以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る経路案内装置100の機能構成例を示すブロック図である。経路案内装置100は、車両に設けられた、いわゆるナビゲーション装置であり、車両の現在位置(以下、「自車位置」という)を検出する機能や、自車位置からユーザに設定された目的地までの経路(以下、「誘導経路」という)を探索し、案内する機能等を備える。
なお、本実施形態では、経路案内装置100を、車両に設けられたナビゲーション装置として説明するが、経路案内装置100は、車両に設けられた装置である必要はなく、例えば、携帯端末(スマートフォンや、タブレット型PC、ノート型PC)であってもよい。すなわち、以下で説明する本発明は、誘導経路の案内を行うことが可能な装置に広く適用可能である。
図1に示すように、本実施形態に係る経路案内装置100には、タッチパネル200および音声処理装置300が接続されている。タッチパネル200は、液晶表示パネルや有機ELパネル等の画像を表示する機能を有する表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、タッチパネル200に対するユーザの操作を検出するタッチセンサとを備える。音声処理装置300は、D/Aコンバータや、アンプ回路、車両の車内に設けられたスピーカ等を備え、入力した音声信号にD/A変換や、増幅等の信号処理を行って、スピーカから音声信号に基づく音声を出力する。
図1に示すように、経路案内装置100は、その機能構成として、自車位置検出部10、経路探索部11、経路案内部12、対応レーン特定部13、レーン数取得部14および推奨レーン決定部15を備えている。また、経路案内装置100は、地図データ記憶部20および誘導経路情報記憶部21を備えている。
上記各機能ブロック10〜15は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor)、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記各機能ブロック10〜15は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。
地図データ記憶部20は、地図データ20aを記憶する。地図データ20aは、背景の描画に用いられるデータや、道路の描画に用いられるデータを含んでいる。これらデータのデータ形式は任意であり、例えば、ベクトルデータや、ビットマップデータである。また、地図データ20aは、道路名や、交差点名、地名等の文字列の描画に用いられるデータを含んでいる。このデータは、例えば、対応する文字列と、文字列を表示するときの位置に関する情報(例えば、地図上の座標を示す情報)を含んで構成される。また、地図データ20aは、地図上の施設に関する施設情報を含んでいる。また、地図データ20aは、誘導経路の探索に用いられる道路データを含んでいる。道路データは、ノードに関するノードテーブルTB1、および、リンクに関するリンクテーブルTB2を含んでいる。ノードは、交差点、その他の道路網における結節点ごとに定義された点であり、リンクは、ノードとノードとの間の道路区間ごとに定義された線である。
図2は、ノードテーブルTB1の内容の一例を示す図である。図2に示すように、ノードテーブルTB1は、地図上のノードごとに、ノードデータN1を有する。ノードデータN1は、ノード番号と、ノード属性と、ノード座標と、接続リンク情報と、接続ノード情報と、交差点レーン情報N2とを有する。
ノード番号は、ノードを識別する識別情報である。ノード属性は、ノードの属性を示す情報である。ノード座標は、ノードの位置を示す情報である。接続リンク情報は、ノードに接続するリンクのそれぞれのリンク番号(後述)を示す情報である。接続ノード情報は、ノードにリンクを介して接続する他のノードのノード番号を示す情報である。
交差点レーン情報N2は、ノードが交差点である場合に、ノードデータN1に付加される情報である。図2に示すように、交差点レーン情報N2は、対応するノードに接続し、対応するノードに進入する方向を進行方向とするリンク(以下、「接続進入リンク」という)ごとに、進入リンクデータN3を有する。進入リンクデータN3は、リンク番号と、進入レーンテーブルN4とを有する。
進入レーンテーブルN4は、対応する接続進入リンクと、対応するノードとの接続部に設けられたレーンごとに、進入レーンデータN5を有する。
図2に示すように、進入レーンデータN5は、レーン番号と、レーン種別情報と、退出リンク情報とを有する。レーン番号は、レーンの識別番号である。レーン種別情報は、対応するレーンのレーン種別を示す情報である。レーン種別としては、例えば、左折専用レーンや、直進専用レーン、Uターン専用レーン、非専用レーン等がある。また、レーンには、交差点内に設けられ、交差点の進入時に別のレーンから乗り入れることが可能なレーン(以下、「交差点内増設レーン」という。)がある。このようなレーンについて、レーン種別情報には、付加的に、交差点内増設レーンであることを示す情報が含まれる。従って、各機能ブロックは、1のレーンについて、当該1のレーンに係るレーン種別情報を参照することにより、そのレーンが、交差点内増設レーンであるか否かを認識できる。退出リンク情報は、対応するレーンから、対応するノードを経由して進入可能なリンクのリンク番号を示す情報である。
以上の通り、1のノードに係るノードテーブルTB1は、当該1のノードに進入する接続進入リンクごとに進入レーンテーブルN4を有している。この進入レーンテーブルN4は、接続進入リンクと当該1のノードとの接続部に設けられたレーンごとに、レーン番号、レーン種別情報および退出リンク情報を有している。進入レーンテーブルN4は、レーン情報に相当する。なお、進入レーンテーブルN4は、地図データ20aの整備の状況等により、ヌル値であることがある。また、ノードデータN1に含まれる情報として例示した情報は、一部の情報であり、ノードデータN1には、例示した情報の他に、ノードに関する他の情報が含まれている。
