JP2019006063A - 液体噴射装置のクリーニング方法、及び、液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置のクリーニング方法、及び、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用環境に応じた適切なクリーニング条件でクリーニング動作を実施可能な液体噴射装置のクリーニング方法、及び、液体噴射装置を提供する。【解決手段】ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、ノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を設定時間毎に行う液体噴射装置のクリーニング方法であって、クリーニング動作を行う前に、液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を検査し、検査において液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、設定時間、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の少なくとも一方のクリーニング条件を調整し、調整後のクリーニング条件に基づきクリーニング動作を実行する。【選択図】図6

Description

本発明は、ノズルの噴射不良を解消するためクリーニング動作を実行する液体噴射装置のクリーニング方法、及び、液体噴射装置に関するものである。
液体噴射装置は、液体噴射ヘッドを備え、液体噴射ヘッドのノズル面に開設されたノズルから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置、バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
このような液体噴射装置において、液体流路への気泡の混入により、ノズルから正常にインクを噴射できない場合がある。このような噴射不良を抑制するため、定期的にあるいは所定のタイミングで噴射不良を解消するためのクリーニング動作を行っている。また、予め液体噴射装置に記憶されているTCLテーブルから、前回のクリーニング動作からの経過時間(CL経過時間)、及び、ノズル面がキャップで封止されていない時間(累積キャップ解放時間)に対応したクリーニング強度を決定し、この決定したクリーニング強度でクリーニング動作を行うものが開示されている(特許文献1参照)。
特開2012−96367号公報
しかしながら、実際に液体噴射装置が使用される使用環境(例えば、温度、湿度、使用頻度、使用インク等)が想定された使用環境と異なる場合、クリーニング動作の実施タイミングやクリーニング強度等のクリーニング条件が適切な条件になっていなかった。例えば、使用環境が想定よりも噴射不良が起き易い環境であった場合、クリーニング動作を行うタイミングが遅すぎたり、クリーニング強度が不足したりする虞がある。また、使用環境が想定よりも噴射不良が起き難い環境であった場合、クリーニング動作の頻度やクリーニング強度が過剰になり、無駄にインクが消費される虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は使用環境に応じた適切なクリーニング条件でクリーニング動作を実施可能な液体噴射装置のクリーニング方法、及び、液体噴射装置を提供することにある。
本発明の液体噴射装置のクリーニング方法は、上記目的を達成するために提案されたものであり、ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、前記ノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を設定時間毎に行う液体噴射装置のクリーニング方法であって、
前記クリーニング動作を行う前に、前記液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を検査し、
前記検査において液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、前記設定時間、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の少なくとも一方のクリーニング条件を調整し、
調整後の前記クリーニング条件に基づき前記クリーニング動作を実行することを特徴とする。
この構成によれば、液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、クリーニング条件を調整するため、使用環境に応じた適切なクリーニング条件でクリーニング動作を行うことができる。
上記構成において、前記クリーニング条件の調整において、前記検査で判定された前記不良ノズルの数が予め設定された基準数以上であり、且つ、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在の前記設定時間より短い場合、前記設定時間の短縮、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の強化の少なくとも一方を行うことが望ましい。
この構成によれば、クリーニング動作が不足することによる不良ノズルの増加を抑制できる。その結果、印刷品質の低下を抑制できる。
また、上記構成において、前記クリーニング条件の調整において、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在の設定時間を超えた後に電源が投入され、前記検査で判定された前記不良ノズルの数が予め設定された基準数より少ない場合、前記設定時間の延長、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の弱化の少なくとも一方を行うことが望ましい。
この構成によれば、液体の消費量を抑制することができる。
さらに、上記各構成の何れかにおいて、前記クリーニング動作の後に、前記液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を再度検査することが望ましい。
この構成によれば、不良ノズルが正常なノズルに回復したか否かを確認できる。
