JP2019013201A - 獣脂の異物除去方法及び異物除去装置並びにそれを用いた食用脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】検品作業を簡素化もしくは省くことが可能な獣脂の異物除去方法及び異物除去装置並びにそれを用いた食用脂の製造方法を提供する。【解決手段】前処理液によって表面が洗い流された獣脂Fが入れられる回動体4と、回動体4を回動させるための回動手段5と、回動体5内に設けられ、洗浄液W1を獣脂Fに対して噴射する噴射手段6と、洗浄廃液W2を排出するための排出手段7と、を備え、洗浄廃液W2の排出は、洗浄液W1の噴射と並行して行うことができる異物除去装置1を用いて、回動体4を回動させながら洗浄液W1を獣脂Fに噴射して異物の除去を行うのと並行して洗浄廃液W2を回動体5外に排出する様にする。【選択図】図3
Description
本発明は、獣脂の異物除去方法及び異物除去装置並びにそれを用いた食用脂の製造方法に関する。
屠殺された獣類の肉から切り離された直後の獣脂は、通常、その表面に粘着性があり、べた付いているため、獣毛等の異物が付着しており、それら異物を除去する必要がある。従来、獣脂表面の異物の除去は、洗浄液である加温された水を張った洗浄槽内に獣脂をいれ、獣脂を搖動することで、獣脂の表面のべた付きを洗い流すと共に獣脂表面の異物も洗い流し、その後、獣脂を冷却水で冷却することで行われている(例えば、非特許文献1を参照)。従来の異物除去方法においては、獣脂の表面に付着した約80%以上の異物を除去することが可能である。
「工業技術連絡会議 東北・北海道地方部会研究論文集 第11号」、工業技術院東北工業技術研究所、1998年、p.143−145
しかしながら、逆にいえば、従来の異物除去方法では、獣脂の表面に付着していた異物の内、最大で約20%程度の異物が獣脂の表面に残存する可能性があるということになる。又、従来の異物除去方法においては、洗浄液を張った洗浄槽内で異物の除去を行うため、除去された異物は、獣脂と共に洗浄槽内を対流することとなる。
そのため、一旦、獣脂の表面より除去された獣毛等の異物が、獣脂の表面に再付着する可能性もあった。1トンの獣脂当たり平均して約40本以上の獣毛(異物)が残存してしまうのが現状である。異物の残留は、特に、食品分野においては、大きな問題である。
残存してしまった異物は、その後の検査工程で除去されることとなるが、この検査工程は、最終的には人の知覚を使って行われる。従来の異物除去方法においては、獣脂の表面の何処に異物が残存しているかの特定は困難であるため、異物の残留がないかを、検査員の目視によって、獣脂の表面全体を隈なく精査をし、異物があればそれを取り除く作業を繰り返し行う必要があった。
特に、白色もしくはそれに近似する色の異物(例えば、白色の獣毛等)が付着する可能性がある場合は、獣脂の色に紛れやすいため、より時間をかけて精査をする必要があった。そのため、この検査工程は、時間とコストの掛るものであった。この検査工程を簡素化もしくは省くことができれば、より迅速且つ経済的に製品を製造することが可能となる。
そこで、本発明は、検査工程を簡素化もしくは省くことが可能な獣脂の異物除去方法及び異物除去装置並びにそれを用いた食用脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、獣脂の異物除去方法であって、前処理液によって表面が洗い流された該獣脂を、回動体内に入れ、該回動体を回動させながら洗浄液を該獣脂に向けて噴射する噴射工程と、該噴射工程と並行して洗浄廃液の排出を行う排液工程と、を有する異物除去工程を含むことを特徴とする獣脂の異物除去方法。
又、本発明は、獣脂の異物除去装置であって、該獣脂が入れられる回動体と、該回動体を回動させるための回動手段と、該回動体内に設けられ、洗浄液を該獣脂に対して噴射する噴射手段と、洗浄廃液を排出するための排出手段と、を備え、該洗浄廃液の排出は、該洗浄液の噴射と並行して行うことができることを特徴とする獣脂の異物除去装置である。
