JP2019013208A - オリゴ糖の製造方法およびその組成物の作用。 - Google Patents

オリゴ糖の製造方法およびその組成物の作用。 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、α‐ガラクトオリゴ糖含有組成物を簡便かつ安価に市場へ供給すること。
【解決手段】 シソ科植物チョロギから得られる抽出液に対し、インベルターゼおよび酵母を作用させることで、スタキオースをマンニノトリオースに変換し、その含有率を増加させる。併せて、チョロギから得られるマンニノトリオース含有組成物に有用な作用を見出した為、皮膚外用剤または健康食品に使用することができる。
【選択図】なし

Description

シソ科植物から得られる抽出液から酵素処理及び発酵処理により、α‐ガラクトオリゴ糖あるいはその組成物を得る事を特徴とする、オリゴ糖の製造方法およびその作用に関するものである。
近年、食生活・社会生活が多様化するに従い、消費者の化粧品、化粧品原料、食品、食品原料等への関心が高まっている。その中でもラフィノースやメリビオースなどに代表される、末端にα‐ガラクトシル結合を有するオリゴ糖、すなわちα‐ガラクトオリゴ糖に、腸内細菌叢を改善する等の機能を有する事が認められ、飲食品、医薬品、香粧品等、あるいはその原料として注目されている。最近ではいくつかのα‐ガラクトオリゴ糖に、免疫賦活作用やアトピー性皮膚炎に対する効果が報告されている。
これらのα‐ガラクトオリゴ糖は、豆類、ナタネ、ゴマ、綿実など植物の種子、キュウリやメロンなどウリ科植物の他、さとうきび、蜂蜜、キャベツ、じゃがいも、ぶどう、麦類、トウモロコシなど天然に広く分布しているが、植物中の存在比率は低い。例えば、ラフィノースはビート糖製造の際の副産物として回収されるが、ビート中のラフィノース含有量は0.1%程度で、その増産に限界がある。
現在、実験的あるいは工業的なα‐ガラクトオリゴ糖の合成方法は、α‐ガラクトシダーゼの糖転移作用を利用したもの、あるいはα‐ガラクトシダーゼの加水分解反応の逆反応である脱水縮合反応を利用したものが挙げられる。
しかし、α‐ガラクトシダーゼの糖転移を利用した方法では、ガラクトース供与体に精製したラフィノースやメリビオースが必要となり、安価に、大量供給できないという問題があった。
一方、脱水縮合反応を利用した方法でも、精製度の高い酵素を用いた反応である為、酵素の精製工程が必要となり、プロセスが非常に煩雑なものとなる問題があった。
従来のα‐ガラクトオリゴ糖の製造方法は、精製物を出発原料とする為、精製工程の煩雑さ、それに伴う時間およびコストの増加が課題としてある。本発明は、上記事情に鑑み、α‐ガラクトオリゴ糖あるいはその組成物を簡便かつ安価に市場へ供給するために、その製造方法を提供することを目的とした。
特許第5275640号 特許第4922312号
課題を解決するための手段
本発明者らは、上記目的のため鋭意検討を行い、シソ科植物から得られる抽出液から酵素処理及び発酵処理により、簡便かつ安価にα‐ガラクトオリゴ糖含有組成物を得る事を見出した。併せて、このα‐ガラクトオリゴ糖含有組成物に有用な作用を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は下記の通りである。
[1]シソ科植物を溶媒にて抽出し、ろ過または遠心分離によって残渣を除去し、シソ科植物抽出液を得る工程。
[2][1]で得られる抽出液を濃縮し、シソ科植物濃縮液を得る工程。
[3][1]あるいは[2]で得られる抽出液あるいは濃縮液について酵素を添加し、スタキオースをマンニノトリオースとフルクトースに分解する工程。
[4][1]あるいは[2]で得られる抽出液あるいは濃縮液について微生物を添加し、フルクトースを資化させる工程。
[5][3]および[4]の工程を、同時あるいは別々に実施することで、マンニノトリオースを精製する工程。
[6][1]〜[5]の工程で得られるシソ科植物の液を有効成分として含むフィラグリンmRNA発現促進剤。
[7][1]〜[5]の工程で得られるシソ科植物の液を有効成分として含むセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進剤。
[8][1]〜[7]のいずれか一つに記載の組成物を有効成分として含む皮膚外用剤。
[9][1]〜[7]のいずれか一つに記載の組成物を有効成分として含む食品あるいは健康食品。
発明の効果
本発明のオリゴ糖製造方法によれば、シソ科植物から簡便かつ安価にα‐ガラクトオリゴ糖含有の組成物を得る事が可能となる。さらに本発明の組成物は、皮膚の保湿機能やバリア機能の向上にも効果が期待できる。
以下に本発明の実施形態について詳細を説明する。
