JP2000196128A - 光起電力素子モジュ―ルおよび太陽電池モジュ―ル、並びに太陽電池モジュ―ルと一体構造の建材 - Google Patents

光起電力素子モジュ―ルおよび太陽電池モジュ―ル、並びに太陽電池モジュ―ルと一体構造の建材

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JP2000196128A JP10370607A JP37060798A JP2000196128A JP 2000196128 A JP2000196128 A JP 2000196128A JP 10370607 A JP10370607 A JP 10370607A JP 37060798 A JP37060798 A JP 37060798A JP 2000196128 A JP2000196128 A JP 2000196128A
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、繰り返し曲げへの耐性の向上を図る
等、外力に対して十分な信頼性を有する構造の光起電力
素子モジュールおよび太陽電池モジュール、並びに太陽
電池モジュールと一体構造の建材を提供することを目的
としている。 【解決手段】本発明は、一つ以上の光起電力素子を備
え、該光起電力素子ごとに少なくとも1個のバイパスダ
イオードが逆並列に電気的に接続された光起電力素子モ
ジュールにおいて、前記バイパスダイオードは、少なく
ともチップダイオードが2枚の金属箔材間に挟持された
構造を有し、前記金属箔材は、少なくともその一方が概
ね180度折り曲げられた状態で前記光起電力素子と接
続されていることを特徴とするものであり、また、該光
起電力素子モジュールによって太陽電池モジュールを構
成し、該太陽電池モジュールと一体構造の建材を構成す
ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイパスダイオー
ドが接続された光起電力素子モジュールおよび該光起電
力素子モジュールによって構成された太陽電池モジュー
ル、並びに該太陽電池モジュールと一体構造とされた建
材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CO2の増加による温室効果で地
球の温暖化が生じることが予測され、CO2を排出しな
いクリーンなエネルギーの要求がますます高まってい
る。CO2を排出しないエネルギー源としては原子力発
電が挙げられるが、放射性廃棄物の問題が解決されてお
らず、より安全性の高いクリーンなエネルギーが望まれ
ている。このような状況下において、クリーンエネルギ
ーの中でも特に太陽電池は、そのクリーンさと安全性と
取扱い易さといった点から非常に注目されている。太陽
電池の種類としては、結晶系太陽電池、アモルファス系
太陽電池、化合物半導体太陽電池等、多種にわたる太陽
電池が研究開発されているが、中でもアモルファスシリ
コン太陽電池は、変換効率こそ結晶系の太陽電池に及ば
ないものの、大面積化が容易で、かつ光吸収係数が大き
く、また薄膜で動作するなどの、結晶系太陽電池にはな
い優れた特徴をもっており、将来を有望視されている太
陽電池の1つである。
【0003】ところで、通常太陽電池を電力の供給源と
してみた場合、1枚の太陽電池セルだけでは出力電圧が
不足している。このため、複数個の太陽電池セルを直列
もしくは並列に接続して使用する必要がある。上記のよ
うに複数個のセルを直列接続して動作させる場合におい
て最大の難点は、建物の影や降雪などにより、セルの一
部が太陽光から遮られて発電しなくなった場合、正常に
発電している他の素子からの総発生電圧が逆方向電圧と
いう形で直接印加されることである。そして、このよう
な逆方向電圧が素子の耐圧を越える値になった場合に
は、素子の破壊が起きる可能性がある。そこで、このよ
うな素子の破壊を避けるためには、直列接続した各素子
ごとに、素子と並列で逆の方向にダイオードを結線する
必要がある。このようなダイオードは一般的にバイパス
ダイオードと呼ばれる。バイパスダイオードとしては、
一般には汎用品として、その周囲にカバー樹脂を設けた
モールドパッケージダイオードを使用することが多い
が、最近ではチップダイオードを使用してモジュール内
に組み込む形態のものも多く見られ、例えば特開平5−
291602号公報や特開平9−82865号公報で
は、チップダイオードをモールドパッケージ樹脂無しで
使用する構成が提案されている。
【0004】図3及び図4に、従来のバイパスダイオー
ドの一例として、その概略図を示す。図3は、モールド
パッケージのないダイオードの概略図であり、図4はこ
のようなモールドパッケージ無しのチップダイオードを
接続した光起電力素子モジュールの概略図を示してい
る。図中、201はチップダイオード、202、203
は金属箔材であり、チップと金属箔材とはろう材204
で電気的に接続されていることにより、バイパスダイオ
ード209が構成されている。一方、図4において20
5は光起電力素子を示しており、半導体層を挟んで光入
射側の電極と裏面側の電極を有するものである。光入射
側の電極には、さらに集電電極206が設けられてお
り、集電電極206の端部では、さらなる集電の為のバ
スバー電極207が設けられている。バスバー電極20
7は、隣に配置された光起電力素子の裏面側電極208
に接続することによって電気的な直列接続が形成され、
所望の枚数を接続することによって、光起電力素子モジ
ュールが形成される。
【0005】ここで、バイパスダイオード209は、電
気的に個々の光起電力素子をバイパス可能なように逆並
列に接続され、その接続位置は例えば光起電力素子20
5の裏面側に載置され、裏面側電極208同士に金属箔
材202、203をろう材等で接続することによって形
成される。また、これらの光起電力素子モジュールは、
屋外使用に耐えうる為に、樹脂等で封止被覆される。一
般的には図4のxx’断面図に示すように表面部材21
0と裏面部材213の間に光起電力素子モジュールを配
