JP2019010328A - 血液凝集剤並びにこれを含む物品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】血球凝集能に優れ、血液中の非液体成分の主体をなす赤血球を速やかに凝集させることができる血液凝集剤及びこれを含む物品を提供すること。
【解決手段】本発明の血液凝集剤は、水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む。前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の血液凝集剤は、水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む。前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である。
【選択図】図1
Description
本発明は、血液に含まれる赤血球などの非液体成分の凝集能を有し、生理用ナプキンなどの、経血の吸収に用いられる物品の素材として有用な血液凝集剤に関する。
女性の経血やおりもの等の処理には、生理用ナプキンなどの生理用品が用いられている。生理用品は、通常、その肌対向面側に位置する表面シートと非肌対向面側に位置する裏面シートとの間に、経血等の排泄物を吸収保持し得る吸収体を設けた構成になっており、該吸収体の形成材料として高吸収性ポリマーが用いられている。
このような生理用品に対し、カチオン性の高分子材料を適用して、諸性能を向上させる技術が知られている。例えば特許文献1には、生理用品の経血の吸収性能の向上を目的として、高吸収性ポリマーと共に、特定の第4級アンモニウム塩ホモポリマー又は第4級アンモニウム塩共重合物からなる特定の水溶性カチオン性ポリマーを併用することが記載されている。特許文献1によれば、この特定の水溶性カチオン性ポリマーの作用により、経血中の赤血球が凝集し、それによって、赤血球による高吸収性ポリマーの膨潤阻害が効果的に防止されるので、経血の吸収速度及び吸収量の向上が実現されるとされている。
また特許文献2には、血液中の赤血球を塊状にするか、又は溶解する処理剤で処理された多孔性不織ウエブ材料を含む、ナプキンやタンポンなどのパーソナルケア吸収性物品が記載されている。同文献においては、この処理剤として、強く正帯電したポリマーであるポリカチオン材料を用いている。この処理剤は、血液が吸収性物品に入り込むときや通過するときに、血液中の赤血球を凝集又は溶解させる。
また特許文献3には、遠心分離機保持容量と食塩水流れ誘導性とのバランスに優れ、ゲルブロッキングを起こし難く十分な吸水性能を有する吸水剤として、高吸収性ポリマー粒子の表面に、特定の有機酸及び/又はその塩と、水溶性多価カチオンとを存在させたものが記載されており、該水溶性多価カチオンの供給源として、硫酸アルミニウムなどの水溶性多価金属塩が挙げられている。
また特許文献4には、生理用品において問題となる液戻り現象、即ち、吸収体に一旦吸収された経血が着用者の体圧などにより表面シート側に再び戻る現象を低減するべく、生理用品に血液凝固剤を含有させることが記載されており、該血液凝固剤として、Cu(II)、Fe(III)、Ag(I)、Fe(II)、Ti(IV)、Ni(II)等を含む金属塩化合物を用いることが記載されている。
特許文献1記載の技術は、経血の吸収性能を効果的に高め得るものであるが、生理用品に要求される品質は近年ますます高まっており、より高い経血の吸収性能を発現し得る技術が要望されている。
本発明の課題は、前述した従来技術に求められる性能を満足し得る、血液凝集剤及び物品を提供することに関する。
本発明は、水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む血液凝集剤であって、前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である血液凝集剤である。本発明に係る血液凝集促進剤即ち前記の特定の陽イオンと陰イオンとの組み合わせが、血液の凝集を促進する効果を有する事はこれまでに知られていなかった。
また本発明は、前記の本発明の血液凝集剤を含む物品である。
また本発明は、前記の本発明の血液凝集剤を含む物品である。
また本発明は、前記の本発明の血液凝集剤を含む物品の製造方法であって、前記血液凝集促進剤が水溶性の塩であり、該血液凝集剤を揮発性の溶媒に溶解した後、溶解液をシートに塗布する工程を含む血液凝集剤を含む物品の製造方法である。
また本発明は、前記の本発明の血液凝集剤を含む物品の製造方法であって、前記血液凝集促進剤が水に不溶性の塩であり、該血液凝集剤をスプレードライして粉体を得た後、該粉体をシートに噴霧する工程を含む血液凝集剤を含む物品の製造方法である。
また本発明は、前記の本発明の血液凝集剤を含む物品の製造方法であって、前記血液凝集促進剤が水に不溶性の塩であり、該血液凝集剤をスプレードライして粉体を得た後、該粉体をシートに噴霧する工程を含む血液凝集剤を含む物品の製造方法である。
また本発明は、水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む組成物を用いた生理用品の血液吸収を促進する血液吸収促進方法であって、前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である血液吸収促進方法である。
また本発明は、水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む組成物の血液凝集剤としての使用であって、前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である、前記組成物の血液凝集剤としての使用である。
本発明の血液凝集剤は、血球凝集能に優れ、血液中の非液体成分の主体をなす赤血球を速やかに凝集させることができる。斯かる特長を有する本発明の血液凝集剤は、生理用ナプキンなどの、経血の吸収に用いられる物品の素材として特に有用であり、該物品の経血吸収能を大幅に向上させ得る。
本発明の血液凝集剤は、カチオン性ポリマーを含む。本発明の血液凝集剤は、血球凝集能を有し、血液中の非液体成分たる赤血球を凝集させて凝集塊を形成し、血漿成分などの液体成分と分離する作用を奏するところ、斯かる作用効果の発現に中心的な役割を果たし血球凝集剤として機能する物質が、カチオン性ポリマーである。カチオン性ポリマーが血球凝集剤として機能する理由は次の通りである。
赤血球はその表面に赤血球膜を有する。赤血球膜は、2層構造を有している。この2層構造は、下層である赤血球膜骨格と上層である脂質皮膜とからなる。赤血球の表面に露出している脂質皮膜には、グリコホリンと呼ばれるタンパク質が含まれている。グリコホリンはその末端にシアル酸と呼ばれるアニオン電荷を帯びた糖が結合した糖鎖を有している。その結果、赤血球はアニオン電荷を帯びたコロイド粒子として扱うことができる。コロイド粒子の凝集には一般に凝集剤が用いられる。赤血球がアニオン性のコロイド粒子であることを考慮すると、凝集剤としてはカチオン性の物質を用いることが、赤血球の電気二重層を中和する点から有利である。また凝集剤が高分子鎖を有していると、赤血球の表面に吸着した凝集剤の高分子鎖どうしの絡み合いが生じやすくなり、そのことに起因して赤血球の凝集が促進される。さらに、凝集剤が官能基を有している場合には、該官能基間の相互作用によっても赤血球の凝集が促進されるので好ましい。カチオン性ポリマーによれば、以上の作用機序によって経血中に赤血球の凝集塊を生成することが可能になる。
本発明で用いるカチオン性ポリマーは水溶性である。血球凝集剤としては非又は難水溶性カチオン性ポリマーの採用も考えられるが、赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から、本発明ではカチオン性ポリマーとして水溶性のものを選択した。本発明において「水溶性」とは、100mLのガラスビーカー(5mmΦ)に0.05gの1mm以下の粉末状又は厚み0.5mm以下のフィルム状カチオン性ポリマーを25℃の50mLイオン交換水に添加混合したときに、長さ20mm、幅7mmのスターラーチップを入れ、アズワン株式会社製マグネチックスターラーHPS−100を用いて600rpm攪拌下、その全量が24時間以内に水に溶解する性質のことである。尚、本発明において、さらに好ましい溶解性としては、全量が3時間以内に水に溶解することが好ましく、全量が30分以内に水に溶解することがさらに好ましい。
本発明で用いるカチオン性ポリマーとしては、例えば、カチオン化セルロース;塩化ヒドロキシプロピルトリモニウムデンプン等のカチオン化デンプン;第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物、第4級アンモニウム塩重縮合物などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのカチオン性ポリマーのうち、特に、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物又は第4級アンモニウム塩重縮合物を用いることが、赤血球への吸着性の点から好ましい。以下の説明においては、簡便のため、第4級アンモニウム塩ホモポリマー、第4級アンモニウム塩共重合物及び第4級アンモニウム塩重縮合物を総称して「第4級アンモニウム塩ポリマー」と言う。
本発明において「第4級アンモニウム塩」とは、窒素原子の位置にプラス一価の電荷を有している化合物、又は中和によって窒素原子の位置にプラス一価の電荷を生じさせる化合物を包含し、その具体例としては、第4級アンモニウムカチオンの塩、第3級アミンの中和塩、及び水溶液中でカチオンを帯びる第3級アミンが挙げられる。以下に述べる「第4級アンモニウム部位」も同様の意味で用いられ、水中で正に帯電する部位である。また、本発明において「共重合物」とは、2種以上の重合性単量体の共重合によって得られた重合物のことであり、二元系共重合物及び三元系以上の共重合物の双方を包含する。また、本発明において「重縮合物」とは、2種以上の単量体からなる縮合物を重合することで得られた重縮合物のことである。
