JP2019008125A - 像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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祐樹 仲島
達也 補伽
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達也 補伽
泰洋 志村
Yasuhiro Shimura
泰洋 志村
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Abstract

【課題】発熱体に流れる電流の実効値を高精度に検出すること。【解決手段】カレントトランス341、343は第一発熱体61および第二発熱体62に流れる交流電流を検知する。リレー340やトライアック316、326は発熱体に供給される電力を遮断する。保護回路300は検知された交流電流の演算値に基づき遮断を制御する。CPU320は、保護回路300から演算値と当該演算値の計測期間とを示す複数のデータを受信し、当該複数のデータに基づき発熱体へ供給される電力を制御する。CPU320は演算期間ΣTzにおける複数のデータから複数の演算値と複数の計測期間とを抽出する。CPU320は、抽出された複数の演算値と複数の計測期間とに基づき、演算期間における交流電流の演算値を求める。CPU320は、演算期間における交流電流の演算値に基づき発熱体へ供給される電力を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真プリンタ等の画像形成装置における像加熱装置の電力制御に関する。
電子写真記録技術で使用される定着装置は、記録材上に形成された未定着のトナー画像を加熱して記録材上に定着させる。このために、定着装置は商用電源から供給される電力によって発熱体を発熱させる。定着装置が故障すると、発熱部材が熱暴走することがある。特許文献1によれば、発熱部材に過電流が流れると、発熱部材に供給される電力を遮断する回路が提案されている。
特開2007−212503号公報
ところで、定着装置の温度を精度よく制御するためには、発熱体に流れる電流の実効値を高精度に検出することが必要とされる。そこで、本発明は、発熱体に流れる電流の実効値を高精度に検出することを目的とする。
本発明は、たとえば、
発熱体と、
前記発熱体に流れる交流電流を検知する検知手段と、
前記発熱体に供給される電力を遮断する遮断手段と、
前記検知手段により検知された前記交流電流の平均実効値に基づき前記遮断手段を制御する保護制御手段と、
前記保護制御手段から前記平均実効値と当該平均実効値の計測期間とを示す複数のデータを受信し、当該複数のデータに基づき前記発熱体へ供給される電力を制御する電力制御手段と、を有し、
前記電力制御手段は、前記計測期間よりも長い所定の演算期間における前記複数のデータから複数の平均実効値と複数の計測期間とを抽出し、抽出された前記複数の平均実効値と前記複数の計測期間とに基づき、前記演算期間における交流電流の平均実効値を求め、前記演算期間における交流電流の平均実効値に基づき、前記発熱体へ供給される電力を制御することを特徴とする像加熱装置を提供する。
本発明によれば、発熱体に流れる電流の実効値を高精度に検出することが可能となる。
画像形成装置を示す図 定着部を示す図 ヒータ制御部を示す図 交流電流などの波形を示す図 保護回路を示す図 復元処理の概念を説明する図 復元処理を示すフローチャート 電力制御を示すフローチャート 復元処理を示すフローチャート 復元処理を示すフローチャート CPUの機能を説明する図
以下では実施例を示す図面が参照されながら、本発明を実施するための形態が例示的に詳しく説明される。ただし、本実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、本発明の範囲を以下の実施の形態に限定する意図は存在しない。
<実施例1>
●画像形成装置
図1が示すように、たとえば、画像形成装置100は電子写真記録技術を用いるレーザビームプリンタである。画像形成装置100は複写機やファクシミリ、複合機であってもよい。画像形成装置100は商用電源などの交流電源に接続されており、交流電源から電力を供給される。感光体19は静電潜像やトナー画像を担持しながら回転する像担持体である。帯電ローラ22は感光体19の画像形成面を所定の極性に帯電させる帯電手段である。スキャナユニット21は、画像情報に応じて変調されたレーザ光が感光体19の画像形成面を走査するように、レーザ光を偏向しながら出力する露光手段または走査手段である。これにより感光体19には静電潜像が形成される。現像器23は静電潜像にトナーを供給することで静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像手段である。感光体19、帯電ローラ22および現像器23はプロセスカートリッジ15として一体化されてもいてもよい。一方、ピックアップローラ12は給紙カセット11に積載されているシートPを一枚ずつ搬送路へ給紙する給紙手段である。レジストローラ14は、シートPを転写部に搬送する搬送手段である。転写部は、感光体19と転写ローラ20とで形成されている。なお、多色画像を形成する画像形成装置の転写部は中間転写方式を採用してもよい。転写ローラ20はシートPに対して感光体19により搬送されてきたトナー画像を転写し、定着部51に向けてシートPを搬送する転写手段である。定着部51は、トナー画像およびシートPに熱と圧力を加えて、トナー画像をシートPに定着させる定着手段である。排出ローラ27は定着部51から搬送されてきたシートPを画像形成装置100の外部へ排出する。定着部51とヒータ制御部80は像加熱装置50を形成している。ヒータ制御部80は定着部51の温度が目標温度に維持されるように電力の供給を制御する。モータ30は定着部51等を駆動するモータである。
●定着装置
図2(A)が示すように、定着部51は、筒状(無端状)のフィルム53と、加圧ローラ56とを有している。ヒータ60はフィルム53の内面に接触および摺動し、発生した熱をフィルム53に伝搬する発熱装置である。フィルム53のベース層の材質は、ポリイミド等の耐熱樹脂またはステンレス等の金属である。加圧ローラ56は、鉄やアルミニウム等の材質の芯金57と、シリコーンゴム等の材質の弾性層59とを有する。芯金57の中心には回転軸58が設けられている。モータ30はギヤ等を介して駆動力を回転軸58に伝達し、加圧ローラ56を回転させる。フィルム53は加圧ローラ56から駆動力を伝達されて回転する。保持部材52はヒータ60を保持する部材であり、耐熱樹脂製である。保持部材52は、フィルム53の回転を案内するガイド機能も有している。
