JP2019005829A - 関節機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型軽量で製作が容易な関節機構を実現する。【解決手段】関節機構(1)は、転がり面(3b)を転がり面(3a)に押し付けるために側平面(4a)と側平面(4b)とを跨ぐように配置された一対の側面ワイヤ(5・6)と、転がり面(3a)と転がり面(3b)との間の滑りを防止するために、転がり面(3a)と転がり面(3b)とに沿って互いに交差するように配置された一対の交差ワイヤ(7・8)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、回転対偶を備えた関節機構に関する。
軸と軸受とからなる従来の回転対偶は、リンク機構などの機械構造に広く用いられてきた。このような軸と軸受との回転対偶は、外力に起因する曲げ応力、捻り応力が軸に一点集中するため破壊されやすく、錆び、歪みに起因する拘束の劣化により可動性が著しく損なわれるという問題があった。従来の回転対偶において、外力による破壊を避けるためには、軸受(ベアリング)を基礎とした高精度な加工を要し、軸と軸受とに関する構造材が増加する。このため、軸と軸受とからなる回転対偶が、重くなり、高剛性になるという課題が存在した。この課題に対して、特許文献1は、球体関節を用いた柔軟な筋骨格アームを提案している。
特開2011-121163号公報(2011年06月23日公開)
AC Etoundi, R Vaidyanathan, and SC Burgess. "A bio-inspired condylar hinge joint for mobile robots." Inteligent Robots and Systems (IROS), 2011 IEEE/RSJ International Conference on. IEEE, 2011.
しかしながら、特許文献1に記載の球体関節は、軸と軸受とからなる従来の関節と同様に、錆びや歪みに起因する劣化に弱く、重量も増加するという問題がある。
人間の膝関節をリンク機構に近似した関節(非特許文献1)は、歩行ロボットに適した特性と耐久性とを有するが、寸法が大きく、重量が重い上、設計・製作の手順が複雑で困難を伴うという問題がある。また、その関節の構造上、転がり関節に滑りが発生することで関節の回転動作に乱れが生じる可能性が有るという問題がある。
本発明の一態様は、軸と軸受が不要であり、小型軽量で製作が容易な関節機構を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る関節機構は、互いに平行に配置されて一端の少なくとも一部が曲線状に形成された一対の第1側平面と、前記一対の第1側平面の間に形成された第1転がり面とを有する第1部材と、前記一対の第1側平面に対応する一対の第2側平面と、前記第1転がり面の上を転がるために前記一対の第2側平面の間に形成された第2転がり面とを有する第2部材と、前記第2転がり面を前記第1転がり面に押し付けるために前記第1側平面と前記第2側平面とを跨ぐように配置された一対の側面ワイヤと、前記第1転がり面と前記第2転がり面との間の滑りを防止するために、前記第1転がり面と前記第2転がり面とに沿って互いに交差するように配置された一対の交差ワイヤとを備えたことを特徴とする。
この特徴によれば、一対の側面ワイヤにより第2転がり面が第1転がり面に押し付けられ、一対の交差ワイヤにより第1転がり面と第2転がり面との間の滑りが防止される。このため、軸と軸受の無い回転対偶が転がり運動により回動し、小型軽量で製作が容易な関節機構を実現することができる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記一対の第1側平面の前記一端が円弧状に形成されることが好ましい。
上記の構成によれば、第2転がり面が第1転がり面の上を転がることにより、第2部材が第1部材の周りを360度回動することができる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記一対の第1側平面を貫通する第1貫通孔が前記第1部材に形成され、前記一対の第2側平面を貫通する第2貫通孔が前記第2部材に形成され、前記一対の側面ワイヤの一方が、前記第1貫通孔を通って前記一対の側面ワイヤの他方と連結され、前記第2貫通孔を通って前記一対の側面ワイヤの他方と連結されることが好ましい。
