JP2019005498A - 遊技機 - Google Patents

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真司 平松
Shinji Hiramatsu
真司 平松
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Abstract

【課題】遊技に関する公平性を向上させることができる遊技機を提供する。【解決手段】遊技盤ユニット80Fは、遊技領域形成体の中央開口93と遊技領域PEとを仕切るセンターフレーム97Fを備えている。センターフレーム97Fは第1構成体351Fと第2構成体352Fとが前後に組み合わされてなり、第1構成体351F及び第2構成体352Fには遊技機前方に突出するようにして周壁部365F及び突出部375F〜377Fが設けられている。これら周壁部365F及び突出部375F〜377Fによって遊技領域PEの上流部分に遊技球が通過する球通路390が形成されている。球通路390の一部である第2通路部392Fは、他の通路部391F,393Fよりも遊技者に有利となるように構成されており、この第2通路部392Fを構成する第1突出部375Fの前面部382Fには光放出部383Fが形成されている。【選択図】 図36

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。
特開2002−78904号公報
上述したタイプの遊技機においては、遊技に関する公平性の向上を図る上で、遊技盤に係る構成に未だ改善の余地がある。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技に関する公平性を好適に向上させることのできる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えている遊技機であって、
前記遊技盤の前面から突出して設けられ、前記遊技領域における遊技球の誘導路を形成する突出部を備え、
前記突出部は、前記誘導路にて狙うべき所定の位置を教示する教示手段としての機能を有していることを特徴とする。
本発明によれば、遊技に関する公平性を好適に向上させることができる。
第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機を前方から見た斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットの構成を示す正面図である。 遊技盤ユニットを背面側から見た斜視図である。 内枠の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面図である。 裏パックユニットを示す正面図である。 図6の部分拡大図である。 (a)図11のA−A線部分断面図、(b)一般的な入球部の構成を示す概略図である。 流路の分岐を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 当否テーブルを説明するための概略図である。 振分テーブルを説明するための概略図である。 主制御装置のMPUにより実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 特別入球部用の入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置のMPUにより実行される通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 特別開放用処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 (a)準備モード移行処理を示すフローチャート、(b)準備モード用処理を示すフローチャートである。 開閉実行モード移行処理を示すフローチャートである。 (a)可変入賞装置の開放態様を比較した概略図、(b)遊技の流れを示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態における遊技盤ユニットの部分拡大図である。 特別入球部及びその周辺構成の変形例を示す概略図である。 (a)第3の実施の形態における特別入球部及びその周辺構成を示す正面図、(b)図33(a)のB−B線部分断面図である。 (a)第4の実施の形態における下流側通路を示す概略図、(b)特別入球部及びその周辺構成を示す正面図である。 特別入球部及びその周辺構成の変形例を示す概略図である。 第5の実施の形態における遊技盤ユニットの部分拡大図である。 (a)図36のC−C線部分断面図、(b)図36のD−D線部分断面図である。 (a)第6の実施の形態における通路形成ユニットを示す概略図、(b)第7の実施の形態における通路形成ユニットを示す概略図である。 特別入球部の変形例を示す概略図である。
<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とにより構成されている。
図2に示すように、外枠11は長尺状のフレーム材を四辺に連結し構成されるものであって全体として矩形枠状をなすように形成されている。この外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技ホールの島設備等に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
(前扉枠14)
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能及び遊技球発射機構によって発射された遊技球のうち遊技領域PE(図3参照)に到達しなかった遊技球が遊技者に戻された場合に当該排出された遊技球を貯留する受け皿としての機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量(回動量)が大きくなるに従って速くなり、この操作量が遊技者により調整されて所定の量となった場合に遊技球が遊技領域PEへ到達することとなる。また、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルート及び左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。
次に、図5を参照して内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においても図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
(内枠13)
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす内枠ベース体50を主体に構成されている。内枠ベース体50の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、内枠ベース体50は外枠11の上枠部に寄せて配置され、外枠11の下枠部と内枠ベース体50との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、内枠ベース体50(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では内枠ベース体50が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と内枠ベース体50との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
内枠ベース体50の前面における回動基端側(図5の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
