JP2019011439A - 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット - Google Patents

離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット Download PDF

Info

Publication number
JP2019011439A
JP2019011439A JP2017129661A JP2017129661A JP2019011439A JP 2019011439 A JP2019011439 A JP 2019011439A JP 2017129661 A JP2017129661 A JP 2017129661A JP 2017129661 A JP2017129661 A JP 2017129661A JP 2019011439 A JP2019011439 A JP 2019011439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
insulating
release film
resin composition
solar cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017129661A
Other languages
English (en)
Inventor
靖史 白髭
Yasushi Shirohige
靖史 白髭
格 島崎
Itaru Shimazaki
格 島崎
敦 中原
Atsushi Nakahara
敦 中原
仁 西川
Hitoshi Nishikawa
仁 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2017129661A priority Critical patent/JP2019011439A/ja
Publication of JP2019011439A publication Critical patent/JP2019011439A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

【課題】太陽電池モジュールの組立て時において行うタブ線間の絶縁材の配置作業について、手作業の精度の限界に起因する貼り付け精度のバラツキを補正可能なリワーク性を確保しながら、絶縁材への粘着材の貼り付け作業の煩雑さを低減することができて、更には、太陽電池モジュールとしての一体化後において他の積層部材、とりわけ他の金属部材との優れた密着性を発現する新たな絶縁材を開発すること。【解決手段】離型フィルム13から、絶縁性基材11と粘着層12とを備える複数の帯状の粘着絶縁テープ1を切り出して離脱させることができる離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10において、粘着層12を、酸変性ポリオレフィンを含有する粘着性樹脂組成物からなり、JIS Z 0237:2009に準ずる180°ピール粘着力試験によって測定した粘着性が、100mN/cm以上2000mN/cm以下であるものとする。【選択図】図4

Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造に用いることができる、離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットに関する。
従来、太陽電池モジュールの層構成は、図6に示す層構成が一般的である。即ち、受光面側から、透明前面基板5、受光面側封止材シート4A、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート4B及び裏面保護シート6がこの順に積層された構成である。又、図2に示すように太陽電池素子3については、通常、各素子の表面又は裏面に、複数の隣接する太陽電池素子を接続してこれらの各素子において発電した電気を集電するためのタブ線(出力リード線)2A、2Bが接続されている。
上記の各タブ線は、太陽電池モジュールにおいて、発電した電気を集電し出力するために必須の構成部材である。但し、昨今、太陽電池モジュールにおいては、単位面積当りの発電効率の向上についての厳しい要求に応えるために、タブ線によって被覆されている部分の面積比率を極限まで最小化することが望まれている。このため、特に太陽電池モジュールの周縁部のタブ線の引き出し領域では、多くのタブ線は、太陽電池モジュールの平面視において相互に重なる位置に配置されることとなる(図2参照)。
このような上下に重なる位置への配置を典型的な例として、近接するタブ線間には、タブ線間における短絡を防ぐための絶縁材を配置することが必須となる。従来、タブ線間或いはタブ線と他の構成部材との間の絶縁については、絶縁が必要な箇所に、例えば、電子部品止め用の粘着テープ(特許文献1参照)等を用いて絶縁材を手作業で仮止めした後に、太陽電池モジュールとしての一体化のためのラミネーション工程においてこれらを最終的に固定するやり方で行われることが一般的であった。しかしながら、この絶縁材の取付け方法は、絶縁材に粘着剤を貼付ける作業と、タブ線への仮止めのための粘着材付き絶縁材の貼り付けという二段階の手作業にかかる煩雑さを逃れ得なかった。
又、従来の電子部品止め用の粘着テープにおいては、太陽電池モジュールとしての一体化後における金属部材との密着性については、何らの考慮もされていない点において、改善すべき問題を抱えるものであった。
特開2016−213355号公報
本発明は、太陽電池モジュールの組立て時において行うタブ線間の絶縁材の配置作業について、手作業の精度の限界に起因する貼り付け精度のバラツキを補正可能なリワーク性を確保しながら、絶縁材への粘着材の貼り付け作業の煩雑さを低減することができて、更には、太陽電池モジュールとしての一体化後において他の積層部材、とりわけ他の金属部材との優れた密着性を発現する新たな絶縁材を開発することを課題とする。
