JP2019015544A - 共鳴計算方法、解析装置及び共鳴計算プログラム - Google Patents

共鳴計算方法、解析装置及び共鳴計算プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】幅広い解析条件であっても、計算効率の低下を抑制しつつ、計算精度のよい実効断面積を算出できる共鳴計算方法等を提供する。【解決手段】解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数のエネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップS1と、解析対象領域を、詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、第1共鳴計算ステップS1に比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類し、各サブグループにおいて超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、サブグループ断面積を用いて、解析対象領域の実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップS2と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、燃料集合体等の解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算方法、解析装置及び共鳴計算プログラムに関するものである。
従来、中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算プログラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この共鳴計算プログラムは、核定数計算コード(格子計算コード)に組み込まれており、核定数計算コードには、共鳴計算プログラムの他、輸送計算プログラム、核定数計算プログラム等が含まれている。この核定数計算コードでは、共鳴計算プログラムにおいて、計算効率を高めるべく、等価原理に基づく共鳴計算を行っている。具体的に、核定数計算コードでは、共鳴計算プログラムにおいて、入力された諸元データに基づいて、バックグラウンド断面積を算出し、算出されたバックグラウンド断面積を引数として、断面積ライブラリから実効ミクロ断面積を算出している。また、核定数計算コードでは、輸送計算プログラムにおいて、算出した実効ミクロ断面積を用いて、特性曲線法に基づき、中性子束を多群に亘って計算している。そして、核定数計算コードでは、核定数計算プログラムにおいて、燃料集合体の多群の中性子束を重みとして、燃料集合体の多群の実効マクロ断面積を縮約・均質化し、均質化されたマクロ核定数を算出している。
特開2012−58071号公報
しかしながら、従来の共鳴計算プログラムにおいて、等価原理に基づく共鳴計算では、解析対象領域が、燃料領域と非燃料領域とからなる簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱われる。ここで、解析対象領域となる燃料集合体の燃料セルは、燃料ペレットと、被覆管と、軽水等の減速材とを含んで構成されている。等価原理に基づく共鳴計算では、通常、燃料ペレットの軸断面における円形領域を、単一の燃料塊として、すなわち単一の燃料領域として取り扱われる。一方で、等価原理に基づく共鳴計算では、被覆管及び減速材が均質化されて非燃料領域として取り扱われる。この場合、従来の共鳴計算プログラムでは、減速材が減少または喪失する等の事象、つまり、幅広い解析条件に対して、燃料ペレットの円形領域の径方向における実効断面積の分布を精度よく評価することが困難である。
一方で、共鳴計算では、計算精度を高めるべく、解析対象領域を、詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、中性子のエネルギーを分割の多い詳細な超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、実効断面積を求める超多群計算を行う場合がある。この場合、解析対象領域の実効断面積を精度よく評価することが可能であるが、計算負荷が高く、等価原理に基づく共鳴計算と比べて計算効率が大幅に低下してしまう。
そこで、本発明は、幅広い解析条件であっても、計算効率の低下を抑制しつつ、計算精度のよい実効断面積を算出することができる共鳴計算方法、解析装置及び共鳴計算プログラムを提供することを課題とする。
本発明の共鳴計算方法は、解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算方法において、前記解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数の前記エネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップと、前記解析対象領域を、前記第1共鳴計算ステップに比して詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、前記第1共鳴計算ステップに比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、前記超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類して、前記各サブグループにおいて前記超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、前記サブグループ断面積を用いて、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップと、を備えることを特徴とする。
