JP2019007512A - 車両用手動変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用手動変速機において、カウンタ軸と出力軸との間で減速を行うアウトプット・リダクションギヤ・タイプに関し、クラッチを解放した前進走行中の歯車の歯打ち音を減少が可能となる手動変速機を提供する。【解決手段】エンジン12の駆動力を用いた前進走行においてカウンタ軸24の回転軸心CL2方向に生じるスラスト力と反対方向にカウンタ軸24が移動した場合に、カウンタ軸24と摺接する摺接部材72をケース44に設置するとともに、クラッチ16を解放したり、車両用手動変速機14をニュートラルとした惰性走行において、カウンタ軸24を摺接部品に押圧する弾性部材78をもうけることによって、惰性走行時の歯車の歯打ち音を減少することが可能となる。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用歯車式変速機において、特にカウンタ軸と出力軸との間で減速を行うアウトプット・リダクションギヤ・タイプの手動変速機に関するものである。
手動変速機において、入力軸に入力された回転駆動力を減速歯車によって一定の減速比で減速してカウンタ軸に入力し、前記カウンタ軸と出力軸との間に配設された変速歯車対によって出力軸に所定の変速比の回転を与えるインプット・リダクションギヤ・タイプ、すなわち入力軸側に減速歯車対を有する常時噛合型平行軸式変速機が知られている。このタイプの歯車式減速機においては、減速されることによって大きなトルクがカウンタ軸と出力軸とに入力されるため各軸の径および変速歯車対の歯幅を大きくする必要が生じ、小型化が難しい等の状況が生じていた。これに対して、例えば、特許文献1においては、アウトプット・リダクションギヤ・タイプ、すなわち出力軸側に減速歯車対を有する常時噛合型平行軸式変速機が提案されている。これによれば、カウンタ軸に入力されるトルクを減少することが可能となり、変速歯車対、変速歯車対の同期装置、およびカウンタ軸の径を小さくすることが可能となり歯車式減速機の小型化が可能とされている。
しかし、前述の従来の常時噛合型平行軸式変速機においては、たとえば燃費の改善等を目的とするクラッチを解放したり、手動変速機をニュートラルとした惰性走行において、駆動輪の回転速度の変化を生じる路面からの回転変動入力によって、カウンタ軸と出力軸との間に配設されている減速歯車対に、ギヤ部のガタ打ち音とも言われるギヤの歯打ち音が生じる場合があるという問題があった。これに対して、減速歯車対のギヤのバックラッシュ、すなわちギヤ間の隙間を減少させることによって歯打ち音を低減することが考えられる。したがって、バックラッシュの減少には、減速歯車間に引き摺り力を与えることが有効である。例えば、カウンタ軸と共に回転するギヤの端面に歯車式減速機のケース(ハウジング)との摩擦構造を設けたり、カウンタ軸と共に回転するギヤに同期装置を押し付けたり、高粘度オイルを用いたりするといった方法が考えられる。しかし、上記のいずれの方法においても、歯打ち音は減少するが、燃費の増加を招く虞が生じることとなる。このため、燃費の増加を生じることなしに、クラッチを解放したり、手動変速機をニュートラルとした惰性走行において、歯打ち音の減少に有効な方法が望まれていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、クラッチを解放したり、手動変速機をニュートラルとした惰性走行において、燃費の増加を招くことなく、減速歯車間の歯打ち音を減少することのできる手動変速機を提供することにある。