ヒータ60は平板状の部材(例:セラミックヒータ)である。第一発熱体61および第二発熱体62はセラミック製の基板65(発熱部材)上に形成された発熱抵抗体である。第一発熱体61および第二発熱体62は、それぞれ基板65の長手方向に沿って延びる縦長形状に形成され、基板65の短手方向(長手方向に直交する方向)に互いに異なる位置に設けられている。より具体的には、第一発熱体61は基板65の短手方向における中央部よりも一端側に設けられている。第二発熱体62は基板65の短手方向における中央部よりも他端側に設けられている。ヒータ60は、さらに、第一発熱体61および第二発熱体62を覆う絶縁性(本実施例ではガラス)の表面保護層67を有する。基板65の裏面側であって、画像形成装置100の通紙領域にはサーミスタTH1が当接している。サーミスタTH1は温度検出素子(温度検知手段)である。定着ニップ部Nは未定着のトナー画像を担持するシートPを挟持しながら搬送し、さらにこれらを加圧および加熱する。保護素子55は、基板65の裏面側に設けられたサーモスイッチや温度ヒューズである。保護素子55は、ヒータ60の温度が閾値を超えたときに作動し、第一発熱体61および第二発熱体62への給電ラインを遮断する。ステー54は、加圧ローラ56に向かって保持部材52を付勢する金属製のステーである。
●ヒータ
図2(B)が示すように、ヒータ60の第一発熱体61は電極E1と電極E3を介して電力を供給される。第二発熱体62は電極E2と電極E3を介して電力を供給される。導電体68aは電極E2と第二発熱体62の一端とを接続している。導電体68bは電極E1と第一発熱体61の一端とを接続している。導電体68cは電極E3と第一発熱体61の他端とを接続しているとともに、電極E3と第二発熱体62の他端とを接続している。電極E1〜E3はそれぞれヒータ制御部80に接続されている。
●ヒータ制御部
図3に示される保護回路300がヒータ制御部80の故障等を検知すると、第一発熱体61のみ、または、第二発熱体62のみに電力を供給する。図3が示すように、ヒータ制御部80のCPU320はトライアック316、326の通電/遮断を制御する。トライアック316が通電状態になると、第一発熱体61に電流I1が流れる。同様に、トライアック326が通電状態になると、第二発熱体62に電流I2が流れる。すなわち、第一発熱体61への電力供給は第1の電力制御部としてのトライアック316により制御される。第二発熱体62への電力供給は、第2の電力制御部としてのトライアック326によって制御される。これらの電力制御は独立している。
ゼロクロス検知部330は、交流電源301のゼロクロスポイントを検知する回路であり、CPU320に交流電源301のゼロクロスポイントを示すゼロクロス信号(ZEROX)を出力する。CPU320はゼロクロス信号を使用してヒータ60を制御する。ゼロクロス検知部330の回路は、たとえば、特開2011−18027号公報に記載されている。
ヒータ制御部80の故障などが発生すると、ヒータ60が熱暴走状態となることがある。このような場合に、リレー340は、ヒータ60への電力供給を遮断する電力遮断部として機能する。たとえば、サーミスタTH1が所定の閾値を超える温度を検出した場合、または保護回路300が過電流などの異常状態を検出した場合、リレー340は導通状態から遮断状態に遷移する。これにより、ヒータ60への電力供給が遮断される。また、リレー340の代わりに、トライアック316、326がヒータ60への電力供給を遮断する手段として用いられてもよい。
抵抗313、317は、トライアック316のためのバイアス抵抗である。フォトトライアックカプラ315は、画像形成装置100の回路構成における一次・二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ315の発光ダイオードに電流が流れると、トライアック316がオフからオンに切り替わる。抵抗318は、フォトトライアックカプラ315の発光ダイオードの電流を制限するための抵抗である。CPU320はトランジスタ319を通じてフォトトライアックカプラ315をオン/オフする。トランジスタ319はCPU320からのFUSER1信号に従って動作する。トライアック316が通電状態になると、第一発熱体61に電力が供給される。
抵抗323、327は、トライアック326のためのバイアス抵抗である。フォトトライアックカプラ325は、画像形成装置100の回路構成における一次・二次間の沿面距離を確保するためのデバイスである。フォトトライアックカプラ325の発光ダイオードに電流が流れると、トライアック326がオフからオンに切り替わる。抵抗328は、フォトトライアックカプラ325の発光ダイオードの電流を制限するための抵抗である。CPU320はトランジスタ329を通じてフォトトライアックカプラ325をオン/オフする。トランジスタ329はCPU320からのFUSER2信号に従って動作する。トライアック326が通電状態になると、第二発熱体62に電力が供給される。
サーミスタTH1は温度に応じた電圧のTH1信号をCPU320に出力する。サーミスタTH1はCPU320のA/Dポートに接続されている。CPU320はTH1信号に基づきサーミスタTH1の検出温度を取得する。CPU320はサーミスタTH1の検出温度がヒータ60の設定温度に維持されるように、たとえばPI制御を実行する。CPU320は供給されるべき電力を算出し、算出された電力を制御条件に変換する。たとえば、CPU320は算出された電力をそれに対応した位相角(位相制御)の制御レベルと波数(波数制御)の制御レベルに換算する。CPU320は制御条件にしたがってトライアック316、326を制御する。
温度保護部370は、サーミスタTH1によって検出された温度が上限温度THmaxを超えた場合に、ラッチ部360を動作させる。ラッチ部360は、ヒータ60への通電を遮断状態に維持する。