また、本発明の解析装置は、解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算を実行する演算部を備える解析装置において、前記演算部は、前記解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数の前記エネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップと、前記解析対象領域を、前記第1共鳴計算ステップに比して詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、前記第1共鳴計算ステップに比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、前記超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類して、前記各サブグループにおいて前記超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、前記サブグループ断面積を用いて、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップと、を実行することを特徴とする。
また、本発明の共鳴計算プログラムは、解析装置の演算部に、解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算プログラムにおいて、前記解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数の前記エネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップと、前記解析対象領域を、前記第1共鳴計算ステップに比して詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、前記第1共鳴計算ステップに比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、前記超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類して、前記各サブグループにおいて前記超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、前記サブグループ断面積を用いて、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップと、を備えることを特徴とする。
これらの構成によれば、第1共鳴計算ステップにおいて、簡易な幾何形状となる解析対象領域に対して、中性子のエネルギーを超多群に分割して、超多群データを算出することができる。このため、第1共鳴計算ステップにおいては、解析対象領域を簡易な幾何形状としていることから、計算効率を高くできる。一方で、算出された超多群データは、空間的な精度が不十分であることから、第2共鳴計算ステップにおいて、詳細な幾何形状となる解析対象領域に対して、中性子のエネルギーを第1共鳴計算ステップよりも少ない多群のエネルギー群に分割して、解析対象領域の実効断面積を算出することができる。このため、第2共鳴計算ステップにおいては、中性子のエネルギー群が少ないことから、計算効率を高くでき、また、解析対象領域を詳細な幾何形状としていることから、算出された解析対象領域の実効断面積は、空間的な精度が確保されたものとすることができる。以上から、幅広い解析条件であっても、計算効率の低下を抑制しつつ、計算精度のよい実効断面積を算出することができる。
また、前記第1共鳴計算ステップにおいて、簡易な幾何形状となる前記解析対象領域は、燃料領域と非燃料領域とからなる領域となっており、前記解析対象領域における中性子の脱出確率は、有理式係数を含む多項有理式で与えられ、前記第1共鳴計算ステップは、前記解析対象領域における中性子の脱出確率を表現する前記多項有理式となるように、前記有理式係数を算出する係数算出ステップと、前記係数算出ステップで算出した前記有理式係数を用いて、超多群減速計算を行い、前記超多群データを算出する超多群データ算出ステップと、を有することが好ましい。
この構成によれば、解析対象領域における中性子の脱出確率を考慮することができるため、超多群データを精度よく算出することができる。なお、解析対象領域は、燃料セルを有する燃料集合体であり、燃料セルは、燃料ペレットと、被覆管と、減速材とを含んでいる。このとき、燃料ペレットは、燃料領域として設定され、被覆管及び減速材は、均質化されて、非燃料領域として設定される。これにより、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うことができる。
また、前記第2共鳴計算ステップにおいて、詳細な幾何形状となる前記解析対象領域は、燃料体系を模擬した領域となっており、前記超多群データは、超多群となる中性子の各エネルギー群に対応する前記超多群断面積を含み、前記第2共鳴計算ステップは、前記多群のエネルギー群の各群を、前記超多群データを用いて、前記超多群断面積の範囲に基づいて、前記中性子のエネルギーの範囲に分割したサブグループに分類し、前記サブグループに対応する前記中性子のエネルギーの範囲で、前記超多群断面積を縮約することでサブグループ断面積を生成して、サブグループ断面積を含む断面積データを作成する断面積データ作成ステップと、前記断面積データを用いて、前記解析対象領域における前記サブグループに対応する中性子束を算出する中性子束算出ステップと、算出した前記サブグループに対応する中性子束を重みとして、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する実効断面積算出ステップと、を有することが、好ましい。
