JP2019015879A - 多孔質体ローラ及び多孔質体ローラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニップ形成における端部逃げを抑制して、ニップの形成性が良好な多孔質体ローラを提供する。
【解決手段】軸芯と、前記軸芯の外周に積層された第一の多孔質弾性体層と、前記多孔質弾性体層の外周に積層された、ソリッド弾性体と多孔質体とが混成したソリッド/多孔質体層と、前記ソリッド/多孔質体層の外周に積層された第二の多孔質弾性体層と、を備え、前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層が、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、前記気泡を囲む部分が弾性体である。
【選択図】図2
【解決手段】軸芯と、前記軸芯の外周に積層された第一の多孔質弾性体層と、前記多孔質弾性体層の外周に積層された、ソリッド弾性体と多孔質体とが混成したソリッド/多孔質体層と、前記ソリッド/多孔質体層の外周に積層された第二の多孔質弾性体層と、を備え、前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層が、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、前記気泡を囲む部分が弾性体である。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリなどにおいて、未定着トナー画像を定着させる定着装置に用いられる、多孔質体ローラ及び多孔質体ローラの製造方法に関する。
従来、複写機やプリンタ等の画像形成装置には、ベルトを有する定着装置が用いられている。このような定着装置では、定着ベルトと定着ローラとの間に形成されるニップにトナーが付着した記録媒体を通過させて、ニップにおいて熱と圧力を加えることにより、トナーが記録媒体に定着される。
このような定着装置において、定着ローラには、ニップの温度を低下させないように断熱性が求められることから、例えば、多孔質弾性体層が設けられたローラが用いられる。多孔質弾性体層が設けられたローラを用いることにより、ニップが定着可能温度に達するまでの時間を短縮することができる。また、多孔質弾性体層は硬度が比較的低いことから幅広いニップが形成されやすくなり、多孔質弾性体層が設けられたローラを用いることにより良好な定着性を可能とする。このような多孔質弾性体層として、断熱効果を付与する気泡同士が連った連泡構造を有する多孔質弾性体層が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の定着加圧用ローラのような連泡構造を有する場合、ニップ形成時において以下のような問題が発生することがある。1つ目は、加圧ローラによる押し圧が不均一になることがあるという問題である。これは、水発泡技術により多孔質体を形成した場合、気泡の径を制御することが困難であることに起因している。加圧ローラの接触表面付近の気泡径が不均一な場合、十分に均一な押し圧による定着が困難になることがある。2つ目は、ニップ形成部において、押込方向の直交方向におけるローラの両端部分が外方に逃げてしまうことがあるという問題である。これは、気泡間壁が少ない連泡構造を有する弾性多孔質体に特に見られる現象である。ニップ形成のための加圧ローラの押し込みに際し、押し込まれた部分が押し方向に対する直交方向両側に逃げる(以下、この現象を「端部逃げ」と称する)ことで、発生することがある。これは、ポアソン比にならって、逃げが発生する。
従来、上記の問題は、加圧ローラの押し込み量を増やすことにより解消してきた。しかし、加圧ローラの押し込みが大きくなると、水発泡技術により作製された多孔質体に見られる不均一なセルの大径部に応力が集中することから、ローラの破壊を促進させるリスクを増やしたり、過剰な押し込みによる破泡と硬度低下を引き起こしたりするなど、様々な問題を起こす可能性がある。
これらの課題に対しては、例えば、気泡を有しない薄いソリッド層を弾性多孔質層の外層として形成することが提案されている(特許文献2、3)。特許文献2、3によれば、ソリッド層を設けることにより、ニップが形成される面は気泡を持たないソリッドとなり、内部の気泡径が不均一であっても、均等な押し圧を確保することができる。また、ニップにおける端部逃げについても、ソリッド部の変形は多孔質体部に対して極端に小さいため、押し方向に対する垂直方向両側への逃げを抑制し、十分なニップ幅を確保することができる。
しかしながら、実際に文献2、3で示されるような構造で駆動を行うと、弾性多孔質層よりも強度の低いソリッド部が、弾性多孔質層よりも先に破損してしまうことがある。これは、特に十分な押し込みが必要な定着ローラで起こりうる問題であり、ソリッド部が破損すると、表層から破片が離脱して定着装置の内部を汚したり、搬送された記録媒体自体を傷つけたりするといった問題が発生し得る。このような副作用により、表層として設けたソリッド層により押し込み量を大きく制限されて、幅広いニップを形成できるという利点を有する多孔質弾性体層を用いても、非常に狭い範囲のニップ幅にしか対応できなくなってしまう。