又、本発明は、前記獣脂の異物除去方法に用いられることを特徴とする獣脂の異物除去装置である。又、本発明は、前記獣脂の異物除去方法を用いることを特徴とする食用脂の製造方法である。
尚、本発明は、前記異物除去工程を行った後に、該獣脂を冷却液で冷却する冷却工程を更に含むことが可能である。又、本発明は、前記洗浄液の温度は、前記冷却水の温度以上であって、前記獣脂の融点以下とすることが可能である。又、本発明は、前記冷却液の温度を、該冷却液の凝固点以上10℃以下とすることが可能である。又、本発明は、前記獣脂を、豚脂とし、前記洗浄液の温度を、10℃乃至30℃とすることが可能である。又、本発明は、前記洗浄液を、水とすることが可能である。
又、本発明は、前記回動体内に設けられて、前記獣脂を該回動体の一端より他端へと移送する移送手段を更に備えることが可能ある。又、本発明は、前記移送手段を、略螺旋状に形成することが可能である。又、本発明は、前記回動体が、周壁を有するものとし、前記排出手段を、複数の穴として、該周壁に設けることが可能である。
本発明は、前処理液によって獣脂の表面を温められた該獣脂を、回動体内に入れ、該回動体を回動させながら該前処理液よりも低温であって、冷却液の温度以上の洗浄液を該獣脂に向けて噴射する噴射工程と並行して洗浄廃液を排出する排液工程を行うことで、従来の獣脂の異物除去方法と比較してより確実に異物を除去できると共に異物が獣脂に再付着することを防止できるため検品作業を簡略化もしくは省くことが可能な獣脂の異物除去方法及び異物除去装置並びにそれを用いた食用脂の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態を図1に基づき説明する。先ず、本実施形態おける異物除去装置1について説明する。異物除去装置1は、洗浄装置2及び冷却槽3を備えている。洗浄装置2は、後述する異物除去工程を行うために設けられており、本体部4と、回動手段5と、噴射手段6と、排出手段7と、を備えている。
本体部4は、略筒形に形成された回動体であり、その一端には、獣脂Fを入れるための入口部4aが設けられている。本実施形態においては、本体部4は、無底の略円筒形に形成されると共に横倒しの状態で設置され、本体部4の他端には、獣脂Fを本体部4外に排出するための出口部4bが設けられている。又、本体部4の周壁4cの内面には、獣脂Fを入口部4a側から出口部4b側へ、即ち、A1方向へと移送するための移送手段8が設けられている。
移送手段8の形状は、獣脂FをA1方向に移送することが可能であれば、適宜選択可能であるが、略螺旋状に設けることが好適である。本実施形態において、移送手段2は本体部4の内面に固定されており、本体部4と共に回動する様になっている。
排出手段7は、後述する洗浄廃水W2を本体部4外に排出するために設けられている。本実施形態において、排出手段7は、本体部4の周壁4cの略全面に亘って形成された複数の穴として設けられている。排出手段7の穴の大きさは、獣脂Fが通れない大きさであって、後述する洗浄廃液(異物を含む)が排出可能な大きさとなっている。
回動手段5は、本体部4を回動させるために設けられている。本実施形態においては、回動手段5は、本体部4の入口部4aの近傍に設けられ(尚、図1においては、図示を省略している)、図示されない駆動手段によって回動可能となっており、回動手段5が、A2方向とは逆に回転することによって、回転力が本体部4へと伝達されて、本体部4がA2方向に回動する様になっている。尚、回動手段5は、必要に応じて、様々なものを適宜選択可能である。