カレントトランス341は第一発熱体61に流れる電流I1に比例した電圧VI1を出力する。つまり、カレントトランス341は、基準電圧Vrefを基準として、電流I1に比例した電圧を出力する。以降の説明では、電流I1と電圧VI1は等価なものとして説明される。抵抗342は、カレントトランス341のダンピング抵抗である。基準電圧Vrefは、シャントレギュレータ等を用いた基準電圧源350によって出力された一定の基準電圧である。同様に、カレントトランス343は第二発熱体62に流れる電流I2に比例した電圧VI2を出力する。抵抗344は、カレントトランス343のダンピング抵抗である。電圧VI1、VI2は保護回路300に入力される。保護回路300にゼロクロス信号が入力される。保護回路300は電圧VI1、VI2に基づき過電流を検出すると、リレーオフ信号(RLOFF)をラッチ部360に出力する。また、保護回路300は演算結果をCPU320に出力する。
●保護回路
図4は保護回路300の内部処理を説明するための波形図である。波形W0は、交流電源301(例:50Hzの正弦波)から供給される電圧の波形である。波形W1は、トライアック316によって制御されて、第一発熱体61に流れる電流I1の波形を示している。この例では、電力比が50%となるように位相制御が実行されている。波形W2は電流I1に対応した電圧VI1を示している。波形W3は電圧VI2を二乗したものを示している。波形W4はゼロクロス検知部330が出力するゼロクロス信号を示している。波形W4は、理想的には、交流電源301の波形W0のゼロクロスポイントに同期した50Hzの信号となる。ただし、ここでは、ノイズ等の影響が考慮されている。そのため、波形W4の一部は、交流電源301のゼロクロスポイントに同期していない。
図5(A)は実施例1の保護回路300を示している。周期演算部538は、ゼロクロス検知部330から出力されたゼロクロス信号の立ち上がりまたは立下りを検知するごとに、ゼロクロス信号の立ち上がりと立下りとの間の時間Tzを計測し、計測結果を後段の各処理部に出力する。この時間Tzはゼロクロス信号の半周期に相当する。
乗算部511は、カレントトランス341が出力する電圧VI1と、基準電圧Vrefとの差分信号をA/Dコンバータでサンプリングし、2乗値VI1^2(波形W3)を演算する。積分部512は、乗算部511から出力された2乗値VI1^2を、周期演算部538で算出された時間Tzごとに積分し、その積分結果を時間Tzで除算することで、∫VI1^2/Tzを算出する。この算出結果は、時間Tzにおける電流I1の平均実効値の2乗に比例した値である。平均実効値は複数の実効値の平均値である。以下では、平均実効値そのものだけでなく、平均実効値に比例した値も、便宜上、平均実効値と呼称される。つまり、∫VI1^2/Tzと、電流I1の半周期分の平均実効値とは等価なものとして説明される。移動平均部513は、積分部512の出力である∫VI1^2/Tzについて所定回数にわたり移動平均を実行し、移動平均値Iav1を算出する。
乗算部521は、カレントトランス343が出力する電圧VI2と、基準電圧Vrefとの差分信号をA/Dコンバータでサンプリングし、2乗値VI2^2を演算する。積分部522は、乗算部521から出力された2乗値VI2^2を時間Tzごとに積分し、その積分結果を時間Tzで除算することで、∫VI2^2/Tzを算出する。この算出結果は、時間Tzにおける電流I2の平均実効値の2乗に比例した値である。以降では、∫VI2^2/Tzと、電流I2の半周期分の平均実効値とは等価なものとして説明される。移動平均部523は、積分部522の出力である∫VI2^2/Tzについて所定回数にわたり移動平均を実行し、移動平均値Iav2を算出する。
加算部532は、移動平均部513の出力Iav1と、移動平均部523の出力Iav2とを加算して加算値Iavを出力する。過電流検出部534は、Iavが所定の閾値Imaxを超えたかを判定する。IavがImaxを超えると、過電流検出部534は、RLOFF信号をLow状態からHigh状態に切り替える。これにより、リレー340が導通状態から遮断状態に遷移し、ヒータ60への電力の供給が遮断される。
通信部531には、積分部512の出力∫VI1^2/Tzと、積分部522の出力∫VI2^2/Tz、及び積分計算に使用された時間Tzが入力される。通信部531は、ゼロクロス信号の半周期分の積分計算が終了するごとにこれらの3つの情報をCPU320へ送信する。
本実施例では、1つの積分期間として時間Tzが採用さている。しかし、積分期間は時間Tzのn倍(nは1以上の整数)であればよい。たとえば、ゼロクロス検知部330は、二個のゼロクロスポイントを検知するたびに一個のゼロクロス信号を出力するように変更されてもよい。これにより、積分期間は交流電源301の一周期へ変更される。
保護回路300は、たとえば、半導体集積回路で構成可能である。これは、ヒータ60の保護を目的として応答性の速い温度検出素子を用いる等の保護素子を設ける方策と比較して、製造コストが削減される。保護回路300はカレントトランス341の出力VI1およびカレントトランス343の出力VI2を取得し、電流実効値とその移動平均値を演算することで過電流を検知し、通電の遮断を行う。保護回路300が通電を遮断するための閾値は、画像形成の際に使用される電流に対して余裕を持たせた値に設定される。
本実施例では、保護回路300が取得した電流実効値はCPU320に送信される。CPU320は後述の電流量の復元処理を実行するとともに、電力制御を実行する。このように、電力制御に際して保護回路300とCPU320が機能を分担して連携することにより以下のような効果が得られる。たとえば、スタンバイ状態からの復帰時間を短縮することを目的として急速に像加熱装置50が立ち上げられることがある。この場合、保護回路300により通電が遮断されない範囲で第一発熱体61および第二発熱体62へ大電流が投入される。この際、第一発熱体61および第二発熱体62に流れる電流の測定を、保護回路300側で実行することにより、CPU320の制御に係る負担が軽減される。また、復元処理については、演算能力を備えたCPU320側で実行することにより、保護回路300は復元処理のための演算器を必要としない。
●復元処理
CPU320は、保護回路300から取得した電流I1、I2の半周期分の平均実効値(∫VI1^2/Tzおよび∫VI2^2/Tz)から数周期分の平均実効値を算出する。これにより、ゼロクロス信号に重畳されたノイズの影響が低減される。この処理は復元処理または再計算処理と呼ばれてもよい。
図6は電流復元処理を説明するための図である。縦軸は電流I1の2乗値を示している。横軸は時間を示している。ここでは4個の平均実効値から、電流I1の2周期分の平均実効値Irmsが算出される。
Figure 2019008125

