JP2019008694A - 院内物流管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】医療材料の在庫を適切に管理して、過剰な購入、保管、管理に伴う経済的な負担や無駄を省くだけでなく、患者が負担するコストが適切であるか否かを確認できる院内物流管理システムを提供する。【解決手段】院内物流管理システム1は、医療材料の管理に必要な材料管理情報が格納されたデータベース12が接続され、データベース12へのデータの書き込みおよび読み出しが可能なサーバ11と、データベース12に格納された材料管理情報を含むバーコード、および前記医療材料を一意に識別するユニークコードを含むバーコードが印刷されたラベルを作成するラベルプリンタ16とを備えている。サーバ11は、前記医療材料の材料管理情報と、ラベルが貼られた医療材料の在庫および消費の状況を示す在庫・消費情報とを、前記ユニークコードを用いて紐付けした状態でデータベース12に格納する。【選択図】図3
Description
本発明は、医療機関において医療材料の移動、保管および消費を管理する院内物流管理システムに関する。
医療機関の代表である病院には、診療科(内科、外科、眼科等)、病棟、放射線科、ICU等の多くの医療部門があり、それぞれの医療部門の現場において大量の医療材料が取り扱われている。
上述の医療材料には、納入業者が病院内の決まった場所に置いておき、使用した分だけ購入する委託品、ガーゼ、包帯などの衛生材料、注射器のように病院が定期的に購入して倉庫に保管しておく通常品等、様々な種類がある。
このような医療材料の管理にあたっては、材料の種別や内容を示す情報の他に、メーカ名、納入業者名、定価、保険請求区分等の大量の情報を取り扱う必要がある。
上述した院内における医療材料の物流管理システムとして、病院に納品された医療材料にバーコードを印刷したラベルを貼り、使用済みの医療材料からラベルを回収することで、在庫管理を行うシステムが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の院内物流管理システムによれば、必要な医療材料を必要な数量だけ購入し、保管することができるため、過剰な購入、保管、管理に伴う経済的な負担や無駄を省いて、病院経営の改善に貢献できる。
しかし、上述の院内物流管理システムでは、患者別の情報、すなわち、それぞれの医療材料が、どの部署でどの患者に使用されたかを把握できないために、医療材料に関して患者が負担するコストが適切であるか否かを確認することができなかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、医療材料に関して患者が負担するコストが適切であるか否かを、簡単に確認できる院内物流管理システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る院内物流管理システムは、医療機関に納品された医療材料の移動、保管および消費を管理する院内物流管理システムであって、
前記医療材料の管理に必要な材料管理情報が格納されたデータベースが接続され、当該データベースへのデータの書き込みおよび読み出しが可能なサーバと、
前記データベースに格納された材料管理情報を含むバーコード、および前記医療材料を一意に識別するユニークコードを含むバーコードが印刷されたラベルを作成するラベルプリンタと、
前記医療材料に貼付されたラベルのバーコード情報を読み取るバーコードリーダと、
消費された前記医療材料から剥がされ、かつ回収用紙に貼られた状態の前記ラベルのバーコード情報を、当該回収用紙に印刷された前記医療材料の消費に関連したバーコード情報と共に読み取るOCRスキャナと、を備え、
前記サーバは、前記医療材料の材料管理情報と、前記OCRスキャナで読み取った情報を含む、前記ラベルが貼られた医療材料の在庫および消費の状況を示す在庫・消費情報とを、前記ユニークコードを用いて紐付けした状態で前記データベースに格納することを特徴とする。
前記医療材料の管理に必要な材料管理情報が格納されたデータベースが接続され、当該データベースへのデータの書き込みおよび読み出しが可能なサーバと、
前記データベースに格納された材料管理情報を含むバーコード、および前記医療材料を一意に識別するユニークコードを含むバーコードが印刷されたラベルを作成するラベルプリンタと、
