JP2019014768A - 積層フィルム用樹脂組成物及び積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】再利用が可能であり、柔軟性を有し、耐熱性及び応力緩和性に優れ、積層フィルムの製造に際して、加工性に優れる積層フィルム用樹脂組成物、並びに、当該積層フィルム用樹脂組成物を用いた積層フィルムを提供する。
【解決手段】エチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体(成分(A))、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】エチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体(成分(A))、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、積層フィルム用樹脂組成物及び積層フィルムに関し、さらに詳しくは、半導体製造用フィルムに好適な積層フィルム用樹脂組成物及び積層フィルムに関するものである。
IC等の半導体装置の製造過程においては、半導体ウェハの裏面を研磨するバックグラインド工程や半導体ウェハをチップ単位に分断するダイシング工程を経ることが一般的である。
バックグラインド工程においては、半導体ウェハの回路パターン面を汚染等から保護するとともに、薄肉化した半導体ウェハを保持するために、粘着フィルム(バックグラインドフィルム)が回路パターン面に貼着される。
また、ダイシング工程においては、研磨した半導体ウェハの裏面(研磨面)に伸縮性を有するウェハ加工用フィルム(ダイシングフィルム)が貼着される。
このバックグラインドフィルムやダイシングフィルムに対しては、研磨や分断時に半導体ウェハに負荷される応力を緩和することが可能な応力緩和性と、フィルム自体の耐熱性が要求される。
バックグラインド工程においては、半導体ウェハの回路パターン面を汚染等から保護するとともに、薄肉化した半導体ウェハを保持するために、粘着フィルム(バックグラインドフィルム)が回路パターン面に貼着される。
また、ダイシング工程においては、研磨した半導体ウェハの裏面(研磨面)に伸縮性を有するウェハ加工用フィルム(ダイシングフィルム)が貼着される。
このバックグラインドフィルムやダイシングフィルムに対しては、研磨や分断時に半導体ウェハに負荷される応力を緩和することが可能な応力緩和性と、フィルム自体の耐熱性が要求される。
半導体製造用フィルムの具体例としては、特許文献1には、最外層を含む二層以上の積層構造を有し、前記最外層は、融点が98℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、前記最外層以外の少なくとも一層は、不飽和カルボン酸含有量が17質量%以上のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体及び前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーのいずれか一方を少なくとも含有する樹脂組成物からなる積層フィルムが開示されている。当該積層フィルムは、押出法、ラミネート法等によって製造することができ、当該積層フィルムの最外層の反対側に位置する層の表面上に粘着層を備えることにより、半導体製造用フィルムを製造することができる。
このような半導体製造用フィルムに用いられる積層フィルムは、上記のように押出法、ラミネート法等によって製造することができるが、アイオノマーのような樹脂を用いた場合、柔軟性が十分でなくなる、架橋性の熱可塑性樹脂であるため、積層フィルムの加工時にトルクが高くなる、架橋性樹脂であるため再利用が難しくなる等といった問題が発生し得る。
本発明の目的は、かかる従来技術の状況に鑑み、再利用が可能であり、柔軟性を有し、耐熱性及び応力緩和性に優れ、積層フィルムの製造に際して、加工性に優れる積層フィルム用樹脂組成物、並びに、当該積層フィルム用樹脂組成物を用いた積層フィルムを提供することを目的とする。
本発明によれば、エチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体(成分(A))、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物が提供される。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物が提供される。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物においては、前記成分(A)100質量部に対して前記成分(B)を1〜50質量部、前記成分(C)を0.1〜10質量部含有してもよい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物においては、前記成分(A)は、構成モノマーとしてエチレンが65〜95質量%、不飽和カルボン酸エステルが5〜30質量%、不飽和ジカルボン酸無水物が1〜5質量%含有される共重合体であってもよい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物においては、前記成分(B)は、構成モノマーとしてエチレンが85〜95質量%、不飽和カルボン酸が5〜15質量%含有される化合物であってもよい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物においては、前記成分(B)の金属イオンが、周期表の第1族、第2族及び第12族からなる群より選ばれる族の一価又は二価の金属イオンであってもよい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物においては、前記成分(C)は、ポリグリセリンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物、及び、ポリグリセリンを脱水縮合させた構造を有し分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリン化合物から選択される少なくとも1種の化合物であってもよい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物においては、前記成分(A)の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をI0とし、前記積層フィルム用樹脂組成物の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をIとしたときの(1−I/I0)×100の値(%)が25%以上であってもよい。
本発明によれば、最外層を含む二層以上の積層構造を有し、
前記最外層は、融点が98℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、
前記最外層以外の少なくとも一層は、前記積層フィルム用樹脂組成物で構成される層である、積層フィルムが提供される。
前記最外層は、融点が98℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、
前記最外層以外の少なくとも一層は、前記積層フィルム用樹脂組成物で構成される層である、積層フィルムが提供される。
本発明の積層フィルムは、半導体製造用であってもよい。
本発明によれば、再利用が可能であり、柔軟性を有し、耐熱性及び応力緩和性に優れ、積層フィルムの製造に際して、加工性に優れる積層フィルム用樹脂組成物、並びに、当該積層フィルム用樹脂組成物を用いた積層フィルムを提供することができる。
1.積層フィルム用樹脂組成物
本発明によれば、エチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体(成分(A))、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物が提供される。
本発明によれば、エチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体(成分(A))、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物が提供される。