第1発明の要旨とするところは、(a)駆動力源からクラッチを介して駆動力が入力される入力軸と、前記入力軸と同一の回転軸心上に配設された出力軸と、前記入力軸および前記出力軸とに平行に配設されたカウンタ軸と、前記入力軸と前記カウンタ軸との間に介設された互いに噛合する歯車対をそれぞれ有し、前記歯車対の一方の歯車が前記入力軸もしくは前記カウンタ軸に対して回転自在に支持される前記複数の変速歯車対と、回転自在に支持されている前記歯車を変速段に対応して前記歯車を支持する軸に固定する同期装置と、前記カウンタ軸と前記出力軸との間に前記カウンタ軸の回転速度を減速して出力軸に伝達する減速歯車対と、を有する車両用手動変速機であって、(b)前記カウンタ軸は前記カウンタ軸の回転軸心方向に所定距離内で移動可能にケース内に設けられ、(c)前記駆動力源を用いた前進走行中に前記カウンタ軸の回転軸心方向に生じるスラスト力と反対方向に前記カウンタ軸が移動した場合に、前記カウンタ軸が摺接する摺接部材がケースに配設され、(d)前記駆動力源と前記出力軸との間が切り離された惰性走行において、前記カウンタ軸を前記摺接部材に摺接することが可能な前記カウンタ軸の回転軸心方向へ付勢する弾性部材が配設されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、前記カウンタ軸は前記カウンタ軸の回転軸心方向に所定距離内で移動可能にケース内に設けられ、前記駆動力源を用いた前進走行中に前記カウンタ軸の回転軸心方向に生じるスラスト力と反対方向に前記カウンタ軸が移動した場合に、前記カウンタ軸が摺接する摺接部材がケースに配設され、前記駆動力源と前記出力軸との間が切り離された惰性走行において、前記カウンタ軸を前記摺接部材に摺接することが可能な前記カウンタ軸の回転軸心方向へ付勢する弾性部材が配設されている。これによって、前記駆動力源の駆動力を用いた前進走行において前記カウンタ軸に加えられる正トルクによる前記カウンタ軸の回転によって、前記カウンタ軸に所定方向のスラスト力が生じるため、前記カウンタ軸と前記摺接部材との接触が生じないため燃費の増加を招く虞が無い。また、クラッチを解放したり、前記車両用手動変速機をニュートラルとした惰性走行において、駆動輪の回転速度の変化を生じる路面からの回転変動入力が生じたとしても、前記弾性部材によって前記カウンタ軸が前記摺接部材と接触することによって前記カウンタ軸に引き摺り力が生じるため、減速歯車対のギヤに生じる歯打ち音が抑制される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が好適に適用される車両10の駆動装置及びその制御系の一部を模式的に示す図である。図1に示すように、車両10の駆動装置は、駆動力源であるエンジン12及び常時噛合型平行軸式手動変速機(以下、手動変速機という)14を備えるとともに、エンジン12と手動変速機14との間の動力伝達系路に、クラッチ16を備えている。すなわち、エンジン12のクランク軸18と、手動変速機14の入力軸20との間の動力伝達経路を断接可能にクラッチ16が設けられている。車両10において、エンジン12により発生させられた駆動力は、クラッチ16を介して手動変速機14に伝達される。そして、手動変速機14により変速された駆動力が出力軸22を介して、図示しない差動装置等および左右の駆動輪へ伝達される。
エンジン12は、車両10の走行用駆動力を発生させる駆動力源であり、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。クラッチ16は、たとえば、乾式単板クラッチから構成され、通常は係合状態とされてエンジン12と手動変速機14との間の動力伝達経路を接続する一方、クラッチペダル28の踏込操作によりスリップ状態或いは解放状態とされ、前記エンジン12と手動変速機14との間の動力伝達経路を切断(遮断)する。すなわち、クラッチ16は、エンジン12から出力される動力の手動変速機14への伝達を断接する装置である。手動変速機14は、運転者によるシフトレバー26の手動操作により複数の変速段を選択的に成立させることにより、エンジン12から入力される回転を所定の変速比γで減速或いは増速して出力する機械式の有段変速機構である。前記手動変速機14は、例えば、第1速「1st」から第6速「6th」までの6段階の前進変速段、後進変速段、及びニュートラルのうち何れかが選択的に成立させられる。すなわち、車両10は、運転者によるシフトレバー26の手動操作により複数の変速段を選択的に成立させる手動変速機14を備えたマニュアルトランスミッション車両である。