前記医療材料に貼付されたラベルのバーコード情報を読み取るバーコードリーダと、
消費された前記医療材料から剥がされ、かつ回収用紙に貼られた状態の前記ラベルのバーコード情報を、当該回収用紙に印刷された前記医療材料の消費に関連したバーコード情報と共に読み取るOCRスキャナと、を備え、
前記サーバは、前記医療材料の材料管理情報と、前記OCRスキャナで読み取った情報を含む、前記ラベルが貼られた医療材料の在庫および消費の状況を示す在庫・消費情報とを、前記ユニークコードを用いて紐付けした状態で前記データベースに格納することを特徴とする。
ここで、前記OCRスキャナに代え、前記回収用紙に印刷されたバーコード情報と前記ラベルのバーコード情報とを、前記バーコードリーダを用いて読み取るようにしてもよい。
また、前記サーバは更に、前記医療材料自体またはその包装に印刷されたバーコードに書き込まれた、当該医療材料の有効期限を含む標準化情報を、当該医療材料のユニークコードを用いて前記材料管理情報および在庫・消費情報に紐付けした状態で前記データベースに格納することが好ましい。
前記ラベルとして、台紙の色の少なくとも一部が異なる2種類のラベルが用いられ、第1の色のラベルは、保険が適用される医療材料、および保険は適用されないが、単回使用で価格が比較的高い医療材料に貼られ、第2の色のラベルは、保険が適用されず、価格が比較的安い医療材料および単回使用でない医療材料に貼られることが好ましい。
前記回収用紙として、患者別に使用されたラベルを回収する患者別回収用紙と、部署別に使用されたラベルを回収する部署別回収用紙が用いられ、前記第1の色のラベルは前記患者別回収用紙に貼られた状態で回収され、前記第2の色のラベルは、前記部署別回収用紙に貼られた状態で回収されることが好ましい。
前記ユニークコードは、前記医療材料が納品された日付およびシリアル番号で構成されることが好ましい。
また前記ラベルに印刷されるバーコードとして、一次元のバーコードを用いるか、もしくは、一次元および二次元のバーコードを併用することが好ましい。
本発明に係る院内物流管理システムによれば、医療材料の在庫を適切に管理して、過剰な購入、保管、管理に伴う経済的な負担や無駄を省くことができる。更に、ユニークコードによって紐付けられた情報を分析することにより、医療材料に関して患者が負担するコストが適切であるか否かを簡単に確認することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る院内物流管理システムについて、図面を参照して説明する。なお、本発明は実施の形態の記載内容のみに限定して解釈されるものではない。本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態を様々に変更できる。
<医療材料に貼られるラベルと回収用紙>
院内物流管理システムの構成について説明する前に、医療材料に貼られて院内を移動するラベルと回収用紙について説明する。図1に、本実施の形態で用いるラベルLの外観を示す。ラベルLは、裏側に接着剤が塗布された状態で、図示しない縦長の離型紙に貼り付けられており、離型紙から1枚ずつ剥がして使用する。
院内物流管理システムの構成について説明する前に、医療材料に貼られて院内を移動するラベルと回収用紙について説明する。図1に、本実施の形態で用いるラベルLの外観を示す。ラベルLは、裏側に接着剤が塗布された状態で、図示しない縦長の離型紙に貼り付けられており、離型紙から1枚ずつ剥がして使用する。
ラベルLは複数のエリアに分かれており、最上段のエリア61には、個々の医療材料を一意に識別するためのユニークなコードを含む一次元のバーコードが印刷されている。また中段のエリア62には、医療材料を管理する上で不可欠な情報、具体的には、医療材料の名称、カタログの品番、製造業者、納入業者、単価、入数が文字で印刷されている。
その下のエリア63には、保険請求の対象であるか否かが表示されている。保険請求の対象である場合、エリア63に「償」の文字が印刷され、そうでない場合、「不」の文字が印刷される。
最下段のエリア64には、エリア62および63に印刷された情報を含むバーコードが印刷されており、このバーコードの情報をバーコードリーダで読み取り、管理用のデータとして利用する。