以下、本発明の積層フィルム用樹脂組成物及びその用途などについて、項目毎に詳細に説明する。また、本明細書において数値範囲を示す「〜」とは、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(1)成分(A)
成分(A)はエチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体である。
成分(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。これらの中では、不飽和カルボン酸含有量を多く含むことが可能なランダム共重合体が好ましい。
成分(A)中のエチレンは、好ましくは65〜95質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。
成分(A)はエチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体である。
成分(A)は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。これらの中では、不飽和カルボン酸含有量を多く含むことが可能なランダム共重合体が好ましい。
成分(A)中のエチレンは、好ましくは65〜95質量%、更に好ましくは70〜90質量%である。
成分(A)中の不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フマル酸エステル、マレイン酸エステルから選択される化合物等が挙げられる。
具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フマル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、更に好ましくは、アクリル酸メチル(MA)が好適なものとして挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルは、必要に応じて二種類以上使用することもできる。
不飽和カルボン酸エステルは、成分(A)の全質量に対して好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは9〜27質量%である。不飽和カルボン酸エステルの量が、上記範囲であると、成形性が良好な積層フィルム用樹脂組成物を得ることができる。
具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸プロピル、フマル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等が挙げられる。
これらの中でも、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、更に好ましくは、アクリル酸メチル(MA)が好適なものとして挙げられる。
不飽和カルボン酸エステルは、必要に応じて二種類以上使用することもできる。
不飽和カルボン酸エステルは、成分(A)の全質量に対して好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは9〜27質量%である。不飽和カルボン酸エステルの量が、上記範囲であると、成形性が良好な積層フィルム用樹脂組成物を得ることができる。
成分(A)中の不飽和ジカルボン酸無水物としては、ラジカル重合性酸無水物であることが好ましく、例えば、無水マレイン酸(MAH)、無水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク酸、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸などが挙げられる。これらは、単独で又は二種類以上併用しても差し支えない。これらのうち、無水マレイン酸(MAH)及び無水イタコン酸が好適である。
不飽和ジカルボン酸無水物は、成分(A)の全質量に対して好ましくは1〜5質量%、更に好ましくは2.6〜5質量%である。不飽和ジカルボン酸無水物が1〜5質量%の範囲であると、樹脂の架橋密度を上げることができる。また、5質量%以内であると、積層フィルム用樹脂組成物の柔軟性、耐吸湿性などの性質を向上させることができる。
成分(A)は、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分、好ましくは10〜90g/10分、さらに好ましくは11〜80g/10分である。
MFRが上記の範囲内である場合、積層フィルムの成形時に十分な流動性を得ることが可能となる。
ここで、MFRは、JIS K6922−2:2010に準拠して測定される値である。
MFRが上記の範囲内である場合、積層フィルムの成形時に十分な流動性を得ることが可能となる。
ここで、MFRは、JIS K6922−2:2010に準拠して測定される値である。
(2)成分(B)
成分(B)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物である。
成分(B)は、共重合体の骨格がランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体から選択され、当該共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和されている。
上記の共重合体の中では、不飽和カルボン酸含有量を多く含むことが可能なランダム共重合体が好ましい。
成分(B)中のエチレンは、成分(B)の全質量に対して、好ましくは85〜95質量%である。
成分(B)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物である。
成分(B)は、共重合体の骨格がランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体から選択され、当該共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和されている。
上記の共重合体の中では、不飽和カルボン酸含有量を多く含むことが可能なランダム共重合体が好ましい。
成分(B)中のエチレンは、成分(B)の全質量に対して、好ましくは85〜95質量%である。
成分(B)中の不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ、好ましくはメタクリル酸が挙げられる。
不飽和カルボン酸は、必要に応じて二種類以上使用することもできる。
不飽和カルボン酸は、成分(B)の全質量に対して好ましくは5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸の量が上記範囲であると、成形性が良好な積層フィルム用樹脂組成物を得ることができる。
また、不飽和カルボン酸含有量を多くすることによって、分子間水素結合による擬似架橋の構造部が多くなることが期待できる。
不飽和カルボン酸は、必要に応じて二種類以上使用することもできる。
不飽和カルボン酸は、成分(B)の全質量に対して好ましくは5〜15質量%である。
不飽和カルボン酸の量が上記範囲であると、成形性が良好な積層フィルム用樹脂組成物を得ることができる。
また、不飽和カルボン酸含有量を多くすることによって、分子間水素結合による擬似架橋の構造部が多くなることが期待できる。
成分(B)の金属イオンとしては、周期表の第1族、第2族及び第12族からなる群より選ばれる族の一価又は二価の金属イオンが挙げられ、具体的には、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)のイオンが好ましく、ナトリウム(Na)のイオンが更に好ましい。
成分(B)の酸基の少なくとも一部を中和する金属イオンの量(イオン化度)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基に対して1〜90%、好ましくは5〜80%、更に好ましくは10〜70%である。
成分(B)の酸基の少なくとも一部を中和する金属イオンの量(イオン化度)は、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基に対して1〜90%、好ましくは5〜80%、更に好ましくは10〜70%である。
(3)成分(C)
成分(C)は多価アルコールである。
多価アルコールは、分子内に水酸基を少なくとも二つ有する多価アルコール化合物をいい、酸基同士を結合するいわゆる架橋剤としての作用を有するものであり、熱安定性を与え、比較的高温で成形する場合において、成形体にゲル、ブツなどが発生するのを防止することができる。