内枠ベース体50の回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は内枠ベース体50の右端部(後述する縦フレーム部材)に沿うようにして上下に延びており、その長手方向(上下方向)に散在して配置された前扉用鉤部材76を有している。内枠ベース体50には前扉枠14の背面に設けられた鉤受け部材49(図3参照)内枠13の正面側に突出させるためのスリットが各前扉用鉤部材76にそれぞれ対応するようにして形成されている。それらスリットを通じて突出した前扉用鉤部材76が、前扉枠14に各前扉用鉤部材76に1対1で対応させて設けられた鉤受け部材49に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
内枠ベース体50(施錠装置75)には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75の主要部分を構成する施錠ユニット(各鉤部材76,77や連動杆等)とは別体で設けられており、当該施錠ユニットと隣接して配置されている。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右(時計回り)に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り)に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように構成されている。
内枠ベース体50の中央部分には遊技盤ユニット80を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部は遊技盤ユニット80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤ユニット80はこの収容凹部51に遊技機前方から嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部51の底部には、略矩形状の窓孔52が形成されており、この窓孔52を通じて遊技盤ユニット80の背面構成(後述する背面ブロック80b)が内枠13の後方に突出している。なお、この窓孔52については、内枠ベース体50に装着された遊技盤ユニット80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
(遊技盤ユニット80)
以下、図6及び図7に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域形成体80aの遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技盤ユニット80は、透明な合成樹脂材料からなる板材を主体として形成された遊技領域形成体80aと、遊技領域形成体80aの背面側に設けられ、後述する各種遊技機器(例えば可変表示ユニット、制御装置、可動式の演出機構、発光可能な装飾部材等)がベース体251に搭載されてなる背面ブロック80bとが一体化されてなり(図7参照)、背面ブロック80bの前面部分が遊技領域形成体80aを通じて視認可能となっている。
図6に示すように、遊技領域形成体80aの前面には遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技領域形成体80aの前面との隙間が遊技球の直径よりも大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。具体的には、後側のガラスパネル23から遊技領域形成体80aまでの距離寸法は、遊技球の直径寸法よりも大きく且つ遊技球の直径寸法の2倍よりも小さくなるように設定されている。なお、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
遊技領域形成体80aには、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入賞装置84、スルーゲート85等が配設されている。一般入賞口81、作動入球部82,83及び可変入賞装置84に遊技球が入った場合やスルーゲート85を遊技球が通過した場合には、それら遊技球が各入球部に対応して設けられた検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて例えば所定数の賞球(遊技球の払い出し)等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技領域形成体80aの最下部にはアウト口89が設けられており、各種入球部等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入賞装置84等への入球を「入賞」とも表現する。
また、遊技領域形成体80aには、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の遊技釘91が植設されているとともに、風車92等の各種部材(役物)が配設されている。これら遊技釘91や風車92等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
遊技領域形成体80aの中央には中央開口93が形成されており、この中央開口93を遊技領域形成体80aの背面側から覆うようにして透明な開口カバーが取り付けられている。この中央開口93の背後には、背面ブロック80bに属する可変表示ユニット95等が位置しており、遊技機前方から当該中央開口93(開口カバー)を通じて可変表示ユニット95等を視認可能となっている。なお、図6においては説明の便宜上、開口カバーを二点鎖線によって表示し、可変表示ユニット95が視認可能な状態を示している。
中央開口93の周辺に作動入球部82,83やスルーゲート85等が配設されている。作動入球部82,83は、遊技機正面視にて可変表示ユニット95の下方に配設された上作動入球部82(上作動口)と、上作動入球部82の直下に配設された下作動入球部83(下作動口)とによって構成されており、特に下作動入球部(抽選契機入球部)83には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物90が設けられている。電動役物90は、可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、可動片の位置が駆動部によって変更されることにより、下作動入球部83への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
遊技領域PEにおいて下作動入球部83よりも上流側(詳しくは可変表示ユニット95の側方)となる位置には上記スルーゲート85が配置されており、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物90が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
可変入賞装置(特別入球装置)84は遊技領域形成体80aの前面から遊技機前方へ張り出しており、この張り出し部分には上方に開放された大入賞口84aが形成されている。可変入賞装置84は、この大入賞口84aを開閉する開閉部材(開閉手段)としてシャッタ84bと当該シャッタ84bを駆動させる可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)とを有しており、遊技状況に応じて可変入賞駆動部が励磁状態/非励磁状態に切り替わることで遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。詳しくは、通常時においてはシャッタ84bは閉状態のまま維持され、開閉実行モード(開閉実行状態)へ移行した場合や後述する特別入球部への入球が発生した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置84の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば8又は4ラウンド)を上限とした開閉扉の開放が繰り返されるように設定されている。