図3は、リンクテーブルTB2の内容の一例を示す図である。図3に示すように、リンクテーブルTB2は、地図上のリンクごとに、リンクデータR1を有する。リンクデータR1は、リンク番号と、リンク属性と、第1ノード番号と、第2ノード番号と、車線数情報とを有する。リンク番号は、リンクを識別する識別情報である。リンク属性は、リンクの属性を示す情報である。第1ノード番号は、リンクの一方の端に接続されたノードのノード番号を示す情報である。第2ノード番号は、リンクの他方の端に接続されたノードのノード番号を示す情報である。
車線数情報は、対応するリンクの道路に設けられた車線の個数を示す情報である。ここで、リンクは、1つの片側道路について1つ定義される場合がある。片側道路とは、1つの道路において、1又は複数の車線を有し、一の方向への通行が許可された部分を便宜的に表現したものである。例えば、国道や高速道路において、上り線、下り線がそれぞれ、片側道路である。片側道路に係るリンクに対応する車線数情報は、その片側道路に設けられた車線の個数を示している。
なお、リンクデータR1に含まれる情報として例示した情報は、一部の情報であり、リンクデータR1には、例示した情報の他に、リンクコストや、リンク長等のリンクに関する他の情報が含まれている。
さて、図1に示す自車位置検出部10は、図示しないGPSや、ジャイロセンサ、加速度センサ、車速センサ等からの入力、および、地図データ20aに含まれる情報に基づいて、自車位置を検出する。自車位置を検出する方法はどのような方法であってもよい。
経路探索部11は、タッチパネル200を用いたユーザの指示等に応じて、自車位置検出部10により検出された自車位置や、地図データ20aに含まれる情報等に基づいて、誘導経路(上述した通り、自車位置からユーザにより設定された目的地に至るまでの経路)を探索する。経路を探索する方法はどのような方法であってもよい。経路探索部11は、探索した誘導経路を示す誘導経路情報を、誘導経路情報記憶部21に記憶する。
図4は、誘導経路情報の内容の一例を単純化して示す図である。図4に示すように、誘導経路情報は、誘導経路を、リンク番号とノード番号との組み合わせによって表した誘導経路対応情報を有する。また、誘導経路情報において、ノード番号のそれぞれには、案内交差点フラグが対応付けられている。案内交差点フラグは、対応するノード番号のノードが、誘導経路に沿って車両が走行した場合に右左折が行われる交差点であるか否かを示すフラグである。以下、誘導経路上に存在する交差点であって、右左折が行われる交差点を「案内交差点」という。
経路案内部12は、タッチパネル200を用いたユーザの指示等に応じて、誘導経路を案内する。経路案内部12は、地図データ20aに含まれる情報に基づいて、タッチパネル200に地図を表示すると共に、自車位置検出部10により検出された自車位置および誘導経路情報記憶部21に記憶された誘導経路情報に基づいて、地図上に自車位置を示すマークおよび誘導経路を示す画像を表示することによって、誘導経路を案内する。また、経路案内部12は、適宜、音声処理装置300を制御して、所定の内容の音声を出力し、誘導経路を案内する。
本実施形態に係る経路案内部12は、自車位置と案内交差点とが近接したときに、交差点拡大図(後述)をタッチパネル200に表示して、案内交差点に関する案内を行う。そして、経路案内部12は、当該案内交差点に関する案内に際し、後述する所定の場合には、当該案内交差点に設けられたレーンのうち、走行することを推奨するレーン(以下、「推奨レーン」という)を提示する。経路案内部12が案内交差点を案内するときの処理については後に詳述する。
ここで、以下の説明で使用する用語である直近案内交差点、次案内交差点、走行可能レーン、進入可能レーン、および、対応レーンについて、図5を用いて説明する。図5は、誘導経路が通る道路の周辺の地図を単純化して模式的に示す図である。図5では、上へ向かう方向が北、右へ向かう方向が東、下へ向かう方向が南、左へ向かう方向が西である。
以下の説明では、交差点と、交差点に接続する道路との接続部に設けられた全てのレーンを「交差点レーン」と表現する。交差点レーンは、上述した交差点内増設レーンと、後述する進入可能レーンとを含んで構成される。交差点レーンは、進入レーンテーブルN4がヌル値の場合を除き、進入レーンテーブルN4の進入レーンデータN5として、地図データ20aで管理される。図5では、交差点レーンを、進行方向別通行区分を示す図形によって表している。また、以下の説明では、道路に設けられた車線を「道路車線」と表現し、交差点レーンと明確に区別する。
上述したように、交差点レーンは、交差点内増設レーンと、進入可能レーンとにより構成される。交差点内増設レーンは、交差点内に設けられ、交差点の進入時に別の交差点レーンから乗り入れることが可能な交差点レーンであり、道路に設けられた道路車線と接続されていない。一方、進入可能レーンは、交差点に進入する道路の道路車線に接続された交差点レーンである。進入可能レーンは、道路に設けられた道路車線に接続しているため、道路車線を走行することによってそのままレーンに乗り入れることが可能である。
図5において、東西に延びる道路K1は、交差点として、東へ向かって順番に交差点X1と、交差点X2とを有する。道路K1は、交差点X1において南北に延びる道路K2と交差し、また、交差点X2において南北に延びる道路K3と交差する。以下、道路K2のうち、北へ向かう方向への進行が許可された片側道路であって、交差点X1から南に向かって延びる部分を「第1道路」(図中の符号は「K2a」)とする。また、道路K1のうち、東へ向かう方向への進行が許可された片側道路であって、交差点X1と交差点X2との挟まれた部分を「第2道路」(図中の符号は「K1a」)とする。また、道路K3のうち、北へ向かう方向への進行が許可された片側道路であって、交差点X2から北へ向かって延びる部分を「第3道路」(図中の符号は「K3a」)とする。
図5に示す地図において、車両が、図中の位置P1に位置し、誘導経路が、図中の太い線で表した経路KR1であるものとする。図5に示すように、位置P1は、交差点X1の手前の位置である。また、経路KR1は、位置P1に位置する車両が、第1道路K2aを北へ向かって進行して交差点X1に進入し、交差点X1で右折して第2道路K1aに進入し、第2道路K1aを東へ向かって進行して交差点X2に進入し、交差点X2で左折して第3道路K3aに進入し、第3道路K3aを北へ向かって進行する経路である。
