JP2019007846A - 回転角検出装置、姿勢制御装置、自動操舵装置及びスロットル装置 - Google Patents

回転角検出装置、姿勢制御装置、自動操舵装置及びスロットル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回転角を検出するものであって、従来に比べて小型化され、配置についての制限が低減された回転角検出装置、姿勢制御装置、自動操舵装置及びスロットル装置を提供する。【解決手段】回転角検出装置1は、円柱形状を有し、当該円柱の中心軸を回転軸として回転する磁石110と、検出面の法線を回転軸方向と平行とし、回転軸方向を法線方向とする平面視において回転軸上(101c)以外であって磁石110と重なる領域に配置され、磁石110の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、第1の一対の磁気検出素子と回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、第1の一対の磁気検出素子及び第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて磁石110の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えたホールIC100とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、回転角検出装置、姿勢制御装置、自動操舵装置及びスロットル装置に関する。
従来の技術として、回転する磁場の方向を検出する際に、出力信号に対する磁気ノイズの影響を低減する回転角検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1又は特許文献2に開示された回転角検出装置は、回転する磁場に対して複数方向に磁気検出素子の対を配置したセンサと、当該センサの各磁気検出素子から出力される信号を処理して磁場の角度に応じた信号を出力する信号処理部とを有し、信号処理部は、磁場を回転させた場合の磁気検出素子の対のそれぞれの出力の位相や振幅を比較することで磁気ノイズの影響分を特定し、当該磁気ノイズの影響分を差し引くことで、又は磁気検出素子の対のそれぞれの出力の平均化等の演算処理をすることで、磁気ノイズの影響を低減した信号を出力する。
特開2007‐10449号公報 特表2016‐514833号公報
しかし、上記した特許文献1又は特許文献2の回転角検出装置は、磁気ノイズの影響を低減した信号を出力するものの、回転する磁場に対して磁気検出素子を複数方向に配置する必要があり、少なくとも磁気検出素子が配置された領域よりはセンサの形状を小型化することができない、という問題がある。また、回転する磁場の回転中心を回転検出装置の中心に略一致させる必要があり、回転角検出装置の配置について制限がある、という問題がある。
従って、本発明の目的は、回転角を検出するものであって、従来に比べて小型化され、配置についての制限が低減された回転角検出装置、姿勢制御装置、自動操舵装置及びスロットル装置を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の回転角検出装置、姿勢制御装置、自動操舵装置及びスロットル装置を提供する。
[1]回転する磁石と、
検出面の法線を前記磁石の回転軸方向と平行とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記回転軸上以外であって前記磁石と重なる領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
[2]前記信号処理部は、前記第1の一対の磁気検出素子の出力及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力から、前記回転軸方向の第1の磁束密度差と、前記回転の円周方向の第2の磁束密度差とを求め、当該第1の磁束密度差と当該第2の磁束密度差とに基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する前記[1]に記載の回転角検出装置。
[3]前記信号処理部は、前記第1の磁束密度差と前記第2の磁束密度差の振幅の変化率に基づいて前記第1の磁束密度差の振幅の最大値と前記第2の磁束密度差の振幅の最大値を求め、当該第1の磁束密度差の振幅の最大値と当該第2の磁束密度差の振幅の最大値に応じて当該第1の磁束密度差の振幅と当該第2の磁束密度差の振幅とを正規化する前記[2]に記載の回転角検出装置。
[4]回転する磁石と、
検出面の法線を前記磁石の回転軸方向と平行とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記回転軸上以外であって前記磁石と重なる領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の2対の磁気検出素子と、前記第1の2対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の2対の磁気検出素子と、前記第1の2対の磁気検出素子及び前記第2の2対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
[5]前記信号処理部は、前記第1の2対の磁気検出素子の出力及び前記第2の2対の磁気検出素子の出力から、前記回転の径方向の第3の磁束密度差と、前記回転の円周方向の第2の磁束密度差とを求め、当該第3の磁束密度差と当該第2の磁束密度差とに基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する前記[4]に記載の回転角検出装置。