置し、それぞれを接着封止するために、表面封止材21
1と裏面封止材212を介在させることによって太陽電
池モジュールとなる。
【0006】表面部材210としては、投光性を有する
ガラス板やフッ素系のフィルムがよく用いられ、裏面部
材としては、金属鋼板、金属シート、あるいは樹脂フィ
ルム等がよく用いられる。また、表面封止材211及び
裏面封止材212としては、透明性、耐候性、高接着性
等の特性が要求され、これを満たす材料としてEVAが
一般的に使用されている。また、裏面封止材212中に
は、光起電力素子モジュールと裏面部材213との絶縁
性を確保する為に、PET等の絶縁フィルムを一層設け
ることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】バイパスダイオードの
取り付け位置としては、図3及び図4に示すような光起
電力素子の裏面側に設置する場合以外に、特開平9−8
2865号公報のように表面側に設置する場合もあり、
また、特開平5−291602号公報のように素子上以
外の位置に設置する場合等様々である。表面もしくは裏
面に設置した場合には、光起電力素子のモジュール効率
を向上することができるし、素子面以外の場所に設置し
た場合には、モジュールとしての厚みを低減する利点を
生ずる。また、いずれの場合にも、非常に簡易な工程で
接続が可能である。しかしながら、上記従来のダイオー
ド接続位置、接続方法では、以下のような問題を生じる
ことが明らかとなってきた。 ダイオード209はある面上で、金属箔材の両端が固
定された状態で接続されている為、樹脂で被覆する前段
階でモジュールを取り扱う際に、モジュールが撓むごと
に応力がかかってしまう。その応力は、ダイオードの接
続位置がある面上のみに限定されているが故に、撓みの
方向によっては引っ張り応力であったり圧縮応力であっ
たりする。よって、ダイオードチップ自体に繰り返しの
引っ張り・圧縮応力がかかってしまう。その結果、チッ
プにクラックが入るショート故障や、ろう材にクラック
が入ったことによるOPEN故障を起こしてしまう。 モジュールを樹脂等で被覆した状態で、モジュールを
取り扱う際には、さらにダイオードに応力がかかってし
まう場合がある。すなわち、裏面部材213が例えば金
属鋼板で、モジュール全体が可撓性を有するような場合
には、モジュール自体の曲げ応力の中立面が裏面部材2
13中にある為、繰り返し曲げの応力がかかった場合
に、213を中立面とした応力が発生する。それによっ
て、中立面から離れたある面上に位置するダイオードに
は、中立面からの距離に応じた繰り返しの引っ張り・圧
縮応力が印加され、上記と同様のチップクラックや、
ろう材クラックが生じてしまう。 光起電力素子モジュールが家屋の屋根面に設置されて
いるような状況では、風や雹などの屋外での気候の影響
により、光起電力素子モジュール自体に繰り返し曲げが
働く。その結果、と同様の現象が生じ、ダイオードが
破壊される場合がある。特に風速の強い地域、台風の影
響を受ける地域等には、この現象の為にモジュールを設
置できないという点等に問題を生じる。
【0008】そこで、本発明は、上記課題を解決し、繰
り返し曲げへの耐性の向上を図る等、外力に対して十分
な信頼性を有する構造の光起電力素子モジュールおよび
太陽電池モジュール、並びに太陽電池モジュールと一体
構造の建材を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するため、光起電力素子モジュールおよび太陽電池モ
ジュール、並びに太陽電池モジュールと一体構造の建材
を、つぎのように構成したことを特徴とするものであ
る。すなわち、本発明の光起電力素子モジュールは、一
つ以上の光起電力素子を備え、該光起電力素子ごとに少
なくとも1個のバイパスダイオードが逆並列に電気的に
接続された光起電力素子モジュールにおいて、前記バイ
パスダイオードは、少なくともチップダイオードが2枚
の金属箔材間に挟持された構造を有し、前記金属箔材
は、少なくともその一方が概ね180度折り曲げられた
状態で前記光起電力素子と接続されていることを特徴と
している。また、本発明の光起電力素子モジュールは、
前記金属箔が、硬さがビッカース硬度120以下である
ことを特徴としている。また、本発明の光起電力素子モ
ジュールは、前記チップダイオードは、前記2枚の金属
箔材にまたがって配置された固定材によって固着されて
いることを特徴としている。また、本発明の光起電力素
子モジュールは、前記固定材は、硬化前粘度が500ポ
イズ以上2000ポイズ以下の樹脂材料で形成されてい
ることを特徴としている。また、本発明の光起電力素子
モジュールは、前記光起電力素子は、単結晶ウエハー上
に成長したエピタキシャル膜をウエハーから剥離して得
られた薄膜単結晶シリコンシートを用いて形成されてい
ることを特徴としている。また、本発明の光起電力素子
モジュールは、前記光起電力素子は、微結晶pinシリ
コン/アモルファスpinシリコンのタンデムを用いて
形成されていることを特徴としている。また、本発明の
光起電力素子モジュールは、光起電力素子モジュールを
樹脂封止してなる太陽電池モジュールにおいて、前記光
起電力素子モジュールが上記した本発明のいずれかの光
起電力素子モジュールであることを特徴としている。ま
た、本発明の光起電力素子モジュールは、前記樹脂封止
が、補強板上に樹脂で封止された構造を有することを特
徴としている。また、本発明の光起電力素子モジュール
は、屋根材、壁材等の建材において、これら建材が上記
した本発明のいずれかに記載の太陽電池モジュールと一
体構造となっていることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の上記構成は、本発明者ら
が鋭意研究開発を重ねた結果、破壊に至る現象は、応力
の中立面から一定距離に離れた面内にダイオード全体が
接続されていることによるという見知に基づいて見出さ
れたものである。その詳細を図5を用いて説明する。図
5は、例えば裏面部材301として金属鋼板、表面部材