本発明者らは、絶縁性基材に非晶性の粘着性樹脂組成物によって粘着層を形成した絶縁フィルムと離型層が積層されてなる積層体であって、帯状の絶縁テープが切り出し可能なハーフカット加工が施された離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットにより、上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 絶縁性基材に粘着層、離型フィルムが、この順で積層されてなる積層体であって、前記絶縁性基材は、絶縁性樹脂組成物からなり、前記粘着層は、酸変性ポリオレフィンを含有する粘着性樹脂組成物からなり、JIS Z 0237:2009に準ずる180°ピール粘着力試験によって測定した前記粘着層の粘着性が、100mN/cm以上2000mN/cm以下であり、前記積層体は、前記離型フィルムから、前記絶縁性基材と前記粘着層とを備える複数の帯状の粘着絶縁テープを切り出して離脱させることができる態様で、前記絶縁性基材側の表面から前記粘着層と前記離型フィルムとの界面にまで達するハーフカット加工が施されている、離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
(2) 前記粘着性樹脂組成物が非晶性の樹脂組成物である、(1)に記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
(3) 前記粘着性樹脂組成物の酸含量が、0.1質量%以上20.0質量%以下である、(1)又は(2)に記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
(4) 各々の前記粘着絶縁テープには、一方の端部に幅方向に突出する鍵状部分が形成されていて、一の前記粘着絶縁テープの前記鍵状部分の先端部が、他の前記粘着絶縁テープの鍵状部分が存在しない端部に向き合う形で一対の粘着絶縁テープの組合せを構成していて、複数の前記組合せが、前記ハーフカット加工によって連続的に形成されている、(1)から(3)のいずれかに記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
(5) (1)から(3)のいずれかに記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットから離脱させて得た前記粘着絶縁テープをタブ線上に直接、常温で、仮止めする工程と、前記粘着絶縁テープが仮止めされた状態の前記タブ線と、太陽電子素子と、樹脂製の封止材シートとが積層されてなる積層体を熱ラミネーション処理によって一体化する工程と、を含んでなる、太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、太陽電池モジュールの組立て時において行うタブ線間の絶縁材の配置作業について、手作業の精度の限界に起因する貼り付け精度のバラツキを補正可能なリワーク性を確保しながら、絶縁材への粘着材の貼り付け作業の煩雑さを低減することができて、更には、太陽電池モジュールとしての一体化後において他の積層部材との優れた密着性を発現する新たな絶縁材を提供することができる。
本発明の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットから離脱させて得ることができる粘着絶縁テープの層構成を模式的に示す断面図である。 本発明の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットから離脱させて得ることができる粘着絶縁テープを用いて構成されている太陽電池モジュールのタブ線間の絶縁構造の説明に供する平面図である。 太陽電池モジュールにおいて図2に示す絶縁構造を含む部分の層構成を模式的に示す断面図である。 本発明の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットの平面図である。 図4に示す離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットの層構成を模式的に示す断面図である。 本発明を適用可能な太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットの全体構成、この離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットから得ることができ、太陽電池モジュールの製造に好ましく用いることができる粘着絶縁テープ、及び、それらの太陽電池モジュールの製造への適用にかかる実施形態について順次説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット>
離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10は、図4及び図5に示すように、離型フィルム13上に、複数の帯状の粘着絶縁テープ1が、手作業によって容易に切り出せるハーフカット加工により形成されている絶縁材の組合せキットである。キット化により、粘着絶縁テープの輸送、保管、在庫管理が効率よく行えるようになる。尚、粘着絶縁テープ1の詳細については後述する。
図5に示す通り、離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10は、粘着絶縁テープ1と同一の層構成の積層体が、離型フィルム13上に積層される層構成からなる。離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10は、最表面に配置されている絶縁性基材11を構成する樹脂フィルム及び粘着層12を構成する樹脂層の部分を貫通して粘着層を構成する樹脂層と離型フィルム13との界面までに達するハーフカット加工(図5における破線部分)によって、個々の粘着絶縁テープ1の外縁が形成されている。
絶縁性基材11を構成する樹脂フィルムは、下記に詳細を説明する絶縁性樹脂組成物からなるものであればよく、粘着層12を構成する樹脂層は、下記に詳細を説明する通り、非晶性の粘着性樹脂組成物材料樹脂からなるものであればよい。離型フィルム13としては、ポリエチレンラミネートタイプやグラシンタイプ等の従来公知の各種の離型フィルムを適宜用いることができる。