ここで、可変表示ユニット95について補足説明する。可変表示ユニット95は、作動入球部82,83への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置96を有している。図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置96の表示画面96aにおいては、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、後述する準備モードを経て上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置96については必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
遊技領域形成体80aには、中央開口93を囲むようにしてセンターフレーム97が設けられている。センターフレーム97は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム97と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置96に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット95(詳しくはセンターフレーム97)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
上述した作動入球部82,83及びスルーゲート85は左ルートに配置されており、右ルートを流下する遊技球についてはそれら作動入球部82,83及びスルーゲート85への入球が回避される。つまり、作動入球部82,83及びスルーゲート85への入賞による恩恵を享受するには、左ルートに向けて遊技球を発射する必要がある。これに対して、上記可変入賞装置84は右ルートに配置されており、左ルートを流下する遊技球については当該可変入賞装置84への入球が回避される。詳細については後述するが、遊技者にとって有利な流下経路(右ルート/左ルート)は遊技の状況に応じて変わる構成となっており、遊技者は遊技状況に応じて遊技球の流下経路を右ルート/左ルートから選択することで遊技を有利に進めることができる。このように、遊技への積極的な参加を促すことにより、遊技の単調化を抑制している。
センターフレーム97の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム97の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム97に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動入球部83へと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。なお、本実施の形態においては上述したように透明な開口カバーによって中央開口93を覆っており、ステージ部上に到達した遊技球が背面ブロック80b(可変表示ユニット95)側へ移動しないように規制されている。
作動入球部82,83は、中央開口93(可変表示ユニット95)寄りとなる位置に配置されている。作動入球部82,83への入賞をトリガとして特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動入球部82,83に入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動入球部82,83を可変表示ユニット95寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット95周辺に集中させるための工夫である。
遊技領域形成体80aにおける右側の端部(後述する遊技盤ユニット80の回動先端部)には後述する誘導レール100とともに遊技領域PEを区画形成する遊技領域区画部材99が配設されている。遊技領域区画部材99には、主表示ユニット94や誘導レール100に沿って飛翔した遊技球が衝突するストッパ部材が配設されている。ストッパ部材は誘導レール100の先端付近に配置された緩衝部材であり、当該ストッパ部材に衝突した遊技球はその勢いが弱められた後、遊技領域PEを流下することとなる。つまり、ストッパ部材には衝突した遊技球の勢いを弱める減勢機能が付与されている。
ここで、主表示ユニット94について補足説明する。主表示ユニット94は遊技領域区画部材99に埋設されており、その一部がガラスユニット22と対向するように配置されている。この対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部が設けられている。主表示ユニット94については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部の表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部は、上作動入球部82(上作動口)への入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動入球部83(下作動口)への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有してなる。上作動口用表示部では、上作動口への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記準備モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記準備モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動入球部82,83への入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、抽選結果に対応する絵柄が停止表示された後、当該絵柄が停止表示されたまま所定の停止表示時間(停止表示期間又は確定表示期間)が経過するまで(確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動入球部82,83への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止された後確定表示が終了するまでを遊技回の1回とすることも可能である。
主表示ユニット94の主表示部には上記作動口用表示部以外に、上作動口用の保留数表示部及び下作動口用の保留数表示部が設けられている。上作動口用の保留数表示部は、上作動口に対応しており遊技球が上作動口に入賞した回数は最大4回まで保留され上作動口用の保留数表示部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。下作動口用の保留数表示部は、下作動口に対応しており、遊技球が下作動口に入賞した回数は最大4回まで保留され下作動口用の保留数表示部の点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
また、主表示ユニット94の主表示部には上記両表示部以外に、スルーゲート85への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート85への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動入球部83に設けられた上記電動役物90が所定の態様で開放される。