第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を1種用い、これを重合することで得られたものである。
第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を少なくとも1種用い、必要に応じ第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を少なくとも1種用い、これらを共重合することで得られたものである。即ち第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を2種以上用い、これらを共重合させて得られたものであるか、又は第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体の1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体の1種以上とを用い、これらを共重合させて得られたものである。第4級アンモニウム塩共重合物は、ランダム共重合物でもよく、交互共重合物でもよく、ブロック共重合物でもよく、あるいはグラフト共重合物でもよい。
第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体の1種以上からなる縮合物を用い、それら縮合物を重合することで得られたものである。即ち第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体の2種以上の縮合物を用い、これを重合させて得られたものであるか、又は、第4級アンモニウム部位を有する単量体の1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない単量体の1種以上とからなる縮合物を用い、これを縮重合させて得られたものである。
第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を少なくとも1種用い、必要に応じ第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を少なくとも1種用い、これらを共重合することで得られたものである。即ち第4級アンモニウム塩共重合物は、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体を2種以上用い、これらを共重合させて得られたものであるか、又は第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体の1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体の1種以上とを用い、これらを共重合させて得られたものである。第4級アンモニウム塩共重合物は、ランダム共重合物でもよく、交互共重合物でもよく、ブロック共重合物でもよく、あるいはグラフト共重合物でもよい。
第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体の1種以上からなる縮合物を用い、それら縮合物を重合することで得られたものである。即ち第4級アンモニウム塩重縮合物は、第4級アンモニウム部位を有する単量体の2種以上の縮合物を用い、これを重合させて得られたものであるか、又は、第4級アンモニウム部位を有する単量体の1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない単量体の1種以上とからなる縮合物を用い、これを縮重合させて得られたものである。
第4級アンモニウム塩ポリマーは、第4級アンモニウム部位を有するカチオン性のポリマーである。第4級アンモニウム部位は、アルキル化剤を用いた第3級アミンの第4級アンモニウム化によって生成させることができる。あるいは第3級アミンを酸若しくは水に溶解させ、中和で生じさせることができる。あるいは縮合反応を含む求核反応による第4級アンモニウム化によって生成させることができる。アルキル化剤としては、例えばハロゲン化アルキルや、硫酸ジメチル及び硫酸ジメチルなどの硫酸ジアルキルが挙げられる。これらのアルキル化剤のうち、硫酸ジアルキルを用いると、ハロゲン化アルキルを用いた場合に起こり得る腐食の問題が生じないので好ましい。酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、クエン酸、リン酸、フルオロスルホン酸、ホウ酸、クロム酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸、グルコン酸、ギ酸、アスコルビン酸、ヒアルロン酸などが挙げられる。特に、アルキル化剤によって第3級アミン部位を第4級アンモニウム化した第4級アンモニウム塩ポリマーを用いると、赤血球の電気二重層を確実に中和できるので好ましい。縮合反応を含む求核反応による第4級アンモニウム化は、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンの開環重縮合反応、ジシアンジアミドとジエチレントリアミンの環化反応のようにして生じさせることができる。
赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から、カチオン性ポリマーは、その分子量が2000以上であることが好ましく、1万以上であることがさらに好ましく、3万以上であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの分子量がこれらの値以上であることによって、赤血球間でのカチオン性ポリマーどうしの絡み合いや、赤血球間でのカチオン性ポリマーの架橋が十分に生じる。分子量の上限値は1000万以下であることが好ましく、500万以下であることがさらに好ましく、300万以下であることが一層好ましい。カチオン性ポリマーの分子量がこれらの値以下であることによって、カチオン性ポリマーが経血中へ良好に溶解する。カチオン性ポリマーの分子量は、2000以上1000万以下であることが好ましく、2000以上500万以下であることがさらに好ましく、2000以上300万以下であることが一層好ましく、1万以上300万以下であることがさらに一層好ましく、3万以上300万以下であることが特に好ましい。本発明に言う分子量とは、重量平均分子量のことである。また、前述の分子量範囲内で、異なる分子量のカチオン性ポリマーを2種以上組み合わせてもよい。カチオン性ポリマーの分子量は、その重合条件を適切に選択することで制御することができる。カチオン性ポリマーの分子量は、東ソー株式会社製のHLC−8320GPCを用いて測定することができる。具体的な測定条件は次の通りである。
カラムとしては、東ソー株式会社製のガードカラムαと分析カラムα−Mを直列でつないだものを、カラム温度:40℃で用いる。検出器は、RI(屈折率)を用いる。測定サンプルとしては、溶離液1mLに対して1mgの測定対象の処理剤(第4級アンモニウム塩ポリマー)を溶解させる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、水に150mmol/Lの硫酸ナトリウムと1質量%の酢酸を溶解させた溶離液を用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は、溶離液10mLに対して、分子量5900のプルラン、分子量47300のプルラン、分子量21.2万のプルラン、分子量78.8万のプルラン、各2.5mg溶解させたプルラン混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体は流速:1.0mL/min、注入量:100μLで測定する。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、エタノール:水=3:7(体積比)に50mmol/Lの臭化リチウムと1質量%の酢酸を溶解させた溶離液を用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は、溶離液20mLに対して、分子量106のポリエチレングリコール(PEG)、分子量400のPEG、分子量1470のPEG、分子量6450のPEG、分子量5万のポリエチレンオキシド(PEO)、分子量23.5万のPEO、分子量87.5万のPEO、各10mg溶解させたPEG−PEO混合物を、分子量標準として用いる。ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水溶性重合性単量体を含む共重合体以外は流速:0.6mL/min、注入量:100μLで測定する。
カチオン性ポリマーは、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものであることが好ましい。特に第4級アンモニウム塩ポリマーは、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものであることが好ましい。第4級アンモニウム部位は側鎖に存在していることが好ましい。この場合、主鎖と側鎖とが1点で結合していると、側鎖の可撓性が阻害されにくくなり、側鎖に存在している第4級アンモニウム部位が赤血球の表面に円滑に吸着するようになる。尤も本発明において、カチオン性ポリマーの主鎖と側鎖とが2点又はそれ以上で結合していることは妨げられない。本発明において「1点で結合している」とは、主鎖を構成する炭素原子のうちの1個が、側鎖の末端に位置する1個の炭素原子と単結合していることをいう。「2点以上で結合している」とは、主鎖を構成する炭素原子のうちの2個以上が、側鎖の末端に位置する2個以上の炭素原子とそれぞれ単結合していることをいう。
