JP2019006103A - 積層体及び容器用蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着面がポリエチレンである容器やシート等の蓋材として有用な積層体を提供する。【解決手段】 シール層(A)を最外層とし、シール層(A)/中間層(B)/基材(C)がこの順番で積層された積層体であり、中間層(B)がMFR0.3g/10分以上、5.0g/10分未満のポリエチレン系樹脂(D)からなり、シール層(A)と中間層(B)の厚みの和に対するシール層(A)の厚みの割合が5%以上、50%未満であることを特徴とする積層体。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエチレンを被着面とする容器等の構成物に対し易剥離性を有する積層体及びそれからなる容器用蓋材に関する。
近年、食品用容器は環境適応性や衛生性が重要視される傾向が顕著になりつつあり、燃焼時に有害ガスを発生するポリ塩化ビニル製や溶出物の健康への影響が疑われるポリスチレン製の容器は、ポリエチレンやポリプロピレン製に替わりつつある。
特にポリエチレンを積層した紙製容器の使用が顕著に増加しており、例えば紙にポリエチレンを押出ラミネートしカップ状にしたヨーグルト用容器や即席ラーメン容器、菓子容器等が挙げられる。
前述の容器には、輸送時には破袋すること無く安全な取扱いが可能で、しかも開封時には女性や子供でも開けられるような易剥離性を有した蓋材が必要である。
そのため上記の易剥離性蓋材には、最外層に容器のポリエチレン面と接触しヒートシールするための層(シール層)が設けられ、シール層には特定の組成を有する易剥離性接着剤が使用される。
また、易剥離性接着剤は、一般的に蓋材の基材として使用されるPETやアルミ箔などとは接着しにくいため、シール層と基材の間には易剥離性接着剤と接着可能な樹脂(ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体等)からなる中間層が設けられる。
易剥離性接着剤としては、例えば、1)ポリエチレンに対し基本的に接着しにくい樹脂(例えば、ポリプロピレン)にポリエチレンと接着可能な樹脂(例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)を混合した組成物、2)エチレン−酢酸ビニル共重合体に粘着付与剤及び低分子量ワックス等を混合したいわゆるホットメルト組成物、3)上記ホットメルトタイプを押出し可能にした高分子量タイプのホットメルト組成物、4)低密度ポリエチレンに高分子量ポリブテンをブレンドした組成物(例えば、特許文献1参照)、5)ポリエチレン系樹脂、結晶性のポリブテン樹脂、低分子量ワックスからなるポリエチレン用易剥離性接着剤(例えば、特許文献2参照)、6)ポリエチレン系樹脂、結晶性ポリプロピレン系樹脂及び低分子量ポリエチレンワックスからなるポリエチレン用易剥離性接着剤(例えば、特許文献3参照)等が挙げられる。
特開平1−315443号公報 特開2003−129018号公報 特開2007−112955号公報
しかしながら、上記のような構成を有する積層体は、ポリエチレン製容器に対する易剥離性の蓋材としては様々な問題があり、十分に満足できるものであるとは言えなかった。
すなわち、開封時に必要な力の大きさ(開封強度)は、容器の封緘性を阻害しない範囲で低く設定することが好まれる。開封強度を低減させる目的でシール層の凝集破壊強度を低下させようとすると、シール層の易剥離性接着剤に配合する結晶性ポリブテン樹脂や結晶性ポリプロピレン樹脂の比率を高めることが必要となる。
そうすることでシール層の凝集破壊強度は低下するが、同時にシール層と中間層の接着強度の低下を引き起こし、デラミ等の剥離不良を招く恐れがある。また被着体側のポリエチレンとのヒートシール強度も低下するため、ヒートシール温度の上昇やヒートシール時間の延長といった対策が必要となり、生産性の低下を招く恐れがある。
また、開封強度を下げるためには、シール層の厚みを厚くするという方法があるが、その場合は剥離面にいわゆる糸曳きが多く発生するようになり、外観が悪化する。また易剥離性接着剤は比較的高価なため、シール層厚みの増加は経済的にも問題がある。
以上のような問題があるため、易剥離性蓋材において低い開封強度を得ることは大変困難であった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行なった結果、ある特定の物性を有するポリエチレンを中間層に配した積層体が、シール層を薄膜化した場合においても易剥離性に優れ、かつ剥離面の外観にも優れることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、シール層(A)を最外層とし、シール層(A)/中間層(B)/基材(C)がこの順番で積層された積層体であり、中間層(B)がメルトマスフローレイト(以下、MFRという)0.3g/10分以上、5.0g/10分未満のポリエチレンからなり、シール層(A)と中間層(B)の厚みの和に対するシール層(A)の厚みの割合が5%以上、50%未満であることを特徴とする積層体およびそれよりなる容器用蓋材に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体を構成するシール層(A)は、被着体側のポリエチレンとヒートシールが可能であれは特に制約はないが、ポリエチレン系樹脂(E)およびポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)の混合物よりなることが好ましい。当該混合物をシール層(A)とすることで、本発明の積層体の易剥離性が向上する。
ポリエチレン系樹脂(E)としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体などを例示することができる。その中でも、押出ラミネート加工性の面から低密度ポリエチレンが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(E)のJIS K6922−1に準拠して測定したメルトマスフローレイトは、特に制限はないが、10〜200g/10分であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)としては特に制約はなく、結晶性ポリブテン樹脂、結晶性ポリプロピレン、結晶性のエチレン・プロピレン共重合体およびエチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物などを例示することができる。
