JP2019006326A - 車載表示装置 - Google Patents

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Toshiji Oishi
利治 大石
高英 藤本
Takahide Fujimoto
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Abstract

【課題】設置位置と向きによらず、運転者に画像を視認させやすくできる車載表示装置を提供する。【解決手段】車両1の車室内に設置可能な車載表示装置30において、液晶パネルは、カメラ20で撮像された車両1の外の画像を表示する。光源は、液晶パネルを照明する。表示制御回路は、液晶パネルの画像表示を制御する。光源の輝度は、車両1に予め設定されたアイレンジ内を通る一方向d2において、他の方向より高い。一方向d2は、液晶パネルの表示面38の正面方向d1に対して当該表示面38内における一方の側に傾いている。表示制御回路は、表示面38内における一方の側の画像の拡大率を、当該表示面38内における一方の側とは反対側の画像の拡大率より小さく設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、カメラで撮像された車両の後側方の画像を表示する車載表示装置に関する。
車両の車室内において運転席の左側と右側にそれぞれ設置されるディスプレイを備え、これらのディスプレイに、カメラで撮像された車両の後側方の画像を表示させる電子ミラーシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。ディスプレイとして、液晶パネルなどが用いられる。
特開2016−141327号公報
本発明者は、上記従来の電子ミラーシステムでは、ディスプレイの設置位置と向きによっては、ディスプレイの正面方向と運転者の視線方向との角度が比較的大きくなり、画像を視認した運転者に違和感を与えたり、画像として表示された物体の距離感を運転者につかみ難くさせたりする可能性があることを認識した。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、設置位置と向きによらず、運転者に画像を視認させやすくできる車載表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車載表示装置は、車両の車室内に設置可能な車載表示装置であって、カメラで撮像された車両の外の画像を表示する液晶パネルと、液晶パネルを照明する光源と、液晶パネルの画像表示を制御する表示制御回路と、を備える。光源の輝度は、車両に予め設定されたアイレンジ内を通る一方向において、他の方向より高い。一方向は、液晶パネルの表示面の正面方向に対して当該表示面内における一方の側に傾いている。表示制御回路は、表示面内における一方の側の画像の拡大率を、当該表示面内における一方の側とは反対側の画像の拡大率より小さく設定する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、車載表示装置の設置位置と向きによらず、運転者に画像を視認させやすくできる。
実施の形態に係る電子ミラーシステムが搭載された車両を概略的に示す上面図である。 図1の車両を概略的に示す側面図である。 図1の第1の車載表示装置の設置位置を示す車室内の図である。 図1の車載表示装置の構成を示す図である。 図1の第1の車載表示装置に関する画像の拡大率を説明するための図である。 図1の第1の車載表示装置に関する画像の拡大率の設定方法の一例を説明するための図である。 図7(a)は、基準画像の外形を示す図であり、図7(b)は、正面方向から見た場合の液晶パネルの表示面に表示された画像の外形を示す図である。 図8(a)は、比較例の車載表示装置に表示された画像を正面方向から見た場合の図であり、図8(b)は、図1の第1の車載表示装置の設置位置に比較例の車載表示装置が設置された状態で、運転者が図8(a)の画像を見た場合の図である。
実施の形態を具体的に説明する前に、概要を述べる。実施の形態は、車両の車室内の左側と右側に設置可能な、運転者が車両の後側方を確認するための車載表示装置に関する。車載表示装置の正面方向と運転者の視線方向との角度が比較的大きい位置に車載表示装置が設置された場合、液晶パネルの表示面に表示される画像は、運転者の目に近い側において、運転者の目から遠い側よりも大きく視認される。そのため、前述のように、運転者に違和感を与えたり、画像として表示された物体の距離感を運転者につかみ難くさせたりする可能性がある。
