JP5777444B2 - 共鳴計算プログラムおよび解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、等価原理に基づく共鳴計算により、バックグラウンド断面積から実効断面積を算出する共鳴計算プログラムおよび解析装置に関するものである。
従来、共鳴計算プログラムとして、バックグラウンド断面積を計算するステップと、バックグラウンド断面積を引数として共鳴積分テーブルから共鳴積分を取得し、取得した共鳴積分を内挿するステップと、内挿した共鳴積分に基づいて実効断面積(実効群定数)を計算するステップとを備えた断面積計算プログラムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−227174号公報
上記したように、従来の断面積計算プログラムのような等価原理に基づく共鳴計算では、バックグラウンド断面積と実効断面積とが対応付けられた多群断面積テーブル(断面積ライブラリ)およびバックグラウンド断面積と共鳴積分とが対応付けられた共鳴積分テーブルが用いられている。このため、実効断面積または共鳴積分を内挿する場合、バックグラウンド断面積を引数として、各種テーブルから得られる実効断面積または共鳴積分の離散した点を補間することにより、内挿された実効断面積または共鳴積分を得ることになる。
ここで、等価原理に基づく共鳴計算では、内挿される実効断面積の精度を向上させるために、バックグラウンド断面積の内挿範囲を広範囲に亘って設定する場合がある。この場合、内挿範囲が広範囲なものとなり、離散した点を多く取ることが好ましいため、断面積ライブラリの情報量が大きくなると共に、内挿に係る計算時間も増大する虞がある。
そこで、本発明は、等価原理に基づく共鳴計算において、バックグラウンド断面積が広範囲に亘る場合であっても、算出される物理量の精度を維持しつつ、計算時間の増大を抑制することができる共鳴計算プログラムおよび解析装置を提供することを課題とする。
本発明の共鳴計算プログラムは、等価原理に基づく共鳴計算により、共鳴領域における実効断面積を算出する、ハードウェア上において実行可能な共鳴計算プログラムであって、入力された諸元データに基づいて、バックグラウンド断面積を算出するバックグラウンド断面積算出ステップと、算出されたバックグラウンド断面積を、実効断面積の算出に必要な物理量を算出する計算式に代入して、物理量を算出する物理量算出ステップと、を有し、計算式は、バックグラウンド断面積に対応する物理量を表現する多項双曲線正接関数であることを特徴とする。
この構成によれば、計算式が多項の双曲線正接関数であることから、バックグラウンド断面積に対応する物理量を精度よく表現することができる。このため、バックグラウンド断面積が広範囲となる場合であっても、多項双曲線正接関数にバックグラウンド断面積を代入すれば、精度のよい物理量を容易に算出することができ、計算時間の増大を抑制することができる。なお、物理量としては、実効断面積、共鳴積分または自己遮蔽因子等がある。
この場合、多項双曲線正接関数は、下記する計算式(1)で与えられる
Figure 0005777444
ことが、好ましい。
この構成によれば、計算式(1)を用いて、バックグラウンド断面積から物理量を算出することができる。なお、係数a、係数bおよび係数cは、各核種、温度、反応、エネルギー群等に応じて、複数種用意されている。また、多項双曲線正接関数の項数は、多ければ多いほど、予め厳密に計算された真値との誤差を低減することができる。
この場合、バックグラウンド断面積算出ステップにおいて、ウラン238に関するバックグラウンド断面積が算出される場合、物理量算出ステップにおいて、5項の項数からなる多項双曲線正接関数を用いることが、好ましい。
この構成によれば、ウラン238に最適な項数となる多項双曲線正接関数を用いることができるため、精度のよい物理量を効率よく算出することができる。
本発明の解析装置は、上記の共鳴計算プログラムを実行可能であることを特徴とする。
この構成によれば、共鳴計算プログラムを用いることで、算出される物理量の精度を維持しつつ、計算時間の増大を抑制することができる。