302として樹脂部材を用いた例を示しており、301
と302の間にはダイオード付きの光起電力素子モジュ
ールが充填材303によって充填されている。
【0011】この場合、モジュール全体は可撓性を有し
ており、図5(a)は通常状態、図5(b)は上に凸の
曲げ応力がかかった状態、図5(c)はしたに凸の曲げ
応力がかかった状態を示している。この場合、応力の中
立面は、図中点線で示したように最も剛性の高い金属鋼
板中に存在し、その中立面の上部においては、図5
(b)では引っ張り応力、図5(c)では圧縮応力とな
る。その応力の程度は、中立面から離れた距離にある面
ほど大きくなっていく。ここで、モジュールに接続され
たダイオードに着目すると、ダイオードが接続されてい
る位置は、応力中立面から一定の距離を有する面(図中
色付き部)に存在しており、この面内でダイオードの2
枚の金属箔材が固定されていることが分かる。この場
合、中立面からの距離に応じた引っ張り・圧縮応力がチ
ップに加わることになる。
【0012】このような状態を回避する為、本発明ら
は、ダイオードの接続位置を工夫することによって、以
下のことが達成されることを見出した。 (1)バイパスダイオードの少なくとも一方の金属箔が
概ね180度折り曲げられた状態で光起電力素子と接続
されていることにより、繰り返し曲げによって発生する
引っ張り・圧縮応力に対して十分強いダイオード接続を
提供することができる。すなわち、図5に示すように本
発明者らはダイオードの故障モードが応力面に依存して
いると考えている。よって、ダイオードの金属箔材の少
なくとも一方を180度折り曲げて接続することによ
り、一方の接続部と他方の接続部の中立面からの距離を
異なる距離にすることが可能である。その場合、応力の
異なる位置で箔材が固定されている為、チップに加わる
応力を低減することができ、曲げ応力に対して強いモジ
ュールを提供することが可能である。また、曲げること
自体によっても、曲げ部自体が応力を吸収するストレス
ループとして機能する為、さらに応力低減効果は向上す
る。 (2)金属箔として、その硬さがビッカース硬度120
以下のものを用いることによって、金属箔材の延展性が
高い為、より応力を緩和することが可能となる。 (3)チップダイオードの近傍部に、2枚の金属箔材同
士を固着する固定材を設けることによって、チップ近傍
での金属箔の変形を抑制することができ、応力に対して
より強固な光起電力素子モジュールを提供することが可
能となる。 (4)補強板上に前記光起電力素子モジュールを樹脂封
止構造の太陽電池モジュールを構成することにより、前
記補強板によって撓み量を小さくすることができ、ダイ
オードにかかる応力をより低減することが可能となる。 (5)また、前記太陽電池モジュールと建材とを一体構
造とすることにより、繰り返し曲げに強い構造とするこ
とができ、風速の厳しい屋外への設置が可能となる。
【0013】以下に、本発明の実施の形態の一例につい
て説明する。まず、本発明のバイパスダイオードについ
て説明する。図1及び図2には、本発明に用いられる一
例のバイパスダイオードの概略図を示しており、図1
(a)、図1(b)、図2(c)に典型的な概略図を示
す。101はチップダイオード、102、103は金属
箔材で101と不図示のろう材等によって電気的に接続
されている。また、図中点線では、光起電力素子に接続
する場合の曲げ部を示している。本発明に用いられるチ
ップダイオードとしては、バイパス機能を有するダイオ
ードであれば種類に限定なく用いることができ、そのチ
ップ構造としてもメサ型、プレーナ型等限定なく適用可
能であるが、図1及び図2に示すように金属箔材が平行
に接続されているような場合には、金属箔材/チップで
のショートを防止するためにメサ型を用いる方が好適で
ある。チップダイオード101にろう材等で接続される
金属箔材102、103としては、ろう材との接続が可
能であって、良好な電気導電性、小さな熱抵抗を有する
材料が好適に用いられる。例えば、金、銀、銅、ニッケ
ルが好適である。電気抵抗を小さくする為には、金属箔
材の厚みは大きい程好ましいが、厚すぎると全体の厚み
が厚くなってしまい、本来の薄型という特徴が失せるこ
とから、35〜150ミクロンが好適である。金属箔材
の形状102、103の形状についても何等限定はない
が、少なくとも一方の金属箔材は180度曲げる必用が
ある為、それに応じた形状にしておく必要がある。
【0014】次に、金属箔材の硬度について詳述する。
本発明は、一方の金属箔材は概ね180度曲げた状態で
接続するものである為、曲げに耐え得る材料でなければ
ならない。よって、金属箔材の材質としては延展性が良
く、柔らかい材料が好ましく、ビッカース硬度で120
以下であることが好ましい。ビッカース硬度が120以
上である場合には、曲げた際に金属箔材に断裂、亀裂が
入りやすくなり、初期状態から破断する場合があること
から120以下が好適であり、より好ましくは、ビッカ
ース硬度で80以下であることが好ましい。
【0015】次に固定材104について詳述する。図2
(d)に固定材を設けた場合のチップダイオードの一例
の概略図を示す。固定材を配置する目的は、曲げの外力
に対する半導体チップの耐性を高めることである。よっ
て、その目的を満足する為には、固定材104は金属箔
材102と103の両方にまたがって配置されている必
要がある。固定材を配置する位置としては、金属箔材1
02と103にまたがって配置されていさえすれば特に
限定はなく、図にはないが裏側に設けても何等問題はな
い。また、固定材104の厚みに関しても特に限定はな
いが、薄型の光起電力素子モジュールの場合には、その
平面性を維持する為に薄い形状のものが望ましい。固定
材の材料としては、金属箔材同士を固着する目的から、
各種樹脂、接着材、テープ類等を用いることができ、固
着できるものであればこの限りではないが、金属箔材と
の接着力に優れているものが望ましい。具体的には、金
属箔材の材料にもよるが、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等を好適に用いるこ