噴射手段6は、本体部4内に設けられており、本体部4内の獣脂Fに向けて、洗浄液W1を噴射するために設けられている。本実施形態において、噴射手段6は、本体部4に挿通され、その一端が図示しない洗浄液供給源に接続されたパイプとして設けられており、噴射手段6は、洗浄液W1を噴射するための複数の噴射口6aが入口部4a側から出口部4b側へと並設されている。尚、噴射手段6が設けられる位置や噴射口6aが向いている方向は、後述する異物処理工程において、獣脂Fに向けて洗浄液W1を噴射することはできれば、適宜選択することが可能である。例えば、噴射口6aをより下方を向くように設け、獣脂Fに対して略真上より洗浄液W1を噴射する様にしてもよい。又、その際に、噴射手段6をより上方に設けたり、より本体部6の中央に近づけたりすることも可能である。
冷却槽2は、後述する冷却工程を行うために設けられており、冷却液で満たされる槽部9と、本体部4の出口部4bから排出された獣脂Fを、槽部9内に落とすための誘導部10が設けられている。
次に、本実施形態における異物除去方法について説明する。本実施形態の異物処理方法は、前処理工程、異物処理工程、冷却工程及び検査工程を有している。尚、本実施形態の異物処理方法の下記工程は、当然に、食用脂の製造工程の一部として組み入れることが可能である。
<前処理工程>
獣脂Fには、前処理工程として、獣脂Fの表面のべた付きを洗い流すための処理がされる。この前処理工程は、従来行われていた獣脂の異物処理方法と同様の公知の装置・方法により行うことができる。前処理工程は、例えば、以下の様に行うことが可能である。
獣脂Fには、前処理工程として、獣脂Fの表面のべた付きを洗い流すための処理がされる。この前処理工程は、従来行われていた獣脂の異物処理方法と同様の公知の装置・方法により行うことができる。前処理工程は、例えば、以下の様に行うことが可能である。
加熱手段を備えた又は給湯手段に接続された洗浄槽(図示せず)を獣脂Fの表面のべた付きの除去に適した温度になるまで加温された前処理液(洗浄液)で満たす。その後、該洗浄槽内に獣脂Fを入れ、獣脂Fを加温された該前処理液に浸す。
そして、前記洗浄槽内をバブリングしたり、攪拌手段等によって該洗浄槽内を攪拌したりする等によって、該前処理液内で獣脂Fを搖動させ、獣脂Fの表面のべた付きと共に異物をある程度洗い流す。そして、該前処理工程が完了した獣脂Fは、次の異物処理工程へと送られる。尚、獣脂Fを洗浄装置2へと搬送する手段は、手作業でもよいし、ベルトコンベア等の機械的手段であってもよい。
前記前処理液の温度は、獣脂Fの融点±10℃の範囲を目安として加温されることが望ましい。例えば、獣脂Fが、豚脂である場合においては、前処理液は、40℃±10℃の範囲、つまり、30℃以上、50℃以下に加温されることが望ましい。又、前処理液としては、従来の異物処理方法で使用されているのと同様に水を使用することができるが、更に、残留していても人体に影響のない洗浄剤を含有させることも可能である。この前処理工程の段階で、約80%程度の獣脂Fの表面に付着した異物が除去される。
<異物除去工程>
異物処理工程は、噴射工程と、該噴射工程と並行して行われる排液工程と、を有している。先ず、前記の前処理工程が行われ、前記前処理液により表面のべた付きが洗い流された獣脂Fを、洗浄装置2の本体部4内に移し、回動手段5によって本体部4を回動させる。そして、本体部4を回動させながら、噴射手段6の噴射口6aより洗浄液W1を獣脂Fに向けて噴射する(噴射工程)。それと同時に、獣脂Fは、移送手段8の螺旋に沿って、入口部4aから出口部4bに向けてA1方向に移送されていき、最終的には、冷却工程へと送られる。
異物処理工程は、噴射工程と、該噴射工程と並行して行われる排液工程と、を有している。先ず、前記の前処理工程が行われ、前記前処理液により表面のべた付きが洗い流された獣脂Fを、洗浄装置2の本体部4内に移し、回動手段5によって本体部4を回動させる。そして、本体部4を回動させながら、噴射手段6の噴射口6aより洗浄液W1を獣脂Fに向けて噴射する(噴射工程)。それと同時に、獣脂Fは、移送手段8の螺旋に沿って、入口部4aから出口部4bに向けてA1方向に移送されていき、最終的には、冷却工程へと送られる。