ラベルLの中段左側のエリア65には、二次元バーコードの一種であるQRコード(登録商標)が印刷されている。このQRコードには、エリア61および64に印刷されたバーコード(以降、エリア61および64に印刷されたバーコードを「バーコード61」「バーコード64」とも云う)のそれぞれに含まれる情報が書き込まれている。以下、バーコード61、64と共にQRコードをラベルに印刷する理由を説明する。
バーコードは、JAN(Jan Article Number)コードのような一次元のバーコードと、QRコードのような二次元のバーコードに大別される。本実施の形態では、病院の各部署に一次元のバーコードを読み取るバーコードリーダが設置されていることを前提としているが、病院によっては、QRコードを読み取るバーコードリーダしか設置されていない場合がある。QRコードは、このような場合を想定したものであり、QRコードには、最低限2つのバーコード61、64に含まれる情報が書き込まれ、それ以外に、電子カルテ等の情報が書き込まれる。
ただし、以下の説明では、バーコードリーダを用いて、ラベルLに印刷された一次元バーコード61、64から情報を読み取るものとする。
上述したように、医療材料に貼られるラベルLには、医療材料の管理に必要な情報が書き込まれたバーコード64とは別に、個々の医療材料を一意に識別するために、ユニークなコード(以降、「ユニークコード」という)が書き込まれたバーコード61が印刷されている。医療材料が取引業者から病院に納品されたときに、上述のラベルLが、それぞれの医療材料に貼られ、その状態で払い出しや保管が行なわれる。
後述するように、ラベルLに印刷される情報のうち医療材料の管理に必要な情報は、データベースに格納された医療材料のマスターデータに基づいて作成され、医療材料が納品されたときに、マスターデータから必要な情報を読み出すと共に、それらの情報をバーコードに変換してラベルに印刷する。
図1に示したラベルLには、エリア62の上段が赤と青に色分けされた2種類のラベルがあり、色分けは、ラベルに印刷される情報に基づいて行われる。
赤色のラベルは、保険が適用される材料、および保険の請求はできないが、単回使用で、購入単価が比較的高価な(例えば500円以上)材料に用いられ、医療材料毎にラベルLが貼られる。
一方、青色のラベルは、ガーゼや注射器のように、保険を請求できない材料で、購入単価が比較的安価な(例えば500円未満)材料および単回使用でない材料に用いられ、複数の医療材料が収納された箱または袋毎にラベルLが貼られる。
上述したように、色の異なる2種類のラベルLを用いるのは、第1に、保険が適用される材料と、そうでない材料とを区別し、保険が適用される医療材料について、費用を確実に請求するためである。第2に、経営管理面から、比較的高価な医療材料について、診療に要したコストを把握するためである。従って、色については、ラベルを区別できるものであれば、特に制限はなく、色を塗るエリアについても制限はない。
上述の目的を達成するため、異なる色のラベルは、異なる回収用紙に貼った状態で回収される。具体的には、回収用紙には2種類あり、赤色のラベルは患者別の回収用紙に貼り、青色のラベルは部署別の回収用紙に貼る。従って、患者別の回収用紙に青色のラベルが貼られていた場合、逆に、部署別の回収用紙に赤色のラベルが貼られていた場合、誤りを簡単に確認できる。
図2に、回収用紙にラベルLが貼られた状態を示す。図2(a)は、患者別回収用紙M1であり、消費された医療材料のうち、赤色のラベルが貼られた材料から回収されたラベルLが貼られている。一方、図2(b)は、部署別回収用紙M2であり、青色のラベルが貼られた医療用材料から回収されたラベルLが貼られている。
図2(a)に示した患者別回収用紙M1において、上段のエリア71には、医療材料の消費に関連した情報、具体的には、医療材料が消費された部署および診療科の名称、患者および担当医の名前、並びに回収日が印刷され、かつそれぞれの情報を含むバーコードが印刷されている。
エリア71の最上段の右端に印刷された「AB」の文字は、後述するOCRスキャナで情報を読み取るときにスタートキーとなる。またエリア71の2段目の右端に印刷された「処理済」のチェック欄は、OCRスキャナによる情報の読み取りが完了したときにチェックされる。
回収用紙M1の中段のエリア72には、ラベルLを貼る枠が複数設けられ、それぞれの枠の下側に設けられたチェック欄に、「不良」「使用中止」等の文字とチェック欄が印刷されている。これらは、ラベルが貼られた医療材料が適正に使用されなかったときに、該当する理由をチェックするために用いられる。