この場合において、交差点X1および交差点X2は案内交差点である。誘導経路上に存在する交差点であって、右左折が行われる交差点だからである。また、交差点X1が、「直近案内交差点」に相当する。案内交差点のうち、直近の案内交差点だからである。また、交差点X2が、「次案内交差点」に相当する。案内交差点のうち、誘導経路に従って車両が走行した場合に、直近案内交差点の次に車両が経由する案内交差点だからである。
また、図5に示すように、交差点X1は、第1道路K2aとの接続部に、進行方向に向かって左から順番に、8個の交差点レーンL1a〜L1hを有している。8個の交差点レーンL1a〜L1hのうち、左側の2つの交差点レーンL1a、L1bは、左折専用の交差点内増設レーンである。また、右側の3つの交差点レーンL1f〜L1hは、右折専用の交差点内増設レーンである。また、交差点内増設レーンを除いた中央部の3つの交差点レーンL1c〜L1eは、直進専用の進入可能レーンである。第1道路K2aには、交差点X1との接続部に、進入可能レーンである3つの交差点レーンL1c〜L1eと接続する3つの道路車線が設けられている。
以上の交差点X1のレーン構成において、交差点X1の交差点レーンのうち、3つの交差点レーンL1f〜L1hが、「走行可能レーン」に相当する。直近案内交差点である交差点X1が有する交差点レーンL1a〜L1hのうち、直近案内交差点を誘導経路に沿って経由する際に車両が走行可能な交差点レーンだからである。仮に、交差点X1を左折する場合は、交差点レーンL1a、L1bが、「走行可能レーン」となる。以上のように、走行可能レーンは、交差点内増設レーンか、進入可能レーンかによらず、直近案内交差点を経由(右左折)するときに車両が走行し得る全ての交差点レーンを意味する。
交差点X2は、第2道路K1aとの接続部に、進行方向に向かって左から順番に、3個の交差点レーンL2a〜L2cを有している。3個の交差点レーンL2a〜L2cのうち、左側の1つの交差点レーンL2aは、左折専用の交差点内増設レーンである。また、右側の2つの交差点レーンL2b、L2cは、直進専用の進入可能レーンである。第2道路K1aには、交差点X2との接続部に、進入可能レーンである2つの交差点レーンL2b、L2cと接続する2つの道路車線が設けられている。
以上の交差点X2のレーン構成において、対応レーンは、交差点X2に設けられた「進入可能レーン」のうち、次案内交差点である交差点X2に進入するときに走行することが推奨される道路車線と接続されたレーンを意味する。
対応レーンは、次案内交差点において車両が曲がる方向、および、次案内交差点が有する交差点レーンのレーン構成により、進入可能レーンのうち、特定のレーン(複数であってもよい)に特定可能である。例えば、図5において、誘導経路に沿った車両の走行が行われる場合、交差点X2では、左折が行われる。このため、車両は、交差点X2において、左折専用レーンである交差点レーンL2aに乗り入れる必要がある。この場合、進入可能レーンである交差点レーンL2b、L2cのうち、交差点レーンL2aへの乗り入れを容易に行うことができる交差点レーンL2bを、対応レーンとして特定可能である。
対応レーン特定部13は、経路案内部12により誘導経路が案内されている間、次案内交差点の進入可能レーンのうち、対応レーンを特定する。対応レーン特定部13は、対応レーンを特定する処理を、経路案内部12が誘導経路に関する交差点拡大図(後述)を表示するタイミングで実行する。後述するように、経路案内部12は、対応レーン特定部13、レーン数取得部14および推奨レーン決定部15の処理結果を反映した交差点拡大図を表示する。対応レーン特定部13の処理について詳述すると、対応レーン特定部13は、次案内交差点について、ノードテーブルTB1の次案内交差点に対応する進入レーンテーブルN4の内容に基づいて、次案内交差点のレーン構造を認識する。次いで、対応レーン特定部13は、次案内交差点のレーン構造、および、次案内交差点において車両が曲がる方向に基づいて、次案内交差点における進入可能レーンの中から、対応レーンを特定する。図5の例の場合、対応レーン特定部13は、次案内交差点である交差点X2において、進入可能レーンである交差点レーンL2b、L2cのうち、交差点レーンL2bを対応レーンとして特定する。
レーン数取得部14は、直近案内交差点における走行可能レーンの個数と、次案内交差点における進入可能レーンの個数とを取得する。レーン数取得部14は、各レーンの個数を取得する処理を、経路案内部12が誘導経路に関する交差点拡大図(後述)を表示するタイミングで実行する。レーン数取得部14は、ノードテーブルTB1の直近案内交差点に対応する進入レーンテーブルN4の内容に基づいて走行可能レーンの個数を特定し、また、ノードテーブルTB1の次案内交差点に対応する進入レーンテーブルN4の内容に基づいて進入可能レーンの個数を特定する。
推奨レーン決定部15は、対応レーン特定部13により特定された対応レーンと、レーン数取得部14により取得された走行可能レーンの個数および進入可能レーンの個数とに基づいて、以下の処理を実行する。推奨レーン決定部15は、以下の処理を、経路案内部12が誘導経路に関する交差点拡大図(後述)を表示するタイミングで実行する。以下、推奨レーン決定部15の処理について詳述する。なお、以下の説明において、「推奨レーン」とは、直近案内交差点で、走行することが推奨される交差点レーンのことを意味し、「対応レーン」と明確に区別する。
