JP2019011295A - 光安定性に優れたシロドシン含有経口固形製剤 - Google Patents
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Abstract
Description
特開2017-048174(特許文献4)には、水溶性ポリマー又はpH調整剤を含む腸溶性ポリマーでコーティングしたシロドシン含有被覆粒子を含む口腔内崩壊錠が開示されている。 WO2014/157137(特許文献5)には、シロドシンの微粉末を含有する薬物粒子を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤で造粒又は被覆して得られるマスキング粒子及び、前記マスキング粒子を含有する口腔内崩壊錠が開示されている。
しかしながら、前記特許文献4及び5には、シロドシンの光に対する分解を抑制するための具体的な手段は記載されていない。
特表2013-532651(特許文献6)には、光及び温度の作用下での保存安定性が改善された経口医薬品として、シロドシンと塩基性ポリマーとの混合物を含む経口投与用医薬品が開示されている。
特開2016-210760(特許文献7)には、遮光剤とシロドシンを含む造粒物を含有し、淡黄色、黄色、淡赤色、赤色より選ばれる色で着色されたシロドシンを含有する錠剤が開示されている。
特開2017-014151(特許文献8)には、シロドシンを含有する内核錠の周囲が粉粒体を圧縮成形した外層によって覆われた有核錠が開示されている。このような有核錠を製造するためには一般的に特殊な杵、臼、打錠機が必要であると考えられている。
しかしながら、いずれの文献にも、本願発明のシロドシンを含有する薬物顆粒と光安定化剤をそれぞれ別個に含有する経口固形製剤に係る構成については記載されておらず、簡便に製造することができる新たな製剤開発が望まれていた。
本発明者らは、これらの点を克服しつつ上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、シロドシンを含有する薬物顆粒と光安定化剤をそれぞれ別個に含有することにより、驚くべきことに、シロドシンの光による分解を抑制し、ユリーフ(登録商標)錠と同等の光安定性を実現し得ること等、極めて望ましい性能を発揮する経口固形製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
[1]シロドシンを含有する薬物顆粒と光安定化剤をそれぞれ別個に含有する経口固形製剤;
[2]シロドシンを含有する薬物顆粒とは別に、光安定化剤を含有する顆粒又は後末成分として光安定化剤を含有する、前記[1]記載の経口固形製剤;
[3]シロドシンを含有する薬物顆粒がマスキング粒子である、前記[1]又は[2]に記載の経口固形製剤;
[4]口腔内崩壊錠である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[5]光安定化剤が酸化チタン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄、三二酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号及び食用赤色102号からなる群から選択される1種以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[6]光安定化剤が酸化チタン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄及び三二酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[7]光安定化剤が黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄及び三二酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[8]光安定化剤が食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号及び食用赤色102号からなる群から選択される1種以上である、前記[1]〜[4]に記載の経口固形製剤;
[9]光安定化剤が黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、前記[1]〜[4]に記載の経口固形製剤;
[10]淡黄色、淡赤色又は淡横赤色で着色された錠剤である、前記[9]記載の経口固形製剤;
[11]光安定化剤の含量が錠剤全重量に対して、0.05〜1.0重量%である、前記[1]〜[10]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[12]光安定化剤の含量が錠剤全重量に対して、0.1〜0.2重量%である、前記[1]〜[11]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[13]照度4000lxの光で総照度120万lx・hr受光後のシロドシンの総類縁物質の含量が5%以下である、前記[1]〜[12]のいずれかに記載の経口固形製剤;
[14]シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤及び滑沢剤を含有する打錠用混合物を混合して打錠する工程を含む、前記[1]〜[13]のいずれかに記載の経口固形製剤を製造する方法;