また、車両10は、その車両10に関する各種制御を行うための電子制御装置42を備えている。この電子制御装置42は、例えばCPU、RAM、ROM、入力インターフェイス等を備えた所謂マイクロコンピュータであり、そのCPUによりRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号の処理を行うことにより、エンジン12の出力制御をはじめとする各種制御を実行するように構成されている。
電子制御装置42からは、車両10に備えられた各種装置の作動を制御するための信号が出力されるように構成されている。すなわち、エンジン12の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号として、例えばアクセル開度Acc(%)に応じて電子スロットル弁の開閉を制御するためのスロットルアクチュエータを駆動する信号、燃料噴射装置42から噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、及びエンジン12の点火時期を制御するための点火時期信号等が出力されるようになっている。
車両10においては、図1に示すように、各種センサやスイッチ等からそれぞれの検出値を示す信号が電子制御装置42へ供給されるように構成されている。すなわち、アクセル開度センサ32からたとえばアクセルペダル32の踏込み操作の有無乃至踏込量(アクセル開度)Acc(%)を表す信号、ブレーキスイッチ36からブレーキペダル30の作動Bonを表す信号、クラッチストロークセンサ34からクラッチペダル28の踏込操作の有無乃至操作量(踏込量)Cst(mm)を表す信号、セレクト位置センサ33からシフトレバー26のシフト乃至セレクトストローク、すなわちシフトレバーの位置を表す信号Sstが、それぞれ電子制御装置42へ供給されるようになっている。操作ペダルである、アクセルペダル28、ブレーキペダル30、クラッチペダル32およびシフトレバー26の操作、操作量は電気的な信号で供給されており、バイワイヤ方式とも呼ばれている。電子制御装置42は、これらの各種センサやスイッチ等からの信号に基づいて油圧制御回路40の作動を制御するための指令信号を出力しており、油圧制御回路40は、図示されていないクラッチアクチュエータを制御することによってクラッチ16の操作、および手動変速機14の変速段の切換を実施する。
図2は、手動変速機14の構成を概略的に示す図である。手動変速機14は、ケース44(ハウジング)に設けられた軸受66と出力軸22に設けられた軸受73とによって第1回転軸心CL1まわりに回転可能に支持された入力軸20と、その入力軸20と同軸であり、また軸受72を介してケース44に対してその軸心まわりの相対回転可能に支持された出力軸22と、それら入力軸20及び出力軸22と並列に設けられ軸受68および軸受70によってケース44により、第1回転軸心CL1と平行な第2回転軸心CL2まわりに回転可能に支持されたカウンタ軸24との3つの回転軸を、ケース44内に備えている。クラッチ16の係合時において、入力軸20はエンジン12からの出力により常に回転させられる。また、出力軸22およびカウンタ軸24は車両停止時には回転させられない一方、車両走行時においては回転させられる。
手動変速機14は、例えば、運転席近傍に設けられたシフトレバー26の操作に応じて複数の変速段を選択的に成立させる有段変速機である。すなわち、手動変速機14には、カウンタ軸24と出力軸22との間に相互に常時噛み合わされた減速歯車対46が設けられている。また、入力軸20とカウンタ軸24との間には、相互に常時噛み合わされ且つギヤ比が異なる複数組の変速歯車対48、50、52、54、56が設けられており、それら複数の変速歯車対の何れかを選択し変速段を切り換える同期装置60a、60b、60c(以下、特に区別しない場合には単に同期装置60という)を更に備えている。斯かる構成により、例えば、前進6段の変速段が選択的に成立させられるようになっている。