従って、本発明は、ニップ形成における端部逃げを抑制して、ニップの形成性が良好な多孔質体ローラを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために本発明の多孔質体ローラは、軸芯と、前記軸芯の外周に積層された第一の多孔質弾性体層と、前記第一の多孔質弾性体層の外周に積層された、ソリッド弾性体と多孔質体とが混成したソリッド/多孔質体層と、前記ソリッド/多孔質体層の外周に積層された第二の多孔質弾性体層と、を備え、前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層が、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、前記気泡を囲む部分が弾性体であることを特徴とする。
本発明の多孔質体ローラによれば、軸芯と、第一の多孔質弾性体層と、ソリッド/多孔質体層と、第二の多孔質弾性体層と、を備えている。また、前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層が、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有し、前記気泡を囲む部分が弾性体である。これにより、ニップ形成における端部逃げを抑制して、ニップの形成性が良好な多孔質体ローラとすることができる。
[多孔質体ローラ]
次に、本発明の一実施形態にかかる「多孔質体ローラ」について、図1、図2、図3を参照して説明する。本実施形態にかかる多孔質体ローラである定着ローラ10は、電子写真方式を利用した画像形成装置における定着装置100に用いられるものである。なお、本実施形態においては、多孔質体ローラを定着ローラに適用しているが、本発明の多孔質体ローラは加圧ローラに適用してもよい。
次に、本発明の一実施形態にかかる「多孔質体ローラ」について、図1、図2、図3を参照して説明する。本実施形態にかかる多孔質体ローラである定着ローラ10は、電子写真方式を利用した画像形成装置における定着装置100に用いられるものである。なお、本実施形態においては、多孔質体ローラを定着ローラに適用しているが、本発明の多孔質体ローラは加圧ローラに適用してもよい。
図1は、本実施形態の定着ローラ10を備える定着装置100の概略図である。定着装置100は、定着ローラ10と、加圧ローラ20と、テンションローラ30と、従動ローラ40と、定着ベルト50と、を備える。
定着ローラ10は、軸芯11と、軸芯11の外周に積層された第一の多孔質弾性体層12と、第一の多孔質弾性体層12の外周に積層された、ソリッド/多孔質体層13と、ソリッド/多孔質体層13の外周に積層された第二の多孔質弾性体層14と、を備える。
軸芯11は、金属製の円筒状部材であり、定着ローラ10の回転軸である。軸芯11に用いる金属は、限定されないが、特にステンレス鋼、炭素鋼(例えば、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材))等の剛性の高い金属材料を用いることが好ましい。また、本実施形態の軸芯11は、例えば肉厚2mmで中空の円筒状に形成することができる。なお、定着ローラ10においては、軸芯11の外周面に第一の多孔質弾性体層12が設けられており、断熱性を有していることから、軸芯11が中実の部材により構成されていてもよい。
第一の多孔質弾性体層12は、軸芯11の外周に積層されている。また、第一の多孔質弾性体層12は、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、気泡を囲む固体部分が弾性体により構成されている。第一の多孔質弾性体層12の材料としては、前述の性質を有する多孔質弾性体であれば特に限定されないが、後述する水発泡技術を用いた多孔質体を好適に用いることができる。
ソリッド/多孔質体層13は、第一の多孔質弾性体層12の外周に積層されており、ソリッド弾性体と多孔質体とが混在した層である。また、ソリッド/多孔質体層13は、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、気泡を囲む固体部分が弾性体により構成されている。
ここで、通常の多孔質体とソリッド/多孔質体との状態について、図7を参照して説明する。図7(a)は、通常の多孔質体(本実施形態における第一の多孔質弾性体層12及び第二の多孔質弾性体層14)の断面の顕微鏡写真(倍率400倍)であり、図7(b)は、ソリッド/多孔質体の断面の顕微鏡写真(倍率400倍)である。これらの顕微鏡写真において、黒い部分が気泡であり、白い部分が気泡を囲む弾性体である。通常の多孔質弾性体(図7(a))においては、気泡が全体に均一に分布している。一方、ソリッド/多孔質体(図7(b))においては、気泡が全体に均一に分布せず、気泡を有しないソリッド弾性体部分と、気泡が分散した多孔質体部分が混在している。