離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10における各々の粘着絶縁テープ1の配置に特段の限定はないが、例えば、図4に示すように、個々の粘着絶縁テープ1の一方の端部に幅方向に突出する鍵状の部分が形成されていて、一の粘着絶縁テープ1のこの鍵状の部分の先端部が、他の粘着絶縁テープ1の当該鍵状の部分が存在しない端部に向き合う形で一対の粘着絶縁テープの組合せを構成していて、これらの組合せが、上述のハーフカット加工によって連続的に形成されている配置態様を好ましい配置の具体例として挙げることができる。各々の粘着絶縁テープ1のこのような配置態様によれば、離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10の1枚当りに配置される粘着絶縁テープ1の個数を最大化することができる。これにより、単位作業当りの離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10の使用枚数を減らして、材料コストと作業の繁雑度とを低減させることができる。又、このような配置態様によれば、幅方向に突出する鍵状の部分が対面配置していることによる、使用する粘着絶縁テープ1を剥がすときに、その時点では未だ使用しない隣接する粘着絶縁テープ1が追随して剥がれてしまうリスクを低減することができる。
<粘着絶縁テープ>
図1に示す通り、本発明の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットから離脱させて得ることができる粘着絶縁テープ(以下、単に「粘着絶縁テープ」と言う)1、は、絶縁性を有する樹脂基材からなる絶縁性基材11に、常温での粘着性と加熱後の優れた金属密着性とを併せ持つ粘着層12が積層されてなる多層テープである。粘着層12は、絶縁性基材11に、例えばエポキシ系の接着剤等からなる接着層(図示せず)を介して積層されていることが好ましい。
[絶縁性基材]
絶縁性基材11は、粘着絶縁テープ1の主たる層を構成する樹脂基材であり、太陽電池モジュールにおいて粘着絶縁テープ1に要求される水準の絶縁性は、この樹脂基材の絶縁性によって担保される。太陽電池モジュールにおいて求められる絶縁性の水準とは、一般的には、絶縁材を形成する樹脂の体積固有抵抗率が、少なくとも1.0×10Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることがより好ましい。尚、体積固有抵抗率の測定は、例えばエーディーシー製デジタル超高抵抗/微少電流計5450/5451等を用いることによって測定することができる。本明細書における「絶縁性樹脂組成物」とは、上記程度を目安とし、個々の太陽モジュールにおいて実際に求められる絶縁性を担保することができる絶縁体を形成可能な樹脂組成物のことを言うものとする。
絶縁性基材11は、上記の絶縁性にかかる満たしうる樹脂基材であればよい。又、絶縁性基材11は、熱収縮率が小さいものであることが好ましい。そして、太陽電池モジュールは長期に亘って屋外の過酷な湿熱環境での使用が想定されるものであるため、長期耐久性に優れる樹脂であることが好ましい。例えば、具体的には、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂からなる群より選択される1種の樹脂をベース樹脂とする絶縁性樹脂組成物からなる樹脂基材を、絶縁性基材11として好ましく用いることができる。電子機器の製造において仮着用の絶縁テープとして広く用いられている塩化ビニル樹脂ベースの絶縁テープは、長期耐久性の面で上記樹脂に劣るため本発明への適用は好ましくない。
上記の絶縁性樹脂組成物として用いることができるポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましい一例として挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)の他、ポリエチレンテレフタレート(PET)に酸化チタン等の白色顔料を含有させた白色PETであってもよく、或いは、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(HR−もPET)であってもよい。尚、絶縁性基材11を上記の白色PET等着色された絶縁基材によって構成することで、粘着絶縁テープ1とそれを用いてなる太陽電池モジュール100の意匠性を向上させることができる。
絶縁性樹脂組成物として好ましく選択することができるフッ素系樹脂として、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等を挙げることができる。これらの中でも、製造容易性に優れる、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を特に好ましく用いることができる。
絶縁性樹脂組成物として好ましく選択することができるアクリル系樹脂として、アクリル酸のアルキルエステル、メタアクリル酸のアルキルエステルの単独重合体、共重合体、及び、これらの少なくとも1種と架橋性官能基を含有するα,β−エチレン性不飽和単量体とを共重合して得られる変性アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
絶縁性基材11の厚さは、IEC61730−2に規定される太陽電池モジュールの安全適格性を満たす絶縁性を担保できる厚さであることを前提とし、タブ線への手作業による貼り付けの作業容易性を損なわない範囲で適宜選択することができる。一般的には、38μm以上250μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
[粘着層]
粘着層12は、絶縁性基材11の少なくとも一方の表面に形成されることにより、粘着絶縁テープ1に、「常温での適度な粘着性」と、「太陽電池モジュールとして一体化された後における優れた金属密着性」を付与する層である。
ここで、本明細書における粘着絶縁テープにかかる「粘着性」とは、「JIS Z 0237:2009に準ずる180°ピール粘着力試験」によって測定した粘着層表面の粘着性のことを言うものとする。尚、この180°ピール粘着力試験は、常温、具体的には、24℃±2℃の温度条件下で行うものとする。
粘着層12は、上記定義による粘着性が、100mN/cm以上2000mN/cm以下であり、より好ましくは、150mN/cm以上1500mN/cm以下である。粘着層12の上記粘着性が100mN/cm以上であることによって、粘着絶縁テープ1のタブ線への手作業による仮止めを、容易且つ迅速に行うことができる。又、上記粘着性が100mN/cmに満たない場合には、太陽電池モジュール作製のための積層工程中に、粘着絶縁テープ1の位置ずれが生じて、これに起因する漏電が発生してしまうリスクが生じる。一方、粘着層12の有する上記粘着性が2000mN/cm以下であることにより、粘着絶縁テープ1のタブ線への貼り付けの手作業にミスが生じた場合におけるリワーク性も確保することができる。又、上記粘着性が2000mN/cmを超える場合には、太陽電池モジュール作製のための積層工程中に、タブ線以外の他部材への粘着絶縁テープ1の貼り付きが生じて作業が煩雑になるリスクが高まる。
