JP2019012138A - 電子装置の製造方法、および電子装置 - Google Patents

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一郎 馬場
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Abstract

【課題】複雑な形状の開口部下に配置された受光部上に、複雑な形状のレンズを精度良く形成することを可能とする。【解決手段】開口部(5)は、上面視において方形でない形状であり、フォトマスク(7)は、第1部分(71)および第2部分(72)のそれぞれに、通過許可部(7A)と遮断部(7B)とが形成されており、第1部分(71)における通過許可部(7A)の面積が、第1部分(71)における遮断部(7B)の面積より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、電子装置の製造方法、および電子装置に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)型イメージセンサおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)型イメージセンサ等の従来の固体撮像装置(電子装置)の小型化および高画素化が進んでいる。これと同時に、当該固体撮像装置の画素サイズの縮小化が進んでいる。固体撮像装置においては、画素サイズを縮小すると、受光部での受光感度(固体撮像装置の基本性能の一つ)が低下するため、照度の低いところで鮮明な画像を撮影することが困難となる。このため、固体撮像装置においては、画素サイズを縮小化するにあたって、単位画素あたりの受光感度を如何にして向上させるかということが、重要な課題であると言える。当該課題を解決するために、現在の固体撮像装置においては、集光用の凸レンズ(いわゆる、マイクロレンズ)が、各受光部上に設けられていることが一般的である。
上記レンズによる受光部に対する集光の効率を向上させる技術の一例として、特許文献1〜特許文献3に開示された技術が挙げられる。
特許文献1には、フォトマスクが、レンズを形成する際の露光波長では解像できない露光波長よりも微細なドットパターンからなっているレンズの形成方法、およびこのレンズの形成方法によって形成されたレンズが開示されている。
特許文献2には、平面視四角形のレンズにおける対角方向の曲率半径を大きくしたレンズが開示されている。
また、CMOS型イメージセンサにおける画素セルのサイズを縮小化させるために、下記の技術が急速に進められている。複数のフォトダイオード(受光部)からの電気信号を一つの出力アンプで増幅することにより、一画素あたりに必要とされるトランジスタの個数を減らす技術である。当該技術を採用する場合、各受光部上に形成された開口部のピッチが一律でない可能性があり、各受光部上に設けられるレンズのピッチおよび形状を、対応する開口部の位置に応じて最適化する必要がある。
特許文献3には、レンズの周縁部の少なくとも一部が隣接するレンズと重なって形成され、受光部の間隔に応じてレンズの位置が異なって配置されている固体撮像装置が開示されている。特許文献3に開示された技術によれば、上記のような一律でない開口部のピッチを有する固体撮像装置において、受光部に対する集光の効率を向上させることが可能となる。
特開2010−267683号公報(2010年11月25日公開) 特開2014−72208号公報(2014年4月21日公開) 特開2007−311413号公報(2007年11月29日公開)
画素サイズのさらなる縮小化、および/または、複数の画素について兼用される回路の複雑化に伴い、上記開口部を単純な形状(例えば、上面視方形状)とすることが困難となる場合が考えられる。例えば、当該回路は性能、規模、およびノイズ特性を考慮して設計されるが、その設計に従うと、上記開口部の形状は、L字形状、凸形状、または凹形状等になり得る。
本願発明者らは、このような複雑な形状の開口部下に配置された受光部上に、特許文献1〜特許文献3にそれぞれ開示されたレンズより複雑な形状のレンズを形成する必要があることを見出した。そして、本願発明者らは、当該複雑な形状のレンズを精度良く形成することが可能な、レンズの形成方法を案出する必要があることを見出した。
