JP2019010017A - 収穫機 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業装置が駆動していない状態で車体が前進して、作物を踏み倒すような問題を抑制する制御技術が要望されている。
【解決手段】収穫機は、変速操作位置が前進位置の場合には、車速に基づいて作業無段変速装置51の変速比を変更する前進用作業変速制御指令を出力し、変速操作位置が中立位置または後進位置の場合には、作業無段変速装置51を中立にする中立用作業変速制御指令を出力する作業変速制御部621と、変速操作位置が非前進位置であるにもかかわらず車体の前進走行が検知され、かつ作業クラッチが入り状態である場合異常作業走行が発生していると判定する判定部63と、異常作業走行が判定されると、作業変速制御部621に強制駆動要求を与える強制駆動要求部642を備える。作業変速制御部621は、強制駆動要求に基づいて、作業装置を強制駆動させる強制駆動用作業変速制御指令を作業無段変速装置51に与える。
【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンからの動力を作業装置に伝達する作業動力伝達機構と、エンジンからの動力を走行装置に伝達する走行動力伝達機構とを備えた収穫機に関する。
コンバインのような収穫機の場合、走行動力伝達機構に、油圧式無段変速装置(HSTとも呼ばれる)のような無段変速装置が用いられている。そのような無段変速装置は、中立位置の確定が難しく、人為変速操作具の操作位置が中立位置にあっても、車体が動き出すことがある。例えば、コンバインが畦から圃場に進入する際には、刈取部を圃場の作物に位置合わせするために、運転者は、意識的に中立位置を含む範囲でHST操作レバー(人為変速操作レバー)を操作しながら車体を微速で移動させるものである。しかし、畦から圃場への進入路の多くが下り坂であるため、車体が前下がり姿勢となり、収穫機に重力作用が働いて、運転者が収穫機を静止させようとしているにもかかわらず、不測に車体が動き出す(前進する)ことがある。
特許文献1によるコンバインでは、走行動力伝達機構と作業動力伝達機構との両方に無段変速装置が用いられているので、エンジンから入力された動力が、走行無段変速装置及び作業無段変速装置によって無段階に変速できる。したがって、作業速度(刈取り速度)を走行速度に同期させる同期制御が可能となる。同期制御が行われている際には、車体が走行している時には作業装置も駆動し、車体が停止している時には、作業装置も停止している。なお、無段変速装置では、負荷が大きい場合、油圧の漏れや滑りなどにより内部的な動力伝達の不良(空回り)が生じることがある。
特許文献2によるコンバインでは、走行用の油圧式無段変速装置の斜板角を調整する変速レバー(人為変速操作レバー)が中立位置に操作されている状態で、車体の走行が検知された場合、エンジンを停止させるか、あるいはホーン等の報知手段を作動させる制御が採用されている。
また、特許文献3によるコンバインでは、車速に刈取部の駆動速度を連動させる車速連動制御が行われ、掻込制御時に前傾検出手段によって車体の前傾姿勢が検出されると、制御部が、圃場への車体進入時における刈取作業であると判断し、刈取部の駆動速度である掻込速度を自動的に低下させる。この制御によって、車体の圃場への進入時における、刈取部の駆動速度が車速に対して速すぎることに起因した刈取作業性の低下が抑制される。
特開2008−072992号公報 特開2002−339773号公報 特開2010−233487号公報
コンバインが、収穫作業の開始にあたって、圃場の入口から傾斜面を通り、圃場に進入する際、走行無段変速装置が中立位置であっても、走行装置が前進状態となることがある。この場合、走行無段変速装置が中立位置であるため、作業無段変速装置も中立位置となって、作業装置が駆動していないので、圃場端部の作物を踏み倒してしまう可能性がある。圃場端部の作物を刈り始める際には、作業装置を正確に作物の条に合わせる必要があり、低速走行が必須であるが、傾斜地の低速走行は熟練を要する。もし、作業装置が駆動していない状態で、運転者が意図しない車体の動き出しが発生した場合、作物が踏み倒されてしまう。特許文献1や特許文献3のコンバインでは、作業装置が予想外に停止した状態で、車体が動き出すことによってもたらされる問題は考慮されていない。また、特許文献2によるコンバインのように、変速レバーが中立位置に操作されている状態で、車体の走行が検知された場合に、エンジンを停止させると、作業装置も含め、エンジンを動力源とする全てに動作機器が停止するため、コンバインが立ち往生してしまう。