本発明の共鳴計算プログラムおよび解析装置によれば、バックグラウンド断面積が広範囲に亘る場合であっても、多項双曲線正接関数にバックグラウンド断面積を代入するだけで、実効断面積の算出に必要な物理量を、計算時間の増大なく、精度よく算出することが可能となる。
図1は、本実施例に係る共鳴計算プログラムを実行可能な解析装置の解析対象となる炉心を模式的に表した構造図である。 図2は、解析対象領域となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。 図3は、解析装置を概略的に表した説明図である。 図4は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域を表した説明図である。 図5は、中性子パスが引かれた解析対象領域を表した説明図である。 図6は、バックグラウンド断面積に対応する実効断面積を表したグラフである。 図7は、共鳴計算プログラムにより実効ミクロ断面積を算出するフローチャートである。 図8は、多項双曲線正接関数を用いて算出した実効断面積と真値との誤差を表したグラフである。
以下、添付した図面を参照して、本発明に係る共鳴計算プログラムおよび解析装置について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
本実施例に係る共鳴計算プログラムは、炉心内の燃料集合体を評価する炉心解析プログラムに組み込まれている。炉心解析プログラムは、ハードウェア上において実行可能となっており、炉心内の中性子束を計算することで、炉心内の核反応を媒介する中性子の分布や挙動を予測、評価する。そして、この炉心解析プログラムによって得られた解析結果に基づいて、炉心設計が行われる。なお、炉心設計とは、安全性、燃焼効率性や燃料配置等を考慮して、炉心に装荷されている燃料を交換するために行われるものである。
図1は、本実施例に係る共鳴計算プログラムを実行可能な解析装置の解析対象となる炉心を模式的に表した構造図である。図2は、解析対象領域となる燃料集合体を軸方向に直交する面で切ったときの断面図である。図3は、解析装置を概略的に表した説明図である。図4は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域を表した説明図である。図5は、中性子パスが引かれた解析対象領域を表した説明図である。
図1に示すように、原子炉には、炉心設計の対象となる炉心5が格納されている。この炉心5は、複数の燃料集合体6で構成される。なお、燃料の交換は、燃料集合体6単位で行われる。
図2に示すように、各燃料集合体6は、複数の燃料棒10と、各燃料棒10を覆う複数の被覆管11と、複数の被覆管11を束ねる図示しないグリッドと、で構成され、燃料集合体6の内部は減速材(冷却材)13で満たされると共に、複数の制御棒14および炉内核計装15が挿入可能となるように構成されている。
燃料集合体6は、断面方形状に形成され、例えば、17×17のセル20で構成されている。そして、17×17のセル20のうち、24個のセル20には、それぞれ制御棒14が挿入され、集合体中心のセル20には、炉内核計装15が挿入される。このとき、制御棒14が挿入されるセル20を制御棒案内管、炉内核計装15が挿入されるセル20を計装案内管という。また、その他のセル20には、燃料棒10がそれぞれ挿入される。なお、燃料集合体6が沸騰水型軽水炉(BWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側がチャンネルボックスに覆われる。一方で、燃料集合体6が加圧水型軽水炉(PWR)に用いられる場合、燃料集合体6は、その外側が開放されている。そして、BWRの場合にはチャンネルボックスの外側に、PWRの場合には燃料集合体6の外側に、集合体間ギャップ12が存在する。
次に、炉心解析プログラムについて説明する。炉心解析プログラムは、解析装置(ハードウェア)40上において実行可能なプログラムであり、解析装置40の記憶部41に記憶されている。この炉心解析プログラムは、炉心5に装荷される燃料集合体6の核定数を算出する核定数計算コード50(図3参照)と、算出された核定数に基づいて炉心5内の核特性を算出する炉心計算コード(図示省略)とを有している。