上記の構成によれば、一対の側面ワイヤを1本のワイヤで簡素に構成することができる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記一対の第1側平面の一端の一部が円弧形状であり、前記一端の他の一部が、前記第2部材の前記第1部材の周りの回動範囲を限定する回動範囲限定形状を有することが好ましい。
上記の構成によれば、回動範囲限定形状が、第1部材の回動に対するストッパとして作用し、関節機構の可動範囲を制限することができる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記回動範囲限定形状が、前記円弧形状に接する第1直線形状と前記第1直線形状に直交する第2直線形状とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、回動範囲限定形状を簡易な構成により実現することができる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記一対の第1側平面の一端の一部が円弧状であり、前記一端の他の一部は、前記第2部材が第1状態から第2状態に飛び移るための飛び移り形状を有することが好ましい。
上記の構成によれば、エネルギ蓄積状態からエネルギ解放状態に飛び移る過程でエネルギを一気に解放する特性が得られる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記飛び移り形状が、前記円弧形状に繋がる第1直線形状と前記第1直線形状に斜交する第2直線形状とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、飛び移り形状を簡易な構成により実現することができる。
本発明の一態様に係る関節機構では、前記側面ワイヤの張力を調整する張力調整器が前記第1側平面と前記第2側平面との少なくとも一方に設けられることが好ましい。
上記の構成によれば、張力調整器で側面ワイヤの初期張力を調整することにより、関節機構の関節剛性などの力学的特性を微調整することができる。
本発明の一態様によれば、小型軽量で製作が容易な関節機構を実現することができるという効果を奏する。
(a)は実施形態1に係る関節機構に設けられたリンク部材の転がり面を説明するための斜視図であり、(b)は上記関節機構に設けられた側面ワイヤを説明するための斜視図であり、(c)は上記関節機構に設けられた他の側面ワイヤを説明するための斜視図であり、(d)は上記関節機構に設けられた交差ワイヤを説明するための斜視図であり、(e)は上記関節機構に設けられた他の交差ワイヤを説明するための斜視図である。 (a)〜(c)は上記関節機構の動作を示す側面図である。 (a)〜(c)は上記関節機構の可動域を説明するための側面図である。 (a)(b)は実施形態2に係る関節機構の斜視図である。 (a)は実施形態1に係る関節機構の側面図であり、(b)〜(d)は実施形態3に係る関節機構の動作を示す側面図である。 (a)(b)は実施形態4に係る関節機構の動作を示す側面図である。 実施形態5に係る関節機構の応用例を示す図である。 実施形態5に係る関節機構の他の応用例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施形態1)
図1(a)は実施形態1に係る関節機構1に設けられたリンク部材2aの転がり面3aを説明するための斜視図であり、(b)は関節機構1に設けられた側面ワイヤ5を説明するための斜視図であり、(c)は関節機構1に設けられた側面ワイヤ6を説明するための斜視図であり、(d)は関節機構1に設けられた交差ワイヤ7を説明するための斜視図であり、(e)は関節機構1に設けられた交差ワイヤ8を説明するための斜視図である。図2(a)〜(c)は関節機構1の動作を示す側面図である。
関節機構1はリンク部材2a(第1部材)を備える。リンク部材2aは、互いに平行に配置されて一端が半円状に形成された一対の側平面4a(第1側平面)と、一対の側平面4aの間に形成された転がり面3a(第1転がり面)とを有する。リンク部材2aの一端には、一対の側平面4aを貫通する貫通孔9a(第1貫通孔)が形成される。
関節機構1にはリンク部材2b(第2部材)が設けられる。リンク部材2bはリンク部材2aと同様に構成される。即ち、リンク部材2bは、互いに平行に配置されて一端が半円状に形成された一対の側平面4b(第2側平面)と、一対の側平面4bの間に形成された転がり面3b(第2転がり面)とを有する。リンク部材2bの一端には、一対の側平面4bを貫通する貫通孔9b(第2貫通孔)が形成される。