この構成によれば、超多群データを用いて、サブグループの断面積データを作成し、サブグループに対応する中性子束を重みとして、各群のサブグループ断面積を縮約することで、解析対象領域の実効断面積を精度よく算出することができる。なお、解析対象領域は、燃料セルを有する燃料集合体であり、燃料セルは、燃料ペレットと、被覆管と、減速材とを含んでいる。このとき、解析対象領域では、燃料ペレット、被覆管及び減速材を、それぞれの領域として設定できる。これにより、詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うことができる。
また、前記サブグループの前記超多群断面積の範囲に対応する前記中性子のエネルギーの範囲は、それぞれ異なっていることが、好ましい。
この構成によれば、多群のエネルギー群の各群を、複数のサブグループに分ける際に、中性子のエネルギーの範囲を考慮せず、超多群断面積の範囲を考慮して、複数のサブグループに分けることができる。
また、前記サブグループの分類に関する設定は、ログスケールで表された前記超多群断面積を指標として、前記超多群断面積の範囲に対応する前記中性子のエネルギーの範囲となるように分類して設定されることが、好ましい。
この構成によれば、超多群断面積の範囲に基づいて、中性子のエネルギーの範囲を設定することができる。このため、一例として、ログスケールで表された超多群断面積の範囲が等間隔となるように設定することで、中性子のエネルギーの範囲を、計算精度の向上を図ることができる適切な範囲として設定することができる。
図1は、本実施形態に係る解析装置を模式的に表した概略構成図である。 図2は、本実施形態に係る解析装置の解析対象となる炉心を模式的に表した説明図である。 図3は、解析対象領域となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。 図4は、解析装置に記憶された格子計算コードに関する説明図である。 図5は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域を表した説明図である。 図6は、中性子パスが引かれた解析対象領域を表した説明図である。 図7は、共鳴計算に関する説明図である。 図8は、中性子エネルギーに応じて変化する断面積のグラフを用いた、サブグループの設定に関する説明図である。 図9は、第1共鳴計算ステップのフローチャートである。 図10は、第2共鳴計算ステップのフローチャートである。 図11は、共鳴計算手法に対応する中性子束計算回数に関する説明図である。 図12は、共鳴計算手法に対応する計算精度を示すグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態]
本実施例に係る共鳴計算プログラムは、炉心内の燃料集合体を評価する炉心解析プログラムに組み込まれている。炉心解析プログラムは、解析装置に記憶されており、解析装置において炉心解析プログラムが実行されることで、炉心内の中性子束を計算し、炉心内の核反応を媒介する中性子の分布や挙動を予測し、炉心内の核特性を評価する。そして、この炉心解析プログラムによって得られた解析結果に基づいて、炉心設計が行われる。なお、炉心設計とは、安全性、燃焼効率性や燃料配置等を考慮して、炉心に装荷されている燃料を交換するために行われるものである。先ず、図1を参照し、解析装置について説明する。
図1は、解析装置を模式的に表した概略構成図である。図1に示すように、解析装置40は、各種プログラムを実行して演算可能な演算部41と、各種プログラムおよびデータを記憶する記憶部42と、キーボード等の入力デバイスで構成された入力部43と、モニタ等の出力デバイスで構成された出力部44とを有している。なお、解析装置40は、単体の装置で構成してもよいし、演算装置及びデータサーバ等を組み合わせた複数の装置で構成してもよく、特に限定されない。
記憶部42には、各種プログラムとして、炉心解析プログラムPが記憶され、また、データとして、断面積をまとめた断面積ライブラリD1と、複数のセット数となる核定数をまとめた核定数データD2と、が記憶されている。また、炉心解析プログラムPには、核定数を算出するための格子計算コードC1と、核定数に基づいて炉心内の核特性を解析する炉心計算コードC2とが含まれている。
ここで、図2及び図3を参照して、炉心解析プログラムPの解析対象となる炉心5について説明する。図2は、本実施形態に係る解析装置の解析対象となる炉心を模式的に表した説明図であり、図3は、解析対象領域となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。図2に示すように、原子炉には、炉心設計の対象となる炉心5が格納されている。この炉心5は、複数の燃料集合体6で構成される。なお、燃料の交換は、燃料集合体6単位で行われる。
図3に示すように、各燃料集合体6は、複数の燃料ペレット10と各燃料ペレット10を覆う複数の被覆管11とからなる燃料棒9と、複数の被覆管11を束ねる図示しないグリッドと、で構成され、燃料集合体6の内部は減速材(冷却材)13で満たされると共に、複数の制御棒14および炉内核計装15が挿入可能となるように構成されている。燃料棒9は、円柱形状となる複数の燃料ペレット10を軸方向に並べて配設し、その外側が被覆管11によって覆われている。