また、上記構成において、前記クリーニング動作の後の再度の検査において、噴射不良であると判定された不良ノズルの数が予め設定された基準数以上の場合、クリーニング動作におけるクリーニング強度を強化するように前記クリーニング条件を調整することが望ましい。
この構成によれば、不良ノズルをより確実に回復させることができる。
そして、本発明の液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
前記ノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を設定時間毎に行うように制御する制御部と、
前記液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を検査する検査機構と、
を備えた液体噴射装置であって、
前記制御部は、前記検査機構の検査において液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、前記設定時間、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の少なくとも一方のクリーニング条件を調整し、調整後のクリーニング条件に基づき前記クリーニング動作を実行することを特徴とする。
この構成によれば、液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、クリーニング条件を調整するため、使用環境に応じた適切なクリーニング条件でクリーニング動作を行うことができる。その結果、液体噴射装置の信頼性を高めることができる。
プリンターの構成を説明する斜視図である。 プリンターの構成を説明するブロック図である。 記録ヘッドの構成を説明する断面図である。 記録ヘッド本体の構成を説明する断面図である。 クリーニング動作を説明する模式図である。 ノズル検査後の流れを説明するフローチャートである。 第2実施形態におけるノズル検査後の流れを説明するフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、液体噴射装置の一種として、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッド)3が搭載されたインクジェット式プリンター(以下、プリンター)1を例に挙げて説明する。
図1は、プリンター1の斜視図、図2は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。プリンター1は、記録紙等の記録媒体2(着弾対象の一種)の表面に対してインク(液体の一種)を噴射して画像等の記録を行う装置である。このプリンター1は、記録ヘッド3、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4、キャリッジ4を主走査方向に移動させるキャリッジ移動機構5、記録媒体2を副走査方向に移送する搬送機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、液体供給源としてのインクカートリッジ7に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3に対して着脱可能に装着される。なお、インクカートリッジがプリンターの本体側に配置され、当該インクカートリッジからインク供給チューブを通じて記録ヘッドに供給される構成を採用することもできる。
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモーター等のパルスモーター9により駆動される。したがってパルスモーター9が作動すると、キャリッジ4は、プリンター1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエンコーダー23(図2参照)によって検出される。リニアエンコーダー23は、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)をプリンター1の制御部17に送信する。
記録媒体2が搬送される領域(又は、印刷領域)に対して主走査方向の一端側(図1中、右側)に外れた位置には、記録ヘッド3の待機位置であるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、キャップ11や当該キャップ11内の空間を減圧する吸引ポンプ(図示せず)等を備えたキャッピング機構12、及び、ワイパー13や当該ワイパー13を上下方向に移動させる駆動源(図示せず)等を備えたワイピング機構14が設けられている。キャップ11は、ホームポジションに待機する記録ヘッド3の下面(ノズル面40)を封止する、例えば、弾性体からなる部材である。キャッピング機構12は、記録ヘッド3の下面をキャップ11で封止した状態で、ポンプによりキャップ11内の空間を減圧し、ノズル49から記録ヘッド3内のインクを吸引するクリーニング動作を実行する。なお、クリーニング動作に関しては、後で詳しく説明する。また、ワイパー13は、ホームポジションに待機する記録ヘッド3の下面を払拭する部材である。本実施形態におけるワイパー13は、エラストマー等の弾性体からなり、ブレード状に形成されている。なお、ワイパー13としては、綿、絹等の布からなるシート状の部材を用いることもできる。
次に、プリンター1の電気的な構成について説明する。本実施形態におけるプリンター1は、図2に示すように、プリンターコントローラー15により各部の制御が行われる。本実施形態におけるプリンターコントローラー15は、インターフェース(I/F)部16と、制御部17と、記憶部18と、駆動信号生成部19と、を有する。インターフェース部16は、コンピューターや携帯情報端末機等の外部装置70から印刷データや印刷命令を受け取ったり、プリンター1の状態情報を外部装置70側に出力したりする。記憶部18は、制御部17のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。駆動信号生成部19は、記録媒体2に対してインク滴を噴射して画像等を記録するための駆動パルスを含む駆動信号を発生する。