[6]前記信号処理部は、前記第3の磁束密度差と前記第2の磁束密度差の振幅の変化率に基づいて前記第3の磁束密度差の振幅の最大値と前記第2の磁束密度差の振幅の最大値を求め、当該第3の磁束密度差の振幅の最大値と当該第2の磁束密度差の振幅の最大値に応じて当該第3の磁束密度差の振幅と当該第2の磁束密度差の振幅とを正規化する前記[5]に記載の回転角検出装置。
[7]前記磁石は、前記回転軸と直交する方向に着磁方向を有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の回転角検出装置。
[8]前記磁石は、前記回転軸を通る平面で二つの部分に分割され、二つの部分は前記回転軸方向に平行であって互いに逆方向に着磁される前記[1]〜[6]のいずれかに記載の回転角検出装置。
[9]前記磁石は、検出する回転角度に応じて前記回転軸を通る平面で複数の部分に分割され、前記複数の部分は前記回転軸方向に平行であって互いに逆方向に着磁される前記[1]〜[6]のいずれかに記載の回転角検出装置。
[10]前記磁石は、前記中心軸を中心に一部の角度のみ形成される前記[1]〜[9]のいずれかに記載の回転角検出装置。
[11]回転する磁石と、
検出面の法線を前記磁石の回転軸方向と平行とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記磁石と重ならない領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
[12]回転する磁石と、
検出面の法線を前記磁石の回転軸に対する円周方向とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記磁石と重ならない領域に配置され、前記回転軸と直交する方向を法線とする平面視において前記磁石と重なる領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
[13]前記[1]〜[12]のいずれかに記載の前記回転角検出装置を備えた姿勢制御装置。
[14]前記[1]〜[12]のいずれかに記載の前記回転角検出装置を備えた自動操舵装置。
[15]前記[1]〜[12]のいずれかに記載の前記回転角検出装置を備えたスロットル装置。
請求項1、4、11〜15に係る発明によれば、従来に比べて小型化し、配置についての制限を低減して回転角を検出することができる。
請求項2に係る発明によれば、第1の一対の磁気検出素子の出力及び第2の一対の磁気検出素子の出力から、回転軸方向の第1の磁束密度差と、回転の円周方向の第2の磁束密度差とを求め、当該第1の磁束密度差と当該第2の磁束密度差とに基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力することができる。
請求項3に係る発明によれば、第1の磁束密度差の振幅と第2の磁束密度差の振幅とを正規化することができる。
請求項5に係る発明によれば、第3の一対の磁気検出素子の出力及び第2の一対の磁気検出素子の出力から、回転の径方向の第3の磁束密度差と、回転の円周方向の第2の磁束密度差とを求め、当該第3の磁束密度差と当該第2の磁束密度差とに基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力することができる。
請求項6に係る発明によれば、第3の磁束密度差の振幅と第2の磁束密度差の振幅とを正規化することができる。
請求項7に係る発明によれば、回転軸と直交する方向に着磁方向を有する磁石を用いることができる。
請求項8に係る発明によれば、回転軸を通る平面で二つの部分に分割され、二つの部分が回転軸方向に平行であって互いに逆方向に着磁される磁石を用いることができる。
請求項9に係る発明によれば、検出する回転角度に応じて回転軸を通る平面で複数の部分に分割され、複数の部分が回転軸方向に平行であって互いに逆方向に着磁される磁石を用いることができる。
請求項10に係る発明によれば、中心軸を中心に一部の角度のみ形成される磁石を用いることができる。
図1は、第1の実施の形態に係るステアリングシステムの構成例を示す概略図である。 図2は、第1の実施の形態の回転角検出装置の構成例を示す分解斜視図である。 図3(a)〜(c)は、ホールIC及び磁石の位置関係を説明するための斜視図、平面図及び正面図である。 図4(a)〜(c)は、ホールICの構成を示す斜視図、平面図及び断面図である。 図5は、ホールICの信号処理部の構成を示すブロック図である。 図6は、ホールICの磁束検出動作を説明するための概略断面図である。 図7(a1)〜(a5)及び(b1)〜(b5)は、磁石の回転角度とホールICが検出する磁束との関係を示した概略図であり、図7(a1)〜(a5)は正面図、図7(b1)〜(b5)は平面図である。 図8(a)及び(b)は、それぞれ磁石の回転角度に対するホールICの出力ΔBz及びΔBxを示すグラフ図である。 図9は、第2の実施の形態の回転角検出装置の構成例を示す分解斜視図である。 図10(a)及び(b)は、磁石の着磁方向の変形例を示す斜視図である。 図11(a)及び(b)は、磁石の形状及び着磁方向の変形例を示す斜視図である。 図12(a)及び(b)は、磁石の形状及び着磁方向の変形例を示す斜視図である。 図13(a)〜(c)は、ホールICの配置の変形例を示す斜視図である。 図14(a)〜(c)は、検出角度と磁石の着磁方向の変形例を示す斜視図である。 図15(a)〜(c)は、第3の実施の形態に係るホールICの構成を示す斜視図、平面図及び断面図である。 図16(a)及び(b)は、それぞれ磁石の回転角度に対するホールICの出力ΔBy及びΔBxを示すグラフ図である。
[第1の実施の形態]
(回転角検出装置の構成)
図1は、第1の実施の形態に係るステアリングシステムの構成例を示す概略図である。