等に関するものである。
本発明に用いられるシロドシンは、凝集した塊がない程度の粒子であればよく、必要に応じて、解砕、粉砕等してもよい。シロドシンの平均粒子径は、50μm程度以下のものが好ましく、1〜30μm程度のものがより好ましい。
該シロドシンを含有する薬物顆粒は、好ましくは、シロドシンと適当な添加剤との混合物を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤で造粒又は被覆して得られるマスキング粒子、又はシロドシンと適当な添加剤を造粒して得られる薬物粒子を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤で被覆して得られるマスキング粒子であり、より好ましくは、シロドシンと適当な添加剤を造粒して得られる薬物粒子を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤で被覆して得られるマスキング粒子である。
該光安定化剤としては、酸化チタン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄、三二酸化鉄等が好ましく、より好ましくは黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄であり、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄とを組み合わせて用いることが特に好ましい。
本発明において、光安定化剤の含量は、錠剤全重量に対して、0.01〜5.0重量%の範囲で含有されているのが好ましく、より好ましくは、0.05〜1.0重量%、さらにより好ましくは、0.1〜0.2重量%の範囲で含有されているのが好ましい。
本発明においてシロドシンを含有する経口固形製剤は、光安定化剤の種類、製剤中の含量によっては必ずしも着色されている必要性はないが、淡黄色、黄色、淡黄赤色、淡赤色、赤色より選ばれる色で着色されていることが好ましく、より好ましくは淡黄色、淡黄赤色、淡赤色であり、より好ましくは淡赤色、淡黄赤色である。
本発明において、「後末成分」とは、造粒された顆粒の外側に加える添加剤(医薬品添加物)を意味する。
本発明において、非腸溶性高分子の含量は、例えば、シロドシン100質量部に対して、例えば、80〜400質量部、80〜300質量部、80〜200質量部、100〜400質量部、100〜300質量部、100〜200質量部等を挙げることができ、より好ましくは100〜200質量部である。
本発明において、マスキング粒子中の非腸溶性高分子の含量は、好ましくは、15〜30質量%であり、より好ましくは15〜25質量%である。
本発明において、非腸溶性高分子の含量は、例えば、薬物粒子100質量部に対して、概ね20〜50質量部であり、好ましくは20〜40質量部であり、より好ましくは30〜40質量部である。
本発明において、「平均粒子径」とは、50%粒子径(質量基準メジアン径)を意味する。この50%粒子径は、ふるい分け粒度分布測定機(例えば、ロボットシフター RPS-205型、セイシン企業製)により測定することができる。
本発明において、マスキング粒子の平均粒子径は、例えば、概ね300μm以下であり、好ましくは、約100〜250μmである。
賦形剤又は崩壊剤として、例えば、糖又は糖アルコール及びデンプン類等が好ましい。糖又は糖アルコールとしては、例えば、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルトース、D−ソルビトール、マルチトール等が挙げられ、D−マンニトールがより好ましい。デンプン類としては、例えば、トウモロコシデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン等が挙げられ、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプンがより好ましい。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が好ましく、タルクがより好ましい。結合剤としては、例えば、デンプン類、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、デキストリン、ゼラチン、プルラン、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等が好ましく、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースがより好ましい。これらの添加剤は、必要に応じて、2つ以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明において、マスキング粒子中のシロドシンの含量は、30質量%以下が好ましく、5〜25質量%がより好ましく、5〜16質量%が更に好ましい。
本発明において、薬物粒子中のシロドシンの含量は、50質量%以下が好ましく、例えば、10〜40質量%、10〜30質量%、20〜27質量%等である。
本発明において、シロドシンを含有する薬物顆粒は、薬物粒子やマスキング粒子の製造で一般的に用いられる方法により、製造することができる。
例えば、シロドシンを含有する薬物粒子は、シロドシンと添加剤の混合物を水溶性結合剤の溶液で造粒することにより製造することもできる。また、市販又は造粒した結晶セルロース、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、白糖等の核粒子を、シロドシンを含有する分散液で被覆することにより製造することもできる。