回収用紙M1の下段のエリア73には、回収用紙にラベルを貼った者が署名する欄が設けられ、更に、情報の読み取りが終了したことを示す文字とバーコードが印刷されている。
一方、図2(b)に示した部署別回収用紙M2において、上段のエリア81には、医療材料が消費された部署の名称とラベルの回収日が印刷され、かつそれぞれの情報を含むバーコードが印刷されている。エリア81の右端に印刷された「AB」の文字とチェック欄は、回収用紙M1のエリア71に印刷されたものと同一である。
回収用紙M2の中段のエリア82の構成は、患者別回収用紙M1のエリア72と同様であり、ラベルLを貼る枠が複数設けられ、それぞれのチェック欄に、「不良」「使用中止」等の文字とチェック欄が印刷されている。
回収用紙M2の下段のエリア83には、「終了」の文字とバーコードが印刷されている。このバーコードは、患者別回収用紙M1のエリア73と同様に、情報の読み取りが終了したことを示す。
院内の各部署で作成された回収用紙は供給センター(図3参照)に回収され、回収された回収用紙M1およびM2は、後述するOCRスキャナによってバーコードに書き込まれた情報が読み取られ、データベース(図3参照)に格納される。
<病院内に設置された情報機器>
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る院内物流管理システムを構築する情報機器について、院内における医療材料の流れに沿って説明する。図中、左下の枠内に示したように、白抜きの矢印は医療材料の移動、黒塗りの矢印はラベルの移動、通常の矢印は情報の伝達をそれぞれ示す。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る院内物流管理システムを構築する情報機器について、院内における医療材料の流れに沿って説明する。図中、左下の枠内に示したように、白抜きの矢印は医療材料の移動、黒塗りの矢印はラベルの移動、通常の矢印は情報の伝達をそれぞれ示す。
病院1内には、医療材料の物流を管理する供給センター10、納品された医療材料を保管する倉庫20、倉庫20から払い出された医療材料を使用して患者の診察や治療を行う院内の各部署30があり、それ以外に、保険請求を担当する医事課40、経理や総務を担当する総務部門50等の組織がある。
供給センター10は、病院1内で使用される医療材料を管理し、また院内部署30からの要請に応じて取引業者2に医療材料を発注する。更に、取引業者2から納品された医療材料の受け入れと検品を行う。
供給センター10には、これらの業務を実行するために必要な情報機器、具体的には、サーバ11、データベース12、端末13、バーコードリーダ14、15、ラベルプリンタ16およびOCRスキャナ17が設置されている。
サーバ11は、院内の各部署に設置された端末および取引業者2の端末と、LANおよびインターネットを介して通信を行うことができる。またサーバ11は、データベース12に対してデータの書き込みや読み出しを行なう。
端末13は、取引業者2への医療材料の発注、納品された医療材料の検品、院内で取り扱う医療材料に関するマスターデータの作成等に使用される。本実施の形態では、端末13を含め、全ての端末をパーソナルコンピュータで構成している。
端末13で作成されたマスターデータはデータベース12に格納され、サーバ11は、端末13の要求に従い、データベース12からマスターデータを読み出して端末13に送信する。
バーコードリーダ14および15は、レーザ光線やLEDの光をバーコードに照射し、CCDで読み取った後、復号器でバーコードに含まれる文字や数字をテキストデータに変換する。
バーコードリーダには、ペン型やハンディターミナル型など様々なタイプがあり、用途に応じて使い分けられる。本実施の形態では、幅広のバーコードの読み取りが可能で、無線でデータを送信するハンディターミナル型のバーコードリーダ14と、有線でデータを送信するハンドヘルド型のバーコードリーダ15を採用している。
ハンディターミナル型のバーコードリーダ14は、医療材料の包装箱や包装袋に印刷されたバーコードの読み取りに用いられる。一方、ハンドヘルド型のバーコードリーダ15は、ラベルに印刷されたバーコードの読み取りに用いられる。
ラベルプリンタ16は、医療材料に貼り付けるラベルLの印刷に用いられる。上述したように、本実施の形態に係る物流管理システムでは、納品された全ての医療材料にラベルLを貼り、その状態で払い出しや倉庫20への保管を行なっている。