核定数計算コード50は、燃料集合体6を軸方向に直交する面で切った断面となる四角形の幾何形状を2次元の解析対象領域30(図2参照)としており、この解析対象領域30における核定数を算出可能なコードとなっている。なお、核定数は、炉心計算に用いられる入力データとなっており、核定数としては、拡散係数、吸収断面積、除去断面積および生成断面積などがある。つまり、核定数計算コードを用いて核定数計算を行うことにより、炉心計算用の入力データである核定数を生成している。
炉心計算コードは、燃料集合体6を軸方向に複数に分割して直方体形状の小体積となる燃料ノード(図示省略)に、算出された核定数をそれぞれ設定して炉心計算を行っている。複数の燃料ノードは、炉心を表現しており、炉心計算コードは、炉心計算を行うことにより、臨界ホウ素濃度、出力分布、反応度係数等の炉心内の核特性を評価可能なコードとなっている。
解析装置40上において上記した炉心解析プログラムを実行させると、解析装置40は、核定数計算コード50を用いて、燃料集合体6の解析対象領域30における核定数を算出し、炉心計算コードを用いて、算出された核定数を各燃料ノードに設定して炉心計算を行うことにより、炉心5の核特性を評価する。
次に、図3を参照して、核定数計算コード50について具体的に説明する。本実施例の核定数計算コード50は、燃料集合体6の非均質体系に対応した2次元輸送計算コードとなっており、特性曲線法(MOC:Method of Characteristics)による中性子輸送方程式を用いて燃料集合体6内の中性子束を計算したり、燃焼計算を行ったり、核定数計算を行ったりしている。
この核定数計算コード50は、共鳴計算プログラム51と、輸送計算プログラム52と、燃焼計算プログラム53と、核定数計算プログラム54とで構成され、解析装置40により実行される。そして、この核定数計算コード50は、解析装置40に入力される燃料集合体6に関する諸元データや、解析装置40の記憶部41に記憶された後述する断面積ライブラリ55から取得される実効断面積に基づいて、各種計算を行っている。なお、諸元データとしては、例えば、燃料棒の半径、集合体間ギャップ、燃料組成、燃料温度や減速材温度等であり、後述する多項双曲線正接関数を用いた計算においても入力データとして用いられる。
図4に示すように、核定数計算コード50の解析対象となる解析対象領域30は、任意の体系であり、各セル20に対応する複数のセル領域31a,31bによって構成されている。セル領域31a,31bとしては、例えば、燃料棒10が挿入されたセル領域31aと、制御棒14が挿入されたセル領域31bとがある。セル領域31a,31bは、複数の詳細領域iに分割されている。この複数の詳細領域iの一部は、共鳴現象が発生する共鳴領域となっており、例えば、共鳴領域として、燃料棒10に関する詳細領域iである燃料領域fがある。
共鳴計算プログラム51は、共鳴現象を考慮した各詳細領域iの実効断面積を求めるために行われる。ここで、共鳴現象とは、中性子のエネルギーが所定のエネルギーになると断面積が飛躍的に増加する現象である。この共鳴計算プログラム51では、中性子のエネルギーを複数のエネルギー群に分割し、分割した各エネルギー群の平均の断面積である実効断面積が求められる。つまり、共鳴計算プログラム51では、多群の実効断面積を算出する。
また、共鳴計算プログラム51は、入力された諸元データに基づいて、輸送計算プログラム52の入力データとなる実効断面積を計算している。この実効断面積は、バックグラウンド断面積に基づいて算出される。つまり、共鳴計算プログラム51は、入力された諸元データに基づいてバックグラウンド断面積を算出し、算出したバックグラウンド断面積に基づいて実効断面積を算出する。