この際、獣脂Fは、本体部4の周壁4cの内面に沿って持ち上げられ、その後、重力による落下を繰り返しながら移送されることとなる。これによって、獣脂Fを、引っ繰り返すことが可能となり、獣脂Fの表面全面に亘って、洗浄液W1を噴射することが可能となる。本実施形態においては、螺旋状の移送手段8が設けられていることによって、獣脂Fが掻き揚げることができるため、獣脂Fの持ち上げと落下をより効率よく行うことができる様になっている。
獣脂Fの表面への洗浄液W1の噴射によって、前記の前処理工程後に残留している獣脂Fの表面にある異物は洗い流され、本体部4内には、該異物を含む洗浄液W1(以下、洗浄廃液W2という)が発生する。洗浄廃液W2は、本体部4の排出手段7から速やかに本体部4の外部へと排出される様になっている(排液工程)。洗浄廃液W2が本体部4内に留まっていると洗浄液W1によって洗い流された異物が獣脂Fの表面に再付着する危険性が増加するため、上記噴射工程と並行して、可能な限り速やかに洗浄廃液W2は本体部4の外部へと排出されることが望ましい。
洗浄液W1としては、例えば、前記前処理液と同様に従来の異物処理方法で使用されている公知の洗浄液である水を使用することができる。
洗浄液W1の温度は、冷却工程で用いられる冷却液の温度以上であって、獣脂Fの融点以下であることが望ましい。洗浄液W1の温度が、獣脂Fの融点以上であると、異物処理工程に掛る時間によっては、獣脂Fの融解や、獣脂Fの酸化が進行してしまい、獣脂Fが劣化してしまう可能性がある。
又、洗浄液W1の温度が、冷却液の温度よりも低い場合、異物処理工程に掛る時間によっては、獣脂Fの表面が冷えて固くなってしまい、効率よく獣脂Fの表面の異物の除去ができなくなる可能性がある。例えば、獣脂Fが豚脂である場合、洗浄液W1の温度は、20℃±10℃の範囲、つまり、10℃以上、30℃以下であることが望ましい。
<冷却工程>
前記異物除去工程が行われた獣脂Fは、冷却工程へと送られる。冷却工程は、獣脂Fを冷却し、酸化等を抑えるために行われる。該冷却工程そのものの手順は、従来の異物処理工程で行われていた公知の工程と同様である。例えば、移送手段8によって移送されてきた獣脂Fを、誘導部10を介して冷却液で充たされた冷却槽2の槽部9内に落とし、獣脂Fを該冷却液に浸すことにより行われる。冷却液は、例えば、水を選択することが可能である。冷却液の温度は、望ましくは、冷却液の凝固点以上の温度であって、10℃以下である。冷却工程を完了した獣脂Fは、次の検査工程へと送られる。
前記異物除去工程が行われた獣脂Fは、冷却工程へと送られる。冷却工程は、獣脂Fを冷却し、酸化等を抑えるために行われる。該冷却工程そのものの手順は、従来の異物処理工程で行われていた公知の工程と同様である。例えば、移送手段8によって移送されてきた獣脂Fを、誘導部10を介して冷却液で充たされた冷却槽2の槽部9内に落とし、獣脂Fを該冷却液に浸すことにより行われる。冷却液は、例えば、水を選択することが可能である。冷却液の温度は、望ましくは、冷却液の凝固点以上の温度であって、10℃以下である。冷却工程を完了した獣脂Fは、次の検査工程へと送られる。
<検査工程>
前記異物処理工程でも除去しきれなかった異物は、検査工程で除去される。検査工程は、従来の異物除去方法と同様に検査員の目視によって通常行われる。本実施形態においては、この工程で発見される異物(獣毛)の数は、1トンの獣脂F当たり、最大で10乃至20本程度である。しかしながら、この残存している異物は、その殆どが、屠殺から異物処理の段階にくるまでの間に、獣脂Fの一部が折畳まれてできた表面が外部に露出せずに洗浄液W1の噴射が困難となる部分に集中しているため、検査工程は、当該部分を中心として行われる。
