点鎖線A−A’又は一点鎖線C−C’に相当する。そのため、第1内壁面6と第1最短部712とが対向している状態を示す図が、図2(b)A−A’と、図2(b)C−C’となる。図2では、第1内壁面6と第1最短部712との直線距離は、第1内壁面6と第2連続面72との直線距離と同じである場合を例示しているがこれに限るものではない。
図2(b)及び図2(c)に示すように、第1最長部711は、長手方向(y方向)に沿って第1最短部712と第1最短部712との間に配置されている。また、第1連続面71と第1内壁面6との直線距離は、第1最短部712から第1最長部712までの間がスロープ状に変化している。一方、図2(d)に示す第2連続面72と第1内壁面6との直線距離は、一定である。図2(c)及び図2(d)は、リッジ9が存在しない位置の断面ではあるが、z方向におけるリッジ9と第1連続面71又は第2連続面72との距離を示すために、図2(c)及び図2(d)では、リッジ9を点線で示している。
次に、図3を用いて実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第2例を説明する。実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第1例では、第2連続面72と第1内壁面6との直線距離が一定であるものを説明したが、第2例では、第1連続面71と第1内壁面6との直線距離と同じように変化するものを説明する。第1例と共通している部分の説明は省略する場合がある。
第2例の導波管スロットアンテナは、第2連続面72が、第1内壁面6との距離が最長である第2最長部721と、第1内壁面6との距離が最短である第2最短部722を有している。図3に示すように、第1内壁面6は、スロット8における長手方向(y方向)に沿った辺の中央部81を通り長手方向に直交する仮想直線L1(短手方向;x方向に平行な直線)が、通る部分で第2最長部721とz方向において対向している。仮想直線L1は、図3(a)における一点鎖線B−B’に相当する。そのため、第1内壁面6と第2最長部721とが対向している状態を示す図が、図3(b)B−B’となる。同じく、図3に示すように、第1内壁面6は、隣り合うスロット8の間を通り長手方向(y方向)に直交する仮想直線L2(短手方向;x方向に平行な直線)が、通る部分で第2最短部722とz方向において対向している。仮想直線L2は、図3(a)における一点鎖線A−A’又は一点鎖線C−C’に相当する。そのため、第1内壁面6と第2最短部722とが対向している状態を示す図が、図3(b)A−A’と、図3(b)C−C’となる。
図3(b)及び図3(d)に示すように、第2最長部721は、長手方向(y方向)に沿って第2最短部722と第2最短部722との間に配置されている。また、第2連続面72と第1内壁面6との直線距離は、第2最短部722から第2最長部721までの間がスロープ状に変化している。さらに、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示すように、第2最長部721は、第1最長部711よりも第1内壁面6との直線距離が長い。なお、図3では、第2最短部722と第1内壁面6との直線距離、及び、第1最短部712と第1内壁面6との直線距離は、同じものを図示しているがこれに限るものではない。
さらに、図4を用いて実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第3例を説明する。実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第1例では、第2連続面72と第1内壁面6との直線距離が一定であるものを説明したが、第3例では、第1連続面71と第1内壁面6との直線距離と同じように変化するが、変化の仕方が第2例と異なるものを説明する。第1例及び第2例と共通している部分の説明は省略する場合がある。
第3例の導波管スロットアンテナは、第2連続面72は、第1内壁面6との距離が最長である第3最長部723と、第1内壁面6との距離が最短である第3最短部724を有している。図4に示すように、第1内壁面6は、隣り合うスロット8の間を通り長手方向(y方向)に直交する仮想直線L2(短手方向;x方向に平行な直線)が、通る部分で第3最長部723とz方向において対向している。仮想直線L2は、図4(a)における一点鎖線A−A’又は一点鎖線C−C’に相当する。そのため、第1内壁面6と第3最長部723とが対向している状態を示す図が、図4(b)A−A’と、図4(b)C−C’となる。同じく、第1内壁面6は、スロット8における長手方向(y方向)に沿った辺の中央部81を通り長手方向に直交する仮想直線L1(短手方向;x方向に平行な直線)が、通る部分で第3最短部724とz方向において対向している。仮想直線L1は、図4(a)における一点鎖線B−B’に相当する。そのため、第1内壁面6と第3最短部724とが対向している状態を示す図が、図4(b)B−B’となる。