ここで、直近案内交差点の走行可能レーンが複数存在する場合、車両は、その複数の走行可能レーンのいずれを経由しても、直近案内交差点を通過後に進入すべき道路(誘導経路上の道路)に進入することができる。従来は、走行可能レーンが複数存在する場合は、全ての走行可能レーンを推奨レーンとして提示するか、または、任意の1つの走行可能レーンを推奨レーンとして提示していた。この点に関し、走行可能レーンが複数存在する場合において、直近案内交差点を経由した後に車両が行う車線変更ができるだけ少なくなるような特定の走行可能レーンを推奨レーンとして提示することができれば、運転手の利便性を向上できる。運転手による運転の負荷を軽減できるからである。しかしながら、上述したように、地図データ20aは、一の交差点のレーンと、他の交差点のレーンとの接続関係に関する情報を有しておらず、また、交差点のレーンと、その交差点と接続する道路の道路車線との接続関係に関する情報を有していない。このため、地図データ20aからは、直近案内交差点に係る走行可能レーンと、次案内交差点に係る進入可能レーンとの接続関係が分からず、対応レーンに至るまでに行う必要がある車線変更を少なくするために選択すべき走行可能レーンが分からない。以上のことを踏まえ、推奨レーン決定部15は、以下の処理を実行する。
推奨レーン決定部15は、レーン数取得部14により取得された走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とを比較する。そして、推奨レーン決定部15は、走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合と、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合と、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合とで異なる処理を実行する。以下、各場合について、順に説明する。
<走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合>
図6は、走行可能レーンの個数と進入可能レーンの個数とが一致する場合の連結片側道路(後述)の一例を示す図である。走行可能レーンの個数と進入可能レーンの個数とが一致している場合、直近案内交差点と次案内交差点とを結ぶ片側道路における道路車線の状態は、以下の状態であるものと想定できる。以下、直近案内交差点と次案内交差点とを結ぶ片側道路を「連結片側道路」という。また、連結片側道路において、直近案内交差点との接続部に設けられた道路車線を「退出道路車線」といい、次案内交差点との接続部に設けられた道路車線を「進入道路車線」という。進入道路車線は、次案内交差点の進入可能レーンと接続する。
すなわち、図6に示すように、直近案内交差点の走行可能レーンのそれぞれは、退出道路車線のそれぞれに一対一で接続する。従って、直近案内交差点の走行可能レーンの個数は、退出道路車線の個数とみなすことができる。また、次案内交差点の進入可能レーンのそれぞれは、進入道路車線のそれぞれに一対一で接続する。従って、次案内交差点の進入可能レーンの個数は、進入道路車線の個数とみなすことができる。
そして、図6に示すように、一の連結片側道路において退出道路車線の個数と、進入道路車線の個数とが一致する場合(=走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合)、当該一の連結片側道路では車線数の増加や減少が行われていないと想定できる。従って、走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合は、進行方向に向かって左右方向に並んで配列される走行可能レーンのうち、左右方向における所定の位置に配置された走行可能レーンは、進入可能レーンの配列のうち、左右方向において共通する位置に配置された進入可能レーンと、1つの道路車線を介して接続された状態であるものと想定できる。
例えば、走行可能レーンの配列において左端に配置された走行可能レーンは、進入可能レーンの配列において左端に配置された進入可能レーンと1つの道路車線を介して接続された状態であり、また例えば、走行可能レーンの配列において左から2番目に配置された走行可能レーンは、進入可能レーンの配列において左から2番目に配置された進入可能レーンと1つの道路車線を介して接続された状態であるものと想定される。
このため、走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合は、走行可能レーンのうち、進入可能レーンにおける対応レーンの左右方向の位置と左右方向における位置が共通するレーンを、推奨レーンと決定すれば、推奨レーンを経由した車両は、推奨レーンを経由した後、車線変更を行うことなく道路車線を走行することにより、対応レーンに至る可能性が高いものと想定される。
以上を踏まえ、推奨レーン決定部15は、走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合、走行可能レーンのうち、進入可能レーンにおける対応レーンの左右方向の位置と左右方向における位置が共通するレーンを、推奨レーンと決定する。
図7は、走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数とが一致する場合の、対応レーンと推奨レーンとの関係を示す図である。図7(後述する図9および図12も同様)では、進入可能レーンおよび走行可能レーンをそれぞ矩形のブロックによって表している。図7のケースC71は、走行可能レーンが走行可能レーンA1、A2の2つであり、進入可能レーンが進入可能レーンB1、B2の2つの場合の対応レーンと推奨レーンとの関係を示している。
ケースC71の場合、推奨レーン決定部15は、矢印で示すように、進入可能レーンB1が対応レーンの場合、走行可能レーンA1を推奨レーンとして決定する。また、推奨レーン決定部15は、矢印で示すように、進入可能レーンB2が対応レーンの場合、走行可能レーンA2を推奨レーンとして決定する。ケースC72に示すように、走行可能レーンが3つ存在し、進入可能レーンが3つ存在する場合も、推奨レーン決定部15は、ケースC71と同一のルールを適用して対応レーンに基づいて推奨レーンを決定する。
以上のように、本実施形態では、経路案内装置100は、進入可能レーンの個数と、走行可能レーンの個数とが一致している場合、走行可能レーンのうち、進入可能レーンにおける対応レーンの左右方向の位置と左右方向における位置が共通するレーンを、推奨レーンと決定する。この構成によれば、直近案内交差点から次案内交差点に至るまでの道路において車線数が変わっておらず、進入可能レーンにおける対応レーンの左右方向の位置と共通する位置の走行可能レーンが、そのまま道路車線を介して対応レーンに接続していると想定できる場合に、当該想定の下、直近案内交差点を経由後に車線変更が行われない可能性の高い走行可能レーンを推奨レーンとして決定し、提示できる。