上述した実情に鑑み、作業装置が駆動していない状態で車体が前進して、作物を踏み倒すような問題を抑制する制御技術が要望されている。
本発明による収穫機は、車体に搭載されたエンジンと、前記車体を対地支持する走行装置と、前記車体に搭載された収穫用の作業装置と、前記エンジンからの動力を、走行無段変速装置を介して前記走行装置に伝達する走行動力伝達機構と、前記エンジンからの動力を、作業無段変速装置及び作業クラッチを介して前記作業装置に伝達する作業動力伝達機構と、車速を算出する車速算出部と、運転者によって操作される人為変速操作具と、前記人為変速操作具の変速操作位置に基づいて前記走行無段変速装置に走行変速制御指令を与える走行変速制御部と、前記人為変速操作具の変速操作位置が前進位置の場合には、前記車速に基づいて前記作業無段変速装置の変速比を変更する前進用作業変速制御指令を前記作業無段変速装置に与え、前記人為変速操作具の変速操作位置が中立位置または後進位置の場合には、前記作業無段変速装置を中立にする中立用作業変速制御指令を前記作業無段変速装置に与える作業変速制御部と、前記人為変速操作具の変速操作位置が非前進位置であるにもかかわらず前記車体の前進走行が検知され、かつ、前記作業クラッチが入り状態である場合、異常作業走行が発生していると判定する判定部と、前記異常作業走行が判定されると、前記作業変速制御部に強制駆動要求を与える強制駆動要求部とを備え、前記作業変速制御部は、前記強制駆動要求に基づいて、前記作業装置を強制駆動させる強制駆動用作業変速制御指令を前記作業無段変速装置に与える。
この構成によれば、人為変速操作具の変速操作位置が非前進位置(中立位置または後進位置)であるにもかかわらず車体の前進走行が検知され、かつ、作業クラッチが入り状態である場合、運転者の意思に反して車体が前進して作業走行が開始されるとみなされる。しかしながら、変速操作位置が非前進位置であるので、作業装置には動力が伝達されず、作業装置は停止状態である。このような、運転者の意思に反する作業走行は異常作業走行とみなされるので、判定部は、この車体の動き出しを異常作業走行と判定する。このような異常作業走行が生じると、作物が踏み倒されるような問題が生じるので、これを回避するため、異常作業走行が判定されると、作業装置が強制駆動させられる。作業装置が強制的な指令で駆動することで、作物が踏み倒されるような問題が回避される。
例えば、車体前部に作業装置としての刈取部を備えた、稲や麦などを収穫する収穫機の場合、刈取部を作物の条に正確に合わせ、条の始端から刈り始めるため、作業クラッチを入りにして刈取部を駆動させるとともに、車速を限界まで落としながら走行する必要がある。その際、畦から圃場に進入する際の路面が前下がりの斜面となっているので、人為変速操作具が中立位置にあっても、走行無段変速装置の内部的な滑り、例えば走行無段変速装置が油圧式無段変速装置のような構成であれば、油圧の漏れ流れによって、走行装置が動き出すことがある。このような状況において、上述した本発明の構成によれば、作業装置が駆動していなくても、異常作業走行が判定されることにより、作業装置が動き出すので、作物を踏み倒すような問題が回避される。特に、圃場の入口から圃場に入る際には、運転者は、作業クラッチを入りにし、人為変速操作具を最初中立位置にし、ゆっくりと、人為変速操作具を操作して、低速走行で圃場の入口を通過しようとするので、人為変速操作具が非前進位置であるにもかかわらず、車体が前進走行した際には、直ちに作業装置を動かすことは理にかなっている。
上述した異常作業走行は、圃場の入口から圃場に入る際の前下がりの傾斜面で頻発する。このため、異常作業走行の判定において、車体が前下がりの傾斜面を通過する際に車体に生じる前下がり姿勢を、判定条件として加えると、判定精度が向上する。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記車体のピッチ角を検出する姿勢センサが備えられ、前記姿勢センサによる前記車体の前下がり姿勢の検出が、前記異常作業走行の判定条件に含まれる。