とが可能である。固定材として樹脂を用いる場合には、
量産性を考えた場合に、デイスペンサー等でドッテイン
グ可能な粘度を有するものが望ましいが、粘度が低すぎ
る場合には広がり方が大きく、特定の場所にドッテイン
グできないといった不具合を生ずる。また、あまりに高
い場合には膜厚が厚くなってしまう。このような兼ね合
いから樹脂の硬化前粘度は500ポイズ以上2000ポ
イズ以下であることが望ましい。
【0016】次に本発明のバイパスダイオードが接続さ
れる光起電力素子モジュールについて詳述する。図6は
本発明の光起電力素子モジュールの概略図であり、図6
(a)は正面図、図6(b)は横から見た図を示してい
る。図中401は光起電力素子であり、代表例としてア
モルファスシリコン太陽電池を使用した場合を示してい
るが、本発明はこれに限定されることはなく、単結晶シ
リコン、薄膜単結晶シリコン、多結晶シリコン、薄膜多
結晶シリコン、ハイブリッド型等に適用できる以外に、
シリコン以外の半導体を用いた太陽電池、ショットキー
接合型の太陽電池にも適用可能である。さらに、本発明
は半導体層の層構成によることなく、例えばアモルファ
スの2層構成や3層構成、結晶半導体層とアモルファス
半導体層の積層構成等、いずれの層構成においても適用
可能である。
【0017】図6において、個々の光起電力素子401
には、集電電極404とさらなる集電電極であるバスバ
ー電極402が設けられており、バスバー電極の下部に
は、光起電力素子との絶縁を保つ為の絶縁性部材403
が設けられている。また、光起電力素子401の裏面側
には裏面電極405が設けられており、この裏面電極4
05はバスバー電極402と対をなすものである。バス
バー電極402は隣接する光起電力素子の裏面側にまわ
り込み、裏面電極405と接続することによって、直列
接続が完成する。さらに、個々の光起電力素子には、バ
イパスダイオード406が接続されている。バイパスダ
イオード406は、図1(a)で示したものと同様のも
のを使用しており、金属箔102は光起電力素子の裏面
側に載置して図中B部で裏面電極405に接続し、一方
金属箔103は裏面から素子の端部にそって約180度
折り曲げ、図中A部でバスバー電極402と接続されて
いる。
【0018】本発明にかかる重要な部分はこの180度
曲げによって接続したことであり、この接続により、金
属箔材が固定される部位の存在する応力面を異なる応力
面とすることが可能である。図6においては、チップが
光起電力素子の裏面側に存在するような配置方法を図示
したが、配置位置は特に限定はなく、例えばチップはバ
スバー側に存在してもよい。また、ダイオードは1枚の
光起電力素子に対して1個載置したが、ダイオードの容
量によっては2個以上でもよく、また、2枚以上の光起
電力素子に対してダイオード1個であっても何等構わ
ず、同様の効果が得られる。
【0019】上記光起電力素子モジュールは、補強板上
に樹脂で封止することによって太陽電池モジュールが形
成される。図6(b)にその典型的な一例を示してお
り、光起電力素子の受光面側に表面封止材408と表面
部材407、裏面側に裏面封止材409、最裏面に補強
板410を有する。表面部材407としては、太陽電池
モジュールの最表層に位置するため耐候性、はっ水性、
耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュー
ルの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能
が必要である。
【0020】本発明に好適に用いられる材料としては、
四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポ
リフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン
樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TF
E)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体
(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTF
E)などがある。耐候性の観点では、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両
立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れてい
る。また表面封止材の樹脂との接着性の改良のため、表
面フィルムには、コロナ処理、プラズマ処理を行うこと
が望ましい。また、機械的強度向上のために、表面フィ
ルムに延伸処理が施してあるフィルムを用いることも可
能である。さらに、表面部材407としては、太陽電池
としては公知のガラス板を使用することも可能である。
ただし、この場合においては、後述する補強板410と
しての機能を兼ねるものである。
【0021】表面封止材408としては、温湿度変化、
衝撃などの過酷な外部環境から素子を守る為に、耐候
性、高接着性、耐熱性、耐寒性、対衝撃性が要求され
る。上記以外に、光入射側である場合には、高透明性が
要求される。これらの要求を満たす為には、具体的には
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エ
チレン−不飽和脂肪酸共重合体(EEA、EMA、EB
A、EMM、EEMなど)、ブチラール樹脂などのポリ
オレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂など
が好適な材料として用いられるが、これに限ることな
く、上記要求を満たすものであれば適宜使用可能であ
る。
【0022】なお、これらの樹脂の硬度、耐熱性を向上
する為には架橋することが有効であるが、架橋の方法と
しては、特に制限されるものではないが、あらかじめ樹
脂に有機過酸化物を添加し加熱する方法が好ましい。有