燃料集合体6は、断面方形状に形成され、例えば、17×17のセル20で構成されている。そして、17×17のセル20のうち、24個のセル20には、それぞれ制御棒14が挿入され、集合体中心のセル20には、炉内核計装15が挿入される。このとき、制御棒14が挿入されるセル20を制御棒案内管、炉内核計装15が挿入されるセル20を計装案内管という。また、その他のセル20には、燃料棒9がそれぞれ挿入される。なお、燃料集合体6が沸騰水型軽水炉(BWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側がチャンネルボックスに覆われる。一方で、燃料集合体6が加圧水型軽水炉(PWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側が開放されている。そして、BWRの場合にはチャンネルボックスの外側に、PWRの場合には燃料集合体6の外側に、集合体間ギャップ12が存在する。
次に、炉心解析プログラムPの格子計算コードC1及び炉心計算コードC2について説明する。
格子計算コードC1は、燃料集合体6を軸方向に直交する面で切った断面となる四角形の幾何形状を二次元の解析対象領域30(図3参照)としており、この解析対象領域30における核定数を算出可能なコードとなっている。なお、核定数は、炉心計算コードC2に用いられる入力データとなっており、核定数としては、拡散係数、吸収断面積、除去断面積および生成断面積などがある。つまり、格子計算コードC1を用いて核定数計算を行うことにより、炉心計算用の入力データである核定数を生成している。
炉心計算コードC2は、燃料集合体6を軸方向に複数に分割して直方体形状の小体積となる燃料ノード(図示省略)に、算出された核定数をそれぞれ設定して炉心計算を行っている。複数の燃料ノードは、炉心を表現しており、炉心計算コードC2は、炉心計算を行うことにより、臨界ホウ素濃度、出力分布、反応度係数等の炉心内の核特性を評価可能なコードとなっている。
この解析装置40は、入力部43から入力された入力パラメータに基づいて、記憶部42に記憶された炉心解析プログラムPを、演算部41において実行させる。すると、解析装置40は、格子計算コードC1を用いて、燃料集合体6の解析対象領域30における核定数を算出し、炉心計算コードC2を用いて、算出された核定数を各燃料ノードに設定して炉心計算を行うことにより、炉心5の核特性を評価する。そして、解析装置40は、炉心解析プログラムPによる解析結果を出力部44に出力する。
次に、図4を参照して、格子計算コードC1について具体的に説明する。図4は、解析装置に記憶された格子計算コードに関する説明図である。本実施形態の格子計算コードC1は、燃料集合体6内の中性子束を計算したり、燃焼計算を行ったり、核定数計算を行ったりしている。
格子計算コードC1は、共鳴計算プログラム51と、輸送計算プログラム52と、燃焼計算プログラム53と、核定数計算プログラム54とを含んで構成される。そして、この格子計算コードC1は、解析装置40に入力される燃料集合体6に関する諸元データや、解析装置40の記憶部42に記憶された断面積ライブラリD1から取得される断面積に基づいて、各種計算を行っている。なお、諸元データとしては、例えば、燃料棒の半径、集合体間ギャップ、燃料組成、燃料温度や減速材温度等である。
図5は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域を表した説明図である。図5に示すように、格子計算コードC1の解析対象となる解析対象領域30は、任意の体系であり、各セル20に対応する複数のセル領域31a,31bによって構成されている。セル領域31a,31bとしては、例えば、燃料棒10が挿入されたセル領域31aと、制御棒14が挿入されたセル領域31bとがある。セル領域31a,31bは、複数の詳細領域iに分割されている。この複数の詳細領域iの一部は、共鳴現象が発生する共鳴領域となっている。
共鳴計算プログラム51は、共鳴現象を考慮した各詳細領域iの実効断面積を求めるために実行される。ここで、共鳴現象とは、中性子のエネルギーが所定のエネルギーになると断面積が飛躍的に増加する現象である。この共鳴計算プログラム51では、2段階による共鳴計算が行われることで、各詳細領域iの実効断面積を求めている。具体的に、第1段階目の共鳴計算では、中性子のエネルギーを、約10万群となる超多群(超詳細)なエネルギー群に分けると共に、解析対象領域30を簡易な幾何形状として取り扱って、固定中性子源計算を行うことにより、超多群の中性子束を含む超多群データが求められる。第2段階目の共鳴計算では、求められた超多群データを用いて、超多群となる中性子のエネルギー群を、超多群よりも少ない複数(例えば、多群の各群に対し、1群あたり3〜10)のサブグループに分けると共に、解析対象領域30を詳細な幾何形状として取り扱って、単色固定源計算を行うことにより、サブグループのエネルギー群に対応する中性子束を算出する。そして、第2段階目の共鳴計算では、算出したサブグループのエネルギー群に対応する中性子束を重みとして、サブグループ断面積を縮約することで、例えば、解析対象領域30における各詳細領域iの実効断面積を算出する。そして、算出された実効断面積は、断面積ライブラリD1に保存される。
輸送計算プログラム52は、算出した実効断面積を用いて、特性曲線法に基づき燃料集合体6内の各詳細領域の中性子束を多群に亘って計算している。ここで、図6は、中性子パスが引かれた解析対象領域を表した説明図である。図6に示すように、輸送計算プログラム52は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域30上に複数の中性子飛行パスsを作成する。そして、作成された中性子飛行パスs毎に、中性子輸送方程式を解いて、各詳細領域の中性子束を算出する。