<進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合>
図8は、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合の連結片側道路の一例を示す図である。進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合、連結片側道路における道路車線の状態は、以下の状態であるものと想定できる。すなわち、図8に示すように、連結片側道路において、直近案内交差点から次案内交差点に至るまでのいずれかの箇所で車線数の増加が行われているものと想定できる。
この場合、推奨レーン決定部15は、進入可能レーンを、走行可能レーンにおけるレーンの配列に応じて、走行可能レーンの個数分のグループに分けた上で、走行可能レーンのうち、対応レーンが属するグループに対応するレーンを、推奨レーンとして決定する。
図9は、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合の、対応レーンと推奨レーンとの関係を示す図である。図9のケースC91は、走行可能レーンが走行可能レーンA1、A2の2つであり、進入可能レーンが進入可能レーンB1〜B4の4つの場合の対応レーンと推奨レーンとの関係を示している。図9に示すように、ケースC91の場合、推奨レーン決定部15は、走行可能レーンA1、A2の個数(2個)、および、走行可能レーンA1,A2の配列に応じて、4つの進入可能レーンB1〜B4を、2個のグループG1、G2にグループ分けする。グループG1、G2は、左から右に向かってグループG1、グループG2の順番で配列されたグループであり、グループG1は走行可能レーンA1に対応し、グループG2は走行可能レーンA2に対応する。ケースC91において、推奨レーン決定部15は、対応レーンがグループG1に属する場合、矢印で示すように、走行可能レーンA1を推奨レーンとして決定する。また、ケースC91において、推奨レーン決定部15は、対応レーンがグループG2に属する場合、矢印で示すように、走行可能レーンA2を推奨レーンとして決定する。
ここで、連結片側道路において、車線数の増加は、通常、道路の外側に車線が増設されることによって行われる。そして、連結片側道路において車線数が増加している場合は、上述したグループ分けに基づいて推奨レーンを決定することにより、走行可能レーンのうち、対応レーンが接続された道路車線か、対応レーンが接続された道路車線に近い道路車線に接続されたレーンを推奨レーンとして決定できる。そして、対応レーンが接続された道路車線か、対応レーンが接続された道路車線に近い道路車線に接続された走行可能レーンを推奨レーンとして決定することにより、道路車線の増加に伴う車線変更の可能性が少ない走行可能レーンを推奨レーンとすることができる。
例えば、図9のケースC91の場合、図10のパターンP1か、パターンP2か、パターンP3のいずれかのパターンで車線が増設されて車線数が増加したものと想定される。上述したように、対応レーンが、進入可能レーンB1の場合は、走行可能レーンA1が推奨レーンとなるが、いずれのパターンにおいても、走行可能レーンA1は、対応レーン(進入可能レーンB1)が接続された道路車線そのものか、対応レーンが接続された道路車線に近い道路車線に接続されている。
図9のケースC92に示すように、走行可能レーンが3つ存在し、進入可能レーンが4つ存在する場合も、推奨レーン決定部15は、ケースC91と同一のルールを適用して対応レーンに基づいて推奨レーンを決定する。具体的には、推奨レーン決定部15は、進入可能レーンを、走行可能レーンの個数、配列に応じて3つのグループG1、G2、G3に分けると共に、走行可能レーンのうち、対応レーンが属するグループに対応するレーンを推奨レーンとして決定する。
図9のケースC93に示すように、走行可能レーンが2つ存在し、進入可能レーンが5つ存在する場合も、推奨レーン決定部15は、ケースC91と同一のルールを適用して対応レーンに基づいて推奨レーンを決定する。なお、ケースC93では、進入可能レーンは、グループG1、G2の2つのグループにグループ分けされ、左から2番目のグループG2に、3つの進入可能レーンが属しているが、各グループにどのような態様で進入可能レーンを属させるかは、任意に設計可能である。例えば、ケースC93´で示すように、左から1番目のグループG1に3つの進入可能レーンが属するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態では、経路案内装置100は、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合、進入可能レーンを、走行可能レーンにおけるレーンの配列に応じて、走行可能レーンの個数分のグループに分けた上で、走行可能レーンのうち、対応レーンが属するグループに対応するレーンを、推奨レーンとして決定する。この構成によれば、直近案内交差点から次案内交差点に至るまでの道路において車線数が増加していると想定できる場合に、当該想定の下、当該道路における車線数の増加に伴う車線変更をできるだけ低減できるレーンを推奨レーンとして決定し、提示できる。
<進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合>
図11は、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合の連結片側道路の一例を示す図である。進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合、連結片側道路における道路車線の状態は、以下の状態であるものと想定できる。すなわち、図11に示すように、連結片側道路において、直近案内交差点から次案内交差点に至るまでのいずれかの箇所で道路車線が減少しているものと想定できる。
この場合、推奨レーン決定部15は、走行可能レーンのうち、左右方向における中央寄りのレーンを、推奨レーンとして決定する。