本明細書において、ソリッド弾性体と多孔質体とが混成した層(ソリッド/多孔質体層)とは、図7(b)に示すように、通常の多孔質体による層とは異なるものである。また、ソリッド弾性体と多孔質体とが混成した層(ソリッド/多孔質体層)とは、発泡した気泡が全体に均一に分布せず、気泡を有しないソリッド弾性体部分と気泡が分散した多孔質体部分とが混在した層を有するものを指す。具体的には、断面を400倍で観察した領域内において、気泡の面積が、観察領域の70%以上を占めている場合を通常の多孔質体とし、観察領域の10%以上70%未満の場合をソリッド/多孔質体とし、観察領域の10%未満の場合をソリッド弾性体とする。なお、気泡面積が10%以上70%未満である場合、気泡が均一に分布せず、ソリッド弾性体部分と多孔質体部分とが混在した状態になりやすい。
ソリッド/多孔質体層13は、層形成時にせん断応力のようなストレスを加えることにより、ソリッド弾性体部分と多孔質体部分の混在の程度や層の厚みを調整することが可能となる。よって、ソリッド/多孔質体層13の形成条件を種々変更して、ソリッド弾性体部分と多孔質体部分の混在の程度や層の厚みを調整することにより、所望のニップ幅を形成可能な定着ローラを製造することができる。
また、ソリッド/多孔質体層13は、断面において、50%以上のソリッド弾性体部分を有していることが好ましい。これにより、定着ローラ10の加圧ローラ20への表面追従性を良好にすることができる。なお、ソリッド弾性体部分の割合は以下のように算出することができる。まず、ソリッド/多孔質体層の断面を、例えば、倍率400倍にて、レーザ顕微鏡(LSM)、電子顕微鏡(SEM)等により画像撮影を行う。次に、例えば、ソリッド弾性体部分が白く、多孔質体部分が黒くなるようにして、画像の2値化処理を行う。さらに、全体に対する黒色部分の存在割合を算出して、ソリッド弾性体部分の割合とする。
また、ソリッド/多孔質体層13におけるソリッド弾性体部分の割合は、80%程度以下とすることが好ましい。これにより、定着ローラ10の強度を保持することができる。
また、ソリッド/多孔質体層13は、前記多孔質体ローラの軸方向全体、及び、周方向全体に亘って、均等な厚みで配置されていることが好ましい。これにより、定着ローラ10全体での加圧ローラ20への表面追従性を均一にして、トナーの記録媒体への定着ムラを抑制することができる。
また、ソリッド/多孔質体層13の径方向の厚さ寸法が、100μm以上とすることが好ましい。これにより、後述する「端部逃げ」をより抑制することができ、また、加圧ローラへの表面追従性を良好にすることができる。
第二の多孔質弾性体層14は、ソリッド/多孔質体層13の外周に積層されている。また、第二の多孔質弾性体層14は、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、気泡を囲む固体部分が弾性体により構成されている。第二の多孔質弾性体層14の材料としては、第一の多孔質弾性体層12と同様の材料を用いることができ、前述の性質を有する多孔質弾性体であれば特に限定されないが、後述する水発泡技術を用いた多孔質体を好適に用いることができる。
また、第一の多孔質弾性体層12と第二の多孔質弾性体層14において、径方向の寸法が同じ、又は、第二の多孔質弾性体層14の径寸法の方が小さくなるように形成してもよい。すなわち、第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、第二の多孔質弾性体層14からなる積層体において、ソリッド/多孔質体層13が、積層体の径方向において、中央またはより表層側に積層されていてもよい。一般的に、定着ローラ10において、ニップの形成によって凹みの影響を受ける部分は、定着ローラ10の表層側の部分である。よって、ソリッド/多孔質体層13が積層体の径方向において、中央またはより表層側に積層することにより、ニップ形成における端部逃げをより効果的に抑制することができる。
また、定着ローラ10において、第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、及び、第二の多孔質弾性体層14を、シリコーンゴム及び水を用いたW/O型エマルジョンの加熱成型体としてもよい。これにより、第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、第二の多孔質弾性体層14からなる積層体自体の形状が、図5に示すような、軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した、鼓形状となりやすくなる。これにより、記録媒体が搬送されるときに皺が形成されないように定着ローラを鼓形状に加工する工程が不要となり、定着ローラ製造時のコストを抑えることができる。
また、定着ローラ10において、第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、及び、第二の多孔質弾性体層14における気泡の径寸法が、4μm〜10μmとすることが好ましい。気泡の大きさをこのような範囲とすることにより、定着ローラ10において、断熱性の確保をしながら、押し込み駆動に対する強度を両立させることができる。なお、本明細書における気泡の径寸法とは、層の断面における気泡の円相当径を測定した寸法とする。
