JP2019009956A - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019009956A
JP2019009956A JP2017126022A JP2017126022A JP2019009956A JP 2019009956 A JP2019009956 A JP 2019009956A JP 2017126022 A JP2017126022 A JP 2017126022A JP 2017126022 A JP2017126022 A JP 2017126022A JP 2019009956 A JP2019009956 A JP 2019009956A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
value
current
inverter
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017126022A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6760218B2 (ja
Inventor
山田 堅滋
Katashige Yamada
堅滋 山田
清隆 松原
Kiyotaka Matsubara
清隆 松原
和真 下條
Kazuma Shimojo
和真 下條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2017126022A priority Critical patent/JP6760218B2/ja
Publication of JP2019009956A publication Critical patent/JP2019009956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6760218B2 publication Critical patent/JP6760218B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】デッドタイムに起因する誤差電圧の変化を抑制する。【解決手段】インバータの制御としてPWM制御を実行し、PWM制御を実行する際には、モータのトルク指令に基づいて前記モータに供給する電流実効値と電流進角値とを設定し、設定した電流実効値と電流進角値とに基づくモータの各相の電圧指令と搬送波の電圧との比較により生成されるPWM信号を用いて複数のスイッチング素子をスイッチング制御インバータ装置であって、モータの各相の相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角が、複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように、電流進角値を設定する。【選択図】図4

Description

本発明は、インバータ装置に関し、詳しくは、インバータと、制御装置と、を備えるインバータ装置に関する。
従来、この種のインバータ装置としては、インバータと、制御装置と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。インバータは、複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータを駆動している。制御装置は、インバータの制御としてPWM制御を実行する。そして、PWM制御を実行する際には、モータのトルク指令(要求トルク)に基づいてd軸,q軸の電流指令(指令電流)を設定して、設定したd軸,q軸の電流指令とd軸,q軸の実電流とに基づくモータの各相の電圧指令(指令電圧)からPWM信号を生成する。そして、生成したPWM信号の立ち下がりエッジおよび立ち下がりエッジを、複数のスイッチング素子のスイッチングにおけるデッドタイムの2分の1ずつ補正して、補正前のPWM信号とオン期間が同一の新たなPWM信号を生成する。こうして生成した新たなPWM信号で複数のスイッチング素子をスイッチング制御している。
特開2012−178950号公報
しかしながら、上述のインバータ装置では、デッドタイムに起因する誤差電圧がPWM信号の電圧に重畳されてスイッチング素子へ出力される。デッドタイムに起因する誤差電圧が変化すると、複数のスイッチング素子への出力電圧が変化して、モータから出力されるトルクが変化してしまう。
本発明のインバータ装置は、デッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制することを主目的とする。
本発明のインバータ装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のインバータ装置は、
複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータを駆動するインバータと、
前記インバータの制御としてPWM制御を実行し、前記PWM制御を実行する際には、前記モータのトルク指令に基づいて前記モータに供給する電流実効値と電流進角値とを設定し、前記設定した電流実効値と電流進角値とに基づく前記モータの各相の電圧指令と搬送波の電圧との比較により生成されるPWM信号を用いて前記複数のスイッチング素子をスイッチング制御する制御装置と、
を備えるインバータ装置であって、
前記制御装置は、前記モータの各相の相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角が、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように、前記電流進角値を設定する、
ことを要旨とする。