図12は、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合の、対応レーンと推奨レーンとの関係を示す図である。図12のケースC121は、走行可能レーンが走行可能レーンA1〜A6の6つであり、進入可能レーンが進入可能レーンB1、B2の2つの場合の対応レーンと推奨レーンとの関係を示している。図12に示すように、ケースC121の場合、推奨レーン決定部15は、走行可能レーンA1〜A6のうち、左端および右端の走行可能レーンA1、A6について、推奨レーンの対象としない。さらに、推奨レーン決定部15は、走行可能レーンA2〜A5のうち、左右方向において中央寄りのレーンである走行可能レーンA3、A4を、推奨レーンの対象とする。具体的には、推奨レーン決定部15は、矢印で示すように、進入可能レーンB1が対応レーンの場合は、走行可能レーンA3を推奨レーンとして決定し、進入可能レーンB2が対応レーンの場合は、走行可能レーンA4を推奨レーンとして決定する。
ここで、連結片側道路において、車線数の減少は、通常、連結片側道路において外側の道路車線(左端または右端の道路車線)が削減されることによって行われる。従って、道路車線のうち、中央寄りの道路ほど、削減されない可能性が高く、左端又は右端に近い道路ほど、削減される可能性が高い道路車線であるということが言える。また、削減される車線道路を車両が走行する場合、いずれ車線変更を行う必要が生じる。以上を踏まえ、進入可能レーンのうち、左右方向における中央寄りのレーンを推奨レーンとして決定することにより、削減されない可能性の高い道路車線に接続する走行可能レーンを推奨レーンとして決定することができ、車線数の減少に伴う車線変更をできるだけ低減できる走行可能レーンを推奨レーンとして決定できる。なお、走行可能レーンの中から、左端または右端(両端であってもよい)のレーンを除いたレーンのうち、左右方向における中央寄りのレーンを推奨レーンとして決定する構成でもよい。
図12のケースC122に示すように、走行可能レーンが4つ存在し、進入可能レーンが3つ存在する場合も、推奨レーン決定部15は、ケースC121と同一のルールを適用して対応レーンに基づいて推奨レーンを決定する。なお、ケースC122では、進入可能レーンB2、B3が対応レーンの場合、走行可能レーンA3が推奨レーンとなるが、ケースC122´に示すように、進入可能レーンB2が対応レーンの場合、走行可能レーンA2が推奨レーンとなるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、経路案内装置100は、進入レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合は、走行可能レーンのうち、左右方向における中央寄りのレーンを推奨レーンとして決定する。この構成によれば、直近案内交差点から次案内交差点に至るまでの道路において外側の車線(左端または右端の車線)が削減されていると想定される場合、当該想定の下、車線数の減少に伴う車線変更をできるだけ低減したレーンを推奨レーンとして決定できる。
なお、推奨レーン決定部15が、次案内交差点の対応レーンに基づいて、直近案内交差点の推奨レーンを決定する場合に、以下の方法で、処理を行うようにしてもよい。すなわち、事前に、進入可能レーンの個数と走行可能レーンの個数との関係ごとに、進入可能レーンにおける対応レーンと、走行可能レーンにおいて走行を推奨するレーンとの関係がルール化される。そして、進入可能レーンの個数と走行可能レーンの個数との関係ごとに、ルールを示すルール情報が事前に登録される。そして、推奨レーン決定部15は、直近案内交差点の推奨レーンを決定する場合、レーン数取得部14により取得された進入可能レーンの個数と、走行可能レーンの個数との関係に対応するルール情報を取得する。そして、推奨レーン決定部15は、取得したルール情報が示すルールに従って、走行可能レーンのうち、推奨レーンを決定する。この方法によれば、進入可能レーンの個数と走行可能レーンの個数とにより、ルール情報を用いて推奨レーンを画一的に決定することができるため、推奨レーンを決定する処理を単純化できる。
さて、図1の経路案内部12は、誘導経路の案内中、直近案内交差点と自車位置との距離が所定の閾値に至ったか否かを監視する。当該所定の閾値は、後述する交差点拡大図を表示するトリガとする閾値であり、自車位置と直近案内交差点とが十分に近接するような値である。当該所定の閾値は、例えば、300メートルや、30メートル、それ以下の距離である。当該所定の閾値をユーザが設定できる構成としてもよい。自車位置と対応交差点との距離が当該所定の閾値に至ったことを検出した場合、経路案内部12は、タッチパネル200に交差点拡大図を表示する。
図13は、交差点拡大図IF1の一例を示す図であり、交差点拡大図IF1が表示された状態のタッチパネル200の画面を示している。図13に示すように、交差点拡大図IF1を表示する際、経路案内部12は、タッチパネル200の表示領域を左側の領域と右側の領域に区分し、左側の領域に、交差点拡大図IF1の表示が行われる前に表示されていた地図の一部を表示し、また、右側の領域に交差点拡大図IF1を表示する。交差点拡大図IF1は、直近案内交差点を中心とした直近案内交差点付近の地図が拡大して表示された画面であり、地図上に自車位置が明示されると共に、誘導経路が明示される。図13の交差点拡大図IF1の地図で表される直近交差点は、図5の交差点X1に対応しており、図13では、各道路、各交差点に、図5の対応する各道路、各交差点と同一の符号を付している。
図13に示すように、経路案内部12は、交差点拡大図IF1の直近案内交差点に対応する位置に、レーン案内画像M1を表示する。レーン案内画像M1は、直近案内交差点における全ての交差点レーンについて、各レーンにおいて許可される進行方向を矢印で表した画像が、レーン構成に従って配列された画像である。レーン案内画像M1の表示に際し、経路案内部12は、走行可能レーンを、他の交差点レーンと異なる態様で表示する。図13の例では、交差点レーンL1f〜L1hが走行可能レーンである。経路案内部12は、これら交差点レーンL1f〜L1hの矢印は、黒の背景に白色で塗りつぶした矢印として表示する一方、他の交差点レーンについては、黒の背景に灰色(図13では、斜線で表現している)で塗りつぶした矢印として表示する。