制御部17は、記憶部18に記憶されているプログラムに従って、プリンター1の各部を制御する。例えば、制御部17は、キャッピング機構12を制御し、記録ヘッド3のクリーニング動作を制御する。特に、本実施形態においては、クリーニング動作を設定時間毎に行うように制御する。このため、制御部17は、直近に行ったクリーニングからの経過時間を計るための計測手段を備えている。また、本実施形態における制御部17は、外部装置70からの印刷データに基づき、記録動作時に記録ヘッド3のどのノズル49からどのタイミングでインクを噴射させるかを示す噴射データ等を生成し、これらを記録ヘッド3のヘッド制御部22に送信する。そして、ヘッド制御部22は、この制御部17からの信号に基づき駆動信号中の駆動パルスを選択的に圧電素子59(図4参照)に印加する。これにより圧電素子59が駆動されてノズルからインク滴が噴射(吐出)されたり、あるいは、インク滴が噴射されない程度に微振動動作が行われたりする。
また、本実施形態におけるプリンター1は、図2に示すように、キャリッジ移動機構5、搬送機構6、リニアエンコーダー23、キャッピング機構12、ワイピング機構14、ノズル検査機構21(本発明における検査機構に相当)及び記録ヘッド3等を備えている。上記したように、キャリッジ移動機構5は、タイミングベルト8及びパルスモーター9等からなり、キャリッジ4に搭載された記録ヘッド3を主走査方向に移動させる。また、搬送機構6は、紙送りモーター及び紙送りローラー等(いずれも図示せず)からなり、記録媒体2を副走査方向に移動させる。リニアエンコーダー23は、キャリッジ4(記録ヘッド3)の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として制御部17に出力する。キャッピング機構12は、キャップ11によりノズル49を封止した状態で、ノズル49からインクを強制的に排出させるクリーニング動作を実行する。ワイピング機構14は、ワイパー13により記録ヘッド3のノズル面40を払拭する払拭動作を実行する。
ノズル検査機構21は、インクが正常に噴射されない不良ノズルを検出する機構である。このノズル検査機構21としては、例えば、圧力室57内のインクに生じる圧力振動(残留振動)に基づく圧電素子59の逆起電力信号を検出する振動検出回路、及び、逆起電力信号からノズル49におけるインクの噴射不良を判定する判定回路(何れも図示せず)等からなる。ここで、ノズル49からインクが正常に噴射されない不良ノズルの場合、圧電素子59が駆動された後の圧力室57内のインクに生じる圧力振動が正常時のものと比較して異なる。すなわち、不良ノズルの場合には、振動検出回路により検出される逆起電力信号が正常時のものと比較して異なるため、不良ノズルを検出することができる。ノズル検査機構21により検査された検査結果は、制御部17に送信される。そして、制御部17は、送られてきた検査結果を基に不良ノズルの数をカウントする。なお、振動検出回路又は判定回路の何れか一方、或いは、その両方を制御部17の一部に含めることもできる。この場合、制御部17がノズル検査機構21の一部として機能することになる。また、ノズル検査機構21としては、上記の構成に限られず、種々の構成を採用することができる。例えば、ノズル面40と、ノズル面40と対向する検出面との間に電界を形成し、ノズル49から検出面に向けてインクが飛翔する際の静電誘導に基づく検出面における電圧値の時間的変化を検出して、不良ノズルを検出する機構を採用することもできる。また、ノズル49から噴射されるインクを撮影するカメラを備え、カメラにより撮影されたインクの飛翔画像に基づいて不良ノズルを検出する機構を採用することもできる。さらに、実際にテストパターンを記録媒体2等に印刷し、その印刷結果から不良ノズルを検出する機構を採用することもできる。
次に記録ヘッド3の構成について説明する。図3は、本実施形態における記録ヘッド3の構成を説明する模式図である。また、図4は、記録ヘッド3の要部(すなわち、記録ヘッド本体25)の構成を説明する模式図である。なお、以下の説明では、便宜上、カートリッジ装着部28側を上方(又は上側)、ノズル面40側を下方(又は下側)として説明する。また、記録ヘッド本体25の構成はノズル列方向に直交する方向において概ね左右対称であるため、図4では一方の構成のみを表している。
本実施形態における記録ヘッド3は、図3に示すように、インク導入針29が複数形成されるホルダー26、ホルダー26の下側に取り付けられる流路部材27、及び、流路部材27のヘッド収容空間35内に収容される記録ヘッド本体25等を備えている。ホルダー26は、上面側にインクカートリッジ7が着脱可能に取り付けられるカートリッジ装着部28を有している。カートリッジ装着部28には、インク導入針29が複数立設されている。このインク導入針29は、インクカートリッジ7内に挿入される中空針状の部材であり、インクカートリッジ7内に貯留されたインクをホルダー26の内部に形成されたホルダー流路30に導入する。ホルダー流路30の途中には、ゴミや気泡等の通過を抑制するフィルター室32が形成されている。フィルター室32は、ホルダー流路30よりも断面積が広く形成され、途中にフィルター31が配置された流路空間である。フィルター31は、例えば繊維や金属等からなる細い線を網目状に織ったものや、金属平板に複数の穴を設けたもの等が用いられる。
流路部材27は、回路基板33を間に挟んで、ホルダー26の下側に取り付けられた合成樹脂等からなる部材である。この流路部材27の内部には、ホルダー流路30と接続される接続流路34が形成されている。この接続流路34は、上端部がホルダー流路30と連通され、下端部が記録ヘッド本体25の液体導入路45と連通されている。また、流路部材27の下方には、下面側から上面側の途中まで凹んだヘッド収容空間35が設けられている。このヘッド収容空間35内に、記録ヘッド本体25が収容されている。なお、流路部材27とホルダー26との間に配置される回路基板33は、ヘッド制御部22等を有する基板であり、フレキシブル基板37の一端側が接続されている。また、ヘッド収容空間35内に収容された記録ヘッド本体25の下面(具体的には、ノズルプレートの下面)、及び、流路部材27の下面には、固定板38が接合されている。この固定板38は、ノズル49を露出させる開口39を有している。なお、本実施形態におけるノズル面40は、ノズルプレート48の下面、及び、固定板38の下面から成る面、すなわち、ノズル49が形成されるノズルプレート48の下面のみならず固定板38の下面も含む概念である。