又、粘着層12の有する「太陽電池モジュールとして一体化された後における優れた金属密着性」とは、太陽電池モジュールとしての一体化のための熱ラミネート処理後、即ち、一定の加熱圧着処理後において発現する粘着絶縁テープ1に特有の優れた金属密着性(この物性のことを、本明細書においては「加熱後金属密着性」とも言う)のことを言う。本明細書における「加熱後金属密着性」は、具体的には、下記の金属密着性試験によって測定することができる粘着層の金属密着性の値のことを言う。粘着層12は、この加熱後金属密着性が、4.0N/15mm以上であることが好ましく、6.0N/15mm以上であることがより好ましい。粘着層12の加熱後金属密着性が4.0N/15mm以上であることによって、太陽電池モジュールの絶縁構造の信頼性、耐久性を有意に向上させることができる。
「加熱後金属密着性」を測定するための金属密着性試験の試験方法は以下の通りである。
金属密着性試験:15mm幅にカットした粘着絶縁テープ試料を、銅板(75mm×50mm×0.05mm)上に、その粘着層を銅板側に向けて、密着させて、下記の熱ラミネート条件で、真空加熱ラミネータによる加熱圧着処理を行い、銅板上に密着している粘着絶縁テープ試料を、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い密着強度を測定する。
(熱ラミネート条件) (a)真空引き:4.0分
(b)加圧(0kPa〜100kPa):1.5分
(c)圧力保持(100kPa):9.0分
(d)温度155℃
(粘着性樹脂組成物)
粘着層12を形成する粘着性樹脂組成物(以下、単に「粘着性樹脂組成物」とも言う)としては、酸変性ポリオレフィンと、低密度のα−オレフィン共重合体とを含む非晶性の樹脂組成物を用いる。このような樹脂組成部を用いて粘着層12を形成することにより、上述した通り、粘着絶縁テープ1の粘着層12に、適切な「常温での粘着性」と優れた「加熱後金属密着性」とを兼ね備えさせることができる。
尚、非晶性の樹脂組成物とは、高分子鎖が規則正しく配列している結晶状態の部分が存在しないか極小であることにより、ガラス転移点Tgのみを有し結晶融点を有さない、樹脂組成物のことを言う。樹脂層を形成する任意の樹脂組成物が、非晶性の樹脂組成物であるか否かについては、示差走査熱量測定(DSC)による測定対象樹脂の測定において、DSC曲線状にガラス転移点Tgを示す変節点が存在し、融点の存在を示す変節点が存在しない樹脂である場合にこれを非晶性樹脂と認定する方法によって判別することができる。
粘着性樹脂組成物を、酸変性ポリオレフィンと、低密度のα−オレフィン共重合体とを含む組成とするのみに止まらず、更に、それらの各樹脂を特に非晶性のもののみに特定することにより、粘着絶縁テープ1の粘着層12に、常温における極めて適切な粘着性を備えさせることができる。
粘着性樹脂組成物に含まれる酸変性ポリエチレンは、不飽和カルボン酸又はその誘導体等の酸で変性されたポリオレフィン樹脂であって、尚且つ、非晶性の樹脂であればよい。変性に用いる酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、ソルビン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。又、これら不飽和カルボン酸の誘導体も使用できる。その誘導体としては、例えば、酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩が挙げられ、具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、マレイン酸エチル、アクリルアミド、マレイン酸アミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウムが挙げられる。変性の方法も特に制限は無く、公知の方法を用いればよい。例えば、ポリオレフィン樹脂を溶媒に溶解し、不飽和カルボン酸又はその誘導体及びラジカル発生剤を添加して加熱、撹拌する方法、上記各成分を押出機に供給してグラフト共重合させる方法がある。これらの中でも、極性基の安定性の観点より、無水マレイン酸変性ポリエチレン、又は、カルボキシ基を有するカルボン酸変性ポリエチレンを、粘着性樹脂組成物を形成する樹脂として好ましく用いることができる。
粘着性樹脂組成物に含まれる酸変性ポリオレフィンは、密度が、0.850g/cm以上0.970g/cm以下であることが好ましく、0.860g/cm以上0.930g/cm以下であることがより好ましい。又、この酸変性ポリオレフィンのMFRは、2.0g/10分以上20.0g/10分以下の範囲であることが好ましい。粘着層12を上記密度及びMFR範囲内の酸変性ポリオレフィンで形成することにより、上記の「加熱後金属密着性」向上の効果をより高い水準で確実に発現させることができる。尚、本明細書におけるメルトマスフローレート(MFR)とは、JIS K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるメルトマスフローレート(MFR)の値のことを言うものとする。
粘着性樹脂組成物に含まれる酸変性ポリオレフィン中としては、酸含量が、0.1質量%以上20質量%以下の範囲にある各種の酸変性ポリオレフィンを用いることができる。この酸変性ポリオレフィンの酸含量は0.8質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。又、上記酸含量が、0.5質量%以上5質量%程度の範囲にあるマレイン酸変性ポリオレフィンを、粘着性樹脂組成物に含まれる酸変性ポリオレフィンとして、特に好ましく用いることができる。酸含量が上記範囲にあるマレイン酸変性ポリオレフィンであって、市場で入手可能なもの具体例としては、例えば、マレイン酸変性ランダムポリプロピレン「アドマーSE810(三井化学社製)」を挙げることができる。尚、上記、酸含量は、樹脂のIRスペクトルを測定し、1670cm−1〜1810cm−1のピーク面積に基づき別途作成した検量線から決定される。