前記異物処理工程でも除去しきれなかった異物は、検査工程で除去される。検査工程は、従来の異物除去方法と同様に検査員の目視によって通常行われる。本実施形態においては、この工程で発見される異物(獣毛)の数は、1トンの獣脂F当たり、最大で10乃至20本程度である。しかしながら、この残存している異物は、その殆どが、屠殺から異物処理の段階にくるまでの間に、獣脂Fの一部が折畳まれてできた表面が外部に露出せずに洗浄液W1の噴射が困難となる部分に集中しているため、検査工程は、当該部分を中心として行われる。
本実施形態においては、前記の前処理工程を行い表面のべた付きが洗い流された獣脂Fを本体部4内に入れ、本体部4を回動させながら洗浄液W1を噴射することによって、該表面に残留していたり、再付着したりした異物を洗い流すことが可能となっている。
そして、洗浄液W1によって除去された異物は、洗浄廃液W2として本体部4の周壁4cに設けられた排出手段7より、速やかに本体部4外へと排出されるため、異物が獣脂Fに再付着することをより確実に防止することができる様になっている。
これによって、少なくとも洗浄液W1を噴射することが可能な獣脂Fの表面に異物が残存することを防止することができるため、獣脂Fの検査工程は、獣脂Fが折畳まれていたりして、洗浄液W1を噴射することが困難な部分を中心として行えばよい。例え、白色もしくはそれに近似する色の異物であったとしても、異物のある場所が特定されているので、発見し易い。
そのため、異物の除去を行った獣脂Fの検査工程を簡素化もしくは省くことが可能となる。前記異物除去工程を獣脂Fに行うことで、例えば、従来の異物処理方法では、10人の検査員で約1時間掛っていた検査工程を約10分に短縮することが可能となる。
本発明を、上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)上記実施形態においては、本体部4そのものを回動体としたが、本体部4を外装(図示せず)と該外装内設けられた回動部(図示せず)とを有するものとし、該回動部のみを回動する様にすることも可能である。
(2)上記実施形態においては、移送手段8を本体部4の内面に固定したが、移送手段8と本体部4とを別体とし、本体部4は回動させずに移送手段8のみが回動する様にし、移送手段8と回動体とを兼ねる様にすることも可能である。
(3)上記実施形態においては、本体部4を入口部4aと出口部4bとを有する無底の略筒形とたが、出口部4bのない有底の略筒形とすることができる。その際、獣脂Fを掻き揚げるための掻揚板を本体部4(回動体)の内面に設けることも可能である。
(4)上記実施形態においては、前処理工程と異物処理工程とを連続して行ったが、必ずしもこの二つの工程は連続して行う必要はなく、別の場所で、従来の異物処理方法で処理され、表面のべた付きが除去された獣脂Fの再処理に用いることも可能である。
(5)上記実施形態においては、洗浄液として水を用いたが、適宜選択可能である。例えば、水に残存していても人体に影響のない洗浄剤を添加してもよい。
1 異物除去装置 2 洗浄装置 3 冷却槽 4 本体部
4a 入口部 4b 出口部 4c 周壁 5 回動手段
6 噴射手段 6a 噴射口 7 排出手段 8 移送手段
9 槽部 10 誘導部 A 方向 F 獣脂
W 洗浄液
4a 入口部 4b 出口部 4c 周壁 5 回動手段
6 噴射手段 6a 噴射口 7 排出手段 8 移送手段
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W 洗浄液
本発明は、獣脂の異物除去方法であって、前処理液によって表面が洗い流された該獣脂を、周壁を有する回動体(但し、獣脂が洗浄液に常に浸かる様になっているものを除く)内に入れ、該回動体を回動させ、該獣脂を該周壁の内面に沿って持ち上げ、その後、重力による落下させることを繰り返しながら該回動体内に設けられた噴射手段によって洗浄液を該獣脂に向けて噴射する噴射工程と、該噴射工程と並行して洗浄廃液の排出を行う排液工程と、を有する異物除去工程を含むことを特徴とする獣脂の異物除去方法である。