カチオン性ポリマーが、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものである場合、例えば第4級アンモニウム塩ポリマーが、主鎖とそれに結合した複数の側鎖とを有する構造のものである場合、各側鎖の炭素数は4以上であることが好ましく、5以上であることがさらに好ましく、6以上であることが一層好ましい。炭素数の上限値は、10以下であることが好ましく、9以下であることがさらに好ましく、8以下であることが一層好ましい。例えば側鎖の炭素数は4以上10以下であることが好ましく、5以上9以下であることがさらに好ましく、6以上8以下であることが一層好ましい。側鎖の炭素数とは、該側鎖における第4級アンモニウム部位(カチオン部位)の炭素数のことであり、対イオンであるアニオン中に炭素が含まれているとしても、その炭素は計数に含まない。特に、側鎖の炭素原子のうち、主鎖に結合している炭素原子から、第4級窒素に結合している炭素原子までの炭素数が前述の範囲であることが、第4級アンモニウム塩ポリマーが赤血球の表面の表面に吸着するときの立体障害性が低くなるので好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩ホモポリマーである場合、該ホモポリマーとしては、例えば第4級アンモニウム部位又は第3級アミン部位を有するビニル系単量体の重合物が挙げられる。第3級アミン部位を有するビニル系単量体を重合する場合には、重合前に及び/又は重合後に、第3級アミン部位をアルキル化剤によって第4級アンモニウム化した第4級アンモニウム塩ホモポリマーとなるか、重合前に及び/又は重合後に、第3級アミン部位を酸によって中和した第3級アミン中和塩となるか、重合後に水溶液中でカチオンを帯びる第3級アミンとなる。アルキル化剤や酸の例は、前述した通りである。
特に第4級アンモニウム塩ホモポリマーは、以下の式1又は式2で表される繰り返し単位を有することが好ましい。
第4級アンモニウム塩ホモポリマーの具体例としては、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。また、第4級アンモニウム部位を有する側鎖が、主鎖と1点で結合しているものであるポリ(2−メタクリルオキシエチルジメチルアミン4級塩)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩)、ポリ(2−メタクリルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムメチル硫酸塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルジメチルアミン4級塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルトリメチルアミン4級塩)、ポリ(2−アクリルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムエチル硫酸塩)、ポリ(3−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド4級塩)、ポリメタクル酸ジメチルアミノエチル、ポリアリルアミン塩酸塩、カチオン化セルロース、ポリエチレンイミン、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ポリアミジンなどが挙げられる。一方、第4級アンモニウム部位を有する側鎖が、主鎖と2点以上で結合しているホモポリマーの例としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジアリルアミン塩酸塩が挙げられる。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩共重合物である場合には、該共重合物として、前述した第4級アンモニウム塩ホモポリマーの重合に用いられる重合性単量体を2種以上用い共重合して得られた共重合物を用いることができる。あるいは、第4級アンモニウム塩共重合物として、前述した第4級アンモニウム塩ホモポリマーの重合に用いられる重合性単量体を1種以上と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体を1種以上用い共重合して得られた共重合物を用いることができる。さらに、ビニル系重合性単量体に加えて、又はそれに代えて、他の重合性単量体、例えば−SO2−などを用いることもできる。第4級アンモニウム塩共重合物は、前述した通り、二元系の共重合物又は三元系以上の共重合物であり得る。
特に、第4級アンモニウム塩共重合物は、前記の式1で表される繰り返し単位と、以下の式3で表される繰り返し単位とを有することが、赤血球の凝集塊を効果的に生成させる観点から好ましい。
また、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体としては、カチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体、又はノニオン性重合性単量体を用いることができる。これらの重合性単量体中で、特にカチオン性重合性単量体又はノニオン性重合性単量体を用いることで、第4級アンモニウム塩共重合物内において第4級アンモニウム部位との電荷相殺が起こらないので、赤血球の凝集を効果的に生じさせることができる。カチオン性重合性単量体の例としては、特定の条件下でカチオンを帯びる窒素原子を有する環状化合物としてビニルピリジンなど、特定の条件下でカチオンを帯びる窒素原子を主鎖に有する直鎖状化合物としてジシアンジアミドとジエチレントリアミンの縮合化合物などが挙げられる。アニオン性重合性単量体の例としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、及び、スチレンスルホン酸、並びに、これらの化合物の塩などが挙げられる。一方、ノニオン性重合性単量体の例としては、ビニルアルコール、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどが挙げられる。これらカチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体、又はノニオン性重合性単量体は、それらのうちの一つを用いることができ、あるいは任意の2種以上を組み合わせて用いることができる。またカチオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることができ、アニオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることができ、あるいはノニオン性重合性単量体を2種以上組み合わせて用いることもできる。カチオン性重合性単量体、アニオン性重合性単量体及び/又はノニオン性重合性単量体を重合性単量体として用いて共重合された第4級アンモニウム塩共重合物は、その分子量が、前述の通り1000万以下であることが好ましく、特に500万以下、とりわけ300万以下であることが好ましい(以下に例示する第4級アンモニウム塩共重合物についても同様である。)。
第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体として、水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いることもできる。このような重合性単量体を共重合に用いること、それから得られる第4級アンモニウム塩共重合物を用いて赤血球を凝集させたときに、硬い凝集塊が生じやすくなり、本発明の血液凝集剤と共に高吸収性ポリマーを併用した場合にはその高吸収性ポリマーの吸収性能が一層阻害されにくくなる。水素結合をすることが可能な官能基としては、例えば−OH、−NH2、−CHO、−COOH、−SHなどが挙げられる。水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体の例としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、ビニルアルコール、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコールモノメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどが挙げられる。特に、水素結合が強く働く、ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアクリルアミドなどは、第4級アンモニウム塩ポリマーの赤血球への吸着状態が安定化するので好ましい。これらの重合性単量体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体として、疎水性相互作用をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いることもできる。このような重合性単量体を共重合に用いることで、前述した、水素結合をすることが可能な官能基を有する重合性単量体を用いる場合と同様の有利な効果、すなわち赤血球の硬い凝集塊が生じやすくなるという効果が奏される。疎水性相互作用をすることが可能な官能基としては、例えばメチル基、エチル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、アルキルナフタレン基、フッ化アルキル基などが挙げられる。疎水性相互作用をすることが可能な官能基を有する重合性単量体の例としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、プロピルメタクリレート、プロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、スチレンなどが挙げられる。