JP2019014250A - インクおよび湿潤剤を用いて吸収性の被印刷材料に印刷を施す方法 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、インクおよび湿潤剤を用いて吸収性の被印刷材料に印刷を施す方法に関する。
【解決手段】水によって生じる、吸収性の被印刷材料の波打ちが低減または回避される。方法は、被印刷材料の表面に印刷されるべき像を提供するステップ、像の、ｎ個の異なる色分解行列を計算するステップ、これらの色分解行列から、ｎ個のインク量行列Ａ_ｎを計算するステップ、全体インク量行列Ａを計算するステップ、全体インク量行列の各要素に対する、Ｂ＝Ｇ×Ａで、提供された重み付け行列Ｇで、行列Ｂを計算するステップと、行列Ｂの極大値を特定するステップ、湿潤剤量行列Ｃを計算するステップ、湿潤剤量行列から、被印刷材料の表面に印刷されるべき湿潤剤像を計算するステップ、インク像の色分解行列をラスタライズするステップ、湿潤剤像をラスタライズするステップ、インク像を印刷するステップおよび湿潤剤像を印刷するステップを有する。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の上位概念に記載された特徴を有する方法に関する。

本発明は、グラフィック産業の技術分野にあり、当該技術分野において、特に平らな基材上の産業用インク印刷（インクジェット）の領域にあり、すなわち、有利には紙、厚紙またはプラスチックから成る、シート状またはウェブ状の被印刷材料上の液体インクの塗布の領域にある。

液体インクの塗布は、既知のＤＯＤ（ｄｒｏｐ−ｏｎ−ｄｅｍａｎｄ）インク印刷方法において、印刷像を、平らな被印刷材料上に作成することによって行われる。ここで、個々に駆動制御可能な複数のノズル開口部を備えるインク用印刷ヘッド（略してヘッド）は、印刷されるべき像に相応して、有利にはピコリットル範囲にある極めて小さいインク滴を作成し、このインク滴を、ドットとして、被印刷材料上に非接触に移す。

いわゆる水性インクの印刷時には、液体インクは、着色剤、特に顔料を受け入れるための一定の割合の水を含んでいる。この着色剤は、インク用印刷ヘッドによって作成された滴によって、被印刷材料上に移される。この際に同様に移される水は、これに続いて、再び、有利には熱による乾燥によって被印刷材料から除去される。

水性インクの印刷時には、特に薄い基材に印刷を施す場合、被印刷材料上に移された水が原因で、被印刷材料が不所望に波打ってしまうことがある（いわゆるコックリング）。このような作用は、水の不均一な転移によって強くなることがあり、例えば印刷される箇所での水の転移が多く、印刷されない箇所での水の転移が少ない、または印刷されない箇所で水の転移が行われない場合に強くなることがある。このような場合に、印刷領域の縁部での波打ちが強くなり得る。

このような問題の解決策は、基材の全ての非印刷領域を湿らすことにあると捉えることができる。しかしこれによって、非常に多くの湿気が基材上に移され、これによって、基材の後の乾燥が困難になってしまい、特に、乾燥のために必要なエネルギーが多くなってしまうことがある。湿らすための透明なインクが使用されるならば、これと同時に、印刷コストが著しく上昇してしまうだろう。

独国特許出願公開第１０２０１００６０４０９号明細書（DE 10 2010 060 409 A1)は、含水インキによる印刷の際に、被印刷材料の波打ちを低減する方法を開示している。ここではインク用印刷ヘッドと、透明な、含水液のための印刷ヘッドとが使用される。インクおよび液体の転移は、印刷領域と非印刷部分領域との間の湿度の差が低減されるように行われる。部分領域とさらなる部分領域にわたった、印刷領域から段階的に低減する湿度移行も実現され得る。このような段階にもかかわらず、顧客によって要求される高い印刷の質を害する波打ちは、低減はされているが、発生してしまうことがある。

米国特許出願公開第２００９／０２５６８９６号明細書（US 2009/0256896 A1）も、類似の解決策もしくは移されるべき液体の量の制御のためのいわゆるコントローラを開示している。しかし、この量がどのように制御されるのかは詳しくは説明されていない。相応のことが米国特許第９１９３１７７号明細書（US 9,193,177 B1）に当てはまる。