詳細は後述するが、断面積ライブラリ55は、バックグラウンド断面積に応じた実効断面積を表現する多項双曲線正接関数と、多項双曲線正接関数に入力される各種係数および各種断面積等の入力データとを有している。このため、共鳴計算プログラム51においてバックグラウンド断面積が算出されると、算出されたバックグラウンド断面積と共に、各種係数および各種断面積を、多項双曲線正接関数に代入して、実効断面積を算出している。
輸送計算プログラム52は、算出した実効断面積を用いて、特性曲線法に基づき燃料集合体6内の各詳細領域の中性子束を多群に亘って計算している。図5に示すように、輸送計算プログラム52は、複数の詳細領域に分割された解析対象領域30上に複数の中性子飛行パスSを作成する。そして、作成された中性子飛行パスS毎に、中性子輸送方程式を解いて、各詳細領域iの中性子束を算出する。
燃焼計算プログラム53は、炉心5内の核種の生成と消滅とを追跡する燃焼計算を実行している。燃焼計算プログラム53は、燃焼方程式を解くことにより、各核種の原子数密度の時間変化を評価し、各燃焼度点における多群中性子輸送計算の入力条件を与える。これにより、燃料計算プログラム53は、所定のサンプリング周期毎に燃焼計算と輸送計算とを交互に行うことで、燃焼状態(燃焼の時間変化)を追跡する。
核定数計算プログラム54は、輸送計算プログラム52によって得られる燃料集合体6内の多群の中性子束を重みとして、燃料集合体6内の多群の実効断面積を縮約・均質化し、均質化された核定数を算出する。
続いて、本実施例に係る共鳴計算プログラム51について詳細に説明する。この共鳴計算プログラムでは、等価原理に基づく共鳴計算を行っている。本実施例では、実効断面積の計算に必要な物理量として、実効断面積を算出する場合について説明するが、これに限らず、共鳴積分または自己遮蔽因子等の物理量に適用してもよい。等価原理に基づく共鳴計算では、非均質体系に相当するバックグラウンド断面積を求め、求めたバックグラウンド断面積から、非均質体系に対する実効断面積を、多項双曲線正接関数より取得する。なお、上記したように多項双曲線正接関数は、断面積ライブラリ55に記憶されている。
ここで、図6を参照し、多項双曲線正接関数について詳細に説明する。図6は、バックグラウンド断面積に対応する実効断面積を表したグラフである。図6のグラフは、その横軸が、対数目盛となるバックグラウンド断面積であり、その縦軸が、実効断面積である。なお、図6では、実効断面積として、実効ミクロ断面積を適用している。このグラフに示すように、バックグラウンド断面積に対応する実効断面積は、双曲線正接関数(hyperbolic tangent)で表すことができ、基本式として、下記の(2)式で与えることができる。下記の(2)式において、A、B、aおよびbはバックグラウンド断面積に依存しない係数である。
Figure 0005777444
しかしながら、上記の(2)式で与えられる双曲線正接関数により、実効断面積を精度よく表現できるかは自明でない。このため、本実施例では、実効断面積を精度よく表現すべく、双曲線正接関数の級数、つまり、多項の双曲線正接関数として表現している。ここで、(2)式の双曲線正接関数を多項で表現すると、下記の(3)式で与えられる。
Figure 0005777444
なお、(3)式のaおよびbは、第n項目の双曲線正接関数における係数を表しており、(3)式のcは、第n項目の双曲線正接関数における重みを表している。また、(4)式は、各項の双曲線正接関数における重みの総和が、「1」となるように規格化している。
ここで、上記の(3)式において、無限希釈となる境界条件を与えて、バックグラウンド断面積が限りなく大きくなる場合について、実効断面積を求めると、下記の(6)式が得られる。この下記の(6)式において求められる実効断面積が、無限希釈断面積となる。一方、上記の(3)式において、完全遮蔽となる境界条件を与えて、バックグラウンド断面積が限りなく小さくなる場合(ゼロの場合)について、実効断面積を求めると、下記の(7)式が得られる。この下記の(7)式において求められる実効断面積が、完全遮蔽断面積となる。ここで、無限希釈とは、原子数密度が小さくなることによりバックグラウンド断面積が限りなく大きくなるような境界条件であり、完全遮蔽とは、原子数密度が大きくなることによりバックグラウンド断面積が限りなく小さくなる(ゼロになる)ような境界条件である。