そこで、実施の形態に係る車載表示装置では、液晶パネルの表示面内における運転者の目の位置に近い側の画像の拡大率を、表示面内における運転者の目の位置から遠い側の画像の拡大率より小さく設定する。即ち、表示面内における一方の側の画像の拡大率を、当該表示面内における一方の側とは反対側の画像の拡大率より小さく設定する。
図1は、実施の形態に係る電子ミラーシステム10が搭載された車両1を概略的に示す上面図である。図2は、図1の車両1を概略的に示す側面図である。図3は、図1の第1の車載表示装置30aの設置位置を示す車室内の図である。
電子ミラーシステム10は、第1のカメラ20aと、第2のカメラ20bと、第1の車載表示装置30aと、第2の車載表示装置30bとを備える。第1のカメラ20aは、車室外において左側ドアの周辺に設置され、車両1の外の左後側方の画像を撮像し、画像データを第1の車載表示装置30aに供給する。第2のカメラ20bは、車室外において右側ドアの周辺に設置され、車両1の外の右後側方の画像を撮像し、画像データを第2の車載表示装置30bに供給する。第1のカメラ20aと第2のカメラ20bを総称する場合は、適宜、カメラ20と呼ぶ。カメラ20は、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いて構成される。カメラ20は、車室内に設けられてもよい。
第1の車載表示装置30aは、車室内の左側に設置され、第1のカメラ20aで撮像された車両1の左後側方の画像を表示する。具体的には、図3に示すように、第1の車載表示装置30aは、左側ドアの内装の車両1の前方側に設置される。第2の車載表示装置30bは、車室内の右側に設置され、第2のカメラ20bで撮像された車両1の右後側方の画像を表示する。具体的には、第2の車載表示装置30bは、右側ドアの内装の車両1の前方側に設置される(図示せず)。第1の車載表示装置30aと第2の車載表示装置30bを総称する場合は、適宜、車載表示装置30と呼ぶ。
図1と図2には、それぞれ、アイリプスE1が示されている。アイリプスE1とは、運転者の右目および左目のアイレンジを長円として側面図および平面図に表したものである。アイレンジとは、運転者の目の位置の分布を統計的に表したものである。アイレンジとアイリプスE1は、車両1に予め設定されている。車種が異なれば、アイレンジとアイリプスE1も異なる。アイレンジとアイリプスE1は、シート位置の移動も考慮して設定されている。図1から分かるように、車載表示装置30の正面方向d1は、アイリプスE1の外を通る方向、即ちアイレンジの外を通る方向である。具体的には、正面方向d1は、アイリプスE1およびアイレンジより車両1の前方側を通る方向である。このように、車載表示装置30の正面方向d1と運転者の視線方向との角度が比較的大きい位置に車載表示装置30が設置されている。
図4は、図1の車載表示装置30の構成を示す図である。車載表示装置30は、表示制御回路31と、表示面38を有する液晶パネル32と、バックライト34と、を備える。表示制御回路31は、カメラ20から供給された画像データに基づいて液晶パネル32の画像表示を制御する。詳細については後述するが、表示制御回路31は、液晶パネル32に表示される画像の拡大率を設定する。液晶パネル32は、車載表示装置30の前面側に配置され、表示制御回路31の制御に従い、カメラ20で撮像された車両1の後側方の画像を表示面38に表示する。液晶パネル32の表示面38は、車載表示装置30の表示面38と同じである。
バックライト34は、車載表示装置30の背面側に配置され、液晶パネル32を照明する。バックライト34は、光源として機能する。バックライト34は、面状発光部50と、第1プリズムシート52と、第2プリズムシート54と、拡散シート56とを備える。面状発光部50は、発光面から光を出射する。面状発光部50は、発光源58と、導光板60と、反射板62とを備える。発光源58は、車載表示装置30がオン状態となっている間、発光する。導光板60は、例えばポリカーボネート製の板状部材であり、端面から入射する発光源58からの光を拡散させ、前面側にほぼ均一に出射する。反射板62は、導光板60から背面側に漏出した光を前面側に向けて反射する。
第1プリズムシート52は、面状発光部50の発光面上に配置され、光の入射側である背面側に第1プリズム面64を有する逆プリズム形状の光学部材である。第1プリズムシート52は、導光板60から入射する光の進行方向を変化させて前面側に出射し、出射光の輝度分布を調整する。