したがって本発明の課題は、産業的に作成される印刷製品への高い質の要求および極めて高い質の要求を満たすために、水性インクの印刷時の不所望な波打ちをさらに低減させることができる、従来技術に比べて改善された方法を提供することである。

上述の課題は本発明に従って、請求項１記載の方法によって解決される。

本発明の有利な発展形態は従属請求項ならびに明細書および図面から明らかである。

本発明は、インクおよび湿潤剤を用いて吸収性の被印刷材料に印刷を施す方法に関し、ここでインクならびに湿潤剤は水を溶媒として含んでおり、かつ湿潤剤は無色であり、少なくとも２つのインク用印刷ヘッドと少なくとも１つの湿潤剤用印刷ヘッドとを備えるインク印刷機を提供し、少なくとも２つのインク用印刷ヘッドは印刷されるべきインク像を被印刷材料の表面に移し、少なくとも１つの湿潤剤用印刷ヘッドは印刷されるべき、特にインク像を囲んでいる湿潤剤像を被印刷材料の表面に移し、これによって、水によって生じる、吸収性の被印刷材料の波打ちが低減され、または回避され、計算機を提供する。この方法は以下の特徴的なステップ、すなわち、被印刷材料の表面に印刷されるべき像を、特にＲＧＢ像として提供するステップ、ｎ∈自然数Ｎかつｎ≧２で、この像の、ｎ個の異なる色分解行列を計算するステップ、この像の、ｎ個の異なる色分解行列から、ｎ個のインク量行列Ａ_ｎを計算するステップ、Ａ＝Ａ_１＋Ａ_２＋．．．＋Ａ_ｎである全体インク量行列Ａを計算するステップ、全体インク量行列Ａの各要素Ａ（ｉ，ｊ）に対する、Ｂ_ｉ，ｊ＝Ｇ×Ａで、すなわち全体インク量行列Ａを、提供された重み付け行列Ｇと乗算することによって行列Ｂ_ｉ，ｊを計算するステップと、行列Ｂの極大値ＭａｘＢ_ｉ，ｊを特定するステップ、Ｃ（ｉ，ｊ）＝ＭａｘＢ_ｉ，ｊ−Ａ（ｉ，ｊ）である湿潤剤量行列Ｃを計算するステップ、湿潤剤量行列Ｃから、被印刷材料の表面に印刷されるべき湿潤剤像を計算するステップ、ラスタ・イメージ・プロセッサを用いてインク像の色分解行列をラスタライズするステップ、ラスタ・イメージ・プロセッサを用いて湿潤剤像をラスタライズするステップ、インク像を印刷するステップおよび湿潤剤像を印刷するステップを有する。

本発明は、有利には水性インクの印刷時の不所望な波打ちをさらに低減させることができ、これによって産業的に作成される印刷製品への高い質の要求および極めて高い質の要求を満たすことができる。

有利には、この方法に従って、被印刷材料の全面が湿らされるのではなく、印刷像の周囲の選択された縁部領域だけが濡らされてよい。すなわち、湿潤剤を節約することができ、これによって（湿潤剤消費および乾燥の）コストを下げることができる。さらに有利には、湿潤剤は粗く段階的に移されるのではなく、連続的にまたはほぼ連続的に、すなわち細かく（像縁部から離れる方向で）減量しながら移されてよく、例えば、勾配等の形態で移されてよい。湿潤剤像における湿潤剤の転移を、有利には空間分解して、インク像に隣接する箇所でインク内に存在している水の量に合わせることもでき、これによって、スムーズな移行が得られる。さらなる利点は、本発明に相応して、ノイズと認識され得るコックリング無く、薄い紙にも、印刷が施され得るということであり、さらに、インクジェット印刷用に特別に用意および加工、例えばコーティングがされたのではない紙、例えばオフセット印刷用の安価な紙にも印刷が施され得るということである。

湿潤剤像の計算は本発明では、色分解行列の計算のステップとラスタライズとの間で行われる。その前またはその後の、湿潤剤像の計算は不可能であろう。なぜなら、ここでは、どのくらいのインク量が（個々でおよび全体で）インク像のどの箇所に存在しているのか確定していないからである。

本発明の有利な発展形態は、像の色分解行列がＣＭＹＫ行列として、またはＣＭＹＫＯＧＶ行列として計算されるという特徴を有していてよい。Ｋ、すなわちブラックに対する色分解は、特にテキストが印刷される場合には、この方法において除外することも可能である。なぜなら場合によっては、ラスタライズが必要ないからである。