加圧ローラ20は、定着ローラ10に対向して配置され、定着ベルト50と接してニップNを形成する加圧部材である。これにより、定着ローラ10と加圧ローラ20とが対向する位置にニップNが形成されている。
テンションローラ30は、定着ベルト50の緩みを規制する部材であり、定着ローラ10と従動ローラ40との間に設けられて、定着ベルト50が架けられている。
従動ローラ40は、定着ベルト50が架けられており、定着ローラ10の駆動に伴って定着ベルト50と共に回転する部材である。
定着ベルト50は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト状部材からなり、回転可能に設けられている。
図3に示すように、定着ローラ10と加圧ローラ20の間には、ニップ60が形成されている。なお、図3は、定着ベルト50を省略して示す図である。定着ローラ10と加圧ローラ20との接触部位においては、加圧ローラ20からの圧力を受けて、定着ローラ10の表面が凹む。
ここで、連泡構造の弾性多孔質層を備える定着ローラを用いた定着装置において、定着ローラと加圧ローラとの間にニップが形成されるときに「端部逃げ」が生じるメカニズムについて、図4を参照して説明する。本例の定着ローラは、軸芯の外周に弾性多孔質体からなる弾性多孔質層のみを有する。
図4(a)は、加圧ローラ600が押し込まれる前の定着ローラ500の断面を示し、図4(b)は、加圧ローラ600を押し込まれている途中の定着ローラ500の断面を示し、図4(c)は、加圧ローラ600の押し込み完了状態の定着ローラ500の断面を示す模式図である。図4(a)、図4(b)において、便宜的に、加圧ローラ600が当接して変形する定着ローラ500の部分を変形部A、押込方向と直交方向両側の変形部Aの部分を変動部Bと称する。なお、図4(a)、図4(b)において、変形部Aと変動部Bとの境界を記載しているが、説明のために記載するものであり、変形部Aと変動部Bとは同一素材で一体に形成されている。
軸芯501の外周に連泡構造を有する多孔質弾性体層502を有する定着ローラ500に、加圧ローラ600が押し付けられると、多孔質弾性体層502が変形して、ひずんだ部分がニップ形成部Nとなる。ニップ形成部Nの幅は、一般的には、対向する加圧ローラ600との接触面の幅となる。しかしながら、連泡構造を弾性多孔質層の場合には、加圧ローラ600が押し込まれたときの変形により、押込方向と直交方向におけるニップ形成部Nの端部が外方に逃げてしまうことがあり、十分なニップ幅が形成されない場合がある。
すなわち、図4(b)のように、加圧ローラ600が押し込まれると、定着ローラ500の変形部Aは、定着ローラ500の径方向には矢印X方向に圧縮され、押込方向との直交方向Yには拡張するように変形する。この変形部Aの変形に伴い、変形部Aの直交方向Y両側の変動部Bが外方に押されるように変動する。以上の変形に定着ローラ500の表面が追従するように変化すると、図4(c)のように定着ローラ500の加圧ローラ600側の面が平坦な形状に近くなることがある。これにより、ニップ形成部Nの直交方向Y両端に逃げ部Cが形成され、図4(c)のように加圧ローラ600の表面に追従しない部分ができることがある。本明細書において、この現象を「端部逃げ」と称する。
本実施形態の定着ローラ10によれば、軸芯11と、第一の多孔質弾性体層12と、ソリッド/多孔質体層13と、第二の多孔質弾性体層14と、を備えている。また、第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、及び、第二の多孔質弾性体層14が、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有し、気泡を囲む部分が弾性体である。これにより、ニップ形成における端部逃げを抑制して、定着ローラ10の加圧ローラ20との接触表面に対する追従性を向上させて、押し込みを大きくしすぎなくても、ニップの形成性が良好な定着ローラ10とすることができる。また、本実施形態の定着ローラ10のソリッド/多孔質体層13において、ソリッド弾性体と多孔質体が絡み合うように混成している。これにより、多孔質体部分が押し込みによる変形ストレスを緩和して、ソリッド弾性体のみで形成されたローラのような脆弱性を解消することができる。
[多孔質体ローラ製造方法]
次に、本発明の多孔質体ローラの製造方法について説明する。本実施形態においては、多孔質体ローラである、前述した定着ローラ10を例示して説明する。なお、以下の製造方法は多孔質体ローラの製造方法の一例であり、多孔質体ローラの製造方法は以下の方法に限定されるものではない。
次に、本発明の多孔質体ローラの製造方法について説明する。本実施形態においては、多孔質体ローラである、前述した定着ローラ10を例示して説明する。なお、以下の製造方法は多孔質体ローラの製造方法の一例であり、多孔質体ローラの製造方法は以下の方法に限定されるものではない。
