JP2019009945A - 電気接続箱用電線包装シートおよびそれを用いた電気接続箱の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】箱本体の端子収容部への電線端末の端子装着作業の容易化と、箱本体へカバーを装着する際の電線の噛み込み防止を両立して達成することができる、新規な構造の電気接続箱用電線包装シートとそれを用いた電気接続箱の製造方法を提供すること。
【解決手段】柔軟性を有し、箱本体32の端子収容部42が開口する側の面34に載置されるシート本体12と、シート本体12の裏面14に設けられて箱本体32に仮固着されてシート本体12を箱本体32に対して位置決めする粘着部16とを有し、シート本体12の表面20には、シート本体12が箱本体32に位置決めされた状態で端子収容部42に対応する位置に、端子収容部42の形成領域の情報および装着される電線情報を示すガイド表示部26が設けられており、ガイド表示部26には、電線44の端末46に設けられた端子金具48の挿通を許容するスリット28が設けられているようにした。
【選択図】図2
【解決手段】柔軟性を有し、箱本体32の端子収容部42が開口する側の面34に載置されるシート本体12と、シート本体12の裏面14に設けられて箱本体32に仮固着されてシート本体12を箱本体32に対して位置決めする粘着部16とを有し、シート本体12の表面20には、シート本体12が箱本体32に位置決めされた状態で端子収容部42に対応する位置に、端子収容部42の形成領域の情報および装着される電線情報を示すガイド表示部26が設けられており、ガイド表示部26には、電線44の端末46に設けられた端子金具48の挿通を許容するスリット28が設けられているようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、電気接続箱の箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線端末に設けられた端子金具を装着する際に用いられる電気接続箱用電線包装シートおよびそれを用いた電気接続箱の製造方法に関するものである。
従来から、車両用の電気接続箱は、上面側にヒューズやリレー等の電気部品が装着される部品装着部が設けられ、下面側に電線端末に圧着された端子金具が収容配置される端子収容部が設けられた箱本体を備えており、部品装着部に装着された電気部品のタブ端子が、端子収容部に収容配置された端子金具に対して導通接続されるようになっている。そして、箱本体の上面および下面はそれぞれアッパカバーおよびロアカバーで覆われるようになっており、箱本体の端子収容部から延出する電線は、箱本体の下面とロアカバーの間に配索されて、ロアカバーに設けられた電線導出口から外部に導出されるようになっている。
ところで、箱本体の下面側には、多数の電線端末に圧着された端子金具が収容配置されることから、それらの多数の電線をロアカバーの電線導出口まで導き、ロアカバーを装着する作業は困難性が高く、電線がはみ出して箱本体とロアカバーの間に噛み込まれないように、細心の注意を払う必要があった。
このようなロアカバーの箱本体への装着困難性を低減するために、例えば、特開2014−36542号公報(特許文献1)には、電線の噛み込みが発生し易い部位に噛み込み防止片を突設し、電線の噛み込みを回避する構造が提案されている。しかしながら、このような対策では、噛み込み防止片が設けられていない部位で噛み込みが発生したり、噛み込み防止片を電線が超えた場合に噛み込みが避けられず、十分な対策とは言い難かった。
また、箱本体の下面に設けられた端子収容部に電線端末に設けられた端子金具を装着する作業も、配線図版を見ながら行う必要があり、誤挿入等が発生するリスクがあった。さらに、特許文献1に図示されているように、既に多数の電線がロアカバーの下面側に配索された状態で、端子収容部に端子金具を装着する場合には、多数の電線を掻き分けてスペースを確保したうえで、装着作業を行う必要があり、一層の困難性を伴うこととなる。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、箱本体の端子収容部への電線端末の端子装着作業の容易化と、箱本体へカバーを装着する際の電線の噛み込み防止を両立して達成することができる、新規な構造の電気接続箱用電線包装シートとそれを用いた電気接続箱の製造方法を提供することにある。