燃焼計算プログラム53は、炉心5内の核種の生成と消滅とを追跡する燃焼計算を実行している。燃焼計算プログラム53は、燃焼方程式を解くことにより、各核種の原子数密度の時間変化を評価し、各燃焼度点における多群中性子輸送計算の入力条件を与える。これにより、燃料計算プログラム53は、所定のサンプリング周期毎に燃焼計算と輸送計算とを交互に行うことで、燃焼状態(燃焼の時間変化)を追跡する。
核定数計算プログラム54は、輸送計算プログラム52によって得られる燃料集合体6内の多群の中性子束を重みとして、燃料集合体6内の多群の実効断面積を縮約・均質化し、均質化された核定数を算出する。
続いて、図7から図10を参照し、本実施形態に係る共鳴計算プログラム51について詳細に説明する。図7は、共鳴計算に関する説明図である。図8は、中性子エネルギーに応じて変化する断面積のグラフを用いた、サブグループの設定に関する説明図である。図9は、第1共鳴計算ステップのフローチャートである。図10は、第2共鳴計算ステップのフローチャートである。この共鳴計算プログラム51では、図7及び図9に示す第1共鳴計算ステップS1と、図7及び図10に示す第2共鳴計算ステップS2とが実行される。
第1共鳴計算ステップS1では、等価原理と超多群減速計算とを組み合わせた共鳴計算を実行している。ここで、図7に示すように、第1共鳴計算ステップS1では、解析対象領域30を簡易な幾何形状となる領域として取り扱っており、具体的に、燃料領域fと非燃料領域nfとからなる2領域として取り扱っている。解析対象領域30は、燃料棒10が挿入されるセル(燃料セル)20であり、燃料セル20は、上記したように、燃料ペレット10と、被覆管11と、減速材13とを含んでいる。このとき、燃料ペレット10は、燃料ペレット10の軸断面となる円形の燃料領域fとして設定され、被覆管11及び減速材13は、均質化されて、非燃料領域nfとして設定される。なお、本実施形態では、第1共鳴計算ステップS1において、円形となる燃料領域fの径方向における実効断面積の分布を評価するために、円形の燃料領域fを径方向に沿って所定の間隔毎に分割することで、複数の円環領域iに分割している。各円環領域iは、周方向に環状となっており、複数の円環領域iは、同心円状に配置されている。一方で、燃料領域fの径方向における実効断面積の分布の評価が不要である場合には、燃料領域fを、単一の領域として取り扱ってもよく、解析対象領域30を燃料領域fと非燃料領域nfとからなる2領域として取り扱う限り、特に限定されない。
次に、第1共鳴計算ステップS1において用いられる計算式について説明する。燃料領域fにおける中性子束は、下記の(1)式によって表される。
Figure 2019015544
また、燃料領域fにおける中性子の減速に関する断面積(slowing-down cross-section)は、下記の(2)式によって表される。
Figure 2019015544
そして、非燃料領域nfにおける自己遮蔽効果を考慮する因子は、下記の(3)式によって表される。
Figure 2019015544
これら3つの式を用いて、超多群減速計算を行うことで、燃料領域f及び非燃料領域nfの2領域系での超多群の中性子束が算出される。
なお、第1共鳴計算ステップS1では、計算負荷を軽減すべく、径方向に空間依存する超多群の中性子束を計算することで、簡易的な計算としている。また、後述する第2共鳴計算ステップS2において、空間的な精度を担保できることから、第1共鳴計算ステップS1においては、簡易的な計算とすることができる。
また、第1共鳴計算ステップS1では、燃料領域fのマクロ断面積及び散乱中性子源が、空間的に平坦であると仮定し、中性子の脱出確率を多項有理式で表せるものとしている。つまり、中性子の脱出確率(Pi→nf(E))は、円環領域iが全ての中性子を吸収する黒体から、円環領域iが中性子を全く吸収しない白体までの間のグレーな範囲を表わす、第1の有理式係数αおよび第2の有理式係数βを含む多項有理式である下記の(4)式によって表される。なお、(4)式において定義されているli,mは、円環領域iの第m項に対する平均弦長を表す。
Figure 2019015544
そして、第1共鳴計算ステップS1では、多領域系における円環領域iに対する中性子輸送方程式を起点として下記の通り導出された多項有理式に基づき、超多群の中性子束を求めている。ここで、中性子輸送方程式は、積分型輸送方程式となっており、また、燃料領域fと非燃料領域nfとの成分に分離すると、下記の(5)式によって表される。
Figure 2019015544
ここで、下記の(6)式によって表される相反定理を適用する。
Figure 2019015544
すると、(5)式の右辺の第1項及び第2項は、下記する(7)式及び(8)式となる。
Figure 2019015544
Figure 2019015544
ここで、上記したように、燃料領域fのマクロ断面積及び散乱中性子源が、空間的に平坦であると仮定すると、(7)式は、下記する(9)式のように近似できる。
Figure 2019015544
また、(8)式を、(3)式を用いて整理すると、(8)式は、下記する(10)式となる。
Figure 2019015544
そして、(9)式及び(10)式を、(5)式に代入して整理すると、下記する(11)式が得られる。
Figure 2019015544
最後に、(4)式を、(11)式に代入して整理すると、下記する(12)式が得られる。このように、燃料領域fの円環領域iに対する超多群の中性子束は、(12)式により算出することができる。つまり、(12)式により算出された超多群の中性子束が、超多群データとして取り扱われる。