前述したとおり、本発明によるα‐ガラクトオリゴ糖とは、α‐ガラクトシル結合を分子内に有する3糖以上のオリゴ糖であり、例えば、ラフィノース、マンニノトリオース、スタキオース、ベルバスコース、アジュゴース、プランテオースなどが挙げられる。
本発明者らは、これらのα‐ガラクトオリゴ糖の中でも、ラフィノースやメリビオースなどの分子内にα‐1、6結合をもつオリゴ糖が、経口投与によりアトピー性皮膚炎患者での症状の改善が見られた報告に注目し、このような有用特性が期待できるオリゴ糖を探索し、マンニノトリースに辿り着いた。
マンニノトリオースはスタキオースのフルクトース部分が切れはなされたD‐Galα(1→6)D‐Galα(1→6)D‐Gluの構造をもつ3糖類であり、ビフィズス増殖因子の一つに挙げられている。さらにヒトに経口摂取させた場合、腸内のビフィズス菌を増加させる一方で、腸内有害菌を減少させるという報告もある。
このような特性のあるマンニノトリオースあるいはその組成物を簡便かつ安価に市場に提供するために鋭意調査し、マンニノトリオースが特定の植物から高濃度で精製できることを見出した。殊に、出発原料としてスタキオースを多く含有する事が知られているシソ科の植物に注目した。
[シソ科植物]
このシソ科の植物としては、例えば、イヌゴマ属(Stachys)あるいはシロネ属(Lycopus)等に属する植物が挙げられる。より具体的には、イヌゴマ属
(Stachys)の植物として、チョロギ(Stachys affinis または Stachys sieboldii)、ヤブチョロギ(Stachys arvensis)、シロネ属(Lycopus)の植物として、シロネまたは沢蘭(Lycopus lucidus)、ヒメシロネ(Lycopus maackianus)、サルダヒコまたはコシロネ(Lycopus ramosissimus)、エゾシロネ(Lycopus uniflora)等を例示できる。これらの中でもチョロギ(Stachys affinis または Stachys sieboldii)の塊茎は食用にも供される安全性の高いものあり好ましい。これらの植物は単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせても良い。
[抽出溶媒]
本発明にあっては、抽出溶媒として、水、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アルコール、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級エステル、直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アセトン、及びこれらの二種以上の混合物が使用される。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が好ましくは挙げられ、より好ましくは、メタノール、エタノール(好ましい)が挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級エステルの具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が好ましくは挙げられ、より好ましくは酢酸エチルが挙げられる。直鎖または分岐鎖を有する炭素数1〜5の低級アセトンとしては、アセトンが好ましくは挙げられる。本発明にあっては、溶媒で抽出した溶媒抽出物をそのまま使用する場合、これら溶媒の中でも食品として使用されるものを選択し使用することが好ましく、より好ましくは水、エタノール及びこれらの混合物である。
抽出溶媒の添加量は、原料の量、抽出温度等に適合させて適宜定めることができる。また、溶媒抽出は、常温、常圧下で行って良く、抽出温度は各溶媒の沸点等を考慮して適宜定めることができる。
本発明にあっては、溶媒抽出する場合、シソ科植物(乾燥)と溶媒の重量比率は、1:20〜1:1であり、好ましくは1:15〜1:5であり、より好ましくは1:10である。また、抽出する際に加温するときの温度は、30℃以上100℃以下程度であり好ましくは、下限値が45℃以上であり上限値が90℃以下である。
[ろ過]
上述の方法で処理した抽出液は、さらにろ過、又は遠心分離等の手段により、残渣と抽出液に分けることができる。ろ過のフィルターのサイズは、適宜選択でき、例えば150メッシュ(mesh)のフィルターを使用する事ができるが、それに限定されない。抽出液は、減圧濃縮等を行い、濃縮液とすることができる。
[酵素処理]
本発明において使用される酵素としては、フルクトースを認識して加水分解反応を起こす酵素であればどのようなものを用いても良い。好ましくは、インベルターゼ(サッカラーゼ)が挙げられる。
[微生物発酵]
本発明において使用される微生物としては、サッカロマイセス(Saccharomyces)属に属する微生物であればどのようなものを用いても良い。好ましくは食品などに用いられて馴染みのあるイースト菌(Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。