さらに、レーン案内画像M1の表示に際し、経路案内部12は、走行可能レーンのうち、推奨レーン決定部15により推奨レーンとして決定された走行可能レーンについては、他の走行可能レーンと異なる色で表示する。図13の例では、経路案内部12は、推奨レーンではない走行可能レーンの矢印を白色とする一方、推奨レーンである走行可能レーンの矢印を青色(図13では、点模様で表現している)とする。これにより、経路案内部12は、運転手に対して、推奨レーンを提示する。
なお、図13で例示した交差点拡大図IF1の内容は、あくまで一例である。例えば、推奨レーンの提示について、矢印の色を変えるのではなく、推奨レーンに対応する矢印を点滅させたり、推奨レーンに対応する矢印に推奨レーンであることを明示する付加情報を付加する構成でもよい。
以上のように、経路案内部12により表示される交差点拡大図には、走行可能レーンが明示されるだけでなく、走行可能レーンのうち、走行することが推奨される推奨レーンがどのレーンであるのかが提示される。上述のとおり、推奨レーンは、直近案内交差点を経由後に、できるだけ車線変更が行われないようにするという観点で決定されたレーンである。このため、運転手は、交差点拡大図を参照することにより、走行可能レーンのうち、車線変更をできるだけ行わなくて済むレーンを的確に認識することができる。
図14は、本実施形態に係る経路案内装置100の処理の一例を示すフローチャートである。図14のフローチャートは、経路案内部12により誘導経路の案内が行われている状況で、交差点拡大図が表示されるときの経路案内部12、対応レーン特定部13、レーン数取得部14および推奨レーン決定部15の各機能ブロックの処理を示している。
図14に示すように、対応レーン特定部13は、対応レーンを特定する(ステップSA1)。次いで、レーン数取得部14は、走行可能レーンの個数、および、進入可能レーンの個数を取得する(ステップSA2)。ステップSA1の処理とステップSA2の処理の順番は、この順番でなくてもよく、また、これら処理は同時に並行して行われてもよい。次いで、推奨レーン決定部15は、レーン数取得部14により取得された走行可能レーンの個数と、進入可能レーンの個数との関係に基づいて、推奨レーンを決定する(ステップSA3)。次いで、経路案内部12は、推奨レーンを提示した状態で、交差点拡大図を表示する(ステップSA4)。経路案内部12は、車両が、直近案内交差点を通過するまでの間、交差点拡大図の表示を行う。
以上詳しく説明したように、本実施形態に係る経路案内装置100は、誘導経路の案内中、直近の案内交差点の次の案内交差点に進入する道路の道路車線に接続された進入可能レーンのうち、次の案内交差点に進入するときに走行することが推奨される道路車線と接続された対応レーンを特定すると共に、走行可能レーンの個数および進入可能レーンの個数を取得し、走行可能レーンの個数と進入可能レーンの個数とが一致する場合は、走行可能レーンのうち、進入可能レーンにおける対応レーンの左右方向の位置と左右方向における位置が共通するレーンを推奨レーンと決定し、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも多い場合は、進入可能レーンを、走行可能レーンにおけるレーンの配列に応じて、走行可能レーンの個数分のグループに分けた上で、走行可能レーンのうち、対応レーンが属するグループに対応するレーンを推奨レーンと決定し、進入可能レーンの個数の方が、走行可能レーンの個数よりも少ない場合は、走行可能レーンのうち、左右方向における中央寄りのレーンを、推奨レーンと決定する。この構成によれば、上述したように、案内交差点で推奨レーンを提示する際、案内交差点を経由した後に車線変更ができるだけ行われないレーンを推奨レーンとして提示できる。
<変形例>
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、経路案内装置100は、直近案内交差点における走行可能レーンの個数と、次案内交差点における進入可能レーンの個数との関係に基づいて、推奨レーンを決定した。一方で、直近案内交差点と、次案内交差点との間に、非案内交差点がある場合には、経路案内装置100は、上述した実施形態で説明した処理に代えて以下の処理を実行してもよい。なお、非案内交差点とは、誘導経路上の交差点であって、案内交差点でないものをいう。
図15は、誘導経路が通る道路の周辺の地図の一例を示す図である。図15の地図では、直近案内交差点と次案内交差点との間に非案内交差点が存在する。図15では、上へ向かう方向が北、右へ向かう方向が東、下へ向かう方向が南、左へ向かう方向が西である。図15において、符号K15は東西に延びる道路であり、西から東へ向かって、交差点Q1、Q2、Q3、Q4の4つの交差点を有する。図15に示す地図において、誘導経路は、符号KR15で示すように、交差点Q1を右折して道路K15に進入し、そのまま交差点Q2、Q3を直進して交差点Q4に至り、交差点Q4を左折する経路である。また、車両は、交差点Q1の手前に位置しているものとする。この場合、交差点Q1が直近案内交差点であり、交差点Q4が次案内交差点である。また、交差点Q2、Q3が非案内交差点である。また、交差点Q1と交差点Q2との間には道路D1が形成され、交差点Q2と交差点Q3との間には道路D2が形成され、交差点Q3と交差点Q4との間には道路D3が形成されている。説明の便宜のため、道路D1〜D3は、いずれも、東に向かう方向の進行が許可された片側道路であるものとする。
図15に示す状況の場合において、交差点拡大図の表示に際し、レーン数取得部14は、地図データ20aを参照し、交差点Q2については、交差点Q2の退出側の道路である道路D2の車線の個数を取得し、交差点Q3については、交差点Q3の退出側の道路である道路D3の車線の個数を取得する。なお、レーン数取得部14は、非案内交差点について、対応するノードの進入レーンテーブルN4(レーン情報)がある場合は、進入レーンテーブルN4に基づいて対応する道路の車線の個数を取得する。進入レーンテーブルN4がヌル値の場合は、レーン数取得部14は、対応する道路に係るリンクの車線数情報に基づいて、道路の車線の個数を取得する。