本発明の一態様は、複雑な形状の開口部下に配置された受光部上に、複雑な形状のレンズを精度良く形成することを可能とする電子装置の製造方法、およびこの製造方法によって製造された電子装置を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子装置の製造方法は、基板の主面に設けられた受光部の上に開口部が形成された遮光部材を、当該主面に設ける第1工程と、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィによって、上記受光部の上にレンズを形成する第2工程とを含んでおり、上記開口部は、上面視において方形でない形状であり、上記フォトマスクは、上記第2工程において上記開口部の上に設置される第1部分と、上記第2工程において上記遮光部材の上に設置される第2部分とからなり、上記フォトマスクは、上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、上記第1部分および上記第2部分のそれぞれに、上記光の通過を許可する通過許可部と、上記光を遮断する遮断部とが形成されており、上記第1部分における上記通過許可部の面積が、上記第1部分における上記遮断部の面積より大きいことを特徴としている。
また、本発明の一態様に係る電子装置は、上記電子装置の製造方法によって製造された電子装置であって、上記受光部と上記レンズとの間に配置されたカラーフィルタを備えていることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、複雑な形状の開口部下に配置された受光部上に、複雑な形状のレンズを精度良く形成することが可能となる。
(a)は、本発明の一実施の形態に係るフォトマスクにおける、第2工程において光にさらされる面を見た図であり、(b)は、(a)と対応する、本発明の一実施の形態に係る基板の主面側を示す平面図である。 (a)は、本発明の一実施の形態に係る電子装置の製造方法による、レンズの仕上がりシミュレーションの一例を示す平面図であり、(b)は、(a)に示すシミュレーションと図1の(b)に示す基板の主面側との対応関係を示す平面図である。 図2の(a)のA−A´線断面におけるレンズ形成材料の厚み、同B−B´線断面におけるレンズ形成材料の厚み、および同C−C´線断面におけるレンズ形成材料の厚みを示すグラフである。 図2の(a)に示すシミュレーションと本発明の一実施の形態の変形例に係る基板の主面側との対応関係を示す平面図である。 本発明の別の実施の形態に係るフォトマスクにおける、第2工程において光にさらされる面を見た図である。 本発明のさらに別の実施の形態に係るフォトマスクにおける、第2工程において光にさらされる面を見た図である。 (a)は一般的な基板の主面側の一例を示す平面図であり、(b)は(a)に示す基板の主面に設けられた受光部およびその周辺回路の一例を示す概略図であり、(c)は(b)に示す受光部に対してマイクロレンズにより集光する様子を示す概略図である。 (a)は一般的な基板の主面側の別の例を示す平面図であり、(b)は(a)に示す基板の主面に設けられた受光部およびその周辺回路の一例を示す概略図であり、(c)は(b)に示す受光部に対してマイクロレンズにより集光する様子を示す概略図である。 本発明の各実施の形態に係る基板の主面側を示す平面図である。 フォトマスクを用いたフォトリソグラフィによって、受光部の上にレンズを形成する基礎的な技術を示す図である。
〔導入〕
図7の(a)は、一般的な基板101の主面102側を示す平面図である。図7の(b)は、主面102に設けられた受光部103およびその周辺回路の一例を示す概略図である。図7の(c)は、受光部103に対してマイクロレンズ106により集光する様子を示す概略図である。なお、図7の(a)〜(c)のそれぞれにおいては、25個の基板101が5行5列の行列状に配置された大型基板200の例を示している。ここでは、当該25個の基板101のうち1つに注目して説明を行う。
基板101は、主面102を有している。主面102には、受光部103、および遮光部材104が設けられている。受光部103は、受光した光を電気信号に変換するフォトダイオードによって構成されている。遮光部材104は、基板101に設けられた電極(図示しない)等に光が当たることでノイズが発生することを防止するために設けられている。遮光部材104は、受光部103の上に、光が受光部103に対して入射する(すなわち、受光部103が受光する)ことを許可するための開口部105が形成されている。開口部105の形状は、上面視において正方形(方形)である。また、受光部103の周辺回路の一例としては、図7の(b)に示すように、当該電気信号に含まれる電荷を転送するHCCD(水平転送部)およびVCCD(垂直転送部)、ならびにFDA(フローティングディフュージョンアンプ)が挙げられる。
受光部103の上には、マイクロレンズ(レンズ)106が形成される。マイクロレンズ106は、入射した光を集束および/または発散させ、受光部103へ効率良く導くものである。このようなマイクロレンズ106を形成することにより、受光部103に対する集光の効率を向上させることができる。なお、大型基板200には、計25個のマイクロレンズ106が形成されることとなるが、これら25個のマイクロレンズ106の各々は、互いに等間隔で配置され、かつ互いに同一の形状で形成される。