定着ローラ10の第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、第二の多孔質弾性体層14は、それぞれ、水発泡法により形成することができる。水発泡法とは、液状シリコーンゴム中に水を乳化させて加熱することで水を揮発させることにより発泡構造を形成するものである。
水発泡法による多孔質体の形成は、例えば、以下のように行うことができる。まず、市販されている2液型の液状シリコーンゴムに触媒、界面活性剤、架橋剤を混合する。次に、液状シリコーンゴムと、水に添加剤、充填剤、分散剤等を混ぜて液状シリコーンゴムと同等の粘度にした混合溶液とを合わせて攪拌して、エマルジョン組成物を調製する。このとき、必要に応じて添加剤等を混合する水にアルコールを加えてもよい。
さらに、エマルジョン組成物を金型に充填し、1次加熱、2次加熱を行う。1次加熱は、例えば、80℃〜130℃の範囲で行うことができ、加熱時間は30分〜120分程度とすることができる。次に、1次加熱後の多孔質体から水分を除去するために2次加熱を行う。例えば、加熱温度は、150℃〜300℃、加熱時間は1時間〜24時間とすることができる。このような2次加熱を行うことにより、水分を除去して、連続した気泡を形成するとともに、シリコーンゴムの最終的な硬化を終了させる。
本実施形態の多孔質体ローラの製造方法は、軸芯11の外周に第一の多孔質弾性体層12を形成する工程Aと、第一の多孔質弾性体層12の外周にソリッド/多孔質体層13を積層する工程Bと、ソリッド/多孔質体層13の外周に第二の多孔質弾性体層14を積層する工程Cと、を備える。工程Bにおいて、ソリッド/多孔質体層13の材料となるエマルジョンを成形するときにせん断応力のようなエマルジョン組成物の破壊や分離を起こすストレスを加えることにより、部分的にセルが破壊される。これにより、ソリッド弾性体部分と多孔質体部分とが混在したソリッド/多孔質体層を形成することができる。また、ストレスの程度により、ソリッド弾性体部分と多孔質体部分の混在の程度や層の厚みを調整することが可能となる。なお、前述したエマルジョン組成物にせん断応力のストレスを加える方法として、例えば、エマルジョン組成物を成形金型内へ注入するための輸送管として、管の一部の径寸法が異なる配管を用いる方法がある。管の一部の径寸法が異なる配管を用いることにより、異径部分への流入口や流出口において、流速差が生じる。この流速差がエマルジョン組成物に対するストレスとなり、エマルジョンを分離させることができる。
また、多孔質体ローラの製造方法において、工程A、工程B、工程Cの順に層形成を行うのではなくてもよい。例えば、シリコーンゴム及び水を用いたW/O型エマルジョン(図6参照)を金型に注型し、加熱成型することにより、第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、第二の多孔質弾性体層14がこの順で積層された積層体を形成してもよい。図6は、W/O型エマルジョンを模式的に示す図であり、W/O型エマルジョンは、弾性体材料Eに球形で示す水材(発泡剤F)が混在している。不安定なW/O型エマルジョンを用いることにより、層形成時にストレスがかかり、軸心側から第一の多孔質弾性体層12、ソリッド/多孔質体層13、第二の多孔質弾性体層14が形成される。また、このとき、表層付近のエマルジョンが選択的に破壊されることにより、より表層側の部分にソリッド/多孔質体層13を形成することができる。
また、工程A、工程B、工程Cにおいて、多孔質体形成時に行うセル内部からの脱水は、工程毎に行わなくてもよい。すなわち、例えば、まず、第一の多孔質弾性体層12の気泡となるセル内部に水を有している状態の第一の多孔質弾性体層前駆体の外周にソリッド/多孔質体層13を積層する。次に、ソリッド/多孔質体層13の外周に第二の多孔質弾性体層14を積層し、次に、第一の多孔質弾性体層前駆体のセル内部の水を脱水することにより第一の多孔質弾性体層12を形成してもよい。
このような工程で製造することにより、通常の多孔質体製造の工程よりも脱水が阻害されて、気泡の形状が、定着ローラ10の軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した形状となりやすくなる。この気泡の形状に伴い、第一の弾性多孔質体層、ソリッド/多孔質体層、第二の弾性多孔質体層からなる積層体自体の形状も、図5に示すような、軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した、鼓形状となる。定着ローラは、記録媒体が搬送されるときに皺が形成されないように鼓形状に加工することがある。積層体自体が鼓形状となることにより、このような鼓形状に加工する工程が不要となり、定着ローラ製造時のコストを抑えることができる。
また、第一の弾性多孔質体層を形成するための脱水操作をソリッド/多孔質体層13形成後に行う場合には、ソリッド/多孔質体層13の厚みを一定以上(例えば、100μm以上)とすることが好ましい。これにより、第一の弾性多孔質体層前駆体からの脱水をより確実に阻害することができる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