また、ポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)については、成形加工性の面から、融点が150℃以下であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)のJIS K7210に準拠して測定したメルトマスフローレイトは特に制限はないが、1.0〜30g/10分であることが好ましく、特に0.5〜10g/10分であることが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)の配合割合は特に制限はないが、ポリエチレン系樹脂(E)60〜90wt%に対し非相溶なポリマー(F)10〜40wt%であると、易開封性が良好となりかつ成形性が良好となるため好ましい。
ポリエチレン系樹脂(E)およびポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)の混合物には、低分子量ポリエチレンワックス(G)を配合してもよい。低分子量ポリエチレンワックス(G)は、GPC法による数平均分子量が1,000〜10,000であることが好ましい。
低分子量ポリエチレンワックス(G)の配合割合は特に制限はないが、ポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)の合計100重量部に対して低分子量ポリエチレンワックス(G)を3〜20重量部配合すると、成形加工性と開封外観が良好になるため好ましい。
本発明の積層体を構成する中間層(B)は、JIS K6922−1に準拠して測定したMFR0.3g/10分以上、5.0g/10分未満のポリエチレン系樹脂(D)からなる。ポリエチレン系樹脂(D)のMFRの範囲は、より好ましくは0.5g/10分以上、5.0g/10分未満であり、さらに好ましくは1.0g/10分以上、5.0g/10分未満である。
ポリエチレン系樹脂(D)のMFRが0.3g/10分未満であると押出ラミネート加工時の押出負荷が大きくなり、好ましくない。またMFRが5.0g/10分以上であると積層体を容器にヒートシールした後に開封する際の開封強度が高くなり、易剥離性を損ねるため好ましくない。
ポリエチレン系樹脂(D)としてはMFR以外には特に制約はなく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体などを例示することができる。とりわけ、押出ラミネート加工性や材料コストの面から低密度ポリエチレンが好ましい。これらの樹脂を2種以上混合して使用してもよい。またMFR等の物性が異なる同種の樹脂を2つ以上混合して使用しても良い。
さらに、ポリエチレン系樹脂(D)は、スウェル比(SR)が1.7以上、3.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは1.7以上、2.5以下であり、特に好ましくは1.9以上、2.5以下である。この範囲のSRを有する樹脂を中間層(B)に使用すると、押出ラミネート加工時の成形加工性が良好になり、さらに積層体をヒートシールして剥離した際の剥離面において糸曳き等の外観不良が少なくなり、好ましい。
なお、SRの測定は、JIS K 7210で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて装置に充填された樹脂をオリフィスより押出し、オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーでストランド状の押出物を採取し、押出されたストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D0)で除して求めることができる。
本発明の積層体を構成するシール層(A)および中間層(B)には、通常のポリオレフィン系樹脂に配合される添加剤、すなわち酸化防止剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を、本発明の積層体の性能を阻害しない限り必要量添加することができる。
本発明の積層体は、シール層(A)と中間層(B)の厚みの和に対するシール層(A)の厚みの割合が5%以上、50%未満であり、好ましくは5%以上、40%以下である。
シール層(A)と中間層(B)の厚みの和に対するシール層(A)の厚みの割合が5%未満であると、シール層(A)と中間層(B)を共押出ラミネートする際に両層の押出量のバランスが悪くなり、安定した成形加工が困難となる。シール層(A)の厚みの割合が50%以上であるとシール層(A)が開封時に破断する距離が長くなり、糸曳きなどの剥離外観不良を起こしやすくなるため、好ましくない。
シール層(A)の厚みについては特に制約はないが、糸曳きなどの剥離外観不良の発生が起こりにくくなるため1μm以上、20μm未満であることが好ましく、さらに好ましくは1μm以上、15μm以下である。
本発明の積層体を構成する基材(C)については特に制約はなく、一般的に蓋材の基材として使用される材料を用いることができる。基材(C)としては、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム等の延伸または未延伸フィルム、アルミ箔などを例示することができる。
本発明の積層体は、シール層(A)が最外層となり、シール層(A)/中間層(B)/基材(C)がこの順番で積層された積層体である。基材(C)の外側には、さらにポリオレフィン系フィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、紙などを1層以上積層することができる。
