JP2019014478A - 包装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】手切れ性を向上可能とした包装材を提供する。
【解決手段】二軸延伸樹脂フィルムと、二軸延伸樹脂フィルムに接合された紙基材とを備える包装材であって、紙基材は、JIS P8113:2006に準じた配向方向での引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であり、二軸延伸樹脂フィルムは、表面と内部とに空孔を有し、JIS P8113:2006に準じた引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であり、かつ、JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて切れ目を入れない場合の引裂強度が100mN/mm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、紙基材とその紙基材に接着された二軸延伸樹脂フィルムとを備える包装材に関する。
複数の個別パッケージを1つにまとめるための包装材として、マルチパック用包装材が知られている。例えば、特許文献1に記載のマルチパック用紙は、冷蔵商品の個別パッケージや冷凍商品の個別パッケージに適用されて、複数の個別パッケージを括った状態で封緘される。このマルチパック用紙は、パルプ原料に対するロジンサイズ剤の含有率、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂の含有率、および、エマルジョンサイズ剤の含有率を、湿潤時の引裂強度を高めることに適した値に設定している。
一方、上述したマルチパック用包装材には、湿潤時の引裂強度を得ることの他に、手で引き裂いて簡単に開けられる手切れ性も求められる。例えば、特許文献2に記載の包装材は、湿度による物性変化を抑えるために、環状構造を含まないオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂層を、環状オレフィン系樹脂を主成分とする2つの樹脂層で挟む多層体として、包装材の樹脂層を構成している。そして、手切れ性を高めることを目的として、この多層体の樹脂層と紙基材との積層体として、包装材を構成している。
特開2002−285500号公報 国際公開WO2014/207950号公報
しかしながら、手切れ性を得るうえでは、上記樹脂層の有する靱性は高く、樹脂層と紙基材との積層体であっても、手切れ性を高めることに関しては、依然として改善の余地を残している。なお、樹脂層の厚みを薄くすることは、手切れ性を高めることに有効ではあるが、樹脂層を伸びやすくしてしまい、また、包装材の強度も得られがたくする。こうした手切れ性の向上は、冷凍商品のパッケージや冷蔵商品のパッケージをまとめるマルチパック用包装材に限らず、各種のパッケージに適用される包装材に共通する課題でもある。
本発明の目的は、手切れ性を向上可能とした包装材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための包装材は、紙基材と、前記紙基材に接着された二軸延伸樹脂フィルムと、を備える包装材であって、前記紙基材は、JIS P8113:2006に準じた配向方向での引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であり、前記二軸延伸樹脂フィルムは、表面と内部とに空孔を有し、JIS P8113:2006に準じた引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であり、かつ、JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて切れ目を入れない場合の引裂強度が100mN/mm以下である。
上記包装材によれば、二軸延伸樹脂フィルムの表面と内部とに空孔が存在するため、包装材の手切れ性を高めることが可能となる。
また、紙基材の引張強度は、紙基材の配向方向において、15N/10mm以上60N/10mm以下であり、手切れ性を得るうえで適した範囲である。そして、二軸延伸樹脂フィルムの引張強度もまた、紙基材と同じ程度である、15N/10mm以上60N/10mm以下である。表面と内部とに空孔を備えた二軸延伸樹脂フィルムでは、こうした空孔を備えない構成と比べて、引っ張りによる伸びが大きくなりやすい。この点、上述した包装材であれば、二軸延伸樹脂フィルムの引張強度が、紙基材と同じ程度であるため、二軸延伸樹脂フィルムが延びやすいことに起因した手切れ性の低下を抑えられる。