この本発明のインバータ装置では、インバータの制御としてPWM制御を実行し、PWM制御を実行する際には、モータのトルク指令に基づいてモータに供給する電流実効値と電流進角値とを設定し、設定した電流実効値と電流進角値とに基づくモータの各相の電圧指令と搬送波の電圧との比較により生成されるPWM信号を用いて複数のスイッチング素子をスイッチング制御する。そして、この際に、モータの各相の相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角が、複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように、電流進角値を設定する。ここで「ゼロクロス」とは、電流が正値から負値または負値から正値へ値0を跨いで変化することを言う。モータの各相の相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角(ゼロクロス電気角)は、モータの回転変動に伴って変化する。ゼロクロス電気角が複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲内のときに、ゼロクロス電気角が変化するとデッドタイムに起因する誤差電圧も変化してしまう。本発明では、ゼロクロス電気角が複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように、電流進角値を設定することにより、モータの回転変動などでゼロクロス電気角が変化したときでも、デッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制することができる。
こうした本発明のインバータ装置において、前記制御装置は、前記インバータの変調率が第1所定値以上で前記PWM制御における同期数が第2所定値未満であるときには、前記電流進角値を、前記モータのトルク指令に基づく電流進角値である第1進角値に、前記変調率および前記同期数が小さいときには大きいときに比して大きくなる進角移行量を加えた値に設定してもよい。
本発明の一実施例としての駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。 モータ32の回転数Nmとトルクと制御モードとの関係であるマップの一例を示す説明図である。 電圧指令Vu*とモータ32の相電流Iuとの関係の一例を示す説明図である。 電流指令設定処理の一例を示すブロック図である。 第2マップの一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての駆動装置を搭載する電気自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例の電気自動車20は、図示するように、モータ32と、インバータ34と、バッテリ36と、電子制御ユニット50と、を備える。
モータ32は、同期発電電動機として構成されており、永久磁石が埋め込まれた回転子と、三相コイルが巻回された固定子と、を備える。このモータ32の回転子は、駆動輪22a,22bにデファレンシャルギヤ24を介して連結された駆動軸26に接続されている。
インバータ34は、モータ32に接続されると共に電力ライン42を介してバッテリ36に接続されている。このインバータ34は、6つのトランジスタT11〜T16と、6つのダイオードD11〜D16と、を有する。トランジスタT11〜T16は、それぞれ電力ライン42の正極母線と負極母線とに対してソース側とシンク側になるように2個ずつペアで配置されている。6つのダイオードD11〜D16は、それぞれトランジスタT11〜T16に逆方向に並列接続されている。トランジスタT11〜T16の対となるトランジスタ同士の接続点の各々には、モータ32の三相コイル(U相,V相,W相)の各々が接続されている。したがって、インバータ34に電圧が作用しているときに、電子制御ユニット50によって、対となるトランジスタT11〜T16のオン時間の割合が調節されることにより、三相コイルに回転磁界が形成され、モータ32が回転駆動される。電力ライン42の正極母線と負極母線とには、平滑用のコンデンサ46が取り付けられている。
バッテリ36は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。
電子制御ユニット50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU52の他に、処理プログラムを記憶するROM54やデータを一時的に記憶するRAM56,入出力ポートを備える。
電子制御ユニット50には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット50に入力される信号としては、例えば、モータ32の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ(例えばレゾルバ)32aからのモータ32の回転子の回転位置θmや、電流を検出する電流センサ32u,32vからのモータ32に流れる相電流Iu,Ivを挙げることができる。また、バッテリ36の端子間に取り付けられた電圧センサ36aからの電圧Vbや、バッテリ36の出力端子に取り付けられた電流センサ36bからの電流Ibも挙げることができる。さらに、コンデンサ46の端子間に取り付けられた電圧センサ46aからのコンデンサ46(電力ライン42)の電圧VCも挙げることができる。加えて、イグニッションスイッチ60からのイグニッション信号や、シフトレバー61の操作位置を検出するシフトポジションセンサ62からのシフトポジションSPも挙げることができる。また、アクセルペダル63の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ64からのアクセル開度Accや、ブレーキペダル65の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ66からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ68からの車速Vも挙げることができる。