図8の(a)は、一般的な基板201の主面202側を示す平面図である。図8の(b)は、主面202に設けられた受光部203およびその周辺回路の一例を示す概略図である。図8の(c)は、受光部203に対してマイクロレンズ206により集光する様子を示す概略図である。なお、図8の(a)〜(c)のそれぞれにおいては、9個の基板201が3行3列の行列状に配置された大型基板300の例を示している。ここでは、当該9個の基板201のうち1つに注目して説明を行う。
基板201は、主面202を有している。主面202には、4つの受光部203、および遮光部材204が設けられている。各受光部203は、フォトダイオードによって構成されている。遮光部材204は、基板201に設けられた電極(図示しない)等に光が当たることでノイズが発生することを防止するために設けられている。遮光部材204は、4つの受光部203のそれぞれの上に、光が対応する受光部203に対して入射する(すなわち、対応する受光部203が受光する)ことを許可するための開口部205が形成されている。各開口部205の形状は、上面視において長方形(方形)である。また、受光部203の周辺回路の一例としては、図8の(b)に示すように、水平方向および垂直方向のそれぞれの走査回路が挙げられる。
ここで、4つの開口部205は、不均一なピッチとなっている。すなわち、当該4つの開口部205のうち縦方向に隣接する2つのピッチPVaと、当該4つの開口部205のうち横方向に隣接する2つのピッチPHaとが、互いに異なっている。
4つの受光部203のそれぞれの上には、マイクロレンズ206が形成される。マイクロレンズ206は、入射した光を集束および/または発散させ、対応する受光部203へ効率良く導くものである。このようなマイクロレンズ206を形成することにより、各受光部203に対する集光の効率を向上させることができる。なお、大型基板300には、計36個のマイクロレンズ206が形成されることとなる。これら36個のマイクロレンズ206の各々の配置は、9個の基板201のそれぞれに設けられた4つの開口部205(計36個の開口部205)の配置とそれぞれ対応する不均一なピッチとなる。また、これら36個のマイクロレンズ206は、少なくとも1つが他と異なる形状で形成され得る。
図9は、後述する各実施の形態に係る基板1の主面2側を示す平面図である。なお、図9においては、9個の基板1が3行3列の行列状に配置された大型基板100の例を示している。ここでは、当該9個の基板1のうち1つに注目して説明を行う。
基板1は、主面2を有している。基板1と主面2との関係は、図7の(c)に示した基板101と主面102との関係、ならびに図8の(c)に示した基板201と主面202との関係と同様である。主面2には、4つの受光部3、および遮光部材4が設けられている。各受光部3は、フォトダイオードによって構成されている。遮光部材4は、基板1に設けられた電極(図示しない)等に光が当たることでノイズが発生することを防止するために設けられている。遮光部材4は、4つの受光部3のそれぞれの上に、光が対応する受光部3に対して入射する(すなわち、対応する受光部3が受光する)ことを許可するための開口部5が形成されている。
ここで、各開口部5の形状は、上面視においてL字形となっており、上面視において方形ではない。また、各開口部5の形状は、上面視においてL字形以外にも、上面視において凸形状、または上面視において凹形状となり得る。さらに、4つの開口部5は、不均一なピッチとなっている。すなわち、当該4つの開口部5のうち縦方向に隣接する2つのピッチPVと、当該4つの開口部5のうち横方向に隣接する2つのピッチPHとが、互いに異なっている。
本願発明者らは、このような複雑な形状の開口部5下に配置された受光部3上に、マイクロレンズ106(図7の(c)参照)およびマイクロレンズ206(図8の(c)参照)のそれぞれより複雑な形状のマイクロレンズを形成する必要があることを見出した。以下の各実施の形態においては、当該複雑な形状のマイクロレンズを精度よく形成することが可能な、レンズの形成方法(電子装置の製造方法)について説明を行う。
〔実施の形態1〕
図1の(a)は、本実施の形態に係るフォトマスク7における、後述する第2工程において光にさらされる面を見た図である。図1の(b)は、図1の(a)と対応する、基板1の主面2側を示す平面図である。なお、図1の(b)に示す基板1は、上述した図9に示す9個の基板1のうち1つと同じ構成である。