多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのアルコール化合物;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのポリエチレングリコール;
ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン;
アルビトール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオース、マレジトースなどの糖類;
これらの糖類の脱水縮合物;
上記の各種化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;
上記の各種化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;
上記のポリオキシアルキレン化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;
上記の部分的にエステル化した化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;
エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール;
水酸基を二以上有するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体などの分子内に水酸基を二以上有する重合体などを挙げることができる。
多価アルコール化合物の融点は300℃以下であることが好ましい。また、これらの多価アルコール化合物は、2種以上を併用しても差し支えない。
成分(C)は多価アルコールである。
多価アルコールは、分子内に水酸基を少なくとも二つ有する多価アルコール化合物をいい、酸基同士を結合するいわゆる架橋剤としての作用を有するものであり、熱安定性を与え、比較的高温で成形する場合において、成形体にゲル、ブツなどが発生するのを防止することができる。
多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのアルコール化合物;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのポリエチレングリコール;
ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン;
アルビトール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グルコース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオース、マレジトースなどの糖類;
これらの糖類の脱水縮合物;
上記の各種化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;
上記の各種化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;
上記のポリオキシアルキレン化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;
上記の部分的にエステル化した化合物にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;
エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール;
水酸基を二以上有するポリオレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体などの分子内に水酸基を二以上有する重合体などを挙げることができる。
多価アルコール化合物の融点は300℃以下であることが好ましい。また、これらの多価アルコール化合物は、2種以上を併用しても差し支えない。
上記以外の多価アルコールの例としては、特許第3329458号に記載された多価アルコール化合物等を例示することができる。
本発明において、多価アルコールとしては、ポリグリセリンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物、及び、ポリグリセリンを脱水縮合させた構造を有し分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましく、特に好ましい例としてポリオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
本発明において、多価アルコールとしては、ポリグリセリンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物、及び、ポリグリセリンを脱水縮合させた構造を有し分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましく、特に好ましい例としてポリオキシアルキレンエーテルが挙げられる。
(4)積層フィルム用樹脂組成物
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、成分(A)100質量部に対して成分(B)が1〜50質量部、好ましくは2〜40質量部、更に好ましくは3〜30質量部、成分(C)が0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部、更に好ましくは1〜5質量部含有することが好ましい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、組成物の成分が上記の範囲内であることにより、分子間水素結合による疑似架橋が可能となり、通常のアイオノマー樹脂とは異なり、高温時には架橋点がなくなるため、熱可逆性樹脂組成物となる。そして、積層フィルムの製造に際しては、加工性に優れ、再利用が可能であり、柔軟性を有する積層フィルムを得ることができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、成分(A)100質量部に対して成分(B)が1〜50質量部、好ましくは2〜40質量部、更に好ましくは3〜30質量部、成分(C)が0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8質量部、更に好ましくは1〜5質量部含有することが好ましい。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、組成物の成分が上記の範囲内であることにより、分子間水素結合による疑似架橋が可能となり、通常のアイオノマー樹脂とは異なり、高温時には架橋点がなくなるため、熱可逆性樹脂組成物となる。そして、積層フィルムの製造に際しては、加工性に優れ、再利用が可能であり、柔軟性を有する積層フィルムを得ることができる。
[固体粘弾性測定]
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上、好ましくは125℃以上、更に好ましくは130℃以上である。
本発明において、積層フィルム用樹脂組成物の固体粘弾性は、長さ5cm、幅1cm、厚み3mmのシートを固定治具に設置し、角周波数10.0rad/sの周波数分散(一定ねじり)を加えつつ、温度を昇温させ(昇温速度:3.0℃/分)、各温度での貯蔵粘弾性(G’)及び損失弾性率(G’’)を測定したものである。
本発明において、貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上であることにより、得られる積層フィルムの耐熱性が十分となり、半導体製造用フィルムへの適合性に優れる。
積層フィルム用樹脂組成物が固体粘弾性測定の上記の要件を満足するためには、上記成分(A)、成分(B)、及び、成分(C)を特定量使用することが重要である。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上、好ましくは125℃以上、更に好ましくは130℃以上である。
本発明において、積層フィルム用樹脂組成物の固体粘弾性は、長さ5cm、幅1cm、厚み3mmのシートを固定治具に設置し、角周波数10.0rad/sの周波数分散(一定ねじり)を加えつつ、温度を昇温させ(昇温速度:3.0℃/分)、各温度での貯蔵粘弾性(G’)及び損失弾性率(G’’)を測定したものである。