第2プリズムシート54は、第1プリズムシート52の前面側に配置され、光の入射側である背面側に第2プリズム面66を有する逆プリズム形状の光学部材である。第2プリズムシート54は、第1プリズムシート52から入射する光の進行方向を変化させて前面側に出射し、出射光の輝度分布を調整する。
第1プリズム面64と第2プリズム面66の形状によって、所定方向における光の成分を増大させることができる。本実施の形態では、第1プリズム面64と第2プリズム面66の形状は互いに異なり、第1プリズム面64と第2プリズム面66のそれぞれが所定方向に非対称な形状であることで、最大輝度の方向が後述のように制御される。なお、第1プリズム面64と第2プリズム面66の形状は、最大輝度の方向を後述のように制御できる形状であれば、特に制限されない。また、第1プリズムシート52により所望の光学特性を得ることができれば、第2プリズムシート54は設けなくてもよい。
拡散シート56は、第2プリズムシート54からの出射光を拡散する。拡散シート56で拡散された光は、液晶パネル32を照明する。
車載表示装置30の最大輝度の方向は、バックライト34の最大輝度の方向d2と等価である。図1と2に示すように、バックライト34の最大輝度の方向d2は、液晶パネル32の正面方向d1に対して斜め上方向であり、アイレンジ内を通る方向である。つまり、バックライト34の輝度は、アイレンジ内を通る一方向d2において、他の方向より高い。図1と2の例では、バックライト34の最大輝度の方向d2は、概ねアイレンジの中心C1を通る方向である。アイレンジの中心C1は、図1と2に示されるアイリプスE1の中心C1と一致する。このように、バックライト34の最大輝度の方向d2は、液晶パネル32の表示面38の正面方向d1に対して表示面38内における一方の側に傾いている。
次に、液晶パネル32の表示面38に表示される画像の拡大率について説明する。図5は、図1の第1の車載表示装置30aに関する画像の拡大率を説明するための図である。図5に示すように、液晶パネル32の表示面38と交わる仮想的な基準平面P1を想定する。ここでは、基準平面P1は、YZ平面内に位置する一例を示す。基準平面P1の中心O1は、表示面38の中心O2に一致する。
基準平面P1内の長方形の基準画像IM1を想定し、アイレンジの中心C1と基準画像IM1の4つの頂点のそれぞれとを通る仮想直線を想定すると、表示面38内において、仮想直線が表示面38を通過する4点を頂点とする台形が想定できる。本実施の形態では、長方形の基準画像IM1を、このような台形の画像IM2に変換する。具体的には、基準画像IM1の各座標(y0,z0)を画像の拡大率kにより座標変換して、表示面38上の各座標(y,z)を得る。画像の拡大率kは、基準画像IM1の座標(y0,z0)を座標変換する比率であるともいうことができる。即ち、(y,z)=k(y0,z0)と表すことができる。座標(y,z)は、表示面38内の座標系における座標である。
画像の拡大率kは、図5の例では、1未満の値から1より大きい値までを取り得る。画像の拡大率kが1未満の位置では画像が縮小され、画像の拡大率kが1より大きい位置では画像が拡大される。
画像の拡大率kは、例えば、基準画像IM1の各座標(y0,x0)において、アイレンジの中心C1から当該座標(y0,x0)を通る表示面38までの第1直線距離Iと、アイレンジの中心C1から当該座標(y0,x0)までの第2直線距離I0と、の比に基づいて設定することができる。
図6は、図1の第1の車載表示装置30aに関する画像の拡大率kの設定方法の一例を説明するための図である。図6では、+Z方向から見たXY平面を示している。また、基準平面P1がYZ平面内には位置しない一例を示す。表示面38の中心O2からアイレンジの中心C1に向かう方向を基準方向d3として、基準平面P1は、基準方向d3に平行な法線を有する。
表示制御回路31は、表示面38内における一方の側の画像の拡大率kを、表示面38内における一方の側とは反対側の画像の拡大率kより小さく設定する。前述のように、表示面38内における一方の側とは、バックライト34の最大輝度の方向d2が正面方向d1に対して傾いている側であり、表示面38内における運転者の目の位置に近い側である。つまり、表示制御回路31は、表示面38内における運転者の目の位置に近い側の画像の拡大率kを、表示面38内における運転者の目の位置から遠い側の画像の拡大率kより小さく設定するともいえる。また、表示制御回路31は、表示面38内における一方の側から反対側に向かって画像の拡大率kを増加させる。