[定着ローラの作製]
まず、定着ローラを作製した。軸芯として、径寸法がφ24mm、軸方向の長さが440mmのSUS420製の中実円柱部材を用いた。また、軸芯の外周に、軸方向の長さが378mmとなるように、第一の多孔質弾性体層、ソリッド/多孔質体層、第二の多孔質弾性体層の順に積層した。第一の多孔質弾性体層、ソリッド/多孔質体層、第二の多孔質弾性体層の材料は、触媒・架橋剤の添加量が異なる2種類のゴム溶液A、ゴム溶液Bからなる2液型のビニルメチルシリコーンゴム(DY35−9440、東レ・ダウコーニング社製)を用いた。さらに、ゴム溶液A:ゴム溶液B:水=1:1:2の混合比でW/O型エマルジョンを調製した。さらに、ゴム溶液A:ゴム溶液B:水=1:1:2の混合比でW/O型エマルジョンを調製した。このエマルジョン溶液を金型に注型し、110℃3時間で加熱して硬化させた。加熱したことにより、シリコーンゴム内に分散した水が蒸発して気泡となり、蒸発した水が気泡を破り、隣り合う気泡同士が連結して、シリコーンゴム内部に気泡同士が連なった連泡構造が形成された。
[定着ローラの作製]
まず、定着ローラを作製した。軸芯として、径寸法がφ24mm、軸方向の長さが440mmのSUS420製の中実円柱部材を用いた。また、軸芯の外周に、軸方向の長さが378mmとなるように、第一の多孔質弾性体層、ソリッド/多孔質体層、第二の多孔質弾性体層の順に積層した。第一の多孔質弾性体層、ソリッド/多孔質体層、第二の多孔質弾性体層の材料は、触媒・架橋剤の添加量が異なる2種類のゴム溶液A、ゴム溶液Bからなる2液型のビニルメチルシリコーンゴム(DY35−9440、東レ・ダウコーニング社製)を用いた。さらに、ゴム溶液A:ゴム溶液B:水=1:1:2の混合比でW/O型エマルジョンを調製した。さらに、ゴム溶液A:ゴム溶液B:水=1:1:2の混合比でW/O型エマルジョンを調製した。このエマルジョン溶液を金型に注型し、110℃3時間で加熱して硬化させた。加熱したことにより、シリコーンゴム内に分散した水が蒸発して気泡となり、蒸発した水が気泡を破り、隣り合う気泡同士が連結して、シリコーンゴム内部に気泡同士が連なった連泡構造が形成された。
作製した定着ローラは、径寸法がφ57mm、第一の多孔質弾性体層、ソリッド/多孔質体層、第二の多孔質弾性体層の合計肉厚が16.5mmであった。また、ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合は、50%であった。また、ソリッド/多孔質体層の径方向の厚さ寸法は150μmであった。なお、ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合は以下のように算出した。ソリッド/多孔質体層の断面を、倍率400倍にて、電子顕微鏡(SEM)により画像撮影を行った。次に、例えば、ソリッド弾性体部分が白く、多孔質体部分が黒くなるようにして、画像の2値化処理を行った。さらに、全体に対する黒色部分の存在割合を算出して、ソリッド弾性体部分の割合とした。
(実施例2)
ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合が75%、ソリッド/多孔質体層の厚さが200μmであったこと以外は、実施例1と同様の定着ローラを作製した。
ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合が75%、ソリッド/多孔質体層の厚さが200μmであったこと以外は、実施例1と同様の定着ローラを作製した。
(実施例3)
ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合が80%、ソリッド/多孔質体層の厚さ寸法が300μmであったこと以外は、実施例1と同様の定着ローラを作製した。
ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合が80%、ソリッド/多孔質体層の厚さ寸法が300μmであったこと以外は、実施例1と同様の定着ローラを作製した。
(比較例1)
ビニルメチルシリコーンゴム(DY35−9340、東レ・ダウコーニング社製)を用いて、弾性多孔質体層のみを形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で、定着ローラを作製した。比較例1の定着ローラは、軸心の外周に弾性多孔質体層のみが形成されており、径寸法がφ57mm、肉厚が16.5mmであった。
ビニルメチルシリコーンゴム(DY35−9340、東レ・ダウコーニング社製)を用いて、弾性多孔質体層のみを形成したこと以外は、実施例1と同様の方法で、定着ローラを作製した。比較例1の定着ローラは、軸心の外周に弾性多孔質体層のみが形成されており、径寸法がφ57mm、肉厚が16.5mmであった。
[評価方法]