ステアリングシステム8は、ステアリングシャフト20の舵角を検出して検出信号を出力する回転角検出装置1と、ステアリングシャフト20の一端に接続されるステアリングホイール2と、ステアリングホイール2の操舵を自動化するために減速ギア30を介してコラムシャフト21を回転させるモーター3と、回転角検出装置1の出力に応じてモーター3の動作を制御する又は/及びESC(Electronic Stability Control)7に舵角の情報を出力するECU(Electric Control Unit)4と、コラムシャフト21の回転運動をラック軸50の直線運動に変換するピニオンギア5と、ラック軸50と図示しないタイロッド等を介して連結される車輪6と、車両の旋回時における姿勢を安定させて横滑りを防止するESC7とを有する。
上記構成において、運転者がステアリングホイール2を回転させるとステアリングホイール2に接続されたステアリングシャフト20が回転する。ステアリングシャフト20が回転するとコラムシャフト21が伴に回転する。コラムシャフト21が回転するとピニオンギア5を介してラック軸50が変位し、ラック軸50の変位量に応じて一対の車輪6の角度が変わる。
回転角検出装置1はステアリングシャフト20の舵角を検出し、検出した舵角に応じた検出信号を出力する。ECU4は、回転角検出装置1から検出信号が入力されると、検出信号に応じてステアリングシャフト20の舵角を算出し、舵角の情報をESC7に出力する。
ESC7は、入力された舵角の情報に応じてブレーキやエンジン出力を制御して車両の旋回時における姿勢を安定させる。
また、車両の操舵を自動化する際は、ECU4は回転角検出装置1の検出信号が入力されると検出信号に応じてモーター3を制御する。モーター3の回転は減速ギア30で減速されてコラムシャフト21に回転を加えてステアリングホイール2を操作する。なお、コラムシャフト21を介さずに、モーター3の出力をラック軸50に直接伝達する構成としてもよい。
図2は、第1の実施の形態の回転角検出装置1の構成例を示す分解斜視図である。また、図3(a)〜(c)は、ホールIC100及び磁石110の位置関係を説明するための斜視図、平面図及び正面図である。
回転角検出装置1は、基板101上にホールIC100を実装した磁気検出部10と、ステアリングシャフト20とギア部12を介して接続されてステアリングシャフト20のR方向への回転に伴いr方向に回転する円柱状の磁石110とを有する。
磁気検出部10は、基板101の実装面が磁石110の底面に対向するように配置され、基板101上の点101cは磁石110の回転軸と一致する点である。ホールIC100は、その磁気検出の中心を基板101上の点101cとは一致させず、点101cからオフセットした位置に配置される。
磁石110は、円柱の底面(上面)と平行に着磁され、円柱の中心軸を回転軸として回転することで着磁方向Dmをr方向の回転と共に回転させる。磁石110の回転により、ホールIC100の磁気検出点における磁場が変化する。具体的な磁場の変化は図7において後述する。
ギア部12は、磁石110と共に軸120aを中心に回転するギア120と、軸121aを中心に回転するギア121と、ステアリングシャフト20と共に回転するギア122とを有する。ギア部12は、図示しないケース内に収容され、軸120a及び121aは、当該ケース内壁に設けられた穴に保持される。磁気検出部10は、当該ケース内に収容されてもよいし、当該ケースが非磁性体であればケース外に配置されるものであってもよい。
ホールIC100は、一例として、磁石110の底面と5mmだけ離れた位置に、点101cから径方向に2mmだけ離れた位置に配置される。
磁石110は、フェライト、サマリウムコバルト、ネオジウム等の材料を用いて形成された永久磁石である。なお、磁石の大きさは、一例として、外径10mm、高さ5mmである。
図4(a)〜(c)は、ホールIC100の構成を示す斜視図、平面図及び断面図である。
ホールIC100は、基板100bと、基板100b上に設けられて基板100bの表面と平行な検出面を有し、磁気検出素子として検出方向を基板100b表面の法線方向とするホールプレート100hl、100hl(総じて「ホールプレート100hl」と呼ぶ場合がある。)(第1の一対の磁気検出素子)及びホールプレート100hr、100hr(総じて「ホールプレート100hr」と呼ぶ場合がある。)(第2の一対の磁気検出素子)と、ホールプレート100hl、100hl上にそれぞれの一部が重なるように基板100b上に設けられて法線方向と直交する方向の磁束を法線方向に変換してホールプレートホールプレート100hl、100hlに検出させる磁気コンセントレータ100slと、ホールプレート100hr、100hr上にそれぞれの一部が重なるように基板100b上に設けられて法線方向と直交する方向の磁束を法線方向に変換してホールプレートホールプレート100hr、100hrに検出させる磁気コンセントレータ100srと、ホールプレート100hl、100hrの出力する信号を処理する信号処理部(100sp、図5)を有し、次に説明する信号処理によって法線方向及び法線方向と直交する方向の磁束密度を検出する。
なお、ホールIC100は、例えば、メレキシス製MLX90371等を用い、ホールプレート100hlと100hlとの間隔は、0.2mmであり、厚みが0.5mm、y方向の幅が2mm、x方向の幅が3mmである。磁気コンセントレータ100slは、パーマロイを用いることができる。また、ホールプレート100hlとホールプレート100hrとは2mm離されて配置される。なお、上記ホールIC100のx方向及びy方向の幅は信号処理部等の配置を考慮した場合のサイズであり、ホールプレートhlとホールプレート100hrのみの配置であればy方向0.2mm、x方向2.4mmに収まるサイズとなる。
図5は、ホールIC100の信号処理部の構成を示すブロック図である。