図2の(a)は、本実施の形態に係るレンズの形成方法による、各マイクロレンズ6の仕上がりシミュレーションの一例を示す平面図である。図2の(b)は、図2の(a)に示すシミュレーションと図1の(b)に示す基板1の主面2側との対応関係を示す平面図である。図3は、図2の(a)のA−A´線断面におけるレンズ形成材料8の厚み、同B−B´線断面におけるレンズ形成材料8の厚み、および同C−C´線断面におけるレンズ形成材料8の厚みを示すグラフである。
開口部5の下に配置された受光部3の上にマイクロレンズ6を形成するレンズの形成方法は、下記の第1工程および第2工程を含んでいる。
第1工程:基板1の主面2に設けられた受光部3の上に開口部5が形成された遮光部材4を、主面2に設ける。図1の(b)の平面図に示された状態が、第1工程終了時点の状態に相当する。
第2工程:フォトマスク7を用いたフォトリソグラフィによって、受光部3の上にマイクロレンズ6を形成する。図2の(b)の平面図に示された状態が、第2工程終了時点の状態に相当する。
フォトマスク7は、第2工程において開口部5の上に設置される第1部分71と、第2工程において遮光部材4の上に設置される第2部分72とからなる。また、フォトマスク7は、第2工程において光にさらされるフォトマスク7の面を見たとき、第1部分71および第2部分72のそれぞれに、光の通過を許可する通過許可部7Aと、光を遮断する遮断部7Bとが形成されており、第1部分71における通過許可部7Aの面積が、第1部分71における遮断部7Bの面積より大きい。一方、フォトマスク7は、第2工程において光にさらされるフォトマスク7の面を見たとき、第2部分72における遮断部7Bの面積が、第2部分72における通過許可部7Aの面積より大きい。
なお、遮断部7Bは、遮光性の高い部材であり、遮断部7Bの材質として、ガラス、石英ガラス等が挙げられる。一方、通過許可部7Aは、遮断部7Bと比較して光透過率の高い有形物であるか、または遮断部7Bに形成された開口である。
ところで、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィによって、受光部の上にレンズを形成する技術として、図10に示す技術が挙げられる。図10に示す技術においては、(A)→(B)→(C)→(D)→(E)の順で、受光部18の上にマイクロレンズ19を形成する。
(A)まず、複数の受光部18および電荷転送部20を有する半導体基板21上に、透明材料層22をスピンコート法により塗布して、平坦に形成する。
(B)透明材料層22上に、紫外線照射により光透過率が向上し、かつ、熱硬化性を有するフェノールボラック系やポリスチレン系のポジ型感光性樹脂等からなる感光性樹脂層23を形成する。そしてフォトマスク17を介して、感光性樹脂層23を受光部18に対応するパターンを形成するために、露光、現像する。
(C)感光性樹脂層23をウエットエッチング等で加工して受光部18に対応するパターンすなわち各ブロックを形成する。
(D)上記パターン形成された感光性樹脂層23に紫外線あるいは、より望ましくは350nm〜450nmの波長領域の光24を照射することによって、感光性樹脂層23が含有する感光剤等を脱色して、感光性樹脂層23の透明度を高める。
(E)上記透明度が上げられた感光性樹脂層23を加熱して熱変形させてマイクロレンズ19を形成する。この加熱の温度は、工程(D)における光24の照射量に対応して、例えば、150℃程度に設定する。
図10に示した上述の技術を基礎として、第2工程においては、下記第1の手順〜第5の手順によってマイクロレンズ6を形成する。まず、第1の手順において、図1の(b)に示す面全体にフォトレジストを塗布する。続いて、第2の手順において、第1の手順にてフォトレジストを塗布した部分の上にフォトマスク7を設置する。このとき、フォトマスク7は、開口部5の上に第1部分71が位置し、遮光部材4の上に第2部分72が位置するように設置する。続いて、第3の手順において、紫外線を用いて、第1の手順にて塗布したフォトレジストのうち、通過許可部7Aの下に位置する部分を感光させる。続いて、第4の手順において、エッチング等により、第1の手順にて塗布したフォトレジストのうち、感光させたものを残しその他を除去する。最後に、第5の手順において、第4の手順にて残したフォトレジストを溶融し、各マイクロレンズ6の形状に成形する。第5の手順にてフォトレジストを溶融したものが、レンズ形成材料8に相当する。
図2の(a)および(b)のそれぞれにおいては、レンズ形成材料8の厚みの分布を、等高線91〜等高線95によって示している。等高線91〜等高線95の各々が示す厚みの大きさを降順に並べると、等高線91、等高線92、等高線93、等高線94、等高線95となる。図2の(a)および(b)、ならびに図3によれば、レンズ形成材料8の厚みは、各開口部5の上で最も大きく、それらから離れるに従ってなだらかに小さくなっている。また、遮光部材4の形成部分の全体に亘って、レンズ形成材料8が存在している。