Irms1、Irms2、Irms3、Irms4はそれぞれ電流I1の半周期分の平均実効値である。τ1、τ2、τ3、τ4は4個の平均実効値を演算するために使用されたゼロクロス信号の半周期を示している。つまり、τ1、τ2、τ3、τ4は計測期間である。τ1+τ2+τ3+τ4の合計値は演算期間Στと呼ばれてもよい。CPU320は(1)式を演算することで、演算期間Στにおける平均実効値Irmsを算出する。このように、平均実効値Irmsは、図6に示された面積部の合計値を演算期間Στで除算して得られる平均値である。
上記の説明では、4個の半周期分の平均実効値Irms1、Irms2、Irms3、Irms4から、2周期分の平均実効値Irmsが算出されている。しかし、この算出方法はNを用いて一般化可能である。
Figure 2019008125

これは、N個の電流I1の半周期分の平均実効値から、N/2周期分の電流I1の平均実効値Irmsが算出されること示している。
●復元処理のフローチャート
図7はCPU320が実行する復元処理を示すフローチャートである。上述したように保護回路300で計測された時間Tzはノイズの影響を含むため、正確な値でないことがある。一方で、ヒータ60の温度制御に使用される変数は時間Tzを用いて算出される。つまり、時間Tzに含まれるノイズ成分がヒータ60の温度制御を誤らせる。そこで、温度制御には復元処理によって求めされる電流量の復元値Ir1、Ir2が利用される。
CPU320はヒータ60の温度制御の開始要求が発生すると、以下の処理を実行する。
・S701でCPU320は保護回路300から電流の検知結果を含む通信データを受信したかどうかを確認する。CPU320は通信ポートと受信データを保持するバッファメモリとを有している。通信ポートは通信部531と接続されており、受信データをバッファメモリに格納する。CPU320はバッファメモリに受信データが格納されているかどうかを判定する。受信データは、時間Tz、積分部512の出力(電流I1の半周期分の平均実効値)、および積分部522の出力(電流I2の半周期分の平均実効値)を含む。これはそれぞれ電流量Ic1、Ic2と表記される。復元処理によって電流量Ic1および電流量Ic2を平均化した値はそれぞれ復元値Ir1、Ir2と表記される。保護回路300からデータを受信していない場合、CPU320はデータを取得するまで待機する。データを取得している場合、CPU320は、S702に進む。
・S702でCPU320は、N個の時間Tzの移動和ΣTzを求める。N個の時間Tzは、N回の通信によって取得されたN個の時間Tzである。各通信データには一つの時間Tzが含まれている。
・S703でCPU320は、通信データから取得された電流量Ic1と時間Tzとの積SI1を求める。なお、積SI1はN個の通信データのそれぞれについて求められる。
・S704でCPU320は、N個の積SI1の移動和ΣSI1を求める。
・S705でCPU320は、ΣSI1をΣTzで除算して電流量の復元値Ir1を求める。復元値Ir1は、ΣTzの期間における電流I1の平均実効値の2乗に比例した値である。
・S706でCPU320は、通信データから取得された電流量Ic2と時間Tzとの積SI2を求める。なお、積SI2はN個の通信データのそれぞれについて求められる。
・S707でCPU320は、N個の積SI2の移動和ΣSI2を求める。
・S708でCPU320は、ΣSI2をΣTzで除算して電流量の復元値Ir2を求める。復元値Ir2は、ΣTzの期間における電流I2の平均実効値の2乗に比例した値である。
・S709でCPU320は終了条件が満たされたかどうかを判定する。たとえば、終了条件は、画像形成装置100による画像形成が終了したことなどである。終了条件が満たされていなければCPU320はS701に戻る。終了条件が満たされていればCPU320は消費電力を節約するために画像形成装置100をスタンバイ状態に遷移させる。
このようにしてノイズの影響が低減された復元値Ir1、Ir2が取得される。
図4を用いて復元値Ir1、Ir2の意味が説明される。波形W3は、カレントトランス341の出力VI1を2乗して得られる電圧波形である。波形W4はゼロクロス信号の波形である。保護回路300がゼロクロス信号の立ち上がりまたは立下りエッジを認識したタイミングは、それぞれ時刻t1、t2、t3、t4、t5、t6、t7と定義される。時刻t1から時刻t2の間は期間T1である。時刻t2から時刻t3の間は期間T2である。同様に期間T3、T4、T5、T6が定義される。期間T1、T2、T3、T4、T5、T6でそれぞれにおける波形W3の積分値が面積S1、S2、S3、S4、S5、S6である。
保護回路300に入力されるゼロクロス信号は、理想的には交流電源301の電圧波形のゼロクロスポイントに同期している。しかし、ノイズ等の影響によって実際のゼロクロスポイントとは異なるタイミングでゼロクロス信号が生成される可能性がある。波形W4のレベルは時刻t2、t3、t4で変化しているが、時刻t2、t4はゼロクロスポイントのタイミングとは異なるタイミングである。このようにノイズ成分を含むゼロクロス信号が保護回路300に入力されてしまうと、波形W4の期間T1、T2、T3、T4において、実際の平均実効値と取得された平均実効値との間に誤差が生じる。
ここで、期間T1におけるVI1^2の積分結果である∫VI1^2は面積S1に相当する。そのため、期間T1が終了した後にCPU320へ送信される電流量Ic1はS1/T1と表記される。電流量Ic1と時間Tz(=T1)は同時に保護回路300からCPU320へと送信される。そのため、CPU320がIc1×Tzを演算することでS1を取得する。面積S2から面積S6に関しても、同様の手法により、CPU320が取得する。CPU320は、面積S1から面積S6までの面積の和を、期間T1から期間T6までの期間の和で除算する。これにより、時刻t1から時刻t7までの期間に第一発熱体61に流れた電流I1の平均実効値の2乗に比例した復元値Ir1が取得される。
以上のようにCPU320が電流量Ic1、Ic2を再計算することで、ノイズによる時間Tzの乱れの影響が低減された、精度のよい復元値Ir1、Ir2が取得される。ゼロクロス周期の変動要因を低減するために電流量Ic1、Ic2を単純平均することも考えられる。しかし、本実施例では時間Tzも考慮して復元値Ir1、Ir2が求められているため、高精度かつ短時間に電流量が復元される。これは、CPU320がヒータ60を急速に加熱するために大電流の投入が必要となるケースで特に有用であろう。
●電力制御のフローチャート