粘着性樹脂組成物は、以上説明した非晶性の酸変性ポリオレフィンを50質量%以上90質量%以下の割合で含むものであればよく、70質量%以上90質量%以下の割合で含むものであることがより好ましい。特に非晶性の酸変性ポリオレフィンがマレイン酸変性ポリオレフィンである場合には、上記割合が、70質量%以上90質量%以下の割合であることが好ましい。粘着性樹脂組成物中における非晶性の酸変性ポリオレフィンの含有量を上記範囲内とすることにより、太陽電池モジュールとしての一体化のための熱ラミネーション処理後における金属密着性、即ち、「加熱後金属密着性」の向上の効果を好ましい水準で享受することができる。
粘着性樹脂組成物に含まれる非晶性且つ低密度のα−オレフィン共重合体は、結晶融点を有さない非晶性の樹脂であればよく、各種のオレフィン系エラストマーを用いることができる。このようなオレフィン系エラストマーとして、例えば、ブタジエンゴム及びその水添物;イソプレンゴム;アクリロニトリル−ブタジエンゴム及びその水素添加物;1,2−ポリブタジエン、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−ブテン−ジエンゴム、エチレン−ブテンゴム、エチエン−ヘキセンゴム、エチレン−オクテンゴム等のオレフィン系エラストマーが挙げられる。
粘着性樹脂組成物に含まれる上記のα−オレフィン共重合体は、密度が0.900g/cm未満であることが好ましく、0.850g/cm以上0.890g/cm以下であることがより好ましい。粘着層12に、上記のような低密度のα−オレフィン共重合体を所定量範囲で含有させることにより、粘着絶縁テープの常温での適度な粘着性を発現させることができる。
粘着性樹脂組成物は、以上説明した非晶性且つ低密度のα−オレフィン共重合体を5質量%以上50質量%以下の割合で含むものであればよく、10質量%以上25質量%以下の割合で含むものであることがより好ましい。粘着性樹脂組成物中における非晶性且つ低密度のα−オレフィン共重合体の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着絶縁テープの常温での粘着性の最適化の効果を十分に享受することができる。
<太陽電池モジュール及びその絶縁構造>
本発明の粘着絶縁テープ1を用いてその一部を構成する絶縁構造を含んでなる太陽電池モジュール100の基本構成について、図2、図3及び図6を参照しながら説明する。太陽電池モジュール100は、受光面側から、透明前面基板5、受光面側封止材シート4A、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート4B、裏面保護シート6が、この層に積層された構成である。
[太陽電池モジュール]
太陽電池モジュール100に用いる太陽電池素子3としては、例えば、アモルファスシリコン型、結晶シリコン型等、通常、各素子間をタブ線で接続して用いるタイプの太陽電池素子を好ましく用いることができる。
受光面側封止材シート4A及び非受光面側封止材シート4Bは、いずれも主として太陽電池素子3を外部衝撃から保護する機能を発揮する樹脂シートである。又、特に受光面側封止材シート4Aは太陽光線を高い透過率で透過させるために透明なシートであることが求められる。これらの封止材シート(4A、4B)を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができる。
透明前面基板5は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板5は、又、太陽電池モジュール100の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
[太陽電池モジュールの絶縁構造]
本発明の粘着絶縁テープ1は、太陽電池モジュール100において、複数のタブ線間の絶縁構造を構成するための絶縁材として好ましく用いることができる。この絶縁構造は、例えば、図2及び図3に示すように、平面視における相互に重なる上下の位置に配置されるタブ線間の実施形態を好ましい具体例として挙げることができる。このような絶縁構造とすることにより、複数のタブ線間の絶縁性を確保しながら、タブ線の配置スペースを最小化することができる。
但し、粘着絶縁テープ1を用いた絶縁構造は、上記のような配置場所に構成される絶縁構造に限定されない。太陽電池モジュール内の絶縁が必要なあらゆる箇所において、この粘着絶縁テープ1を用いた絶縁構造を構成することができる。
尚、図3に示すような、粘着絶縁テープ1がタブ線2Aとタブ線2Bの間に配置されてなるタブ線間の絶縁構造においては、粘着絶縁テープ1は、タブ線2Aとタブ線2Bのうち少なくともいずれか一方の表面に粘着層12を直接貼着されて、これらのタブ線の間を絶縁する絶縁構造を構成する。
このような絶縁構造は、先ず、粘着絶縁テープ1が、手作業等によりいずれかのタブ線に図2、図3に示す態様で貼着された段階においては、粘着層12は、常温における適度な粘着性、即ち、粘着絶縁テープ1をタブ線に2A等に容易に仮止めできる程度の粘着性を発現する。又、熱ラミネーション前のこの段階においては、粘着絶縁テープ1の貼り付け位置の微修正等が可能なリワーク性も未だ保持されている。本明細書における、粘着層を介した「仮止め」とは、上記のように、粘着絶縁テープが仮止めされた被着体を積層して製品を作る際に、予め仮止めされた場所から動くことなく次工程へ進行できる程度の密着力を有する程度の粘着性が発揮されている状態で、絶縁テープ等の粘着物をタブ線等の被着対象物に付着させることを言うものとする。
このような絶縁構造の構成の適用対象とすることができるタブ線2A、2Bは、特に限定はされないが、一般的に、太陽電池モジュールにおいては、厚さ50〜300μm程度に圧延された銅箔やアルミ箔をスリットし、或いは銅やアルミ等の細い金属ワイヤーを平板状に圧延してなる1〜3mm程度の幅の平角線が用いられており、本発明の絶縁構造は、そのようなタブ線間の絶縁構造の構成に極めて好ましく適用可能な構造である。
[太陽電池モジュールの製造方法]