車体が前下がり傾斜面での重力による動きでゆっくりと動いた際に、異常作業走行が判定される。したがって、異常作業走行の判定をトリガーとして実行される作業装置の動きは、車体のゆっくりした動きに適応する程度の動きが好適である。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記作業無段変速装置は油圧式無段変速装置であり、前記強制駆動用作業変速制御指令による前記作業装置の動きは、前記油圧式無段変速装置の最低出力による前記作業装置の動きである。低速安定性のある油圧式無段変速装置のおかげで、作業装置の安定した動き出しが得られる。
車体の速度である車速の算出は、走行装置が、タイヤなどの地面との間でスリップを生じるもので構成されている場合、車軸の回転速度から正確な車速を算出することが難しくなる。このため、地面とのスリップがほとんどなく、車速の算出が車軸の回転検出から容易に算出できるクローラベルト方式の走行装置を備えた収穫機に、本発明は好適に適用される。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記走行装置は、車軸と前記車軸によって駆動されるクローラベルトとを備え、前記車速算出部は、前記車軸の回転を検出する回転センサからの検出信号に基づいて前記車速を算出する。
収穫機の一例としての自脱型コンバインの側面図である。 コンバインの動力伝達系統図である。 コンバインの制御系を示す機能ブロック図である 異常作業走行の判定から作業装置の強制駆動に至る制御の流れを説明する説明図である。
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、図1に示す矢印Fの方向を「車体前側」、矢印Bの方向を「車体後側」とする。
図1には、本発明による収穫機の一例としての自脱型コンバインを示している。このコンバインには、車体1と、車体1を自走可能に対地支持する左右一対のクローラタイプの走行装置10とが備えられている。車体1の前部には、収穫用の作業装置である刈取部2が昇降可能に設けられている。刈取部2は、圃場の穀稈を刈り取って車体後方に搬送する。刈取部2のやや後方で上側には、運転キャビン11が設けられている。運転キャビン11内には、人為変速操作具である主変速レバー30と、掻込みペダル31が配置されている。主変速レバー30は、前後に揺動操作可能な状態で設けられている。掻込みペダル31は、足踏み操作可能な状態で設けられている。
運転キャビン11の下方には、エンジン4が搭載されている。運転キャビン11の後方には、刈取部2から搬送された刈取穀稈を脱穀する脱穀装置12と、脱穀装置12からの穀粒を貯留するグレンタンク13とが、車体左右方向に隣り合う状態で設けられている。グレンタンク13には、グレンタンク13内の穀粒を排出するアンローダ14が設けられている。
刈取部2には、圃場の穀稈を引き起こす複数の引起装置21、引起装置21に引き起こされた穀稈を切断するバリカン式の切断装置22、刈取穀稈を後方に搬送する穀稈搬送装置23等が備えられている。刈取部2は、車体左右向きの軸心X1周りの揺動で昇降可能に構成されている。この揺動は、油圧シリンダ24の伸縮によって行われる。
図2を用いて、エンジン4からの動力伝達系統について説明する。この動力伝達系統には、走行動力伝達機構40と作業動力伝達機構50とが含まれている。走行動力伝達機構40はエンジン4からの動力を走行装置10に伝達する。作業動力伝達機構50は、エンジン4からの動力を刈取部2や脱穀装置12などの作業装置に伝達する。図2に示された実施形態では、作業動力伝達機構50は、刈取部2へ動力を伝達する第1の作業動力伝達機構と、刈取部2以外の作業装置(脱穀装置12等)へ動力を伝達する第2の動力伝達機構とを含んでいる。走行動力伝達機構40は油圧式無段変速装置を走行無段変速装置(以下走行HST41と略称する)として備えており、第1の作業動力伝達機構も油圧式無段変速装置を作業無段変速装置(以下作業HST51と略称する)として備えている。
走行動力伝達機構40は、第1ベルト伝動装置42とギヤトランスミッション44とを備えている。第1ベルト伝動装置42は、エンジン4の出力軸に取り付けた第1出力プーリ42aと走行HST41の入力軸に取り付けた第1入力プーリ42bとの間の動力伝達を行い、走行クラッチ43を有する。ギヤトランスミッション44は、走行HST41の出力軸と走行装置10の左右の車軸10aとの間の動力伝達を行い、左右の車軸10aに独立して動力を伝達することができる。この車軸10aの回転により、クローラベルトが回動する。