院内部署30で消費された医療材料から剥がしたラベルLは、回収用紙に貼られた状態で回収され、OCRスキャナ17で回収用紙およびラベルの情報が読み取られる。
OCRスキャナ17は、回収用紙に貼られた複数枚のラベルに印刷されたバーコードを一括して読み取る装置であり、復号器において、それぞれのバーコードに含まれる文字等がテキストデータに変換される。
なお、OCRスキャナは高額であるため、規模の小さな病院や診療所では購入が難しい。そのような場合、OCRスキャナを省略し、若干手間が増えるが、ハンドヘルド型のバーコードリーダ15を用いて、回収用紙およびラベルの情報を読み取るようにしてもよい。
供給センター10での検品処理を終えた医療材料は、院内部署30に直接配送される一部の材料を除いて倉庫20に保管される。倉庫20には、医療材料の受け入れや払い出しに用いる端末21と、ラベルLに印刷されたバーコードの情報を読み取るハンドヘルド型のバーコードリーダ22が設置されている。
倉庫20に保管された医療材料は、院内部署30からの請求により払い出しが行われる。担当者は、端末21から打ち出されたピッキングリストに基づいて医療材料をピッキングすると共に、バーコードリーダ22を用いて医療材料に貼られたバーコードの情報を読み取る。
院内部署30への配送が終了した後、バーコードリーダ22で読み取られたバーコードの情報は、端末21によって供給センター10のサーバ11に送信され、データベース12に格納される。
次に、院内部署30について説明する。院内部署30には、外来患者を診察する内科、外科、眼科等の診療科、入院患者の治療や手術を行う病棟、ICU等の多くの部署が含まれている。
院内部署30からの請求に基づいて倉庫20から払い出しが行われ、該当する部署に配送される。各部署には端末31が設置されている。端末31は、供給センター10に対して医療材料の払い出しを請求したり、医療材料の購入を依頼したりする際に用いられる。
院内部署30で使用され、消費された医療材料に貼られていたラベルLは、前述の2種類の回収用紙のいずれかに貼られた後、供給センター10に回収される。前述したように、回収されたラベルLに印刷された情報は、回収用紙の情報と共にOCRスキャナ17で読み取られ、データベース12に格納される。
なお、本実施の形態では、倉庫20を供給センター10とは別組織としたが、倉庫20を供給センター10内に設けてもよい。この場合、倉庫20に設置される端末21とバーコードリーダ22は、供給センター10の端末13とバーコードリーダ15で兼用できる。
また、本実施の形態では、供給センター10を病院1内の組織として位置付けているが、供給センター10の運営と管理を外部業者に委託する形で運用することも可能である。
更に、図3では、院内の各部署30に端末を設置し、また供給センター10と倉庫20にバーコードリーダを1台ずつ設置しているが、組織の規模に応じて複数台設置してもよいことは、云うまでもない。
<院内における医療材料の流れ>
次に、図3の配置図および図4のフローチャートを参照して、病院1内における医療材料の流れと、これに伴って発生する情報の流れを説明する。図4のフローチャートにおいて、部署間の矢印については、図3と同様に、白抜きの矢印は医療材料の移動、黒塗りの矢印はラベルの移動、通常の矢印は情報の伝達を示す。
次に、図3の配置図および図4のフローチャートを参照して、病院1内における医療材料の流れと、これに伴って発生する情報の流れを説明する。図4のフローチャートにおいて、部署間の矢印については、図3と同様に、白抜きの矢印は医療材料の移動、黒塗りの矢印はラベルの移動、通常の矢印は情報の伝達を示す。
供給センター10の担当者は、医療材料の在庫が予定数を下回った場合、および院内のいずれかの部署30から購入の依頼があった場合、端末13を用いて取引業者に医療材料を発注する(ステップS10)。
担当者は、端末13を用いてサーバ11にアクセスし、データベース12に格納されたマスターデータから医療材料の発注に必要な情報(商品名、発注元部署名、取引業者名、価格等)を読み出して発注書を作成する。発注書は、電子メールに添付された状態で、取引業者2の端末3に送信される。
なお、発注書を取引業者に渡す形態は、必ずしも電子メールに添付する形でなくてもよく、発注書を郵送や手渡しで取引業者に渡すようにしても良い。