CPU320は復元値Ir1、Ir2を用いてヒータ60に供給される電力を制御する。ヒータ60の電力制御において電流実効値を上限電流値以下に制御することが考えられる。これは、ヒータ60に投入される電力を上限値以下となるよう制御することで実現される。ここでは、電力比(デューティ)を用いて電力が制御される。ヒータ60に供給可能な最大電力は最大デューティによって制限される。最大デューティDmaxは、現在の投入デューティDcと復元値Ir1、Ir2から決定される。たとえば、Dc=50%のときに、電流実効値が10Aであったと仮定する。また、上限電流値は12Aであると仮定する。この場合に、最大デューティDmaxは以下の式から算出可能である。
Dmax=(12A^2÷10A^2)×50% ・・・(3)
=72%
このような最大デューティの算出方法は特許文献1に記載されている。
図8はCPU320が実行する電力制御を示すフローチャートである。ヒータ60の温度制御の開始要求が発生すると、CPU320は以下の処理を実行する。
・S801でCPU320はリレー340にオン信号を出力することでリレー340をオフからオンに切り替える。
・S802でCPU320は、サーミスタTH1から出力されたTH1信号に基づきヒータ60の温度を求め、ヒータ60の温度を目標温度に維持するために必要となる電力デューティDxを算出する。これはPI制御により算出される。
・S803で電力デューティDxと、最大デューティDmaxに基づき、ヒータ60への投入デューティDcを決定する。なお、最大デューティDmaxの初期値は100%である。電力デューティDxが最大デューティDmax以下の場合、CPU320は、PI制御で算出された電力デューティDxをヒータ60への投入デューティDcに設定する。電力デューティDxが最大デューティDmaxよりも大きい場合、CPU320は、最大デューティDmaxを投入デューティDcに設定する。CPU320は、投入デューティDcにしたがってFUSER1信号とFUSER2信号を出力し、トライアック316、326を制御する。これにより投入デューティDcにしたがった電力がヒータ60に供給される。
・S804でCPU320は、投入デューティDcと復元値Ir1、Ir2に基づき最大デューティDmaxを算出し、最大デューティDmaxを更新する。
Dmax = (Irmax ÷ (Ir1+Ir2))×Dc ・・・(4)
ここでIrmaxは上限電流量を示す値であり、上限電流値の二乗に比例した値である。
・S805でCPU320は終了条件が満たされたかどうかを判定する。たとえば、終了条件は、画像形成装置100による画像形成が終了したことなどである。終了条件が満たされていなければCPU320はS802に戻る。終了条件が満たされていれば、CPU320は画像形成装置100をスタンバイ状態に遷移させる。これにより消費電力が節約される。
このように本実施例では電流量の測定が保護回路300で実行され、電流量の復元処理がCPU320で実行される。すなわち、保護回路300を構成するために最低限必要となる積分計算を行う演算器が保護回路300に設けられ、復元処理に必要な演算器はより性能の高いCPU320により実現される。保護回路300とCPU320との間で必要な情報の送受信が実行される。これによって保護回路300の構成を簡易にし、かつ、復元処理を安価な構成で実行することが可能となる。
本実施例では、保護回路300からCPU320へ送信される電流量は、電流の平均実効値の2乗に比例した値(∫VI1^2/Tzなど)である。しかし、これは一例に過ぎない。電流量として、電流の平均実効値に比例した値(√∫VI1^2/Tzなど)が採用されてもよい。また、電流量として、時間Tzで平均化される前の電流値の2乗の積分値(∫VI1^2など)が採用されてもよい。これらの場合、電流量の定義にしたがって、S703およびS706の演算方法が適切に修正される。本実施例によれば、ヒータ60を有する定着部51と画像形成装置100の信頼性を保ったまま可能な限り大電流をヒータ60に流すことが可能となる。これにより像加熱装置50の立ち上げ時の加熱時間が短縮される。つまり、画像形成装置100がスタンバイ状態から画像形成状態に復帰する時間が短縮される。
<実施例2>
実施例2は、実施例1の構成に加えて通信エラーに関する機能を有する。これにより、保護回路300からCPU320に送信される通信データの信頼性が向上する。なお、実施例2において、実施例1と同様の構成には同一の参照符号が付与され、その説明は省略される。
●保護回路
図5(B)は保護回路300を示している。実施例2では、保護回路300内にカウンタ550が設けられている。カウンタ550は、ゼロクロス信号の立ち上がりまたは立下りを検知するごとにカウント値のカウントアップを実行する。カウンタ550はカウント値Countを示す信号を通信部551に出力する。なお、カウント値Countは波数を示している。n個の同一の通信データが送信されている間は、カウント値Countは同一の値に維持される。カウント値Countは識別情報として通信データに付加されてもよい。
通信部551は、誤り検出符号の生成部552、通信データの生成部553および通信データを保持する送信バッファ554を有している。送信バッファ554は電流量Ic1、電流量Ic2、時間Tzおよびカウント値Count保持している。生成部552は、電流量Ic1、電流量Ic2、時間Tzおよびカウント値Countから誤り検出符号(CRCなど)を演算により求める。生成部553は、電流量Ic1、電流量Ic2、時間Tz、カウント値Countに誤り検出符号を付加して通信データを作成し、CPU320へ送信する。通信部551が通信データを送信する間隔は、時間Tzの2分の1よりも短い間隔である。これにより、時間Tzの間に2回以上にわたり同一の通信データが送信される。これにより通信データの信頼性が向上する。
●復元処理
図9はCPU320が実行する復元処理を示すフローチャートである。S701で通信データが取得されると、CPU320はS901に進む。
・S901でCPU320は通信データが正しいかどうかを判定する。たとえば、CPU320は、通信データから誤り検出符号を抽出し、誤り検出符号に基づき通信データに破損がないかどうかを判定する。通信データが破損している場合、CPU320はS904に進む。S904でCPU320は通信データを破棄し、S701に戻る。通信データに破損がない場合、CPU320はS902に進む。