Figure 0005777444
そして、(6)式および(7)式により、AおよびBが得られ、得られたAおよびBを(3)式に代入することで、バックグラウンド断面積に応じた実効断面積を表現する多項双曲線正接関数である下記の(8)式が得られる。
Figure 0005777444
ここで、上記の(8)式における係数a、bおよびcは、予め計算した実効断面積の真値に対して(8)式が満足するように、最小二乗法によるフィッティングを行うことで求められる。この係数a、bおよびcと、無限希釈断面積と、完全遮蔽断面積とは、各核種、温度、反応、エネルギー群等に応じて、複数種用意される。そして、用意された複数種の係数a、bおよびcと、無限希釈断面積と、完全遮蔽断面積とは、(8)式と共に、断面積ライブラリ55に格納される。このため、(8)式を用いて、バックグラウンド断面積から実効断面積を算出する場合、解析装置40は、共鳴計算プログラム51に入力される諸元データに基づいて、断面積ライブラリ55から、所定の係数a、bおよびcと無限希釈断面積と完全遮蔽断面積とを取得する。そして、解析装置40は、取得した係数a、bおよびcと無限希釈断面積と完全遮蔽断面積とを(8)式に代入すると共に、バックグラウンド断面積を代入することで、実効断面積を算出する。
次に、図7を参照し、上記の(8)式を用いて、共鳴計算プログラム51により実効断面積を算出する解析装置40の一連のフローについて説明する。図7は、共鳴計算プログラムにより実効断面積を算出するフローチャートである。なお、以下では、燃料領域fにおける共鳴核種rの実効ミクロ断面積を算出する場合について説明するが、被覆管11や非燃料物質中に含まれる共鳴核種rの実効ミクロ断面積を算出する場合に適用しても良い。
先ず、解析装置40は、共鳴領域である燃料領域fに対し、マクロ全断面積Σt,fとして、白体から黒体までの間のグレーな範囲に対し、2N−1個以上の計算点を設定する(ステップS1)。
計算点が設定されると、解析装置40は、マクロ全断面積Σt,fに対して、特性曲線法に基づく1群固定源計算を下記の(9)式を用いて行って中性子束φを算出し、算出した中性子束φとマクロ全断面積Σt,fとの積からマクロ全反応率RRt,fを算出する(ステップS2)。これにより、マクロ全断面積およびマクロ全反応率(Σt,f,RRt,f)の組を作成する。
Figure 0005777444
(Σt,f,RRt,f)の組が作成されると、解析装置40は、作成した(Σt,f,RRt,f)を満足するように、下記の(10)式の有理式係数α,βを求める(ステップS3)。
Figure 0005777444
有理式係数α,βが求められると、解析装置40は、有理式係数αと、与えられた諸元データとに基づいて、下記の(11)式からバックグラウンド断面積を求める(ステップS4:バックグラウンド断面積算出ステップ)。なお、(11)式において、諸元データとしては、有理式係数αを除く他の因子である。
Figure 0005777444
続いて、解析装置40は、共鳴計算プログラム51に入力される諸元データに基づいて、断面積ライブラリ55から、所定の係数a、bおよびcと無限希釈断面積と完全遮蔽断面積とを取得する(ステップS5)。そして、解析装置40は、取得した係数a、b、c、無限希釈断面積および完全遮蔽断面積と、ステップS4において算出されたバックグラウンド断面積とを、(8)式に代入することで、実効ミクロ断面積を算出する(ステップS6:物理量算出ステップ)。次に、解析装置40は、算出した実効ミクロ断面積と、バックグラウンド断面積と、共鳴核種rのミクロポテンシャル断面積とを下記する(12)式に代入し、中性子束を算出する(ステップS7)。
Figure 0005777444
そして、解析装置40は、ステップS3で求めた有理式係数βと、ステップS6で求めた実効ミクロ断面積と、ステップS7で求めた中性子束とに基づいて、下記の(13)式から最終的な非均質体系の実効ミクロ断面積を算出する(ステップS8)。