上記の方法によれば、第1部分71および第2部分72のそれぞれにおける、通過許可部7Aおよび遮断部7Bの面積を調整することにより、開口部5の上から遮光部材4の上に亘って、第4の手順にて残すフォトレジストの位置および面積を細かく設定することが容易となる。この結果、各マイクロレンズ6の表面形状をなだらかに形成することが容易となる。
また、上記の方法によれば、第2部分72に通過許可部7Aが形成されているため、第4の手順にて遮光部材4の上にフォトレジストを残すことができ、遮光部材4の上にレンズ形成材料8を設けることが容易となる。そしてこれにより、遮光部材4の上に設けたレンズ形成材料8が、入射した光を受光部3に対して集光する構成を実現することが可能となり、当該構成により、受光部3に対する集光の効率をより向上させることができる。
例えば、凹型開口形状の開口部に対して凹型に近い形状(開口部を全て覆って、さらにこれより大きいサイズの凹型のレンズ形状)のフォトマスクでマイクロレンズを形成した場合、受光部の上にはレンズ形成材料が存在し、遮光部材の上にはレンズ形成材料が存在しないため、溶融した後の最終レンズ形状においても、遮光部材の上にレンズ形成材料を設けることができない場合がある。このとき、遮光部材に向かう光は屈折されず受光部に集光することができない。上記の方法によれば、遮光部材の上にもレンズ形成材料が分布しており(開口部の上から離れる程、レンズ形成材料の厚みは小さくなる)、溶融した後に一定の曲率でマイクロレンズを形成することができる。このとき、遮光部材に向かう光もレンズ形成材料で屈折して受光部に対して集光される。このように、上記の方法によれば、特殊形状のマイクロレンズの厚さコントロールを容易に実現させることができる。
また、第1部分71においても、第2部分72においても、通過許可部7Aの形状は、矩形(幾何学形状)10Aを複数組み合わせた形状であると解釈することができる。同様に、第1部分71においても、第2部分72においても、遮断部7Bの形状は、矩形(幾何学形状)10Bを複数組み合わせた形状であると解釈することができる。
このように、第2工程において光にさらされるフォトマスク7の面(図1の(a)に示す面)を見たとき、第1部分71における通過許可部7Aの形状、第1部分71における遮断部7Bの形状、第2部分72における通過許可部7Aの形状、および第2部分72における遮断部7Bの形状のうち少なくとも一つは、1または複数の幾何学形状からなることが好ましい。つまり、これら4つの形状は、1または複数の幾何学形状からならない形状を含んでいてもよい。また、これら4つの形状のうち少なくとも1つが、1つの当該幾何学形状からなる形状であってもよい。
1または複数の幾何学形状からなる形状の部分については、その位置および面積を幾何学的に設定することができる。従って、第4の手順にて残すフォトレジストの位置および面積を容易にコントロールすることができるため、各マイクロレンズ6の表面形状をなだらかに形成することのさらなる容易化が可能となる。
また、第2工程において光にさらされるフォトマスク7の面(図1の(a)に示す面)を見たとき、第1部分71における通過許可部7A、第1部分71における遮断部7B、第2部分72における通過許可部7A、および第2部分72における遮断部7Bは、フォトマスク7の面上の所定の点Cに対して対称に配置されている。これにより、レンズ形成材料8全体の形状を、フォトマスク7の設置の際に点Cの下に位置する点C´に対して対称な形状とすることができるため、4つのマイクロレンズ6の全てを同じ形状にしたい場合に好適である。なお、第1部分71における通過許可部7A、第1部分71における遮断部7B、第2部分72における通過許可部7A、および第2部分72における遮断部7Bのうち少なくとも1つが、点Cに対して対称に配置されていなくても良い。
(変形例)
図4は、図2の(a)に示すシミュレーションと本実施の形態の変形例に係る基板1の主面2側との対応関係を示す平面図である。
図4に示すとおり、受光部3とマイクロレンズ6との間に配置されたカラーフィルタ11が基板1に設けられていても良い。カラーフィルタ11は、対応する受光部3に対して集光される光が通過する領域より広い範囲に亘って形成されており、その形状は長方形である。但し、カラーフィルタ11の形状は、正方形であっても良いし、方形でなくても良い。
上記の方法によれば、基板1にカラーフィルタ11が設けられている場合であっても、受光部3に対して効率良く集光することができるマイクロレンズ6を形成することができる。
〔実施の形態2〕
図5は、本実施の形態に係るフォトマスク12における、第2工程において光にさらされる面を見た図である。
図1の(a)に示したフォトマスク7は、第1部分71においても、第2部分72においても、通過許可部7Aの形状が、矩形10Aを複数組み合わせた形状であった。同様に、図1の(a)に示したフォトマスク7は、第1部分71においても、第2部分72においても、遮断部7Bの形状が、矩形10Bを複数組み合わせた形状であった。