特に、疎水性相互作用が強く働き、第4級アンモニウム塩ポリマーの溶解性を大きく低下させない、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレートなどは、第4級アンモニウム塩ポリマーの赤血球への吸着状態が安定化するので好ましい。これらの重合性単量体は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第4級アンモニウム塩共重合物中での、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体と、第4級アンモニウム部位を有さない重合性単量体とのモル比は、該第4級アンモニウム塩共重合物によって赤血球が十分に凝集するように適切に調整されることが好ましい。特に、第4級アンモニウム塩共重合物における第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体のモル比は10モル%以上であることが好ましく、22モル%以上であることがさらに好ましく、32モル%以上であることが一層好ましく、38モル%以上であることがさらに一層好ましい。また、100モル%以下であることが好ましく、80モル%以下であることがさらに好ましく、65モル%以下であることが一層好ましく、56モル%以下であることがさらに一層好ましい。具体的には、第4級アンモニウム部位を有する重合性単量体のモル比は10モル%以上100モル%以下であることが好ましく、22モル%以上80モル%以下であることがさらに好ましく、32モル%以上65モル%以下であることがさらに好ましく、38モル%以上56モル%以下であることが一層好ましい。
第4級アンモニウム塩ポリマーが、第4級アンモニウム塩重縮合物である場合には、該重縮合物として、前述した第4級アンモニウム部位を有する単量体1種以上からなる縮合物を用い、それらの縮合物を重合することで得られた重縮合物を用いることができる。具体例としては、ジシアンジアミド/ジエチレントリアミン重縮合物、ジメチルアミン/エピクロルヒドリン重縮合物などが挙げられる。
前述した第4級アンモニウム塩ホモポリマー及び第4級アンモニウム塩共重合物は、ビニル系重合性単量体の単独重合法又は共重合法によって得ることができる。重合方法としては、例えばラジカル重合、リビングラジカル重合、リビングカチオン重合、リビングアニオン重合、配位重合、開環重合、重縮合などを用いることができる。重合条件に特に制限はなく、目的とする分子量を有する第4級アンモニウム塩ポリマーが得られる条件を適切に選択すればよい。
本発明の血液凝集剤において、前述した水溶性カチオン性ポリマー(血球凝集剤)の含有量は、該血液凝集剤に含まれる該水溶性カチオン性ポリマー及び後述する血液凝集促進剤それぞれの含有量の合計に対して、好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、一層好ましくは45質量%以上、そして、好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、一層好ましくは55質量%以下である。血液凝集剤中の水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤の総量に占める該水溶性カチオン性ポリマーの割合をこの範囲内に設定することで、該血液凝集剤に優れた血球凝集能を付与することが可能となる。
本発明の血液凝集剤は、前述した水溶性カチオン性ポリマー(血球凝集剤)に加えてさらに、血液凝集促進剤を含む。水溶性カチオン性ポリマーと血液凝集促進剤とを併用することで、水溶性カチオン性ポリマーの単独使用に比して、血球凝集能が大幅に向上し得る。この点は、後述する実施例と比較例との対比からも明らかである。前述した通り、水溶性カチオン性ポリマーが血液中の赤血球の電気二重層を中和することで赤血球の凝集塊が生成されるところ、この凝集反応の反応系に血液凝集促進剤が存在することによって赤血球の表面電位の中和が促進され、その結果として赤血球の凝集が促進され、その凝集塊粒径の増大あるいは凝集塊の硬度の向上として現れる。本発明の血液凝集剤は、高吸収性ポリマーを含む生理用品の血液吸収を促進するのに有用であるところ、該高吸収性ポリマー本来の吸収性能を十分に発揮させる観点からは、赤血球の凝集塊粒径が大きいほど好ましく、凝集塊硬さが硬いほど好ましい。
本発明で用いる血液凝集促進剤は、陽イオンと陰イオンとの組み合わせからなる物質(塩)である。陽イオンとしては、例えば、K+、Na+、Mg2+、Ca2+、NH4+、Fe3+が挙げられる。陰イオンとしては、例えば、リン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン、酸化物イオンが挙げられる。本発明で用いる血液凝集促進剤は、これらの陽イオン及び陰イオンをそれぞれ1種又は2種以上含む。陽イオンとして特に好ましいものは、K+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+であり、陰イオンとして特に好ましいものは、リン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンである。
また、陽イオンと陰イオンとの組み合わせとしては、例えば、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム及びその水和物、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、並びに酢酸アンモニウム、酸化鉄(III)が挙げられ、本発明ではこれらの血液凝集促進剤の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの血液凝集促進剤の中でも特に好ましいものは、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム及びその水和物、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、並びに酢酸アンモニウムなどの無機塩である。
本発明の血液凝集剤において、血液凝集促進剤の含有量は、該血液凝集剤の全質量に対して、好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、一層好ましくは45質量%以上、そして、好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、一層好ましくは55質量%以下である。血液凝集促進剤の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、血液凝集促進剤の含有量が多すぎると、高吸収性ポリマーの吸水能力を低下させるおそれがある。
本発明の血液凝集剤において、血液凝集促進剤の含有量は、該血液凝集剤に含まれる前述した水溶性カチオン性ポリマー(血球凝集剤)及び該血液凝集促進剤それぞれの含有量の合計に対して、好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、一層好ましくは45質量%以上、そして、好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、一層好ましくは55質量%以下である。血液凝集剤中の水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤の総量に占める該血液凝集促進剤の割合が少なすぎると、これを使用する意義に乏しく、該割合が多すぎると、高吸収性ポリマーの吸水能力を低下させるおそれがある。
また、本発明の血液凝集剤において、水溶性カチオン性ポリマー(血球凝集剤)の含有量と、血液凝集促進剤の含有量との質量比は、前者/後者として、好ましくは25/75以上、さらに好ましくは40/60以上、一層好ましくは45/55以上、そして、好ましくは75/25以下、さらに好ましくは60/40以下、一層好ましくは55/45以下である。水溶性カチオン性ポリマーの含有量との比較において、血液凝集促進剤の含有量が少なすぎるとこれを使用する意義に乏しく、血液凝集促進剤の含有量が多すぎると、高吸収性ポリマーの吸水能力を低下させるおそれがある。
本発明の血液凝集剤は、前述した水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤以外の他の成分、例えば、溶媒、可塑剤、香料、抗菌・消臭剤、スキンケア剤等の1種以上を含んでいてもよい。
溶媒としては、水、炭素数1ないし4の飽和脂肪族一価アルコール等の水溶性有機溶媒、又は該水溶性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブタンジオールなどを用いることができる。
香料としては、特許第4776407号公報に記載されているグリーンハーバル様香気を有する香料、植物の抽出エキス、柑橘類の抽出エキスなどを用いることができる。
抗菌・消臭剤としては、特許第4526271号公報に記載されている抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物、特許第4587928号公報に記載されているフェニル基を有する重合性モノマーから重合された多孔性ポリマー、特許第4651392号公報に記載されている第4級アンモニウム塩、活性炭、粘土鉱物などを用いることができる。
スキンケア剤としては、特許第4084278号公報に記載されている植物エキス、コラーゲン、天然保湿成分、保湿剤、角質柔軟化剤、消炎剤などを用いることができる。
溶媒としては、水、炭素数1ないし4の飽和脂肪族一価アルコール等の水溶性有機溶媒、又は該水溶性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
可塑剤としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブタンジオールなどを用いることができる。