本実施形態における記録ヘッド本体25は、図4に示すように、アクチュエーターユニット41及び流路ユニット42が積層された状態でヘッドケース43に取り付けられている。ヘッドケース43は、合成樹脂製の箱体状部材であり、その内部には流路部材27の接続流路34と連通する液体導入路45が形成されている。この液体導入路45により、各圧力室57にインクが供給される。本実施形態においては、2列に並設された圧力室57の列に対応して液体導入路45が2つ形成されている。また、ヘッドケース43の下側(流路ユニット42側)の部分には、当該ヘッドケース43の下面(流路ユニット42側の面)からヘッドケース43の高さ方向の途中まで直方体状に窪んだ収容空間44が形成されている。アクチュエーターユニット41は、この収容空間44内に収容されている。さらに、収容空間44の天井面の一部には、ヘッドケース43の外側の空間と収容空間44とを連通する挿通開口46が開設されている。この挿通開口46を通じてフレキシブル基板37の他端部が収容空間44内に挿通され、当該収容空間44内のアクチュエーターユニット41に接続される。
流路ユニット42は、連通基板51及びノズルプレート48を有している。ノズルプレート48は、連通基板51の下面(圧力室形成基板56とは反対側の面)に接合されたシリコン製の基板(例えば、シリコン単結晶基板)である。本実施形態では、このノズルプレート48により、後述する共通液室52となる空間の下面側の開口が封止されている。また、ノズルプレート48には、複数のノズル49が直線状(列状)に開設されている。この複数のノズル49からなるノズル49の列(すなわち、ノズル列)は、ノズルプレート48に2列形成されている。各ノズル列を構成するノズル49は、一端側のノズル49から他端側のノズル49までドット形成密度に対応したピッチで、例えば主走査方向に沿って等間隔に設けられている。なお、ノズルプレートを連通基板における共通液室から内側に外れた領域に接合し、共通液室となる空間の下面側の開口を、例えば可撓性を有するコンプライアンスシート等の部材で封止することもできる。
連通基板51は、図4に示すように、流路ユニット42の上部(ヘッドケース43側の部分)を構成するシリコン製の基板である。この連通基板51には、液体導入路45と連通し、各圧力室57に共通なインクが貯留される共通液室52と、この共通液室52を介して液体導入路45からのインクを各圧力室57に個別に供給する個別連通路53と、圧力室57とノズル49とを連通するノズル連通路54とが、異方性エッチング等により形成されている。共通液室52は、ノズル列方向に沿った長尺な空部であり、2列に並設された圧力室57の列に対応して2列に形成されている。また、個別連通路53及びノズル連通路54は、ノズル列方向に沿って複数形成されている。
アクチュエーターユニット41は、図4に示すように、圧力室形成基板56、振動板58、アクチュエーターの一種である圧電素子59、及び、封止板60が積層されてユニット化された状態で、連通基板51に接合されている。圧力室形成基板56は、アクチュエーターユニット41の下部(流路ユニット42側の部分)を構成するシリコン製の基板(例えば、シリコン単結晶基板)である。この圧力室形成基板56には、異方性エッチングにより一部が板厚方向に除去されて、圧力室57となるべき空間がノズル列方向に沿って複数並設されている。この空間は、下方が連通基板51により区画され、上方が振動板58により区画されて圧力室57を構成する。また、この空間、すなわち圧力室57は、2列に形成されたノズル列に対応して2列に形成されている。各圧力室57は、ノズル列方向に直交する方向に長尺な空部であり、長手方向の一側の端部に個別連通路53が連通すると共に、他側の端部にノズル連通路54が連通する。
振動板58は、例えば、圧力室形成基板56の上面に形成された弾性膜と、この弾性膜上に形成された絶縁体膜と、からなる。この振動板58における各圧力室57に対応する領域は、撓み変形が許容される駆動領域62であり、圧電素子59が積層されている。本実施形態における圧電素子59は、所謂撓みモードの圧電素子である。この圧電素子59は、例えば、振動板58上に、下電極層、圧電体層及び上電極層が順次積層されてなる。この上電極膜又は下電極膜のうち何れか一方が各圧電素子59に共通に形成された共通電極となり、他方が各圧電素子59に個別に形成された個別電極となっている。そして、下電極層と上電極層との間に両電極の電位差に応じた電界が付与されると、圧電素子59はノズル49から遠ざかる方向あるいは近接する方向に撓み変形する。これにより、圧力室57の容積が変化し、当該圧力室57内のインクに圧力変動が生じることになる。そして、この圧力変動を利用することで、記録ヘッド3はノズル49からインクを噴射する。また、圧力室57内のインクの圧力変動により圧電素子59が撓み変形すると、当該変形に応じた逆起電力が発生する。本実施形態におけるノズル検査機構21は、この逆起電力信号からノズル49におけるインクの噴射不良を判定する。
封止板60は、図4に示すように、圧力室形成基板56の上面(詳しくは、振動板58の上面)に接合されたシリコン単結晶、金属、又は、合成樹脂等からなる基板である。この封止板60の下面には、当該封止板60の下面から封止板60の板厚方向の途中まで窪んだ圧電素子収容空間63が形成されている。そして、この圧電素子収容空間63内に、圧電素子59の列が収容されている。本実施形態では、2列に形成された圧電素子59の列に対応して、圧電素子収容空間63が2列に形成されている。なお、2つの圧電素子収容空間63の間の部分には、封止板60が板厚方向に貫通された開口が形成されている。この開口内において、挿通開口46を通じて挿通されたフレキシブル基板37の他端の端子と、圧電素子59から延在された配線の端子とが接続される。
次に、本実施形態におけるプリンター1のクリーニング方法について説明する。図5は、クリーニング動作を説明する模式図である。図6は、ノズル検査後の流れを説明するフローチャートである。記録ヘッド3は、上記したように、インクカートリッジ7とノズル49との間のインク流路の途中にフィルター31及びフィルター室32を有しており、当該フィルター室32内に気泡等を捕集する構成を有している。しかしながら、図5に示すように、時間の経過に伴ってフィルター室32に捕集された気泡Bが大きく成長すると、当該気泡Bによりフィルター31が塞がれ、インクカートリッジ7からのインクを圧力室57に供給できなくなる。その結果、複数のノズル49(例えば、1つのノズル列に含まれるノズル49のうち20%〜30%のノズル)がインクを噴射できない噴射不良状態(以下、多ノズル抜け状態)となる虞がある。このような、不具合を抑制するため、所定の設定時間(例えば、6か月)毎にクリーニング動作(所謂、タイマークリーニング)を行っていた。クリーニング動作は、制御部17からの信号に応じて、キャッピング機構12を制御し、ノズル49からインクを強制的に排出させる動作である。具体的には、図5に示すように、記録ヘッド3のノズル面40をキャップ11で封止し、図示しないポンプによりキャップ11内の空間を減圧することで、ノズル49から記録ヘッド3内のインクを吸引する。これにより、フィルター室32内の気泡Bがインクと共に吸引され(図5における矢印参照)、多ノズル抜け状態が解消される。すなわち、正常にインクを噴射可能な状態へと回復する。なお、本実施形態におけるクリーニング動作の強度(例えば、吸引時間や吸引力等)は、キャッピング機構12の制御により段階的に変更することができる。