次に、実施例1〜実施例3の定着ローラを評価した。評価のために、径寸法がφ57mmの加圧ローラを用いて、定着ローラへの押し込み量34%としてニップを形成してニップ幅を測定した。ニップ幅は、ニップ形成部への加熱を十分に行い、熱が均等になったと考えられる状態で、ニップにキソ化成産業株式会社製のOHPシートを挟んで、5分経過後のOHPシートにおける変性した部分の幅をノギスで測定した寸法とした。また、判定は3段階で行い、ニップ幅が16.0mm以下の場合を「×」、ニップ幅が16.1mm〜17.0mmの場合を「○」、17.1mm以上の場合を「◎」とした。定着ローラの性状及び評価結果を表1に示した。
次に、実施例1〜実施例3の定着ローラを評価した。評価のために、径寸法がφ57mmの加圧ローラを用いて、定着ローラへの押し込み量34%としてニップを形成してニップ幅を測定した。ニップ幅は、ニップ形成部への加熱を十分に行い、熱が均等になったと考えられる状態で、ニップにキソ化成産業株式会社製のOHPシートを挟んで、5分経過後のOHPシートにおける変性した部分の幅をノギスで測定した寸法とした。また、判定は3段階で行い、ニップ幅が16.0mm以下の場合を「×」、ニップ幅が16.1mm〜17.0mmの場合を「○」、17.1mm以上の場合を「◎」とした。定着ローラの性状及び評価結果を表1に示した。
[評価結果]
実施例1〜3、比較例1において、ニップ幅は、それぞれ、16.9mm、17.1mm、17.4mm、15.9mmであり、判定は、それぞれ、○、◎、◎、×であった。この結果、ソリッド/多孔質体層を有しない比較例に比べて、ソリッド/多孔質体層を有する実施例1〜3のほうがニップ幅が長いことが確認された。また、実施例1、2を比較すると、ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合が大きい実施例2の方がニップ幅が大きくなり、ニップの形成性が良好になることが確認された。また、実施例2、3を比較すると、ソリッド/多孔質体層の厚さ寸法がより大きい実施例3の方がニップ幅が大きくなり、ニップの形成性が良好になることが確認された。本発明の例示的態様である実施例1〜3の定着ローラにおいては、ニップの形成性が良好な定着ローラとすることができることが示された。
実施例1〜3、比較例1において、ニップ幅は、それぞれ、16.9mm、17.1mm、17.4mm、15.9mmであり、判定は、それぞれ、○、◎、◎、×であった。この結果、ソリッド/多孔質体層を有しない比較例に比べて、ソリッド/多孔質体層を有する実施例1〜3のほうがニップ幅が長いことが確認された。また、実施例1、2を比較すると、ソリッド/多孔質体層におけるソリッド弾性体部分の割合が大きい実施例2の方がニップ幅が大きくなり、ニップの形成性が良好になることが確認された。また、実施例2、3を比較すると、ソリッド/多孔質体層の厚さ寸法がより大きい実施例3の方がニップ幅が大きくなり、ニップの形成性が良好になることが確認された。本発明の例示的態様である実施例1〜3の定着ローラにおいては、ニップの形成性が良好な定着ローラとすることができることが示された。
(実施例4)
[定着ローラの作製]
実施例4として、第一の多孔質弾性体層の気泡となるセル内部に水を有している状態の第一の多孔質弾性体層前駆体の外周にソリッド/多孔質体層を積層し、次に、ソリッド/多孔質体層の外周に第二の多孔質弾性体層を積層した。さらに、加熱することにより水を蒸発させて、第一の多孔質弾性体層前駆体のセル内部の水を脱水することにより第一の多孔質弾性体層を形成して定着ローラを作製した。以上の操作以外は実施例1と同様にして定着ローラを作製した。
[定着ローラの作製]
実施例4として、第一の多孔質弾性体層の気泡となるセル内部に水を有している状態の第一の多孔質弾性体層前駆体の外周にソリッド/多孔質体層を積層し、次に、ソリッド/多孔質体層の外周に第二の多孔質弾性体層を積層した。さらに、加熱することにより水を蒸発させて、第一の多孔質弾性体層前駆体のセル内部の水を脱水することにより第一の多孔質弾性体層を形成して定着ローラを作製した。以上の操作以外は実施例1と同様にして定着ローラを作製した。
[評価方法及び評価結果]
実施例4と比較例1の定着ローラの径方向寸法を、軸方向における所定箇所において測定した。測定箇所は、図8(a)に示すように、端部から80mm(図8(a)の1の箇所)、160mm(図8(a)の2の箇所)、220mm(図8(a)の3の箇所)、280mm(図8(a)の4の箇所)、360mm(図8(a)の5の箇所)の位置とした。測定結果を図8(b)に示した。図8(b)のグラフにおいて、実線は実施例1、破線は比較例1を示している。図8(b)に示されたように、実施例1においては、軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した、鼓形状であり、比較例1においては、軸方向のどの位置においても径方向の厚さ寸法がほぼ同じである、ストレート形状であることが確認された。これにより、軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した、鼓形状の定着ローラを作製することができることが示された。