Figure 2019015544
次に、第2共鳴計算ステップS2について説明する。第2共鳴計算ステップS2では、サブグループ法を取り入れた共鳴計算を実行している。ここで、図7に示すように、第2共鳴計算ステップS2では、解析対象領域30を詳細な幾何形状となる領域として取り扱っており、具体的に、燃料セル20の体系を模擬した領域となっている。つまり、解析対象領域30は、燃料ペレット10の領域、被覆管11の領域、減速材13の領域として、それぞれ設定されている。なお、本実施形態では、第1共鳴計算ステップS1と同様に、第2共鳴計算ステップS2において、円形となる燃料ペレット10の径方向における実効断面積の分布を評価するために、円形の燃料ペレット10を径方向に沿って所定の間隔毎に分割することで、複数の円環領域iに分割している。一方で、燃料ペレット10の径方向における実効断面積の分布の評価が不要である場合には、燃料ペレット10を、単一の領域として取り扱ってもよく、特に限定されない。また、燃料ペレット10、被覆管11及び減速材13を、周方向に沿って所定の間隔毎に分割して、それぞれの領域を設定してもよい。このとき、周方向への空間的な依存性を考慮する場合には、2次元の燃料体系とする単色の特性曲線法(MOC:Method of Characteristics)を用いた、中性子の固定源計算を実行すればよい。
次に、第2共鳴計算ステップS2において用いられる計算式について説明する。第2共鳴計算ステップS2では、第1共鳴計算ステップS1に比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、例えば、172群となる多群構造となっている。第2共鳴計算ステップS2では、172群の各群において、超多群断面積を用いて、複数のサブグループに分けている。
ここで、図8に示すグラフは、その縦軸がマクロ断面積となっており、ログスケールで表されている。また、図8に示すグラフは、その横軸が中性子のエネルギーとなっており、多群構造(例えば、172群)のうち、ある1つの群のエネルギー範囲を示している。図8に示すように、サブグループは、燃料領域fのマクロ断面積の範囲に基づいて、中性子のエネルギーの範囲に分割されている。具体的に、ログスケールで表されたマクロ断面積の上限値と下限値との間を、サブグループの分割数に応じて等間隔に分割し、分割したマクロ断面積の範囲に対応させて、中性子のエネルギーの範囲を分割している。このように、サブグループの分類に関する設定は、ログスケールで表された断面積を指標として分類されることで、中性子のエネルギーの範囲が設定される。また、図8に示すように、サブグループの断面積の範囲に対応する中性子のエネルギーの範囲は、それぞれ異なる範囲(不連続な範囲)に複数設定される場合がある。
上記のように分割された各サブグループに対するミクロ断面積(サブグループ断面積)は、下記する(13)式によって算出される。
Figure 2019015544
また、上記のように分割された各サブグループに対する中性子源は、下記する(14)式によって算出される。
Figure 2019015544
そして、第2共鳴計算ステップS2では、各サブグループに対するミクロ断面積及び中性子源を入力値として、各サブグループについて、独立に単色固定源計算を実行し、各円環領域iの中性子束(サブグループ中性子束)を算出する。
この後、各サブグループに対するミクロ断面積を、各円環領域iの中性子束を重みとして縮約し、下記する(15)式によって、円環領域iの実効断面積を算出する。
Figure 2019015544
次に、図9及び図10を参照し、上記の計算式を用いて、共鳴計算プログラム51により実効断面積を算出する解析装置40の一連のフローについて説明する。図9に示す第1共鳴計算ステップS1では、係数算出ステップS11と、超多群データ算出ステップS12と、が実行されることで、超多群データを算出している。
係数算出ステップS11では、解析対象領域30における中性子の脱出確率を近似した多項有理式となるように、有理式係数を算出している。つまり、係数算出ステップS11では、中性子の脱出確率を、(4)式に示す多項有理式で表しており、中性子の脱出確率を表現する、第1の有理式係数及び第2の有理式係数を算出する。
超多群データ算出ステップS12では、算出した有理式係数を用いて、超多群減速計算を行い、超多群データを算出している。つまり、超多群データ算出ステップS12では、(12)式を用いて、超多群の中性子束を算出する。
図10に示す第2共鳴計算ステップS2では、断面積データ作成ステップS21と、中性子束算出ステップS22と、実効断面積算出ステップS23と、が実行されることで、解析対象領域における実効断面積を算出している。
断面積データ作成ステップS21では、図8に示すように、多群(例えば、172群)のエネルギー群の各群を、超多群データを用いて、超多群断面積の範囲に基づいて、中性子のエネルギーの範囲に分割したサブグループに分類する。そして、断面積データ作成ステップS21では、サブグループに対応する中性子のエネルギーの範囲で、超多群断面積を縮約することでサブグループ断面積を生成して、サブグループ断面積を含む断面積データを作成する。つまり、断面積データ作成ステップS21では、超多群データを入力値として、(13)式を用いて、サブグループに属する超多群断面積を縮約することでサブグループ断面積を生成する。また、断面積データ作成ステップS21では、(14)式を用いて、サブグループにおける中性子源を算出する。
中性子束算出ステップS22では、(13)式及び(14)式で算出された各サブグループに対するミクロ断面積及び中性子源を含む断面積データを入力値として、各サブグループについて、独立に単色固定源計算を実行し、各円環領域iの中性子束(サブグループ中性子束)を算出する。