ここで、上記したクリーニング動作の間隔(すなわち、タイマークリーニング(TCL)の設定時間。TCL間隔ともいう)は、ある使用環境(例えば、温度、湿度、使用頻度、使用インク等)において、プリンター1を使用した場合に、多ノズル抜け状態となる時間を予測し、この時間よりも短い時間に設定されている。しかしながら、実際に使用される使用環境(例えば、温度、湿度、使用頻度、使用インク等)が、想定していた使用環境と異なる場合、クリーニング動作を行うタイミングが遅すぎ、多ノズル抜け状態が発生したり、過剰なクリーニング動作により、無駄にインクが消費されたりする虞がある。本発明は、このような不具合を抑制するため、多ノズル抜け状態が発生した時間等に応じて、クリーニング動作の間隔(すなわち、TCLの設定時間)を設定し直すことを特徴とする。
具体的には、図6に示すフローチャートを参照して説明する。まず、クリーニング動作を行う前に、ノズル検査機構21により各ノズル49の検査を行い、インクの噴射不良の有無を判定する(ステップS1)。なお、ノズル検査機構21による検査は、クリーニング動作の間隔よりも短い時間間隔で、適宜に実施される。例えば、プリンター1の電源投入後、印刷開始前、又は、インクカートリッジ7を装着した後等において実施される。その他、クリーニング動作の間隔よりも短い所定時間毎に実施しても良い。ノズル49の検査において検出された不良ノズルの数は、制御部17に送られカウントされる。そして、制御部17は、多ノズル抜け状態が発生しているか否かを判定する。具体的には、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上か否かを判定する(ステップS2)。
不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上である(すなわち、多ノズル抜け状態が発生している)と判定された場合(ステップS2において、YESの場合)、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であるか否かを判定する(ステップS3)。そして、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であると判定された場合(ステップS3において、YESの場合)、クリーニング条件を変更せずに今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング動作を実行する(ステップS4)。なお、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)よりも長くなる場合は、例えば、プリンター1の電源が入っていない状態でTCLの設定時間が経過し、その後にプリンター1の電源を投入した場合等が考えられる。一方、ステップS3において、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)よりも短いと判定された場合(ステップS3において、NOの場合)、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を前回のクリーニング動作からの経過時間に変更する(ステップS7)。すなわち、この場合、想定される使用環境よりも厳しい環境(多ノズル抜け状態が起き易い環境)でプリンター1が使用されていることが予想されるため、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を短縮する。なお、変更されたTCLの設定時間は、記憶部18に記憶される。その後、今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング動作を実行する(ステップS4)。これにより、次回のタイマークリーニング(TCL)となるクリーニング動作は、今回のクリーニング動作の後、新たに設定されたTCLの設定時間(すなわち、短縮されたTCLの設定時間)を経過した時に実行される。なお、ステップS7において、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を前回のクリーニング動作からの経過時間よりも短くなるように変更することもできる。
また、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthより少ない(すなわち、多ノズル抜け状態が発生していない)と判定された場合(ステップS2において、NOの場合)、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であるか否かを判定する(ステップS8)。そして、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であると判定された場合(ステップS8において、YESの場合)、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を前回のクリーニング動作からの経過時間に変更する(ステップS9)。すなわち、この場合、想定される使用環境よりも厳しくない環境(多ノズル抜け状態が起き難い環境)でプリンター1が使用されていることが予想されるため、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を延長する。なお、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)と同じ場合は、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)は見かけ上変更されない。