実施例4と比較例1の定着ローラの径方向寸法を、軸方向における所定箇所において測定した。測定箇所は、図8(a)に示すように、端部から80mm(図8(a)の1の箇所)、160mm(図8(a)の2の箇所)、220mm(図8(a)の3の箇所)、280mm(図8(a)の4の箇所)、360mm(図8(a)の5の箇所)の位置とした。測定結果を図8(b)に示した。図8(b)のグラフにおいて、実線は実施例1、破線は比較例1を示している。図8(b)に示されたように、実施例1においては、軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した、鼓形状であり、比較例1においては、軸方向のどの位置においても径方向の厚さ寸法がほぼ同じである、ストレート形状であることが確認された。これにより、軸方向中心部ほど圧縮し、軸方向端部ほど膨張した、鼓形状の定着ローラを作製することができることが示された。
10 定着ローラ(多孔質体ローラ)
11 軸芯
12 第一の多孔質弾性体層
13 ソリッド/多孔質体層
14 第二の多孔質弾性体層
11 軸芯
12 第一の多孔質弾性体層
13 ソリッド/多孔質体層
14 第二の多孔質弾性体層
Claims (9)
- 軸芯と、前記軸芯の外周に積層された第一の多孔質弾性体層と、前記第一の多孔質弾性体層の外周に積層された、ソリッド弾性体と多孔質体とが混成したソリッド/多孔質体層と、前記ソリッド/多孔質体層の外周に積層された第二の多孔質弾性体層と、を備え、
前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層が、気泡同士が互いに連なっている連泡構造を有するとともに、前記気泡を囲む部分が弾性体であることを特徴とする多孔質体ローラ。 - 前記ソリッド/多孔質体層が、断面において、50%以上のソリッド弾性体部分を有していることを特徴とする請求項1に記載の多孔質体ローラ。
- 前記ソリッド/多孔質体層が、前記多孔質体ローラの軸方向全体、及び、周方向全体に亘って、均等な厚みで配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔質体ローラ。
- 前記ソリッド/多孔質体層の径方向の厚さ寸法が、100μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質体ローラ。
- 前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層が、シリコーンゴム及び水を用いたW/O型エマルジョンの加熱成型体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質体ローラ。
- 前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層における気泡の径寸法が、4μm〜10μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質体ローラ。
- 第一の多孔質弾性体層と第二の多孔質弾性体層において、径方向の寸法が同じ、又は、第二の多孔質弾性体層の径寸法の方が小さいことを特徴とする多孔質体ローラ。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質体ローラの製造方法であって、
シリコーンゴム及び水を用いたW/O型エマルジョンを金型に注型し、加熱成型することにより、前記第一の多孔質弾性体層、前記ソリッド/多孔質体層、及び、前記第二の多孔質弾性体層がこの順で積層された積層体を形成する工程を備えることを特徴とする多孔質体ローラ製造方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質体ローラの製造方法であって、
前記第一の多孔質弾性体層の気泡となるセル内部に水を有している状態の第一の多孔質弾性体層前駆体の外周に前記ソリッド/多孔質体層を積層し、
次に、前記ソリッド/多孔質体層の外周に前記第二の多孔質弾性体層を積層し、
次に、前記第一の多孔質弾性体層前駆体の前記セル内部の水を脱水することにより前記第一の多孔質弾性体層を形成することを特徴とする多孔質体ローラ製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017133808A JP2019015879A (ja) | 2017-07-07 | 2017-07-07 | 多孔質体ローラ及び多孔質体ローラの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020173306A (ja) * | 2019-04-09 | 2020-10-22 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成システム |
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2017
- 2017-07-07 JP JP2017133808A patent/JP2019015879A/ja active Pending
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