例えば、シロドシンを含有するマスキング粒子は、核顆粒コーティング法、造粒マトリックス法、造粒コーティング法等のマスキング粒子を製造する際に一般的に用いられる方法により、製造することができる。例えば、シロドシンと添加剤の混合物を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤で造粒又は被覆することにより製造することもできる。また、前記シロドシンを含有する薬物粒子を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤で造粒又は被覆することにより、マスキング粒子を製造することもできる。これら一連の製造において、造粒又は被覆する方法として、高速混合撹拌造粒法、転動流動層造粒法、流動層造粒法等が挙げられ、流動層造粒法が好ましい。
具体的には、例えば、核顆粒コーティング法では、市販又は造粒した結晶セルロース、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、白糖等の核粒子を、シロドシンを含有する分散液及び非腸溶性高分子を含有するコーティング剤の溶液又は分散液で順次被覆、又はこれらの混合液で被覆して、マスキング粒子を製造することもできる。
また、例えば、造粒コーティング法では、シロドシンと添加剤(例えば、D−マンニトール、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、軽質無水ケイ酸等)との混合物を、水溶性結合剤の溶液を噴霧して造粒した後、得られた造粒物を、非腸溶性高分子を含有するコーティング剤の溶液又は分散液を噴霧しながら被覆することにより、マスキング粒子を製造することもできる。水溶性結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースが好ましい。
上記の方法において、造粒マトリックス法又は造粒コーティング法が好ましく、造粒コーティング法がより好ましい。
本発明において、シロドシンを含有する薬物顆粒は、必要に応じて、さらに適当な添加剤でオーバーコートしてもよい。オーバーコートに用いられる添加剤としては、例えば、乳糖、グルコース、蔗糖、果糖等の糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルトース、D−ソルビトール、マルチトール等の糖アルコールが挙げられ、好ましくは、D−マンニトールである。オーバーコートには、光安定化剤を含有していてもよい。
オーバーコートする方法は、特に限定されないが、例えば、本発明においては、シロドシンを含有する薬物粒子又はマスキング粒子に添加剤(例えば、糖又は糖アルコール)の水溶液(必要に応じて、光安定化剤を添加)を噴霧しながら被覆することにより製造することもできる。オーバーコートに用いられる添加剤の含量は、シロドシンを含有する薬物顆粒(マスキング粒子)100質量部に対して、通常1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部であり、さらに好ましくは5〜10質量部である。
本発明の経口固形製剤は、シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤及び口腔内速崩壊製剤に一般的に使用される医薬品添加物を用いて、製剤分野において慣用の方法により製造することができる。本発明の経口固形製剤の剤形としては、例えば、錠剤、口腔内崩壊錠等が挙げられ、好ましくは、口腔内崩壊錠である。
また、本発明において、錠剤、口腔内崩壊錠は、素錠であることが好ましいが、必要に応じてフィルムコーティング層で覆うことができる。フィルムコーティング層に用いることができる添加剤としては、好ましくはヒプロメロース、ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等を挙げることができ、より好ましくはヒプロメロースである。フィルムコーティング層は、必要に応じて、光安定化剤を含有していてもよい。
具体的には、例えば、直打法では、シロドシンを含有する薬物顆粒及び光安定化剤と、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤等の医薬品添加物を含有する混合物を造粒せずに、混合機を用いて混合した後、打錠して経口固形製剤を製造することもできる。
また、例えば、造粒法では、賦形剤、崩壊剤等の混合物を、水、水とエタノールの混合液又は結合剤もしくは崩壊剤の溶液もしくは懸濁液等を用いて造粒後、シロドシンを含有する薬物顆粒、後末成分として光安定化剤、滑沢剤等と混合機を用いて混合した後、打錠して経口投与製剤を製造することもできる。また、賦形剤、崩壊剤、光安定化剤等の混合物を、水、水とエタノールの混合液又は結合剤もしくは崩壊剤の溶液もしくは懸濁液等を用いて造粒後、シロドシンを含有する薬物顆粒、滑沢剤等と混合機を用いて混合した後、打錠して経口固形製剤を製造することもできる。さらに、賦形剤、崩壊剤等の混合物を、光安定化剤の水溶液もしくは懸濁液等を用いて造粒後、シロドシンを含有する薬物顆粒、滑沢剤等と混合機を用いて混合した後、打錠して経口固形製剤を製造することもできる。
以下、本発明の経口固形製剤の製造方法を例示するが、これに限られるものではない。