本発明の有利な発展形態は、インク量行列Ａが、強度または光学密度と層厚との間の提供された関連性Ｔ_１を用いて、特にＴｏｌｌｅｎａａｒ曲線を用いて計算されるという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、全体インク量行列Ａが、ｎ個のインク量行列Ａ_ｎの各重み付けｇｌ_ｎを考慮して計算されるという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、重み付け行列Ｇが、自身の要素Ｇ（ｉ，ｊ）の値の経過に関して、中央において円錐形であり、かつ縁部が値０で満たされている行列として提供されるという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、湿潤剤量行列Ｃが、ＭａｘＢ_ｉ，ｊの要素およびＡ（ｉ，ｊ）の重み付けｇ２を考慮して、湿潤剤およびインクの各含水量に相応して計算されるという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、湿潤剤像が、強度と層厚との間の提供された関連性Ｔ_２を用いて、特にＴｏｌｌｅｎａａｒ曲線またはその反形曲線を用いて計算されるという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、提供、計算および特定の、本発明の方法の特徴的なステップを、さらなる、被印刷材料の裏面に印刷されるべき像に対して実行すること、表面のインク像の値または湿潤剤像の値を、裏面のインク像または湿潤剤像の、裏面で対応する値と、被印刷材料の、印刷が施されるべき各箇所で比較し、この比較から得られた、一方の像の、大きい方の値を、対応する他方の像に移すという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、湿潤剤用印刷ヘッドの印刷分解能が、インク用印刷ヘッドの印刷分解能よりも低いという特徴を有していてよい。

本発明の有利な発展形態は、計算、特定および比較のステップを実行するための計算機が提供されるという特徴を有していてよい。

本発明および本発明の有利な発展形態を以下で、図面を参照して、有利な実施例に基づいて詳細に説明する。

図１ａは本発明の方法の第１の部分の有利な実施例、図１ｂは本発明の方法の第２の部分の有利な実施例 インク量行列Ａの有利な実施例 重み付け行列Ｇの有利な実施例 全体インク量行列Ｂの有利な実施例 湿潤剤量行列Ｃの有利な実施例

図１ａおよび図１ｂは、ステップ１から１５に従って、本発明の方法の有利な実施例を示している。個々のステップを、以降で、さらなる図２から図５も参考にして詳細に説明する。

ステップ１では、吸収性の被印刷材料、有利には紙、厚紙、板紙またはその他の天然繊維を含有している材料の面に印刷を施す少なくとも２つ、有利には４つまたは７つのインク用印刷ヘッドと、少なくとも１つの湿潤剤用印刷ヘッドと、を備えるインク印刷機が提供される。裏面に印刷を施すため、かつ裏面を湿らすために、自由選択的に、さらなるヘッドが設けられていてよい。印刷に用いられるべきインクも、印刷に用いられるべき湿潤剤も、水を溶媒として含んでおり、かつ湿潤剤は実質的に無色である、もしくは透明である。少なくとも２つのインク用印刷ヘッドによって、印刷されるべき多色のインク像が被印刷材料の表面に移される。少なくとも１つの湿潤剤用印刷ヘッドによって、相応に、印刷されるべき湿潤剤像が被印刷材料の表面に移される。湿潤剤のこの転移によって、吸収性の被印刷材料の、水によって生じる波打ちが低減されるまたは回避される。

ステップ２では、計算機が提供される。この計算機は特に、以降に挙げるステップのうちの幾つか、特に、計算、特定または比較のステップを実行するために用いられる。この計算機は有利には機械制御部の一部であり、データ、特に行列を格納するための記憶装置を有している。

ステップ３では、被印刷材料の表面に印刷されるべき像が提供される。この像は、特に二色または多色の像、例えば、いわゆるビットマップとして提供され得るＲＧＢ像である。この像は、行列として計算機内に格納されていてよい、または計算機に供給されてよい。この像は、ここで、印刷されるべきもしくは作成されるべき印刷タスクに相当する。すなわち、（光学的に）認識されるべき（被印刷材料上の）物理的な印刷像に相当する。