一方、図5に示すフォトマスク12は、第1部分121においても、第2部分122においても、遮断部12Bの形状が、六角形(幾何学形状)13Bを複数組み合わせた形状である。なおこれに伴い、図5に示すフォトマスク12は、第1部分121においても、第2部分122においても、通過許可部12Aの形状が、幾何学形状から外れている。
以上に説明した点を除けば、フォトマスク12、第1部分121、第2部分122、通過許可部12A、および遮断部12Bの構成は、それぞれ、フォトマスク7、第1部分71、第2部分72、通過許可部7A、および遮断部7Bの構成と同じである。
〔実施の形態3〕
図6は、本実施の形態に係るフォトマスク14における、第2工程において光にさらされる面を見た図である。
図6に示すフォトマスク14は、第1部分141においても、第2部分142においても、遮断部14Bの形状が、三角形(幾何学形状)15Bを複数組み合わせた形状である。なおこれに伴い、図6に示すフォトマスク14は、第1部分141においても、第2部分142においても、通過許可部14Aの形状が、幾何学形状から外れている。
以上に説明した点を除けば、フォトマスク14、第1部分141、第2部分142、通過許可部14A、および遮断部14Bの構成は、それぞれ、フォトマスク7、第1部分71、第2部分72、通過許可部7A、および遮断部7Bの構成と同じである。
〔各実施の形態の総括〕
電子装置の製造工程において、以上の各実施の形態に示したレンズの形成方法を適用することにより、複雑な形状の開口部下に配置された受光部上に、複雑な形状のレンズを精度良く形成することが可能な電子装置の製造方法を実現することができる。当該電子装置の一例として、固体撮像装置が挙げられる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る電子装置の製造方法は、基板の主面に設けられた受光部の上に開口部が形成された遮光部材を、当該主面に設ける第1工程と、フォトマスクを用いたフォトリソグラフィによって、上記受光部の上にレンズ(マイクロレンズ6)を形成する第2工程とを含んでおり、上記開口部は、上面視において方形でない形状であり、上記フォトマスクは、上記第2工程において上記開口部の上に設置される第1部分と、上記第2工程において上記遮光部材の上に設置される第2部分とからなり、上記フォトマスクは、上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、上記第1部分および上記第2部分のそれぞれに、上記光の通過を許可する通過許可部と、上記光を遮断する遮断部とが形成されており、上記第1部分における上記通過許可部の面積が、上記第1部分における上記遮断部の面積より大きい。
上記の方法によれば、第1部分および第2部分のそれぞれにおける、通過許可部および遮断部の面積を調整することにより、開口部の上から遮光部材の上に亘って、フォトリソグラフィにて残すフォトレジストの位置および面積を細かく設定することが容易となる。この結果、レンズの表面形状をなだらかに形成することが容易となる。
また、上記の方法によれば、第2部分に通過許可部が形成されているため、フォトリソグラフィにて遮光部材の上にフォトレジストを残すことができ、遮光部材の上にレンズ形成材料を設けることが容易となる。そしてこれにより、遮光部材の上に設けたレンズ形成材料が、入射した光を受光部に対して集光する構成を実現することが可能となり、当該構成により、受光部に対する集光の効率をより向上させることができる。
本発明の態様2に係る電子装置の製造方法は、上記態様1において、上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、上記第2部分における上記遮断部の面積が、上記第2部分における上記通過許可部の面積より大きい。
上記の方法によれば、上記本発明の態様1に係る電子装置の製造方法と同様の原理で、レンズの表面形状をなだらかに形成することが容易となると共に、受光部に対する集光の効率をより向上させることができる。
本発明の態様3に係る電子装置の製造方法は、上記態様1または2において、上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、上記第1部分における上記通過許可部の形状、上記第1部分における上記遮断部の形状、上記第2部分における上記通過許可部の形状、および上記第2部分における上記遮断部の形状のうち少なくとも一つは、1または複数の幾何学形状(矩形10Aおよび10B、六角形、または三角形)からなる。