例えば、シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤及び乳糖、果糖等の糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール等の糖アルコール、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、結晶セルロース、クロスポビドン、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク及び軽質無水ケイ酸から選択される少なくとも1つの医薬品添加物とを、混合機を用いて混合した後、その混合物を打錠することにより、錠剤を製造することもできる。前記混合工程において、必要に応じて、さらに賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、発泡剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料等を1つ又は2つ以上組み合せて添加してもよい。
例えば、乳糖、果糖等の糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルトース、D−ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール、トウモロコシデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン等のデンプン類及び結晶セルロースから選択される少なくとも1つの医薬品添加物を混合し、部分アルファー化デンプン又はクロスポビドンの溶液又は分散液を噴霧しながら造粒することにより、顆粒(1)を製造することもできる。前記混合、造粒工程は、高速混合撹拌造粒法、転動流動層造粒法、流動層造粒法等を用いることができ、好適には流動層造粒法である。次いで、シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤、前記顆粒(1)、さらにフマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク及び軽質無水ケイ酸から選択される少なくとも1つの滑沢剤を、混合機を用いて混合した後、打錠することにより、錠剤を製造することもできる。前記混合工程において、必要に応じて、さらに賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、発泡剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料等を1つ又は2つ以上組み合せて添加してもよい。
例えば、乳糖、果糖等の糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、マルトース、D−ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール、トウモロコシデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン等のデンプン類及び結晶セルロースから選択される少なくとも1つの医薬品添加物を混合し、水又は水とエタノールの混合液を噴霧しながら造粒することにより、顆粒(2)を製造することもできる。前記混合、造粒工程は、高速混合撹拌造粒法、転動流動層造粒法、流動層造粒法等を用いることができ、好適には流動層造粒法である。次いで、シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤、前記顆粒(2)、さらにフマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸カルシウム、タルク及び軽質無水ケイ酸から選択される少なくとも1つの滑沢剤を、混合機を用いて混合した後、打錠することにより錠剤を製造することもできる。前記混合工程において、必要に応じて、さらに賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、発泡剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料等を1つ又は2つ以上組み合せて添加してもよい。
例えば、D−マンニトール及び結晶セルロースの混合物を、流動層造粒乾燥機を用いて混合し、これにクロスポビドンの水分散液を噴霧しながら造粒を行った後に、整粒機を用いて整粒し、顆粒(3)を製造することもできる。次いで、シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤、前記顆粒(3)及びフマル酸ステアリルナトリウムを、混合機を用いて混合した後、打錠することにより錠剤を製造することもできる。前記混合工程において、必要に応じて、さらに賦形剤、滑沢剤、発泡剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料等を1つ又は2つ以上組み合せて添加してもよい。
例えば、D−マンニトール、結晶セルロース及びクロスポビドンの混合物を、流動層造粒乾燥機を用いて混合し、これに水を噴霧しながら造粒を行った後に、整粒機を用いて整粒し、顆粒(4)を製造することもできる。次いで、シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤、前記顆粒(4)及びフマル酸ステアリルナトリウムを、混合機を用いて混合した後、打錠することにより錠剤を製造することもできる。前記混合工程において、必要に応じて、さらに賦形剤、滑沢剤、発泡剤、甘味剤、矯味剤、流動化剤、香料等を1つ又は2つ以上組み合せて添加してもよい。