推奨レーン決定部15は、次案内交差点から直近案内交差点に向かって遡って、順次、隣接する交差点において進入レーンとして機能するレーンの個数と、走行可能レーンとして機能するレーンの個数との関係に基づいて、走行可能レーンとして機能するレーンのうち、走行することが推奨されるレーンを決定していき、これにより、最終的に、直近交差点における推奨レーンを決定する。また、推奨レーン決定部15は、非案内交差点については、レーン数取得部14により取得された車線の個数(本例では、非案内交差点の退出側の道路の車線の個数)を、当該非案内交差点に関する進入レーンの個数および走行可能レーンの個数と設定する。以下、図15を用いて推奨レーン決定部15の処理について詳述する。
図15に示す状況の場合、推奨レーン決定部15は、非案内交差点である交差点Q3については、レーン数取得部14により取得された道路D3の車線の個数を、進入可能レーンの個数および走行可能レーンの個数として設定する。道路D3の車線の個数は、誘導経路に沿って交差点Q3を経由する場合の交差点Q3のレーン数とみなすことができる。また、推奨レーン決定部15は、非案内交差点である交差点Q2については、レーン数取得部14により取得された道路D2の車線の個数を、進入可能レーンの個数および走行可能レーンの個数として設定する。道路D2の車線の個数は、誘導経路に沿って交差点Q2を経由する場合の交差点Q2のレーン数とみなすことができる。
そして、推奨レーン決定部15は、次案内交差点である交差点Q4における進入可能レーンの個数と、非案内交差点である交差点Q3の走行可能レーンの個数(道路D3の車線の個数)との関係に基づいて、上述した実施形態で説明したルールを適用して、交差点Q3の走行可能レーンのうち、走行することが推奨される走行可能レーン(車線)を決定する。
次いで、推奨レーン決定部15は、交差点Q3の進入可能レーンの個数(道路D3の車線の個数)と、交差点Q2の走行可能レーンの個数(道路D2の車線の個数)との関係に基づいて、上述した実施形態で説明したルールを適用して、交差点Q2の走行可能レーンのうち、走行することが推奨されるレーン(車線)を決定する。なお、推奨レーン決定部15は、交差点Q3の進入可能レーンのうち、上述した処理により走行することが推奨されるレーンとして決定したレーンを、対応レーンに相当するレーンとする。
次いで、推奨レーン決定部15は、交差点Q2の進入可能レーンの個数(道路D2の車線の個数)と、直近案内交差点である交差点Q1の走行可能レーンの個数との関係に基づいて、上述した実施形態で説明したルールを適用して、交差点Q1の走行可能レーンのうち、推奨レーン(車線)を決定する。なお、推奨レーン決定部15は、交差点Q2の進入可能レーンのうち、上述した処理により走行することが推奨されるレーンとして決定したレーンを、対応レーンに相当するレーンとする。
図16(A)は、図15に示す状況の場合において、上述した処理が行われる場合に、交差点Q4における対応レーンと、交差点Q1における推奨レーンとの関係を示す図である。図16(A)において、符号Q1のブロックは、直近案内交差点である交差点Q1の走行可能レーンの個数(本例では3つ)を示し、符号Q4のブロックは、次案内交差点である交差点Q4の進入可能レーンの個数(本例では3つ)を示す。また、符号Q2は、交差点Q2の走行可能レーンおよび進入可能レーンの個数(本例では4つ)を示し、符号Q3は、交差点Q3の走行可能レーンおよび進入可能レーンの個数(本例では4つ)を示す。
図16(A)に示すように、本変形例では、次案内交差点と直近案内交差点との間に非案内交差点がある場合、次案内交差点から直近案内交差点に向かって遡って、順次、隣接する交差点において進入レーンとして機能するレーンの個数と、走行可能レーンとして機能するレーンの個数との関係に基づいて、上述した実施形態で説明したルールが適用されて、走行することが推奨されるレーンが決定されていく。この結果、次案内交差点から直近案内交差点に非案内交差点がある場合に、非案内交差点における車線の状況を反映して、適切に、推奨レーンを決定できる。
ここで、地図データ20aが有する車線数情報は、実世界の個数を、丸めた個数となっている場合がある。例えば、一の道路の実世界の個数が「8個」である場合であっても、当該一の道路に対応するリンクに係る車線数情報が「4個」となっている場合がある。このように、車線数情報の値が、実世界における車線数を丸めた値であっても、本変形例に係る処理を行った場合、車線数情報の値が丸められてない値の場合と同様の結果を得ることができる。
図16(B)は、図16(A)の交差点Q2の走行可能レーン、進入可能レーン(道路D2の車線数)、および、交差点Q3の走行可能レーン、進入可能レーン(道路D3の車線数)が、共に、地図データ20aの車線数情報では4つである一方、実世界では8個であり、車線数情報が共に丸められてない値(8個)であったとした場合の、交差点Q4における対応レーンと、交差点Q1における推奨レーンとの関係を示す図である。
図16(A)と図16(B)との比較で明らかなとおり、変形例による処理を実行した場合、車線数情報が丸められている場合と、丸められていない場合とで、対応レーンが共通するときは、同一の走行可能レーンが推奨レーンとして決定される。
なお、上述した実施形態では、経路案内部12は、タッチパネル200に案内に関する情報を表示し、また、音声を出力することによって各種案内を行った。この点に関し、例示した案内は一例であり、他の方法で案内を行う構成でもよい。例えば、ヘッドアップディスプレイによりフロントガラスに情報が表示されることによって案内が行われる構成でもよく、また例えば、タッチパネル200以外の表示装置に情報が表示されることによって案内が行われる構成でもよい。
また、上述した実施形態では、誘導経路を案内する際にタッチパネル200に表示する画像を図を用いて例示したが、画像の内容はあくまで一例であり、例示した内容に制限されない。
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。