・S902でCPU320は、受信された通信データがすでに受信されたデータと同一であるかどうかを判定する。上述したように、保護回路300は同一の通信データをn回送信する。n個の同一の通信データのいずれもが破損していない場合、n−1個の通信データは不要(冗長)である。そこで、CPU320は、カウント値Countを用いて同一性の判定処理を実行する。たとえば、CPU320は、カウント値Countと、CPU320の内部メモリに保存されている処理済みのカウント値Count2とが異なっているかを判定する。カウント値Countがカウント値Count2と等しい場合、判定対象の通信データはすでに受信済みの通信データと同一である。そこで、CPU320はS904に進み、判定対象の通信データを破棄する。カウント値Countがカウント値Count2と等しくない場合、判定対象の通信データは破損していない未処理のデータ(新規データ)である。そのため、CPU320は、S903に進む。
・S903でCPU320はカウント値Count2にカウント値Countを代入する。その後、CPU320はS702に進む。
このように、ゼロクロス信号の半周期においてn個の同一通信データが送信されるが、S702以降の演算処理は一つの通信データについて実行される。つまり、半周期においてS702ないしS709までの処理は一度だけ実行される。ここでは、通信データを識別するために、半周期ごとにカウントアップされるカウント値Countが通信データに付加されている。同一の通信データであることを示す別の情報が通信データに付加されてもよい。
このように保護回路300とCPU320との間の通信線にノイズが発生して通信データが破損しても、CPU320は信頼性の高い通信データを取得できるようになる。つまり、通信誤りの発生しうる環境下においてもCPU320は正しい電流量を演算に用いることが可能となる。
<実施例3>
実施例3では、交流電源301およびゼロクロス検知部330から出力されるゼロクロス信号に重畳されるノイズの多寡に依存して復元処理における実効値の平均期間(演算期間)が増減される。実施例3において、実施例1と同様の構成には同一の参照符号が付与され、その説明は省略される。なお、実施例3は実施例2と組み合わされてもよい。
図10はCPU320により実行される復元処理を示すフローチャートである。ゼロクロス信号に付加されるノイズの多寡は保護回路300から送信される時間Tzのバラツキに反映される。CPU320は時間Tzのバラツキを示す統計情報を決定する。たとえば、CPU320は保護回路300から通信データを受信するたびに内部メモリに時間Tzを格納する。ここでは、直近に受信されたM個の時間Tzが内蔵メモリに保持される。CPU320は、M+1個目の時間Tzを受信すると、最も古い1個目の時間Tzを破棄して、M+1個目の時間Tzをメモリに格納する。
・S1001でCPU320は、M個の時間Tzの標準偏差σを求める。
・S1002でCPU320は、標準偏差σに対応するサンプル数Nを決定する。たとえば、CPU320は変換テーブルに従って標準偏差σをサンプル数Nに変換してもよい。標準偏差σが大きいときは、Nが増加する。標準偏差σが小さいときは、Nが減少する。サンプル数NはS702ないしS708で使用される。具体的には、移動和ΣTz、移動和ΣSI1、移動和ΣSI2の演算にNが使用される。
実施例3によれば、時間Tzのバラツキに応じてサンプル数Nが増加または減少する。つまり、時間Tzのバラツキが大きいときは、長い時間にわたって取得された多くの電流量から復元値が求められる。交流電源301の出力が不安定であり、ゼロクロス信号や供給電圧にノイズが多く含まれる環境では、復元処理に使用されるサンプル数Nが増加するため、復元値の精度が向上する。一方、時間Tzのバラツキが小さいときは、短い時間にわたって取得された少ない個数の電流量から復元値が求められる。交流電源301の出力が安定している場合、サンプル数Nが削減されるため、制御の応答速度が向上する。その結果、像加熱装置50の立ち上げ時間が短縮される。
実施例1〜3では、第一発熱体61および第二発熱体62がヒータ60に設けられている。しかし、これは一例に過ぎない。発熱体の数は一個でもよいし、三個以上であってもよい。トライアック316、CPU320のFUSER1信号、カレントトランス341やその周辺回路を構成するために必要な素子の数は、発熱体の数に合わせて調整される。
<まとめ>
カレントトランス341、343は第一発熱体61および第二発熱体62に流れる交流電流を検知する検知手段の一例である。リレー340やトライアック316、326は発熱体に供給される電力を遮断する遮断手段の一例である。保護回路300は検知手段により検知された交流電流の電流演算値(平均実効値)に基づき遮断手段を制御する保護制御手段の一例である。CPU320は、保護制御手段から平均実効値と当該平均実効値の計測期間とを示す複数のデータを受信し、当該複数のデータに基づき発熱体へ供給される電力を制御する電力制御手段の一例である。CPU320は、所定の演算期間ΣTzにおける複数のデータから複数の平均実効値と複数の計測期間とを抽出する。なお、演算期間ΣTzは計測期間Tzよりも長い。たとえば、演算期間は、計測期間のN倍である。Nは2以上の整数である。CPU320は、抽出された複数の平均実効値と複数の計測期間とに基づき、演算期間における交流電流の平均実効値(例:Ir1、Ir2)を求める。さらに、CPU320は、演算期間における交流電流の平均実効値に基づき、発熱体へ供給される電力を制御する。これにより、発熱体に流れる電流実効値が高精度に検出される。なお、定着部51の温度を制御するための電流検出回路と、過電流を検出するための電流検出回路とを重複して設けると、製造コストが上昇する。本実施例では保護回路300とCPU320が電流検出回路を共有できるため、製造コストが削減される。なお、保護回路300で検出された電流値(例:平均実効値)がCPU320に伝送されるため、伝送エラーが課題となる。しかし、本実施例では、電流値を再計算により復元するため、伝送エラーの影響が低減される。
図5(A)や図5(B)が示すように、乗算部511、521は交流電流に比例した電圧値の二乗を演算する二乗手段の一例である。周期演算部538は計測期間として交流電流の半周期を計測する周期計測手段の一例である。周期演算部538は交流電流のゼロクロスポイントに基づき計測期間を計測してもよい。なお、計測期間は、発熱体に流れる交流電流の半周期または当該半周期の整数倍に相当する期間であってもよい。積分部512、522は電圧値の二乗を積分し、電圧値の二乗の積分値を計測された半周期で除算することで、各計測期間における平均実効値を求める積分手段の一例である。なお、積分された電圧値の二乗を交流電流の半周期で除算して電流演算値を求める除算手段が積分部512、522から独立して設けられてもよい。通信部531、551は平均実効値と半周期とを示すデータを電力制御手段に送信する送信手段の一例である。