その後、今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング動作を実行する(ステップS4)。これにより、次回のタイマークリーニング(TCL)となるクリーニング動作は、今回のクリーニング動作の後、新たに設定されたTCLの設定時間(すなわち、延長されたTCLの設定時間)を経過した時に実行される。なお、ステップS9において、クリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を前回のクリーニング動作からの経過時間よりも長くなるように変更することもできる。一方、ステップS8において、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)よりも短いと判定された場合(ステップS3において、NOの場合)、クリーニング条件を変更せず且つクリーニング動作を行わずに終了する。
ステップS4において、クリーニング動作(今回のタイマークリーニング)を実行したならば、このクリーニング動作の効果を確認するため、ノズル検査機構21により各ノズル49の検査を再び行う(ステップS5)。そして、制御部17は、多ノズル抜け状態から回復しているか否かを判定する。具体的には、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthよりも少ないか否かを判定する(ステップS6)。その結果、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthよりも少ない(すなわち、多ノズル抜け状態が無い)と判定された場合(ステップS6において、YESの場合)、クリーニング動作を行わずに終了する。一方、クリーニング動作の後の再度の検査において、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上である(すなわち、多ノズル抜け状態が発生している)と判定された場合(ステップS6において、NOの場合)、現在のクリーニング動作のクリーニング条件では十分ではないため、クリーニング動作におけるクリーニング強度を1段階上げる。すなわち、現在のクリーニング強度(前回のクリーニング動作におけるクリーニング強度)+1となるように以降のクリーニング条件を変更して、クリーニング動作を強化する(ステップS10)。その後、今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング強度を上げた条件でクリーニング動作を再度実行し(ステップS4)、各ノズル49を再度検査する(ステップS5)。その結果、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthよりも少ないと判定されると、クリーニング動作を行わずに終了する。
このように、不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、クリーニング条件を調整するため、使用環境に応じた適切なクリーニング条件でクリーニング動作を行うことができる。すなわち、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上であり、且つ、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のTCLの設定時間より短い場合、TCLの設定時間の短縮を行うことで、クリーニング動作が不足することによる不良ノズルの増加を抑制できる。その結果、印刷品質の低下を抑制でき、ひいては、プリンター1の信頼性を高めることができる。また、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthより少なく、且つ、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のTCLの設定時間より長い場合、すなわち、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のTCLの設定時間を超えた後にプリンター1の電源が投入され、その後のノズルの検査で不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthより少ないと判定された場合、TCLの設定時間の延長を行うことで、インクの消費量を抑制することができる。さらに、本実施形態においては、今回のクリーニング動作の後に、噴射不良を再度検査したので、不良ノズルが正常なノズルに回復したか否かを確認できる。そして、この再度の検査において不良ノズルの数が予め設定された基準数以上の場合、クリーニング動作におけるクリーニング強度を強化するようにクリーニング条件を調整するため、不良ノズルをより確実に回復させることができる。
なお、TCLの設定時間及び前回のクリーニング動作からの経過時間における時間の計測開始タイミングは、適宜に設定できる。例えば、前回のクリーニング動作(タイマークリーニング)の開始時間とこの次のクリーニング動作(タイマークリーニング)の開始時間との間隔をTCLの設定時間としても良いし、前回のクリーニング動作(タイマークリーニング)の終了時間とこの次のクリーニング動作(タイマークリーニング)の開始時間との間隔をTCLの設定時間としても良い。そして、これに合わせて、前回のクリーニング動作からの経過時間の計測を開始すればよい。また、前回のクリーニング動作からの経過時間の計測終了タイミングは、ノズル検査を実行するまでの時間、不良ノズルの数を判定するまでの時間、或いは、今回のクリーニング動作を開始する予定の時間等、適宜に設定できる。さらに、ステップS3及びステップS8において比較される時間は、TCLの設定時間の長さに応じて、秒単位、分単位、時間単位、日単位、月単位等、適宜に設定することができる。例えば、TCLの設定時間を月単位で設定した場合、前回のクリーニング動作からの経過時間等を日単位又は時間単位で計測し、ステップS3及びステップS8において、この単位で比較する。