リンク部材2aは、転がり面3aがリンク部材2bの転がり面3bと対向して、転がり面3aが転がり面3bの上を転がるように配置される。
関節機構1は一対の側面ワイヤ5・6を備える。側面ワイヤ5は、転がり面3bを転がり面3aに押し付けるために、一対の側平面4aの一方と一対の側平面4bの一方とを跨ぐように配置される。側面ワイヤ6は、転がり面3bを転がり面3aに押し付けるために、一対の側平面4aの他方と一対の側平面4bの他方とを跨ぐように配置される。
側面ワイヤ5の一端は側平面4aの一方にネジ等の公知の方法により固定することができ、側面ワイヤ5の他端は側平面4bの一方にネジ等の公知の方法により固定することができる。側面ワイヤ6の一端は側平面4aの他方に公知の方法により固定することができ、側面ワイヤ6の他端は側平面4bの他方に公知の方法により固定することができる。
側面ワイヤ5が、貫通孔9aを通って側面ワイヤ6の他方と連結され、貫通孔9bを通って側面ワイヤ6と連結されるように側面ワイヤ5と側面ワイヤ6とを1本のワイヤで構成しても良い。
関節機構1には一対の交差ワイヤ7・8が設けられる。交差ワイヤ7・8は、図1(d)(e)に示すように、転がり面3aと転がり面3bとに沿って互いに交差するように配置される。交差ワイヤ7・8により、関節機構1の動作時において、転がり面3aと転がり面3bとの間の滑りが防止される。
側面ワイヤ5・6、交差ワイヤ7・8の材質は、高い強度と伸びにくい性質を有する材質が好ましく、例えば、UHPE(Ultra High Molecular Weight Polyethylene、超高分子量ポリエチレン)繊維などが一例として挙げられる。
このように構成された関節機構1は以下のように動作する。
まず、図2(a)に示すように、リンク部材2a・2bが一直線上に配置された状態から、転がり面3aが転がり面3bの上を滑らずに転がることにより、リンク部材2aが時計回りに回動してリンク部材2bに対して斜め方向に屈曲した図2(b)に示す状態を経て、リンク部材2aがリンク部材2bに対して垂直に屈曲する図2(c)に示す状態となる。
このとき、側面ワイヤ5・6は、転がり面3a・3b同士の接触を保ち、屈曲方向以外の方向のリンク部材2a・2bの運動を拘束するように機能する。また、交差ワイヤ7・8は、転がり面3a・3b同士の滑りを防止するように機能する。
本実施形態は、人間の膝関節における軟骨に対応した転がり面3a・3bと、膝関節における靱帯に対応した側面ワイヤ5・6及び交差ワイヤ7・8とにより構成される回転機構である。本実施形態の新規な点は、関節を拘束するために軸を使用せず、軸の代わりに、人間の膝関節における靱帯を模した複数本のワイヤ(側面ワイヤ5・6、交差ワイヤ7・8)を使用する点にある。
図3(a)〜(c)は関節機構1の可動域を説明するための側面図である。リンク部材2aは、転がり面3aが転がり面3bの上を転がることにより、図3(b)に示す状態から、図3(c)に示す状態まで時計回りに180度回動することができ、そして、図3(b)に示す状態から、図3(a)に示す状態まで反時計回りに180度回動することができる。関節機構1は、リンク部材2aの屈曲動作の回動中心が転がり面3bに沿って移動するため、360度にわたる広い可動域を有する。
軸と軸受とからなる従来の関節機構は、精密に構成されているため、軸の曲げ方向に外力が作用して軸が曲がってしまって軸受に対して僅かでもずれると、機能しなくなるという問題がある。
これに対して、本実施形態の関節機構1は、ある程度曖昧に構成されているため、曲げ方向に外力が作用しても、ワイヤ(側面ワイヤ5・6、交差ワイヤ7・8)が引っ張られることに基づく伸びにより、リンク部材2a・2bの屈曲動作の方向以外の方向への変位が許容される。このため、関節機構1は、軸と軸受とからなる従来の関節機構よりも外力に対して強靭である。そして、関節機構1は、従来の関節機構に比べてその動作に柔らかさがあり、同質量を有する従来の関節機構よりも特に衝撃力に対して強靭である。
本実施形態によれば、軸や軸受を使用しないため、精密な機械加工が不要になり、製作コストを削減することができる。そして、軸や軸受を使用しないため、関節に係る構造材の削減による関節機構の軽量化が可能となる。
また、ワイヤは座屈を考慮する必要がないため荷重に強く、ワイヤの微小な伸びにより本実施形態の関節機構1に適度な柔軟性を持たせることで、関節機構1に作用する衝撃力を吸収することができる。