電気接続箱用電線包装シートに関する本発明の第一の態様は、電気接続箱の箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線の端末に設けられた端子金具を装着する際に用いられる電気接続箱用電線包装シートであって、柔軟性を有し、前記箱本体の前記端子収容部が開口する側の面に載置されるシート本体と、前記シート本体の裏面に設けられて前記箱本体に仮固着されて前記シート本体を前記箱本体に対して位置決めする粘着部とを有し、前記シート本体の表面には、前記シート本体が前記箱本体に位置決めされた状態で前記端子収容部に対応する位置に、前記端子収容部の形成領域の情報および装着される電線情報を示すガイド表示部が設けられており、前記ガイド表示部には、前記電線の前記端末に設けられた前記端子金具の挿通を許容するスリットが設けられていることを特徴とする。
本態様によれば、電気接続箱の箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線の端末に設けられた端子金具を装着する際に、箱本体の端子収容部が開口する側の面に本態様の電気接続箱用電線包装シートを載置して、粘着部を介して箱本体に対して位置決めして、仮固着することができる。さらに、ガイド表示部には端子金具の挿通を許容するスリットが形成されている。これにより、電気接続箱の箱本体面上に載置された電気接続箱用電線包装シートに記載されたガイド表示部に従って、複数の電線の端末に設けられた端子金具を該当箇所に向かって差し入れるだけで、良好な作業性をもって端子収容部への端子金具の装着作業を行うことができる。特に、ガイド表示部には端子収容部の位置と電線情報の両方が表示されていることから、従来のように箱本体と配線図板の間で視線を行き来させながら組み付け作業を行う場合に比して、間違った電線の端末の端子金具を挿入するリスクを有利に低減させることができる。
さらに、多数の電線の端末に設けられた端子金具が装着される場合でも、端子金具から延出する電線は、対応するガイド表示部のスリット内に挿通配置されており、相互にオーバーラップしてしまうことが有利に低減されている。それゆえ、例えば装着作業の終盤において、既に多数の電線が箱本体の表面に配索されている場合でも、従来構造のごとく複数の電線を掻き分けて端子収容部の周囲に空間を設ける作業の必要性も低減され、一層の作業性の向上を図ることができる。
加えて、シート本体が柔軟性を有していることから、端子収容部への端子金具の装着作業が終了した際には、端子金具から延出する電線を電気接続箱用電線包装シートで一括にくるんで束ねることができる。それゆえ、端子収容部から延出する電線の全てを電気接続箱用電線包装シートで覆うことができ、箱本体にカバーを装着する際の電線の噛み込み防止を有利に達成することができる。
電気接続箱用電線包装シートに関する本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載の電気接続箱用電線包装シートにおいて、前記ガイド表示部における前記端子収容部の前記形成領域の情報が、前記端子収容部の外形形状を表示したものである。
本態様によれば、ガイド表示部において、端子収容部の形成領域の情報が端子収容部の外形形状で示されていることから、端子形状や端子の向き、位置等を容易に確認することができ、一層の作業性の効率を図ることができる。
電気接続箱用電線包装シートに関する本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載の電気接続箱用電線包装シートにおいて、前記ガイド表示部における前記電線情報が、回路名、電線径、電線種、電線色の少なくとも1つを含んでいるものである。
本態様によれば、ガイド表示部における電線情報が、回路名、電線径、電線種、電線色の少なくとも1つを含んでいることから、電線の端末に設けられた端子金具を端子収容部に装着する際に、正しい電線か否かを容易に判断することができ、電線(端子金具)の誤組付を一層有利に防止することができる。
電気接続箱の製造方法に関する本発明の第一の態様は、箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線の端末に設けられた端子金具が収容配置されており、前記箱本体の前記端子収容部が開口する側の面を蓋覆するカバーが、前記箱本体に装着されて該カバーに設けられた電線導出口から前記電線が引き出されている電気接続箱の製造方法であって、前記箱本体の前記端子収容部が開口する側の面に対して、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に記載の電気接続箱用電線包装シートの前記シート本体を載置して、前記シート本体の裏面に設けられた前記粘着部を前記箱本体に仮固着することで、前記シート本体を前記箱本体に対して位置決めするシート位置決め工程と、前記シート本体が前記箱本体に位置決めされた状態で、前記シート本体の前記表面に設けられた前記ガイド表示部に従って、前記電線の端末に設けられた前記端子金具を前記ガイド表示部の前記スリットを挿通して前記端子収容部に収容配置する端子金具収容工程と、前記端子金具収容工程の後に、前記電気接続箱用電線包装シートの前記粘着部を前記箱本体から剥離して、該電気接続箱用電線包装シートにより前記端子収容部から延出する前記電線を包囲して束ねる電線包装工程と、前記電気接続箱用電線包装シートにより包囲されて束ねられた前記電線を、前記カバーの前記電線導出口から引き出すと共に前記カバーを前記箱本体に装着するカバー装着工程と、を含むことを特徴とする。