また、前記抽出液あるいは濃縮液を、減圧乾燥や凍結乾燥等の一般的な手法により、シソ科植物抽出液乾燥物(粉末)またはシソ科植物濃縮液乾燥物(粉末)として使用することもできる。
[用途]
本発明による、シソ科植物から抽出したα‐ガラクトオリゴ糖を含有する組成物は、フィラグリン産生促進剤あるいはセリンパルミトイルトランスフェラーゼ産生促進剤として、様々なものに使用することができる。
また本発明のフィラグリン産生促進剤あるいはセリンパルミトイルトランスフェラーゼ産生促進剤は、経皮的に吸収されて、フィラグリンmRNAあるいはセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進を通じて、皮膚におけるフィラグリン産生あるいはセラミド合成を促進することができるとともに、皮膚に適用した場合の使用感と安全性に優れているため、各種用途に用いることができ、具体的には、以下の用途を有する。
[皮膚外用剤]
本発明による抽出組成物は、皮膚に適応した場合の使用感と安全性に優れているため、皮膚外用剤に配合するのに好適である。皮膚外用剤の種類としては、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、入浴剤等が挙げられる。シソ科植物から抽出したα‐ガラクトオリゴ糖を含有する組成物の添加量は、皮膚用組成物(化粧品)の総重量に対して、約0.0001重量%以上であり、20重量%以下であり、好ましくは下限値が0.01重量%以上であり上限値が5重量%以下である。
本発明による抽出組成物をそのまま使用する場合は、溶質である乾燥固形分の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
本発明における皮膚外用剤は、任意成分を含んでなることができる。任意成分の具体例としては、通常化粧品、医薬部外品、医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば増粘度剤、金属イオン封鎖剤、アルコール類、香料、水性成分、水、各種皮膚美容剤、保湿剤、紫外線吸収剤、複合脂質、油性成分、界面活性剤、防腐剤、コレステロール類、植物ステロール類、リポプロテイン類、微生物由来成分、藻類抽出物、抗脂漏剤、増粘剤、着色料等が挙げられる。また、老化防止剤、美白剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、ビタミン及びその誘導体、酸化防止剤、抗菌剤、抗アレルギー剤、皮膚分泌調整剤、収斂剤等の生理活性化剤を適宜配合することができる。
生理活性化剤は、植物抽出物、微生物由来の具体例として、クララ、トウキ、ヨクイニン、アシタバ、アセンヤク、チンピ、オトギリソウ、オランダカラシ、カミツレ、カラスムギ、クマザサ、クレマティス、サンザシ、シソ、ショウガ、スギナ、ゼニアオイ、ダイズ、トウキセンカ、パセリ、ビワ、シナノキ、ホップ、ホホバ、メリロート、モモ、ヤグルマギク、ユキノシタ、ヨモギ、オタネニンジン、サボテン、ノバラ、ガマ、クチナシ、ゲンノショウコウ、ジオウ、ショウブ、シモツケソウ、セイヨウハッカ、トウキンセンカ、ノイバラ、エンメイソウ、ベニバナ、パシャンベ、ソウハクヒ、ユーカリ、ラベンダー、タイム、トウガラシ、ウイキョウ、シャクヤク、オウゴン、コメヌカ、チャ、センブリ、ビワ、メリッサ、シラカバ、アロエ、オウレン、オドリコソウ、ゴボウ、ハマメリス、ユリ、マロニエ、シコン、イラクサ、イチョウ、ドクダミ、ヒバマタ、レモン、フトモモ、アルテア、ユキノシタ、ショウブ、セージ、オゴノリ、オリーブ、ザクロの花、金時ショウガ、紅景天、サラシア、チャの花、タモギタケ、ホホバ、サボテン、植物プラセンタ、アサイー、カシス、グアバ、スイカ、パッションフルーツ、マキアン、マルベリー、マンゴスチン、アメダマノキ、ガランガ、ゴールデンシャワーツリー、コブミカン、チョウマメ、ハイゴショウ、白麹、豆乳等の抽出物の一種又は二種以上配合することが好ましい。
[健康食品/食品添加剤]
本発明によるシソ科植物から抽出したα‐ガラクトオリゴ糖を含有する組成物は健康食品として使用されてよい。また、本発明の別の態様によれば、本発明による抽出組成物を含んでなる健康食品や食品添加物が提案される。本発明による健康食品又は食品添加剤は、フィラグリン産生促進剤またはセリンパルミトイルトランスフェラーゼ産生促進剤として作用するものである。