図11はCPU320がROM1101に記憶されている制御プログラムを実行することで実現される機能を示している。これらの機能を一部またはすべてがASICやFPGAなどのハードウエア回路によって実現されてもよい。ASICは特定用途集積回路の略称である。FPGAはフィールドプログラマブルゲートアレイの略称である。復元部1110は、保護回路300で取得された平均実効値を再計算により復元する。電力決定部1140は復元された平均実効値およびヒータ60の温度に基づきヒータ60に供給される電力を決定する。実施例2で説明されたように誤り処理部1120は通信データの誤り(破損)を検出し、破損した通信データを破棄する。実施例3で説明されたようにN可変部1130は時間Tzのバラツキに応じてサンプル数Nや演算期間を可変する。誤り処理部1120とN可変部1130はオプションである。
通信IF1103はデータを受信する受信手段の一例である。RAM1102は受信手段により受信されたデータを保持する保持手段の一例である。RAM1102に受信バッファが確保されてもよい。RAM1102の一部が通信IF1103の内部に設けられていてもよい。S702が示すように、合計部1111は保持手段に保持されているN個のデータから抽出されたN個の半周期の合計値を演算期間として求める第一合計手段の一例である。S704やS706が示すように、乗算部1112は保持手段に保持されている各データに含まれている平均実効値と半周期との積を求める乗算手段の一例である。合計部1113は乗算手段により求められたN個の積の合計値を求める第二合計手段の一例である。除算部1114はN個の積の合計値を演算期間で除算して演算期間における交流電流の平均実効値を求める除算手段の一例である。なお、発熱体の個数に応じて乗算部1112、合計部1113および除算部1114の個数も変化する。図11において、j番目の発熱体についての電流量はIcjと表記され、その積はSIjと表記され、移動和はΣSIjと表記され、復元値はIrjと表記されている。
電力決定部1140は、演算期間における交流電流の平均実効値に基づき発熱体に供給される電力の上限値を決定する決定手段として機能し、上限値を超えないように発熱体に供給される電力を制御する。S802が示すようにDx決定部1141はヒータ60の温度に基づき電力デューティDxを決定する。S803が示すようにDc決定部1143はDxとDmaxに基づき投入デューティDcを決定する。たとえば、Dc決定部1143は、DxがDmax以下であれば、Dxを投入デューティDcに設定する。Dc決定部1143は、DxがDmax以下でなければ、Dmaxを投入デューティDcに設定する。S804が示すように、更新部1142は、投入デューティDcと復元値Irjの合計値に基づきDmaxを更新する。このように投入デューティDcは復元値Irjに基づき更新されるため、ヒータ60の制御も高精度化されよう。
なお、計測期間ごとの平均実効値(電流量Icj)は、計測期間における発熱体に流れる交流電流の実効値、当該実効値の2乗値、または当該2乗値を計測期間において積分することで取得された積分値のいずれかに比例した値であればよい。
実施例2において説明されたように、保護回路300の通信部551は、計測期間ごとに複数個の同一データを送信するように構成されている。S901、S904が示すように、誤り処理部1120は、複数個の同一データのうち破損したデータを破棄する。誤り検出部1121は通信データから誤り検出符号(例:CRCなど)を読み出し、通信データの誤り(破損)を検出する。なお、通信部551は、通信データの破損を検出するための検出符号を付加して送信するように構成されている。破棄部1123は、誤り検出部1121によって誤りを含むと判定された通信データは破棄部1123によって破棄される。複数個の同一データのうちいずれもが破損していない場合に、破棄部1123は冗長なデータを破棄してもよい。識別部1122は、RAM1102に保持されている各通信データが同一かどうかを識別する。S902、S903が示すように、識別部1122は通信データに含まれているカウント値Countに基づいて複数の通信データが同一かどうかを識別してもよい。この場合、通信部551は、複数個の同一データのそれぞれに識別情報を付加して送信するように構成される。カウント値Countは同一性の識別情報の一例である。通信部551は、計測期間が交流電流の半周期である場合に、交流電流の半周期ごとに識別情報を変更する。識別部1122はCount2とカウント値Countと比較することで同一性を判定してもよい。識別部1122は保護回路300によってカウント値Countが更新されると、カウント値CountをCount2に代入することでCount2を更新する機能を含む。
実施例3で説明されたように、評価部1131は、計測期間のバラツキ(例:標準偏差σ)を取得する取得手段の一例である。N決定部1132はバラツキに応じて演算期間やサンプル数Nを調整する調整手段の一例である。N決定部1132はバラツキが大きくなるにつれて演算期間を増加させ、バラツキが小さくなるにつれて演算期間を減少させる。
50...像加熱装置、61、62...発熱体、341、343...カレントトランス、340...リレー、300...保護回路、320...CPU

Claims (16)

  1. 発熱体と、
    前記発熱体に流れる交流電流を検知する検知手段と、
    前記発熱体に供給される電力を遮断する遮断手段と、
    前記検知手段により検知された前記交流電流の平均実効値に基づき前記遮断手段を制御する保護制御手段と、
    前記保護制御手段から前記平均実効値と当該平均実効値の計測期間とを示す複数のデータを受信し、当該複数のデータに基づき前記発熱体へ供給される電力を制御する電力制御手段と、を有し、
    前記電力制御手段は、前記計測期間よりも長い所定の演算期間における前記複数のデータから複数の平均実効値と複数の計測期間とを抽出し、抽出された前記複数の平均実効値と前記複数の計測期間とに基づき、前記演算期間における交流電流の平均実効値を求め、前記演算期間における交流電流の平均実効値に基づき、前記発熱体へ供給される電力を制御することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記保護制御手段は、
    前記交流電流に比例した電圧値の二乗を演算する二乗手段と、