機過酸化物は、樹脂の架橋効率が高く、耐候性に悪影響
の無い物であれば特に制限されない。さらに、本発明で
は、耐候性向上の為に、紫外線防止剤、光安定化剤、二
次酸化防止剤等の添加剤を加えたものでもよく、さら
に、接着力を向上させる為のカップリング剤を添加して
もよい。裏面封止材409としては、非受光面側である
ことから、透明性は必要なく、それ以外の特性として
は、表面封止材408と全く同様の材料を用いることが
可能であるが、特に限定はない。また、後述の補強板4
10が導電性の材料である場合には、光起電力素子モジ
ュールと補強板の絶縁性を確保する為に、裏面封止材中
にナイロン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム
を介入しておくこともできる。補強板410は、モジュ
ールの剛性を高める機能を有することが必要であるが、
例えば表面部材407にガラス板を用いるような場合に
は特に設けなくても構わない。具体的な材料としては、
例えば、金属箔、金属鋼板、ガラス板が好適である。
【0023】また、本発明の太陽電池モジュールは、上
述のとおり、繰り返し荷重に対して非常に屈強な構造と
なっている為、屋外に設置した場合に、風雨などの気候
が影響する外的因子に十分な耐久性を有する。従って、
本発明の太陽電池モジュールは、屋根に貼りあわせた形
態や屋根上に設置した形態として使用することができる
他に、最裏面に金属鋼板を用いたような場合には、金属
鋼板をそのまま金属屋根として、家屋の屋根に用いるこ
とができる。その場合、金属鋼板を屋根設置に適した構
造に曲げ加工することは何等問題はない。図7は本発明
の建材の一例で、図7(a)は横葺型屋根材、図7
(b)は瓦棒葺屋根材、図7(c)はフラット型屋根材
に適用した例で、それぞれ固定部材により設置面(屋根
面)に固定された状態を表している。さらに、屋根への
施工性を良くする為に、光起電力素子モジュール、屋根
部材(垂木、野地板等)、断熱材等を一体構造としても
よい。本発明は屋根材のみならず、壁材など種種の建材
と一体型のモジュールをも構成することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるもので
はない。 [実施例1]実施例1においては、非晶質系太陽電池モ
ジュールAを製作した。この作製手順を図6を用いて説
明する。図6は本発明の実施の一形態例の概略図である
と同時に本発明の実施例1にかかる太陽電池モジュール
の外観を示す模式図である。図6(a)中401は、基
板及び下部電極層、光起電力機能を担う非晶質シリコ
ン、上部電極層の3者を含む300mm×280mmの
光起電力素子である。ここでは光起電力素子全体を支え
る基板は厚さ150μmのステンレス板で、基板の直上
には下部電極層がスパッタ法によりAl、ZnOがそれ
ぞれ数千Åの厚みにて、順次堆積して形成した。また非
晶質シリコンはプラズマCVD法により基板側よりn
型、i型、p型、n型、i型、p型、n型、i型、p型
の各層を順次堆積して形成した。また上部電極層は透明
電極膜であって、O2雰囲気中Inを抵抗加熱法にて蒸
着し、厚み約700Åの酸化インジウム薄膜を形成し
た。
【0025】次に、こうして作成された光起電力素子
を、光起電力素子の外周切断時に発生する基板と透明電
極膜との短絡の悪影響を有効受光範囲に及ぼさないよう
に、透明電極膜上にFeCl3、AlCl3等を含むエッ
チングペーストをスクリーン印刷法により塗布し加熱後
洗浄することによって、該光起電力素子の該透明電極膜
の一部を線状に除去し、不図示のエッチングラインを形
成した。その後、光起電力素子401の裏面側端部1辺
に、裏面側電力取り出し部材である幅7.5mm、長さ
285mm、厚み100μmの軟質銅箔405をレーザ
ー溶接法にて導電性基板に接続した。その後、光起電力
素子401の端部の裏面側導電性箔体と対向する受光面
側の1辺に、幅7.5mm、長さ280mm、厚み20
0μmのポリイミド基材絶縁テープ403を貼った。そ
の後、予めカーボンペーストをφ100μmの銅ワイヤ
ーにコートしたカーボンコートワイヤーを5.6mmピ
ッチで光起電力素子401及び絶縁接着テープ403上
に形成し集電電極404とした。
【0026】更に、前記絶縁接着テープ403の上部
に、集電電極404の更なる集電電極であるバスバー電
極402を形成した。バスバー電極402としては、幅
5mm、長さ285mm、厚み100μmの銀メッキ銅
箔を用いて絶縁テープ上に載置した後、200℃、3k
g/cm2、180秒の条件で、ワイヤー電極と同時に
加熱加圧固定する。この時、図6(a)に示すように銀
メッキ銅箔402の片側が、光起電力素子401から外
側に延びるようにしておいた。次に図示のように、光起
電力素子から外側に伸びた銀メッキ銅箔402を隣接す
る光起電力素子の裏面側にもぐりこませ、裏面側の軟質
銅箔405と半田接続した。なお、図中では、3直列の
場合を図示しているが、実際には5枚の光起電力素子を
直列接続した。
【0027】次に、図1で示すバイパスダイオードA4
06を、図6のように光起電力素子の裏面側に配置し、
ダイオードのP側に接続された金属箔材を裏面軟質銅箔
405(B部)に、またダイオードのN側に接続された
金属箔材をバスバー電極402(A部)に半田で接続
し、電気的な導通を確保した。ダイオード406は、光
起電力1個に対して1個接続した。ここでダイオード4
06の半導体チップとしては、メサ構造のPN整流ダイ
オード(大きさ1.5mm□、厚み230μm、ピーク
繰り返し逆電圧600V)であり、また、金属箔材10
2、103として、軟質銅(厚み100μm、無酸素銅
C1020P、ビッカース硬度60)を用意し、それぞ
れを半田接合したものである。次に、これらの5直列の
光起電力素子モジュールを樹脂被覆(ラミネーション)
した。
【0028】以下にその手順を示す。5直列光起電力素
子、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)シート
(厚さ460マイクロメートル)、有機不織布、片面を