表示制御回路31は、基準平面P1内の基準画像IM1の仮想位置D1のそれぞれにおいて、アイレンジの中心C1から仮想位置D1を通る表示面38までの第1直線距離Iと、アイレンジの中心C1から仮想位置D1までの第2直線距離I0と、の比に基づいて画像の拡大率kを設定する。具体的には、表示制御回路31は、第1直線距離Iを第2直線距離I0で除算した値を、画像の拡大率kとする。図6の例では、画像の拡大率kは、次の式(1)で表すことができる。
k=sin(atan(Dy/L))*cos(atan(Dy/L))*tan(a1+atan(Dy/L))+cos(atan(Dy/L))^2 式(1)
ここでは、基準画像IM1の仮想位置D1の座標を(Dy,Dz)とする。座標Dyは、基準平面P1におけるZ軸に直交する方向の座標である。座標Dzは、基準平面P1におけるZ軸方向の座標である。座標(Dy,Dz)は、カメラ20から供給される画像データに基づく画像信号に含まれている。Z軸方向に関しては、座標Dzによらず一定の画像の拡大率kを用いる。
また、Lは、表示面の中心O2とアイリプスの中心C1との間の距離である。a1は、表示面の正面方向d1と、基準方向d3とがなす角度である。角度a1は、XY平面内における角度である。距離Lと角度a1は、車両1に予め定められた固定値である。
また、上記の式(1)からも分かるように、表示制御回路31は、角度a1が大きいほど、画像の拡大率kの最大値と最小値の差を大きく設定する。
式(1)で表される画像の拡大率kは、例えば、座標Dy毎に、図示しない記憶部に予め記憶されている。
図6の例では、基準方向d3は、バックライト34の最大輝度の方向d2と略一致している。つまり、この場合、角度a1は、表示面38の正面方向d1と、バックライト34の最大輝度の方向d2とがなす角度に略一致しており、バックライトピーク角と称することもできる。
第2の車載表示装置30bに関しても、以上と同様に画像の拡大率kを計算できる。第1の車載表示装置30aの角度a1は、第2の車載表示装置30bの角度a1と同じでもよいし、異なってもよい。
図7(a)は、基準画像IM1の外形を示す図であり、図7(b)は、正面方向d1から見た場合の図6の表示面38に表示された画像IM2の外形を示す図である。図7(a)に示すように、基準画像IM1は長方形である。基準画像IM1の右半分の範囲では、画像の拡大率kは1より大きい。基準画像IM1の左半分の範囲では、画像の拡大率kは1未満である。図7(b)に示すように、実際に表示面38に表示される画像IM2は、台形である。そのため、運転者が図6の位置から画像IM2を見ると、画像IM2を長方形に近い形状で視認できる。
次に、以上の構成による電子ミラーシステム10の全体的な動作を説明する。電子ミラーシステム10がオン状態になると、カメラ20が車両1の後側方の画像を撮像し、車載表示装置30は、バックライト34の光を用いて、撮像された車両1の後側方の画像を台形状に表示する。
ここで、比較例の車載表示装置について説明する。比較例の車載表示装置は、本実施の形態のような拡大率の設定を行わず、矩形の基準画像をそのまま表示する。図8(a)は、比較例の車載表示装置に表示された画像を正面方向から見た場合の図である。図8(b)は、図1の第1の車載表示装置30aの設置位置に比較例の車載表示装置が設置された状態で、運転者が図8(a)の画像を見た場合の図である。
図1の設置位置では、運転者の目に近い左側の表示物は、運転者の目から遠い右側の表示物より大きく視認される。そのため、図8(a)のように実際には左側の車両が右側の車両より小さく表示された場合であっても、図8(b)では、図8(a)と比較して、左側の車両は大きく視認され、右側の車両は小さく視認される。これにより、運転者に違和感を与えたり、左側の車両と右側の車両の距離感を運転者につかみ難くさせたりする可能性がある。
また、比較例では、バックライトの最大輝度の方向は、概ね正面方向である。そのため、図1の設置位置に比較例の車載表示装置が設置された場合、アイレンジの中心とバックライトの最大輝度の方向とのずれが本実施の形態より大きい。よって、運転者が液晶パネルに表示される画像を十分な輝度で視認することは困難である。特に、図1の設置位置では、車載表示装置の液晶パネルに直射日光が当たりやすく、直射日光が当たった場合には、運転者が画像をより視認し難くなる。また、直射日光が当たると車載表示装置の温度が上昇しやすいため、温度上昇を抑制する観点から、バックライトの消費電力を高めることで全体的な輝度を増加させることは困難である。