電子メールを受信した取引業者2は、添付された発注書の内容を確認して、注文された医療材料を指定された個数、供給センター10に納品する(ステップS01)。
供給センター10の担当者は、取引業者2から納品された医療材料の検品を行う(ステップS11)。具体的には、担当者は、サーバ11から発注書のデータを読み出して端末13の画面に表示し、注文した医療材料が指定した個数、納品されたことを確認する。検品の情報はサーバ11に送信され、在庫情報としてデータベース12に格納される。
検品の際、担当者は、医療情報の包装箱や包装袋に印刷された医療用バーコードの情報を、バーコードリーダ14を用いて読み取る(ステップS12)。ここで、医療用バーコードであるGS1−128について説明する。
医療用バーコードGS1−128は、医薬品や医療材料のデータ化および医薬品の取り違え事故の防止やトレーサビリティの観点から導入されたもので、標準バーコードとして、医療材料の包装箱や袋に印刷されている。
図5(a)にGS1−128のバーコードのデータ構造を示し、図5(b)にバーコードの一例を示す。バーコードには、医療材料の商品コード、有効期限、ロット番号等の情報が書き込まれている。以降、バーコードGS1−128に含まれる情報を「標準化情報」と云う。
次に、担当者は、検品が終了した医療材料に、一意に識別可能なユニークコードを付与すると共に、当該ユニークコードを用いて、医療材料に関する情報の紐付けを行う(ステップS13)。
図6を参照して、医療材料に関する情報としてデータベース12に格納される情報について説明する。図6に示すように、データベース12に格納される医療材料の情報には4種類の情報がある。
材料管理情報I1は、マスターデータに書き込まれた情報であり、その中には、名称、品番、製造業者、納入業者、単価等の医療材料を管理する上で不可欠な情報が含まれている。これらの情報は、医療材料を保管したり使用したりする上で必要となるため、ラベルLのバーコード64に書き込まれる。
在庫・消費情報I2は、個々の医療材料の在庫状況や消費状況を示す情報であり、受入れた部署の情報と、いつどの患者に使用され、消費されたかを示す情報が含まれる。在庫・消費情報I2により、現在、医療材料がどの部署に保管され、また消費済みであるか否かを確認できる。
標準化情報I3は、GS1−128のバーコードに書き込まれた情報であり、上述したように、医療材料の取り違えを防止するため、およびトレーサビリティの観点から医療材料の包装箱や包装袋に印刷されている。図5(a)に示したように、標準化情報には、商品コードの他、有効期限を示す情報やロット番号に関する情報が含まれている。
ユニークコードI4は、個々の医療材料を一意に識別できる情報であり、供給センター10に医療材料が納品された際に付与され、ラベルLのバーコード61に書き込まれる。ユニークコードI4は、納品日とシリアル番号で構成されているため、ユニークコードI4によって、いつ納品された医療材料であるかを確認できる。
図6に示すように、材料管理情報I1、在庫・消費情報I2および標準化情報I3を、ユニークコードI4で紐付けることにより、従来の院内物流管理システムでは得られなかった新たな機能を実現できる。
新たな機能の一つは、患者毎に使用され、消費された医療材料のリストアップである。従来のシステムでは、医療材料を一意に識別できるユニークコードがラベルに付与されていなかったために、患者毎に消費された医療材料をリストアップすることができなかった。
これに対し、本発明に係る物流管理システムでは、消費された医療材料の在庫・消費情報I2に、消費された部署の情報だけでなく患者や担当医の情報が含まれている。従って、ユニークコードI4を用いて、在庫・消費情報I2と材料管理情報I1を紐付けることにより、特定の患者に使用された医療材料をリストアップすることができる。この情報を利用すれば、患者毎に医療材料が適切に使用されたか否かを、確認することができる。
もう一つの新たな機能は、標準化情報I3に含まれる有効期限の情報と、在庫・消費情報I2をユニークコードI4で紐付けることにより、有効期限の迫った医療材料が、現在、院内のどの部署に保管されているかを確認できる。
標準化情報I3に基づいて、有効期限の迫った医療材料を保管している部署の端末の画面に注意を喚起する表示を行うことにより、担当者に、当該医療材料の早期消費を促し、使用されないまま期間を経過して、無駄に廃棄されることを避けることができる。