また、ノズル検査後の流れは、図6に示すフローに限られない。例えば、図6に示すフローのうち、再度のノズル検査を省略することもできる。すなわち、今回のクリーニング動作(ステップS4)の後において、ステップS5、ステップS6、及び、ステップS10を行わずに終了することもできる。また、ステップS10のみを省略することもできる。例えば、ステップ6において、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上である(すなわち、多ノズル抜け状態が発生している)と判定された場合(ステップS6において、NOの場合)、クリーニング強度を変えずに、クリーニング動作を再度実行するようにしても良い(ステップS4)。
ところで、上記した第1の実施形態においては、不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、TCLの設定時間を調整するようにしたが、これには限られない。例えば、不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、クリーニング動作におけるクリーニング強度を調整するようにしても良い。具体的には、第2の実施形態として、図7に示すフローチャートを参照して説明する。なお、ノズル49の検査(ステップS1)、不良ノズル数の判定(ステップS2)、並びに、前回のクリーニング動作からの経過時間の判定(ステップS3及びステップS8)に関しては、上記した第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図7に示すように、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上である(すなわち、多ノズル抜け状態が発生している)と判定された場合(ステップS2において、YESの場合)であって、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)よりも短いと判定された場合(ステップS3において、NOの場合)、現在のクリーニング強度+1となるように以降のクリーニング条件を変更する(ステップS7′)。すなわち、この場合、想定される使用環境よりも厳しい環境(多ノズル抜け状態が起き易い環境)でプリンター1が使用され、TCLの設定時間において、ノズル49の状態が想定される使用環境よりも悪化していることが予想されるため、クリーニング強度を強化する。これにより、不良ノズルが、正常にインクが噴射可能な状態へと回復し易くなる。そして、ステップS4において、今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング強度を強化したクリーニング動作を実行する(ステップS4)。一方、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上である(すなわち、多ノズル抜け状態が発生している)と判定された場合(ステップS2において、YESの場合)であって、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であると判定された場合(ステップS3において、YESの場合)、上記した第1の実施形態と同じく、クリーニング条件を変更せずに今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング動作を実行する(ステップS4)。
また、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthより少ない(すなわち、多ノズル抜け状態が発生していない)と判定された場合(ステップS2において、NOの場合)であって、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であると判定された場合(ステップS8において、YESの場合)、現在のクリーニング強度−1となるように以降のクリーニング条件を変更する(ステップS9′)。すなわち、この場合、想定される使用環境よりも厳しくない環境(多ノズル抜け状態が起き難い環境)でプリンター1が使用され、TCLの設定時間において、ノズル49の状態が想定される使用環境よりも悪化していないことが予想されるため、クリーニング強度を弱化する。これにより、インクの消費量を抑制することができる。そして、ステップS4において、今回のタイマークリーニング(TCL)としてクリーニング強度を弱化したクリーニング動作を実行する(ステップS4)。なお、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthより少ない(すなわち、多ノズル抜け状態が発生していない)と判定された場合(ステップS2において、NOの場合)であって、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)よりも短いと判定された場合(ステップS3において、NOの場合)、上記した第1の実施形態と同じく、クリーニング条件を変更せず且つクリーニング動作を行わずに終了する。また、今回のクリーニング動作(ステップS4)以降も、上記した第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
ところで、上記した各実施形態では、不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、TCLの設定時間、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の何れか一方のクリーニング条件を調整したが、これには限られない。不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、TCLの設定時間と、クリーニング動作におけるクリーニング強度との両方を調整してもよい。例えば、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nth以上である(すなわち、多ノズル抜け状態が発生している)と判定された場合(ステップS2において、YESの場合)であって、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)よりも短いと判定された場合(ステップS3において、NOの場合)、現在のクリーニング条件よりもクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を短縮すると共に、クリーニング強度を強化する。また、不良ノズルの数が予め設定された基準数Nthより少ない(すなわち、多ノズル抜け状態が発生していない)と判定された場合(ステップS2において、NOの場合)であって、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在のクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)以上であると判定された場合(ステップS8において、YESの場合)、現在のクリーニング条件よりもクリーニング動作の間隔(TCLの設定時間)を延長すると共に、クリーニング強度を弱化する。