なお、延伸などによって形成された二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度は、紙基材の引裂強度と比べて小さい。そのため、紙基材の引裂強度の試験に用いられるJIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法では、二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度を測定することがほぼ不可能である。一方、二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度が過剰に大きいことは、上述した引張強度を二軸延伸樹脂フィルムが満たすとしても、包装材の手切れ性を高めることに対しては、大きな障害となる。この点、上述した包装材であれば、JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて切れ目を入れない場合の引裂強度が、二軸延伸樹脂フィルムにおいて100mN/mm以下であるため、引張強度と引裂強度との両方を設定すること、それによって、より確実に手切れ性を高めることが可能ともなる。
上記包装材は、前記二軸延伸樹脂フィルムの面内方向のなかで、前記配向方向を含む相互に直交する2つの方向において、前記引裂強度の最小値に対する前記引裂強度の最大値の比が1.0以上1.2以下であってもよい。
上記包装材によれば、二軸延伸樹脂フィルムでの引裂強度のばらつきが抑えられるため、二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度のばらつきに起因した手切れ性のばらつきを抑えることが可能となる。ひいては、包装材の使用に際して、手切れ性が得られる方向を別途利用者に提示するという制約を軽減することが可能ともなる。
上記包装材において、前記最大値は、前記配向方向での引裂強度であり、前記最小値は、前記配向方向と直交する方向での引裂強度であってもよい。
配向方向での紙基材の引裂強度は、配向方向と直交する方向での引裂強度よりも小さくなりやすい。この点、上記包装材によれば、二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度での最小値を示す方向と、紙基材のなかで比較的に大きい引裂強度を示す方向とが一致するため、包装材の全体における引裂強度の均一性を高めることが可能ともなる。ひいては、包装材の使用に際して、手切れ性が得られる方向を別途利用者に提示するという制約を軽減することが可能ともなる。
上記包装材において、前記二軸延伸樹脂フィルムは、前記配向方向でのJIS P8113:2006に準じた引張強度が15N/10mm以上30N/10mm以下であり、前記配向方向と直交する方向でのJIS P8113:2006に準じた引張強度が40N/10mm以上60N/10mm以下であってもよい。
配向方向での紙基材の引張強度は、配向方向と直交する方向での引張強度よりも大きい。この点、上記包装材によれば、二軸延伸樹脂フィルムのなかで比較的に小さい引張強度を示す方向と、紙基材のなかで比較的に大きい引張強度を示す方向とが一致するため、包装材の全体における引張強度の均一性を高めることが可能ともなる。ひいては、包装材の使用に際して、手切れ性が得られる方向を別途利用者に提示するという制約を軽減することが可能ともなる。
上記包装材において、前記紙基材の坪量は、85g/m以下であってもよい。
上記包装材によれば、紙基材の坪量が過剰に大きいことに起因して手切れ性が得られがたくなることが抑えられる。
包装材の一実施形態における断面構造を示す断面図。
以下、包装材の一実施形態について図1を参照して説明する。包装材は、樹脂フィルム11と、粘着層12と、樹脂フィルム11と粘着層12とに挟まれた紙基材13とを備える。
樹脂フィルム11は、含空孔フィルム11Aと中間層11Bとを備える。
含空孔フィルム11Aは、ポリプロピレン系樹脂やポリエステル系樹脂などを主成分とした二軸延伸樹脂フィルムである。ポリプロピレン系樹脂は、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体などである。ポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどである。
含空孔フィルム11Aは、含空孔フィルム11Aの表面と内部とに、粒子11Pが内在する複数の空孔11Hを有する。含空孔フィルム11Aの厚みは、例えば、40μm以上200μm以下である。空孔11Hに存在する粒子11Pの直径は、例えば、0.1μm以上10μm以下であり、0.1μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