ステップ４では、提供された像の色分解が行われる。ここでは像の、ｎ個の異なる色分解行列が計算される。ここでｎ∈自然数Ｎかつｎ≧２である。像の色分解行列は、ＣＭＹＫ行列としてまたはＣＭＹＫＯＧＶ行列（シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、オレンジ、グリーン、バイオレット）として計算されてよい。したがって最初に挙げた場合には、４つの行列が計算されるだろう。各行列はこの場合、４つの色分解Ｃ、Ｍ、ＹまたはＫのうちの１つに相当するだろう。これらの色分解行列はここで、多色印刷の印刷されるべき色分解版に相当する。これらは重なって印刷されて、印刷タスクを形成する。

ステップ５ａでは、色分解行列の各要素の強度または光学密度と、これに対応する層厚もしくはインク量と、の間の関連性Ｔ_１が提供される。この関連性Ｔ_１は一般的に、関数方程式または離散的な共役として提供されてよい。この関連性Ｔ_１は特に、いわゆるＴｏｌｌｅｎａａｒ曲線の形態で提供されてよい。この関連性Ｔ_１は、全てのインクもしくは色に対して共通に提供されても、または各インクもしくは色に対して別個に提供されてもよい（Ｔ_１ｎ）。したがって、色分解行列の個々の要素の提供された関連性Ｔ_１（強度値または光学密度値）を用いて、ステップ５ｂに即した計算を行うことができる。ここでは、像のｎ個の異なる色分解行列から、相応する多数のインク量行列Ａ_ｎが計算される。したがってこれらのインク量行列は要素として、作成されるべき層厚もしくはこのために必要なインク量の値を含んでおり、色分解行列のように、強度または光学密度の値を含んでいない。インク量行列はここで、作成されるべき印刷タスクに対して、被印刷材料上に移されるべき、各印刷色のインク量に相当する。

ステップ６では、事前に計算された複数のインク量行列Ａ_ｎから、１つの全体インク量行列Ａが計算される。これは有利には、複数の行列Ａ_ｎにわたった総和形成によって計算可能であり、すなわちＡ＝Ａ_１＋Ａ_２＋．．．＋Ａ_ｎである。この計算は、自由選択的に、各インク量行列のＡ_ｎの各重み付けｇｌ_ｎを考慮して計算されてよい。例示的な全体インク量行列Ａが、図２の上半分に示されている（行ｉおよび列ｊもしくは要素（ｉ，ｊ）を有する行列）。図２の下半分には、同じ行列がグラフで示されている。ここでは図示された線は、同じ絶対値を有する行列の値を示している（この行列に相当する「山地」における「等高線」に相当する）。全体インク量行列はここで、印刷タスクを作成するための、被印刷材料上での全体インク量の分布、すなわち印刷が施される被印刷材料の各箇所での全体インク量に相当する。

ステップ７ａでは、重み付け行列Ｇが提供される。図３では、このような行列Ｇが例示されている。この行列が実質的に円錐状の構造を有していることが見て取れる。すなわち、行列要素（ｉ，ｊ）の値の絶対値の経過は、この行列Ｇの中央において円錐状である。円錐の頂上部はここで、この行列の中央に位置する。縁部では、この行列Ｇは、値０で満たされている。別の経過も可能ではあるが、試験において、このような円錐状の経過が特に有利であることが判明している。ステップ７ｂでは、行列Ｂが計算される。このような行列Ｂは図４に示されている。この計算はここで、以下のように行われる。すなわち、全体インク量行列Ａの各値Ａ（ｉ，ｊ）に対して、各行列Ｂ_ｉ，ｊが、全体インク量行列Ａと、提供され、Ａ（ｉ，ｊ）でセンタリングされた（すなわちその中央で配置された、特に円錐の頂上部で配置された）重み付け行列Ｇと、の乗算によって計算される。この計算は、行列のコンボリューションとして行われてよい。このような各行列Ｂ_ｉ，ｊに対して、ステップ７ｃでは、各行列Ｂ_ｉ，ｊの全ての要素の極大値ＭａｘＢ_ｉ，ｊが特定される。

ステップ８では、湿潤剤量行列Ｃが計算される。ここでは行列Ｃの各要素（ｉ，ｊ）が、極大値ＭａｘＢ_ｉ，ｊと、行列Ａの値（ｉ，ｊ）と、の差から得られる。すなわち、Ｃ（ｉ，ｊ）＝ＭａｘＢ_ｉ，ｊ−Ａ（ｉ，ｊ）である。ＭａｘＢ_ｉ，ｊおよびＡ（ｉ，ｊ）の値はここで、重み付けされてよい。すなわち、上述した差形成の際に、係数ｇ２で重み付けが行われてよい。この重み付けｇ２の値はここで、湿潤剤およびインクの各含水量に相応して選択されてよい。ここで湿潤剤量行列Ｃは、移されるべき全体インク量に（被印刷材料の波打ちの低減または回避に関して）本発明に相応して整合されて被印刷材料上に移されるべき湿潤剤量に相当する。