電子制御ユニット50からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット50から出力される信号としては、例えば、インバータ34のトランジスタT11〜T16へのスイッチング制御信号を挙げることができる。電子制御ユニット50は、回転位置検出センサ32aからのモータ32の回転子の回転位置θmに基づいてモータ32の電気角θeや回転数Nmを演算している。
電子制御ユニット50は、電流センサ36bからのバッテリ36の電流Ibの積算値に基づいてバッテリ36の蓄電割合SOCを演算している。ここで、蓄電割合SOCは、バッテリ36の全容量に対するバッテリ36から放電可能な電力の容量の割合である。
こうして構成された実施例の電気自動車20では、電子制御ユニット50は、以下の走行制御を行なう。走行制御では、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸26に要求される要求トルクTd*を設定し、設定した要求トルクTd*をモータ32のトルク指令Tm*に設定し、モータ32がトルク指令Tm*で駆動されるようにインバータ34のトランジスタT11〜T16のスイッチング制御を行なう。
ここで、インバータ34の制御について説明する。実施例では、電子制御ユニット50は、モータ32の回転数Nmとトルク指令Tm*とに基づいてそれぞれ複数の制御モードから1つの制御モードを選択してインバータ34をスイッチング制御する。図2は、モータ32の回転数Nmとトルク指令Tm*と制御モードとの関係であるマップの一例を示す説明図である。ここで、インバータ34の制御モードは、それぞれマップにより、モータ32の回転数Nmおよびトルク指令Tm*が低い領域から順に、三角波比較によるパルス幅変調(PWM)制御による正弦波制御モード,トルク指令に応じた電圧位相の矩形波電圧でインバータをスイッチングする矩形波制御モードが選択されるように予め定められている。さらに、インバータ34の正弦波制御モードには、それぞれ、モータの回転数に同期(比例)してキャリアとしての三角波の周波数(キャリア周波数)を変更させる方式である同期キャリアPWM制御方式や、予め定められたキャリア周波数を用いるためモータの回転数に同期しない方式である非同期キャリアPWM制御方式がある。実施例では、非同期キャリアPWM制御方式では、モータの回転数が閾値Nref未満のときには周波数Fc1を用い、モータの回転数が閾値Nref以上のときには周波数Fc2を用いるものとした。また、同期キャリアPWM制御方式では、インバータを良好に制御可能な範囲内で予め定められた比較的少ない数周期分(例えば6や8など)の三角波形が正弦波状の出力電圧指令値の1周期に丁度含まれるようにキャリア周波数を定めるものとした。同期キャリアPWM制御方式を用いると、インバータ34によるモータ32の制御性を良好にすることができると共に、モータ32の回転数Nmに応じた周波数となるから、非同期キャリアPWM制御方式に比して周波数を小さくすることができる。このため、インバータ34のスイッチング損失を小さくすることができる。正弦波制御モードでは、変調率Rmが値Rmref(例えば、0.70,0.71,0.72)未満であるときには、非同期キャリアPWM制御方式を選択し、変調率Rmが値Rmref以上であるときには、同期キャリアPWM制御方式を選択する。ここで、変調率Rmは、インバータ34の入力電圧(電力ライン42の電圧)に対する出力電圧(モータ32の印加電圧)の実効値の割合である。
次に、こうして構成された実施例の電気自動車20の動作、正弦波制御モードでインバータ34を制御する際においてトランジスタT11〜T16のPWM信号を生成する処理について説明する。
正弦波制御モードでは、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、モータ32の相電流Iu,Ivや電気角θe,回転数Nm,トルク指令Tm*,バッテリ36の電圧Vbや電流Ib,電力ライン42(コンデンサ46)の電圧VCなどのデータを入力する。モータ32の相電流Iu,Ivは、電流センサ32u,32vによって検出された値を入力する。モータ32の電気角θeや回転数Nmは、回転位置検出センサ32aによって検出されたモータ32の回転子の回転位置θmに基づいて演算された値を入力する。モータ32のトルク指令Tm*は、上述の走行制御によって設定された値を入力する。バッテリ36の電圧Vb,電流Ibは、それぞれ電圧センサ36a,電流センサ36bによって検出された値を入力する。電力ライン42(コンデンサ46)の電圧VCは、電圧センサ46aによって検出された値を入力する。
こうしてデータを入力すると、モータ32の各相(U相,V相,W相)に流れる電流の総和が値0であるとして、モータ32の電気角θeを用いて、U相,V相の相電流Iu,Ivをd軸,q軸の電流Id,Iqに座標変換(3相−2相変換)し、続いて、モータ32に供給する電流の実効値である電流実効値Irを設定すると共に、後述の図4の電流指令設定処理により、モータ32に供給する電流のq軸に対する進角値である電流進角値θiを設定し、設定した電流実効値Irおよび電流進角値θiに基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定する。ここで、電流実効値Irは、d軸の電流指令Id*の二乗とq軸の電流指令Iq*の二乗との和の平方根として得られるものに相当し、電流進角値θiは、d−q座標系におけるd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*に基づく電流ベクトルのq軸に対する角度(進角値)として得られるものに相当する。