本態様にかかる電気接続箱の製造方法によれば、端子収容部に端子金具が収容配置される前の箱本体に対して、シート位置決め工程において、箱本体の端子収容部が開口する側の面に電気接続箱用電線包装シートが位置決めされて仮固着される。続いて、このように電気接続箱用電線包装シートが箱本体に対して位置決めされた状態で、端子金具収容工程において、電気接続箱用電線包装シートのガイド表示部に従って、電線の端末に設けられた端子金具をガイド表示部のスリットを挿通して、ガイド表示部に示された端子収容部の形成領域に対応する位置に設けられた端子収容部に対して、確実に装着して収容配置することができる。特に、ガイド表示部には端子収容部の位置と電線情報の両方が表示されていることから、従来のように箱本体と配線図板の間で視線を行き来させながら組み付け作業を行う場合に比して、間違った電線の端末の端子金具を誤挿入するリスクを有利に低減させることができる。
その後、電線包装工程において、電気接続箱用電線包装シートの粘着部を箱本体から剥離する。電気接続箱用電線包装シートは柔軟性を有していることから、電気接続箱用電線包装シートにより端子収容部から延出する電線を包囲して束ねることができる。それゆえ、その後のカバー装着工程において箱本体にカバーを装着する際には、端子収容部から延出する電線の全てが電気接続箱用電線包装シートで覆われていることから、電線の噛み込みを有利に防止することができる。
本発明によれば、電気接続箱の箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線の端末に設けられた端子金具を装着する際に、本態様の電気接続箱用電線包装シートを載置して、粘着部を介して箱本体に対して位置決めして仮固着できる。さらに、ガイド表示部には端子金具の挿通を許容するスリットが形成されていることから、電気接続箱用電線包装シートに記載されたガイド表示部に従って、複数の電線の端末に設けられた端子金具を該当箇所に向かって差し入れるだけで、良好な作業性をもって端子収容部への端子金具の装着作業をできる。さらに、多数の電線の端末に設けられた端子金具が装着される場合でも、端子金具から延出する電線は、対応するガイド表示部のスリット内に挿通配置されており、相互にオーバーラップしてしまうことが有利に低減されている。それゆえ、従来構造のごとく複数の電線を掻き分けて端子収容部の周囲に空間を設ける作業の必要性も低減され、一層の作業性の向上を図ることができる。加えて、シート本体が柔軟性を有していることから、端子収容部への端子金具の装着作業が終了した際には、端子金具から延出する電線を電気接続箱用電線包装シートで一括にくるんで束ねることができ、箱本体にカバーを装着する際の電線の噛み込み防止を有利に達成することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態としての電気接続箱用電線包装シート10が示されている。かかる電気接続箱用電線包装シート10は、平面視で略横長矩形状を有するシート状のシート本体12を含んで構成されており、かかるシート本体12の裏面14の周縁部には略全長に亘って略帯状に延びる粘着部16が設けられている。より詳細には、シート本体12は、例えば不織布やPVC(ポリ塩化ビニル)等の柔軟性を有する部材によって形成されている一方、粘着部16は、例えば合成ゴム系やアクリル系やシリコーン系などの粘着剤が塗布されることにより形成されている。さらに、粘着部16上には略全面に亘って剥離紙18が貼付されている。剥離紙18としては、例えば上質紙などの基材にPE(ポリエチレン)樹脂などからなる目止め層を介してシリコーン系などの剥離剤がコーティングされて形成されたものや、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂などからなるシート状の基材にシリコーン系などの剥離剤がコーティングされたものが用いられる。なお、以下の説明において、上方とは、図1中の紙面に垂直な方向の上方、下方とは、図1中の紙面に垂直な方向の下方を言い、また前方とは、図1中の左方、後方とは、図1中の右方を言うものとする。