ホールIC100の信号処理部100spは、ホールプレート100hl、100hl、100hr、100hrからの出力を後段へ順に出力するマルチプレクサ100muxと、マルチプレクサ100muxの出力を増幅する増幅器100gと、増幅器100gから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器100adと、A/D変換器100adから入力されたデジタル信号を処理するデジタルシグナルプロセッサ100dspと、デジタルシグナルプロセッサ100dspから出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器100daと、D/A変換器100daで変換されたアナログ信号をECU4に対して出力するための出力100outとを有する。
デジタルシグナルプロセッサ100dspは、ホールプレート100hl、100hl、100hr、100hrからの出力について演算をし、必要な情報については記憶する。デジタルシグナルプロセッサ100dspは、ホールプレート100hl、100hlの出力の加算、減算、ホールプレート100hr、100hrの出力の加算、減算をした後、その計算結果を用いて磁石110の回転角度を求めるが、詳細な算出方法は後述する。
(第1の実施の形態の動作)
図6は、ホールIC100の磁束検出動作を説明するための概略断面図である。
ホールIC100のホールプレートのうち、ホールプレート100hl及び100hlは、図面垂直方向において磁束密度を検出するが、磁束fの図面水平方向成分をB‖(Bx)とし、図面垂直方向成分をBzとしたとき、図面水平方向成分B‖が磁気コンセントレータ100slによって誘導されてB⊥として検出されるため、ホールプレート100hlは“B⊥‐Bz”を検出し、ホールプレート100hlは“‐B⊥‐Bz”を検出する。
そのため、信号処理部100spによって、ホールプレート100hlと100hlとの出力の差分をとれば、磁束密度2B⊥に比例した信号(以下、「Bxl」と言う。)が得られ、ホールプレート100hlと100hlとの出力の和をとれば、‐2Bzの磁束密度に比例した信号(以下、「Bzl」と言う。)が得られる。
なお、上記したホールプレート100hl及び100hlについての動作は、ホールプレート100hr及び100hrについても同様に説明でき、信号処理部100spによって、ホールプレート100hrと100hrとの出力の差分をとれば、磁束密度2B⊥に比例した信号(以下、「Bxr」と言う。)が得られ、ホールプレート100hrと100hrとの出力の和をとれば、‐2Bzの磁束密度に比例した信号(以下、「Bzr」と言う。)が得られる。
なお、ホールプレート100hlとホールプレート100hrとは2mm離されて配置されているため、それぞれは位置的に異なる磁場を検出する。従って、ホールプレート100hlとホールプレート100hrの出力の差分は、ΔBx=Bxl‐Bxr(第2の磁束密度差)、ΔBz=Bzl‐Bzr(第1の磁束密度差)として算出される。ΔBx及びΔBzは、磁石110の回転角度に伴い変化するものであり、その対応関係は図7及び図8を用いて説明される。
図7(a1)〜(a5)及び(b1)〜(b5)は、磁石110の回転角度とホールIC100が検出する磁束との関係を示した概略図であり、図7(a1)〜(a5)は正面図、図7(b1)〜(b5)は平面図である。
また、図8(a)及び(b)は、それぞれ磁石110の回転角度に対するホールIC100の出力ΔBz及びΔBxを示すグラフ図である。
磁石110の回転角度がθ=0°において(図7(a1)及び(b1))、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Bzl及びBzrは同等の数値となる。従って、ΔBz=0となる。また、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Bxl及びBxrは符号が反対で同等の数値となる。従って、ΔBxは負の最大値となる。
次に、磁石110の回転角度がθ=90°において(図7(a3)及び(b3))、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Bzl及びBzrは符号が反対で同等の数値となる。従って、ΔBzは正の最大値となる。また、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Bxl及びBxrは同等の数値となる。従って、ΔBx=0となる。
次に、磁石110の回転角度がθ=180°において(図7(a5)及び(b5))、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Bzl及びBzrは同等の数値となる。従って、ΔBz=0となる。また、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Bxl及びBxrは符号が反対で同等の数値となる(θ=0°の場合と逆向き)。従って、ΔBxは正の最大値となる。
以上のΔBz及びΔBxの振る舞いと、遷移状態であるθ=45°(図7(a2)及び(b2))、θ=135°(図7(a4)及び(b4))及びθ=180°〜360°を勘案すると、ΔBz及びΔBxと磁石110の回転角度θとの関係は、図8(a)及び(b)に示すように、ΔBzがsinθに比例し、ΔBxがcosθに比例したものとなる。
つまり、ΔBz/ΔBx=k・sinθ/cosθ=k・tanθとなるから、θ=arctan(K・ΔBz/ΔBx)となる。なお、kはΔBzとΔBxとの振幅の大きさを正規化するための定数であり、Kはkの逆数である。
信号処理部100spのデジタルシグナルプロセッサ100dspは、ホールプレート100hl、100hl、100hr、100hrからの出力をマルチプレクサ100mux、増幅器100g及びA/D変換器100adを介してデジタル信号として取得し、上記した演算方法に基づいて取得した出力からθを算出する。
デジタルシグナルプロセッサ100dspで算出されたθは、D/A変換器100daによってデジタル信号からアナログ信号に変換され、D/A変換器100daで変換されたアナログ信号は出力100outからECU4に対して出力される。