含空孔フィルム11Aは、未延伸シートの延伸によって形成される。
未延伸シートは、空孔11Hを発生させるための粒子11Pを含む樹脂を押し出し機から押し出し、押し出し機から押し出された樹脂シートを冷却ロールでの急冷することによって形成される。ガラス転移点以上の温度で送られる未延伸シートは、未延伸シートの送り方向への延伸である縦延伸と、送り方向と直交する方向への延伸である横延伸とを順に施され、すなわち、逐次二軸延伸を施される。これによって、未延伸シートから含空孔フィルム11Aが形成される。
空孔11Hを発生させるための粒子11Pを含む未延伸シートでは、逐次二軸延伸時に、樹脂成分から粒子11Pが剥離し、それによって、粒子11Pの内在する空孔11Hが発生する。空孔11Hを発生させるための粒子11Pは、未延伸シートを構成する樹脂成分に溶解しない成分から構成される。空孔11Hを発生させるための粒子11Pは、無機粒子であってもよいし、有機粒子であってもよい。無機粒子を構成する成分は、例えば、二酸化チタン、二酸化珪素、硫酸バリウム、含水珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウムである。有機粒子は、例えば、ポリアクリレート、ポリありレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリプロピレンである。
含空孔フィルム11Aは、下記[条件1][条件2]を満たす。
[条件1]引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下である。
[条件2]引裂強度が100mN/mm以下である。
なお、引張強度は、JIS P8113:2006に準じた値である。引裂強度は、JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて、試験片に切れ目を入れる工程を行わず、切れ目のない試験片から得られる値である。
含空孔フィルム11Aは、下記[条件3]〜[条件5]を満たすことが好ましい。
[条件3]引裂強度の最小値に対する最大値の比が1.0以上1.2以下である。
[条件4]引裂強度の最大値を示す方向が、紙基材13での繊維の配向方向である。
[条件5]引裂強度の最小値を示す方向が、紙基材13の配向方向と直交する方向である。
なお、含空孔フィルム11Aでの配向方向の引裂強度、および、配向方向と直交する方向の引裂強度のいずれか一方が、引裂強度の最大値であり、他方が引裂強度の最小値である。
中間層11Bは、含空孔フィルム11Aと、紙基材13とを接着するための層である。中間層11Bは、例えば、含空孔フィルム11Aに塗工された樹脂や、含空孔フィルム11Aに塗工された接着剤から構成される。中間層11Bは、例えば、含空孔フィルム11Aと紙基材13との圧着によって、含空孔フィルム11Aと紙基材13とを接着する。
なお、含空孔フィルム11Aと紙基材13とを接着させる方法は、例えば、含空孔フィルム11Aや紙基材13に接着剤を塗布することによって貼合するドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーションを用いることが可能である。含空孔フィルム11Aと紙基材13とを接着させる方法は、加熱ロールの熱圧着で含空孔フィルム11Aと紙基材13とを貼合する加熱ラミネートを用いることも可能である。なお、含空孔フィルム11Aと紙基材13との直接的な圧着によって、含空孔フィルム11Aと紙基材13とが接着可能である場合には、樹脂フィルム11は、中間層11Bを割愛可能であって、樹脂フィルム11は、含空孔フィルム11Aのみから構成されてもよい。
紙基材13は、例えば、上質紙、中質紙、上質コート紙、中質コート紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、白板紙、黄板紙、色板紙、段ボール原紙、これら各種合紙などである。紙基材13の少なくとも一方の面は、疎水化剤によって疎水化されていてもよい。紙基材13は、パルプを含む紙料を抄紙機や手抄きで抄造して形成される。パルプは、広葉樹や針葉樹の木材パルプ、大麻、亜麻、チョ麻、洋麻、マニア麻、サイザル麻などの非木材パルプのいずれであってもよい。
紙基材13は、下記[条件6]を満たす。
[条件6]引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下である。なお、引張強度は、JIS P8113:2006に準じた配向方向での値である。
紙基材13は、下記[条件7]を満たすことが好ましい。
[条件7]坪量が85g/m以下である。