図4の説明に戻り、検品が終了し、更にユニークコードが付与された医療材料について、担当者は、端末13を用いてサーバ11にアクセスし、データベース12から必要な情報を取り出し、ラベルプリンタ16を用いて、個々の医療材料に対応したラベルLを印刷する(ステップS14)。印刷されたラベルLは台紙から剥がされ、医療材料に貼られる(同ステップ)。
前述したように、赤色のラベルについては、医療材料毎にラベルが貼られ、青色のラベルについては、複数の医療材料が収納された箱または袋毎にラベルが貼られる。
ラベルが貼られた医療材料の一部(特定の部署でしか使用しない材料)は、発注の依頼があった部署に払い出され(ステップS15でNo)、それ以外の医療材料は倉庫20に保管される(ステップS15でYes、ステップS21)。
払い出される医療材料については、ピッキングリストに基づいて収集された後、バーコードリーダ15で払出伝票に印刷された伝票番号のバーコード情報およびラベルのバーコード情報を読み取って誤りがないことを確認し、その後、依頼部署に配送される(ステップS16)。
一方、読み取られたバーコード情報およびピッキングリストに掲載された払出先部署の情報はサーバ11に送信され、データベース12に格納された在庫・消費情報I2が更新される(ステップS17)。
倉庫20に保管された医療材料は、院内部署30の請求に基づいて払い出しが行われる(ステップS22)。払い出しの内容は、供給センター10におけるそれと同様であり、担当者は、ピッキングリストに基づいて医療材料を収集した後、バーコードリーダ22を用いて、払出伝票に印刷された伝票番号のバーコード情報と共に医療材料に貼られたラベルのバーコード情報を読み取って誤りがないことを確認する。読み取られたバーコード情報および払出先部署の情報は端末21のメモリに記憶されると共に、サーバ11に送信され、データベース12に格納された在庫・消費情報I2が更新される(ステップS17)。
院内部署30において受け入れ処理が終了した医療材料は(ステップS31)、患者の診断や治療に使用され、消費される(ステップS32)。看護師等の担当者は、消費された医療材料に貼られたラベルLを剥がし、図2に示した回収用紙に貼る(ステップS33)。
原則として、回収用紙は毎日印刷され、その日に消費された医療材料のラベルLが貼られた回収用紙は供給センター10に回収される(ステップS34)。回収された回収用紙は、OCRスキャナ17によって各ラベルのバーコード情報および回収用紙に印刷されたバーコード情報が読み取られ、サーバ11に送信される(ステップS18)。更に、サーバに送信された情報に基づいて、データベース12に格納された在庫・消費情報I2が更新される(同ステップ)。
サーバ11は、このようにして更新された在庫・消費情報I2から、医療材料の消費情報を抽出する(ステップS19)。この消費情報には、患者毎、担当医毎、部署毎に消費された医療材料のリストと、当該リストおよび前述の材料管理情報I1から作成された保険請求が可能な医療材料のリストが含まれる。
院内の医事課40の担当者は、端末41を用いてサーバ11にアクセスし、データベース12から保険請求可能な医療材料のリストを読み出し、そのリストに基づいて保険請求の書類を作成する(ステップS41)。また総務部門50の担当者は、消化払いおよび委託品の場合、消費された医療材料のリストに基づいて取引業者2に支払いを行う(ステップS51)。
更に、総務部門50の担当者は、必要に応じ、患者毎、担当医毎の消費リストに掲載されたデータに基づいて、医療材料が適切に使用されているか否かを分析する。
上述したように、本発明に係る院内物流管理システムを用いれば、医療材料の在庫を適切に管理して、過剰な購入、保管、管理に伴う経済的な負担や無駄を省くだけでなく、ユニークコードによって紐付けられた情報を分析することにより、医療材料に関して患者が負担するコストが適切であるか否かを、簡単に確認することができる。
1 病院
2 取引業者
3、13、21、31、41、51 端末
10 供給センター
11 サーバ
12 データベース
14、15、22 バーコードリーダ
16 ラベルプリンタ
17 OCRスキャナ
20 倉庫
30 院内部署
40 医事課
50 総務部門
2 取引業者
3、13、21、31、41、51 端末
10 供給センター
11 サーバ
12 データベース
14、15、22 バーコードリーダ