前記手動変速機14において、前記入力軸20及びカウンタ軸24には、後進走行のための後進歯車対62が設けられると共に、その後進歯車対62における入力軸20側のギヤ62aとカウンタ軸24側のギヤ62bとの間に図示しない遊転ギヤが噛み合わされている。また、後進ギヤ62に対応して同期装置58が設けられており、その同期装置58によりカウンタ軸24側のカウンタギヤ62bのカウンタ軸24に対する相対回転が阻止されることで後進変速段が成立させられるようになっている。本実施例においては、図2に示すように、この後進歯車対62における入力軸20側のギヤ62aと、第1変速段における変速入力軸20側のギヤ62aとは共通のギヤとされている。なお、同期装置58は、互いに異なる回転速度で回転する回転部材を摩擦力によって同期させ、円滑な変速を実行するために設けられている。その構造については公知であるため説明を省略する。
第1変速段における変速歯車対48(以降、第1変速歯車対48という)は、カウンタ軸24上に相対回転可能に支持されている1速カウンタギヤ48bと、そのカウンタギヤ48bと常時噛み合い、入力軸20と一体に形成されているギヤ62aとから構成されている。同期装置60aによって、1速カウンタギヤ48bとカウンタ軸24との相対回転が阻止されると、変速比(入力軸20の回転速度/出力軸22の回転速度)が最も大きい第1変速段が成立させられる。
第2変速歯車対50は、カウンタ軸24上に相対回転可能に支持されている2速カウンタギヤ50bと、そのカウンタギヤ50bと常時噛み合い、入力軸20と一体に形成されているギヤ50aとから構成されている。同期装置60aによって、2速カウンタギヤ50bとカウンタ軸24との相対回転が阻止されると、変速比が2番目に大きい第2変速段が成立させられる。
第3変速歯車対52は、入力軸20上に相対回転可能に支持されている3速ギヤ52aと、その3速ギヤ52aと常時噛み合い、カウンタ軸24と一体に形成されているカウンタギヤ52bとから構成されている。同期装置60bによって、3速ギヤ52aと入力軸20との相対回転が阻止されると、3速ギヤ52aとカウンタギヤ52bとによってギヤ比が定まり、変速比が3番目に大きい第3変速段が成立させられる。
第4変速歯車対54は、入力軸20上に相対回転可能に支持されている4速ギヤ54aと、その4速ギヤ54aと常時噛み合い、カウンタ軸24と一体に形成されているカウンタギヤ54bとから構成されている。同期装置60bによって、4速ギヤ54aと入力軸20との相対回転が阻止されると、4速ギヤ54aとカウンタギヤ54bとによってギヤ比が定まり、変速比が4番目に大きい第4変速段が成立させられる。
第5変速段は、同期装置60cによって成立させられる。出力軸22と一体に形成されている出力ギヤ46aは、カウンタ軸24と一体に形成されているカウンタギヤ46bと常時噛み合った状態にあり、同期装置60cによって出力軸22と一体に形成されている出力ギヤ46aの入力軸20との相対回転が阻止されると、入力軸20と出力軸22とが直結されて変速比が1である第5変速段が成立させられる。
第6変速歯車対56は、入力軸20上に相対回転可能に支持されている6速ギヤ56aと、その6速ギヤ56aと常時噛み合い、カウンタ軸24と一体に形成されているカウンタギヤ56bとから構成されている。同期装置60cによって、6速ギヤ56aと入力軸20との相対回転が阻止されると、6速ギヤ56aとカウンタギヤ56bとによってギヤ比が定まり、変速比が最も小さい第6変速段が成立させられる。
図3は、カウンタ軸24の出力軸22側の端部を拡大して示した図である。カウンタ軸24は、図2に示されている軸受68と図3に示された軸受70とによって第2回転軸心CL2まわりに回転可能に、且つ第2回転軸心CL2方向に所定距離移動可能に支持されている。減速歯車対46のカウンタギヤ46bの側面とケース44aとの間には摺接部材72が配設され、摺接部材72は、ケース44aに固設されている。第2回転軸心CL2と平行にA方向として示されているのは、車両10がクラッチ16を係合してエンジン12の出力トルク(正トルク)により前進走行した場合に、カウンタ軸24に生じるスラスト力の方向である。手動変速機14の歯車として用いられるインボリュート歯形のはすば歯車は、ギヤの噛合いにおける回転方向へのトルクの伝達時に、第2回転軸心CL2方向にスラスト力を生じる。このため、クラッチ16を係合するとともに、手動変速機14を前進変速段とし、エンジン12の出力トルクを用いた前進走行(パワーオン走行)、すなわち正トルクで走行した場合に、カウンタ軸24は、正トルクによるカウンタ軸24の回転によりA方向に生じるスラスト力によってA方向に所定の距離を移動され、ケース44aに固設された摺接部材72とは接触しないように設定されている。