シール層(A)と中間層(B)を基材(C)に積層する方法については特に制限はなく、例えばシール層(A)と中間層(B)を各々キャスト成形法やインフレーション成形法によって単層フィルム化した後にドライラミネート法で逐次積層する方法、単層フィルム化したシール層(A)と基材(C)を中間層(B)の樹脂でサンドイッチラミネートする方法、基材(C)と中間層(B)を押出ラミネートした後にシール層(A)をタンデムラミネートする方法、基材(C)にシール層(A)と中間層(B)を共押出ラミネートする方法などを例示することができる。中でも、各層間の接着性がよく経済的にも有利なことから、基材(C)にシール層(A)と中間層(B)を共押出ラミネートする方法が好ましい。
なお、押出ラミネートによる積層を行なう場合は、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム等のプラスチックフィルムや紙またはアルミ箔などの基材に予めアンカーコート剤を塗布してもよい。また、加工時にオゾン処理をする事により、各種プラスチックフィルム、アルミ箔等と積層することが好ましい。
本発明の積層体は、例えば蓋材、より好ましくはポリエチレン製容器に対する蓋材として用いることができる。積層体を接着する対象物は、少なくとも被着面がポリエチレンであればよく、構成中に塩化ビニリデンやエチレン−ビニルアルコール共重合体あるいはアルミ等のバリアー性のある包装資材が使用されている容器またはシートでも構わない。
積層体を接着する対象物の例としては、板紙に低密度ポリエチレンをラミネートされた構成物を製函することにより得られるラミネート容器が挙げられ、より具体的には、例えばヨーグルトや即席ラーメン用の紙カップ等が挙げられる。
本発明の積層体は、シール層を薄膜化した場合においてもポリエチレンを接着面とする被着体との易剥離性に優れ、かつ剥離面の外観にも優れることから、接着面がポリエチレンである容器やシート等の包装材として有用であり、とりわけ接着面がポリエチレンである容器の蓋材として最適である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、断りのない限り用いた試薬等は市販品を用いた。以下に、実施例に用いた測定法を示す。
〜メルトマスフローレイト(MFR)〜
使用した各材料のMFRは、JIS K6922−1に準拠して測定した。
〜スウェル比(SR)〜
使用した各材料のSRの測定は、JIS K 7210で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分の条件にて装置に充填された樹脂をオリフィスより押出し、オリフィス直下に設置したイソプロパノールを入れたメスシリンダーでストランド状の押出物を採取し、押出されたストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D0)で除すことにより求めた。
実施例1
あらかじめ厚み12μmのポリエステルフィルム(PET)と厚み7μmのアルミ箔をドライラミネート法によって貼り合せたフィルムを基材(C)として使用し、基材(C)のアルミ箔側にイソシアネート系アンカーコート剤(三井化学株式会社製 商品名タケラックA−3210とタケネートA−3072の3/1混合物)を塗布した後、90mm/65mm共押出ラミネーターで中間層(B)とシール層(A)を基材(C)/中間層(B)/シール層(A)の順になるように加工速度120m/分で共押出ラミネート加工し、積層体を得た。
この時、ラミネート加工時の加工性について評価し、問題なく成形できた場合を○、溶融膜が不安定であったり押出負荷が高いなどの加工上の問題があった場合を△、成形が困難で積層体が得られなかった場合を×とした
中間層(B)はポリエチレン系樹脂(D)として密度923kg/m、MFR3.7g/10分、SR2.09の、低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン225)を使用した。押出機シリンダー内は温度340℃、層厚み35μmであった。
シール層(A)は、ポリエチレン系樹脂(E)としてMFRが58g/10分の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン248)、ポリエチレン系樹脂と非相溶なポリマー(F)としてMFRが6.5g/10分の結晶性ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製 商品名ノバテックPP FW4BT、融点137℃)を使用し、両者の配合比は重量比で65/35であった。押出機シリンダー内温度は280℃、層厚み5μmであった。またダイ温度は335℃であった。
この積層体を、内面に30μm厚みの低密度ポリエチレンが積層された紙カップ容器(フランジ部外径100mm)の開口部に蓋材として、構造物の接着剤面が接触する様に重ねヒートシール機(サニーパック株式会社製)で加熱接着させた。ヒートシール条件は、温度170℃、圧力4.0MPa/カップ、時間0.8秒とした。
室温で冷却後、引張試験機(株式会社オリエンテック製 商品名テンシロンRTE−1210)を用いて本発明の積層体を紙カップ容器から90度の角度で剥し、剥離に要する力の強度を測定した。なお引張速度は300mm/分であった。剥離に要する力は開封開始直後にピークを示し、このピーク時の強度を開封強度とした。
また、積層体剥離後の紙カップ容器の剥離面を観察し、糸曳きの発生の程度を目視で観察した。観察結果は、○(糸曳きがほとんどなく、良好な外観)、△(糸曳きが少数発生)、×(糸曳きが多数発生して、外観不良)の3段階で評価した。
さらに本積層体は、シール層(A)を坪量50gのクラフト紙に密度918kg/mの高圧法低密度ポリエチレンを押出ラミネートした積層体のポリエチレン層とヒートシールして300mm/分の速度で剥離させることで、紙剥けの評価を行った。剥離時にクラフト紙が材料破壊した場合を×、クラフト紙が材料破壊しなかった場合を○とした。ヒートシール条件は、温度160℃、圧力0.2MPa、時間1.0秒とした。
加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価の結果を、表1に示す。
実施例2
中間層(B)の厚みを25μmとし、シール層(A)の厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例3
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度924kg/m、MFR3.0g/10分、SR2.02の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン205)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例4