一方、シート本体12の表面20には、後述する端子収容部42に対応する位置に、端子収容部42の形成領域の情報たる平面視で略ロの字状の枠22、および端子収容部42に装着される電線44の情報たる文字列24が記載されたガイド表示部26が設けられている。より詳細には、かかるガイド表示部26において、端子収容部42の形成領域の情報を表す枠22は、端子収容部42の外形形状を表示したものである。そして、ガイド表示部26の枠22内には、後述する電線44の端末46に設けられた端子金具48の挿通を許容するために平面視で略十字状(図1中、左右及び上下方向に延びる)にシート本体12を厚さ方向(図1中、紙面に垂直な方向)に貫通するスリット28が設けられている。なお、理解を容易とするため、図1(図2〜3)では、スリット28を仮想線で記載している。また、ガイド表示部26において、端子収容部42に装着される電線44の情報を表す文字列24には、回路名(文字列24中、左上)、電線径(文字列24中、左下)、電線種(文字列24中、右上)、電線色(文字列24中、右下)が含まれている。例えば、シート本体12の表面20の左側の上部におけるガイド表示部26の文字列24には、回路名A01、電線径0.5(sq:断面積)、電線種AVSS(当社規定の自動車用一般電線)、電線色W(白色)が記載されている。なお、ガイド表示部26を構成する枠22や文字列24は、インクジェット印刷等の公知の印刷手段によって印刷されている。
このような構成とされた電気接続箱用電線包装シート10を用いて、電気接続箱30を製造する方法について、図1〜7を用いて説明する。先ず、電気接続箱30は、箱本体32と、箱本体32の下面34を覆蓋するロアカバー36と、箱本体32の上面38を覆蓋するアッパカバー40を含んで構成されている。これら箱本体32とロアカバー36およびアッパカバー40は、何れも合成樹脂により形成されている。なお、電気接続箱用電線包装シート10を用いて電気接続箱30を製造する際には、図6〜7に示すようにワイヤハーネスの配線板上に箱本体32の下面34を上方に向かって配向した状態で行われる。
すなわち、箱本体32は、図6に示されているように、全体として長手矩形ブロック形状を呈し、箱本体32の上面38には、図示しない複数の電気部品装着部が、開口形成されている。一方、図2〜3に示されているように、箱本体32の下面34には、複数の端子収容部42が開口形成されており、後述する電線44の端末46に圧着された端子金具48が端子収容部42に収容配置されるようになっている。
図4〜5に、複数の電線44の1つを例示して説明する。各電線44の端末46には端子金具48が圧着されており、かかる端子金具48が端子収容部42に収容配置されるようになっている。より詳細には、端末46の電線44の先端側の絶縁被覆50を剥いで芯線52を露出させ、芯線52を端子金具48の芯線加締め部54に、また芯線52が露出された電線44の先端部分を端子金具48の電線加締め部56に加締め加工することにより、電線44が端子金具48に固定・接続されている。さらに、端子金具48の先端部(図4〜5中、左側)には、前後方向に開口する筒状の接点部58が形成されている。そして、端子金具48を端子収容部42に収容配置することにより、端子金具48の接点部58に対して図示しない電気部品のタブ端子が挿入されて、各電線44が所定の電気部品と電気的に接続されるようになっている。
ロアカバー36は、箱本体32側に向かって開口する有底箱体形状を有しており(図6参照)、平面視において、箱本体32の下面34と略同一の長手矩形状に形成されている。かかるロアカバー36は、図示しないロック機構により箱本体32の下面34への装着状態にロックされるようになっている。また、ロアカバー36には、後方(図6中、右方)の側壁部60において、箱本体32側に向かって開口する電線導出口62が板厚方向(図6中、左右方向)に向かって貫設されており、ロアカバー36が箱本体32に装着された状態で、箱本体32に装着された電線44を電線導出口62から外部に引き出せるようになっている(図7参照)。
一方、アッパカバー40は、箱本体32側に向かって開口する有底箱体形状を有しており(図6参照)、底面視において、箱本体32の上面38と略同一の長手矩形状に形成されている。かかるアッパカバー40は、図示しないロック機構により箱本体32の上面38への装着状態にロックされるようになっている。
次に、本実施形態の電気接続箱用電線包装シート10を用いて、箱本体32の端子収容部42に対して電線44の端末46に圧着された端子金具48を装着すると共に、端子金具48から延び出す電線44をロアカバー36の電線導出口62から外部に引き出す工程について説明する。