一般に太陽電池モジュールは、これを構成する太陽電池素子や封止材シート他の各部材を積そうしてなる積層体を加熱圧着して一体化する製法により製造することができる。本発明の絶縁構造を含む太陽電池モジュール100を製造する場合においては、離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット10から離脱させて得た個々の粘着絶縁テープ1を、絶縁が必要なタブ線2B上に直接、常温において仮止めする工程を、上記の加熱圧着処理に先行して行う。そして、その後、透明前面基板5、受光面側封止材シート4A、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート4B、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してなる積層体を、真空吸引等により一体化する真空熱ラミネート加工を行う。真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃以上170℃以下の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5分以上20分以下の範囲内が好ましく、特に8分以上15分以下の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形する際に、加熱によって粘着層12の表面に金属製のタブ線との間の高い密着性(加熱後金属密着性)が発現する。これにより、タブ線に対して仮止め状態であった粘着絶縁テープのタブ線に対する強固な接着構造が完成する。
以下の通り、実施例、比較例の各粘着絶縁テープを作成して、本発明の効果を検証した。
(絶縁性基材)
絶縁性基材として、実施例2を除く他の全ての実施例及び比較例において、下記のPETフィルムを用いた。
:白色のPETフィルム(東レ社製、「E20」、厚さ75μm)(表1で「白色」と記す)
但し、実施例2においては、下記のPETフィルムを用いた。
:透明な耐加水分解PETフィルム(東レ社製、「X10S」、厚さ75μm)(表1で「透明」と記す)
(粘着層)
上記の絶縁性基材の一方の表面に下記の粘着性樹脂フィルムを、ウレタン系の接着剤によるドライラミネート法によって積層一体化することにより、各実施例及び比較例の粘着絶縁テープに粘着層を形成した。
(粘着性樹脂フィルム)
各粘着絶縁テープの粘着層を構成する粘着性樹脂フィルムとして、以下に詳細を説明する粘着性樹脂組成物を、厚さ30μmで押出し溶融成形してなる樹脂フィルムを用いた。
(実施例1−4及び比較例1−2)
実施例1−4及び比較例1−2においては、粘着性樹脂フィルムを成形する粘着性樹脂組成物として、下記の酸変性ポリオレフィン(酸変性ポリオレフィン(A))と、α−オレフィン共重合体(α−オレフィン共重合体(A))とを、混合した樹脂組成物を用いた。但し、これらの各樹脂の混合比については、各実施例及び比較例毎に、下記表1に記載の通りの割合とした。
(酸変性ポリオレフィン(A))
:マレイン酸変性ランダムポリプロピレン「アドマーSE810(三井化学社製)」。密度0.888g/cm、結晶融点なし。
(α−オレフィン共重合体(A))
:ポリオレフィンエラストマー「タフマーDF640(三井化学社製)」。密度0.864g/cm、結晶融点なし。
(比較例3)
比較例3においては、それぞれ、酸変性ポリオレフィン及びα−オレフィン共重合体として、いずれも結晶融点を有する(酸変性ポリオレフィン(B))及び(α−オレフィン共重合体(B))とを、混合した樹脂組成物を用いた。これらの各樹脂の混合比については、下記表1に記載の通りの割合とした。
(酸変性ポリオレフィン(B))
:無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂「モデイックM545(三菱化学社製)」。密度0.900g/cm、結晶融点103℃。
(α−オレフィン共重合体(B))
:ポリオレフィンエラストマー「タフマーDF8200 A20085S(三井化学社製)」。密度0.885g/cm、結晶融点66℃。
(比較例4)
又、比較例4においては、粘着性樹脂フィルムを成形する樹脂組成物として、酸変性されていない下記の低密度ポリエチレン(LDPE)のみを用いた。
(低密度ポリエチレン(LDPE))
:密度0.919g/cm、結晶融点106℃。
(実施例5−7)
実施例5−7においては、粘着性樹脂フィルムを成形する粘着性樹脂組成物として、下記の通りに調合して酸含量を調整した各酸変性ポリオレフィン(酸変性ポリオレフィン(C)〜(E))と、上記のα−オレフィン共重合体(A)とを、混合した樹脂組成物を用いた。但し、これらの各樹脂の混合比については、各実施例毎に、下記表1に記載の通りの割合とした。
(酸変性ポリオレフィン(C))
:上記のα−オレフィン共重合体(A)(「タフマーDF640」(三井化学社製)、結晶融点なし)100質量部、無水マレイン酸(和光純薬製特級試薬)2質量部、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン)「パーヘキサ25B」(日本油脂(株)製)3.0質量部の混合物、温度200℃、スクリュー回転速度150rpmに設定したベント口を有する同方向二軸スクリュー混練押出機TSEに5.0kg/時間の速度で供給して溶融混練した。該押出機の吐出部の押出ダイから溶融樹脂をストランド状に押し出し、これを粉砕することによって酸変性ポリオレフィン(C)のペレットを得た。この酸変性ポリオレフィン(C)の酸含量を、上述の方法、即ち、樹脂のIRスペクトルを測定し、1670cm−1〜1810cm−1のピーク面積に基づき別途作成した検量線から決定する方法により測定したところ、酸変性ポリオレフィン(C)の酸含量は1.4%であった。
(酸変性ポリオレフィン(D))
:無水マレイン酸(和光純薬製特級試薬)の添加量を6質量部とした他は、(酸変性ポリオレフィン(C))と同一の組成からなる混合物から同一の製法により、酸変性ポリオレフィン(D)のペレットを得た。この酸変性ポリオレフィン(D)の酸含量を、上述の方法により測定したところ、酸変性ポリオレフィン(D)の酸含量は4.2%であった。
(酸変性ポリオレフィン(E))
:無水マレイン酸(和光純薬製特級試薬)の添加量を1質量部とした他は、(酸変性ポリオレフィン(C))と同一の組成からなる混合物から同一の製法により、酸変性ポリオレフィン(D)のペレットを得た。この酸変性ポリオレフィン(D)の酸含量を、上述の方法により測定したところ、酸変性ポリオレフィン(D)の酸含量は0.7%であった。
(α−オレフィン共重合体(A))
:ポリオレフィンエラストマー「タフマーDF640(三井化学社製)」。密度0.864g/cm、結晶融点なし。
<評価例1:常温での粘着性評価>
[粘着性試験:180°ピール粘着力試験]