なお、θの算出にはk(又はK)を決定する必要があるため、デジタルシグナルプロセッサ100dspは、k(又はK)を決定するためのキャリブレーションモードを有する。キャリブレーションモードにおいて磁石110を360°回転させると、デジタルシグナルプロセッサ100dspはΔBz及びΔBxを記録する。次に、デジタルシグナルプロセッサ100dspは、それぞれの最大値であるΔBzmax及びΔBxmaxからk(又はK)を算出する。
また、デジタルシグナルプロセッサ100dspは、最大値であるΔBzmax及びΔBxmaxの決定方法の他の例として、ΔBz及びΔBxの(θ又は時間についての)微分、つまり傾きが0となる角度又はタイミングのΔBz及びΔBxからΔBzmax及びΔBxmaxを決定してもよい。
(第1の実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、ホールIC100は、2点間におけるx方向及びz方向の磁場の差分を利用して磁石110の回転を検出するため、回転する磁場について単一方向にホールプレートを配置すれば済み、複数方向に配置する必要がないため、従来に比べてICを小型化することができる。
また、磁石110の回転中心の直下にホールIC100を配置する必要がなく、回転中心からオフセットさせた位置に配置でき、従来に比べて配置についての制限を低減することができる。また、ホールIC100を回転中心からオフセットさせた位置に配置できるため、ステアリングシャフト20に円筒形状の磁石を設けて、当該磁石に対してホールIC100を配置することでギア部12を省略することができる。なお、円筒形状の磁石については後述する(図11(a)及び(b))。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、磁石110を半円の円筒形状とし、検出する回転角度を180°とした点で第1の実施の形態と異なり、バイクやスクーター等のスロットル装置に応用したものである。なお、第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付している。
図9は、第2の実施の形態の回転角検出装置の構成例を示す分解斜視図である。
スロットル装置8Aは、一例として、電動バイクのモーターの回転を制御するためのものであって、電動バイクの運転者によって把持されるスロットルグリップ2Aと、スロットルグリップ2Aの内壁と外壁が固定されてハンドルバー21Aの外壁と内壁が摺動して回転する円筒状のスリーブ200Aと、スリーブ200Aの一端に設けられて磁石110Aを固定するマウント201Aと、バイクを操舵するためのハンドルバー21Aと、図示しないスイッチやハーネス等を収容するとともにスリーブ200Aを回転可能に保持するケース上部220A及びケース下部221Aとからなるスイッチボックス22とを有する。
第2の実施の形態の回転角検出装置1Aは、基板(図示せず)上にホールIC100Aを実装した磁気検出部と、スロットルグリップ2Aと一体回転する半円の円筒形状の磁石110Aとを有する。なお、着磁方向を含む磁石110Aの構成は、後述する図11(a)又は(b)に示す。
上記構成において、電動バイクの運転者がスロットルグリップ2Aを回転させるとスリーブ200A及びマウント201Aに固定された磁石110Aが回転する。回転角検出装置1Aはスロットルグリップ2Aの回転角を検出し、検出した回転角に応じた検出信号を出力する。図示しないECU又はモーター制御装置は、回転角検出装置1Aから検出信号が入力されると、検出信号に応じて回転角度を算出し、電動バイクのモーターの回転を制御する。なお、スロットルグリップ2A及びスリーブ200Aは、ハンドルバー21Aを中心に180°未満で回転するものとし、図9は運転者がスロットルグリップ2Aを90°回転させた状態を示すものである。
(第2の実施の形態の効果)
上記した実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を電動バイクのスロットルに応用することができる。つまり、従来に比べてICを小型化した回転角検出装置1Aを電動バイクのスロットル装置8Aに適用することができる。また、回転中心からオフセットさせた位置に配置でき、従来に比べて配置についての制限を低減することができるため、ハンドルバー21Aが回転中心の空間を占める場合であっても回転角検出装置1Aを適用できる。
また、磁石110Aが円筒形状を二分割したものであるため、円筒形状の磁石(例えば、磁石110b(図11(a))又は磁石110c(図11(b)))に比べてハンドルバー21Aに対して取り付けることが容易であり、スロットル装置の設計変更を必要とせずに、又は従来のスロットル装置を構成する部品の代替部品として回転角検出装置1Aを導入することができる。
[変形例]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。例えば、磁石110及び磁石110Aを以下に示すものに置き換えてもよい。
図10(a)及び(b)は、磁石の着磁方向の変形例を示す斜視図である。
図10(a)に示す磁石110は、第1の実施の形態の磁石110と同様であり、他の磁石の変形例との比較のために示したものである。磁石110は、円柱形状の円柱の軸と直交する方向に着磁方向Dmを有する。
図10(b)に示す磁石110aは、円柱形状を円柱の軸を通る平面で二つの部分に分割したものであり、それぞれの部分の着磁方向Dmは円柱の軸方向に平行であって互いに逆方向とする。この構成によって、ホールIC100の磁気検出位置において、磁石110と同等の外部磁場が形成されるため、磁石110をそのまま磁石110aで置き換えてもよい。
図11(a)及び(b)は、磁石の形状及び着磁方向の変形例を示す斜視図である。
図11(a)に示す磁石110bは、円筒形状を有し、円筒形状の軸と直交する方向に着磁方向Dmを有する。この構成によって、ホールIC100の磁気検出位置において、磁石110と同等の外部磁場が形成されるため、磁石110をそのまま磁石110bで置き換えてもよい。