ステップ９ａでは、強度と層厚（もしくは湿潤剤量）との間の関連性Ｔ_２が提供される。この関連性Ｔ_２は一般的に、関数方程式または離散的な共役として提供されてよい。関連性Ｔ_２は特に、いわゆるＴｏｌｌｅｎａａｒ曲線の形態で提供されてよい。関連性Ｔ_２は、湿潤剤に対して提供され、すなわち関連性Ｔ_２は、関連性Ｔ_１（もしくはＴ_１ｎ）とは異なっていてよい。次にステップ９ｂにおいて、被印刷材料の表面に印刷されるべき湿潤剤像が、湿潤剤量行列Ｃから計算される。湿潤剤像のこの計算は、提供された関連性Ｔ_２を用いて行われてよい。この湿潤剤像もしくは用語「像」は、ここで、（印刷）像に相応するものとして理解されるべきである。すなわち、この像が無色である場合でも、移されるべき液体に対する強度値の（ｉ，ｊ）分布である。

被印刷材料の表面のみに印刷が施される場合、この方法はステップ１２でさらに続けられる。しかし、被印刷材料の裏面にも印刷が施されるべき場合にはステップ２から９ｂが相応に、裏面に被着されるべき印刷像に対して実行される。被印刷材料の両面に印刷が施される場合には、さらに、ステップ１１が実行される。ここでは、表面のインク像の値または湿潤剤像の値が、裏面のインク像または湿潤剤像の、裏面で対応する値と、被印刷材料の、各印刷が施されるべき箇所で比較される。この比較から得られた、２つの値のうちの大きい方の値が、一方の像から対応する他方の像に移される。

ステップ１２では、インク像の色分解行列が、ラスタ・イメージ・プロセッサを用いてラスタライズされる。ステップ１３では、湿潤剤像が同様に、ラスタ・イメージ・プロセッサを用いてラスタライズされる。被印刷材料が両面印刷される場合には、これらのラスタライズステップが、被印刷材料の表面に対しても裏面に対しても実行される。

ステップ１４では、インク像が被印刷材料の表面に印刷される。相応のことが、両面印刷の場合に、被印刷材料の裏面に対して行われる。

ステップ１５では、湿潤剤像が、被印刷材料の表面に印刷される。同様に、被印刷材料に両面印刷が施される場合には、相応することが、被印刷材料の裏面に対して行われる。

１ 印刷ヘッドを備える印刷機の提供
２ 計算機の提供
３ 像の提供
４ 色分解行列の計算
５ａ 関連性Ｔ_１の提供
５ｂ インク量行列の計算
６ 全体インク量行列Ａの計算
７ａ 重み付け行列Ｇの提供
７ｂ 行列Ｂの計算
７ｃ 極大値ＭａｘＢ_ｉ，ｊの特定
８ 湿潤剤量行列Ｃの計算
９ａ 関連性Ｔ_２の提供
９ｂ 湿潤剤像の計算
１０ 判断
１１ 比較および転移
１２ 色分解行列のラスタライズ
１３ 湿潤剤像のラスタライズ
１４ インク像の印刷
１５ 湿潤剤像の印刷

Claims (10)