本発明による健康食品は、本発明によるシソ科植物から抽出したα‐ガラクトオリゴ糖を含有する組成物がその薬理効果を実現できる形態で健康食品に添加されてなるものである。本発明による健康食品の具体例としては、本発明によるシソ科植物から抽出したα‐ガラクトオリゴ糖を含有する組成物を含んでなる、麺類、パン、米飯、餅等の穀物加工品;マーガリン、マヨネーズ等の油脂加工品;ハム、ソーセージ等の食肉加工品;かまぼこ、ちくわ等の水産加工品;ヨーグルト、バター、チーズ、アイスクリーム等の乳製品;ジャムなどの果実加工品;漬物などの野菜加工品;チョコレート、クッキー、ケーキ、キャンディー、チューイングガム、ゼリー等の菓子類;ジュース、コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、炭酸飲料、牛乳等の各種飲料;醤油、ソース、みりんなどの調味料;の様々な健康食品が提案される。
本発明による健康食品は、成人1日当たりの摂取量として、シソ科植物から抽出したα‐ガラクトオリゴ糖を含有する組成物の質量換算で1.0mg以上1,000mg以下であり、好ましくは下限値が10mg以上であり上限値が600mg以下とになるように設定されることが好ましい。
本発明の内容を下記の実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。本実施例中、特に断りがない限り、配合量(添加量)は重量部を示す。
[実施例1]チョロギから抽出物したマンニノトリオース含有組成物の製法
[抽出]チョロギの塊茎に対しての10倍量の水を加え、80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。得られた抽出残渣に対して5倍量の水を加え、同様に80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。2回の抽出操作で得られた液を混和し、チョロギ塊茎抽出液を得た。
[濃縮]チョロギ塊茎抽出液を定法により濃縮し、チョロギ塊茎濃縮液を得た。
[酵素処理]チョロギ塊茎濃縮液に対してインベルターゼ(サッカラーゼ)を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。マンニノトリオース含有率は4.1%から13.4%に増加した。各種オリゴ糖含有量を表1に示す。
Figure 2019013208
[実施例2]チョロギから抽出物したマンニノトリオース含有組成物の製法
[抽出]チョロギの塊茎に対しての10倍量の水を加え、80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。得られた抽出残渣に対して5倍量の水を加え、同様に80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。2回の抽出操作で得られた液を混和し、チョロギ塊茎抽出液を得た。
[濃縮]チョロギ塊茎抽出液を定法により濃縮し、チョロギ塊茎濃縮液を得た。
[酵素処理]チョロギ塊茎濃縮液に対してインベルターゼ(サッカラーゼ)を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。
[微生物発酵]チョロギ塊茎濃縮液に対して高糖域酵母を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。マンニノトリオース含有率は1.8%から7.3%に増加した。各種オリゴ糖含有量を表2に示す。
Figure 2019013208
[実施例3]チョロギから抽出物したマンニノトリオース含有組成物の製法
[抽出]チョロギの塊茎に対しての10倍量の水を加え、80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。得られた抽出残渣に対して5倍量の水を加え、同様に80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。2回の抽出操作で得られた液を混和し、チョロギ塊茎抽出液を得た。
[濃縮]チョロギ塊茎抽出液を定法により濃縮し、チョロギ塊茎濃縮液を得た。
[酵素処理]チョロギ塊茎濃縮液に対してインベルターゼ(サッカラーゼ)を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。
[微生物発酵]チョロギ塊茎濃縮液に対して通常酵母を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。マンニノトリオース含有率は1.8%から6.7%に増加した。各種オリゴ糖含有量を表3に示す。
Figure 2019013208
[実施例4]チョロギから抽出物したマンニノトリオース含有組成物の製法
[抽出]チョロギの塊茎に対しての10倍量の水を加え、80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。得られた抽出残渣に対して5倍量の水を加え、同様に80℃で加温抽出後、ろ過により固液分離した。2回の抽出操作で得られた液を混和し、チョロギ塊茎抽出液を得た。