粘着層12は、包装材の適用対象と紙基材13とに粘着する機能を有する。粘着層12には、例えば、天然系や合成系、感圧型や溶剤揮発型などの各種の粘着剤を用いることが可能である。
包装材は、包装材の表面である含空孔フィルム11Aの表面に、塗工層をさらに備えることも可能である。塗料組成物は、無機顔料であってもよいし、有機顔料であってもよい。無機顔料は、クレー顔料、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、硫酸バリウムなどである。有機顔料は、スチレン系プラスチックピグメント、尿素系プラスチックピグメントなどである。含空孔フィルム11Aは、空孔11Hを備えないフィルムと比べて、無機顔料や有機顔料の受容性を高めることが可能でもあるため、包装材における印刷の適性を向上させることが可能ともなる。
[実施例1]
次に、実施例1の包装材について以下に説明する。
含空孔フィルム11Aとして、表面および内部に粒子が内在する二軸延伸ポリプロピレンフィルム(製品名:STS50、ユポコーポレーション株式会社製)を用いた。また、紙基材13として、坪量が40g/mである上質紙を準備した。
含空孔フィルム11Aと、紙基材13との間に、溶融低密度ポリエチレン(ミラソン11P(登録商標)、三井石油化学株式会社製)をスリットダイから押し出し、中間層11Bを介して、含空孔フィルム11Aと紙基材13とを貼合して実施例1の包装材を得た。なお、成膜した中間層11Bの厚みは15μmであった。
次いで、ポリエチレンラミネート剥離紙(セパック(登録商標)、王子タック株式会社製)に、乾燥後の塗工量が17g/mとなるように、粘着剤(製品名:オリバイン(登録商標)BPW6166、トーヨーケーム株式会社製)を塗工して乾燥させた。これによって、剥離紙と粘着層12との積層体である転写体を形成した。
そして、包装材の紙基材13と、転写体の粘着層12とを対向させるように、包装材と転写体とをプレスロールで貼り合せて、それによって、実施例1の包装材を備えた貼着用包装材を形成した。
[実施例2]
次に、実施例2の包装材について以下に説明する。
実施例1の紙基材13を、坪量が55g/mである上質紙に変更し、それ以外の構成を実施例1と同じくして、実施例2の包装材、および、貼着用包装材を形成した。
[実施例3]
次に、実施例3の包装材について以下に説明する。
含空孔フィルム11Aとして、表面および内部に粒子が内在する二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(製品名:STS50、ユポコーポレーション株式会社製)を用いた。二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムの片面に、乾燥後の塗工量が18g/mとなるように、ドライラミネート用接着剤(AD(登録商標)900、東洋モートン株式会社製)を塗工して、実施例3の中間層11Bを形成した。
次いで、ドライラミネート用接着剤からなる塗工面に、坪量が40g/mである上質紙を積層し、それによって、紙基材13を得ると共に、二軸延伸ポリプロピレンフィルムと紙基材13とがドライラミネート用接着剤を挟む、実施例3の包装材を形成した。そして、実施例3での包装材の紙基材13と、実施例1で用いた転写体と同じ転写体の粘着層12とを対向させるように、包装材と転写体とをプレスロールで貼り合せて、それによって、実施例3の貼着用包装材を形成した。
[実施例4]
次に、実施例1の包装材について以下に説明する。
実施例1の包装材の紙基材13側の表面に溶融低密度ポリエチレン(ミラソン11P(登録商標)、三井石油化学株式会社製)をスリットダイから押し出して第二中間層(厚み:15μm)を成膜した。さらに、第二中間層の表面にオンラインでコロナ処理を施して実施例4の包装材を得た。
そして、包装材の第二中間層と、実施例1で用いた転写体と同じ転写体の粘着層12とを対向させるように、包装材と転写体とをプレスロールで貼り合せて、それによって、実施例4の包装材を備えた貼着用包装材を形成した。
[比較例1]
次に、比較例1の包装材について以下に説明する。
実施例1の紙基材13を、坪量が90g/mである上質紙に変更し、それ以外の構成を実施例1と同じくして、比較例1の包装材、および、貼着用包装材を形成した。
[比較例2]
次に、比較例1の包装材について以下に説明する。
含空孔フィルム11Aとして、表面および内部に粒子が内在する二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(製品名:SGS60、ユポコーポレーション株式会社製)を用い、それ以外の構成を実施例1と同じくして、比較例2の包装材、および、貼着用包装材を形成した。比較例2の含空孔フィルム11Aは、各実施例の含空孔フィルム11Aよりも大きい引張強度を有し、また、各実施例の含空孔フィルム11Aよりも大きい引裂強度を有する。