さらに、従来の関節機構と比較して、図3に示すように、可動範囲が広くなり、ほぼ180度回動する折り畳み動作が可能となる。
また、転がり面3a・3bの形状を後述するように改良することにより、関節機構1の柔軟性、剛性を調整することができる。
本実施形態の関節機構1は、単一の機械要素としてモジュール化されているため、従来の機械構造における回転対偶との置換も容易である。
上記の性質により、本実施形態は従来の機械構造への広い適用が可能であり、軸と軸受とを使用した従来の関節構造に比べて、耐衝撃性及び軽量性に優れる点で革新的である。
関節機構1は、リンク部材2a・2bの回動方向を拘束する2つの転がり面3a・3bと、転がり面3a・3bを拘束する4本のワイヤ(側面ワイヤ5・6、交差ワイヤ7・8)で構成される回転機構である。リンク部材2aの一端の半円の中心、及び、リンク部材2bの一端の半円の中心から伸びる2本の側面ワイヤ5・6は、転がり面3aを転がり面3bに押し付けつつ、リンク部材2a・2bの側平面4a・4bと垂直な面内での望まれない曲げ応力、リンク部材2a・2bの軸方向の望まれない捻り応力を支える役割を果たす。転がり面3a・3bに沿って交差して配置される交差ワイヤ7・8は、転がり面3a・3bの間の滑りを排除しつつ、望まない曲げ応力を支える役割を果たす。
転がり面3a・3bが歪の無い半円柱形状により形成されている場合、2つの転がり面3a・3bを形成する2つの半円の間の中心間距離と、半円の円周とは、幾何学的に変化しない。このため、図2(a)〜(c)に示す関節機構1のリンク部材2aがリンク部材2bに対して折れ曲がる方向の回動運動をしている間は、ワイヤ(側面ワイヤ5・6及び交差ワイヤ7・8)が伸びず、転がり面3aの転がり面3bに対するスムーズな転がり回動が生じる。しかしながら、上記方向以外の方向に回動運動しようとすると、ワイヤに伸びが生じる。このため、ワイヤの剛性によって、上記方向以外の方向への望まれない回動運動を拘束することができる。
従来の回転対偶と異なり、本実施形態の関節機構1は、軸と軸受とを使用しない。このため、精密な機械加工が不要となるほか、軸と軸受とに係る構造材の削減による関節機構の軽量化が可能となる。また、ワイヤの柔軟性により本実施形態の関節機構1は優れた耐荷重性・耐衝撃性を有する。そして、本実施形態の関節機構1は、単一の機械要素としてモジュール化されている。このため、機械構造における従来の回転対偶との置換も可能である。
以上の性質より、本実施形態の関節機構1は、従来の機械構造への広い適用が可能であり、精密加工が不要で、且つ軽量の為、コスト削減が見込める。
そして、従来の機械構造では実現が難しかった超軽量構造物への適用が可能であり、従来は危険性などの観点から実現が困難であった、外界との予期せぬ衝突や接触を伴う機械に新たに適用することができる。
本実施形態の関節機構1は、その軽量性から、展開可能な宇宙構造物、ドローンに搭載するロボットアームなどの超軽量な機構を要する用途に適用することができる。また、抵慣性及び耐衝撃性から、外界、対人との予期せぬ衝突の危険を伴う不整地走行ロボット及び医療・介護ロボットなど、実世界環境下で動作する機械構造に適用することができる。
(実施形態2)
図4(a)(b)は実施形態2に係る関節機構1Aの斜視図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
関節機構1Aは張力調整器10を備える。張力調整器10は、側面ワイヤ5の張力を調整するために、リンク部材2aの側平面4aの一方、及び、リンク部材2bの側平面4bの一方に配置される。そして、側面ワイヤ6の張力を調整する張力調整器10が、リンク部材2aの側平面4aの他方、及び、リンク部材2bの側平面4bの他方に配置される。
図4(a)に示すように、張力調整器10により側面ワイヤ5・6の初期張力を小さく設定すると、関節機構1Aの矢印21に示す方向の捻り自由度が大きくなる。図4(b)に示すように、張力調整器10により側面ワイヤ5・6の初期張力を大きく設定すると、関節機構1Aの矢印22に示す方向の捻り自由度が小さくなる。このように、実施形態1の効果に加えて、実施形態2によれば、張力調整器10で側面ワイヤ5・6の初期張力を調整することにより、関節機構1Aの関節剛性などの力学的特性を微調整することができる。例えば、精密な回動動作が必要な場合は強い張力を張力調整器10により印加し、衝撃力の吸収などのための柔軟性が必要な場合は弱い張力を張力調整器10により印加すればよい。