これに対して本実施の形態によれば、バックライト34の最大輝度の方向d2は、アイレンジ内を通る方向であり、表示面38の正面方向d1に対して表示面38内における一方の側に傾いている。そして、表示面38内における一方の側の画像の拡大率kを、表示面38内における一方の側とは反対側の画像の拡大率kより小さく設定する。表示面38内における一方の側は、表示面38内における反対側よりも運転者の目に近い。よって、このような設定により、表示面38に表示される画像は、運転者の目に近い側において、運転者の目から遠い側よりも小さくなる。表示面38の画像は、運転者の目に近い側において、運転者の目から遠い側よりも大きく視認されるので、歪みが低減した、撮像された画像に近い画像を運転者に視認させることができる。
また、表示面38内における一方の側から反対側に向かって画像の拡大率kを増加させるので、運転者の目に近い表示面38上の位置から、運転者の目から遠い表示面38上の位置に向かって大きくなるように画像を表示させることができる。つまり、矩形の画像を台形状の画像に変換して表示させることができる。従って、撮像された画像により近い画像を運転者に視認させることができる。
以上から、車載表示装置30の設置位置と向きによらず、運転者に画像を視認させやすくできる。
また、角度a1が大きいほど、画像の拡大率kの最大値と最小値の差を大きく設定するので、車載表示装置30の設置角度に応じて適切な画像を表示できる。
さらに、バックライト34の最大輝度の方向は、アイレンジ内を通る方向である。これにより、比較例と同じ消費電力において、比較例よりもアイレンジ内に多くの光を集めることができる。そのため、消費電力を増加させずに、運転者およびシート位置に依存せず、運転者の目の方向の輝度を比較例よりも高めることができる。従って、運転者に画像を視認させやすくできる。
また、車載表示装置30の液晶パネル32に直射日光が当たった場合であっても、比較例よりも運転者の目の方向の輝度が高いため、運転者に画像を視認させやすくできる。また、バックライト34の最大輝度の方向は、液晶パネル32の正面方向d1に対して斜め上方向であるため、運転者の右側と左側の運転者が見下ろす位置に車載表示装置30を設置できる。よって、鏡を用いたドアミラーの場合に近い視線方向で、運転者に車両の後側方の画像を視認させることができる。
さらに、バックライト34の最大輝度の方向は、概ねアイレンジの中心を通る方向であるため、アイレンジ内により多くの光を集めることができる。また、液晶パネル32の正面方向d1は、アイレンジの外を通る方向であるため、液晶パネル32の正面方向d1が運転者の目に向かない位置および向きに車載表示装置30を設置できる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、また、そうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
例えば、電子ミラーシステム10は、ユーザの操作に従って、モータなどの駆動機構により車載表示装置30の設置角度を制御する設置角度制御装置をさらに備えてもよい。設置角度制御装置は、設置角度である角度a1を表す角度信号を表示制御回路31に出力する。表示制御回路31は、角度信号に応じて画像の拡大率kを計算し、角度a1が大きいほど、画像の拡大率の最大値と最小値の差を大きく設定する。この変形例では、ユーザにより車載表示装置30の設置角度が変更された場合に、設置角度に合わせて画像の拡大率kを再設定できるので、設置角度に合った適切な拡大率kで画像を表示できる。
また、表示制御回路31は、第1の車載表示装置30aと第2の車載表示装置30bで共用されてもよい。この変形例では、電子ミラーシステム10の構成を簡素化できる。
また、基準平面P1が表示面38と交わる位置を変更することにより、画像の拡大率kが1未満にならず1以上になるように設定してもよく、画像の拡大率kが1より大きくならず1以下になるように設定してもよい。つまり、基準画像IM1を拡大縮小して台形の画像IM2に変換するのではなく、基準画像IM1を縮小せずに拡大して台形の画像IM2に変換してもよく、基準画像IM1を拡大せずに縮小して台形の画像IM2に変換してもよい。この変形例では、設計の自由度を向上できる。