[比較例3]
次に、比較例1の包装材について以下に説明する。
含空孔フィルム11Aとして、表面および内部に粒子が内在する二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(製品名:P2161−20、東洋紡株式会社製)を用い、それ以外の構成を実施例1と同じくして、比較例2の包装材、および、貼着用包装材を形成した。比較例2の含空孔フィルム11Aもまた、各実施例の含空孔フィルム11Aよりも大きい引張強度を有し、また、各実施例の含空孔フィルム11Aよりも大きい引裂強度を有する。
[比較例4]
比較例4の包装材として、表面および内部に粒子が内在する二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(製品名:STS50、ユポコーポレーション株式会社製)を用いた。そして、比較例4の包装材と、実施例1での転写体の粘着層とを対向させるように、二軸延伸ポリプロピレン樹脂フィルムと転写体とをプレスロールで貼り合せて、それによって、比較例4の貼着用包装材を形成した。
[評価]
上記各実施例1〜3、および、各比較例1〜4について、物性値評価と手切れ適性評価とを行った。物性値評価で評価された物性値は、以下の条件に基づく、紙基材の引張強度、含空孔フィルムの引張強度、含空孔フィルムの引裂強度、含空孔フィルムの伸び率、包装材の引裂強度、および、包装材の伸び率である。なお、以下では、紙基材での繊維の配向する方向は、配向方向Dfであり、配向方向Dfと直交する方向は、直交方向Dvである。
[引張強度]
上記各実施例1〜3、および、各比較例1〜4から矩形状の試験片を採取し、JIS P8113:2006に準じた方法によって、引張強度を測定した。また、引っ張り荷重が加えられる前の試験片の長さに対する、破断したときの試験片の長さの比率として、伸び率を算出した。各実施例1〜3、および、各比較例1〜4の紙基材の引張強度、含空孔フィルムの引張強度、含空孔フィルムの伸び率を表1に示す。また、包装材の伸び率を表2に示す。
試験片長さ :150mm
チャック間距離:100mm
試験片幅 :15mm
測定機器 :オートグラフ(島津製作所株式会社製)
測定方向 :配向方向Df、および、直交方向Dv
[引裂試験]
二軸に延伸された樹脂フィルムの引裂強度は、通常、紙基材13の引裂強度と比べて小さい。そのため、紙基材13の引裂強度の試験に用いられるJIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法では、通常、二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度を測定することがほぼ不可能である。一方、二軸延伸樹脂フィルムの引裂強度が過剰に大きいことは、含空孔フィルム11Aが[条件1]を満たすとしても、包装材の手切れ性を高めることに対しては、大きな障害となる。
そこで、上記各実施例1〜3、および、各比較例1〜4から矩形状の試験片を採取し、含空孔フィルムの引裂強度、および、包装材の引裂強度として、JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて切れ目を入れない場合の引裂強度を測定した。各実施例1〜3、および、各比較例1〜4の含空孔フィルムの引裂強度を表1に示し、包装材の引裂強度を表2に示す。
試験片長さ :63mm
試験片幅 :50mm
試験片固定長さ:5mm
測定機器 :エレメンドルフ引裂試験機(東西精器株式会社製)
測定方向 :配向方向Df、および、直交方向Dv
[手切れ評価]
上記各実施例1〜3、および、各比較例1〜4から矩形状の試験片を採取し、試験片を手で引き裂くことが可能であるか否かを、配向方向Dfと直交方向Dvとについて別々に評価した。包装材の手切れ評価の結果を表2に示す。なお、配向方向Dfと直交方向Dvとの両方について手で容易に引き裂くことが可能であった試験片に「○」印を示す。また、配向方向Dfおよび直交方向Dvの少なくとも一方について、手で引き裂けるものの引き裂ける長さが試験片の全長に達しないもの、手で引き裂けるものの試験片が契れてしまうもの、手で引き裂くことが不可能であったもの、これらの試験片に「×」印を示した。
試験片長さ:50mm
試験片幅 :50mm
[リワーク性評価]