次に、d軸,q軸の電流指令Id*,Iq*とd軸,q軸の電流Id,Iqとの差分ΔId,ΔIqとに基づくフィードバック項と、各軸相互に干渉する項をキャンセルするためのフィードフォワード項と、の和としてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を計算する。続いて、d軸の電圧指令Vd*の二乗とq軸の電圧指令Vq*の二乗との和の平方根として計算される電圧指令絶対値Vdqを電力ライン42の電圧VCで除して、電圧の変調率Rmを計算する。そして、モータ32の電気角θeを用いてd軸,q軸の電圧指令Vd*,Vq*を各相の電圧指令Vu*,Vv*,Vw*に座標変換(2相−3相変換)し、この電圧指令Vu*,Vv*,Vwと搬送波電圧との比較によってトランジスタT11〜T16のPWM信号を生成する。こうしてトランジスタT11〜T16のPWM信号を生成すると、このPWM信号を用いてトランジスタT11〜T16のスイッチング制御を行なう。トランジスタT11〜T16のスイッチング制御では、上アームのトランジスタT11〜T13と下アームのトランジスタT14〜T16とが同時にオンとならないように、上アームのトランジスタT11〜T13と下アームのトランジスタT14〜T16とが共にオフとなる期間(デッドタイム)をもってトランジスタT11〜T16をスイッチングする。
図3は、電圧指令Vu*とモータ32の相電流Iuとの関係の一例を示す説明図である。相電流Iuは、図示するように、電気角θeが値θa,θbでゼロクロスしている(正値から負値または負値から正値へ値0を跨いで変化している)。値θa,θbは、モータ32の回転変動に伴って変化する。トランジスタT11〜T16のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲Lθd内となっている値θaが変化すると、デッドタイムに起因する誤差電圧が変化し、モータ32から出力されるトルクが変動する。デッドタイムに起因する誤差電圧の変化は、モータ32の相電流Iv,Iwと電圧指令Vv*,Vw*との関係でも同様である。実施例では、こうしたデッドタイムに起因する誤差電圧の変化を抑制して、モータ32のトルクの変動を抑制するために、図4に例示する電流指令設定処理を実行している。
次に、図4の電流指令設定処理について説明する。この電流指令設定処理では、電子制御ユニット50のCPU52は、まず、PWM制御の種別(同期キャリアPWM制御方式による制御(以下、「同期PWM制御」という)を実行中であるか、非同期キャリアPAM制御方式による制御(以下、「非同期PWM制御」という)を実行中であるか)と同期数Nsと変調率Rmとに基づいて進角値を変更する変更処理を実施するか否かを判定する実施判定を実行する(ステップS100)。ここでは、同期PWM制御を実行中であり、且つ、同期数Nsが値Nsref(例えば、9,12,15など)未満であり、且つ、変調率Rmが上述した値Rmref以上であるときに、変更処理を実施すると判定する。非同期PWM制御を実行中であったり、同期PWM制御を実行していても同期数Nsが値Nsref以上であるときや変調率Rmが値Rmref未満であるときには、変更処理を実施しないと判定する。ここで、「同期数Ns」は、各相の電圧指令の1周期(電気角θeで360度)当たりの搬送波(三角波)の数である。ステップS100で、非同期PWM制御を実行中であるときに変更処理を実施しないのは、非同期PWM制御は、全体として同期PWM制御を実行する際に比して回転数Nmが低く、同期数Nsが大きくなる傾向にあることから、相電流Iu,Iv,Iwの何れかがゼロクロスする電気角θeが電気角範囲Lθd内で変化して、デッドタイムによる誤差電圧が変化してインバータ34の出力電圧が変化したときでも、比較的早期に出力電圧の変化が抑制されることに基づく。同期PWM制御を実行していても同期数Nsが値Nsref以上であるときに変更処理を実施しないのも、同様の理由に基づく。同期PWM制御を実行していても変調率Rmが値Rmref未満のときに変更処理を実施しないのは、変調率Rmが値Rmref未満になると、同期PWMから非同期PWM制御へ移行することに基づく。
次に、電流進角値θiを設定する(ステップS110)。ここでは、ステップS100で変更処理を実施しないと判定したときには電流進角値θiを第1進角値θi1に設定し、ステップS100で変更処理を実施すると判定したときには電流進角値θiを第2進角値θi2に設定する。
第1進角値θi1は、モータ32のトルク指令Tm*と電流実効値Irと電流進角値θiとの関係(具体的には、トルク指令Tm*と電流実効値Irとモータ32からトルク指令Tm*を出力する際に効率が最大となる電流進角値θiとの関係)を予め定めて第1マップとしてROM54に記憶しておき、トルク指令Tm*と電流実効値Irとが与えられると、第1マップから対応する電流進角値θiを導出して設定する。