作業動力伝達機構50は、第2ベルト伝動装置52と動力分配装置54とを備えている。第2ベルト伝動装置52は、エンジン4の出力軸に取り付けた第2出力プーリ52aと作業HST51の入力軸に取り付けた第2入力プーリ52bとの間の動力伝達を行い、作業クラッチ53を有する。この作業クラッチ53は、操作アクチュエータとしての作業クラッチ用ソレノイド53aの動作によって、選択的にクラッチ入り状態とクラッチ切り状態とになる。動力分配装置54は、作業HST51の出力軸から出力された動力を、刈取部2、脱穀装置12、アンローダ14などの作業装置に分配する。そのような動力分配装置54の構造は良く知られているので、ここでは詳しい説明は省略する。
走行HST41及び作業HST51の変速は、斜板の角度を変更することによって行われる。この実施形態では、走行HST41の斜板角度を変更するのに油圧比例弁71が用いられ、作業HST51の斜板角度を変更するのに作業HST変速モータ72が用いられている。
図3に、このコンバインの制御系の機能ブロック図が示されている。制御系は、多数のセンサ群やスイッチ群、車載LANで相互接続された多数のECUと呼ばれる電子制御ユニットとから構成されている。図3では、そのようなECUは、まとめられて、1つの制御ユニット6として示されている。
制御ユニット6は、入出力インタフェースとして、出力処理部6Bと入力処理部6Aとを備えている。車両走行機器群7Aには、車両走行に関する制御機器、例えばエンジン制御機器、制動制御機器、走行動力伝達機構40に組み込まれた制御機器、例えば、油圧比例弁71などが含まれている。油圧比例弁71は、制御ユニット6から送られてくる制御指令に基づいて比例ソレノイドを駆動し、比例的に制御された油圧回路の圧力を用いて斜板ピストンを変位させる。斜板ピストンの変位によって、走行HST41の斜板の斜板角が変更される。
作業装置機器群7Bには、刈取部2、脱穀装置12、アンローダ14、作業動力伝達機構50に組み込まれている制御機器、例えば、作業クラッチ53を入り切りする作業クラッチ用ソレノイド53aや作業HST変速モータ72が含まれている。作業HST変速モータ72は、作業HST51の斜板の斜板角を変更するために用いられる。報知デバイス7Cには、車両計器パネル、警報ブザー、スピーカ、警報ランプ、作業ランプなどが含まれている。
入力処理部6Aには、走行系検出センサ群8Aや作業系検出センサ群8Bなどが接続されている。走行系検出センサ群8Aには、エンジン4や走行動力伝達機構40を操作する操作具の位置を検出するセンサや、エンジン4や走行動力伝達機構40の状態を検出するセンサが含まれている。本発明に関連するものとして、操作変位センサ81、回転センサ82、出力速度センサ83、姿勢センサ84、が挙げられる。操作変位センサ81は、走行速度を設定する主変速レバー30の変速操作位置を検出する。回転センサ82は、走行装置10の左右の車軸10aの回転速度を検出する。出力速度センサ83は、走行HST41の出力軸の回転速度を検出する。姿勢センサ84は、車体1の水平面に対する姿勢、ピッチ角やロール角などを検出する。
作業系検出センサ群8Bには、刈取部2、脱穀装置12、アンローダ14、作業動力伝達機構50などの状態を検出するセンサが含まれている。本発明に関連するものとして、操作変位センサ86、作業クラッチスイッチ87、作業装置駆動検出センサ88、株元センサ89が挙げられる。操作変位センサ86は、掻込みペダル31の踏み込み操作位置を検出し、その操作位置に基づいて、作業HST51から動力を出力させる。掻込みペダル31の踏み込み操作により、運転者の意思で、刈取部2を緊急的に駆動させることができる。作業クラッチスイッチ87は、作業クラッチ53の入り状態または切り状態を検出して、制御ユニット6に与える。作業装置駆動検出センサ88は、作業動力伝達機構50の駆動状態、つまり作業装置の駆動状態(例えば刈取部2が駆動しているかどうか)を検出する。株元センサ89は、穀稈が刈取部2に進入していることを検出する。
制御ユニット6は、入力処理部6Aを通じて入力されたデータや信号に基づいて演算処理された結果としてのデータや信号を、出力処理部6Bを通じて出力する。この演算処理を行う機能部として、走行制御部61、作業制御部62、判定部63、判定管理部64、報知部65、車速算出部66を備えている。車速算出部66は、回転センサ82からの検出信号に基づいて、車体1の速度(車速)を算出する。