上記各実施例1〜3、および、各比較例1〜4から50mm×50mmの試験片を採取し、100μmの厚みを有した市販のPETフィルムに各試験片の粘着層を貼合して、2kgの荷重を1往復で加えてこれらを圧着する。各試験片の粘着層とPETフィルムとを10分後に手で剥がして、各試験片の状態を目視で確認した。表2では、非常に速い速度で剥がしてもきれいに剥れ、リワーク性が非常に優れていることが認められた試験片を「◎」印で示す。また、通常の速度で剥がせばきれいに剥れ、実用上問題ないことが認められた試験片を「○」印で示す。また、きれいに剥がれず、PETフィルムに試験片が残り、実用上問題があることが認められた試験片を「×」印で示す。
Figure 2019014478
Figure 2019014478
表1が示すように、実施例1〜4、および、比較例2,3においては、紙基材の引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であることが認められた。一方、比較例1の紙基材では、72N/10mmという高い引張強度が認められた。
実施例1〜4、および、比較例1,3,4においては、含空孔フィルム11Aの引張強度が[条件1]を満たすことが認められた。一方、比較例2の含空孔フィルム11Aでは、配向方向Dfおよび直交方向Dvの両方で、他の水準よりも大きい引張強度が認められ、特に、直交方向Dvでは、[条件1]を満たさない98N/10mmの引張強度が認められた。
実施例1〜4、および、比較例1,4においては、含空孔フィルム11Aの引裂強度が[条件2]〜[条件4]を満たすことが認められた。一方、比較例2,3の含空孔フィルム11Aでは、他の水準よりも大きい引裂強度が認められ、特に、比較例2の両方向、および、比較例3の直交方向Dvでは、[条件2]を満たさない100mN/10mmを越える引裂強度が認められた。
実施例1〜4、および、比較例1〜4のいずれにおいても、含空孔フィルム11Aの伸び率は、直交方向Dvよりも配向方向Dfで大きいことが認められた。なお、全ての水準のなかで、実施例1〜4、および、比較例1,2,4は、比較例3と比べて小さい伸び率であることが認められた。
表2が示すように、実施例1〜4の包装材での引裂強度は、配向方向Df、および、直交方向Dvの両方において、いずれの比較例よりも小さいことが認められ、[条件1]〜[条件4]を満たすことによって、良好な手切れ性を得られることが認められた。
一方、比較例1,2の包装材は、実施例1〜4と同程度の伸び率を有するが、実施例1〜4よりも大きい引裂強度を有し、その結果、良好な手切れ性を得られないことが認められた。また、比較例3の包装材は、実施例1〜4よりも大きい伸び率を有し、かつ、実施例1〜4よりも大きい引裂強度を配向方向Dfで有し、その結果、良好な手切れ性を得られないことが認められた。また、比較例4の包装材は、実施例1〜4よりも小さい引裂強度を有する一方で、実施例1〜4よりも非常に大きい伸び率を有し、その結果、良好な手切れ性を得られないことが認められた。
実施例1〜4、および、比較例1〜4のいずれにおいても、実用上問題ないリワーク性が認められた。特に、実施例4、および、比較例4に関しては、非常に速い速度で剥がしてもPETフィルムがきれいに剥れ、リワーク性が非常に優れていることが認められた。
以上、上記実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)含空孔フィルム11Aの表面と内部とに空孔11Hが存在するため、包装材の手切れ性を高めることが可能となる。
(2)紙基材13の引張強度は、紙基材13の配向方向において、15N/10mm以上60N/10mm以下である。そして、含空孔フィルム11Aの引張強度もまた、紙基材13と同じく、15N/10mm以上60N/10mm以下である。それゆえに、含空孔フィルム11Aが伸びやすいことに起因した手切れ性の低下を抑えられる。
(3)JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて切れ目を入れない場合の引裂強度が、含空孔フィルム11Aにおいて100mN/mm以下である。すなわち、引張強度に関する[条件1]と、引裂強度に関する[条件2]との両方を満たすため、より確実に手切れ性を高めることが可能ともなる。
(4)含空孔フィルム11Aの面内方向において、引裂強度の最小値に対する最大値の比が1.0以上1.2以下である場合には、含空孔フィルム11Aでの引裂強度のばらつきが抑えられる。すなわち、上記[条件3]を満たす構成であれば、含空孔フィルム11Aの引裂強度のばらつきに起因した手切れ性のばらつきを抑えることが可能となる。ひいては、包装材の使用に際して、手切れ性が得られる方向を別途利用者に提示するという制約を軽減することが可能ともなる。