1または複数の幾何学形状からなる形状の部分については、その位置および面積を幾何学的に設定することができる。従って、フォトリソグラフィにて残すフォトレジストの位置および面積を容易にコントロールすることができるため、レンズの表面形状をなだらかに形成することのさらなる容易化が可能となる。
本発明の態様4に係る電子装置の製造方法は、上記態様1から3のいずれかにおいて、上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、上記第1部分における上記通過許可部、上記第1部分における上記遮断部、上記第2部分における上記通過許可部、および上記第2部分における上記遮断部のうち少なくとも一つは、上記フォトマスクの面上の所定の点に対して対称に配置されている。
上記の方法によれば、レンズ形成材料全体の形状を、フォトマスクの設置の際に上記所定の点の下に位置する点に対して対称な形状とすることができるため、複数のレンズの全てを同じ形状にしたい場合に好適である。
本発明の態様5に係る電子装置は、上記態様1から4のいずれかの電子装置の製造方法によって製造された電子装置であって、上記受光部と上記レンズとの間に配置されたカラーフィルタを備えている。
上記の構成によれば、基板にカラーフィルタが設けられている場合であっても、受光部に対して効率良く集光することができるレンズを形成することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 基板
2 主面
3 受光部
4 遮光部材
5 開口部
6 マイクロレンズ(レンズ)
7、12、14 フォトマスク
71、121、141 第1部分
72、122、142 第2部分
7A、12A、14A 通過許可部
7B、12B、14B 遮断部
8 レンズ形成材料
91〜95 等高線
10A、10B 矩形(幾何学形状)
11 カラーフィルタ
13B 六角形(幾何学形状)
15B 三角形(幾何学形状)

Claims (5)

  1. 基板の主面に設けられた受光部の上に開口部が形成された遮光部材を、当該主面に設ける第1工程と、
    フォトマスクを用いたフォトリソグラフィによって、上記受光部の上にレンズを形成する第2工程とを含んでおり、
    上記開口部は、上面視において方形でない形状であり、
    上記フォトマスクは、上記第2工程において上記開口部の上に設置される第1部分と、上記第2工程において上記遮光部材の上に設置される第2部分とからなり、
    上記フォトマスクは、上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、
    上記第1部分および上記第2部分のそれぞれに、上記光の通過を許可する通過許可部と、上記光を遮断する遮断部とが形成されており、
    上記第1部分における上記通過許可部の面積が、上記第1部分における上記遮断部の面積より大きいことを特徴とする電子装置の製造方法。
  2. 上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、
    上記第2部分における上記遮断部の面積が、上記第2部分における上記通過許可部の面積より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
  3. 上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、
    上記第1部分における上記通過許可部の形状、上記第1部分における上記遮断部の形状、上記第2部分における上記通過許可部の形状、および上記第2部分における上記遮断部の形状のうち少なくとも一つは、1または複数の幾何学形状からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置の製造方法。
  4. 上記第2工程において光にさらされる上記フォトマスクの面を見たとき、
    上記第1部分における上記通過許可部、上記第1部分における上記遮断部、上記第2部分における上記通過許可部、および上記第2部分における上記遮断部のうち少なくとも一つは、上記フォトマスクの面上の所定の点に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電子装置の製造方法によって製造された電子装置であって、
    上記受光部と上記レンズとの間に配置されたカラーフィルタを備えていることを特徴とする電子装置。
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JP7489961B2 (ja) 2019-03-05 2024-05-24 浜松ホトニクス株式会社 受光装置、及び受光装置の製造方法

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