又、本発明は、獣脂の異物除去装置であって、該獣脂が入れられると共に周壁を有する回動体(但し、獣脂が洗浄液に常に浸かる様になっているものを除く)と、該回動体を回動させるための回動手段と、該回動体内に設けられ、洗浄液を該獣脂に対して噴射する噴射手段と、洗浄廃液を排出するための排出手段と、を備え、該洗浄液の該獣脂に対する噴射は、該獣脂を、該周壁の内面に沿って、持ち上げ、その後、重力によって落下させることを繰り返しながら行うことができ、該洗浄廃液の排出は、該洗浄液の噴射と並行して行うことができることを特徴とする獣脂の異物除去装置である。
又、本発明は、前記獣脂の異物処理方法を用いることを特徴とする食用脂の製造方法である。
又、本発明は、前記回動体内に設けられて、前記獣脂を該回動体の一端より他端へと移送する移送手段を更に備えることが可能ある。又、本発明は、前記移送手段を、略螺旋状に形成することが可能である。又、本発明は、前記排出手段を、複数の穴として、前記周壁に設けることが可能である。
Claims (12)
- 獣脂の異物除去方法であって、
前処理液によって表面が洗い流された該獣脂を、回動体内に入れ、該回動体を回動させながら洗浄液を該獣脂に向けて噴射する噴射工程と、該噴射工程と並行して洗浄廃液の排出を行う排液工程と、を有する異物除去工程を含むことを特徴とする獣脂の異物除去方法。 - 前記異物除去工程を行った後に、該獣脂を冷却液で冷却する冷却工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の獣脂の異物処理方法。
- 前記洗浄液の温度は、前記冷却液の温度以上であって、前記獣脂の融点以下であることを特徴とする請求項2に記載の獣脂の異物除去方法。
- 前記冷却液の温度は、該冷却液の凝固点以上10℃以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の獣脂の異物除去方法。
- 前記獣脂は、豚脂であり、
前記洗浄液の温度は、10℃乃至30℃であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の獣脂の異物除去方法。 - 前記洗浄液は、水であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の獣脂の異物除去方法。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の獣脂の異物除去方法を用いることを特徴とする食用脂の製造方法。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の獣脂の異物除去方法に用いられることを特徴とする獣脂の異物除去装置。
- 獣脂の異物除去装置であって、
該獣脂が入れられる回動体と、
該回動体を回動させるための回動手段と、
該回動体内に設けられ、洗浄液を該獣脂に対して噴射する噴射手段と、
洗浄廃液を排出するための排出手段と、を備え、
該洗浄廃液の排出は、該洗浄液の噴射と並行して行うことができることを特徴とする獣脂の異物除去装置。 - 前記回動体内に設けられて、前記獣脂を該回動体の一端より他端へと移送する移送手段を更に備えていることを特徴とする請求項9に記載の獣脂の異物除去装置。
- 前記移送手段は、略螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の獣脂の異物除去装置。
- 前記回動体は、周壁を有しており、
前記排出手段は、複数の穴として、該周壁に設けられていることを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の獣脂の異物除去装置。
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