1. インクおよび湿潤剤を用いて吸収性の被印刷材料に印刷を施す方法であって、
   ・前記インクならびに前記湿潤剤は、水を溶媒として含んでおり、かつ前記湿潤剤は無色であり、
   ・少なくとも２つのインク用印刷ヘッドと少なくとも１つの湿潤剤用印刷ヘッドとを備えるインク印刷機を提供し（１）、
   ・前記少なくとも２つのインク用印刷ヘッドは、印刷されるべきインク像を前記被印刷材料の表面に移し、前記少なくとも１つの湿潤剤用印刷ヘッドは、印刷されるべき、特に前記インク像を囲んでいる湿潤剤像を前記被印刷材料の表面に移し、これによって、水によって生じる、前記吸収性の被印刷材料の波打ちが低減され、または回避され、
   ・計算機を提供し（２）、
   前記方法は以下の特徴的なステップ、すなわち、
   ・前記被印刷材料の表面に印刷されるべき像を、特にＲＧＢ像として提供するステップ（３）と、
   ・ｎ∈自然数Ｎかつｎ≧２で、前記像の、ｎ個の異なる色分解行列を計算するステップ（４）と、
   ・前記像の、前記ｎ個の異なる色分解行列から、ｎ個のインク量行列Ａ_ｎを計算するステップ（５ｂ）と、
   ・Ａ＝Ａ_１＋Ａ_２＋．．．＋Ａ_ｎである全体インク量行列Ａを計算するステップ（６）と、
   ・前記全体インク量行列Ａの各要素Ａ（ｉ，ｊ）に対する、Ｂ_ｉ，ｊ＝Ｇ×Ａで、すなわち前記全体インク量行列Ａを、提供された（７ａ）重み付け行列Ｇと乗算することによって行列Ｂ_ｉ，ｊを計算するステップ（７ｂ）と、前記行列Ｂの極大値ＭａｘＢ_ｉ，ｊを特定するステップ（７ｃ）と、
   ・Ｃ（ｉ，ｊ）＝ＭａｘＢ_ｉ，ｊ−Ａ（ｉ，ｊ）である湿潤剤量行列Ｃを計算するステップ（８）と、
   ・前記湿潤剤量行列Ｃから、前記被印刷材料の表面に印刷されるべき前記湿潤剤像を計算するステップ（９ｂ）と、
   ・ラスタ・イメージ・プロセッサを用いて前記インク像の色分解行列をラスタライズするステップ（１２）と、
   ・前記ラスタ・イメージ・プロセッサを用いて前記湿潤剤像をラスタライズするステップ（１３）と、
   ・前記インク像を印刷するステップ（１４）と、
   ・前記湿潤剤像を印刷するステップ（１５）と、
   を有する方法。
2. 前記像の色分解行列をＣＭＹＫ行列として、またはＣＭＹＫＯＧＶ行列として計算する（４）、
   請求項１記載の方法。
3. 前記インク量行列Ａ_ｎを、強度または光学密度と層厚との間の提供された（５ａ）関連性Ｔ_１を用いて、特にＴｏｌｌｅｎａａｒ曲線を用いて計算する（５ｂ）、
   請求項１または２記載の方法。
4. 前記全体インク量行列Ａを、前記ｎ個のインク量行列Ａ_ｎの各重み付けｇｌ_ｎを考慮して計算する（６）、
   請求項１から３までのいずれか１項記載の方法。
5. 前記重み付け行列Ｇを、自身の要素Ｇ（ｉ，ｊ）の値の経過に関して、中央において円錐形であり、かつ縁部が値０で満たされている行列として提供する（７ａ）、
   請求項１から４までのいずれか１項記載の方法。
6. 前記湿潤剤量行列Ｃを、ＭａｘＢ_ｉ，ｊの要素およびＡ（ｉ，ｊ）の重み付けｇ２を考慮して、前記湿潤剤および前記インクの各含水量に相応して計算する（８）、
   請求項１から５までのいずれか１項記載の方法。
7. 前記湿潤剤像を、強度と層厚との間の提供された（９ａ）関連性Ｔ_２を用いて、特にＴｏｌｌｅｎａａｒ曲線またはその反形曲線を用いて計算する（９ｂ）、
   請求項１から６までのいずれか１項記載の方法。
8. 請求項１の前記提供、計算および特定の特徴的なステップを、さらなる、前記被印刷材料の裏面に印刷されるべき像に対して実行するステップ、前記表面の前記インク像の値または前記湿潤剤像の値を、前記裏面の前記インク像または前記湿潤剤像の、裏面で対応する値と、前記被印刷材料の、印刷が施されるべき各箇所で比較するステップ（１１）および前記比較から得られた、一方の像の、大きい方の値を、対応する他方の像に移すステップ（１１）を有している、
   請求項１から７までのいずれか１項記載の方法。
9. 前記湿潤剤用印刷ヘッドの印刷分解能は、前記インク用印刷ヘッドの印刷分解能よりも低い、
   請求項１から８までのいずれか１項記載の方法。
10. 前記計算、特定および比較のステップを実行するための計算機を提供する（２）、
    請求項１から９までのいずれか１項記載の方法。

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