本発明において、貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上であることにより、得られる積層フィルムの耐熱性が十分となり、半導体製造用フィルムへの適合性に優れる。
積層フィルム用樹脂組成物が固体粘弾性測定の上記の要件を満足するためには、上記成分(A)、成分(B)、及び、成分(C)を特定量使用することが重要である。
[架橋度]
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、成分(A)の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をI0とし、当該積層フィルム用樹脂組成物の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をIとしたときの(1−I/I0)×100の値(%)が25%以上であることが好ましく、更に好ましくは28%以上である。
本発明において、当該値が25%以上であれば、分子間水素結合による疑似架橋が可能となり、通常のアイオノマー樹脂とは異なり、高温時には架橋点がなくなるため、熱可逆性樹脂組成物として作用することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、成分(A)の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をI0とし、当該積層フィルム用樹脂組成物の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をIとしたときの(1−I/I0)×100の値(%)が25%以上であることが好ましく、更に好ましくは28%以上である。
本発明において、当該値が25%以上であれば、分子間水素結合による疑似架橋が可能となり、通常のアイオノマー樹脂とは異なり、高温時には架橋点がなくなるため、熱可逆性樹脂組成物として作用することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、更に以下の特性(a)〜(d)を有することが好ましい。
特性(a):温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である。
特性(b):密度が0.920〜0.970g/cm3である。
特性(c):JIS−K7121:2012により測定される融点が80℃以上である。
特性(d):JIS−K7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K7206:1999に準拠して測定されるビカット軟化点が55℃以上である。
特性(a):温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分である。
特性(b):密度が0.920〜0.970g/cm3である。
特性(c):JIS−K7121:2012により測定される融点が80℃以上である。
特性(d):JIS−K7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K7206:1999に準拠して測定されるビカット軟化点が55℃以上である。
特性(a):MFR
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分、好ましくは3〜90g/10分、さらに好ましくは5〜80g/10分である。
MFRが上記の範囲内である場合、積層フィルムの成形時に十分な流動性を得ることが可能となる。
ここで、MFRは、JIS K6922−2:2010に準拠して測定される値である。
MFRは、成分(A)、成分(B)の個々のMFRを変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることにより、調整することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)が1〜100g/10分、好ましくは3〜90g/10分、さらに好ましくは5〜80g/10分である。
MFRが上記の範囲内である場合、積層フィルムの成形時に十分な流動性を得ることが可能となる。
ここで、MFRは、JIS K6922−2:2010に準拠して測定される値である。
MFRは、成分(A)、成分(B)の個々のMFRを変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることにより、調整することができる。
特性(b):密度
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、密度が0.920〜0.970g/cm3、好ましくは0.925〜0.965g/cm3、更に好ましくは0.927〜0.960g/cm3である。
密度が上記の範囲内である場合、適度の剛性等を得ることが可能となる。
ここで、密度は、JIS K6922−2:2010に準拠して測定される値である。
密度は、成分(A)、成分(B)の個々の密度を変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることで、調整することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、密度が0.920〜0.970g/cm3、好ましくは0.925〜0.965g/cm3、更に好ましくは0.927〜0.960g/cm3である。
密度が上記の範囲内である場合、適度の剛性等を得ることが可能となる。
ここで、密度は、JIS K6922−2:2010に準拠して測定される値である。
密度は、成分(A)、成分(B)の個々の密度を変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることで、調整することができる。
特性(c):融点
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、融点が好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上である。
融点が上記の条件を満たす場合、耐久性を保持したまま耐熱性を向上させることができる。
ここで、融点は、JIS−K7121:2012により測定される値であり、成分(A)、成分(B)の個々の融点を変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることで、調整することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、融点が好ましくは80℃以上、更に好ましくは85℃以上である。
融点が上記の条件を満たす場合、耐久性を保持したまま耐熱性を向上させることができる。
ここで、融点は、JIS−K7121:2012により測定される値であり、成分(A)、成分(B)の個々の融点を変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることで、調整することができる。
特性(d):ビカット軟化点
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、ビカット軟化点が好ましくは55℃以上、更に好ましくは60℃以上である。
ビカット軟化点が上記の条件を満たす場合、耐久性を保持したまま耐熱性を向上させることができる。
ここで、ビカット軟化点は、JIS−K7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K7206:1999に準拠して測定される値であり、成分(A)、成分(B)の個々のビカット軟化点を変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることで、調整することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、ビカット軟化点が好ましくは55℃以上、更に好ましくは60℃以上である。
ビカット軟化点が上記の条件を満たす場合、耐久性を保持したまま耐熱性を向上させることができる。