図11(b)に示す磁石110cは、円筒形状を有し、円筒形状を円筒の軸を通る平面で二つの部分に分割したものであり、それぞれの部分の着磁方向Dmは円筒の軸方向に平行であって互いに逆方向とする。この構成によって、ホールIC100の磁気検出位置において、磁石110と同等の外部磁場が形成されるため、磁石110をそのまま磁石110cで置き換えてもよい。
図12(a)及び(b)は、磁石の形状及び着磁方向の変形例を示す斜視図である。
図12(a)に示す磁石110dは、円筒形状を円筒の軸を通る平面で分割したものの一方であり、円筒形状の軸と直交する方向に着磁方向Dmを有する。この構成よって、円筒の軸を法線とする平面視において磁石110dとホールIC100が重なる回転角180°の範囲内で、磁石110と同等の外部磁場が形成されるため、磁石110dを上記回転角度の範囲内で用いる場合、磁石110dで置き換えてもよい。また、磁石110dは、第2の実施の形態の磁石110Aとして用いることができる。なお、磁石110dは半円だけでなく、任意の角度で形成してよく、円筒の軸を法線とする平面視において磁石110dとホールIC100が重なる回転角で回転角を検出できる。
図12(b)に示す磁石110eは、円筒形状を円筒の軸を通る平面で分割したものの一方であり、当該形状を円筒の軸を通る平面で3つの部分に分割したものであり、それぞれの部分の着磁方向Dmは円筒の軸方向に平行であって互いに逆方向とする。この構成よって、円筒の軸を法線とする平面視において磁石110eとホールIC100が重なる回転角の範囲内で、磁石110と同等の外部磁場が形成されるため、磁石110eを上記回転角度の範囲内で用いる場合、磁石110eで置き換えてもよい。また、磁石110eは、第2の実施の形態の磁石110Aとして用いることができる。なお、磁石110eは半円だけでなく、任意の角度で形成してよく、円筒の軸を法線とする平面視において磁石110eとホールIC100が重なる回転角で回転角を検出できる。
なお、磁石110、110a〜110e、110a1、110a2は、円柱形又は円筒形のものを示したが、任意の多角形柱形状でもよいし、回転角検出装置1又は1Aが検出する磁束密度が周期的に変化し、回転角を一意に定めることができるような変化であれば磁石の形状は問わない。
また、ホールIC100及びホールIC100Aを以下に示す配置としてもよい。
図13(a)〜(c)は、ホールIC100の配置の変形例を示す斜視図である。
図13(a)に示す磁石110に対するホールIC100の配置は、第1の実施の形態と同様であり、他のホールIC100の配置の変形例との比較のために示したものである。当該配置において、磁石110は、磁石110a(図10(b))、磁石110b(図11(a))、磁石110c(図11(b))、磁石110d(図12(a))又は磁石110e(図12(b))であってもよい。
図13(b)に示す磁石110に対するホールIC100の配置は、磁石110の円柱の軸からオフセットされている点では第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であるが、オフセット量が円柱の半径より大きく、円柱の軸を法線とする平面視において磁石110を回転させても磁石110とホールIC100が重ならない点で異なる。当該配置において、磁石110は、磁石110b(図11(a))又は磁石110d(図12(a))であってもよい。
図13(c)に示す磁石110に対するホールIC100の配置は、磁石110の円柱の軸からオフセットされている点では第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様であるが、オフセット量が円柱の半径より大きく、円柱の軸を法線とする平面視において磁石110を回転させても磁石110とホールIC100が重ならならず、ホールIC100の磁気検出方向が磁石110の円周方向であって、z方向の配置が磁石110の円柱の上面と底面との間である点で異なる。当該配置において、磁石110は、磁石110b(図10(b))又は磁石110d(図12(a))であってもよい。
また、回転角検出装置1及び回転角検出装置1Aの検出する回転角度に応じて磁石110及び磁石110Aを以下に示すものに置き換えてもよい。
図14(a)〜(c)は、検出角度と磁石の着磁方向の変形例を示す斜視図である。
図14(a)に示す磁石110aは、図10(b)に示す磁石110aと同様であり、他の磁石の変形例との比較のために示したものである。磁石110aは、円柱形状を円柱の軸を通る平面で二つの部分に分割したものであり(分割:1/2)、それぞれの部分の着磁方向Dmは円柱の軸方向に平行であって互いに逆方向とする。第1の実施の形態に示したとおり、この磁石110aを用いることで検出可能な回転角検出装置1の回転角は360°である。
図14(b)に示す磁石110a1は、円柱形状を円柱の軸を通る平面で4つの部分に分割したものであり(分割:1/4)、それぞれの部分の着磁方向Dmは円柱の軸方向に平行であって互いに逆方向とする。ホールIC100の磁気検出位置において磁石110a1が形成する磁場は180°周期となるため、この磁石110a1を用いることで検出可能な回転角検出装置1の回転角は180°である。
図14(c)に示す磁石110a2は、円柱形状を円柱の軸を通る平面で8つの部分に分割したものであり(分割:1/8)、それぞれの部分の着磁方向Dmは円柱の軸方向に平行であって互いに逆方向とする。ホールIC100の磁気検出位置において磁石110a2が形成する磁場は90°周期となるため、この磁石110a2を用いることで検出可能な回転角検出装置1の回転角は90°である。
なお、上記した図14(a)〜(c)に示した分割数と検出角との関係は、磁石110(図10(a))、磁石110b(図11(a))及び磁石110c(図11(b))についても同様である。また、磁石110d(図12(a))又は磁石110e(図12(b))の場合は検出角がさらに1/2となる。