第2進角値θi2は、上述した方法で設定した第1進角値θi1に進角移行量dθiを加えた値に設定する。進角移行量dθiは、変調率Rmと同期数Nsとモータの相電流Iu,Iv,Iwがゼロクロスする電気角θeを電気角範囲Lθd外とするための進角移行量dθiとの関係を予め第2マップとしてROM54に記憶しておき、変調率Rmと同期数Nsとが与えられると、第2マップから対応する進角移行量dθiを導出して設定する。図5は、第2マップの一例を示す説明図である。進角移行量dθiは、図示するように、変調率Rmが値Rmref未満で同期数Nsが値Nsref以上であるときには、上述したようにステップS100で変更処理を実施しない判定するから、値0に設定されている。進角移行量dθiは、変調率Rmが値Rmref以上で同期数Nsが値Nsref未満であるときには、変調率Rm,同期数Nsが小さいときには大きいときに比して大きく、即ち、変調率Rm,同期数Nsが小さくなるほど大きく設定される。進角移行量dθiを変調率Rm,同期数Nsが小さくなるほど大きく設定するのは、以下の理由に基づく。変調率Rmが同一であるときには、同期数Nsが小さくなるほど、PWM信号が対応するトランジスタをオンするタイミングとオフするタイミングとの間隔が広がるため、進角移行量dθiを大きく設定することができる。進角移行量dθiを大きくすると、回転数Nmの変動等による相電流Iu,Iv,Iwの何れかがゼロクロスする電気角θeの変化に対するロバスト性が高くなる。また、同期数Nsが同一であるときには、変調率Rmが大きくなるほど、PWM信号が対応するトランジスタをオンオフする回数が減少する。オンオフの回数が減少すると、電流進角値θiを設定可能な電気角θeの範囲が広くなるから、進角移行量dθiをより小さくすることができる。即ち、同期数Nsが同一であるときには、変調率Rmが小さくなるほど、進角移行量dθiを大きく設定する。こうした理由により、進角移行量dθiを変調率Rm,同期数Nsが小さくなるほど大きく設定している。
こうして電流進角値θiを設定すると、設定した電流実効値Irおよび電流進角値θiに基づいてd軸,q軸の電流指令Id*,Iq*を設定して(ステップS120)、電流指令設定処理を終了する。こうした処理により、ゼロクロス電気角θaを電気角範囲Lθd外となるから、デッドタイムによる誤差電圧の変化を抑制することができる。これにより、インバータ34の出力電圧の変化を抑制することができ、モータ32のトルク変動を抑制することができる。
以上説明した実施例の電気自動車20によれば、モータ32の各相の相電流Iu,Iv,Iwのうちの何れかがゼロクロスする電気角θeが、電気角範囲Lθd外となるように、電流進角値θiを設定することにより、デッドタイムに起因する誤差電圧の変化を抑制することができる。
実施例の電気自動車20では、図4に例示した電流指令設定処理のステップS110で、進角値を変更する変更処理を実行するときには、進角移行量dθiを、変調率Rmと同期数Nsとモータの相電流Iu,Iv,Iwがゼロクロスする電気角を電気角範囲Lθd外とするための進角移行量dθiとの関係を予め第2マップとしてROM54に記憶しておき、変調率Rmと同期数Nsとが与えられると、第2マップから対応する進角移行量dθiを導出して設定している。しかしながら、進角移行量dθiを、トルク指令Tm*とモータ32の回転数Nmとモータの相電流Iu,Iv,Iwがゼロクロスする電気角を電気角範囲Lθd外とするための進角移行量dθiとの関係を予め第3マップとしてROM54に記憶しておき、トルク指令Tm*と回転数Nmとが与えられると、第3マップから対応する進角移行量dθiを導出して設定してもよい。この場合、進角移行量dθiを、トルク指令Tm*,回転数Nmが小さいときには大きいときに比して大きく、即ち、トルク指令Tm*,回転数Nmが小さくなるほど大きく設定すればよい。
実施例では、本発明を電気自動車20に適用した場合について例示したが、本発明を複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータを駆動するインバータを備えるインバータ装置に適用してもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、インバータ34が「インバータ」に相当し、電子制御ユニット50が「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、インバータ装置の生産産業などに利用可能である。
20 電気自動車、22a,22b 駆動輪、24 デファレンシャルギヤ、26 駆動軸、32 モータ、32a 回転位置検出センサ、32u,32v,36b 電流センサ、34 インバータ、36 バッテリ、36a,46a 電圧センサ、42 電力ライン、46 コンデンサ、50 電子制御ユニット、52 CPU、54 ROM、56 RAM、60 イグニッションスイッチ、61 シフトレバー、62 シフトポジションセンサ、63 アクセルペダル、64 アクセルペダルポジションセンサ、65 ブレーキペダル、66 ブレーキペダルポジションセンサ、68 車速センサ、D11〜D16 ダイオード、T11〜T16 トランジスタ。

Claims (1)

  1. 複数のスイッチング素子のスイッチングによってモータを駆動するインバータと、
    前記インバータの制御としてPWM制御を実行し、前記PWM制御を実行する際には、前記モータのトルク指令に基づいて前記モータに供給する電流実効値と電流進角値とを設定し、前記設定した電流実効値と電流進角値とに基づく前記モータの各相の電圧指令と搬送波の電圧との比較により生成されるPWM信号を用いて前記複数のスイッチング素子をスイッチング制御する制御装置と、
    を備えるインバータ装置であって、
    前記制御装置は、前記モータの各相の相電流のうちの何れかがゼロクロスする電気角が、前記複数のスイッチング素子のスイッチングにおいてデッドタイムとなる電気角範囲外となるように、前記電流進角値を設定する、
    インバータ装置。