香料としては、特許第4776407号公報に記載されているグリーンハーバル様香気を有する香料、植物の抽出エキス、柑橘類の抽出エキスなどを用いることができる。
抗菌・消臭剤としては、特許第4526271号公報に記載されている抗菌性を有する金属を含むカンクリナイト様鉱物、特許第4587928号公報に記載されているフェニル基を有する重合性モノマーから重合された多孔性ポリマー、特許第4651392号公報に記載されている第4級アンモニウム塩、活性炭、粘土鉱物などを用いることができる。
スキンケア剤としては、特許第4084278号公報に記載されている植物エキス、コラーゲン、天然保湿成分、保湿剤、角質柔軟化剤、消炎剤などを用いることができる。
本発明の血液凝集剤は血球凝集能を有し、具体的には、擬似血液に、測定サンプル剤を1000ppm添加した際に、血液の流動性が維持された状態で、少なくとも2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成し得る。
前記の「血液の流動性が維持された状態」は、測定サンプル剤が1000ppm添加された擬似血液10gをスクリュー管瓶(株式会社マルエム製 品番「スクリュー管No.4」、口内径14.5mm、胴径27mm、全長55mm)に入れ、該擬似血液を入れたスクリュー管瓶を180度反転した際に、20秒以内で60%以上の該擬似血液が流れ落ちる状態を意味する。また、前記の「擬似血液」とは、B型粘度計(東機産業株式会社製 型番TVB−10M、測定条件:ローターNo.19、30rpm、60秒間)を用いて測定した粘度が25℃で8mPa・sになるように脱繊維馬血(株式会社日本バイオテスト研究所製)の血球・血漿比率を調整したものである。
また、前記の「2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成」しているか否かは、次のようにして判断される。即ち、測定サンプル剤が1000ppm添加された前記擬似血液を、生理食塩水で4000倍に希釈し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HORIBA社製 型番:LA−920、測定条件:フロー式セル測定、循環速度5、超音波なし)を用いたレーザー回折散乱法によって、温度25℃にて測定した体積粒径平均のメジアン径が、6μm以上である場合に、「2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成」していると判断する。
本発明の血液凝集剤、即ち水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む組成物は、その優れた血球凝集能により、血液凝集剤としての使用に好適であり、また、生理用品の血液吸収を促進する血液吸収促進方法に好適に使用できる。
生理用ナプキンなどの生理用品には通常、高吸収性ポリマーが含有される。高吸収性ポリマーは、経血などの体液を吸収保持する役割を担うもので、生理用品の吸収性能の根幹をなす部材であり、通常、水分の吸収及び保持が可能なヒドロゲル材料を含んで構成され、粒子状、繊維状などの形態のものが用いられる。また一般に、高吸収性ポリマーによる水分の吸収速度や吸収量は、水分の種類によって異なり、生理食塩水(尿)と血液とを比較すると、生理食塩水よりも血液の方が吸収速度が遅く、また吸収量も少ない。従って、経血吸収材として高吸収性ポリマーが使用されている生理用品には、経血の吸収性能の点で改善の余地がある。高吸収性ポリマーによる血液の吸収性能が尿などの吸収性能に比べて劣る理由は、下記の理由によるものと推察される。
血液は血漿等の液体成分と赤血球等の非液体成分とに大別されるところ、高吸収性ポリマーに吸収される成分は血漿等の液体成分である。図1(a)に示す通り、経血11が高吸収性ポリマー14に接触すると、経血11中の液体成分12のみが高吸収性ポリマー14に吸収され、非液体成分13である赤血球は高吸収性ポリマー14に吸収されない。高吸収性ポリマー14への液体成分12の吸収が進行すると、図1(b)に示す通り、高吸収性ポリマー14に吸収されない非液体成分13が、高吸収性ポリマー14の表面に蓄積して被膜15を形成する。この被膜15の形成に起因して、高吸収性ポリマー14の液吸収阻害が生じ、吸収速度が低下する。また被膜15の形成に起因して、高吸収性ポリマー14の膨潤阻害も生じ、吸収量が低下する。
図1(b)に示す通りの現象が生じることを防止して、吸収性能の低下を阻止するための手段について本発明者が種々検討した結果、経血11中の非液体成分13の大半を占める成分である赤血球を、図2に示す通り凝集させて凝集塊16を生成させることが効果的であることが判明した。赤血球の凝集塊16を生成させることで、凝集塊16の被膜が生成しづらくなり、又は、凝集塊16によって図1(b)に示す如き被膜15が生成したとしても、その被膜15内に液体成分12が透過できる空間が残存するため、液体成分12の吸収阻害が起こりづらくなる。その結果、高吸収性ポリマー14は、吸収性能を十分に発揮することができる。このように吸収性能をより高めるために、赤血球の凝集塊粒径が大きいほど好ましく、凝集塊硬さが硬いほど好ましい。
本発明の血液凝集剤は、図2に示す凝集塊16の如き赤血球の凝集塊を生成し、結果として生理用品の血液吸収を促進し得る。即ち本発明の血液凝集剤は、経血と接触すると、該血液凝集剤に含まれる水溶性カチオン性ポリマーが経血中に溶出し、経血に含まれるアニオン性の赤血球を凝集させて血球凝集塊を作ることで経血を変質させる。この水溶性カチオン性ポリマーによる血球凝集効果は、前述した血液凝集促進剤の作用によってより効果的に促進される。斯かる血球凝集効果によって生じた血球凝集塊は赤血球よりも大きいため、高吸収性ポリマーの表面の一部に血球凝集塊が付着することはあっても、高吸収性ポリマーの表面の大部分が血球凝集塊で覆われるような不都合は起こり難く、そのため、高吸収性ポリマーが本来有する吸収性能が安定的に発揮されることになる。
本発明には、前述した本発明の血液凝集剤を含む物品が含まれる。本発明の物品には、血液を吸収する可能性がある物品が包含され、その形態は特に制限されない。本発明の物品の典型的なものは、生理用ナプキン、パンティライナなどの生理用品である。
図3及び図4には、本発明の物品の一実施形態としての生理用ナプキン1が示されている。ナプキン1は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2と、非肌対向面を形成する液不透過性又は撥水性の裏面シート3と、両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4とを具備し、これらが接着剤等の公知の接合手段により一体化されて構成されている。表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の周縁から延出し、それらの延出部の端部において、接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段により互いに接合されてエンドシール部1Eを形成している。ナプキン1の肌対向面における縦方向Xに沿う左右両側部には、一対のサイドシート5,5がナプキン1の縦方向Xの略全長に亘って配されている。吸収体4は、液保持性の吸収性コア40と、該吸収性コア40の肌対向面及び非肌対向面の両面を被覆するコアラップシート41とを含んで構成されている。吸収性コア40は、木材パルプなどの繊維材料と高吸収性ポリマー粒子とを含んで構成されている。縦方向Xは、ナプキン1の着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる方向であり、横方向Yは、縦方向Xに直交する方向である。ナプキン1は、図3に示す如き平面視において、縦方向Xの最大長さが横方向Yのそれに比して長い縦長の形状をなしている。ナプキン1の各部の構成及び形成材料としては、この種の生理用品で利用可能なものを適宜用いることができる。
本発明の物品において、前述した本発明の血液凝集剤の含有部位は特に制限されず、該物品の任意の部位に血液凝集剤を付与することができる。本発明の血液凝集剤が適用される物品が高吸収性ポリマーを含む場合、その高吸収性ポリマーに該血液凝集剤を付与することもできる。しかしながら斯かる場合には、本発明の血液凝集剤による前述した作用機序を考慮すると、本発明の物品における該血液凝集剤の含有部位は、高吸収性ポリマーの含有部位よりも先に血液が到達し得る部位が好ましい。例えば図3に示すナプキン1においては、吸収性コア40が高吸収性ポリマーの含有部位であるので、ナプキン1における本発明の血液凝集剤の含有部位は、吸収性コア40よりも着用者の肌に近く、着用者が排泄した経血が吸収性コア40よりも先に到達する部位が好ましく、具体的には、表面シート2、サイドシート6、コアラップシート41が挙げられる。ここでいう、血液凝集剤の含有部位となり得るコアラップシート41とは、より具体的には、コアラップシート41における表面シート2と吸収性コア40との間に位置する部分(肌側コアラップシート)である。
本発明の物品において、血液凝集剤の含有量は特に制限されず、該物品の用途、血液凝集剤の含有部位等に応じて適宜調整すればよいが、固形分換算で坪量として、好ましくは0.4g/m2以上、さらに好ましくは1g/m2以上、そして、好ましくは40g/m2以下、さらに好ましくは30g/m2以下である。
また、本発明の血液凝集剤に含まれるカチオン性ポリマーとしては、固形分換算で坪量として、好ましくは0.2g/m2以上、さらに好ましくは0.5g/m2以上、そして、好ましくは20g/m2以下、さらに好ましくは15g/m2以下である。
また、本発明の血液凝集剤に含まれる血液凝集促進剤としては、固形分換算で坪量として、好ましくは0.2g/m2以上、さらに好ましくは0.5g/m2以上、そして、好ましくは20g/m2以下、さらに好ましくは15g/m2以下である。
また、本発明の血液凝集剤に含まれるカチオン性ポリマーとしては、固形分換算で坪量として、好ましくは0.2g/m2以上、さらに好ましくは0.5g/m2以上、そして、好ましくは20g/m2以下、さらに好ましくは15g/m2以下である。
また、本発明の血液凝集剤に含まれる血液凝集促進剤としては、固形分換算で坪量として、好ましくは0.2g/m2以上、さらに好ましくは0.5g/m2以上、そして、好ましくは20g/m2以下、さらに好ましくは15g/m2以下である。
尚、市販の生理用品から血液凝集剤を分析する方法(本発明の血液凝集剤の有無の確認方法)は、下記の通りである。
まず、分析対象の生理用品に対して、ドライヤー等の加熱機器を用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱めた後、表面シート、吸収体、裏面シートなどの部材に分解する。次に、分解した各部材に対して、非極性溶媒から極性溶媒までの多段階溶媒抽出法を行い、溶媒を乾燥させて、測定対象の混合物を取り出す。取り出した物質の構成物に合わせて適切なカラム及び溶媒を選択した上で、それぞれの成分を高速液体クロマトグラフィで分画し、さらに各画分についてNMR(核磁気共鳴法)、IR(赤外分光法)、MS(質量分析法)、元素分析等を行うことで、各画分の構造を同定する。同時に、各画分の重量を測定する。高分子化合物を含む場合には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)などの手法を併用することで、構成成分の同定を行うことがより容易になる。
得られた構成成分が各測定に供するのに十分な量が無い場合は、その物質が市販品であれば調達、市販品でなければ合成することにより十分な量を取得する。
これにより、得られた構成成分が、前述の血球凝集能を有する場合、即ち「擬似血液に、測定サンプル剤を1000ppm添加した際に、血液の流動性が維持された状態で、少なくとも2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成し得る」場合は、当該構成成分が血液凝集剤であると判断する。
まず、分析対象の生理用品に対して、ドライヤー等の加熱機器を用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱めた後、表面シート、吸収体、裏面シートなどの部材に分解する。次に、分解した各部材に対して、非極性溶媒から極性溶媒までの多段階溶媒抽出法を行い、溶媒を乾燥させて、測定対象の混合物を取り出す。取り出した物質の構成物に合わせて適切なカラム及び溶媒を選択した上で、それぞれの成分を高速液体クロマトグラフィで分画し、さらに各画分についてNMR(核磁気共鳴法)、IR(赤外分光法)、MS(質量分析法)、元素分析等を行うことで、各画分の構造を同定する。同時に、各画分の重量を測定する。高分子化合物を含む場合には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)などの手法を併用することで、構成成分の同定を行うことがより容易になる。
得られた構成成分が各測定に供するのに十分な量が無い場合は、その物質が市販品であれば調達、市販品でなければ合成することにより十分な量を取得する。
これにより、得られた構成成分が、前述の血球凝集能を有する場合、即ち「擬似血液に、測定サンプル剤を1000ppm添加した際に、血液の流動性が維持された状態で、少なくとも2個以上の赤血球が凝集して凝集塊を形成し得る」場合は、当該構成成分が血液凝集剤であると判断する。
本発明の物品は、前述した本発明の血液凝集剤をその含有予定部位に付与する工程を経て製造され、通常、その付与対象はシートである。例えば図3に示すナプキン1の製造方法は、表面シート2、サイドシート6又はコアラップシート41に血液凝集剤を付与する工程を含む。本発明の血液凝集剤の付与対象たるシートの種類は特に制限されず、該血液凝集剤を保持し得るものであればよく、例えば、織布、不織布、紙、樹脂フィルム、あるいはこれらの2種以上を組み合わせてなる複合シートが挙げられる。
本発明の血液凝集剤をシートに付与する方法は特に制限されず、例えば、血液凝集剤を含む液をシートに各種塗工法により塗布又はスプレーにより噴霧する方法、血液凝集剤を含む液中にシートを浸漬する方法が挙げられる。血液凝集剤の付与対象たるシートが不織布の場合、ウエブ化する前の繊維に対して血液凝集剤を付与してもよく、繊維を各種の方法でウエブ化した後にそのウエブに血液凝集剤を付与してもよい。また、本発明の物品が、木材パルプなどの繊維材料と高吸収性ポリマーとを含む吸収性コアを有する場合には、該吸収性コアを形成する前の原料の段階の繊維材料や高吸収性ポリマーに血液凝集剤を付与してもよい。血液凝集剤をシートに付与した後は、必要に応じ、該シートを熱風送風式の乾燥機などにより乾燥してもよい。
また、本発明の血液凝集剤をシートなどの物品に付与する方法には、前述した水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む、該血液凝集剤の複数の構成成分を一体的に付与する方法の他、該血液凝集剤の複数の構成成分を複数回に分けて同一部位に付与する方法(以下、「分割付与方法」ともいう)が包含される。前記分割付与方法では、複数回に分けて付与された各構成成分がその付与部位にて混合されることで本発明の血液凝集剤とされる。前記分割付与方法の一例として、水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤のうちの一方を付与した後、他方を付与する方法を例示できる。本発明で用いる水溶性カチオン性ポリマーは全て水溶性であるのに対し、これと併用される血液凝集促進剤の中には、水溶性のものと水不溶性のものとが存在するので、前記分割付与方法により水溶性カチオン性ポリマーと血液凝集促進剤とを分けて付与することで、付与時のハンドリング性、生産性などが一層向上し得る。
前記分割付与方法において、本発明の血液凝集剤の必須成分たる水溶性カチオン性ポリマーを、血液凝集促進剤とは別に、シートなどの物品に付与する場合には、該水溶性カチオン性ポリマーを水又は水と水和性溶媒との混合溶媒に溶解した後、その溶解液を物品に塗布するなどして付与することが好ましい。前記水和性溶媒、即ち水と均一混合可能な溶媒は、常温常圧で揮発性を有していなくてもよく、具体的には例えば、エタノール、2―プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記分割付与方法において、本発明の血液凝集剤の必須成分たる血液凝集促進剤を、水溶性カチオン性ポリマーとは別に、シートなどの物品に付与する場合には、該血液凝集促進剤が水溶性(水溶性血液凝集促進剤)か水不溶性(水不溶性血液凝集促進剤)かによって、以下のようにすることが好ましい。
使用する血液凝集促進剤が水溶性(水溶性の塩)の場合、その水溶性血液凝集促進剤を水又は水と水和性溶媒との混合溶媒に溶解した後、その溶解液を物品に塗布するなどして付与することが好ましく、該水和性溶媒としては前記のものを用いることができる。前記溶解液における前記水溶性血液凝集促進剤の濃度は、該水溶性血液凝集促進剤や溶媒の種類等に応じて適宜調整すればよく特に制限されないが、該溶解液の全質量に対して、3〜60質量%の範囲が好ましい。前記水溶性血液凝集促進剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、りん酸水素二ナトリウム、りん酸二水素ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、酢酸マグネシウム四水和物、塩化鉄(III)六水和物、塩化カリウム、硝酸カリウムが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
使用する血液凝集促進剤が水不溶性(水不溶性の塩)の場合、その水不溶性血液凝集促進剤を粉体化した後、その粉体をシートなどの物品に噴霧するなどして付与することが好ましい。水不溶性血液凝集促進剤の粉体化は、例えば、水不溶性血液凝集促進剤及び分散媒を含む液を調製し、この液をスプレードライヤーにより噴霧乾燥する、いわゆるスプレードライ法によって実施できる。前記分散媒としては、例えば、水、エタノール、2―プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、ヘキサン、シクロヘキサン、揮発性シリコーンが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、前記スプレードライヤーとしては公知のものを特に制限なく用いることができ、噴霧微細化方式がディスク式、ノズル式のどちらでも用いることができる。また、水不溶性血液凝集促進剤の粉体を物品に噴霧する方法は特に制限されず、この種の粉体をシートに噴霧する際に通常用いられる公知の方法を適宜利用できる。前記水不溶性血液凝集促進剤としては、例えば、硫酸カルシウム、クエン酸亜鉛、クエン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄(III)が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上、本発明について説明したが、本発明は前述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明は、経血の吸収に用いられる物品全般に適用することができる。そのような物品の例としては、前記実施形態の如き生理用ナプキンの他に、生理用ショーツ、パンティライナ及びタンポン等が挙げられるが、それらに限られない。
本発明は、経血の吸収に用いられる物品全般に適用することができる。そのような物品の例としては、前記実施形態の如き生理用ナプキンの他に、生理用ショーツ、パンティライナ及びタンポン等が挙げられるが、それらに限られない。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜11及び比較例1〜5〕
下記表1に示す成分を含む剤を調製した。具体的には、各剤の必須成分である血球凝集剤と血液凝集促進剤とを分けて用意しておき、当該剤の使用時(下記評価試験1及び2の実施時)に両剤を混合することで調製した。各成分の詳細は下記の通り。血球凝集剤AないしDはいずれも水溶性カチオン性ポリマーである。
・血球凝集剤A:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名「マーコート100」、日本ルーブリゾール株式会社製、分子量17万)
・血球凝集剤B:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、分子量40万)
・血球凝集剤C:下記合成例1により合成
・血球凝集剤D:下記合成例2により合成
・血液凝集促進剤A:炭酸カルシウム
・血液凝集促進剤B:炭酸アンモニウム
・血液凝集促進剤C:酸化鉄(III)
・血液凝集促進剤D:硫酸マグネシウム
・血液凝集促進剤E:塩化マグネシウム
・血液凝集促進剤F:硫酸カルシウム
下記表1に示す成分を含む剤を調製した。具体的には、各剤の必須成分である血球凝集剤と血液凝集促進剤とを分けて用意しておき、当該剤の使用時(下記評価試験1及び2の実施時)に両剤を混合することで調製した。各成分の詳細は下記の通り。血球凝集剤AないしDはいずれも水溶性カチオン性ポリマーである。
・血球凝集剤A:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名「マーコート100」、日本ルーブリゾール株式会社製、分子量17万)
・血球凝集剤B:ジアリルジメチルアンモニウムクロライド(アルドリッチ製、分子量40万)
・血球凝集剤C:下記合成例1により合成
・血球凝集剤D:下記合成例2により合成
・血液凝集促進剤A:炭酸カルシウム
・血液凝集促進剤B:炭酸アンモニウム
・血液凝集促進剤C:酸化鉄(III)
・血液凝集促進剤D:硫酸マグネシウム
・血液凝集促進剤E:塩化マグネシウム
・血液凝集促進剤F:硫酸カルシウム
(合成例1:血球凝集剤Cの合成)
90%メタクリル酸ジメチルエチルアミノエチルのエチル硫酸塩水溶液222.2gと、エタノール177.8gと、2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)0.076gとを混合し、その混合物を窒素下で70℃3時間撹拌して重合を行った。放冷後、アセトンで再沈殿を行い、乾燥後182gの血液凝集剤C(分子量36万)を得た。
90%メタクリル酸ジメチルエチルアミノエチルのエチル硫酸塩水溶液222.2gと、エタノール177.8gと、2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)0.076gとを混合し、その混合物を窒素下で70℃3時間撹拌して重合を行った。放冷後、アセトンで再沈殿を行い、乾燥後182gの血液凝集剤C(分子量36万)を得た。
(合成例2:血球凝集剤Dの合成)
90%メタクリル酸ジメチルエチルアミノエチルのエチル硫酸塩水溶液80.0gと、ジメチルアクリルアミド48.0gと、エタノール72.0gと、2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)0.0060gとを混合し、その混合物を窒素下で70℃3時間撹拌して重合を行った。放冷後、アセトンで再沈殿を行い、乾燥後112gの血液凝集剤D(分子量29万)を得た。
90%メタクリル酸ジメチルエチルアミノエチルのエチル硫酸塩水溶液80.0gと、ジメチルアクリルアミド48.0gと、エタノール72.0gと、2,2’−Azobis(2−methylpropionamidine)dihydrochloride(和光純薬株式会社製のV−65B)0.0060gとを混合し、その混合物を窒素下で70℃3時間撹拌して重合を行った。放冷後、アセトンで再沈殿を行い、乾燥後112gの血液凝集剤D(分子量29万)を得た。
〔評価試験1〕
各実施例及び比較例の剤について、凝集塊粒径を下記方法により評価した。その結果を下記表1に示す。
各実施例及び比較例の剤について、凝集塊粒径を下記方法により評価した。その結果を下記表1に示す。
<凝集塊粒径の評価方法>
10mLスクリュー管に株式会社日本バイオテスト研究所製脱繊維馬血1mlを入れた。このスクリュー管に所定濃度の血球凝集剤の水溶液を0.10g添加後、該スクリュー管を手で振ることによって45秒撹拌を行った。この後、スクリュー管に所定濃度の血液凝集促進剤の水溶液若しくは分散液を0.10g添加後、該スクリュー管を手で振ることによって30秒撹拌を行い、測定サンプルとした。このように、スクリュー管内に血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)及び血液凝集促進剤を順次入れて混合することで、該スクリュー管内に両成分を含む剤(血液凝集剤)が調製され、こうして調製された剤が馬脱繊維血液に作用して凝集塊が生成する。
こうして得られた凝集塊の粒径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所のLA−920)を用いて測定した。具体的には、循環セルを用いて、循環速度5、超音波照射無しの測定条件とし、測定サンプルをピペットで2滴サンプル口から投入し、粒径を測定した。凝集塊粒径が大きいほど、当該剤の血球凝集能が高いことを示す。そして、そのような血球凝集能の高い剤を、高吸収性ポリマーを含む物品に適用した場合には、高吸収性ポリマーの吸収阻害要因となる赤血球などの血液中の非液体成分の凝集が促進され、高吸収性ポリマーが本来有する吸収性能が発揮されやすくなる。
10mLスクリュー管に株式会社日本バイオテスト研究所製脱繊維馬血1mlを入れた。このスクリュー管に所定濃度の血球凝集剤の水溶液を0.10g添加後、該スクリュー管を手で振ることによって45秒撹拌を行った。この後、スクリュー管に所定濃度の血液凝集促進剤の水溶液若しくは分散液を0.10g添加後、該スクリュー管を手で振ることによって30秒撹拌を行い、測定サンプルとした。このように、スクリュー管内に血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)及び血液凝集促進剤を順次入れて混合することで、該スクリュー管内に両成分を含む剤(血液凝集剤)が調製され、こうして調製された剤が馬脱繊維血液に作用して凝集塊が生成する。
こうして得られた凝集塊の粒径を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(株式会社堀場製作所のLA−920)を用いて測定した。具体的には、循環セルを用いて、循環速度5、超音波照射無しの測定条件とし、測定サンプルをピペットで2滴サンプル口から投入し、粒径を測定した。凝集塊粒径が大きいほど、当該剤の血球凝集能が高いことを示す。そして、そのような血球凝集能の高い剤を、高吸収性ポリマーを含む物品に適用した場合には、高吸収性ポリマーの吸収阻害要因となる赤血球などの血液中の非液体成分の凝集が促進され、高吸収性ポリマーが本来有する吸収性能が発揮されやすくなる。
表1に示す通り、各実施例の剤(血液凝集剤)は、血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)及び血液凝集促進剤の双方を含むことに起因して、両剤のいずれか一方のみを含む各比較例の剤に比して、概ね凝集塊の粒径が大きく、即ち血球凝集能に優れていた。比較例4の剤は、血球凝集剤の含有量が比較的多いことに起因して凝集塊の粒径が大きく高い血球凝集能を示したが、血球凝集剤の含有量が過剰になりすぎると、血液凝集剤の脱落、吸収性物品の体積・重量の増加のおそれがある。
〔実施例12〜13及び比較例6〜8〕
図3に示す生理用ナプキン1と同様の構成を有する生理用ナプキンを作製した。具体的には、市販の生理用ナプキン(花王株式会社2016年製「ロリエ 肌キレイガード ふつうの日用 羽つき」)からドライヤーを用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱め、分解して取り出した表面シート、裏面シート、吸収体をそれぞれ用いた。この吸収体は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとの混合積繊体からなる吸収性コアをコアラップシートで包んだものである。このコアラップシートにおける、生理用ナプキンに組み込まれた状態において表面シートと吸収性コアとの間に位置する部分(肌側コアラップシート)の全体に、前記表1に示す成分を含む剤を前記分割付与方法により付与した。こうして剤が付与されたコアラップシートをはじめとする、生理用ナプキンの各構成部材を元通りに組み合わせて一体化させ、生理用ナプキンを作製した。
図3に示す生理用ナプキン1と同様の構成を有する生理用ナプキンを作製した。具体的には、市販の生理用ナプキン(花王株式会社2016年製「ロリエ 肌キレイガード ふつうの日用 羽つき」)からドライヤーを用いて各部材を接着しているホットメルト接着剤を弱め、分解して取り出した表面シート、裏面シート、吸収体をそれぞれ用いた。この吸収体は、フラッフパルプと高吸収性ポリマーとの混合積繊体からなる吸収性コアをコアラップシートで包んだものである。このコアラップシートにおける、生理用ナプキンに組み込まれた状態において表面シートと吸収性コアとの間に位置する部分(肌側コアラップシート)の全体に、前記表1に示す成分を含む剤を前記分割付与方法により付与した。こうして剤が付与されたコアラップシートをはじめとする、生理用ナプキンの各構成部材を元通りに組み合わせて一体化させ、生理用ナプキンを作製した。