プラズマ放電処理した無延伸のETFE(ポリエチレン
テトラフルオロエチレン)フィルム(厚さ50マイクロ
メートル)、ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム(厚さ50マイクロメートル)をETFE/EV
A/有機不織布/5直列光起電力素子/EVA/PET
という順に重ねて太陽電池モジュール積層体とした。次
に、ETFEの外側に、離型用テフロンフィルム(厚さ
50μm)を介してステンレスメッシュ(40×40メ
ッシュ、線径0.15mm)を配し、積層体を真空ラミ
ネート装置を用いて加圧脱気しながら150℃で30分
加熱圧着することにより太陽電池モジュールを得た。表
面被覆材表面にはメッシュにより最大30μmの高低差
の凹凸が形成された。出力端子はあらかじめ光起電力素
子裏面にまわしておき、ラミネート後、PET部に穴を
開けて作成した端子取り出し口から出力が取り出せるよ
うにした。このようにして太陽電池モジュールAを作成
した。
【0029】[実施例2]実施例2においては、屋根材
一体型太陽電池モジュールBを作成した。実施例2で
は、最裏面側に補強板を設けると同時に、補強板の端部
を折り曲げ加工した点が実施例1とは異なっており、そ
れ以外は実施例1と同様に作成した。補強板を設ける工
程を以下に示す。実施例1と同様に作成した5直列光起
電力素子、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)シ
ート(厚さ460マイクロメートル)、有機不織布、片
面をプラズマ放電処理した無延伸のETFE(ポリエチ
レンテトラフルオロエチレン)フィルム(厚さ50マイ
クロメートル)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム(厚さ50マイクロメートル)、ガルバリ
ウム鋼板(厚さ0.4mm)をETFE/EVA/有機
不織布/5直列光起電力素子/EVA/PET/EVA
/鋼板という順に重ねて太陽電池モジュール積層体とし
た。次に、ETFEの外側に、離型用テフロンフィルム
(厚さ50μm)を介してステンレスメッシュ(40×
40メッシュ、線径0.15mm)を配し、積層体を真
空ラミネート装置を用いて加圧脱気しながら150℃で
30分加熱圧着することにより太陽電池モジュールを得
た。表面被覆材表面にはメッシュにより最大30μmの
高低差の凹凸が形成された。出力端子はあらかじめ光起
電力素子裏面にまわしておき、ラミネート後、ガルバリ
ウム鋼板に予め開けておいた端子取り出し口から出力が
取り出せるようにした。さらに、このモジュールの補強
板の素子よりも外側に延在している部分をローラーフォ
ーマーにて折り曲げ加工して、補強板がそのまま屋根材
の機能を果たす「屋根材一体型太陽電池モジュール」と
した。このようにして屋根材一体型太陽電池モジュール
Bを作成した。
【0030】[実施例3]実施例3においては、屋根材
一体型太陽電池モジュールCを作成した。実施例3で
は、バイパスダイオードの金属箔材としてビッカース硬
度60の銅箔を用いる代わりにビッカース硬度80の銅
箔を使用した点が実施例2とは異なっており、それ以外
は実施例2と同様にして作成した。
【0031】[実施例4]実施例4においては、屋根材
一体型太陽電池モジュールDを作成した。実施例4で
は、バイパスダイオードの金属箔材としてビッカース硬
度60の銅箔を用いる代わりにビッカース硬度120の
銅箔を使用した点が実施例2とは異なっており、それ以
外は実施例2と同様にして作成した。
【0032】[実施例5]実施例5においては、屋根材
一体型太陽電池モジュールEを作成した。実施例5で
は、バイパスダイオードA406の代わりに固定材付き
のバイパスダイオードDを使用した点が実施例2とは異
なっており、それ以外は実施例2と同様にして作成し
た。固定材としては、図のように金属箔材102と10
3の両方にまたがるように所定のエポキシ樹脂を0.4
g程度ドッテイングし、加熱硬化することによって形成
した。
【0033】[実施例6]実施例6においては、単結晶
ウエハー上に成長したエピタキシャル膜をウエハーから
剥離して得られた薄膜単結晶シリコンシートを用いた太
陽電池モジュールに本発明を適用した例であり、図8に
その概略図を示している。500μm厚のp+単結晶シ
リコンウエハをエタノールで希釈したふっ酸溶液中に浸
漬し、所定の正電圧を印加することによって制御電流を
流し、ウエハ表面に直径数百オングストローム程度の微
細孔が多数形成された多孔質シリコン層を形成した。次
に多孔質シリコン層が形成された表面に、徐例法と呼ば
れる方法でシリコンのエピタキシャル成長を行った。ま
ず、水素気流中のカーボンボート内で900℃で金属イ
ンジウムを溶融した。この中に溶液を攪拌しつつ多結晶
シリコンウエハーを溶かし込んで飽和とし、ついでゆっ
くりと溶液の温度を894℃まで下げ成長用の溶液とし
た。
【0034】次に、雰囲気温度を調整し、水素気流中で
多孔質層が形成されたウエハーの温度を1030℃にし
5分アニールした後、温度を降下させ溶液の温度に一致
するまで待った。この工程により多孔質層の再表面に微
細孔が埋まり平坦化した薄いシール層ができた。シール
層はウエハーが本来持っていた単結晶性を回復してお
り、この上にエピタキシャル成長をすることが可能であ
る。この状態でウエハーを溶液中に浸漬し、冷却速度−
1.0℃/分で徐例し、シール層の上にノンドープの厚
さ20μmの薄膜単結晶シリコン層を堆積し、溶液から
引き上げた。ついでさらに別に用意されたカーボンボー
ト内に900℃でインジウムを溶融しシリコンで飽和と
し、さらにシリコンの0.1at%のアンチモンを溶か
し込み成長用の溶液とした中に薄膜シリコン層まで形成
されたウエハーを浸漬し、薄膜単結晶シリコン層の上に
厚さ0.3μmのn+薄膜単結晶シリコン層を堆積し
た。これによってPN接合を形成し、溶液から引き上げ
た。次に、基板の周辺部のn+薄膜単結晶シリコン層に
YAGレーザーにて溝を形成し、周辺部の接合の不完全