中間層(B)の厚みを25μmとし、シール層(A)の厚みを15μmとした以外は、実施例3と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例5
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度924kg/m、MFR1.0g/10分、SR1.73の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン176R)を使用した以外は、実施例2と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例6
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度922kg/m、MFR0.6g/10分、SR1.81の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン175R)を使用した以外は、実施例2と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例7
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度924kg/m、MFR2.0g/10分、SR1.63の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン183)を使用した以外は、実施例2と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
比較例1
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度919kg/m、MFR23g/10分、SR1.51の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン202K)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
開封強度が高かった。また剥離面に糸曳きが多く認められ、開封外観が悪化した。さらに紙剥けが発生した。溶融膜が不安定で加工性が劣った。
比較例2
中間層(B)の厚みを25μmとし、シール層(A)の厚みを15μmとした以外は、比較例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
開封強度が高かった。また剥離面に糸曳きが多く認められ、開封外観が悪化した。さらに紙剥けが発生した。溶融膜が不安定で加工性が劣った。
比較例3
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度918kg/m、MFR8.0g/10分、SR1.92の低密度ポリエチレン(東ソー株式会社製 商品名ペトロセン203)を使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
開封強度が高かった。また紙剥けが発生した。
比較例4
中間層(B)の厚みを25μmとし、シール層(A)の厚みを15μmとした以外は、比較例3と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
開封強度が高めであった。また紙剥けが発生した。
比較例5
中間層(B)の厚みを15μmとし、シール層(A)の厚みを25μmとした以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
剥離面に糸曳きが多く認められ、開封外観が悪化した。
比較例6
中間層(B)のポリエチレン系樹脂(D)として密度918kg/m、MFR6.0g/10分、SR1.98の低密度ポリエチレンを使用した以外は、実施例1と同様に積層体を作製し、加工性と開封強度、開封外観および紙剥けの評価を行った。その結果を表1に示す。
開封強度が高めであった。また紙剥けが発生した。
Figure 2019006103

Claims (6)

  1. シール層(A)を最外層とし、シール層(A)/中間層(B)/基材(C)がこの順番で積層された積層体であり、中間層(B)がメルトマスフローレイト0.3g/10分以上、5.0g/10分未満のポリエチレン系樹脂(D)からなり、シール層(A)と中間層(B)の厚みの和に対するシール層(A)の厚みの割合が5%以上、50%未満であることを特徴とする積層体。
  2. シール層(A)が、ポリエチレン系樹脂(E)およびポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)の混合物よりなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. ポリエチレン系樹脂(E)と非相溶なポリマー(F)の融点が150℃以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層体。
  4. シール層(A)の厚みが1μm以上、20μm未満であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層体。
  5. 中間層(B)を構成するポリエチレン系樹脂(D)が、以下の要件(a)を満たすことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層体。
    (a)JIS K 7210で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分により押出されたストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D0)で除して求めたスウェル比(SR)が1.7以上、3.0以下。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の積層体からなることを特徴とする容器用蓋材。
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