(5)含空孔フィルム11Aの面内方向において、引裂強度の最大値を示す方向は、紙基材13での配向方向であり、引裂方向の最小値を示す方向は、紙基材13での配向方向と直交する方向である。すなわち、[条件4][条件5]を満たす構成であれば、含空孔フィルム11Aの引裂強度の最小値を示す方向と、紙基材13のなかで比較的に大きい引裂強度を示す方向とが一致するため、包装材の全体における引裂強度の均一性を高めることが可能ともなる。これによっても、包装材の使用に際して、手切れ性が得られる方向を別途利用者に提示するという制約を軽減することが可能ともなる。
(6)含空孔フィルム11Aは、配向方向でのJIS P8113:2006に準じた引張強度が15N/10mm以上30N/10mm以下であり、配向方向と直交する方向でのJIS P8113:2006に準じた引張強度が40N/10mm以上60N/10mm以下である。配向方向での紙基材13の引張強度は、通常、配向方向と直交する方向での引張強度よりも大きい。この点、上記構成によれば、含空孔フィルム11Aのなかで比較的に小さい引張強度を示す方向と、紙基材13のなかで比較的に大きい引張強度を示す方向とが一致するため、包装材の全体における引張強度の均一性を高めることが可能ともなる。これによっても、包装材の使用に際して、手切れ性が得られる方向を別途利用者に提示するという制約を軽減することが可能ともなる。
(7)包装材が紙基材13のみから構成される場合と比べて、含空孔フィルム11Aをさらに備えるため、包装材に求められる強度における紙基材13の依存度を抑えられる。そして、含空孔フィルム11Aの強度を包装材が別途備える分だけ、紙基材13が水分を吸収したとしても、包装材での強度の低下を抑えられる。結果として、冷蔵商品の個別パッケージや、冷凍商品の個別パッケージをまとめるマルチパック用包装材として適している。
(8)紙基材13の坪量が85g/m以下である構成であれば、紙基材13の坪量が過剰に大きいことに起因して手切れ性が得られがたくなることが抑えられる。
(9)含空孔フィルム11Aは、表面と内部とに空孔11Hを有する。この含空孔フィルム11Aが包装材の表面を構成するため、包装材の表面での無機顔料や有機顔料の受容性を高めることが可能である。そのため、包装材における印刷の適性を向上させることが可能ともなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・含空孔フィルム11Aは、印刷の適性を向上させることを目的として、含空孔フィルム11Aの表面に対して、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理などの各種の表面処理を適用することも可能である。なお、上記(9)に準じた効果によって、十分な印刷の適性を得られている場合には、これら各種の表面処理を割愛することが可能でもある。
11…樹脂フィルム、11A…含空孔フィルム、11B…中間層、11H…空孔、11P…粒子、12…粘着層、13…紙基材。

Claims (5)

  1. 紙基材と、
    前記紙基材に接着された二軸延伸樹脂フィルムと、
    を備える包装材であって、
    前記紙基材は、
    JIS P8113:2006に準じた繊維の配向方向での引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であり、
    前記二軸延伸樹脂フィルムは、
    表面と内部とに空孔を有し、JIS P8113:2006に準じた引張強度が15N/10mm以上60N/10mm以下であり、かつ、
    JIS P8116:2000のエルメンドルフ形引裂試験機法にて切れ目を入れない場合の引裂強度が100mN/mm以下である
    包装材。
  2. 前記二軸延伸樹脂フィルムの面内方向のなかで、前記配向方向を含む相互に直交する2つの方向において、前記引裂強度の最小値に対する前記引裂強度の最大値の比が1.0以上1.2以下である
    請求項1に記載の包装材。
  3. 前記最大値は、前記配向方向での引裂強度であり、
    前記最小値は、前記配向方向と直交する方向での引裂強度である
    請求項2に記載の包装材。
  4. 前記二軸延伸樹脂フィルムは、
    前記配向方向でのJIS P8113:2006に準じた引張強度が15N/10mm以上30N/10mm以下であり、
    前記配向方向と直交する方向でのJIS P8113:2006に準じた引張強度が40N/10mm以上60N/10mm以下である
    請求項1から3のいずれか一項に記載の包装材。
  5. 前記紙基材の坪量は、85g/m以下である
    請求項1から4のいずれか一項に記載の包装材。
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