また、上記した磁石110a、110c、110e、110a1、110a2は磁石の各部を異なる着磁方向としたものであるが、複数の磁石を用意し、隣り合う磁石の着磁方向が異なるように配置して全体を樹脂等でモールドして同様の磁界を生じるように構成してもよい。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、y方向の磁束密度を検出するホールプレートの対を追加し、y方向の磁束密度の差及びx方向の磁束密度の差に基いて磁石の回転角を検出するように構成した点で第1の実施の形態と異なり、第3の実施の形態のホールICを第1の実施の形態の回転角検出装置1に適用する。なお、第3の実施の形態のホールICを第2の実施の形態の回転角検出装置1Aに適用してもよい。
図15(a)〜(c)は、第3の実施の形態に係るホールICの構成を示す斜視図、平面図及び断面図である。
ホールIC100Bは、基板100bと、基板100b上に設けられて基板100bの表面と平行な検出面を有し、磁気検出素子として検出方向を基板100b表面の法線方向とするホールプレート100hl、100hl(総じて「ホールプレート100hlx」と呼ぶ場合がある。)とホールプレート100hl、100hl(総じて「ホールプレート100hly」と呼ぶ場合がある。)とからなる2対の磁気検出素子(第1の2対の磁気検出素子)及びホールプレート100hr、100hr(総じて「ホールプレート100hrx」と呼ぶ場合がある。)とホールプレート100hr、100hr(総じて「ホールプレート100hry」と呼ぶ場合がある。)とからなる2対の磁気検出素子(第2の2対の磁気検出素子)と、ホールプレート100hlx、100hly上にそれぞれの一部が重なるように基板100b上に設けられて法線方向と直交する方向の磁束を法線方向に変換してホールプレートホールプレート100hlx、100hlyに検出させる磁気コンセントレータ100slと、ホールプレート100hrx、100hry上にそれぞれの一部が重なるように基板100b上に設けられて法線方向と直交する方向の磁束を法線方向に変換してホールプレートホールプレート100hrx、100hryに検出させる磁気コンセントレータ100srと、ホールプレート100hlx、100hly、100hrx、100hryの出力する信号を処理する信号処理部を有し、次に説明する信号処理によってy方向及びx方向の磁束密度を検出する。
なお、y方向の磁束密度の検出動作は、図6で説明したx方向の磁束密度の検出動作と同様であり、磁束fの図面水平方向成分B‖をByとすることで説明される。
図16(a)及び(b)は、それぞれ磁石の回転角度に対するホールICの出力ΔBy及びΔBxを示すグラフ図である。なお、磁石の回転角度と形成される磁場との関係は、第1の実施の形態と同様であるため、図7を参照して説明する。
磁石110の回転角度がθ=0°において(図7(a1)及び(b1))、ホールプレート100hlyとホールプレート100hryがそれぞれ検出する磁場Byl及びByrは同等の数値となる。従って、ΔBy=0となる。また、ホールプレート100hlxとホールプレート100hrxがそれぞれ検出する磁場Bxl及びBxrは符号が反対で同等の数値となる。従って、ΔBxは負の最大値となる。
次に、磁石110の回転角度がθ=90°において(図7(a3)及び(b3))、ホールプレート100hlyとホールプレート100hryがそれぞれ検出する磁場Byl及びByrは符号が反対で同等の数値となる。従って、ΔByは正の最大値となる。また、ホールプレート100hlxとホールプレート100hrxがそれぞれ検出する磁場Bxl及びBxrは同等の数値となる。従って、ΔBx=0となる。
次に、磁石110の回転角度がθ=180°において(図7(a5)及び(b5))、ホールプレート100hlとホールプレート100hrがそれぞれ検出する磁場Byl及びByrは同等の数値となる。従って、ΔBy=0となる。また、ホールプレート100hlxとホールプレート100hrxがそれぞれ検出する磁場Bxl及びBxrは符号が反対で同等の数値となる(θ=0°の場合と逆向き)。従って、ΔBxは正の最大値となる。
以上のΔBy及びΔBxの振る舞いと、遷移状態であるθ=45°(図7(a2)及び(b2))、θ=135°(図7(a4)及び(b4))及びθ=180°〜360°を勘案すると、ΔBy及びΔBxと磁石110の回転角度θとの関係は、図16(a)及び(b)に示すように、ΔByがsinθに比例し、ΔBxがcosθに比例したものとなる。
つまり、ΔBy/ΔBx=k’・sinθ/cosθ=k’・tanθとなるから、θ=arctan(K’・ΔBy/ΔBx)となる。なお、k’はΔByとΔBxとの振幅の大きさを正規化するための定数であり、K’はk’の逆数である。
(第3の実施の形態の効果)
上記した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を、x方向及びy方向の磁束密度を検出することで達成することができる。
1、1A :回転角検出装置
2 :ステアリングホイール
2A :スロットルグリップ
3 :モーター
4 :ECU
5 :ピニオンギア
6 :車輪
8 :ステアリングシステム
8A :スロットル装置
10 :磁気検出部
12 :ギア部
20 :ステアリングシャフト
21 :コラムシャフト
21A :ハンドルバー
22 :スイッチボックス
30 :減速ギア
50 :ラック軸
100、100A、100B:ホールIC
100ad :A/D変換器
100b :基板
100da :D/A変換器
100dsp :デジタルシグナルプロセッサ
100g :増幅器
100hl、100hr:ホールプレート
100mux :マルチプレクサ
100out :出力
100sl :磁気コンセントレータ
100sp :信号処理部