ここで、ビカット軟化点は、JIS−K7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K7206:1999に準拠して測定される値であり、成分(A)、成分(B)の個々のビカット軟化点を変化させる、或いは成分(A)、成分(B)の配合割合を変化させることで、調整することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、常法に従い、ペレタイザーやホモジナイザー等による機械的な溶融混合によりペレット化した後、各種成形機により成形を行って所望の成形品とすることができる。
また、上記の方法により得られる積層フィルム用樹脂組成物には、性能を損なわない範囲で、常法に従い、他のオレフィン系重合体やゴム等のほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、着色顔料、架橋剤、発泡剤、無機又は有機充填剤、難燃剤等の公知の添加剤を配合することができる。
また、上記の方法により得られる積層フィルム用樹脂組成物には、性能を損なわない範囲で、常法に従い、他のオレフィン系重合体やゴム等のほか、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、着色顔料、架橋剤、発泡剤、無機又は有機充填剤、難燃剤等の公知の添加剤を配合することができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、エチレン系共重合体中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位に含まれるカルボニル基を活性化し、水酸基と酸無水物基との反応を促進させる化合物(反応促進剤)を添加してもよい。
このような反応促進剤としては、様々なものが挙げられるが、その一例を挙げれば、有機カルボン酸の金属塩がある。
有機カルボン酸の金属塩としては、炭素原子数1〜30個の脂肪酸の金属塩、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などと周期表の第1族、第2族、第12族、第13族の金属(例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)との塩が挙げられる。
更に具体例を示せば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム,酢酸アルミニウム、酪酸カリウム、酪酸カルシウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナトリウム、オクタン酸カルシウム、デカン酸カリウム、デカン酸マグネシウム、デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらのうち、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウムなどが好適である。
このような反応促進剤としては、様々なものが挙げられるが、その一例を挙げれば、有機カルボン酸の金属塩がある。
有機カルボン酸の金属塩としては、炭素原子数1〜30個の脂肪酸の金属塩、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などと周期表の第1族、第2族、第12族、第13族の金属(例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)との塩が挙げられる。
更に具体例を示せば、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム,酢酸アルミニウム、酪酸カリウム、酪酸カルシウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナトリウム、オクタン酸カルシウム、デカン酸カリウム、デカン酸マグネシウム、デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウム、ベヘン酸ナトリウムなどが挙げられる。
これらのうち、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸ナトリウムなどが好適である。
上記の反応促進剤は、有機カルボン酸の金属塩が好適に用いられる。
また、上記の各種の反応促進剤を必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの反応促進剤の使用量は、成分(A)100質量部に対して0.001〜20質量部の範囲となることが好ましく、0.01〜15質量部の範囲となることが更に好ましい。
反応促進剤の量が上記の範囲内であると、反応が促進されて積層フィルム用樹脂組成物中に架橋構造を効果的に導入すること可能となる。
また、上記の各種の反応促進剤を必要に応じて2種類以上併用することもできる。
これらの反応促進剤の使用量は、成分(A)100質量部に対して0.001〜20質量部の範囲となることが好ましく、0.01〜15質量部の範囲となることが更に好ましい。
反応促進剤の量が上記の範囲内であると、反応が促進されて積層フィルム用樹脂組成物中に架橋構造を効果的に導入すること可能となる。
添加剤として、例えば、酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系)、滑剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を1種又は2種以上、適宜併用することができる。
また、充填材(剤)としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン等が使用可能であり、なかでも炭酸カルシウム、タルク及びマイカ等を用いるのが好ましい。
いずれの場合でも、本発明の積層フィルム用樹脂組成物に、必要に応じ、各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。
また、充填材(剤)としては、炭酸カルシウム、タルク、金属粉(アルミニウム、銅、鉄、鉛など)、珪石、珪藻土、アルミナ、石膏、マイカ、クレー、アスベスト、グラファイト、カーボンブラック、酸化チタン等が使用可能であり、なかでも炭酸カルシウム、タルク及びマイカ等を用いるのが好ましい。
いずれの場合でも、本発明の積層フィルム用樹脂組成物に、必要に応じ、各種添加剤を配合し、混練押出機、バンバリーミキサー等にて混練し、成形用材料とすることができる。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、各種特性を満足するものであるので、加工性に優れ、再利用が可能であり、柔軟性を有する積層フィルムを提供することができるので、半導体製造用フィルムなどの用途に好適である。
2.積層フィルム
本発明によれば、最外層を含む二層以上の積層構造を有し、
前記最外層は、融点が98℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、
前記最外層以外の少なくとも一層は、前記積層フィルム用樹脂組成物で構成される層である、積層フィルムが提供される。
本発明によれば、最外層を含む二層以上の積層構造を有し、
前記最外層は、融点が98℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、
前記最外層以外の少なくとも一層は、前記積層フィルム用樹脂組成物で構成される層である、積層フィルムが提供される。
本発明の積層フィルムは、押出法、ラミネート法等によって製造することができる。
また、本発明の積層フィルムの最外層の反対側に位置する層の表面上に粘着層を備えることにより、半導体製造用フィルムを製造することができる。
また、本発明の積層フィルムの最外層の反対側に位置する層の表面上に粘着層を備えることにより、半導体製造用フィルムを製造することができる。
図2は、本発明の積層フィルムを使用した半導体製造用フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、半導体製造用フィルム5は、積層フィルム4及び粘着層3で構成され、積層フィルム4は、積層フィルム用樹脂組成物層1及び最外層2が積層された構造を有する。
最外層2は熱可塑性樹脂組成物によって形成されている。
また、積層フィルム用樹脂組成物層1は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む前記積層フィルム用樹脂組成物によって形成されている。