Figure 0005777444
続いて、図8を参照し、上記の(8)式の多項双曲線正接関数による実効断面積の再現精度について説明する。図8は、多項双曲線正接関数を用いて算出した実効断面積と真値との誤差を表したグラフである。図8のグラフは、その横軸が、バックグラウンド断面積であり、その縦軸が、実効断面積の真値に対する誤差を百分率で表したものである。なお、図8では、核種として、U238が適用され、反応として、捕獲反応が適用され、エネルギー群として、6.16eVから7.52eVまでのエネルギー群が適用され、温度として、300Kが適用されている。
図8に示すように、単項(1項)の双曲線正接関数は、予め計算した実効断面積の真値との誤差が最大で26%程度となっている。2項の双曲線正接関数は、真値との誤差が最大で4%程度となっている。3項および4項の双曲線正接関数は、真値との誤差が最大で2%程度となっている。5項の双曲線正接関数は、真値との誤差が1%未満となっている。よって、多項双曲線正接関数は、単項の双曲線正接関数に比して、精度よく実効断面積を算出できることが確認された。また、多項双曲線正接関数の項数を多くすれば、実効断面積の算出精度を向上できることが確認された。
以上のように、本実施例の共鳴計算プログラム51および解析装置40によれば、多項双曲線正接関数を用いることで、バックグラウンド断面積に対応する実効断面積を精度よく表現することができる。このため、バックグラウンド断面積が広範囲となる場合であっても、多項双曲線正接関数にバックグラウンド断面積を代入すれば、精度のよい物理量を容易に算出することができるため、内挿に係る計算時間の増大を抑制することができる。
また、本実施例の共鳴計算プログラム51および解析装置40によれば、(8)式を用いることにより、バックグラウンド断面積と共に、係数a、係数b、係数c、無限希釈断面積、完全遮蔽断面積を代入すれば、図8に示すように、精度のよい実効断面積を簡単に算出することができる。このとき、多項双曲線正接関数の項数は、多ければ多いほど、予め厳密に計算された真値との誤差を低減することができる。特に、核種がウラン238である場合、最適な項数となる5項の多項双曲線正接関数を用いることにより、共鳴計算プログラム51では、精度のよい実効断面積を効率よく算出することができる。
5 炉心
6 燃料集合体
10 燃料棒
11 被覆管
12 集合体間ギャップ
13 減速材
14 制御棒
15 炉内核計装
20 セル
30 解析対象領域
40 解析装置
41 記憶部
50 核定数計算コード
51 共鳴計算プログラム
52 輸送計算プログラム
53 燃焼計算プログラム
54 核定数計算プログラム
55 断面積ライブラリ
f 燃料領域

Claims (3)

  1. 等価原理に基づく共鳴計算により、共鳴領域における実効断面積を算出するために、ハードウェアとしての解析装置において実行される共鳴計算プログラムであって、
    入力された諸元データに基づいて、バックグラウンド断面積を算出するバックグラウンド断面積算出ステップと、
    算出された前記バックグラウンド断面積を、前記実効断面積の算出に必要な物理量を算出する計算式に代入して、前記物理量を算出する物理量算出ステップと、を有し、
    前記計算式は、前記バックグラウンド断面積に対応する前記物理量を表現する多項双曲線正接関数であることを特徴とする共鳴計算プログラム。
  2. 前記多項双曲線正接関数は、下記する計算式(1)で与えられる
    Figure 0005777444
    ことを特徴とする請求項1に記載の共鳴計算プログラム。
  3. 請求項1または2に記載の共鳴計算プログラムを記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶された前記共鳴計算プログラムの前記断面積算出ステップと、前記物理量算出ステップと、を実行することで、前記実効断面積の算出に必要な前記物理量を算出することを特徴とする解析装置。
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