幅10mm×長さ100mmにカットした各実施例及び比較例の粘着絶縁テープの測定面(粘着層側の面)を、アルミ板(A1050P)(幅10mm×長さ125mm、厚み0.2mm)に貼り付け、1kgのローラーを1往復させることにより圧着した。その後、23℃、50%RHの雰囲気下で48時間エージングして、これを粘着性評価用試料とした。上記試料を用いて、粘着絶縁テープの180°剥離試験を行い、アルミニウム板に対する粘着絶縁テープの180°ピール粘着力(mN/cm)を測定した。測定は、23℃、50%RHの雰囲気下、引張試験機を使用して、剥離角度180°、引張速度50mm/minの条件で行った。評価基準として、上記試験により得た常温での粘着性について、以下の評価基準により評価した。測定結果と評価結果を「常温粘着性」として表1に示す。
(評価基準)
A:120mN/cm以上800mN/cm未満
B:80mN/cm以上120mN/cm未満、又は、800mN/cm以上2000mN/cm未満
C:80mN/cm未満、又は、2000mN/cm以上
<評価例2:加熱後金属密着性評価>
[金属密着性試験:加熱圧着後の剥離試験]
幅10mm×長さ100mmにカットした粘着絶縁テープを、アルミ板(A1050P)(幅10mm×長さ125mm、厚み0.2mm)上に、その粘着層をアルミ板側に向けて密着させて、下記の熱ラミネート条件で、真空加熱ラミネータによる加熱圧着処理を行い、粘着絶縁テープを銅板に密着させた。上記加熱圧着処理完了後、数時間常温放置してから、各粘着絶縁テープについて、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)を用いて垂直剥離(50mm/min)試験を行って密着強度を測定することにより、加熱圧着後の金属密着性を評価した。評価基準として、上記試験により得た密着強度について、以下の評価基準により評価した。測定結果と評価結果を「加熱後金属密着性」として表1に示す。
(熱ラミネート条件) (a)真空引き:4.0分
(b)加圧(0kPa〜100kPa):1.5分
(c)圧力保持(100kPa):9.0分
(d)温度155℃
(評価基準)
A:6N/15mm以上
B:4N/15mm以上6N/15mm未満
C:4N/15mm未満
<評価例3:密着耐久性評価>
[耐久性試験]
各実施例及び比較例の粘着絶縁テープを用いて構成した太陽電池モジュールにおける各粘着絶縁テープの耐久性を評価するために、評価用モジュールを作成した。評価用モジュールの層構成は、同サイズのガラス/封止材(EVA樹脂からなるシート:厚さ450μm)/各実施例又は比較例のうち、いずれかの粘着絶縁テープ/アルミ板(A1050P:厚さ0.2mm)/封止材(EVA樹脂からなるシート:厚さ450μm)/裏面保護シート(フッ素樹脂及びPETを積層してなるシート、水蒸気バリア性:0.2g/m・day)の順に積層した構成とし、モジュールの平面サイズは、180mm×180mmとした。
上記の通り作成した、各実施例及び比較例の評価用モジュールを、プレッシャークッカー試験機(平山製作所製:HASTTEST)に投入し、121℃、100%RH、2atmの条件で湿熱環境下での劣化促進試験を行った。120時間経過後、試験体を試験機から取り出し数時間常温放置した後に、上記金属密着性試験と同じ測定方法で密着強度を測定した。評価基準として、上記試験により得た密着強度について、以下の評価基準により評価した。測定結果と評価結果を「密着耐久性」として表1に示す。
(評価基準)
A:6N/15mm以上
B:4N/15mm以上6N/15mm未満
C:4N/15mm未満
<評価例4:作業性>
各粘着絶縁テープについて、タブ線間の絶縁構造を構成するための作業における作業性を、以下の評価方法及び評価基準により評価した。評価結果を「作業性」として表1に示す。
(評価基準)
A:銅箔からなるタブ線に実施例又は比較例の各粘着絶縁テープを、手作業で容易に仮止めすることができ、タブ線及び粘着絶縁テープを垂直に立てた状態で10分間放置しても、位置ずれも剥離も生じなかった。更に、その後、絶縁テープをどの試料についても同程度の強度で、5回の振動を手動でかけたが、位置ずれも剥離も生じなかった。尚且つ、手作業による貼り直し(リワーク)も容易に行うことができた。
B:銅箔からなるタブ線に実施例又は比較例の各粘着絶縁テープを、手作業で容易に仮止めすることができ、タブ線及び粘着絶縁テープを垂直に立てた状態で10分間放置しても、位置ずれも剥離も生じなかった。更に、その後、絶縁テープをどの試料についても同程度の強度で、5回の振動を手動でかけたところ、部分的に絶縁テープの剥離が生じた。或いは、上記において、位置ずれも剥離も生じなかったが、手作業による貼り直し(リワーク)は困難であった。
C:銅箔からなるタブ線に各粘着絶縁テープを、手作業で仮止めできなかった。或いは、粘着層が破損して貼り直し(リワーク)ができなかった。
Figure 2019011439
Figure 2019011439
表1及び2より、本発明の粘着絶縁テープは、太陽電池モジュールの組立て時において行うタブ線間の絶縁材の配置作業について、手作業の精度の限界に起因する貼り付け精度のバラツキを補正可能なリワーク性を確保しながら、絶縁材への粘着材の貼り付け作業の煩雑さを低減することができて、更には、太陽電池モジュールとしての一体化後において他の積層部材との優れた密着性を発現する新たな絶縁材を提供することができるものであることが確認できる。
1 粘着絶縁テープ
11 絶縁性基材
12 粘着層
2A、2B タブ線
3 太陽電池素子
4A 受光面側封止材シート
4B 非受光面側封止材シート
5 透明前面基板
6 裏面保護シート
10 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット
100 太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. 絶縁性基材に粘着層、離型フィルムが、この順で積層されてなる積層体であって、
    前記絶縁性基材は、絶縁性樹脂組成物からなり、
    前記粘着層は、酸変性ポリオレフィンを含有する粘着性樹脂組成物からなり、JIS Z 0237:2009に準ずる180°ピール粘着力試験によって測定した前記粘着層の粘着性が、100mN/cm以上2000mN/cm以下であり、