図4(b)及び図4(d)に示すように、第3最短部724は、長手方向(y方向)に沿って第3最長部723と第3最長部723との間に配置されている。また、第2連続面72と第1内壁面6との直線距離は、第3最長部723から第3最短部724までの間がスロープ状に変化している。さらに、図4(b)、図4(c)、図4(d)に示すように、長手方向(y方向)における位置が、第1最長部711と第3最短部724とは同じで、第1最短部712と第3最長部723とは同じである。換言すると、第1最長部711と第3最短部724とは、同じ直線(x軸に平行な直線)上に位置しているといえ、第1最短部712と第3最長部723とは、同じ直線(x軸に平行な直線)上に位置しているといえる。
なお、図4では、第1最短部712と第1内壁面6との直線距離、及び第3最短部724と第1内壁面6との直線距離は、同じものを図示しているがこれに限るものではない。同じく、図4では、第1最長部711と第1内壁面6との直線距離、及び第3最長部723と第1内壁面6との直線距離は、同じものを図示しているがこれに限るものではない。また、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第3例(図4)における第3最長部723及び第3最短部724は、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第2例(図3)における第2最短部722及び第2最長部721に、それぞれ対応している。換言すると、第3最長部723及び第3最短部724よって形成されるスロープ形状が、y軸を基準に反転させたものが、第2最短部722及び第2最長部721よって形成されるスロープ形状といえる。
最後に、図5を用いて実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第4例を説明する。実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第1例から第4例では、第1連続面71と第2連続面72との位置関係が、長手方向(y方向)に沿って同じであったが、スロット8ごとに、第1連続面71と第2連続面72の位置関係が短手方向(x方向)で入れ替わるものを説明する。第1例から第4例と共通している部分の説明は省略する場合がある。説明を簡略化するために、第1例の構成に対して、第1連続面71と第2連続面72の位置関係が短手方向(x方向)で入れ替わった導波管スロットアンテナを図5に示している。
図5に示す三つスロット8のうち、原点が中心に配置されているものは、一点鎖線B−B’で示すように、第1例から第4例とは、逆に、右に第1最長部711(第1連続面71)が配置され、左に第2連続面72が配置されている。原点が中心に配置されているスロット8を挟むスロット8は、一点鎖線A−A’で示すように、第1例から第4例と同じく、右に第2連続面72が配置され、左に第1最長部711(第1連続面71)が配置されている。
実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第4例は、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第2例及び第3例を適用してもよい。つまり、第2例を適用する場合は、第4例の第2連続面72に代え、第2最長部721及び第2最短部722に形成するとよい。同じく、第3例を適用する場合は、第4例の第2連続面72に代え、第3最短部724及び第2最長部723に形成するとよい。
図1から図5に例示されるような実施の形態1に係る導波管スロットアンテナは、第1内壁面6と第1連続面71とのz方向における直線距離(溝の深さ)と、第1内壁面6と第2連続面72とのz方向における直線距離(溝の深さ)との少なくとも一方を変更したものである。このような構成のため、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナは、直線距離(溝の深さ)を1/2管内波長ごとに互い違いにしやすく、1/2管内波長ごとに配列したスロット8を同位相で励振させることができる。
実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの動作について説明する。導波管本体部1に高周波信号を入力した場合、TE10モードが励振され、スロット8に遮られる電流が発生しないため、スロット8から電波が放射されない。溝の深さを、一方を深くし、もう一方を浅くすることで、導波管本体部1の電気的中心線が変化し、スロット8に遮られる電流が生じることで、スロットから電波が放射される。以上のような構造にすることで、導波管本体部1の不連続部分が少なくなるため、インピーダンス整合を容易にとることができる。