(実施形態3)
図5(a)は実施形態1に係る関節機構1の側面図であり、(b)〜(d)は実施形態3に係る関節機構1Bの動作を示す側面図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
関節機構1Bはリンク部材15a・15bを備える。リンク部材15aの先端には、円弧面11aと、円弧面11aに繋がる飛び移り形状面12aとが形成される。飛び移り形状面12aは、円弧面11aに繋がる第1直線形状面13aと第1直線形状面13aに斜交する第2直線形状面14aとを含む。リンク部材15bの先端には、円弧面11bと、円弧面11bに繋がる飛び移り形状面12bとが形成される。飛び移り形状面12bは、円弧面11bに繋がる第1直線形状面13bと第1直線形状面13bに斜交する第2直線形状面14bとを含む。
このように構成された関節機構1Bは以下のように動作する。
まず、図5(b)に示すように、リンク部材15a・15bが一直線上に配置された状態から、リンク部材15aがリンク部材15bに対して時計回りに回動して、図5(c)に示すように、第1直線形状面13aが第1直線形状面13bと接してエネルギを蓄積するエネルギ蓄積状態(第1状態)に移行する。そして、リンク部材15aがリンク部材15bに対してさらに時計回りに回動して第1直線形状面13aが第1直線形状面13bから離れ、図5(d)に示すように、第2直線形状面14aが第2直線形状面14bに近づいてエネルギが一気に解放されるエネルギ解放状態(第2状態)に移行する。この現象を飛び移り座屈現象と呼ぶ。
このように、本実施形態に係る関節機構1Bは、転がり面の形状を工夫することにより、所望の力学的特性を実現する。即ち、第1直線形状面13aと第2直線形状面14aとにより小さな山型形状を形成し、第1直線形状面13bと第2直線形状面14bとにより小さな山型形状を形成して、リンク部材2aの転がり面及びリンク部材2bの転がり面の曲率を部分的に変化させる。これにより、図5(b)に示す状態から図5(c)に示すエネルギ蓄積状態まででエネルギを蓄積し、図5(c)に示すエネルギ蓄積状態から図5(d)に示すエネルギ解放状態に移行する過程でエネルギを一気に解放する特性が得られる。このような関節機構1Bは、例えば瞬間的な大出力を要する跳躍ロボットなどへの適用が可能である。このような転がり面(円弧面11a・11b、飛び移り形状面12a・12b)の製作及び微調整は、積層型の3Dプリンタを用いて容易に実現することができる。
(実施形態4)
図6(a)(b)は実施形態4に係る関節機構1Cの動作を示す側面図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
関節機構1Cはリンク部材20a・20bを備える。リンク部材20aの先端には、円弧面19aと、円弧面19aに繋がる回動範囲限定形状面16aとが形成される。回動範囲限定形状面16aは、円弧面19aに繋がる第1直線形状面17aと第1直線形状面17aに直交する第2直線形状面18aとを含む。リンク部材20bの先端には、円弧面19bと、円弧面19bに繋がる回動範囲限定形状面16bとが形成される。回動範囲限定形状面16bは、円弧面19bに繋がる第1直線形状面17bと第1直線形状面17bに直交する第2直線形状面18bとを含む。
このように構成された関節機構1Bは以下のように動作する。
まず、円弧面19a・19bが互いに接触し、回動範囲限定形状面16a・16bが互いに離れた図6(b)に示す状態から、円弧面19aが円弧面19bの上を転がることにより、リンク部材20aがリンク部材20bに対して反時計回りに回動し、リンク部材20a・20bが一直線上に位置する図6(a)に示す状態に移行する。そうすると、リンク部材20aのさらなる反時計回りの回動が、回動範囲限定形状面16a・16bの形状により阻止される。
このように、本実施形態4に係る関節機構1Cは、実施形態3と同様に、転がり面の形状を工夫することにより、所望の力学的特性を実現する。即ち、第1直線形状面17aと第2直線形状面18aとにより大きな山型形状を形成し、第1直線形状面17bと第2直線形状面18bとにより大きな山型形状を形成して、リンク部材2aの転がり面及びリンク部材2bの転がり面の曲率を部分的に変化させる。これにより、回動範囲限定形状面16a・16bが、リンク部材20aの反時計回りの回動に対するストッパとして作用し、関節機構1Cの可動範囲を制限することができる。
(実施形態5)