走行制御部61は、車両走行機器群7Aに制御指令を与えて、このコンバインの走行を制御する。走行制御部61には、主変速レバー30の変速操作位置に基づいて走行HST41に走行変速制御指令を与える走行変速制御部611が含まれている。作業制御部62は、作業装置機器群7Bに制御指令を与えて、このコンバインの作業装置(刈取部2など)を制御する。作業制御部62には、作業変速制御部621が含まれている。作業変速制御部621は、車体1の走行状態に基づいて作業変速制御指令を作業HST51に与える。
操作変位センサ81によって検出される主変速レバー30の変速操作位置に基づいて制御される走行HST41の出力速度は出力速度センサ83で検出される。この出力速度センサ83の検出結果に基づいて、作業変速制御部621は、作業HST変速モータ72を駆動制御できる。このような制御構成により、作業HST51での刈取速度は、走行速度に同期可能である。
作業変速制御部621による作業HST51の制御のより具体的な一例では、作業変速制御部621は、主変速レバー30の変速操作位置が前進位置の場合には、車速に基づいて作業HST51の変速比を変更する前進用作業変速制御指令を作業HST51に与える。さらに、主変速レバー30の変速操作位置が中立位置または後進位置の場合には、作業HST51を中立にする中立用作業変速制御指令を作業HST51に与える。このような作業変速制御部621の構成により、車体1の停止時や後進時は、実質的には、刈取り収穫作業は行われない。また、前進走行による刈取り収穫時には、車速が速いほど、作業装置を高速で駆動させることができ、高速走行を用いた短時間での刈取り収穫作業も可能となる。
判定部63は、次の3つの判定条件が成立した場合に、異常作業走行が発生していると判定する。
(1)操作変位センサ81からの検出信号が、主変速レバー30の変速操作位置が非前進位置(中立位置または後進位置)であること示している。つまり、車体1を前進させる方向の動力を走行HST41が走行装置に供給しないように制御する走行制御指令が走行変速制御部611から出力されている。
(2)車体1の走行が車速算出部66によって検知されている。つまり、運転者の意図に反する車体1の前進走行が発生している。
(3)作業クラッチ53が入り状態である。つまり、運転者は作業装置を駆動させて、作業走行を行う意図を持っている。
(4)車体1の姿勢を検出する姿勢センサ84からの検出信号が、前もって設定された許容値を超える車体1の前下がり傾斜を示している。
(1)と(2)と(3)の3つの判定条件の成立から、次の(イ)と(ロ)とが想定される。
(イ)変速操作位置が非前進位置であるので、作業HST51は中立位置に維持される。しかしながら、作業クラッチ53が入り状態であるので、現時点は、作業走行の準備段階である。
(ロ)作業走行の準備段階であるにもかかわらず、車速算出部66によって機体1の前進走行が検知されている。
さらに付け加えて、(4)の判定条件の成立から、その不測の動き出し(走行)により、車体1が畦から圃場への進入路(下り坂)上に位置していることが想定される。
これらのことから、作業装置が駆動していないにもかかわらず、コンバインが圃場に進入し、作業装置である刈取部2が植立穀稈群に接近及び進入する問題が生じることが検知できる。したがって、(1)と(2)と(3)と(4)の4つの判定条件の成立から、異常作業走行の発生が、判定部63によって判定される。
なお、(1)と(2)と(3)の判定条件の成立だけでも、異常作業走行が発生していると判定することも可能であるので、(4)の判定条件の省略は可能である。この場合には、判定部63は、主変速レバー30の変速操作位置が非前進位置であるにもかかわらず車体1の前進走行が検知され、かつ、作業クラッチ53が入り状態である場合、異常作業走行が発生していると判定する。
また、この異常作業走行における問題は、運転者が意図しない車体1の走行によって、非駆動状態作業装置、つまり被駆動状態の刈取部2が植立穀稈を刈り取らずに踏み倒すことである。したがって、異常作業走行が生じても、刈取部2に植立穀稈が入り込んでいなければ、無視することも可能である。このことを考慮して、判定条件として、刈取部2に入り込んでくる植立穀稈を検出する株元センサ89が植立穀稈を検出していることを、追加してもよい。
判定管理部64は、判定部63から出力された判定結果に基づいて、判定結果に起因する問題を回避するために、車両走行機器群7Aや作業装置機器群7Bに制御指令を与える。判定管理部64には、作業変速制御部621に強制駆動要求を与える強制駆動要求部642が含まれている。