    前記積層体は、前記離型フィルムから、前記絶縁性基材と前記粘着層とを備える複数の帯状の粘着絶縁テープを切り出して離脱させることができる態様で、前記絶縁性基材側の表面から前記粘着層と前記離型フィルムとの界面にまで達するハーフカット加工が施されている、離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
  2. 前記粘着性樹脂組成物が非晶性の樹脂組成物である、請求項1に記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
  3. 前記粘着性樹脂組成物の酸含量が、0.1質量%以上20.0質量%以下である、請求項1又は2に記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
  4. 各々の前記粘着絶縁テープには、一方の端部に幅方向に突出する鍵状部分が形成されていて、
    一の前記粘着絶縁テープの前記鍵状部分の先端部が、他の前記粘着絶縁テープの鍵状部分が存在しない端部に向き合う形で一対の粘着絶縁テープの組合せを構成していて、
    複数の前記組合せが、前記ハーフカット加工によって連続的に形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキットから離脱させて得た前記粘着絶縁テープをタブ線上に直接、常温で、仮止めする工程と、
    前記粘着絶縁テープが仮止めされた状態の前記タブ線と、太陽電子素子と、樹脂製の封止材シートとが積層されてなる積層体を熱ラミネーション処理によって一体化する工程と、を含んでなる、太陽電池モジュールの製造方法。
JP2017129661A 2017-06-30 2017-06-30 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット Pending JP2019011439A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017129661A JP2019011439A (ja) 2017-06-30 2017-06-30 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017129661A JP2019011439A (ja) 2017-06-30 2017-06-30 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019011439A true JP2019011439A (ja) 2019-01-24

Family

ID=65227707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017129661A Pending JP2019011439A (ja) 2017-06-30 2017-06-30 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019011439A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022057139A1 (zh) * 2020-09-18 2022-03-24 苏州赛伍应用技术股份有限公司 一种焊带载体膜及其制备方法和应用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022057139A1 (zh) * 2020-09-18 2022-03-24 苏州赛伍应用技术股份有限公司 一种焊带载体膜及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN203910823U (zh) 背接触式太阳能电池组件
JP4565455B2 (ja) 太陽電池封止材料及び太陽電池モジュール
JP5089497B2 (ja) 多層シート
TWI638368B (zh) Conductive adhesive and solar cell module
US20120318344A1 (en) Photovoltaic module with chlorosulfonated polyolefin layer
JP2012216805A (ja) 太陽電池モジュール用充填材シート
JP4437348B2 (ja) 太陽電池封止材料及び太陽電池モジュール
EP3357987B1 (en) Insulating multilayer sheet and solar cell module
EP2530736A1 (en) Sealing material for solar cell, protective sheet for solar cell, process for production of solar cell module
TWI532201B (zh) 薄膜系太陽電池模組及薄膜系太陽電池模組之製造方法
JP2019011439A (ja) 離型フィルム付き粘着絶縁フィルムキット
TW201640686A (zh) 光發電模組
TWI583557B (zh) 邊緣經保護之阻障總成
JP2019011438A (ja) 粘着絶縁フィルム、太陽電池モジュールの絶縁構造、及び太陽電池モジュール
JP2019011437A (ja) 粘着絶縁フィルム、太陽電池モジュールの絶縁構造、及び太陽電池モジュール
JP2012099803A (ja) 太陽電池封止シート、その製造方法、及び、フレキシブル太陽電池モジュールの製造方法
TW201704023A (zh) 附導電部之薄片及其利用
JP2015073048A (ja) 太陽電池保護シート、及び、太陽電池モジュール
JP6378945B2 (ja) 太陽電池用封止テープ及び太陽電池モジュール
WO2014049778A1 (ja) 太陽電池モジュール用充填材シート、太陽電池封止シート、及び、太陽電池モジュールの製造方法
JP5514910B2 (ja) 太陽電池モジュールを製造するための方法
JP7311613B2 (ja) 太陽電池封止材用樹脂組成物、太陽電池封止材、太陽電池封止材の製造方法および太陽電池モジュール
JP2014187172A (ja) 太陽電池モジュール用充填材シート及び太陽電池モジュール
JP6088910B2 (ja) ホットメルト接着剤付き太陽電池モジュール
JP2000196128A (ja) 光起電力素子モジュ―ルおよび太陽電池モジュ―ル、並びに太陽電池モジュ―ルと一体構造の建材