図7は実施形態5に係る関節機構の応用例を示す図である。実施形態1〜4で前述した関節機構1、1A、1B、1Cは、例えば、人体に装着するパワーアシストスーツ23の関節部Aに搭載することができる。
図8は実施形態5に係る関節機構の他の応用例を示す図である。人体、環境との衝突を伴う四足歩行ロボット24の関節部Bに関節機構1、1A、1B、1Cを搭載することができる。
また、関節機構1、1A、1B、1Cは、優れた超軽量性、耐衝撃性、安全性(耐衝撃性)を有しているので、例えば、テント、仮設住宅などの軽量且つ可搬な展開構造物、アンテナなどの宇宙構造物、ドローンに搭載する機構、及び、環境、人体への接触を伴うロボットに搭載することができる。
金属部品を使用することなく製造可能であることから、医療用MRI(Magnetic Resonance Imaging、核磁気共鳴画像法)に係る周辺機器、及び、化学的な浸食の危険がある機器などのように金属部品の利用が制限される機器に関節機構1、1A、1B、1Cを搭載することができる。
関節角により回動中心が変化する人体の関節構造と類似の幾何学的特性を有するため、人体に装着する装具に関節機構1、1A、1B、1Cを搭載することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 関節機構
2a リンク部材(第1部材)
2b リンク部材(第2部材)
3a 転がり面(第1転がり面)
3b 転がり面(第2転がり面)
4a 側平面(第1側平面)
4b 側平面(第2側平面)
5、6 側面ワイヤ
7、8 交差ワイヤ
9a 貫通孔(第1貫通孔)
9b 貫通孔(第2貫通孔)
10 張力調整器
11a、11b 円弧面
12a、12b 飛び移り形状
13a、13b 第1直線形状面(飛び移り形状、第1直線形状)
14a、14b 第2直線形状面(飛び移り形状、第2直線形状)
15a リンク部材(第1部材)
15b リンク部材(第2部材)
16a、16b 回動範囲限定形状
17a、17b 第1直線形状(回動範囲限定形状)
18a、18b 第2直線形状(回動範囲限定形状)
19a、19b 円弧面
20a リンク部材(第1部材)
20b リンク部材(第2部材)

Claims (8)

  1. 互いに平行に配置されて一端の少なくとも一部が曲線状に形成された一対の第1側平面と、前記一対の第1側平面の間に形成された第1転がり面とを有する第1部材と、
    前記一対の第1側平面に対応する一対の第2側平面と、前記第1転がり面の上を転がるために前記一対の第2側平面の間に形成された第2転がり面とを有する第2部材と、
    前記第2転がり面を前記第1転がり面に押し付けるために前記第1側平面と前記第2側平面とを跨ぐように配置された一対の側面ワイヤと、
    前記第1転がり面と前記第2転がり面との間の滑りを防止するために、前記第1転がり面と前記第2転がり面とに沿って互いに交差するように配置された一対の交差ワイヤとを備えたことを特徴とする関節機構。
  2. 前記一対の第1側平面の前記一端が円弧状に形成される請求項1に記載の関節機構。
  3. 前記一対の第1側平面を貫通する第1貫通孔が前記第1部材に形成され、
    前記一対の第2側平面を貫通する第2貫通孔が前記第2部材に形成され、
    前記一対の側面ワイヤの一方が、前記第1貫通孔を通って前記一対の側面ワイヤの他方と連結され、前記第2貫通孔を通って前記一対の側面ワイヤの他方と連結される請求項1に記載の関節機構。
  4. 前記一対の第1側平面の一端の一部が円弧形状であり、前記一端の他の一部が、前記第2部材の前記第1部材の周りの回動範囲を限定する回動範囲限定形状を有する請求項1に記載の関節機構。
  5. 前記回動範囲限定形状が、前記円弧形状に接する第1直線形状と前記第1直線形状に直交する第2直線形状とを含む請求項4に記載の関節機構。
  6. 前記一対の第1側平面の一端の一部が円弧形状であり、前記一端の他の一部は、前記第2部材が第1状態から第2状態に飛び移るための飛び移り形状を有する請求項1に記載の関節機構。
  7. 前記飛び移り形状が、前記円弧形状に繋がる第1直線形状と前記第1直線形状に斜交する第2直線形状とを含む請求項6に記載の関節機構。
  8. 前記側面ワイヤの張力を調整する張力調整器が前記第1側平面と前記第2側平面との少なくとも一方に設けられる請求項1に記載の関節機構。
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