そして、以上においては、液体噴射装置として、液体噴射ヘッドの一種であるインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、他の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッドを備えた液体噴射装置、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた液体噴射装置等にも本発明を適用することができる。ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドでは液体の一種としてR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液体の一種として液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは液体の一種として生体有機物の溶液を噴射する。
1…プリンター,2…記録媒体,3…記録ヘッド,4…キャリッジ,5…キャリッジ移動機構,6…搬送機構,7…インクカートリッジ,8…タイミングベルト,9…パルスモーター,10…ガイドロッド,11…キャップ,12…キャッピング機構,13…ワイパー,14…ワイピング機構,15…プリンターコントローラー,16…インターフェース部,17…制御部,18…記憶部,19…駆動信号生成部,21…ノズル検査機構,22…ヘッド制御部,23…リニアエンコーダー,25…記録ヘッド本体,26…ホルダー,27…流路部材,28…カートリッジ装着部,29…インク導入針,30…ホルダー流路,31…フィルター,32…フィルター室,33…回路基板,34…接続流路,35…ヘッド収容空間,37…フレキシブル基板,38…固定板,39…開口,40…ノズル面,41…アクチュエーターユニット,42…流路ユニット,43…ヘッドケース,44…収容空間,45…液体導入路,46…挿通開口,48…ノズルプレート,49…ノズル,51…連通基板,52…共通液室,53…個別連通路,54…ノズル連通路,56…圧力室形成基板,57…圧力室,58…振動板,59…圧電素子,60…封止板,62…駆動領域,63…圧電素子収容空間,70…外部装置

Claims (6)

  1. ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、前記ノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を設定時間毎に行う液体噴射装置のクリーニング方法であって、
    前記クリーニング動作を行う前に、前記液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を検査し、
    前記検査において液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、前記設定時間、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の少なくとも一方のクリーニング条件を調整し、
    調整後の前記クリーニング条件に基づき前記クリーニング動作を実行することを特徴とする液体噴射装置のクリーニング方法。
  2. 前記クリーニング条件の調整において、前記検査で判定された前記不良ノズルの数が予め設定された基準数以上であり、且つ、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在の前記設定時間より短い場合、前記設定時間の短縮、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の強化の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置のクリーニング方法。
  3. 前記クリーニング条件の調整において、前回のクリーニング動作からの経過時間が現在の設定時間を超えた後に電源が投入され、前記検査で判定された前記不良ノズルの数が予め設定された基準数より少ない場合、前記設定時間の延長、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の弱化の少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置のクリーニング方法。
  4. 前記クリーニング動作の後に、前記液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を再度検査することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射装置のクリーニング方法。
  5. 前記クリーニング動作の後の再度の検査において、前記不良ノズルの数が予め設定された基準数以上の場合、クリーニング動作におけるクリーニング強度を強化するように前記クリーニング条件を調整することを特徴とする請求項4に記載の液体噴射装置のクリーニング方法。
  6. ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
    前記ノズルから液体を強制的に排出させるクリーニング動作を設定時間毎に行うように制御する制御部と、
    前記液体噴射ヘッドの各ノズルにおける液体の噴射不良を検査する検査機構と、
    を備えた液体噴射装置であって、
    前記制御部は、前記検査機構の検査において液体の噴射不良状態にあると判定された不良ノズルの数、及び、前回のクリーニング動作からの経過時間に応じて、前記設定時間、又は、クリーニング動作におけるクリーニング強度の少なくとも一方のクリーニング条件を調整し、調整後のクリーニング条件に基づき前記クリーニング動作を実行することを特徴とする液体噴射装置。
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