本発明の一態様は、次の通りである。
[項目1]
車両の車室内に設置可能な車載表示装置であって、
カメラで撮像された前記車両の外の画像を表示する液晶パネルと、
前記液晶パネルを照明する光源と、
前記液晶パネルの画像表示を制御する表示制御回路と、を備え、
前記光源の輝度は、前記車両に予め設定されたアイレンジ内を通る一方向において、他の方向より高く、
前記一方向は、前記液晶パネルの表示面の正面方向に対して当該表示面内における一方の側に傾き、
前記表示制御回路は、前記表示面内における前記一方の側の画像の拡大率を、当該表示面内における前記一方の側とは反対側の画像の拡大率より小さく設定する、ことを特徴とする車載表示装置。
この態様によると、表示面に表示される画像は、運転者の目に近い側において、運転者の目から遠い側よりも小さくなる。表示面の画像は、運転者の目に近い側において、運転者の目から遠い側よりも大きく視認されるので、歪みが低減した、撮像された画像に近い画像を運転者に視認させることができる。従って、車載表示装置の設置位置と向きによらず、運転者に画像を視認させやすくできる。
[項目2]
前記表示制御回路は、前記表示面内における前記一方の側から前記反対側に向かって画像の拡大率を増加させる、ことを特徴とする項目1に記載の車載表示装置。
この場合、運転者の目に近い表示面上の位置から、運転者の目から遠い表示面上の位置に向かって大きくなるように画像を表示させることができる。つまり、矩形の画像を台形状の画像に変換して表示させることができる。従って、撮像された画像により近い画像を運転者に視認させることができる。
[項目3]
前記表示制御回路は、前記表示面の正面方向と、前記表示面の中心から前記アイレンジの中心に向かう方向とがなす角度が大きいほど、画像の拡大率の最大値と最小値の差を大きく設定する、ことを特徴とする項目1または2に記載の車載表示装置。
この場合、車載表示装置の設置角度に応じて適切な画像を表示できる。
[項目4]
前記表示制御回路は、前記表示面と交わる仮想的な基準平面内の仮想位置において、前記アイレンジの中心から前記仮想位置を通る前記表示面までの第1直線距離と、前記アイレンジの中心から前記仮想位置までの第2直線距離との比に基づいて、画像の拡大率を設定する、ことを特徴とする項目1から3のいずれかに記載の車載表示装置。
この場合、運転者の目と表示面との距離に基づいた適切な拡大率を設定できる。
1…車両、20…カメラ、20a…第1のカメラ、20b…第2のカメラ、30…車載表示装置、30a…第1の車載表示装置、30b…第2の車載表示装置、31…表示制御回路、32…液晶パネル、34…バックライト、38…表示面。

Claims (4)

  1. 車両の車室内に設置可能な車載表示装置であって、
    カメラで撮像された前記車両の外の画像を表示する液晶パネルと、
    前記液晶パネルを照明する光源と、
    前記液晶パネルの画像表示を制御する表示制御回路と、を備え、
    前記光源の輝度は、前記車両に予め設定されたアイレンジ内を通る一方向において、他の方向より高く、
    前記一方向は、前記液晶パネルの表示面の正面方向に対して当該表示面内における一方の側に傾き、
    前記表示制御回路は、前記表示面内における前記一方の側の画像の拡大率を、当該表示面内における前記一方の側とは反対側の画像の拡大率より小さく設定する、ことを特徴とする車載表示装置。
  2. 前記表示制御回路は、前記表示面内における前記一方の側から前記反対側に向かって画像の拡大率を増加させる、ことを特徴とする請求項1に記載の車載表示装置。
  3. 前記表示制御回路は、前記表示面の正面方向と、前記表示面の中心から前記アイレンジの中心に向かう方向とがなす角度が大きいほど、画像の拡大率の最大値と最小値の差を大きく設定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車載表示装置。
  4. 前記表示制御回路は、前記表示面と交わる仮想的な基準平面内の仮想位置において、前記アイレンジの中心から前記仮想位置を通る前記表示面までの第1直線距離と、前記アイレンジの中心から前記仮想位置までの第2直線距離との比に基づいて、画像の拡大率を設定する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車載表示装置。
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