JP2017126022A 2017-06-28 2017-06-28 インバータ装置 Expired - Fee Related JP6760218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126022A JP6760218B2 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 インバータ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126022A JP6760218B2 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 インバータ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019009956A true JP2019009956A (ja) 2019-01-17
JP6760218B2 JP6760218B2 (ja) 2020-09-23

Family

ID=65026056

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017126022A Expired - Fee Related JP6760218B2 (ja) 2017-06-28 2017-06-28 インバータ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6760218B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0662579A (ja) * 1992-08-05 1994-03-04 Hitachi Ltd 電圧形インバータ装置
US20040037097A1 (en) * 2001-11-30 2004-02-26 Ballard Power Systems Corporation Dead-time compensation with narrow pulse elimination in solid-switch devices
JP2010068628A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Toshiba Corp 抵抗値補償機能を有した電動機制御装置
JP2014068417A (ja) * 2012-09-24 2014-04-17 Toyota Motor Corp インバータ制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0662579A (ja) * 1992-08-05 1994-03-04 Hitachi Ltd 電圧形インバータ装置
US20040037097A1 (en) * 2001-11-30 2004-02-26 Ballard Power Systems Corporation Dead-time compensation with narrow pulse elimination in solid-switch devices
JP2010068628A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Toshiba Corp 抵抗値補償機能を有した電動機制御装置
JP2014068417A (ja) * 2012-09-24 2014-04-17 Toyota Motor Corp インバータ制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6760218B2 (ja) 2020-09-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8373380B2 (en) Device and method for controlling alternating-current motor
JP5549384B2 (ja) 電動機の制御装置および電動機制御システム
US9112436B2 (en) System for controlling controlled variable of rotary machine
JP6777008B2 (ja) 駆動装置
JP2006311768A (ja) モータ駆動システムの制御装置
JP4775168B2 (ja) 3相回転機の制御装置
US20140176029A1 (en) Vehicle and control device for vehicle
JP2013005618A (ja) インバータ制御装置および車両
JP5955761B2 (ja) 車両の制御装置
JP5316551B2 (ja) 回転機の制御装置
US11146203B2 (en) Motor control apparatus
JP2020188590A (ja) 回転電機の制御装置
JP2018143054A (ja) 車両
JP5577714B2 (ja) 交流モータの制御装置
JP6760197B2 (ja) 駆動装置
JP6332015B2 (ja) 駆動装置
JP6946988B2 (ja) 駆動装置
JP6760218B2 (ja) インバータ装置
JP5751059B2 (ja) 駆動装置および電動車両
JP2018050427A (ja) 駆動装置
JP6733579B2 (ja) モータ駆動装置
JP6862943B2 (ja) 駆動装置
JP6696456B2 (ja) モータ駆動装置
JP6751496B2 (ja) 駆動装置
JP2010088240A (ja) 交流電動機の制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200804

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200817

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6760218

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees