JP2019007355A - 作業機 - Google Patents

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カチマーチク アンドレアス
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ディッチェ ブルクハード
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アイクベルグ トビアス
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【課題】様々な状況に応じて作業を行うことができるようにする。【解決手段】作業機は、作業装置を連結可能な車体と、車体に設けられ且つ最大出力を変更可能な原動機と、を備えている。作業機は、原動機の最大出力を変更する変更指令を取得可能な変更取得部を有し且つ原動機を制御する制御装置を備え、制御装置は、変更取得部が変更指令を取得した場合に、最大出力を変更する。制御装置は、原動機の回転数と出力との関係を示す標準制御マップと、標準制御マップとは別に回転数と出力との関係を示す変更制御マップとを記憶する記憶部と、変更取得部が変更指令を取得していない場合に標準制御マップに基づいて原動機を制御する標準制御部と、変更取得部が変更指令を取得した場合に変更制御マップに基づいて原動機を制御する変更制御部と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、原動機を備えた作業機に関する。
従来、エンジンを備えたトラクタとして特許文献1に示された技術が知られている。特許文献1のトラクタは、耕深を行う自動耕深制御モードと作業装置を昇降するドラフト制御モードとを備え、自動耕深モードでは、エンジンの最大トルクをエンジン回転数に対して高速側に設定し、ドラフト制御モードでは、最大トルクをエンジン回転数に対して低速側に設定している。
特許3295411号公報
特許文献1のトラクタでは、エンジン回転数に対するエンジンの最大トルクを、自動耕深制御モードとドラフト制御モードとで変更することによって作業をスムーズに行えるようにしている。しかしながら、エンジン回転数に対する最大トルクの変更する以外の方法で、作業に対応した駆動力を発生させることができないのが実情であり、より様々な状況に応じて作業を行うのが困難であった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、様々な状況に応じて作業を行うことができる作業機を提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
作業機は、作業装置を連結可能な車体と、前記車体に設けられ且つ最大出力を変更可能な原動機と、
を備えている。
作業機は、前記原動機の最大出力を変更する変更指令を取得可能な変更取得部を有し、且つ、前記原動機を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記変更取得部が変更指令を取得した場合に、前記最大出力を変更する。
前記制御装置は、前記原動機の回転数と出力との関係を示す標準制御マップと、前記標準制御マップとは別に前記回転数と出力との関係を示す変更制御マップとを記憶する記憶部と、前記変更取得部が前記変更指令を取得していない場合に前記標準制御マップに基づいて前記原動機を制御する標準制御部と、前記変更取得部が前記変更指令を取得した場合に前記変更制御マップに基づいて前記原動機を制御する変更制御部と、を備えている。
前記制御装置は、前記原動機の回転数と出力との関係を示す標準制御マップを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された標準制御マップを変更して変更制御マップを作成する制御マップ作成部と、前記変更取得部が前記変更指令を取得していない場合に前記標準制御マップに基づいて前記原動機を制御する標準制御部と、前記変更取得部が前記変更指令を取得した場合に前記変更制御マップに基づいて前記原動機を制御する変更制御部と、を備えている。
作業機は、前記車体又は作業装置の位置である機械位置を検出する位置検出装置を備え、前記原動機は、前記位置検出装置で検出された前記機械位置に基づいて前記最大出力の変更を行う。
作業機は、時間を計時する計時部を備え、前記原動機は、前記計時部で計時された時間に基づいて前記最大出力の変更を行う。
前記原動機は、前記車体に連結された作業装置に基づいて前記最大出力の変更を行う。
作業機は、運転席と、前記運転席の前方又は側方に設けられ、且つ操作によって前記変更指令を出力可能な変更操作部材と、を備え、前記原動機は、前記変更指令部材が操作された場合に前記最大出力の変更を行う。
作業機は、前記車体又は作業装置の位置である機械位置を検出する位置検出装置と、前記最大出力の変更を行う位置である出力変更位置を取得する変更位置取得部と、前記変更位置取得部で取得した出力変更位置と前記機械位置とが一致した場合に前記変更取得部に前記変更指令を出力する変更位置設定部と、を備えている。
作業機は、前記出力変更位置を設定する表示装置を備えている。
作業機は、時間を計時する計時部と、前記最大出力の変更する時間である出力変更時間を取得する変更時間取得部と、前記変更時間取得部で取得した出力変更時間と前記計時部で計時した時間とが一致した場合に前記変更取得部に前記変更指令を出力する変更時間設定部と、を備えている。
作業機は、前記最大出力の変更する時間である出力変更時間を設定する表示装置を備えている。
作業機は、前記最大出力の変更する作業装置の装置情報を取得する変更装置取得部と、前記変更装置取得部で取得した装置情報が前記車体に連結された前記作業装置に示している場合に前記変更取得部に前記変更指令を出力する変更装置設定部と、を備えている。
作業機は、前記最大出力の変更する作業装置の装置情報を設定する表示装置を備えている。
前記変更取得部は、前記変更指令を外部機器から取得する。
作業機は、前記原動機の最大出力を変更した変更後からの経過時間を演算する変更時間演算部を備えている。
本発明によれば、原動機の最大出力を変更することができるため、例えば、原動機の最大出力を増加させることによってより大きな駆動力で作業を行うことができ、原動機の最大出力を減少させることによって小さな駆動力で作業を行うことができる。つまり、様々な状況に応じて作業を行うことができる。
第1実施形態における作業機の制御ブロック図を示す図である。 圃場と最大出力との関係を示す図である。 時間と最大出力との関係を示す図である。 作業装置と最大出力との関係を示す図である。 標準制御マップを示す図である。 変更制御マップを示す図である。 設定画面M1を示す図である。 設定画面M2を示す図である。 設定画面M3を示す図である。 運転画面M4を示す図である。 他の運転画面M4を示す図である。 他の運転画面M4を示す図である。 他の運転画面M4を示す図である。 メータパネルを示す図である。 確認画面M5を示す図である。 通信装置を設けた作業機の制御ブロック図を示す図である。 トラクタの識別情報とユーザの識別情報との関係を示す図である。 第2実施形態における作業機の制御ブロック図を示している。 第3実施形態における作業機の制御ブロック図を示している。 設定画面M6を示す図である。 第4実施形態における作業機の制御ブロック図を示している。 原動機と変速装置の動力伝達系を示す図である。 作業機の全体図を示している。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図15は、作業機1の全体図を示している。図15に示す作業機1はトラクタであるが、当該作業機1は、トラクタに限定されず、コンバイン、田植機等の農業機械であっても、建設機械等であってもよい。
まず、トラクタ1の全体構成について説明する。
図15に示すように、トラクタ1は、走行装置7を有する車両(車体)3と、原動機4とを備えている。
走行装置7は、前輪及び後輪を有する装置である。前輪、後輪は、タイヤ型であっても、クローラ型であってもよい。原動機4は、車体3に設けられた内燃機関、電動モータ等である。原動機4は、内燃機関のみであってもいし、内燃機関と電動モータとを組み合わせたハイブリッド式であってもよい。内燃機関は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンである。この実施形態では、原動機4は、ディーゼルエンジンである。
車体3は、作業装置2を連結可能である。車体3は、前部又後部に3点リンク機構等で構成された連結部8を含んでいる。作業装置2を連結部8に連結することによって、車体3によって作業装置2を牽引することができる。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。なお、図15では、作業装置2として成形装置を取り付けた例を示している。
トラクタ1は、変速装置5を備えている。変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。また、トラクタ1は、車体3に設けられた運転席10と、操縦装置11を備えている。運転席10及び操縦装置11は、車体3に設けられたキャビン9内に配置されている。操縦装置11は、例えば、ステアリング等で構成されていて、操縦装置11を操縦することによってトラクタ1の進行方向を変更可能である。
図14は、原動機4と、変速装置5の動力伝達系を示している。
図14に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cとを備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケースに回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
また、変速装置5は、シャトル部5dを備えている。シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切替部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。シャトル軸12には、後輪デフ装置14が設けられている。後輪デフ装置14には、後輪を支持する後車軸が回転自在に支持されている。前後切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。
PTO動力伝達部5eは、PTOクラッチ15と、PTO軸16とを有している。PTO軸16は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO軸16は、PTO推進軸16aと、PTO出力軸16bとを有している。PTO推進軸16aは、ギア等を介してPTO出力軸16bに接続されている。PTOクラッチ15は、推進軸5aの動力をPTO軸16に伝達する接続状態と、推進軸5aの動力をPTO軸16に伝達しない切断状態とに切換可能なクラッチである。具体的には、PTOクラッチ15は、推進軸5aと、PTO推進軸16aとの間に設けられている。PTOクラッチ15は、油圧クラッチで構成され、油圧クラッチの入切によって、原動機4の動力(推進軸5aの動力)をPTO軸16に伝達したり、推進軸5aの動力をPTO軸16に伝達しないようにすることができる。
図1に示すように、原動機4は、最大出力、即ち、最大馬力を変更可能なコモンレール型のディーゼルエンジンであって、回転自在に支持されたクランクシャフト20aと、クランクシャフト20aに連結されシリンダ20b内を移動するピストン20cと、管等で構成されるコモンレール20dと、燃料を高圧にしてコモンレール20dに送るサプライポンプ20eと、コモンレール20dの高圧の燃料をシリンダ20bに噴射するインジェクタ20fとを含んでいる。なお、原動機4の構成は、上述した構成に限定されない。
原動機4は、トラクタ1又は作業装置2の位置が予め定められた位置になった場合(第1例)、時間(時刻)が予め定められた時間になった場合(第2例)、所定の作業装置2がトラクタ1に連結された場合(第3例)、トラクタ1を操作するオペレータの指示があった場合(第4例)などに、最大出力の変更を行う。原動機4は、例えば、原動機4の最大出力を標準の最大出力よりも増加させたり、原動機4の最大出力を標準の最大出力よりも減少させることができる。
次に、原動機4の最大出力の変更の例(第1例〜第4例)について順番に説明する。
トラクタ1は第1例〜第4例のいずれかを行えるものであればよく、全ての例(第1例〜第4例)を行えるものでなくてもよい。また、第1例〜第4例の少なくとも2つの組み合わせをトラクタ1に適用してもよい。第1例〜第4例の説明では、説明の便宜上、原動機4の最大出力を変更する前の最大出力は、「標準最大出力」に設定されているとし、原動機4の最大出力の変更後は「標準最大出力」よりも高い「変更最大出力」に変更されるとして説明を進める。また、標準最大出力の数値(180PS)、変更最大出力の数値(200PS)は、説明を分かりやすくするための数値であり、限定されない。
図1に示すように、トラクタ1は、位置検出装置41を備えている。位置検出装置41は、車体3又は作業装置2に取付けられ、車体3又は作業装置2の位置(緯度、経度)である機械位置を検出する装置である。位置検出装置41は、測位衛星から送信された信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、受信した信号に基づいて機械位置を検出する。原動機4は、位置検出装置41で検出された機械位置に基づいて最大出力の変更を行う。
図2Aに示すように、複数の圃場がある場合において、圃場B及び圃場Cにおける原動機4の最大出力が標準の最大出力(標準最大出力)である180PSに設定され、圃場Aにおける原動機4の最大出力が標準最大出力よりも高い変更最大出力である200PSに設定されているとする。ここで、トラクタ1が圃場B及び圃場Cで作業を行っているとき、即ち、位置検出装置41で検出された機械位置が圃場B及び圃場Cである場合、原動機4は、最大出力を標準最大出力の180PSにする。また、トラクタ1が圃場Aに移動して位置検出位置41で検出された機械位置が圃場Aに一致すると、原動機4は、最大出力を標準最大出力から変更最大出力である200PSに変更する。
図1に示すように、トラクタ1は、時間を計時する計時部42を備えている。計時部42は、時刻等を演算するタイマ等であって、例えば、西暦、月、日、時刻を演算する。原動機4は、計時部42で計時された時間に基づいて最大出力の変更を行う。
図2Bに示すように、「6月2日、8時〜18時」における原動機4の最大出力が変更最大出力に設定されているとする。ここで、計時部42で検出された時間が、出力変更時間である「6月2日、8時〜18時」に一致していない場合、原動機4は最大出力を標準最大出力(180PS)にする。また、計時部42で検出された時間が、出力変更時間(6月2日、8時〜18時)に一致すると、原動機4は、最大出力を標準最大出力から変更最大出力である200PSに変更する。
図2Cに示すように、作業装置2が「作業装置B」である場合の原動機4の最大出力が変更最大出力に設定されていたとする。ここで、トラクタ1の連結部8に連結された作業装置2が「作業装置A、作業装置C」であり、「作業装置B」でない場合は、原動機4は、最大出力を標準最大出力にする。また、トラクタ1の連結部8に連結された作業装置2が「作業装置B」である場合は、原動機4は最大出力を、原動機4は最大出力を、標準最大出力から変更最大出力に変更する。
図1に示すように、トラクタ1は、変更操作部材43を備えている。変更操作部材43は、操作によって原動機4の最大出力の設定を行う部材である。変更操作部材43は、例えば、オペレータが操作可能なスイッチであって、ON/OFFに切り換え可能な切換スイッチ、一方向又は他方向に移動可能なスライドスイッチ、周方向に回転可能なロータリスイッチ等である。変更操作部材43は、運転席10の前方又は側方に設けられている。原動機4は、変更指令部材43が操作された場合に最大出力の変更を行う。
変更操作部材43が切換スイッチであり、当該切換スイッチがOFFである場合は、原動機4の最大出力が標準最大出力に設定され、ONである場合には、原動機4の最大出力が変更最大出力に設定されているとする。原動機4は、切換スイッチがOFFである場合は、最大出力を標準最大出力に維持し、ONである場合は、最大出力を標準最大出力から変更最大出力に変更する。
変更操作部材43がスライドスイッチ又はロータリスイッチであり、当該スライドスイッチ又はロータリスイッチが第1位置である場合は、原動機4の最大出力が標準最大出力に設定され、第1位置とは異なる第2位置である場合には、原動機4の最大出力が変更最大出力に設定されているとする。原動機4は、スライドスイッチ又はロータリスイッチが第1位置に位置している場合は、最大出力を標準最大出力に維持し、スライド動作又は回動動作によって第1位置から第2位置に切り換えられた場合は、最大出力を標準最大出力から変更最大出力に変更する。
このように、原動機4は、位置、時間、連結部8に連結された作業装置2、変更操作部43による操作によって、最大出力を変更することができる。言い換えれば、原動機4は、位置、時間、作業装置2、変更操作部43の操作におけるいずれかの条件によって、トラクタ1における制御の制約条件に関係なく、標準の最大出力に対して、最大出力のそのものを増加させたり減少させることができる。
図1に示すように、さて、原動機4は、トラクタ1に設けられた制御装置30によって制御される。制御装置30による制御について、最大出力を変更する第1例〜第4例と共に説明をする。
制御装置30は、クランク位置を検出するクランクセンサ21a、カム位置を検出するカムセンサ21b、原動機4の回転数(エンジン回転数)を検出するエンジン回転センサ21c、アクセルの設定値を検出するアクセルセンサ21dが接続されている。制御装置30は、クランクセンサ21a、カムセンサ21b、エンジン回転センサ21等で検出されたクランク位置、カム位置、エンジン回転数等の信号に基づいて求めた制御信号を、インジェクタ20f、サプライポンプ20e等に出力することで、原動機4を制御する。なお、インジェクタの制御では燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率が示された制御信号を当該インジェクタ20fに出力する。また、サプライポンプ20eの制御では燃料噴射圧等が示された信号を、当該サプライポンプ20eに出力する。
制御装置30は、変更取得部31を有している。変更取得部31は、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。変更取得部31は、原動機4の最大出力を変更する変更指令を取得する。制御装置30は、変更取得部31が変更指令を取得した場合に、原動機4の最大出力を変更する。
制御装置30は、記憶部32と、標準制御部33と、変更制御部34とを有している。記憶部32は不揮発性のメモリ等から構成されている。標準制御部33及び変更制御部34は、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。
図3Aに示すように、記憶部32は、原動機4の回転数(エンジン回転数)と出力との関係を示す標準制御マップSCMを記憶している。標準制御マップSCMにおいて、エンジン回転数と出力との関係は、燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率、燃料噴射圧等の複数の制御パラメータによって設定されるもので、制御パラメータの設定値によって、標準制御マップSCMが設定されている。標準制御マップSCMは、原動機4の最大出力の変更をしていない状況下で適用されるマップであって、図3Aに示すように、原動機4の最大出力は、180PSに設定されている。
図3Bに示すように、記憶部32は、標準制御マップSCMとは別に、エンジン回転数と出力との関係を示す変更制御マップPCMを記憶している。変更制御マップPCMにおいてもエンジン回転数と出力との関係は、燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率、燃料噴射圧等の複数の制御パラメータによって設定されるもので、制御パラメータの設定値によって、変更制御マップPCMが設定されている。変更制御マップPCMは、原動機4の最大出力の変更をしている状況下で適用されるマップであって、図3Bに示すように、原動機4の最大出力は、標準制御マップSCMよりも高い200PSに設定されている。
標準制御部33は、変更取得部31が変更指令を取得していない場合に、標準制御マップSCMに基づいて原動機4を制御する。即ち、標準制御部33は、変更取得部31が変更指令を取得していない状況では、記憶部32に記憶された標準制御マップSCMを参照し、エンジン回転センサ21cで検出されたエンジン回転数と、標準制御マップSCMに示す出力との関係が一致するように、燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率、燃料噴射圧等を制御する。
変更制御部34は、変更取得部31が変更指令を取得した場合に、変更制御マップPCMに基づいて原動機4を制御する。即ち、変更制御部34は、変更取得部31が変更指令を取得した状況では、記憶部32に記憶された変更制御マップPCMを参照し、エンジン回転センサ21cで検出されたエンジン回転数と、変更制御マップPCMに示す出力との関係が一致するように、燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率、燃料噴射圧等を制御する。
なお、標準制御マップSCM及び変更制御マップPCMは、エンジン回転数と出力との関係を示す制御マップであればよく、エンジン回転数に対して燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率、燃料噴射圧のそれぞれを対応付けたマップを、標準制御マップSCM及び変更制御マップPCMに採用してもよいし、その他、エンジン回転数に対して吸入空気量を対応付けたマップを標準制御マップSCM及び変更制御マップPCMに採用してもよく、上述した例に限定されない。
以上によれば、制御装置30は、変更取得部31を有し、変更取得部31が変更指令を取得した場合に、最大出力を変更する。これによれば、制御装置30は、変更取得部31が変更指令を取得した様々なタイミングで任意に原動機4の最大出力を変更することができ、作業装置2による作業を様々な状況に応じて行うことができる。
また、制御装置30の記憶部32は、標準制御マップSCMと変更制御マップPCMとを記憶している。標準制御部33は、変更取得部31が変更指令を取得していない場合に標準制御マップSCMに基づいて原動機4を制御し、変更制御部34は、変更取得部31が変更指令を取得した場合に変更制御マップPCMに基づいて原動機4を制御する。これによれば、標準制御部33によって原動機4の最大出力を標準最大出力(例えば、180PS)に設定した状態で、原動機2の駆動力によって作業装置2を作動させることができる。一方、変更制御部34によって原動機4の最大出力を、標準最大出力よりも増加させた状態である変更最大出力(例えば、200PS)に設定した状態で、原動機2の駆動力によって作業装置2を作動させることができる。原動機4の標準最大出力が180PSであるトラクタ1であっても、一時的に、最大出力を200PSに増加させた状態で、作業装置2を原動機4の駆動力で作動させることができる。
次に、制御装置30が原動機4の最大出力を機械位置によって変更する構成及び動作について詳しく説明する。
図1に示すように、制御装置30は、変更位置取得部35aと、変更位置設定部35bとを有している。変更位置取得部35a及び変更位置設定部35bは、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。変更位置取得部35aは、最大出力の変更を行う位置(出力変更位置)を取得する。例えば、トラクタ1に設けられた表示装置50によって出力変更位置が設定され、当該表示装置50によって設定された出力変更位置を、変更位置取得部35aが取得する。
表示装置50は、運転席10の前方又は側方(運転席10の座部の前方、座部の右側方又は座部の左側方)に設けられたモニタであって、液晶パネル等から構成された表示部位を運転席10に向けている。表示装置50は、トラクタ1等に関する様々な情報を表示する。表示装置50は、スイッチ等の操作によって表示装置50に表示した画面等の操作が可能である。
具体的には、所定の操作を行うと、図4Aに示すように、表示装置50は、設定画面M1を表示する。設定画面M1では、圃場を示す圃場マップ45が表示される。圃場マップ45には、位置(緯度、経度)が関連付けられている。設定画面M1において、圃場マップ45の中から所定の圃場(例えば、圃場A)を選択後、当該設定画面M1に示された完了ボタン51を選択すると、当該設定画面M1にて選択された圃場A(選択圃場)に対応する位置(緯度、経度)が出力変更位置に設定される。即ち、図4Aに示すように、圃場マップ45に示された選択圃場内(圃場A)の全ての位置が出力変更位置に設定される。表示装置50は、設定画面M1で設定された出力変更位置を、制御装置30に出力する。制御装置30の変更位置取得部35aは、表示装置50が出力した出力変更位置が制御装置30に入力された際に、当該出力変更位置を取得する。制御装置30の記憶部32は、変更位置取得部35aが取得した出力変更位置を記憶する。
変更位置設定部35bは、変更位置取得部35aで取得した出力変更位置と、位置検出装置41が検出した機械位置とが一致した場合に、制御装置30の変更取得部31に変更指令を出力する。例えば、トラクタ1のイグニッションスイッチがONに設定されると、変更位置設定部35bは、記憶部32に記憶された出力変更位置を参照する。変更位置設定部35bは、イグニッションスイッチがON後に位置検出装置41が検出した機械位置が参照した出力変更位置と一致していない場合、変更指令を変更取得部31に出力しない。この場合、原動機4は、標準制御部33により標準制御マップSCMに基づいて制御される。一方、イグニッションスイッチがON後に位置検出装置41が検出した機械位置が出力変更位置と一致した場合、即ち、トラクタ1が圃場Aに入った場合、変更位置設定部35bは、変更指令を変更取得部31に出力する。この場合、制御装置30における制御は、標準制御部33による制御から変更制御部34による制御に切り換わり、原動機4は、変更制御マップPCMに基づいて制御される。
上述した第1例によれば、トラクタ1は、機械位置を検出する位置検出装置41を備え、原動機4は、位置検出装置41で検出された機械位置に基づいて最大出力の変更を行う。トラクタ1は、位置検出装置35aと変更位置取得部35bとを備えている。このため、トラクタ1の機械位置に応じて、原動機4の最大出力を標準最大出力と変更最大出力とに使い分けをすることができる。例えば、複数の圃場に跨って作業を行う場合に、圃場Bではトラクタ1(作業装置2)は標準最大出力にて作業を行い、圃場Aではトラクタ1(作業装置2)は標準最大出力よりも高い変更最大出力にて作業を行うことができる。また、圃場以外の場所であって、農道や道路をトラクタ1が自走する場合は、標準最大出力にて走行させることができる。
また、トラクタ1に設けた表示装置50は、出力変更位置を設定することができる。このため、トラクタ1等を操縦するオペレータ等が、当該トラクタ1に乗車しながら任意に設定画面M1等を操作することによって、表示装置50に表示された圃場マップ45を見ながら原動機4の最大出力を、標準最大出力よりも増加させて作業したい場所(出力変更位置)を簡単に設定することができる。
次に、制御装置30が原動機4の最大出力を時間によって変更する構成及び動作について詳しく説明する。
制御装置30は、変更時間取得部36aと、変更時間設定部36bとを有している。変更時間取得部36a及び変更時間設定部36bは、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。変更時間取得部36aは、最大出力の変更を行う時間(出力変更時間)を取得する。例えば、表示装置50によって出力変更時間が設定され、当該表示装置50によって設定された出力変更時間を変更時間取得部36aが取得する。
具体的には、図4Bに示すように、所定の操作を行うと、表示装置50は、設定画面M2を表示する。設定画面M2では、時間を入力する時間入力部52が表示される。時間入力部52には、出力変更を開始する開始時刻と、出力変更を終了する終了時刻とを入力可能である。表示装置50に設けられたスイッチ等の設定具(第1設定具)、或いは、設定画面M2に表示された設定具(第2設定具)の操作により、時間入力部52に入力する時刻(開始時刻、終了時刻)が入力される。設定画面M2に示された完了ボタン51を選択すると、当該設定画面M2の時間入力部52に入力された時刻が出力変更時間に設定される。即ち、図4Bに示すように、設定画面M2の時間入力部52に入力された開始時刻(6月2日8時)から終了時刻(6月2日18時)の全ての時刻が出力変更時間に設定される。表示装置50は、設定画面M2で設定された出力変更時間を、制御装置30に出力する。制御装置30の変更時間取得部36aは、表示装置50が出力した出力変更時間が制御装置30に入力された際に、当該出力変更時間を取得する。制御装置30の記憶部32は、変更時間取得部36aが取得した出力変更時間を記憶する。
変更時間設定部36bは、変更時間取得部36aで取得した出力変更時間と、計時部42で計時した時間(計時時間)とが一致した場合に、制御装置30の変更取得部31に変更指令を出力する。例えば、トラクタ1のイグニッションスイッチのON後に、変更時間設定部36bは、記憶部32に記憶された出力変更時間を参照する。変更時間設定部36bは、イグニッションスイッチがON後に計時部42の時刻が参照した出力変更時間と一致していない場合、変更指令を変更取得部31に出力しないため、原動機4は、標準制御部33により標準制御マップSCMに基づいて制御される。一方、イグニッションスイッチがON後に計時部42の時刻が出力変更時間と一致した場合、即ち、6月2日8時から6月2日18時の場合、変更時間設定部36bは、変更指令を変更取得部31に出力される。このため、6月2日8時から6月2日18時の場合は、原動機4は、変更制御マップPCMに基づいて制御される。
上述した第2例によれば、トラクタ1は、計時部42を備え、原動機4は、計時部42で計時された時間に基づいて最大出力の変更を行う。トラクタ1は、変更時間取得部36aと、変更時間設定部36bとを備えている。このため、トラクタ1の任意の時間に応じて、原動機4の最大出力を、標準最大出力と変更最大出力とに使い分けをすることができる。普段は、トラクタ1(作業装置2)を標準最大出力にて使用し、一時的にトラクタ1(作業装置2)を変更最大出力にて使用したい状況が発生した場合に、時間(出力変更時間)を設定することによって、変更最大出力にて使用することができる。
また、トラクタ1に設けた表示装置50は、出力変更時間を設定することができる。このため、オペレータ等が、当該トラクタ1に乗車しながら任意に設定画面M2等を操作することによって簡単に出力変更時間を設定することができる。つまり、オペレータがトラクタ1の最大出力を、標準最大出力よりも高めて作業したい時間を、簡単に設定することができる。
次に、制御装置30が原動機4の最大出力を作業装置2によって変更する構成及び動作について詳しく説明する。
制御装置30は、変更装置取得部37aと、変更装置設定部37bとを有している。変更装置取得部37a及び変更装置設定部37bは、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。変更装置取得部37aは、最大出力の変更する作業装置2の情報(装置情報という)を取得する。例えば、表示装置50によって出力変更をする作業装置(対象装置という)2が設定され、当該表示装置50によって設定された対象装置2の装置情報を変更装置取得部37aが取得する。
具体的には、図4Cに示すように、所定の操作を行うと、表示装置50は、設定画面M3を表示する。設定画面M3では、対象装置2の情報(装置情報)を入力する情報入力部53が表示される。情報入力部53には、装置情報として、装置の名称、機種、型番、シリアルコード等の識別情報等が入力可能である。例えば、第1設定具、第2設定具の操作により、情報入力部53に入力する装置情報(名称、機種、型番、識別情報等)が入力される。設定画面M3に示された完了ボタン51を選択すると、当該設定画面M3の情報入力部53に入力された装置情報が、最大出力の変更する作業装置2の装置情報に設定される。即ち、図4Cに示すように、設定画面M3の情報入力部53に入力された「作業装置B」が装置情報に設定される。表示装置50は、設定画面M3で設定された装置情報を、制御装置30に出力する。制御装置30の変更装置取得部37aは、表示装置50が出力した装置情報が制御装置30に入力された際に、当該装置情報を取得する。制御装置30の記憶部32は、変更装置取得部37aが取得した装置情報を記憶する。
変更装置設定部37bは、変更装置取得部37aで取得した装置情報が、連結部8に連結された作業装置2を示している場合に、制御装置30の変更取得部31に変更指令を出力する。例えば、トラクタ1のイグニッションスイッチのON後に、変更装置設定部37bは、記憶部32に記憶された装置情報(記憶装置情報という)を参照する。また、トラクタ1のイグニッションスイッチのON後に、変更装置設定部37bは、連結部8に連結した作業装置2に対して装置情報(取付装置情報)の要求を行う。変更装置設定部37bは、記憶装置情報が、作業装置2から送信された装着装置情報を示している場合(記憶装置情報で示された名称と取付装置情報で示された名称とが一致している場合、記憶装置情報で示された機種又は型番と取付装置情報で示された機種又は型番とが一致している場合、記憶装置情報で示された識別情報と取付装置情報で示された識別情報とが一致している場合)などに、制御装置30の変更取得部31に変更指令を出力する。つまり、変更装置設定部37bは、記憶装置情報と取付装置情報とが対応している(紐づいている)場合、制御装置30の変更取得部31に変更指令を出力する。このように、記憶装置情報と取付装置情報とが対応している場合は、原動機4は、変更制御マップPCMに基づいて制御される。
一方、変更時間設定部36bは、イグニッションスイッチがON後、記憶装置情報と取付装置情報とが対応していない場合、変更指令を変更取得部31に出力しない。即ち、変更時間設定部36bは、変更装置取得部37aで取得した装置情報が作業装置2を示していない場合、変更指令を変更取得部31に出力しない。この場合、原動機4は、標準制御マップSCMに基づいて制御される。
上述した第3例によれば、原動機4は、車体3に連結された作業装置2に基づいて最大出力の変更を行う。トラクタ1は、変更装置取得部37aと、変更装置設定部37bとを備えている。このため、トラクタ1に連結した作業装置2に応じて、原動機4の最大出力を、標準最大出力と変更最大出力とに使い分けをすることができる。
また、トラクタ1に設けた表示装置50は、最大出力の変更する作業装置2の装置情報を設定することができる。このため、オペレータ等が、当該トラクタ1に乗車しながら任意に設定画面M3等を操作することによって簡単に、対象装置2(装置情報)を設定することができる。つまり、オペレータがトラクタ1の最大出力を、標準最大出力よりも高めて作業したい作業装置2を、簡単に設定することができる。
次に、制御装置30が原動機4の最大出力を変更操作部材43の操作によって変更する構成及び動作について詳しく説明する。
図1に示すように、制御装置30と変更操作部材43とは接続されている。イグニッションスイッチがON後、変更操作部材43が切換スイッチ、スライドスイッチ、ロータリスイッチのいずれであっても、制御装置30は、原動機4の最大出力の変更をしない操作(変更不要操作)と、原動機4の最大出力の変更をする操作(変更要操作)とを取得可能である。上述したように、切換スイッチがOFF、スライドスイッチ及びロータリスイッチが第1位置である場合には、制御装置30は、変更操作部材43から変更不要操作を取得するため、原動機4を標準制御マップSCMに基づいて制御する。一方、切換スイッチがON、スライドスイッチ及びロータリスイッチが第2位置である場合には、制御装置30は、変更操作部材43から変更要操作を取得するため、標準制御マップSCMから変更制御マップPCMに切り換え、原動機4を変更制御マップPCMに基づいて制御する。
上述した第4例によれば、トラクタ1は、変更操作部材43を備えている。原動機4は、変更指令部材43が操作された場合に最大出力の変更を行う。これによれば、オペレータがトラクタ1の最大出力を、変更したいタイミングで任意に、変更操作部材43を操作するだけで変更することができる。即ち、変更指令部材43の操作だけで、原動機4の最大出力を、標準最大出力と変更最大出力とに使い分けをすることができる。また、変更操作部材43は、運転席10の前方又は側方に設けられているため、オペレータはトラクタ1を操縦する際に、変更指令部材43の操作を行うことができる。
なお、上述した実施形態では、変更位置取得部35a、変更位置設定部35b、変更時間取得部36a、変更時間設定部36b、変更装置取得部37a、変更装置設定部37bを制御装置30に設けているが、これら少なくとも1つ、又は、全部を表示装置50に設けてもよい。トラクタ1は、第1例〜第4例で説明したように、変更位置取得部35a、変更位置設定部35b、変更時間取得部36a、変更時間設定部36b、変更装置取得部37a、変更装置設定部37bの全てを備えている必要はなく、上述した構成について少なくとも1つ、或いは、複数の組み合わせた構成を備えいればよい。
さて、トラクタ1は、原動機4の出力を表示する表示装置(出力表示装置)を備えている。この実施形態では、出力表示装置は上述した表示装置50である。また、出力表示装置は、原動機のうち、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関の出力を表示する。また、出力表示装置における原動機4の出力の表示形態(単位)は、馬力を示す「PS」、「HP」であってもよいし、「Kw」であってもよいし、その他の表記であってもよい。
図5Aに示すように、表示装置50は、原動機4の出力情報を含む運転画面M4を表示可能である。運転画面M4には、原動機の出力に関する情報(出力情報)が表示可能である。また、運転画面M4には、運転に関する情報(運転時の情報)を表示可能である。例えば、運転画面M4は運転表示部59を有し、当該運転表示部59には、エンジン回転数、水温、燃料、車速(走行速度)が表示される。水温は、制御装置30に接続された水温センサ21eで検出した値である。燃料は、制御装置30に接続された燃料センサ21fで検出した値であり、車速(走行速度)は、制御装置30に接続された車速センサ21gで検出した値である。
運転画面M4には、出力情報を表示する出力表示エリア55が割り当てられている。出力表示エリア55には、現在の原動機4の最大出力を示す情報が表示可能である。標準制御部33によって原動機4を制御している場合、出力表示エリア55には、標準制御マップSCMで示された最大出力である「180PS」が表示される。一方、変更制御部34によって原動機4を制御している場合、出力表示エリア55には、変更制御マップPCMで示された最大出力である「200PS」が表示される。即ち、表宇表示エリア55には、原動機4の最大出力の変更前の出力「180PS」と、原動機4の最大出力の変更後の出力「200PS」とを選択的に表示可能である。
なお、図5Bに示すように、原動機4の最大出力の変更前の出力(標準最大出力を示す情報)56aと、原動機4の最大出力の変更後の出力(変更最大出力を示す情報)56bとの両方を表示して、現在の最大出力がどちらであるかを指し示す指標部56cを表示してもよい。
また、図5Cに示すように、出力変更時間によって原動機4の最大出力を変更最大出力に変更した場合、表示装置50は、運転画面M4において、最大出力の変更を開始してから最大出力の変更が終了するまでの残り時間(変更最大出力の開始から標準変更出力に切り換わるまでの残り時間)83を表示することが好ましい。
また、図5Dに示すように、表示装置50は、運転画面M4に、圃場マップ45と現在のトラクタの位置とを表示し、残り時間から予想されるトラクタ1の稼働予測エリア(残り時間で移動することができるエリア)MP2を、運転画面M4に表示してもよい。例えば、トラクタ1の車速(km/h)、残り時間(h)、作業装置2の作業幅(m)に基づいて稼働予測エリアMP2の面積Sを求め[稼働予測エリアMP2の面積=車速km/h×残り時間h×作業幅m]、現在の機械位置を稼働予測エリアMP2の境界に一致させて、圃場マップ45上に稼働予測エリアMP2を表示する。なお、稼働予測エリアの求め方等は一例であり、限定されない。
また、図6に示すように、出力表示装置は、上述した表示装置50とは別の表示装置(メータパネル)60であってもよい。図6の場合、メータパネル60は、運転席10の前方に配置され、表示装置50は、運転席10の側方に設けられている。メータパネル60は、指針計によってエンジン回転数を表示する回転数表示部60aと、警告等をLEDの点灯又は点滅によって表示する警告表示部60bと、指針計等によって水温、燃料等を表示する状態表示部60cと、液晶等から構成されて様々な情報を表示する可変表示部60dとを有している。可変表示部60dに、出力表示エリア55が設定されている。表示装置50と同様に、原動機4の最大出力が標準最大出力に設定されている場合、可変表示部60dには、標準最大出力が表示される。また、原動機4の最大出力が変更最大出力に設定されている場合、可変表示部60dには、変更最大出力が表示される。
また、出力表示装置(表示装置50、メータパネル60)は、出力変更時間によって原動機4の最大出力を変更最大出力に変更した場合、原動機4の最大出力を、変更最大出力を終了するまでの残り時間(変更最大出力から標準変更出力に切り換わるまでの残り時間)を表示することが好ましい。
以上によれば、トラクタ1は、原動機の出力を表示する出力表示装置(表示装置50、メータパネル60)を備えている。また、出力表示装置は、運転席10の前方又は側方に設けられている。したがって、オペレータがトラクタ1を操縦する際に、原動機4の最大出力が、「標準最大出力」に設定されているのか、「変更最大出力」に変更されているのかを、出力表示装置を見ることによって把握することができる。出力表示装置は、原動機4の変更前の最大出力と、変更後の最大出力とを表示するため、変更前の最大出力と変更後の最大出力との両方を把握することができる。
なお、上述した出力表示装置は、最大出力を表示していたが、現在の原動機4の出力を表示してもよい。例えば、標準制御部33によって原動機4を制御している場合、出力表示エリア55には、現在のエンジン回転数と標準制御マップSCMとに基づいて、現在のエンジン回転数に対応する出力(標準制御マップSCMに示された出力)を表示する。また、変更制御部34によって原動機4を制御している場合、出力表示エリア55には、現在のエンジン回転数と変更制御マップPCMとに基づいて、現在のエンジン回転数に対応する出力(変更制御マップPCMに示された出力)を表示する。これによれば、出力表示装置は、原動機4の出力を変更する前の現在の出力と、原動機4の出力を変更した後の現在の出力とを表示するため、オペレータは、現在の原動機4の出力がどのような状態であるかを簡単に把握することができる。
図1に示すように、制御装置30は、変更時間演算部38を有していてもよい。変更時間演算部38は、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。変更時間演算部38は、原動機4の最大出力を変更した変更後からの経過時間を演算する。例えば、変更時間演算部38は、標準制御部33から変更制御部34に切り換えた際に、変更制御部34で原動機4を制御した経過時間を演算する。出力表示装置は、出力表示エリア55に経過時間を表示する。このようにすれば、オペレータは、最大出力を変更してからどれくらい時間が経過したかを把握することができる。
上述した実施形態では、標準最大出力に対して変更最大出力が高いとしていたが、最大出力の変更はこれに限定されず、標準最大出力に対して変更最大出力が低い、例えば、標準最大出力が180PSで、変更最大出力が160PSであってもよい。また、標準最大出力は、1台のトラクタ1に対して1つ設定されているが、変更最大出力は2以上に設定してもよい。例えば、標準最大出力が180PSで、変更最大出力が160PS、200PSであってもよいし、標準最大出力が180PSで、変更最大出力が200PS、220PSであってもよい。つまり、標準最大出力を「V1」、変更最大出力を「V2」とした場合、V2<V1<V2、V1>V2、V1<V2であってもよい。
上述したように、原動機4は最大出力を変更可能であるが、最大出力の変更を行うに際して、トラクタ1を運転するオペレータ等に対して費用を通知して、オーペレータが費用の通知に対して確認(了承)が行われた場合に最大出力の変更を行ってもよい。
費用とは、トラクタ1を使用するユーザ側(オペレータ、作業者、管理者、会社等)と、トラクタ1の提供側(トラクタのサービス会社、トラクタのレンタル会社、トラクタの製造会社等)との間で支払われる金銭的な取引(金融取引)を行うためのものであって、貨幣、又は、予めサービスで設定されたポイント等である。
また、標準最大出力に対して変更最大出力を増加させる場合(V1<V2)、ユーザ側の費用(トラクタ1に表示する費用)はプラスであり、ユーザが提供者に支払うことになる。一方、標準最大出力に対して変更最大出力を減少させる場合(V1>V2)、ユーザ側の費用はマイナスであり、提供者がユーザに支払うことになる。また、変更後の変更最大出力と費用との関係は、制御装置30、表示装置50等に記憶されている。例えば、標準最高出力に対して変更最高出力が1PS増加する毎に、ユーザが支払う費用を増加させ、標準最高出力に対して変更最高出力を1PS毎に、提供者が支払う費用を増加させる。費用の設定方法等は上述した方法に限定されない。
表示装置50は、出力の変更によって発生する費用を表示する。図7に示すように、例えば、原動機4の最大出力を変更する際(機械位置が出力変更位置に一致した場合、計時時間が出力変更時間に一致した場合、作業装置が装置情報を示している場合)、又は、変更操作部材43による出力変更の操作前(切換スイッチがOFF、スライドスイッチ及びロータリスイッチのいずれかが第1位置)の場合に、表示装置50は、出力の変更によって発生する費用が示された確認画面M5を表示し、当該確認画面M5に割り当てられた費用表示部81に費用を表示する。また、表示装置50は、確認画面M5に、確認部材[費用が発生することを確認(了承)したことを示すボタン]57を表示する。確認部材57が選択されると、制御装置30は、原動機4の最大出力の変更、即ち、標準最大出力から変更最大出力に変更する。表示装置50は、確認画面M5に割り当てられた出力表示部82に変更予定の最大出力を表示してもよい。
なお、図4A、図4B、図4Cに示すように、表示装置50は、設定画面M1、設定画面M2、設定画面M3に出力変更をした場合に費用表示部81を表示し、完了ボタン51の選択が行われた場合に、確認部材57が選択されたとして、制御装置30が処理を続けてもよい。即ち、完了ボタン51を確認部材57と兼用化してもよい。或いは、表示装置50に費用表示部81を表示したうえで、変更操作部材43によって出力変更の操作が行われた場合、変更操作部材43の操作が、費用が発生することを確認したことを示す操作であるとしてもよい。即ち、変更操作部材43を、出力の変更の費用が発生することを確認する確認部材と兼用化してもよい。また、設定画面M1、設定画面M2、設定画面M3に出力表示部82を表示してもよい。
図8に示すように、トラクタ1は、通信装置66を備えていてもよい。通信装置66は、制御装置30と接続され、外部からの情報を制御装置30に出力したり、制御装置30の情報を外部に送信可能である。通信装置66は、近距離、長距離の通信を行う通信装置で構成され、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズのBluetooth(登録商標)の仕様におけるBluetooth(登録商標) Low Energy、通信規格IEEE802.11.nシリーズのWiFi(登録商標)等によって無線通信を行う。また、通信装置66は、携帯電話通信網、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う通信装置であってもよい。
表示装置50は、上述したように、費用が発生することが確認された場合(費用が発生することを了承された場合)、費用が発生することが確認されたことを含む処理情報を通信装置66に出力する。通信装置66は、トラクタ1の提供側のサーバ70に処理情報を送信する。処理情報とは、少なくともトラクタ1を識別する識別情報及び費用を含んでいる。サーバ70は、処理情報を受信後に、金融処理を実行する。
具体的には、サーバ70は、金融処理部71と、ユーザデータベース(DB)72とを備えている。図9に示すように、ユーザデータベース72は、トラクタ1の識別情報(機械識別情報)とユーザの識別情報(ユーザ識別情報)とが関連付けて記憶している。トラクタ1の識別情報とは、トラクタ1の名称、機種、号機、製造番号等であり、トラクタ1の固有のユニークな情報が割り当てられている。ユーザの識別情報とは、ユーザの名前、住所、電話番号、メールアドレス等であり、ユーザの固有の情報が割り当てられている。トラクタ1の識別情報とユーザの識別情報との関連付けは、トラクタ1の購入時、トラクタ1のレンタル時など、ユーザがトラクタ1を使用する際に行われる。
金融処理部71は、サーバ70に設けられた電気・電子部品、当該サーバ70等に組み込まれたプログラム等から構成されている。金融処理部71は、出力を変更したトラクタ1に対応付けられたユーザに対して金融に関する金融処理を行う。金融処理部71は、金融処理として、トラクタ1の識別情報から当該トラクタ1に対応付けられたユーザ(ユーザの識別情報)を特定し、ユーザに対して費用に関する情報(費用情報)を生成する。金融処理部71は、使用者側からユーザに費用を請求する場合は、費用情報としてユーザの請求データを生成し、金融機関等のサーバとの間で所定の処理を行った後に、金融機関に請求データを送信する。金融機関は、金融処理部71から送信された請求データに基づき、ユーザに対して費用の請求処理を行った後に、使用者側にユーザから支払われた費用を使用者側に入金等を実行する。
一方、金融処理部71は、使用者側からユーザに費用を支払う場合は、費用情報として使用者の支払データを生成し、金融機関等のサーバとの間で所定の処理を行った後に、金融機関に支払いデータを送信する。金融機関は、金融処理部71から送信された支払データに基づき、ユーザの所定の口座等に費用の入金を実行する。なお、金融処理部71の処理は一例であり、上述した方法に限定されない。
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態におけるトラクタ1の制御ブロック図を示している。第2実施形態では、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図10に示すように、トラクタ1に接続可能な外部機器65を設け、当該外部機器65に、設定画面M1、設定画面M2、設定画面M3のいずれかを表示したり、変更操作部材43を示す図形を表示する。
外部機器65は、スマートフォン、タブレット、PDA等の携帯端末等である。外部機器65は、携帯端末であるとして説明を進める。
携帯端末(外部機器)65は、通信部67と、表示部68を備えている。通信部67は、近距離、長距離の通信を行う通信装置で構成され、例えば、通信規格IEEE802.15.1シリーズのBluetooth(登録商標)の仕様におけるBluetooth(登録商標) Low Energy、通信規格IEEE802.11.nシリーズのWiFi(登録商標)等によって無線通信を行う。なお、通信部67は、携帯電話通信網、データ通信網、携帯電話通信網等によって無線通信を行う通信装置であってもよい。即ち、トラクタ1と、携帯端末65とは、通信装置66と通信装置(通信部)67とによって接続可能である。
携帯端末65の表示部68は、出力変更位置に設定する設定画面M1、出力変更時間に設定する設定画面M2、装置情報の設定を行う設定画面M3を表示可能である。通信部67は、設定画面M1による出力変更位置、設定画面M2による出力変更時間、設定画面M3による装置情報の設定のいずれか1つが完了した場合、出力変更位置、出力変更時間、装置情報のいずれを通信装置66に送信する。通信装置66は、出力変更位置、出力変更時間、装置情報のいずれの受信後に、受信した出力変更位置、出力変更時間、装置情報を制御装置30に出力する。
また、携帯端末65の表示部68は、変更操作部材43を示す図形を表示する。通信部67は、表示部68に表示された変更操作部材43を示す図形が操作された場合、原動機4の変更指令を通信装置66に送信する。通信装置66は、原動機4の変更指令を受信後に、受信した変更指令を制御装置30に出力する。
以上によれば、出力変更位置、出力変更時間、装置情報のいずれを外部機器である携帯端末65によってトラクタ1に送信することができる。また、携帯端末65によって、原動機4の変更指令をトラクタ1に送信することができる。
なお、上述した実施形態では、位置、時間、装置情報、変更操作部材43の操作等によって、最大出力の変更を行っているが、これに加えて、制御装置30は、作業装置2の取付装置情報等に基づいて最大出力の変更を実行してよいかの判定を行ってもよい。制御装置30の記憶部32には、作業に必要な最大出力(必要最大出力)と取付装置情報との関係が記憶され、制御装置30は、作業装置2の取付装置情報に基づいて、トラクタ1に装着された作業装置2の必要最大出力を取得可能である。
原動機4の変更後の最大出力で作業装置2を作動させた場合において、作業装置2の性能が発揮できない場合等、制御装置30は、最大出力の変更に対する許可を行わない(最大出力変更の不許可)。即ち、トラクタ1に装着した作業装置2の必要最大出力が、変更最大出力以上である場合、制御装置30は、最大出力の変更に対する許可を行わない。
また、原動機4の変更後の最大出力で作業装置2を作動させた場合において、作業装置2の性能が発揮できる場合に、制御装置30は、最大出力の変更に対する許可を行う。即ち、トラクタ1に装着した作業装置2の必要最大出力が、変更最大出力未満である場合、制御装置30は、最大出力の変更に対する許可を行う。
例えば、標準最大出力が180PS及び変更最大出力が200PSであり、原動機4の標準最大出力に対して最大出力を20PS増加させた場合であっても、作業装置2の必要最大出力が220PSである場合、制御装置30は最大出力の変更を不許可にすると共に、表示装置50に不許可であることを表示する。ここで、表示装置50は、最大出力の変更の許可ができない場合、最大出力が変更できる条件を案内する。表示装置50は、最大出力が変更できる条件として、「作業装置2を作動させるためには最大出力を220PS以上にして下さい」、又は、「作業装置を作業装置Bに変更して変更して下さい」等の案内を表示する。
一方、原動機4の標準最大出力に対して最大出力を20PS増加させた場合、作業装置2の必要最大出力が190PSで十分に作動する場合は、制御装置30は最大出力の変更を許可にすると共に、表示装置50に許可であることを表示する。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態における作業機1の制御ブロックを示している。第3実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態と異なる構成について説明する。
図11に示すように、制御マップ作成部39を備えている。制御マップ作成部39は、制御装置30に設けられた電気・電子部品、当該制御装置30等に組み込まれたプログラム等から構成されている。制御マップ作成部39は、記憶部32に記憶された標準制御マップSCMを変更して変更制御マップPCMを作成する。制御マップ作成部39は、変更取得部31が変更指令を取得した場合に、標準制御マップSCMに基づいて、変更制御マップPCMを作成する。例えば、標準制御マップSCMに示された最大出力が180PSの場合、制御マップ作成部39は、最大出力が180PSである標準制御マップSCMのパラメータ等を変更することにより、変更最大出力が200PSである変更制御マップPCMを作成する。変更制御部34は、制御マップ作成部39によって変更制御マップPCMを作成後に、作成した変更制御マップPCMに基づいて、燃料噴射量、噴射時期、燃料噴射率、燃料噴射圧等を制御する。
また、上述した実施形態では、変更取得部31が変更指令を取得した場合に制御マップ作成部39が、標準制御マップSCMから変更制御マップPCMを作成していたが、表示装置50を用いて変更制御マップPCMを作成してもよい。図12に示すように、例えば、原動機4の始動後等に、制御マップ作成部39は、表示装置50に設定画面M6を表示させる。設定画面M6では、標準制御マップSCMが表示される。設定画面M6の標準制御マップSCMの形状RE1は、表示装置50を操作することにより変更することができる。例えば、設定画面M6に示した出力軸(PS)に沿った縦方向、及び、エンジン回転数(rpm)に沿った横方向のそれぞれに、標準制御マップSCMの形状RE1を変形可能である。標準制御マップSCMの形状RE1を変更後に、設定画面M6に表示した完了ボタン51を選択すると、制御マップ作成部39は、変更後の標準制御マップSCMを、変更制御マップPCMに設定する。変更制御マップPCMは記憶部31に記憶される。
[第4実施形態]
図13は、第4実施形態における作業機1の制御ブロックを示している。第4実施形態では、第1実施形態〜第3実施形態と異なる構成について説明する。
第4実施形態では、図13に示すように、原動機4の最大出力を変更するに際して、キー装置73を用いて認証処理を行う。トラクタ1の製造時等に制御装置30の記憶部32に予め定められた認証情報(記憶認証情報)を記憶させる。
トラクタ1の製造時等にイグニッションスイッチをONするためのキー装置73に認証情報(外部認証情報)を記憶する。キー装置73は、始動キー、ICカード、携帯端末等である。なお、上述したトラクタ1の識別情報を記憶認証情報とし、ユーザの識別情報を外部認証情報として採用してもよい。