[濃縮]チョロギ塊茎抽出液を定法により濃縮し、チョロギ塊茎濃縮液を得た。
[酵素処理]チョロギ塊茎濃縮液に対してインベルターゼ(サッカラーゼ)を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。
[微生物発酵]チョロギ塊茎濃縮液に対して低糖域酵母を添加し、反応温度40℃、反応時間6時間で処理し、反応終了後80℃で加熱殺菌した。マンニノトリオース含有率は1.8%から7.3%に増加した。各種オリゴ糖含有量を表4に示す。
Figure 2019013208
[評価試験例1]フィラグリンおよびセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNAの発現強度の評価(リアルタイムPCR法)
製造例1で得られたマンニノトリオース含有チョロギ塊茎抽出物によるフィラグリンおよびセリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子の発現強度への影響を評価した。
ヒト表皮角化細胞を2.5×10個/wellの細胞密度にて、角化細胞増殖培地(TOYOBO)を用いて96well プレートに播種した。5%CO、37℃にて24時間培養した。24時間後、所定の濃度の試験試料を含む角化細胞基礎培地に交換し、24時間培養した。細胞は、RNeasy Mini(QIAGEN)を用いて総RNAを抽出し、ReverTra Ace qPCR RT(TOYOBO)を用いて、cDNAを合成した。Filaggrin(HA182433、タカラバイオ(株))、Serine Palmitoyltransferase(HA156772、タカラバイオ(株))およびGAPDH(HA067810、TAKARA BIO)のプライマーを用いて、EcoTM PCR 48 Real‐Time PCR(アズワン)により mRNA発現量をもとめた。一方、対照として試験試料を無添加で培養した細胞についても同様に評価した。
次に、リアルタイムPCR反応により増幅させたフィラグリンおよびセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNAをGAPDH mRNAで除して補正値を求めた。そして、下記数式1からフィラグリンおよびセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進率を求めた。結果を表5および6に示す。
Figure 2019013208
Figure 2019013208
Figure 2019013208
表5および6の結果から、マンニノトリオース含有チョロギ塊茎抽出物が、皮膚の保湿機能やバリア機能の向上に関与するフィラグリンおよびセリンパルミトイルトランスフェラーゼのmRNA発現量を促進する作用を有する事が確認できた。
本発明により、シソ科植物からα‐ガラクトオリゴ糖含有組成物を製造する事が出来る。本発明の製造方法は植物から得られた粗抽出液を出発現原料とするため、従来の精製物を出発原料とする工程と比較し、簡易に、且つ安価に製造する事ができる。さらに上記組成物に、フィラグリンmRNA発現促進作用やセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進作用を確認し、化粧品や食品への実用的な使用が可能となるため、産業上極めて有用である。

Claims (8)

  1. シソ科イヌゴマ属(Stachys)あるいはシソ科シロネ属(Lycopus)の植物から抽出したα−ガラクトオリゴ糖を含有する組成物の製造方法。
  2. 請求項1に記載のα−ガラクトオリゴ糖がマンニノトリオースであることを特徴とする組成物の製造方法。
  3. シソ科イヌゴマ属(Stachys)あるいはシソ科シロネ属(Lycopus)の植物から得られた抽出液を酵素処理し、スタキオースからフルクトース部分を分解し、マンニノトリオースを得ることを特徴とする、請求項1および2に記載の組成物の製造方法。
  4. 請求項3記載の酵素処理液を微生物で発酵させ、フルクトース部分を資化させることで、マンニノトリオースを得ることを特徴とする、請求項1,2および3に組成物の製造方法。
  5. 請求項1、2、3および4の少なくとも1つに記載された組成物を有効成分として含んでなるフィラグリンmRNA発現促進剤。
  6. 請求項1、2、3および4の少なくとも1つに記載された組成物を有効成分として含んでなるセリンパルミトイルトランスフェラーゼmRNA発現促進剤。
  7. 請求項1、2、3、4、5および6の少なくとも1つに記載された組成物を有効成分として含んでなる、皮膚外用剤。
  8. 請求項1、2、3、4、5および6の少なくとも1つに記載された組成物を有効成分として含んでなる、健康食品。
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