前記分割付与方法による剤の付与は、血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)及び血液凝集促進剤のうちの一方を付与した後、他方を付与する方法により実施し、また、両剤の付与は、1)スプレードライ法による粉体化、又は2)溶解液の付与のいずれかで実施した。
前記1)のスプレードライ法による粉体化は、具体的には次のように実施した。即ち、スプレードライヤー(BUCHI製B-290)を用いて常法に従って、5質量%濃度の血球凝集剤(水溶性カチオンポリマー)の水溶液及び、5質量%濃度の血液凝集促進剤の水溶液若しくは分散液からそれぞれの粉体を得、各粉体をそれぞれコアラップシートに坪量として6g/m2となるように、スパーテルを用いて手作業で被塗布面全体に均一に塗布した。
前記2)の溶解液の付与は、具体的には次のように実施した。即ち、5質量%濃度の血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)の水溶液を調製し、該水溶液をコアラップシートに固形分換算で坪量として6g/m2となるように、株式会社三商製ガラス噴霧器を用いて噴霧し乾燥した後、その血球凝集剤の付与部位に対し、5質量%濃度の血液凝集促進剤の水溶液若しくは分散液を、同様の操作で固形分換算で坪量として6g/m2となるように噴霧し乾燥した。
前記1)のスプレードライ法による粉体化は、具体的には次のように実施した。即ち、スプレードライヤー(BUCHI製B-290)を用いて常法に従って、5質量%濃度の血球凝集剤(水溶性カチオンポリマー)の水溶液及び、5質量%濃度の血液凝集促進剤の水溶液若しくは分散液からそれぞれの粉体を得、各粉体をそれぞれコアラップシートに坪量として6g/m2となるように、スパーテルを用いて手作業で被塗布面全体に均一に塗布した。
前記2)の溶解液の付与は、具体的には次のように実施した。即ち、5質量%濃度の血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)の水溶液を調製し、該水溶液をコアラップシートに固形分換算で坪量として6g/m2となるように、株式会社三商製ガラス噴霧器を用いて噴霧し乾燥した後、その血球凝集剤の付与部位に対し、5質量%濃度の血液凝集促進剤の水溶液若しくは分散液を、同様の操作で固形分換算で坪量として6g/m2となるように噴霧し乾燥した。
〔評価試験2〕
各実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、液戻りを下記方法により評価した。その結果を下記表2に示す。
各実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、液戻りを下記方法により評価した。その結果を下記表2に示す。
<液戻りの評価方法>
評価対象の生理用ナプキンを平面状に広げて肌対向面側(表面シート側)が上を向くように水平に載置し、該ナプキンの上に、筒内径22mmφ、筒高さ50mmのアクリル製円筒部が10mmφの注液用開口部上に位置するよう一体成形されたアクリル製注液プレートを、その注液孔が該生理用ナプキンの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向領域の中央に位置するように重ねて置き、適当な重り板を乗せて(注液プレート自身を含む)荷重が5g/m2となるよう調整した。脱繊維馬血を10ccの注液ビーカーに3g測り取った。ここで使用した脱繊維馬血は前記擬似血液と同じである。この血液を前記注液プレートの筒内に一気に注ぎ込んだ後、3分放置し、その後再度3gを注ぎ込み、生理用ナプキンをそのまま3分間放置した。その後アクリル製注液プレートを取り除き、直ちに、ナプキンにおける血液が注ぎ込まれた部分に、秤量済みの吸収紙(アドバンテック5A、55mmφ)10枚と、重量960gの直方体(約5cm角、鉄製)の重りとを載せて10秒静置し、10秒後の吸収紙重量より、該吸収紙が吸い取った血液の量(g)を算出した。計測は3回行い、その平均値を当該生理用ナプキンの液戻り量とした。液戻り量の値が小さいほど、当該生理用ナプキンが吸収性能に優れることを示す。
評価対象の生理用ナプキンを平面状に広げて肌対向面側(表面シート側)が上を向くように水平に載置し、該ナプキンの上に、筒内径22mmφ、筒高さ50mmのアクリル製円筒部が10mmφの注液用開口部上に位置するよう一体成形されたアクリル製注液プレートを、その注液孔が該生理用ナプキンの肌対向面(表面シート側)における排泄部対向領域の中央に位置するように重ねて置き、適当な重り板を乗せて(注液プレート自身を含む)荷重が5g/m2となるよう調整した。脱繊維馬血を10ccの注液ビーカーに3g測り取った。ここで使用した脱繊維馬血は前記擬似血液と同じである。この血液を前記注液プレートの筒内に一気に注ぎ込んだ後、3分放置し、その後再度3gを注ぎ込み、生理用ナプキンをそのまま3分間放置した。その後アクリル製注液プレートを取り除き、直ちに、ナプキンにおける血液が注ぎ込まれた部分に、秤量済みの吸収紙(アドバンテック5A、55mmφ)10枚と、重量960gの直方体(約5cm角、鉄製)の重りとを載せて10秒静置し、10秒後の吸収紙重量より、該吸収紙が吸い取った血液の量(g)を算出した。計測は3回行い、その平均値を当該生理用ナプキンの液戻り量とした。液戻り量の値が小さいほど、当該生理用ナプキンが吸収性能に優れることを示す。
表2に示す通り、各実施例の生理用ナプキンは、血球凝集剤(水溶性カチオン性ポリマー)及び血液凝集促進剤の双方を含む剤(血液凝集剤)が適用されていることに起因して、両剤のいずれか一方のみを含む各比較例の生理用ナプキンに比して、液戻り量の値が小さく、即ち吸収性能に優れていた。
1 生理用ナプキン(生理用品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
5 サイドシート
11 経血
12 液体成分
13 非液体成分
14 高吸収性ポリマー
15 被膜
16 凝集塊
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
40 吸収性コア
41 コアラップシート
5 サイドシート
11 経血
12 液体成分
13 非液体成分
14 高吸収性ポリマー
15 被膜
16 凝集塊
Claims (8)
- 水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む血液凝集剤であって、
前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である血液凝集剤。 - 前記水溶性カチオン性ポリマーが、分子量2000以上であって、
前記水溶性カチオン性ポリマーは、
以下の式1又は式2で表される繰り返し単位を有する第4級アンモニウム塩ホモポリマーであるか、又は、
以下の式1で表される繰り返し単位と、以下の式3で表される繰り返し単位とを有する第4級アンモニウム塩共重合物であり、
前記水溶性カチオン性ポリマーが式1又は式3の繰り返し単位を含む場合には、該水溶性カチオン性ポリマーは主鎖とそれに結合した側鎖とを有する構造からなり、前記主鎖と前記側鎖とが1点で結合しており、該側鎖が第4級アンモニウム部位を有するものである請求項1に記載の血液凝集剤。
- 前記血液凝集促進剤が、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム及びその水和物、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、並びに酢酸アンモニウムから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の血液凝集剤。
- 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の血液凝集剤を含む物品。
- 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の血液凝集剤を含む物品の製造方法であって、
前記血液凝集促進剤が水溶性の塩であり、該血液凝集剤を揮発性の溶媒に溶解した後、溶解液をシートに塗布する工程を含む血液凝集剤を含む物品の製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の血液凝集剤を含む物品の製造方法であって、
前記血液凝集促進剤が水に不溶性の塩であり、該血液凝集剤をスプレードライして粉体を得た後、該粉体をシートに噴霧する工程を含む血液凝集剤を含む物品の製造方法。 - 水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む組成物を用いた生理用品の血液吸収を促進する血液吸収促進方法であって、
前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である血液吸収促進方法。 - 水溶性カチオン性ポリマー及び血液凝集促進剤を含む組成物の血液凝集剤としての使用であって、
前記血液凝集促進剤が、陽イオンとしてのK+、Na+、Mg2+、Ca2+及びNH4+から選ばれる1種又は2種以上と、陰イオンとしてのリン酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硝酸イオン、水酸化イオン及び酸化物イオンから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせからなる1種又は2種以上である、前記組成物の血液凝集剤としての使用。
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- 2017-06-30 JP JP2017128611A patent/JP2019010328A/ja active Pending
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