上記製造例4又は5において、結晶セルロースの代わりにトウモロコシデンプン、クロスポビドンの代わりに部分アルファー化デンプンを用いて、製造例4又は5と同様に製造することにより、錠剤を製造することもできる。
本発明の経口固形製剤は、製造や輸送の利便性等から、適度な硬度を有するものが好ましい。例えば、硬度試験において、通常、20 N以上、好ましくは30 N以上、さらに好ましくは40 N以上となるように調整すればよい。
口腔内崩壊時間や硬度は、適宜、医薬品添加物の種類や量、製造方法(例えば、造粒方法等)、製造条件(例えば、打錠圧等)等を選択することにより調整することもできる。
本発明の経口固形製剤は、例えば、錠剤、口腔内崩壊錠の場合、1錠当たりの質量として50〜500 mg、50〜300 mg、100〜250 mg、100〜200 mg等を挙げることができ、その際のシロドシン含量としては、0.4〜16%を挙げることができる。
シロドシン720 g、部分アルファー化デンプン(日本カラコン社製)2649.6 g及びタルク(松村産業社製)180 gを、流動層造粒乾燥機(FLO-5MEX、フロイント産業社製)を用いて混合し、ここへヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製)50.4 gを精製水に添加した溶液をスプレーノズルで噴霧しながら造粒を行った。得られた造粒物を、整粒機(コーミル、パウレック社製)を用いて、スクリーンサイズφ0.991mmにて整粒し、薬物粒子を得た。
一方、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(エボニックデグサジャパン社製)1574.4 g、ラウリル硫酸ナトリウム(花王社製)157.4 g、ステアリン酸(マリンクロット社製)236.2 g及びタルク(松村産業社製)551.0 gを精製水に添加し、コーティング液(c-1)を得た。
また、D−マンニトール(三菱フードテック社製)433.2 gを精製水に添加し、コーティング液(c-2)を得た。
得られた薬物粒子3200 gを、流動層造粒乾燥機(FLO-5MEX、フロイント産業社製)に入れ、コーティング液(c-1)をスプレーし、シロドシン100質量部に対して、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEとして200質量部を被覆した。得られたコーティング顆粒を、整粒機(コーミル、パウレック社製)を用いて、スクリーンサイズφ0.991mmにて整粒し、マスキング粒子を得た。
次に得られたマスキング粒子にコーティング液(c-2)をスプレーし、マスキング粒子100質量部に対して、10質量部を被覆した。得られたコーティング顆粒を、整粒機(コーミル、パウレック社製)を用いて、スクリーンサイズφ0.991mmにて整粒し、オーバーコートしたマスキング粒子(a-1)を得た。
D−マンニトール(三菱フードテック社製)を整粒機(P-02S、ダルトン社製)を用いて、スクリーンサイズφ1.0 mmにて整粒したD−マンニトール(三菱フードテック社製)を807.5 g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業社製)42.5 gを用いて、常法に従い造粒物(b-1)を得た。
オーバーコートしたマスキング粒子(a-1)90.25 g、造粒物(b-1)364.5 g、トウモロコシデンプン(日本食品化工社製)35 g、フマル酸ステアリルナトリウム(PHARMATRANS SANAQ AG社製)10 g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成社製)0.5 gを混合し、打錠用混合物を得た。この打錠用混合物を、ロータリー打錠機(CLEANPRESS Correct 12HUK、菊水製作所社製)を用い、杵臼8 mm、打錠圧約5 kNの条件で打錠し、1錠当たりシロドシン4 mgを含有する質量200.1 mgの錠剤を得た。
シロドシン4400 g、部分アルファー化デンプン(日本カラコン社製)16192 g及びタルク(松村産業社製)1100 gを、流動層造粒乾燥機(NFLO-30SJC、フロイント産業社製)を用いて混合し、ここへヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達社製)308gを精製水に添加した溶液をスプレーノズルで噴霧しながら造粒を行った。得られた造粒物を、整粒機(コーミル、パウレック社製)を用いて、スクリーンサイズφ0.991mmにて整粒し、薬物粒子を得た。
一方、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(エボニックデグサジャパン社製)5687.5 g、ラウリル硫酸ナトリウム(花王社製)568.8 g、ステアリン酸(マリンクロット社製)853.1 g及びタルク(松村産業社製)1990.6 gを精製水に添加し、コーティング液(c-3)を得た。
また、D−マンニトール(三菱フードテック社製)2535 gを精製水に添加し、コーティング液(c-4)を得た。