101 :基板
100sl、100sr:磁気コンセントレータ
110、110A:磁石
110a〜110e:磁石
110a1 :磁石
110a2 :磁石
120 :ギア
120a :軸
121 :ギア
121a :軸
122 :ギア
200A :スリーブ
201A :マウント
220A :ケース上部
221A :ケース下部

Claims (15)

  1. 回転する磁石と、
    検出面の法線を前記磁石の回転軸方向と平行とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記回転軸上以外であって前記磁石と重なる領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
  2. 前記信号処理部は、前記第1の一対の磁気検出素子の出力及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力から、前記回転軸方向の第1の磁束密度差と、前記回転の円周方向の第2の磁束密度差とを求め、当該第1の磁束密度差と当該第2の磁束密度差とに基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する請求項1に記載の回転角検出装置。
  3. 前記信号処理部は、前記第1の磁束密度差と前記第2の磁束密度差の振幅の変化率に基づいて前記第1の磁束密度差の振幅の最大値と前記第2の磁束密度差の振幅の最大値を求め、当該第1の磁束密度差の振幅の最大値と当該第2の磁束密度差の振幅の最大値に応じて当該第1の磁束密度差の振幅と当該第2の磁束密度差の振幅とを正規化する請求項2に記載の回転角検出装置。
  4. 回転する磁石と、
    検出面の法線を前記磁石の回転軸方向と平行とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記回転軸上以外であって前記磁石と重なる領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の2対の磁気検出素子と、前記第1の2対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の2対の磁気検出素子と、前記第1の2対の磁気検出素子及び前記第2の2対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
  5. 前記信号処理部は、前記第1の2対の磁気検出素子の出力及び前記第2の2対の磁気検出素子の出力から、前記回転の径方向の第3の磁束密度差と、前記回転の円周方向の第2の磁束密度差とを求め、当該第3の磁束密度差と当該第2の磁束密度差とに基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する請求項4に記載の回転角検出装置。
  6. 前記信号処理部は、前記第3の磁束密度差と前記第2の磁束密度差の振幅の変化率に基づいて前記第3の磁束密度差の振幅の最大値と前記第2の磁束密度差の振幅の最大値を求め、当該第3の磁束密度差の振幅の最大値と当該第2の磁束密度差の振幅の最大値に応じて当該第3の磁束密度差の振幅と当該第2の磁束密度差の振幅とを正規化する請求項5に記載の回転角検出装置。
  7. 前記磁石は、前記回転軸と直交する方向に着磁方向を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転角検出装置。
  8. 前記磁石は、前記回転軸を通る平面で二つの部分に分割され、二つの部分は前記回転軸方向に平行であって互いに逆方向に着磁される請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転角検出装置。
  9. 前記磁石は、検出する回転角度に応じて前記回転軸を通る平面で複数の部分に分割され、前記複数の部分は前記回転軸方向に平行であって互いに逆方向に着磁される請求項1〜6のいずれか1項に記載の回転角検出装置。
  10. 前記磁石は、前記中心軸を中心に一部の角度のみ形成される請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転角検出装置。
  11. 回転する磁石と、
    検出面の法線を前記磁石の回転軸方向と平行とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記磁石と重ならない領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
  12. 回転する磁石と、
    検出面の法線を前記磁石の回転軸に対する円周方向とし、前記回転軸方向を法線方向とする平面視において前記磁石と重ならない領域に配置され、前記回転軸と直交する方向を法線とする平面視において前記磁石と重なる領域に配置され、前記磁石の磁束を検出する第1の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子と前記回転の円周方向に予め定めた間隔を設けて配置される第2の一対の磁気検出素子と、前記第1の一対の磁気検出素子及び前記第2の一対の磁気検出素子の出力に基づいて前記磁石の回転角度に対応する信号を出力する信号処理部とを備えた磁気検出ICとを有する回転角検出装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記回転角検出装置を備えた姿勢制御装置。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記回転角検出装置を備えた自動操舵装置。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の前記回転角検出装置を備えたスロットル装置。


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