先ず、図1に示す電気接続箱用電線包装シート10を準備する。続いて、図2に示されているように、箱本体32の端子収容部42が開口する下面34に対して、粘着部16上に貼付された剥離紙18を剥がした本実施形態の電気接続箱用電線包装シート10のシート本体12の裏面14側を位置決め載置する。より詳細には、シート本体12の裏面14に設けられた粘着部16を箱本体32の外周縁部に対して位置決めした状態で貼着することにより、電気接続箱用電線包装シート10が箱本体32の下面34上に仮固着される。これにより、シート本体12が箱本体32に対して位置決めされて、シート本体12のガイド表示部26の枠22が、箱本体32の端子収容部42の開口周縁部に配置されるようになっている。かかる作業によって、シート位置決め工程が実行される。
次に、このようにしてシート本体12が箱本体32に対して位置決め配置された状態で、シート本体12の表面20に記載されたガイド表示部26の文字列24に従って、所定の電線44の端末46に設けられた端子金具48を、ガイド表示部26の枠22内のスリット28を挿通して端子収容部42に収容配置することにより、端子金具収容工程が実行される。これにより、図3に示されているように、所定の端子収容部42に収容配置された端子金具48からロアカバー36の電線導出口62側(図3中、右側)に向かって電線44が延出されるようになっている。
続いて、かかる端子金具収容工程の後に、電気接続箱用電線包装シート10のシート本体12の裏面14に設けられた粘着部16を箱本体32の下面34から剥がして、かかる電気接続箱用電線包装シート10を用いて端子収容部42から延出する電線44を略巾着状に包囲して束ねることにより、電線包装工程が実行される(図6参照)。なお、電気接続箱用電線包装シート10を用いて電線44を束ねる手段は、シート本体12の裏面14に設けられた粘着部16を用いてもよいし、新たに図示しない結束テープ等を用いてもよい。
さらに、電気接続箱用電線包装シート10を用いて束ねられた電線44を、ロアカバー36に設けられた電線導出口62から引き出すと共に、ロアカバー36を箱本体32に装着することにより、カバー装着工程が実行される(図7参照)。最後に、アッパカバー40を箱本体32に装着することにより、電気接続箱30が完成されるようになっているのである。なお、かかる電気接続箱30は、車両取付時において通常ロアカバー36を下方に配置した状態で使用される。
このような電気接続箱30の製造方法によれば、シート位置決め工程において、シート本体12の裏面14に設けられた粘着部16を箱本体32の外周縁部に対して位置決めした状態で仮固着することにより、シート本体12が箱本体32に対して位置決めされて、シート本体12のガイド表示部26の枠22が、箱本体32の端子収容部42の開口周縁部に配置されるようになっている。これにより、端子金具収容工程において、シート本体12の表面20に記載されたガイド表示部26の文字列24に従って、所定の電線44の端末46に設けられた端子金具48を、ガイド表示部26の枠22内のスリット28を挿通して端子収容部42に収容配置するだけで、電線44の端末46に設けられた端子金具48を所定の位置に確実に装着して収容配置することができるようになっている。しかも、ガイド表示部26には、枠22に端子収容部42の形成領域の情報が表示されていると共に、文字列24に端子収容部42に装着される電線44の情報が表示されていることから、従来の如き箱本体32と配線図板の間で視線を行き来させながら組み付け作業を行う場合に比して、電線44の端末46に設けられた端子金具48を誤挿入するリスクを有利に低減させることができるようになっている。
また、多数の電線44の端末46に設けられた端子金具48が箱本体32の端子収容部42に装着されるような場合であっても、ガイド表示部26を見ながら作業を進めることになることから自然に端子金具48から延び出す電線44が下層になる端子金具48から順番に箱本体32の端子収容部42への装着が行われて、例えば従来の如き複数の電線44を掻き分けて端子収容部42の周囲に空間を設けるといった作業の必要性も低減され、一層の作業性の向上を図ることができる。
加えて、電気接続箱用電線包装シート10は柔軟性を有していることから、電気接続箱用電線包装シート10のシート本体12の裏面14に設けられた粘着部16を箱本体32の下面34から剥がして、かかる電気接続箱用電線包装シート10を用いて端子収容部42から延出する電線44を略巾着状に包囲して束ねることができる。それゆえ、その後のカバー装着工程において、ロアカバー36を箱本体32に装着する際に、端子収容部42から延出する電線44が全て電気接続箱用電線包装シート10で覆われていることから、電線44の噛み込みを有利に防止することができる。