本発明では、判定部63によって、異常作業走行が判定されると、強制駆動要求部642が作業変速制御部621に強制駆動要求を与える。作業変速制御部621は、与えられた強制駆動要求に基づいて、作業変速制御指令として作業装置に動力を供給する強制駆動用作業変速制御指令(強制駆動制御指令)を作業HST51に与える。
強制駆動用作業変速制御指令が作業HST51に与えられると、作業HST変速モータ72が回転し、作業HST51が最低出力で動作するように、作業HST51の斜板角度を調整する。なお、作業HST51の変速は、斜板の角度を変更するために作業HST変速モータ72に代えて、油圧比例弁などの他のアクチュエータを用いてもよい。
報知部65は、作業装置異常やその他の異常事態が検知された場合、警告報知信号を報知デバイス7Cに出力して、警報報知を行う。
次に図4を用いて、異常作業走行の判定から作業装置の強制駆動に至る制御の流れを説明する。ここでは、当該制御の背景として、次の(a)(b)を仮定しておく。
(a)、運転者が斜面をゆっくりと下りながら刈取部2を刈り始め位置の作物に位置合わせしようとしている圃場進入時において、主変速レバー30が中立位置となっている。主変速レバー30が中立位置となっているので、作業HST51に中立用作業変速制御指令が与えられており、作業クラッチ53が入り状態であるにもかかわらず、刈取部2が駆動停止している。
(b)(a)のような状態において、重力等によって車体1が斜面を下り始めてしまう。
(a)及び(b)の仮定により、判定部63には、操作変位センサ81によって検出される主変速レバー30の変速操作位置として、非前進位置(中立位置または後進位置)が入力されている(#01)。運転者が斜面を下りながら刈取りをしようとしているので、姿勢センサ84によって前下がり姿勢が検出されることにより、姿勢センサ84からの前下がり姿勢が判定部63に入力されている(#02)。刈取作業の直前であるので、作業動力伝達機構50の作業クラッチ53は入り操作されている。これにより、作業クラッチスイッチ87から作業クラッチ入りの検出信号が判定部63に入力されている(#03)。さらに、主変速レバー30の変速操作位置が非前進位置であるので、作業HST51を中立にする中立用作業変速制御指令が作業HST51に与えられているので、作業装置駆動検出センサ88から駆動停止状態が判定部63に入力されている(#04)。
ここで、車体1が重力による走行装置10側からのトルクにより、走行HST41の出力軸がすべり回転し、走行装置10の車軸10aが回動し、走行が始まる。この走行は、走行動力伝達機構40の回転センサ82によって検出される。回転センサ82から検出信号は車速算出部66に入力されると、車速算出部66はゼロを超える車速を算出する。この車速発生(前進走行)が車速算出部66から判定部63に入力される(#05)。これにより、判定部63において、上述した(1)と(2)と(3)と(4)との4つの判定条件が成立するので、判定部63は、異常作業走行が発生していると判定する(#10)。
次に、強制駆動要求部642は、判定部63による異常作業走行の判定結果に応答して、強制駆動要求を作業変速制御部621に与える(#11)。強制駆動要求を受けた作業変速制御部621は、作業変速制御指令として、強制駆動制御指令を走行HST41に与える(#12)。走行HST41はこの強制駆動制御指令により、最低出力による作業動力伝達機構50の駆動を開始する(#13)。図4においては、理解のし易さのために、#10から#13までの流れを太線で示してある。
なお、上述したような異常作業走行を運転者が気づいた場合、運転者は、掻込みペダル31を踏み込んで、作業HST51を強制的に動かすことができる。掻込みペダル31による作業HST51に対する指令は、強制駆動制御指令に優先するので、運転者が所望する回転数で作業HST51を動かすことができる。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
〔別実施の形態〕
(1)株元センサ89としては、穀稈が刈取部2に進入していることを検出できれば種々の構成のものを採用することができる。植立穀稈が刈取部2に入り込んできたいことを検出するセンサでもよいし、切断装置22によって切断され、穀稈搬送装置23で搬送される前の穀稈の存在を検出するセンサでもよいし、あるいは穀稈搬送装置23で搬送されていく穀稈の量(少量または大量)を検出するセンサでもよい。