図4は、カウンタ軸24の入力軸20側の端部を拡大して示した図である。ケース44は、2つの部分44a、44bから成り、合わせ面46cによって一体とされている。カウンタ軸24は、軸受68と図3に示された軸受70とによって第2回転軸心CL2まわりに回転可能に支持されている。軸受68の内輪68aは、第2回転軸心CL2方向に移動不能にカウンタ軸24にしまり嵌めされている。一方、軸受68の外輪68bは、ケース44aおよび44bと第2回転軸心CL2方向に移動可能に嵌合されている。軸受68の外輪68bには、位置決め用の止め輪74が固設され、この止め輪74がケース44に形成された環状の位置決め溝76に嵌め入れられることによって第2回転軸心CL2方向の出力軸22側への移動が規制されている。軸受68とケース44bとの間には、弾性部材としての皿バネ78が与圧状態で設置されており、カウンタ軸24は、第2回転軸心CL2方向に図3に示されたスラスト方向であるA方向と逆向き、すなわちB方向への力を皿バネ78から付勢される。これにより、車両10のエンジン12の駆動力を用いた前進加速走行、すなわち正トルク走行では、カウンタ軸24は、皿バネ78の付勢力に抗して入力軸20側に移動させられるので、カウンタ軸24は、摺接部材72とは接触せず、駆動力の伝達効率を低下させない。しかし、クラッチ16を解放したり、手動変速機14をニュートラルとしたエンジン12と出力軸22との間の動力伝達経路が切り離された惰性走行において、カウンタ軸24は、皿バネ78の付勢力にしたがって摺動部材72と摺接させられて、減速歯車対46の歯打ち音が抑制される。
本実施例によれば、エンジン12からクラッチを介して駆動力が入力される入力軸20と、入力軸20と同一の第1回転軸心CL1上に配設された出力軸22と、入力軸20および出力軸22とに平行に配設されたカウンタ軸24と、入力軸20とカウンタ軸24との間に介設された互いに噛合する歯車対48、50、52、54、56をそれぞれ有し、歯車対48、50、52、54、56の一方の歯車が入力軸20もしくはカウンタ軸24に対して回転自在に支持される複数の変速歯車対48、50、52、54、56と、回転自在に支持されている歯車48b、50b、52a、54a、56aを変速段に対応して歯車48b、50b、52a、54a、56aを支持する軸20、24に固定する同期装置60a、60b、60cと、カウンタ軸24と出力軸22との間にカウンタ軸24の回転速度を減速して出力軸22に伝達する減速歯車対46と、を有する手動変速機14であって、カウンタ軸24はカウンタ軸24の第2回転軸心CL2方向に所定距離内で移動可能にケース44内に設けられ、エンジン12を用いた前進走行中にカウンタ軸24の第2回転軸心CL2方向に生じるスラスト力と反対方向にカウンタ軸24が移動した場合に、カウンタ軸24が摺接する摺接部材72がケース44に配設され、エンジン12と出力軸22との間が切り離された惰性走行において、カウンタ軸24を摺接部材72に摺接することが可能なカウンタ軸24の第2回転軸心CL2方向へ付勢する皿バネ78が配設されている。これによって、エンジン12の駆動力を用いた前進走行(パワーオン走行)において、カウンタ軸24は摺接部材72とは接触しないため燃費の増加が抑制される。また、クラッチ16を解放したり、手動変速機14をニュートラルとした惰性走行において、駆動輪の回転速度の変化を生じる路面からの回転変動入力が生じたとしても、弾性部材78である皿バネ78によってカウンタ軸24が摺接部材72と摺接することによってカウンタ軸24に引き摺り力が生じ、これによって減速歯車対46のギヤに生じる歯打ち音の減少が可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適応される。