キー装置73が始動キーである場合、当該始動キーはトラクタ1に設けられたキーシリンダ74に挿入することが可能である。始動キーは、キーシリンダ74に挿入時に、当該キーシリンダ74を介して制御装置30に外部認証情報を送信する。制御装置30は、外部認証情報と記憶認証情報との認証成立後にイグニッションスイッチをOFFからONにする。制御装置30は、原動機4の始動時に認証情報による認証が成立後、原動機4の最大出力の変更を無効から有効に切り換わる。
また、キー装置73がICカードである場合、当該ICカードはトラクタ1に設けられた読取装置(リーダ装置)75に、外部認証情報を出力可能である。読取装置75は外部認証情報の取得後に、取得した外部認証情報を制御装置30に送信する。制御装置30は、始動キーと同様に、認証情報が成立すると、イグニッションスイッチをOFFからONにすると共に原動機4の最大出力の変更を無効から有効に切り換わる。
また、キー装置73が携帯端末である場合、当該携帯端末は原動機4の始動の開始時に、トラクタ1に設けられた通信装置66に外部認証情報を送信する。通信装置66は外部認証情報の取得後に、取得した外部認証情報を制御装置30に送信する。制御装置30は、始動キーと同様に、認証情報が成立すると、イグニッションスイッチをOFFからONにすると共に原動機4の最大出力の変更を無効から有効に切り換わる。
このように、原動機4の始動時等に、認証情報の認証を行い、認証が成立後に原動機4の最大出力の変更ができるようにすることで、原動機4の最大出力を不正な手段で変更することを抑制することができる。即ち、原動機4の最大出力の変更は、正当なユーザに対して行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上述した実施形態では、表示装置50などの出力表示装置は、原動機4の最大出力を表示していたが、最大出力に限定されず、最大出力以外の原動機4の出力を表示してもよいし、現在の原動機4の出力、出力を変更する前の出力、出力を変更した後の出力を表示してもよい。言い換えれば、出力表示装置における出力の表示において、上述した「最大出力を「出力」に読み替えて、出力表示装置に適用してもよい。
上述した実施形態では、時間(出力変更時間)、位置(出力変更位置)、装置(装置情報)によって、原動機4の出力を変更しているが、この他に、人(オペレータ)によって原動機4の出力を変更してもよい。例えば、オペレータである場合、トラクタ1と関連付けられたオペレータが乗車した場合に、制御装置30は原動機4の出力、例えば、標準最大出力を変更最大出力に変更する。オペレータの検出は、トラクタ1に設けたカメラ等の撮像装置、指紋認証等によって、オペレータがトラクタ1に紐付られているか否かの判断を行う。
上述した実施形態では、変更操作部材43は、変更の指令又は変更の指令及び費用の確認をする専用の部材であったが、トラクタ1等に設けられて作業を操作する作業操作部材と兼用化してもよい。
また、上述した実施形態において、原動機4の最大出力を変更最大出力に変更後に、当該変更最大出力を超えない条件下で、トラクタ1等の様々な駆動(作動)状態に応じて、一時的に所定のエンジン回転数に対する出力を変更してもよい。例えば、燃費の向上のために、変更制御マップPCMを、一時的に出力を低下させる側にシフトする制御を行ってもよい。即ち、トラクタ1等の様々な駆動(作動)における一定の制約条件下で、変更制御マップPCMを一時的に変更してもよい。
1 トラクタ
2 作業装置
3 車両(車体)
4 原動機
30 制御装置
31 変更取得部
32 記憶部
33 標準制御部
34 変更制御部
35a 変更位置取得部
35b 変更位置設定部
36a 変更時間取得部
36b 変更時間設定部
37a 変更装置取得部
37b 変更装置設定部
38 変更時間演算部
39 制御マップ作成部
41 位置検出装置
42 計時部
43 変更操作部材
50 表示装置

Claims (16)

  1. 作業装置を連結可能な車体と、
    前記車体に設けられ且つ最大出力を変更可能な原動機と、
    を備えている作業機。
  2. 前記原動機の最大出力を変更する変更指令を取得可能な変更取得部を有し、且つ、前記原動機を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記変更取得部が変更指令を取得した場合に、前記最大出力を変更する請求項1に記載の作業機。
  3. 前記制御装置は、
    前記原動機の回転数と出力との関係を示す標準制御マップと、前記標準制御マップとは別に前記回転数と出力との関係を示す変更制御マップとを記憶する記憶部と、
    前記変更取得部が前記変更指令を取得していない場合に前記標準制御マップに基づいて前記原動機を制御する標準制御部と、
    前記変更取得部が前記変更指令を取得した場合に前記変更制御マップに基づいて前記原動機を制御する変更制御部と、
    を備えている請求項2に記載の作業機。
  4. 前記制御装置は、
    前記原動機の回転数と出力との関係を示す標準制御マップを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された標準制御マップを変更して変更制御マップを作成する制御マップ作成部と、
    前記変更取得部が前記変更指令を取得していない場合に前記標準制御マップに基づいて前記原動機を制御する標準制御部と、
    前記変更取得部が前記変更指令を取得した場合に前記変更制御マップに基づいて前記原動機を制御する変更制御部と、
    を備えている請求項2に記載の作業機。
  5. 前記車体又は作業装置の位置である機械位置を検出する位置検出装置を備え、
    前記原動機は、前記位置検出装置で検出された前記機械位置に基づいて前記最大出力の変更を行う請求項1〜4のいずれかに記載の作業機。
  6. 時間を計時する計時部を備え、
    前記原動機は、前記計時部で計時された時間に基づいて前記最大出力の変更を行う請求項1〜4のいずれかに記載の作業機。
  7. 前記原動機は、前記車体に連結された作業装置に基づいて前記最大出力の変更を行う請求項1〜4のいずれかに記載の作業機。
  8. 運転席と、
    前記運転席の前方又は側方に設けられ、且つ操作によって前記変更指令を出力可能な変更操作部材と、
    を備え、
    前記原動機は、前記変更指令部材が操作された場合に前記最大出力の変更を行う請求項1〜7のいずれかに記載の作業機。
  9. 前記車体又は作業装置の位置である機械位置を検出する位置検出装置と、
    前記最大出力の変更を行う位置である出力変更位置を取得する変更位置取得部と、
    と、
    前記変更位置取得部で取得した出力変更位置と前記機械位置とが一致した場合に前記変更取得部に前記変更指令を出力する変更位置設定部と、
    を備えている請求項2〜4のいずれかに記載の作業機。
  10. 前記出力変更位置を設定する表示装置を備えている請求項9に記載の作業機。
  11. 時間を計時する計時部と、
    前記最大出力の変更する時間である出力変更時間を取得する変更時間取得部と、
    前記変更時間取得部で取得した出力変更時間と前記計時部で計時した時間とが一致した場合に前記変更取得部に前記変更指令を出力する変更時間設定部と、
    を備えている請求項2〜4のいずれかに記載の作業機。
  12. 前記最大出力の変更する時間である出力変更時間を設定する表示装置を備えている請求項11に記載の作業機。
  13. 前記最大出力の変更する作業装置の装置情報を取得する変更装置取得部と、
    前記変更装置取得部で取得した装置情報が前記車体に連結された前記作業装置に示している場合に前記変更取得部に前記変更指令を出力する変更装置設定部と、
    を備えている請求項2〜4のいずれかに記載の作業機。
  14. 前記最大出力の変更する作業装置の装置情報を設定する表示装置を備えている請求項13に記載の作業機。
  15. 前記変更取得部は、前記変更指令を外部機器から取得する請求項1〜14のいずれかに記載の作業機。
  16. 前記原動機の最大出力を変更した変更後からの経過時間を演算する変更時間演算部を備えている請求項1〜15のいずれかに記載の作業機。
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