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2に係る導波管スロットアンテナについて図6、図7、図8を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する場合がある。図6(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図6(b)は、図6(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’による導波管スロットアンテナの断面図である。図7(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図7(b)は、図7(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’による導波管スロットアンテナの断面図である。図7(c)は、図7(a)に示す一点鎖線C−C’、一点鎖線D−D’による導波管スロットアンテナの断面図である。図8(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図8(b)は、図8(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’による導波管スロットアンテナの断面図である。
実施の形態1に係る導波管アンテナのリッジ9は、第2内壁面7から突出し、複数のスロット8の配列に対向して形成され、長手方向に沿って直線状に延在していた。一方、実施の形態1に係る導波管アンテナのリッジ91は、第1内壁面6の側からの平面視で、くの字状に屈曲して延在している。その他は、リッジ9及びリッジ91は共通の構成となっている。また、リッジ9及びリッジ91以外の構成は、実施の形態1及び2で共通である。
図6、図7、図8において、リッジ91は、第1内壁面6の側からの平面視で、隣り合うスロット8の対向する端部に一部重なり長手方向に対して斜めに延在し、スロット8の辺の中央部を通り長手方向に直交する仮想直線L1と交差する部分で屈曲する屈曲部を有している。図示は省略するが、リッジ91は、第1内壁面6の側からの平面視で、隣り合うスロット8の間を長手方向(y方向)に対して斜めに通って延在し、スロット8の辺の中央部を通り長手方向に直交する仮想直線L1と交差する部分で屈曲する屈曲部を有しているものでもよい。屈曲部を丸めることで、リッジ91をくの字状から、正弦波状にしてもよい。このような正弦波状のリッジ91は、導波管本体部1(リッジ91)の加工が容易である。もちろん、くの字状のリッジ91の概念に、正弦波状のリッジ91が含まれているとしてもよい。
図6に示す導波管スロットアンテナは、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第1例(図2)において、リッジ9をリッジ91に置換したものである。図7に示す導波管スロットアンテナは、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第2例(図3)において、リッジ9をリッジ91に置換したものである。
図8に示す導波管スロットアンテナは、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナの第2例(図3)及び第4例(図5)を組み合わせた波管スロットアンテナにおいて、リッジ9をリッジ91に置換したものである。図8(a)及び図8(b)に示すように、第1最長部711は、屈曲部の先端側に形成されている。換言すると、第2内壁面7のリッジ91により分かたれ、リッジ91と連続する一方の連続面及び他方の連続面のうち、x方向における長さが短い方に第1最長部711が形成されているといえる。
もちろん、第1最長部711に代えて、より溝が深い第2最長部712が、屈曲部の先端側に形成されてもよい。これも換言すると、第2内壁面7のリッジ91により分かたれ、リッジ91と連続する一方の連続面及び他方の連続面のうち、x方向における長さが短い方に第2最長部712が形成されているといえる。
図6、図7、図8に例示されるような実施の形態1に係る導波管スロットアンテナは、リッジ91の屈曲を加えた構成であるため、管軸直交方向(x方向)の幅が狭くなる溝を深くし、幅が広くなる溝を浅くした構造である。このような構造にすることで、さらに導波管の電気的中心線を移動させることができ、実施の形態1に係る導波管スロットアンテナは、よりも高い放射電力量を得ることができる。
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3に係る導波管スロットアンテナについて図9を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する場合がある。図9(a)は、導波管スロットアンテナの平面図である。図9(b)は、図9(a)に示す一点鎖線A−A’、一点鎖線B−B’、一点鎖線C−C’による導波管スロットアンテナの断面図である。図9(c)は、図9(a)に示す一点鎖線D−D’による導波管スロットアンテナの断面図である。図9(d)は、図9(a)に示す一点鎖線E−E’による導波管スロットアンテナの断面図である。