16 ラベルプリンタ
17 OCRスキャナ
20 倉庫
30 院内部署
40 医事課
50 総務部門
上述の医療材料には、納入業者が病院内の決まった場所に置いて置き、使用した分だけ購入する委託品、ガーゼ、包帯などの衛生材料、注射器のように病院が定期的に購入して倉庫に保管しておく病院買取品等、様々な種類がある。
しかし、上述の院内物流管理システムでは、患者別の消費情報、すなわち、それぞれの医療材料が、どの部署でどの患者に使用されたかを把握できないために、医療材料に関して患者が負担するコストが適切であるか否かを確認することができなかった。
院内の各部署で作成された回収用紙は供給センター(図3参照)に回収され、回収された回収用紙M1およびM2は、後述するOCRスキャナまたはバーコードリーダによってバーコードに書き込まれた情報が読み取られ、データベース(図3参照)に格納される。
Claims (8)
- 医療機関に納品された医療材料の移動、保管および消費を管理する院内物流管理システムであって、
前記医療材料の管理に必要な材料管理情報が格納されたデータベースが接続され、当該データベースへのデータの書き込みおよび読み出しが可能なサーバと、
前記データベースに格納された材料管理情報を含むバーコード、および前記医療材料を一意に識別するユニークコードを含むバーコードが印刷されたラベルを作成するラベルプリンタと、
前記医療材料に貼付されたラベルのバーコード情報を読み取るバーコードリーダと、
消費された前記医療材料から剥がされ、かつ回収用紙に貼られた状態の前記ラベルのバーコード情報を、当該回収用紙に印刷された前記医療材料の消費に関連したバーコード情報と共に読み取るOCRスキャナと、を備え、
前記サーバは、前記医療材料の材料管理情報と、前記OCRスキャナで読み取った情報を含む、前記ラベルが貼られた医療材料の在庫および消費の状況を示す在庫・消費情報とを、前記ユニークコードを用いて紐付けした状態で前記データベースに格納することを特徴とする院内物流管理システム。 - 前記OCRスキャナに代え、前記回収用紙に印刷されたバーコード情報と前記ラベルのバーコード情報とを、前記バーコードリーダを用いて読み取る、請求項1に記載の院内物流管理システム。
- 前記サーバは更に、前記医療材料自体またはその包装に印刷されたバーコードに書き込まれた、当該医療材料の有効期限を含む標準化情報を、当該医療材料のユニークコードを用いて前記材料管理情報および在庫・消費情報に紐付けした状態で前記データベースに格納する、請求項1または2に記載の院内物流管理システム。
られ、 - 前記ラベルとして、台紙の色の少なくとも一部が異なる2種類のラベルが用いられ、
第1の色のラベルは、保険が適用される医療材料、および保険は適用されないが、単回使用で価格が比較的高い医療材料に貼られ、第2の色のラベルは、保険が適用されず、価格が比較的安い医療材料および単回使用でない医療材料に貼られる、請求項1ないし3のいずれかに記載の院内物流管理システム。 - 前記回収用紙として、患者別に使用されたラベルを回収する患者別回収用紙と、部署別に使用されたラベルを回収する部署別回収用紙が用いられ、
前記第1の色のラベルは前記患者別回収用紙に貼られた状態で回収され、前記第2の色のラベルは、前記部署別回収用紙に貼られた状態で回収される、請求項4に記載の院内物流管理システム。 - 前記ユニークコードは、前記医療材料が納品された日付およびシリアル番号で構成される、請求項1ないし5のいずれかに記載の院内物流管理システム。
- 前記ラベルに印刷されるバーコードとして、一次元のバーコードを用いる、請求項1ないし6のいずれかに記載の院内物流管理システム。
- 前記ラベルに印刷されるバーコードとして、一次元および二次元のバーコードを併用する、請求項1ないし6のいずれかに記載の院内物流管理システム。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113488153A (zh) * | 2021-07-15 | 2021-10-08 | 苏州德品医疗科技股份有限公司 | 一种高值耗材管理系统及方法 |
-
2017
- 2017-06-28 JP JP2017125973A patent/JP2019008694A/ja active Pending
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