実効断面積算出ステップS23では、(15)式を用いて、各サブグループに対するミクロ断面積を、サブグループに対応する中性子束を重みとして縮約することで、解析対象領域30の実効断面積を算出する。
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態の共鳴計算による計算速度及び計算精度について説明する。図11は、共鳴計算手法に対応する中性子束計算回数に関する説明図である。図12は、共鳴計算手法に対応する計算精度を示すグラフである。
図11に示すように、共鳴計算手法として、等価原理に基づく共鳴計算と、超多群減速計算と、本願手法の共鳴計算とに関し、単色固定源計算による中性子束計算回数をそれぞれ比較した。この結果、計算回数は、等価原理に基づく共鳴計算の計算回数が、1−20回程度、超多群減速計算の計算回数が、10,000−200,000回程度、本願手法の共鳴計算の計算回数が、500−1,000回程度となった。このため、本願手法の共鳴計算の計算回数が、超多群減速計算に比して計算負荷が低減されていることが示された。
また、図12に示すように、共鳴計算手法として、等価原理に基づく共鳴計算と、超多群減速計算と、第1共鳴計算のみを実行した本願手法の共鳴計算と、第1及び第2共鳴計算を実行した本願手法の共鳴計算とに関し、真値に対する誤差をそれぞれ比較した。図12に示すグラフは、その縦軸が、真値に対する誤差であり、その横軸が、燃料領域fの径方向における相対的な距離となっている。図12に示す結果において、超多群減速計算と、第1及び第2共鳴計算を実行した本願手法の共鳴計算とは、真値に対する誤差が小さく、等価原理に基づく共鳴計算と、第1共鳴計算のみを実行した本願手法の共鳴計算とは、真値に対する誤差が大きいものとなることが示された。
図11及び図12に示す結果から、本実施形態の共鳴計算は、計算負荷が、超多群減速計算よりも小さい計算負荷であり、また、計算精度が、超多群減速計算とほぼ同様の計算精度であることが確認された。
以上のように、本実施形態の共鳴計算プログラム51は、第1共鳴計算ステップS1において、簡易な幾何形状となる解析対象領域30に対して、中性子のエネルギーを超多群に分割して、超多群データを算出することができる。このため、第1共鳴計算ステップS1においては、解析対象領域30を簡易な幾何形状としていることから、計算効率を高くできる。一方で、算出された超多群データは、空間的な精度が不十分であることから、第2共鳴計算ステップS2において、詳細な幾何形状となる解析対象領域30に対して、中性子のエネルギーを第1共鳴計算ステップS1よりも少ない多群のエネルギー群に分割して、解析対象領域30の実効断面積を算出することができる。このため、第2共鳴計算ステップS2においては、中性子のエネルギー群が少ないことから、計算効率を高くでき、また、解析対象領域30を詳細な幾何形状としていることから、算出された解析対象領域30の実効断面積は、空間的な精度が確保されたものとすることができる。以上から、幅広い解析条件であっても、計算効率の低下を抑制しつつ、計算精度のよい実効断面積を算出することができる。
また、第1共鳴計算ステップS1において、係数算出ステップS11と超多群データ算出ステップS12とを実行することにより、解析対象領域30における中性子の脱出確率を考慮することができるため、超多群データを精度よく算出することができる。
また、第2共鳴計算ステップS2において、断面積データ作成ステップS21と中性子束算出ステップS22と実効断面積算出ステップS23とを実行することにより、サブグループに対応する中性子束を重みとして、各群のサブグループに対応する断面積を縮約できるため、解析対象領域30の実効断面積を精度よく算出することができる。
また、サブグループの分類に関する設定は、ログスケールで表された断面積を指標として、断面積の範囲に対応する中性子のエネルギーの範囲となるように分類して設定できる。このため、サブグループの断面積の範囲に対応する中性子のエネルギーの範囲は、それぞれ異なる場合(不連続な場合)がある。これにより、中性子のエネルギーの連続的な範囲を考慮せず、断面積の範囲を考慮して、複数のサブグループに分けることができ、また、中性子のエネルギーの範囲を、計算精度の向上を図ることができる適切な範囲として設定することができる。
5 炉心
6 燃料集合体
9 燃料棒
10 燃料ペレット
11 被覆管
12 集合体間ギャップ
13 減速材
14 制御棒
15 炉内核計装
20 セル
30 解析対象領域
31a,31b セル領域
40 解析装置
41 演算部
42 記憶部
43 入力部
44 出力部
51 共鳴計算プログラム
52 輸送計算プログラム
53 燃焼計算プログラム
54 核定数計算プログラム
P 炉心解析プログラム
D1 断面積ライブラリ
D2 核定数データ
C1 格子計算コード
s 中性子飛行パス
i 円環領域
f 燃料領域
nf 非燃料領域

Claims (7)

  1. 解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算方法において、
    前記解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数の前記エネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップと、