性によるリーク電流の影響を抑えた。この後、ウエハー
の表面を真空チャックしてウエハーの背面から引き剥が
すように力を加え、多孔質層の部分から液相成長させた
シリコン単結晶シートをウエハから剥離することができ
た。以上の工程により、薄膜単結晶シリコンシートの光
起電力素子601が完成した。なお、上記工程を繰り返
すことにより10枚のシリコンシートを作成した。
【0035】その後、光起電力素子601の端部の受光
面側の1辺に、幅6.0mm、長さ50mm、厚み35
μmのポリイミド基材絶縁テープ603を貼った。その
後、予めカーボンペーストをφ100μmの銅ワイヤー
にコートしたカーボンコートワイヤーを5.6mmピッ
チで光起電力素子601及び絶縁接着テープ603上に
形成し集電電極604とした。更に、前記絶縁接着テー
プ603の上部に、集電電極604の更なる集電電極で
あるバスバー電極602を形成した。バスバー電極40
2としては、幅5mm、長さ60mm、厚み100μm
の銀メッキ銅箔を用いて絶縁テープ上に載置した後、2
00℃、3kg/cm2、180秒の条件で、ワイヤー
電極と同時に加熱加圧固定する。この時、図8に示すよ
うに銀メッキ銅箔602の片側が、光起電力素子601
から外側に延びるようにしておいた。次に図示のよう
に、光起電力素子から外側に伸びた銀メッキ銅箔602
を隣接する光起電力素子の裏面側にもぐりこませ、裏面
側と導電性接着材で接続し、10直列の太陽電池モジュ
ールを作成した。その後、実施例2と同じダイオードを
導電性接着材で同様の位置に接続し、さらに同様の樹脂
被覆を行うことによって屋根材一体型太陽電池モジュー
ルFを作成した。
【0036】[実施例7]実施例7においては、微結晶
pinシリコン/アモルファスpinシリコンのタンデ
ムを用いた太陽電池モジュールに本発明を適用した例に
ついて説明する。300mm×280mmで厚さ150
μmのステンレス基板を用意し、基板の直上にはスパッ
タ法によりAl、ZnOがそれぞれ数千Åの厚みのもの
を順次堆積することによって下部電極層を形成した。次
に、基板側よりn型はRF法、i型はRF法とVHF法
の重畳、p型はRF法により、H2とSiH4の流量を調
整して微結晶シリコンpin層を形成した。さらにその
上に、n型、i型、p型のアモルファス各層を順次堆積
した。また最上部の電極層は透明電極膜であって、O2
雰囲気中Inを抵抗加熱法にて蒸着し、厚み約700Å
の酸化インジウム薄膜を形成した。このようにして作成
した光起電力素子を、実施例2と同じ工程を通すことに
よって屋根材一体型太陽電池モジュールGを作成した。
【0037】(比較例1)比較例1として、図4に示す
ようなバイパスダイオードを折り曲げなく裏面側だけに
接続された従来の太陽電池モジュールを作成した。バイ
パスダイオードとしては図3で示したものを用いた。こ
のダイオードの半導体チップとしては、メサ構造のPN
整流ダイオード(大きさ1.5mm□、厚み230μ
m、ピーク繰り返し逆電圧600V)であり、また、金
属箔材202、203として、軟質銅(厚み100μ
m、無酸素銅C1020P、ビッカース硬度60)を用
意し、それぞれを半田接合したものである。これ以外は
実施例2と全く同様にして、屋根材一体型太陽電池モジ
ュールHを作成した。
【0038】(比較例2)比較例2においては、屋根材
一体型太陽電池モジュールIを作成した。比較例2で
は、バイパスダイオードの金属箔材としてビッカース硬
度60の銅箔を用いる代わりにビッカース硬度130の
銅箔を使用した点が実施例2とは異なっており、それ以
外は実施例2と同様にして作成した。
【0039】(比較実験1)上記作成した屋根一体型太
陽電池モジュールA〜Iに対して、実際の屋根の取り付
けと同じ設置台に設置し、実際の屋外での風雨、雹の影
響を想定し、比較実験を行った。なお、モジュールAに
ついては鋼板がない為に、被覆樹脂のまま設置した。比
較実験としては、IEEE規格draft9に準拠した
動荷重試験を行った。規格に規定されている動荷重のサ
イクル数は10000サイクルであるが、本実験ではそ
れぞれのモジュールに対して200000サイクル行っ
た。また、10000サイクル毎にダイオードの特性を
測定し、異常がないかどうかの検査を行い、異常が出た
モジュールに関してはそこで試験を中断した。さらに異
常なダイオードに関しては、試験後に被覆樹脂を機械的
に剥離し、ダイオードの様子を観察してどこに異常があ
るかを調査した。試験結果を表1に示す。
【0040】
【表1】 まず、従来のダイオードを搭載した太陽電池モジュール
Hは30000サイクルで異常が確認された。3000
0サイクル終了時に樹脂を剥離してダイオード部を観察
したところダイオードの銅箔202とチップダイオード
201の界面の半田が断烈して、OPEN故障してい
た。これに対して、A〜Gのモジュールに関しては、い
ずれも100000サイクル以上の寿命を有しており、
明らかに本発明により曲げ耐性が向上していることがわ
かる。さらに、モジュールAとモジュールB〜Gの比較
により、補強板上に樹脂封止されていることで曲げ耐性
が向上していることがわかる。さらに、モジュールB〜
DとモジュールIの比較により、以上の発生するサイク
ル数がダイオードの金属箔材のビッカース硬度とも相関
関係があり、ビッカース硬度が120以下であること
で、サイクル寿命を大きく向上できることが分かった。
また、モジュールBとモジュールEの比較により固着材
を設けることによってもサイクル寿命を向上できること
が明らかとなった。以上の結果より、本発明の光起電力
素子モジュールは、従来の構成よりも特に繰り返し曲げ
に対する耐性が大きく向上しており、屋外の風雨に対す
る信頼性がより向上した構成となっていると考えられ
る。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による
と、繰り返し曲げへの耐性の向上等、外力に対して十分
な信頼性を有する構造の光起電力素子モジュールおよび
太陽電池モジュール、並びに太陽電池モジュールと一体