(2)上述した実施形態では、作業動力伝達機構50に無段変速装置として作業HST51が備えられていた。これに代えて、作業動力伝達機構50に、その他の無段変速装置が備えられてもよい。同様に、走行動力伝達機構40に備えられていた無段変速装置として走行HST41に代えて、その他の無段変速装置が備えられてもよい。
(3)上述した実施形態では、車速算出部66は、走行装置10の左右の車軸10aの回転速度を検出する回転センサ82からの検出信号に基づいて車速を算出している。これに代えて、衛星測位モジュールや慣性航法モジュールなどから得られる位置データないしは動きデータに基づいて、車速を算出することも可能である。
(4)図3で示された制御ユニット6の各機能部は、主に説明目的で区分けされている。実際には、各機能部は他の機能部と統合してもよいし、またはさらに複数の機能部に分けてもよい
(5)上述した実施形態では、収穫機は、自脱型コンバインであったが、普通型コンバインであってもよい。
本発明は、エンジンからの動力を、作業無段変速装置を介して作業装置に伝達する作業動力伝達機構と、エンジンからの動力を、走行無段変速装置を介して走行装置に伝達する走行動力伝達機構とを備えた収穫機であれば、稲や小麦等を収穫するコンバインだけでなく、トウモロコシなど他の農作物を収穫するコンバインや、ニンジンなどを収穫する収穫機にも適用可能である。
1 :車体
2 :刈取部(作業装置)
4 :エンジン
10 :走行装置
30 :主変速レバー(人為変速操作具)
40 :走行動力伝達機構
41 :走行HST(走行無段変速装置)
50 :作業動力伝達機構
51 :作業HST(作業無段変速装置)
53 :作業クラッチ
53a :作業クラッチ用ソレノイド
6 :制御ユニット
61 :走行制御部
611 :走行変速制御部
62 :作業制御部
621 :作業変速制御部
63 :判定部
64 :判定管理部
642 :強制駆動要求部
65 :報知部
66 :車速算出部
7C :報知デバイス
81 :操作変位センサ
82 :回転センサ
84 :姿勢センサ
88 :作業装置駆動検出センサ
89 :株元センサ

Claims (4)

  1. 車体に搭載されたエンジンと、
    前記車体を対地支持する走行装置と、
    前記車体に搭載された収穫用の作業装置と、
    前記エンジンからの動力を、走行無段変速装置を介して前記走行装置に伝達する走行動力伝達機構と、
    前記エンジンからの動力を、作業無段変速装置及び作業クラッチを介して前記作業装置に伝達する作業動力伝達機構と、
    車速を算出する車速算出部と、
    運転者によって操作される人為変速操作具と、
    前記人為変速操作具の変速操作位置に基づいて前記走行無段変速装置に走行変速制御指令を与える走行変速制御部と、
    前記人為変速操作具の変速操作位置が前進位置の場合には、前記車速に基づいて前記作業無段変速装置の変速比を変更する前進用作業変速制御指令を前記作業無段変速装置に与え、前記人為変速操作具の変速操作位置が中立位置または後進位置の場合には、前記作業無段変速装置を中立にする中立用作業変速制御指令を前記作業無段変速装置に与える作業変速制御部と、
    前記人為変速操作具の変速操作位置が非前進位置であるにもかかわらず前記車体の前進走行が検知され、かつ、前記作業クラッチが入り状態である場合、異常作業走行が発生していると判定する判定部と、
    前記異常作業走行が判定されると、前記作業変速制御部に強制駆動要求を与える強制駆動要求部とを備え、
    前記作業変速制御部は、前記強制駆動要求に基づいて、前記作業装置を強制駆動させる強制駆動用作業変速制御指令を前記作業無段変速装置に与える収穫機。
  2. 前記車体のピッチ角を検出する姿勢センサが備えられ、
    前記姿勢センサによる前記車体の前下がり姿勢の検出が、前記異常作業走行の判定条件に含まれる請求項1に記載の収穫機。
  3. 前記作業無段変速装置は油圧式無段変速装置であり、前記強制駆動用作業変速制御指令による前記作業装置の動きは、前記油圧式無段変速装置の最低出力による前記作業装置の動きである請求項1または2に記載の収穫機。
  4. 前記走行装置は、車軸と前記車軸によって駆動されるクローラベルトとを備え、
    前記車速算出部は、前記車軸の回転を検出する回転センサからの検出信号に基づいて前記車速を算出する請求項1から3のいずれか一項に記載の収穫機。
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