また、ガイド表示部26の枠22には、端子収容部42の外形形状が示されていることから、端子金具48の形状や端子の向き、位置等を容易に確認することができ、一層の作業性の効率を図ることができるようになっている。さらに、ガイド表示部26の文字列24には、電線44の情報である回路名や電線径や電線種や電線色が表示されていることから、電線44の端末46に設けられた端子金具48を端子収容部42に装着する際の誤組付を一層有利に防止することができるようになっている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの具体的な記載によって限定されない。例えば、上記実施形態では、ガイド表示部26の文字列24には、回路名や電線径や電線種や電線色が含まれていたが、少なくともどれか1つが含まれていればよい。あるいは、回路名の文字色を電線色にすることにより1つの文字で2つの情報が得られるようにしてもよい。また、上記実施形態では、スリット28は十字状とされていたが、×印状であってもよいし米印状であってもよい。また、上記実施形態では、矩形の箱本体32の下面34の外周縁部に対して電気接続箱用電線包装シート10(シート本体12)の外周縁部に設けられた粘着部16を仮固着することで、電気接続箱用電線包装シート10(シート本体12)を箱本体32に対して位置決めしていたが、箱本体32の任意の箇所に位置決め部を設ける一方、シート本体12のかかる位置決め部に対応する部位に粘着部16を設けて位置決めするようにしてもよい。
10:電気接続箱用電線包装シート、12:シート本体、14:裏面、16:粘着部、20:表面、22:枠(形成領域の情報)、24:文字列(電線の情報)、26:ガイド表示部、28:スリット、30:電気接続箱、32:箱本体、36:ロアカバー(カバー)、42:端子収容部、44:電線、46:端末、48:端子金具、62:電線導出口
Claims (4)
- 電気接続箱の箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線の端末に設けられた端子金具を装着する際に用いられる電気接続箱用電線包装シートであって、
柔軟性を有し、前記箱本体の前記端子収容部が開口する側の面に載置されるシート本体と、
前記シート本体の裏面に設けられて前記箱本体に仮固着されて前記シート本体を前記箱本体に対して位置決めする粘着部とを有し、
前記シート本体の表面には、前記シート本体が前記箱本体に位置決めされた状態で前記端子収容部に対応する位置に、前記端子収容部の形成領域の情報および装着される電線情報を示すガイド表示部が設けられており、前記ガイド表示部には、前記電線の前記端末に設けられた前記端子金具の挿通を許容するスリットが設けられている
ことを特徴とする電気接続箱用電線包装シート。 - 前記ガイド表示部における前記端子収容部の前記形成領域の情報が、前記端子収容部の外形形状を表示したものである請求項1に記載の電気接続箱用電線包装シート。
- 前記ガイド表示部における前記電線情報が、回路名、電線径、電線種、電線色の少なくとも1つを含んでいる請求項1または2に記載の電気接続箱用電線包装シート。
- 箱本体に設けられた複数の端子収容部に対して電線の端末に設けられた端子金具が収容配置されており、前記箱本体の前記端子収容部が開口する側の面を蓋覆するカバーが、前記箱本体に装着されて該カバーに設けられた電線導出口から前記電線が引き出されている電気接続箱の製造方法であって、
前記箱本体の前記端子収容部が開口する側の面に対して、請求項1〜3の何れか1項に記載の電気接続箱用電線包装シートの前記シート本体を載置して、前記シート本体の裏面に設けられた前記粘着部を前記箱本体に仮固着することで、前記シート本体を前記箱本体に対して位置決めするシート位置決め工程と、
前記シート本体が前記箱本体に位置決めされた状態で、前記シート本体の前記表面に設けられた前記ガイド表示部に従って、前記電線の端末に設けられた前記端子金具を前記ガイド表示部の前記スリットを挿通して前記端子収容部に収容配置する端子金具収容工程と、
前記端子金具収容工程の後に、前記電気接続箱用電線包装シートの前記粘着部を前記箱本体から剥離して、該電気接続箱用電線包装シートにより前記端子収容部から延出する前記電線を包囲して束ねる電線包装工程と、
前記電気接続箱用電線包装シートにより包囲されて束ねられた前記電線を、前記カバーの前記電線導出口から引き出すと共に前記カバーを前記箱本体に装着するカバー装着工程と、を含むことを特徴とする電気接続箱の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2017125570A JP2019009945A (ja) | 2017-06-27 | 2017-06-27 | 電気接続箱用電線包装シートおよびそれを用いた電気接続箱の製造方法 |
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