このような積層構造とすることで、積層フィルムの耐熱性と応力緩和性とが両立される。
図2に示すように、半導体製造用フィルム5は、積層フィルム4及び粘着層3で構成され、積層フィルム4は、積層フィルム用樹脂組成物層1及び最外層2が積層された構造を有する。
最外層2は熱可塑性樹脂組成物によって形成されている。
また、積層フィルム用樹脂組成物層1は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を含む前記積層フィルム用樹脂組成物によって形成されている。
このような積層構造とすることで、積層フィルムの耐熱性と応力緩和性とが両立される。
最外層2の熱可塑性樹脂としては、融点が98℃以上、好ましくは102℃以上、更に好ましくは105℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物が好ましい。
融点が98℃以上の比較的融点の高い熱可塑性樹脂を用いることにより、半導体ウェハの裏面研磨時に生ずる熱や、ダイシングフィルム貼着時の熱によっても軟化し難い。
そのため、半導体製造用フィルムに用いた場合に、使用後の剥離が容易であるとともに、薄肉化した半導体ウェハの破損を防止することができる。
なお、熱可塑性樹脂の融点の上限値については特に限定されないが、230℃程度であることが好ましい。
融点が98℃以上の比較的融点の高い熱可塑性樹脂を用いることにより、半導体ウェハの裏面研磨時に生ずる熱や、ダイシングフィルム貼着時の熱によっても軟化し難い。
そのため、半導体製造用フィルムに用いた場合に、使用後の剥離が容易であるとともに、薄肉化した半導体ウェハの破損を防止することができる。
なお、熱可塑性樹脂の融点の上限値については特に限定されないが、230℃程度であることが好ましい。
粘着層3としては、従来公知の粘着剤を用いることができる。
粘着剤の例としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系の粘着剤;紫外線硬化型粘着剤;加熱発泡型粘着剤などが挙げられる。なかでも、半導体ウェハからの半導体製造用フィルムの剥離性などを考慮すると、粘着層3は紫外線硬化型粘着剤を含むことが好ましい。
従来公知の粘着剤としては、特開2012−248851号公報に開示されたもの等が挙げられる。
粘着剤の例としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系の粘着剤;紫外線硬化型粘着剤;加熱発泡型粘着剤などが挙げられる。なかでも、半導体ウェハからの半導体製造用フィルムの剥離性などを考慮すると、粘着層3は紫外線硬化型粘着剤を含むことが好ましい。
従来公知の粘着剤としては、特開2012−248851号公報に開示されたもの等が挙げられる。
半導体製造用フィルム5は、積層フィルム4及び粘着層3で構成され、例えば、積層フィルム4の表面(最外層2の反対側に位置する層の表面)に、粘着剤または粘着剤組成物を塗布して塗布層を形成し、この塗布層を乾燥させて粘着層3とすることで製造できる。
また、積層フィルム4の各層を構成する材料と、粘着層3を構成する材料とを共押出しすることによっても、半導体製造用フィルム5を製造できる(共押出成形法)。
また、粘着剤組成物の層を、必要に応じて加熱架橋を実施して粘着層3としてもよい。
また、積層フィルム4の各層を構成する材料と、粘着層3を構成する材料とを共押出しすることによっても、半導体製造用フィルム5を製造できる(共押出成形法)。
また、粘着剤組成物の層を、必要に応じて加熱架橋を実施して粘着層3としてもよい。
更に、半導体製造用フィルム5の粘着層3の表面上にセパレータを貼付けて、半導体製造用フィルム5としてもよい。
セパレータを貼付けることで、粘着層3の表面を平滑に保つことができる。
また、半導体製造用フィルム5の取り扱いや運搬が容易になるとともに、セパレータ上にラベル加工することも可能となる。
セパレータの材料としては、紙、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
また、セパレータの粘着層3と接する面には、粘着層3からの剥離性を高めるために、必要に応じてシリコーン処理やフッ素処理等の離型処理が施されていてもよい。
セパレータを貼付けることで、粘着層3の表面を平滑に保つことができる。
また、半導体製造用フィルム5の取り扱いや運搬が容易になるとともに、セパレータ上にラベル加工することも可能となる。
セパレータの材料としては、紙、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。
また、セパレータの粘着層3と接する面には、粘着層3からの剥離性を高めるために、必要に応じてシリコーン処理やフッ素処理等の離型処理が施されていてもよい。
半導体製造用フィルム5の層構造については、使用条件に応じて設定可能であり特に限定されるものではないが、例えば各層の厚みは、積層フィルム用樹脂組成物層1は、好ましくは50〜150μm、更に好ましくは60〜150μmであり、最外層2は、好ましくは50〜150μm、更に好ましくは5〜50μmであり、粘着層3は、好ましくは3〜100μm、更に好ましくは3〜50μmである。積層フィルム4としてみた場合、その厚みは、好ましくは100〜300μm、更に好ましくは65〜200μmである。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれらの実施例によって制約を受けるものではない。なお、積層フィルム用樹脂組成物の物性等は、以下の方法で測定した。
[MFR]
JIS K6922−2:2010に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)を測定した。
JIS K6922−2:2010に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgにおけるメルトフローレート(MFR)を測定した。
[密度]
JIS K6922−2:2010に準拠して測定した。
JIS K6922−2:2010に準拠して測定した。
[ビカット軟化点]
JIS−K7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K7206:1999に準拠して測定した。
JIS−K7152−1:1999のタイプA金型にて210℃で成形し10×80×4mmの試験片を作製し、JIS−K7206:1999に準拠して測定した。
[融点]
JIS−K7121:2012により測定した。
JIS−K7121:2012により測定した。
[架橋度]
赤外分光測定により、基準となるエチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体サンプルの4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をI0とし、対象とする積層フィルム用樹脂組成物サンプルの赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をIとしたときの(1−I/I0)×100の値(%)を架橋度とした。
赤外分光測定により、基準となるエチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体サンプルの4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をI0とし、対象とする積層フィルム用樹脂組成物サンプルの赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をIとしたときの(1−I/I0)×100の値(%)を架橋度とした。
[固体粘弾性測定試験]
積層フィルム用樹脂組成物の耐熱性を下記試験方法にて評価した。即ち、長さ5cm、幅1cm、厚み3mmのシートを固定治具に設置し、角周波数10.0rad/sの周波数分散(一定ねじり)を加えつつ、温度を昇温させ(昇温速度:3.0℃/分)、各温度での固体粘弾性である貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G’’)を測定した。
積層フィルム用樹脂組成物の耐熱性を下記試験方法にて評価した。即ち、長さ5cm、幅1cm、厚み3mmのシートを固定治具に設置し、角周波数10.0rad/sの周波数分散(一定ねじり)を加えつつ、温度を昇温させ(昇温速度:3.0℃/分)、各温度での固体粘弾性である貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G’’)を測定した。
[耐熱性試験]
測定温度が120℃まで貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G’’)が1×105Pa以上であるか否かを評価した。
120℃で固体粘弾性G’、G’’がそれぞれ1×105Pa以上であるものを「耐熱性:○」とし、120℃で固体粘弾性G’、G’’が1×105Pa未満であるものを「耐熱性:×」とした。
図1は、後述する実施例1と比較例1の積層フィルム用樹脂組成物の固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)と温度との関係を示す図である。
図1に示すように、実施例1は、120℃で貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以上であり、比較例1では、120℃で貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa未満であることがわかる。
また、図1及び表3に示すように、実施例1は、貯蔵弾性率(G’)減少の傾き開始の温度が165℃であり、比較例1は、118℃であることがわかる。図1に示す貯蔵弾性率(G’)減少の傾き開始の温度が160℃以上であることにより、半導体研磨時の摩擦熱への耐熱に優れるという効果がある。
なお、本発明において、貯蔵弾性率(G’)減少の傾き開始の温度とは、図1において、100℃以上の領域であって、貯蔵弾性率(G’)が急降下(傾きが急傾斜)する温度であり、樹脂組成物の耐熱性の指標となる。
測定温度が120℃まで貯蔵弾性率(G’)及び損失弾性率(G’’)が1×105Pa以上であるか否かを評価した。
120℃で固体粘弾性G’、G’’がそれぞれ1×105Pa以上であるものを「耐熱性:○」とし、120℃で固体粘弾性G’、G’’が1×105Pa未満であるものを「耐熱性:×」とした。
図1は、後述する実施例1と比較例1の積層フィルム用樹脂組成物の固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)と温度との関係を示す図である。
図1に示すように、実施例1は、120℃で貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以上であり、比較例1では、120℃で貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa未満であることがわかる。
また、図1及び表3に示すように、実施例1は、貯蔵弾性率(G’)減少の傾き開始の温度が165℃であり、比較例1は、118℃であることがわかる。図1に示す貯蔵弾性率(G’)減少の傾き開始の温度が160℃以上であることにより、半導体研磨時の摩擦熱への耐熱に優れるという効果がある。
なお、本発明において、貯蔵弾性率(G’)減少の傾き開始の温度とは、図1において、100℃以上の領域であって、貯蔵弾性率(G’)が急降下(傾きが急傾斜)する温度であり、樹脂組成物の耐熱性の指標となる。
[応力緩和試験]
フィルムを作成して、10mm幅、厚さ160mmの短冊形状の試験片を得た。
得られた試験片を以下に示す条件で延伸し、「10%延伸直後の引張強度」と「10%延伸した状態で1分間保持した後の引張強度」を測定した。
・引張速度:200mm/分
・チャック間距離:100mm
・試験サンプル(試験片)数:n=5
・フィルム方向:垂直方向(TD:Transverse Direction)と流れ方向(MD:Machine Direction)の両方
測定した「TS1:10%延伸直後の引張強度」と「TS2:10%延伸した状態で1分間経過後の引張強度」から、以下の式(1)により「応力緩和率(%)」を算出した。
また、以下に示す基準に従い、算出した応力緩和率からフィルムの「応力緩和性」を評価した。
応力緩和率(%)={(TS1−TS2)/TS1}×100 ・・・式(1)
応力緩和率が、TD方向とMD方向の両方向で55%以上であるものを「◎」、応力緩和率が、TD方向とMD方向の少なくとも一方向で50%以上、55%未満であるものを「○」、応力緩和率が、TD方向とMD方向の両方向で50%未満であるものを「×」とした。
フィルムを作成して、10mm幅、厚さ160mmの短冊形状の試験片を得た。
得られた試験片を以下に示す条件で延伸し、「10%延伸直後の引張強度」と「10%延伸した状態で1分間保持した後の引張強度」を測定した。
・引張速度:200mm/分
・チャック間距離:100mm
・試験サンプル(試験片)数:n=5
・フィルム方向:垂直方向(TD:Transverse Direction)と流れ方向(MD:Machine Direction)の両方
測定した「TS1:10%延伸直後の引張強度」と「TS2:10%延伸した状態で1分間経過後の引張強度」から、以下の式(1)により「応力緩和率(%)」を算出した。
また、以下に示す基準に従い、算出した応力緩和率からフィルムの「応力緩和性」を評価した。
応力緩和率(%)={(TS1−TS2)/TS1}×100 ・・・式(1)
応力緩和率が、TD方向とMD方向の両方向で55%以上であるものを「◎」、応力緩和率が、TD方向とMD方向の少なくとも一方向で50%以上、55%未満であるものを「○」、応力緩和率が、TD方向とMD方向の両方向で50%未満であるものを「×」とした。
[加工性評価]
積層フィルム成形において、Tダイ成形又はラミ成形時の樹脂圧及びモーター負荷を測定した。具体的には、フローカーブ測定を行い、加工時の温度230℃、せん断速度60.8(1/sec)のときの粘度が400Pa・s以下のものを樹脂圧・モーター負荷が低いとして加工性「○」、当該粘度より高いものを樹脂圧・モーター負荷が高いとして加工性「×」とした。疑似架橋の可逆熱可塑性樹脂は、樹脂圧・モーター負荷が低く、成形性は良好であった。
積層フィルム成形において、Tダイ成形又はラミ成形時の樹脂圧及びモーター負荷を測定した。具体的には、フローカーブ測定を行い、加工時の温度230℃、せん断速度60.8(1/sec)のときの粘度が400Pa・s以下のものを樹脂圧・モーター負荷が低いとして加工性「○」、当該粘度より高いものを樹脂圧・モーター負荷が高いとして加工性「×」とした。疑似架橋の可逆熱可塑性樹脂は、樹脂圧・モーター負荷が低く、成形性は良好であった。
[成分(A)]
成分(A)として表1に示すものを積層フィルム用樹脂組成物の材料として用いた。
成分(A)として用いた成分(A−1)、(A−2)、(A−3)のエチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体は、具体的には以下の材料である。
・成分(A−1):レクスパールTMET ET530H、日本ポリエチレン社製
・成分(A−2):レクスパールTMET ET220X、日本ポリエチレン社製
・成分(A−3):レクスパールTMET ET330H、日本ポリエチレン社製
成分(A)として表1に示すものを積層フィルム用樹脂組成物の材料として用いた。
成分(A)として用いた成分(A−1)、(A−2)、(A−3)のエチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体は、具体的には以下の材料である。
・成分(A−1):レクスパールTMET ET530H、日本ポリエチレン社製
・成分(A−2):レクスパールTMET ET220X、日本ポリエチレン社製
・成分(A−3):レクスパールTMET ET330H、日本ポリエチレン社製
[成分(B)]
成分(B)として表2に示すものを積層フィルム用樹脂組成物の材料として用いた。
成分(B)として用いた成分(B−1)エチレン−メタクリル酸共重合体をナトリウムイオンで架橋したアイオノマー樹脂は、具体的には以下の材料である。
・成分(B−1):ハイミラン(登録商標) 1605、三井・デュポン社製
成分(B)として表2に示すものを積層フィルム用樹脂組成物の材料として用いた。
成分(B)として用いた成分(B−1)エチレン−メタクリル酸共重合体をナトリウムイオンで架橋したアイオノマー樹脂は、具体的には以下の材料である。
・成分(B−1):ハイミラン(登録商標) 1605、三井・デュポン社製
[成分(C)]
成分(C)として表3に示すものを積層フィルム用樹脂組成物の材料として用いた。