    前記解析対象領域を、前記第1共鳴計算ステップに比して詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、前記第1共鳴計算ステップに比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、前記超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類して、前記各サブグループにおいて前記超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、前記サブグループ断面積を用いて、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップと、を備えることを特徴とする共鳴計算方法。
  2. 前記第1共鳴計算ステップにおいて、簡易な幾何形状となる前記解析対象領域は、燃料領域と非燃料領域とからなる領域となっており、
    前記解析対象領域における中性子の脱出確率は、有理式係数を含む多項有理式で与えられ、
    前記第1共鳴計算ステップは、
    前記解析対象領域における中性子の脱出確率を表現する前記多項有理式となるように、前記有理式係数を算出する係数算出ステップと、
    前記係数算出ステップで算出した前記有理式係数を用いて、超多群減速計算を行い、前記超多群データを算出する超多群データ算出ステップと、を有することを特徴とする請求項1に記載の共鳴計算方法。
  3. 前記第2共鳴計算ステップにおいて、詳細な幾何形状となる前記解析対象領域は、燃料体系を模擬した領域となっており、
    前記超多群データは、超多群となる中性子の各エネルギー群に対応する前記超多群断面積を含み、
    前記第2共鳴計算ステップは、
    前記多群のエネルギー群の各群を、前記超多群データを用いて、前記超多群断面積の範囲に基づいて、前記中性子のエネルギーの範囲に分割したサブグループに分類し、前記サブグループに対応する前記中性子のエネルギーの範囲で、前記超多群断面積を縮約することでサブグループ断面積を生成して、サブグループ断面積を含む断面積データを作成する断面積データ作成ステップと、
    前記断面積データを用いて、前記解析対象領域における前記サブグループに対応する中性子束を算出する中性子束算出ステップと、
    算出した前記サブグループに対応する中性子束を重みとして、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する実効断面積算出ステップと、を有することを特徴とする請求項1または2に記載の共鳴計算方法。
  4. 前記サブグループの前記超多群断面積の範囲に対応する前記中性子のエネルギーの範囲は、それぞれ異なっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の共鳴計算方法。
  5. 前記サブグループの分類に関する設定は、ログスケールで表された前記超多群断面積を指標として、前記超多群断面積の範囲に対応する前記中性子のエネルギーの範囲となるように分類して設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の共鳴計算方法。
  6. 解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算を実行する演算部を備える解析装置において、
    前記演算部は、
    前記解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数の前記エネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップと、
    前記解析対象領域を、前記第1共鳴計算ステップに比して詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、前記第1共鳴計算ステップに比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、前記超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類して、前記各サブグループにおいて前記超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、前記サブグループ断面積を用いて、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップと、を実行することを特徴とする解析装置。
  7. 解析装置の演算部に、解析対象領域における中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積を求める共鳴計算プログラムにおいて、
    前記解析対象領域を、簡易な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、複数の前記エネルギー群を、分割の多い密となる超多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱って、超多群の中性子束を含む超多群データを算出する第1共鳴計算ステップと、
    前記解析対象領域を、前記第1共鳴計算ステップに比して詳細な幾何形状となる計算体系として取り扱うと共に、前記第1共鳴計算ステップに比して分割の少ない粗となる多群のエネルギー群となる計算体系として取り扱っており、前記超多群データを用いて、各群を複数のサブグループに分類して、前記各サブグループにおいて前記超多群データに含まれる超多群断面積を縮約することで、サブグループ断面積を生成し、前記サブグループ断面積を用いて、前記解析対象領域の前記実効断面積を算出する第2共鳴計算ステップと、を備えることを特徴とする共鳴計算プログラム。
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