構造の建材を、実現することができる。また、本発明に
よると、バイパスダイオードの少なくとも一方の金属箔
が概ね180度折り曲げられた構成を採ることによっ
て、曲げ応力に対して強いモジュールを提供することが
可能となる。また、本発明によると、上記した金属箔と
して、その硬さがビッカース硬度120以下のものを用
いることによって、よりその応力を緩和することが可能
となる。また、本発明によると、チップダイオードを、
前記2枚の金属箔材にまたがって配置された固定材によ
って固着する構成を採ることによって、チップ近傍での
金属箔の変形を抑制することができ、応力に対してより
強固な光起電力素子モジュールを提供することが可能と
なる。また、本発明によると、補強板上に前記光起電力
素子モジュールを樹脂封止構造の太陽電池モジュールを
構成することにより、前記補強板によって撓み量を小さ
くすることができ、ダイオードにかかる応力をより低減
することが可能となる。また、本発明によると、前記太
陽電池モジュールと建材とを一体構造とすることによ
り、繰り返し曲げに強い構造とすることができ、風速の
厳しい屋外への設置が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明の実施の形態にかか
るバイパスダイオードの概略図である。
【図2】(c)及び(d)は本発明の実施の形態にかか
るバイパスダイオードの概略図である。
【図3】(a)は従来のバイパスダイオードの概略図、
及び従来の太陽電池モジュールの概略図である。
【図4】(b)は従来のバイパスダイオードの概略図、
及び従来の太陽電池モジュールの概略図である。
【図5】本発明の作用を説明する概略図である。
【図6】本発明の実施の形態及び実施例1にかかる太陽
電池モジュールの概略図である。
【図7】本発明の建材の斜視図である。
【図8】本発明の実施例6にかかる太陽電池モジュール
概略図である。
【符号の説明】
101、201:ダイオードチップ 102、103、202、203:金属箔材 104:固定材 204:ろう材 205、401、601:光起電力素子 206、404、604:集電電極 207、402、602:バスバー電極 208、405:裏面電極 209、406:バイパスダイオード 210、407、302:表面部材 211、408:表面封止材 212、409:裏面封止材 213、410、301:裏面部材 403、603:絶縁性部材 303:充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 孝一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 村上 勉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 吉野 豪人 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 BB31 DA13 DA23 GA18 5F051 AA02 AA04 AA05 BA03 BA15 BA17 BA18 DA04 DA17 EA01 EA06 FA06 GA04 JA02 JA04 JA07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つ以上の光起電力素子を備え、該光起電
    力素子ごとに少なくとも1個のバイパスダイオードが逆
    並列に電気的に接続された光起電力素子モジュールにお
    いて、 前記バイパスダイオードは、少なくともチップダイオー
    ドが2枚の金属箔材間に挟持された構造を有し、 前記金属箔材は、少なくともその一方が概ね180度折
    り曲げられた状態で前記光起電力素子と接続されている
    ことを特徴とする光起電力素子モジュール。
  2. 【請求項2】前記金属箔は、硬さがビッカース硬度12
    0以下であることを特徴とする請求項1に記載の光起電
    力素子モジュール。
  3. 【請求項3】前記チップダイオードは、前記2枚の金属
    箔材にまたがって配置された固定材によって固着されて
    いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    光起電力素子モジュール。
  4. 【請求項4】前記固定材は、硬化前粘度が500ポイズ
    以上2000ポイズ以下の樹脂材料で形成されているこ
    とを特徴とする請求項3に記載の光起電力素子モジュー
    ル。
  5. 【請求項5】前記光起電力素子は、単結晶ウエハー上に
    成長したエピタキシャル膜をウエハーから剥離して得ら
    れた薄膜単結晶シリコンシートを用いて形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に
    記載の光起電力素子モジュール。
  6. 【請求項6】前記光起電力素子は、微結晶pinシリコ
    ン/アモルファスpinシリコンのタンデムを用いて形
    成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のい
    ずれか1項に記載の光起電力素子モジュール。
  7. 【請求項7】光起電力素子モジュールを樹脂封止してな
    る太陽電池モジュールにおいて、前記光起電力素子モジ
    ュールが請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光
    起電力素子モジュールであることを特徴とする太陽電池
    モジュール。
  8. 【請求項8】前記樹脂封止が、補強板上に樹脂で封止さ
    れた構造を有することを特徴とする請求項7に記載の太
    陽電池モジュール。
  9. 【請求項9】屋根材、壁材等の建材において、これら建
    材が請求項7または請求項8に記載の太陽電池モジュー
    ルと一体構造となっていることを特徴とする建材。
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