実施の形態1に係る導波管アンテナのリッジ9は、第2内壁面7から突出し、複数のスロット8の配列に(第1内壁面6に)対向して形成され、長手方向に沿って直線状に延在していた。実施の形態2に係る導波管アンテナのリッジ91は、第2内壁面7から突出し、複数のスロット8の配列に(第1内壁面6に)対向して形成され、長手方向に沿って屈曲して延在していた。リッジ91は、正弦波状を含む、くの字状であった。一方でリッジ9とリッジ91ともに、複数のスロット8の配列(第1内壁面6)との距離は、長手方向(y方向)において同じであった。換言すると、リッジ9及びリッジ91の高さは一定であった。
実施の形態3に係る導波管アンテナのリッジ92は、リッジ9及びリッジ91と同じく、第2内壁面7から突出し、複数のスロット8の配列に(第1内壁面6に)対向して形成され、長手方向に沿って形成されている。一方、リッジ92は、複数のスロット8の配列(第1内壁面6)との距離は、長手方向(y方向)においてスロープ状に変化する。図9において、リッジ92は、第1連続面71と連続する第1リッジ側壁と、第2連続面72と連続する第2リッジ側壁と、第1リッジ側壁71及び第2リッジ側壁72と連続し、第1内壁面6と対向するリッジ頂面を有している。
ここで、図9を用いて、実施の形態3に係る導波管アンテナ(リッジ92)を実施の形態1に係る導波管アンテナの第1例(リッジ9)に適用したものを説明する。つまり、図9と図2とは対応している。他の実施の形態1に係る導波管アンテナ(リッジ9)や実施の形態2に係る導波管アンテナ(リッジ91)に、実施の形態3に係る導波管アンテナ(リッジ92)を適用してもよい。
図9、特に、図9(b)、図9(c)、図9(d)に示すように、リッジ頂面と第1内壁面6との距離は、長手方向(y方向)に沿って導波管本体部1の一端側から他端側まで、スロープ状に短くなっていき、予め定められた距離にまで短くなった先は、スロープ状に長くなっていくものである。図9では、予め定められた距離になる位置が原点であるため、リッジ92には、原点を頂点とした山型のリッジ92といえる。
図9に例示されるような実施の形態3に係る導波管スロットアンテナは、リッジ92の高さを変化させた構造である。実施の形態1及び実施の形態2に係る導波管スロットアンテナは、リッジ9、リッジ91の高さが一定で、溝の深さを変えているため、管内波長が変化する。リッジ92のように高さを調整することで、管内波長を所望の値に設計することができる。
1 導波管本体部、2 広壁、3 広壁、4 側壁、41 第1側内壁面、5 側壁、51 第2側内壁面、6 第1内壁、7 第2内壁、71 第1連続面、711 第1最長部、712 第1最短部、72 第2連続面、721 第2最長部、722 第2最短部、723 第3最長部、724 第3最短部、8 スロット、9 リッジ、91 リッジ、92 リッジ。

Claims (17)

  1. 対向する第1内壁面及び第2内壁面を有する導波管本体部と、前記第1内壁面に、前記導波管本体部が延在する長手方向に直線状に形成された複数のスロットと、前記第2内壁面から突出し、前記複数のスロットの配列に対向して形成され、前記長手方向に沿って延在したリッジとを備えた導波管スロットアンテナにおいて、
    前記第2内壁面は、前記リッジにより分かたれ、前記リッジと連続する一方の第1連続面及び前記リッジと連続する他方の第2連続面を有し、
    前記第1連続面は、前記第1内壁面との距離が最長である第1最長部と、前記第1内壁面との距離が最短である第1最短部とを有し、
    前記第1内壁面は、前記スロットにおける前記長手方向に沿った辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第1最長部と対向し、
    前記第1内壁面は、隣り合う前記スロットの間を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第1最短部と対向することを特徴とする導波管スロットアンテナ。
  2. 前記第2連続面は、前記第1内壁面との距離が最長である第2最長部と、前記第1内壁面との距離が最短である第2最短部とを有し、
    前記第1内壁面は、前記辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第2最長部と対向し、
    前記第1内壁面は、隣り合う前記スロットの間を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第2最短部と対向し、
    前記第2最長部は、前記第1最長部よりも前記第1内壁面との距離が離れていることを特徴とする請求項1に記載の導波管スロットアンテナ。
  3. 前記第2連続面は、前記第1内壁面との距離が最長である第3最長部と、前記第1内壁面との距離が最短である第3最短部を有し、
    前記第1内壁面は、隣り合う前記スロットの間を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第3最長部と対向し、
    前記第1内壁面は、前記辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線が、通る部分で前記第3最短部と対向することを特徴とする請求項1に記載の導波管スロットアンテナ。