前述の実施例において、ケース44aに固設されている摺接部材72と、カウンタ軸24と一体に形成されている減速歯車46bとが摺接するものとしたが、特にこれに限らず、例えば図3におけるカウンタ軸24の右側端部とケース44aとの間、もしくはカウンタ軸24と一体に形成されている変速ギヤ52b、54b、56bとケース44aとの間に設置されるものであっても良い。また、図3においては、摺接部材72をカウンタ軸24の周方向の一部に設置するものであったが、たとえば摺接部材72をカウンタ軸24の周方向に連続した環状の形状としても良い。
また、前述の実施例において、弾性部材78を皿バネ78としたが、特にこれに限らず、例えば、コイル状のバネ等を用いても良い。また、弾性部材を軸受68の移動可能に設定された外輪68bを押圧するものとしたが、例えばカウンタ軸24を直接押圧するものとしても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン(駆動力源)
14:車両用手動変速機
16:クラッチ
20:入力軸
22:出力軸
24:カウンタ軸
44:ケース
46:減速歯車対
48、50、52、54、56:変速歯車対
60a、60b、60c:同期装置
72:摺接部材
78:皿バネ(弾性部材)
CL1:第1回転軸心(入力軸の軸心)
CL2:第2回転軸心(カウンタ軸の軸心)
14:車両用手動変速機
16:クラッチ
20:入力軸
22:出力軸
24:カウンタ軸
44:ケース
46:減速歯車対
48、50、52、54、56:変速歯車対
60a、60b、60c:同期装置
72:摺接部材
78:皿バネ(弾性部材)
CL1:第1回転軸心(入力軸の軸心)
CL2:第2回転軸心(カウンタ軸の軸心)
Claims (1)
- 駆動力源からクラッチを介して駆動力が入力される入力軸と、前記入力軸と同一の回転軸心上に配設された出力軸と、前記入力軸および前記出力軸とに平行に配設されたカウンタ軸と、前記入力軸と前記カウンタ軸との間に介設された互いに噛合する歯車対をそれぞれ有し、前記歯車対の一方の歯車が前記入力軸もしくは前記カウンタ軸に対して回転自在に支持される前記複数の変速歯車対と、回転自在に支持されている前記歯車を変速段に対応して前記歯車を支持する軸に固定する同期装置と、前記カウンタ軸と前記出力軸との間に前記カウンタ軸の回転速度を減速して出力軸に伝達する減速歯車対と、を有する車両用手動変速機であって、
前記カウンタ軸は前記カウンタ軸の回転軸心方向に所定距離内で移動可能にケース内に設けられ、
前記駆動力源を用いた前進走行中に前記カウンタ軸の回転軸心方向に生じるスラスト力と反対方向に前記カウンタ軸が移動した場合に、前記カウンタ軸が摺接する摺接部材がケースに配設され、
前記駆動力源と前記出力軸との間が切り離された惰性走行において、前記カウンタ軸を前記摺接部材に摺接することが可能な前記カウンタ軸の回転軸心方向へ付勢する弾性部材が配設されている
ことを特徴とする車両用手動変速機。
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Cited By (1)
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WO2022118896A1 (ja) * | 2020-12-01 | 2022-06-09 | 株式会社アイシン | 車両用駆動装置 |
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2017
- 2017-06-21 JP JP2017121707A patent/JP2019007512A/ja active Pending
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WO2022118896A1 (ja) * | 2020-12-01 | 2022-06-09 | 株式会社アイシン | 車両用駆動装置 |
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