得られた薬物粒子16250 gを、流動層造粒乾燥機(NFLO-30SJC、フロイント産業社製)に入れ、コーティング液(c-3)をスプレーし、シロドシン100質量部に対して、アミノアルキルメタクリレートコポリマーEとして175質量部を被覆し、マスキング粒子を得た。
次に得られたマスキング粒子にコーティング液(c-4)をスプレーし、マスキング粒子100質量部に対して、10質量部を被覆した。得られた顆粒を30 号の篩を用いて篩過し、オーバーコートしたマスキング粒子(a-2)を得た。
D−マンニトール(フロイント産業社製)19325.6 g、結晶セルロース(旭化成ケミカルズ社製)4080 g及びクロスポビドン(ISP社製)1700 gを用いて、常法に従い、2回繰り返し製造を行い、造粒物(b-2)を得た。
オーバーコートしたマスキング粒子(a-2)10296 g、造粒物(b-2)44304 g、トウモロコシデンプン(日本食品化工社製)4200 g、三二酸化鉄(癸巳化成社製)30 g、黄色三二酸化鉄(癸巳化成社製) 60 g、フマル酸ステアリルナトリウム(PHARMATRANS SANAQ AG社製)1200 g、甘味剤(三栄源エフ・エフ・アイ社製)30 g及び香料(高砂香料工業社製)60 gを混合し、打錠用混合物を得た。この打錠用混合物を、ロータリー打錠機(HT-X20SS-UW、畑鐵工所社製)を用い、杵臼8 mm、打錠圧約7 kNの条件で打錠し、1錠当たりシロドシン4 mgを含有する質量200.6 mgの錠剤を得た。
オーバーコートしたマスキング粒子(a-1)90.25 g、造粒物(b-1)364 g、トウモロコシデンプン(日本食品化工社製)35 g、フマル酸ステアリルナトリウム(PHARMATRANS SANAQ AG社製)10 g、三二酸化鉄(癸巳化成社製)0.5 g及び黄色三二酸化鉄(癸巳化成社製)0.5 gを混合し、打錠用混合物を得た。この打錠用混合物を、ロータリー打錠機(CLEANPRESS Correct 12HUK、菊水製作所社製)を用い、杵臼8 mm、打錠圧約5 kNの条件で打錠し、1錠当たりシロドシン4 mgを含有する質量200.1 mgの錠剤を得た。
オーバーコートしたマスキング粒子(a-1)90.25 g、造粒物(b-1)365 g、トウモロコシデンプン(日本食品化工社製)35 g及びフマル酸ステアリルナトリウム(PHARMATRANS SANAQ AG社製)10 gを混合し、打錠用混合物を得た。この打錠用混合物を、ロータリー打錠機(CLEANPRESS Correct 12HUK、菊水製作所社製)を用い、杵臼8 mm、打錠圧約5 kNの条件で打錠し、1錠当たりシロドシン4 mgを含有する質量200.1 mgの錠剤を得た。
類縁物質測定試験
実施例1〜3及び比較例1で得られた錠剤について、光安定性試験を実施した。
それぞれの錠剤を、温度25℃、4000 lx(D65ランプ)で約120万 lx・hrとなるまで保存した後、類縁物質の含量を測定した。なお、類縁物質の含量は液体クロマトグラフ法により定量した。
定量方法
シロドシン20 mgに相当する試料を秤取して試料溶液を調製し、液体クロマトグラフ法により試験を行い、各々のピーク面積を自動積分法により測定して、分解物(KMD-3241)及び総類縁物質の含量(%)を求めた。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:225 nm)
Claims (10)
- シロドシンを含有する薬物顆粒と光安定化剤をそれぞれ別個に含有する経口固形製剤。
- シロドシンを含有する薬物顆粒がマスキング粒子である、請求項1記載の経口固形製剤。
- 口腔内崩壊錠である、請求項1又は2のいずれかに記載の経口固形製剤。
- 光安定化剤が酸化チタン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄、三二酸化鉄、食用黄色4号、食用黄色5号、食用黄色4号アルミニウムレーキ、食用赤色2号、食用赤色3号及び食用赤色102号からなる群から選択される1以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の経口固形製剤。
- 光安定化剤が酸化チタン、黄酸化鉄、黄色三二酸化鉄、褐色酸化鉄、三二酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の経口固形製剤。
- 光安定化剤が黄色三二酸化鉄及び三二酸化鉄からなる群から選択される1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の経口固形製剤。
- 淡黄色、淡赤色又は淡黄赤色で着色された錠剤である、請求項6記載の経口固形製剤。
- 光安定化剤の含量が錠剤全重量に対して、0.05〜1.0重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の経口固形製剤。
- 光安定化剤の含量が錠剤全重量に対して、0.1〜0.2重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の経口固形製剤。
- シロドシンを含有する薬物顆粒、光安定化剤及び滑沢剤を含有する打錠用混合物を打錠する工程を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の経口固形製剤を製造する方法。
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