成分(C)として用いたポリオキシアルキレンエーテルは、具体的には以下の材料である。
・成分(C):T−400 ADEKA社製
成分(C)として表3に示すものを積層フィルム用樹脂組成物の材料として用いた。
成分(C)として用いたポリオキシアルキレンエーテルは、具体的には以下の材料である。
・成分(C):T−400 ADEKA社製
また、積層フィルム用の最外層の樹脂材料として、LC600A(融点105℃、MFR8g/10分、ビカット軟化点86℃、密度0.918g/cm3、日本ポリエチレン社製)を用いた。
(実施例1)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す積層フィルム用樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す積層フィルム用樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「○」であった。
(実施例2)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す積層フィルム用樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す積層フィルム用樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「○」であった。
(比較例1)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
(比較例2)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
(比較例3)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
(比較例4)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「×」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「×」であった。
(比較例5)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
(比較例6)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「×」、応力緩和性の評価結果は「×」、加工性の評価結果は「○」であった。
(比較例7)
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「×」であった。
積層フィルム用樹脂組成物層の材料として表3に示す樹脂組成物を使用した。
そして、多層押出機(40mmφ×3)を使用して押出成形することにより、二層構造を有する厚み160μmの積層フィルム(最外層と積層フィルム用樹脂組成物層の厚み比=30/70)を得た。
得られた積層フィルムの耐熱性の評価結果は「○」、応力緩和性の評価結果は「○」、加工性の評価結果は「×」であった。
本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、耐熱性及び応力緩和性に優れている。
また、本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、積層フィルムの製造に際して、加工性に優れる。
そのため、本発明の積層フィルム用樹脂組成物を用いることにより、再利用が可能で、柔軟性を有する積層フィルムを提供することができる。
このため、本発明の積層フィルム用樹脂組成物を使用した半導体製造用フィルムを用いれば、効率的かつ高精度に半導体ウェハを加工して半導体を製造することができる。
また、本発明の積層フィルム用樹脂組成物は、積層フィルムの製造に際して、加工性に優れる。
そのため、本発明の積層フィルム用樹脂組成物を用いることにより、再利用が可能で、柔軟性を有する積層フィルムを提供することができる。
このため、本発明の積層フィルム用樹脂組成物を使用した半導体製造用フィルムを用いれば、効率的かつ高精度に半導体ウェハを加工して半導体を製造することができる。
1 積層フィルム用樹脂組成物層
2 最外層
3 粘着層
4 積層フィルム
5 半導体製造用フィルム
2 最外層
3 粘着層
4 積層フィルム
5 半導体製造用フィルム
Claims (9)
- エチレン、不飽和カルボン酸エステル及び不飽和ジカルボン酸無水物を構成モノマーとして含む共重合体(成分(A))、
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の酸基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物(成分(B))、及び、
多価アルコール(成分(C))を含み、
固体粘弾性測定による貯蔵弾性率(G’)が1×105Pa以下になる温度が120℃以上である、積層フィルム用樹脂組成物。 - 前記成分(A)100質量部に対して前記成分(B)を1〜50質量部、前記成分(C)を0.1〜10質量部含有する、請求項1に記載の積層フィルム用樹脂組成物。
- 前記成分(A)は、構成モノマーとしてエチレンが65〜95質量%、不飽和カルボン酸エステルが5〜30質量%、不飽和ジカルボン酸無水物が1〜5質量%含有される共重合体である、請求項1又は2に記載の積層フィルム用樹脂組成物。
- 前記成分(B)は、構成モノマーとしてエチレンが85〜95質量%、不飽和カルボン酸が5〜15質量%含有される化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム用樹脂組成物。
- 前記成分(B)の金属イオンが、周期表の第1族、第2族及び第12族からなる群より選ばれる族の一価又は二価の金属イオンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルム用樹脂組成物。
- 前記成分(C)は、ポリグリセリンにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物、及び、ポリグリセリンを脱水縮合させた構造を有し分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリン化合物から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層フィルム用樹脂組成物。
- 前記成分(A)の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をI0とし、前記積層フィルム用樹脂組成物の赤外分光測定による4250cm−1吸光度に対する1850cm−1吸光度の比をIとしたときの(1−I/I0)×100の値(%)が25%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層フィルム用樹脂組成物。
- 最外層を含む二層以上の積層構造を有し、
前記最外層は、融点が98℃以上の熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂組成物からなり、
前記最外層以外の少なくとも一層は、前記請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層フィルム用樹脂組成物で構成される層である、積層フィルム。 - 半導体製造用である、請求項8に記載の積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017130397A JP2019014768A (ja) | 2017-07-03 | 2017-07-03 | 積層フィルム用樹脂組成物及び積層フィルム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021200660A1 (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-07 | デンカ株式会社 | ウェハ加工用シート及びウェハの加工方法 |
-
2017
- 2017-07-03 JP JP2017130397A patent/JP2019014768A/ja active Pending
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