  4. 前記第1最長部は、前記長手方向に沿って前記第1最短部と前記第1最短部との間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導波管スロットアンテナ。
  5. 前記第1連続面と前記第1内壁面との距離は、前記第1最短部から前記第1最長部までの間がスロープ状に変化していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の導波管スロットアンテナ。
  6. 前記第2最長部は、前記長手方向に沿って前記第2最短部と前記第2最短部との間に配置されていることを特徴とする請求項2、又は、請求項4のうち請求項2を引用するものに記載の導波管スロットアンテナ。
  7. 前記第2連続面と前記第1内壁面との距離は、前記第2最短部から前記第2最長部までの間がスロープ状に変化していることを特徴とする請求項2、請求項6、又は、請求項4のうち請求項2を引用するもの、或いは、請求項5のうち請求項2を引用するものに記載の導波管スロットアンテナ。
  8. 前記第3最短部は、前記長手方向に沿って前記第3最長部と前記第3最長部との間に配置されていることを特徴とする請求項3、又は、請求項4のうち請求項3を引用するもの、或いは、請求項5のうち請求項3を引用するものに記載の導波管スロットアンテナ。
  9. 前記第2連続面と前記第1内壁面との距離は、前記第3最長部から前記第3最短部までの間がスロープ状に変化していることを特徴とする請求項3、請求項8、又は、請求項4のうち請求項3を引用するもの、或いは、請求項5のうち請求項3を引用するものに記載の導波管スロットアンテナ。
  10. 前記リッジは、前記第1内壁面の側からの平面視で、くの字状に屈曲して延在していることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の導波管スロットアンテナ。
  11. 前記リッジは、前記第1内壁面の側からの平面視で、
    隣り合う前記スロットの間を前記長手方向に対して斜めに通って延在し、又は、隣り合う前記スロットの対向する端部に一部重なり前記長手方向に対して斜めに延在し、
    前記辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線と交差する部分で屈曲していることを特徴とする請求項10に記載の導波管スロットアンテナ。
  12. 前記リッジは、前記第1内壁面の側からの平面視で、
    隣り合う前記スロットの間を前記長手方向に対して斜めに通って延在し、又は、隣り合う前記スロットの対向する端部に一部重なり前記長手方向に対して斜めに延在し、
    前記辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線と交差する部分で屈曲する屈曲部を有し、
    前記第1最長部は、前記屈曲部の先端側に形成されることを特徴とする請求項10に記載の導波管スロットアンテナ。
  13. 前記第1連続面と前記第1内壁面との距離は、前記第1最短部と前記第1最長部とまでの間がスロープ状に変化していることを特徴とする請求項12に記載の導波管スロットアンテナ。
  14. 前記リッジは、前記第1内壁面の側からの平面視で、
    隣り合う前記スロットの間を前記長手方向に対して斜めに通って延在し、又は、隣り合う前記スロットの対向する端部に一部重なり前記長手方向に対して斜めに延在し、
    前記辺の中央部を通り前記長手方向に直交する仮想直線と交差する部分で屈曲する屈曲部を有し、
    前記第2最長部は、前記屈曲部の先端側に形成されることを特徴とする請求項10のうち請求項2を引用するものに記載の導波管スロットアンテナ。
  15. 前記第1連続面と前記第1内壁面との距離は、前記第1最短部と前記第1最長部とまでの間がスロープ状に変化していることを特徴とする請求項14に記載の導波管スロットアンテナ。
  16. 前記第2連続面と前記第1内壁面との距離は、前記第2最短部と前記第2最長部とまでの間がスロープ状に変化していることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の導波管スロットアンテナ。
  17. 前記リッジは、前記第1連続面と連続する第1リッジ側壁と、前記第2連続面と連続する第2リッジ側壁と、前記第1リッジ側壁及び前記第2リッジ側壁と連続し、前記第1内壁面と対向するリッジ頂面とを有し、
    前記リッジ頂面と前記第1内壁面との距離は、前記長手方向に沿って前記導波管本体部の一端側から他端側まで、スロープ状に短くなっていき、予め定められた距離にまで短くなった先は、スロープ状に長くなっていくことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の導波管スロットアンテナ。
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