    前記交流電流のゼロクロスポイントに基づき前記計測期間を計測する周期計測手段と、
    前記電圧値の二乗を積分し、前記電圧値の二乗の積分値を前記周期計測手段により計測された前記計測期間で除算することで、各計測期間における前記平均実効値を求める積分手段と、
    前記平均実効値と前記計測期間とを示すデータを前記電力制御手段に送信する送信手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記電力制御手段は、
    前記データを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信されたデータを保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持されているN個(Nは2以上の整数)のデータから抽出されたN個の計測期間の合計値を前記演算期間として求める第一合計手段と、
    前記保持手段に保持されている各データに含まれている平均実効値と計測期間との積を求める乗算手段と、
    前記乗算手段により求められたN個の積の合計値を求める第二合計手段と、
    前記N個の積の合計値を前記演算期間で除算して前記演算期間における交流電流の平均実効値を求める除算手段と、を有することを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記電力制御手段は、前記演算期間における交流電流の平均実効値に基づき前記発熱体に供給される電力の上限値を決定する決定手段をさらに有し、前記上限値を超えないように前記発熱体に供給される電力を制御することを特徴とする請求項3に記載の像加熱装置。
  5. 前記演算期間は、前記計測期間のN倍であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  6. 前記計測期間は、前記発熱体に流れる交流電流の半周期または当該半周期の整数倍に相当する期間であることを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  7. 前記計測期間ごとの前記平均実効値は、前記計測期間における前記発熱体に流れる交流電流の実効値、当該実効値の2乗値、または当該2乗値を前記計測期間において積分することで取得された積分値のいずれかに比例した値であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  8. 前記送信手段は、前記計測期間ごとに複数個の同一データを送信するように構成されており、
    前記電力制御手段は、前記複数個の同一データのうち破損したデータを破棄するように構成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  9. 前記送信手段は、前記複数個の同一データのそれぞれに識別情報を付加して送信するように構成されており、
    前記電力制御手段は、前記識別情報に基づき前記複数のデータが同一かどうかを判定するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の像加熱装置。
  10. 前記送信手段は、前記計測期間ごとに前記識別情報を変更することを特徴とする請求項9に記載の像加熱装置。
  11. 前記送信手段は、前記データの破損を検出するための検出符号を付加して送信するように構成されており、
    前記電力制御手段は、前記検出符号に基づき前記データの破損を検出するように構成されていることを特徴とする請求項8ないし10のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  12. 前記電力制御手段は、
    前記計測期間のバラツキを取得する取得手段と、
    前記バラツキに応じて前記演算期間を調整する調整手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の像加熱装置。
  13. 前記調整手段は、前記バラツキが大きくなるにつれて前記演算期間を増加させ、前記バラツキが小さくなるにつれて前記演算期間を減少させることを特徴とする請求項12に記載の像加熱装置。
  14. 前記バラツキは標準偏差であることを特徴とする請求項13に記載の像加熱装置。
  15. トナー画像を加熱する発熱体と、
    前記発熱体に流れる交流電流を検知する検知手段と、
    前記発熱体に供給される電力を遮断する遮断手段と、
    前記検知手段により検知された前記交流電流に基づき前記遮断手段を制御する保護制御手段と、
    前記交流電流の検知結果を前記保護制御手段から受信し、当該検知結果に基づき前記発熱体へ供給される電力を制御する電力制御手段と、を有し、
    前記保護制御手段は、
    前記交流電流に比例した電圧値の二乗を演算する二乗手段と、
    前記電圧値の二乗を積分する積分手段と、
    前記交流電流の半周期を計測する周期計測手段と、
    前記積分手段により積分された前記電圧値の二乗を前記交流電流の半周期で除算して電流演算値を求める除算手段と、
    前記電流演算値と前記半周期とを示すデータを前記電力制御手段に送信する送信手段と、を有し、
    前記電力制御手段は、
    前記データを受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信されたN個のデータを保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持されているN個のデータから抽出されたN個の半周期の合計値を求める第一合計手段と、
    前記保持手段に保持されている各データに含まれている電流演算値と半周期との積を求める乗算手段と、
    前記乗算手段により求められたN個の積の合計値を求める第二合計手段と、
    前記N個の積の合計値を前記N個の半周期の合計値で除算して電流演算値の復元値を求める復元手段と、を有し、当該復元値に基づいて前記発熱体へ供給される電力を制御することを特徴とする像加熱装置。
  16. シートを搬送する搬送手段と、
    前記シートにトナー画像を形成する画像形成手段と、
    請求項1ないし15のいずれか一項に記載された像加熱装置と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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