本実施の形態においては遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されており、主表示ユニット94の主表示部にはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、内枠ベース体50における遊技盤ユニット80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。
(遊技球発射機構110)
遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が内枠ベース体50に固定されることで、同内枠ベース体50に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技領域形成体80a側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112には断面略V字状の溝部が形成されており、その溝状部分に遊技球が嵌ることにより当該遊技球の前後位置が規定されるように構成されている。
発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域形成体80a側、詳しくは遊技領域形成体80aに装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域形成体80a(詳しくは板体の前面)に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技領域形成体80aにおいて出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。つまり、遊技領域PEへと遊技球を届けるようにして遊技球を発射した場合には誘導通路103において外レール102に沿った領域が実質的に遊技球が通過する通過領域(通過経路)を構成し、内レール101に沿う領域については実質的に遊技球が通過しない領域となる。
同図5に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが遊技領域形成体80aの下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技領域形成体80aの下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分104と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域形成体80aの左端部には外レール102を側方から覆うようにしてレールカバー107が設けられている。遊技盤ユニット80については、製造時やメンテナンス作業時に単体で取り扱われることが多く、この際に外レール102が遊技台等に衝突し得る。レールカバー107はこのような事情に鑑みて搭載された部材であり、外レール102が上記要因等によって変形することを防止する保護機能が付与されている。
内枠ベース体50において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には内枠ベース体50を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、内枠ベース体50に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
内枠ベース体50において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
次に、図7及び図8に基づき内枠13(内枠ベース体50及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
図8に示すように内枠ベース体50の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、内枠ベース体50の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同内枠ベース体50に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように内枠ベース体50における収容凹部(遊技盤収容部)51の底部分には内枠ベース体50の厚さ方向に貫通し同内枠ベース体50の背面側に開放された窓孔52が形成されており(図5参照)、その窓孔52が収容凹部51に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80(背面ブロック80b)の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は窓孔52を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤ユニット80の背面の構成について説明する。
遊技領域形成体80aの背面には、背面ブロック80bが取り付けられている。図7に示すように、背面ブロック80bは、遊技領域形成体80a側に開放された略箱状のベース体251を有してなり、このベース体251が遊技領域形成体80aの背面に固定されることで、遊技領域形成体80aと背面ブロック80bとが一体化されている。
ベース体251の前面側は、可動式の演出機構や発光可能な装飾部材等の配置領域となっており、その背面側はそれら各種構成を制御する制御装置や上記可変表示ユニット95(図柄表示装置96)の配置領域となっている。
より具体的には、ベース体251の一部が内枠ベース体50の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置96(図6参照)と、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向(内枠ベース体50の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、ベース体251の背面部には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置143が搭載されている。
報知・演出制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声の出力やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置143の下方には、ベース体を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80(詳しくは背面ブロック80b)の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体251の前面部において遊技領域形成体80aの背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81、作動入球部82,83、可変入賞装置84の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する(図示略)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体251には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、背面ブロック80bを構成するベース体251には、上述した各入球部用の検知センサとして、上記一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する一般入賞口用検知センサと、作動入球部82,83に入った遊技球を検知する作動口用検知センサとが装着されており、それら各種検知センサによって入賞検知機構が構成されている。これら各種検知センサは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各検知センサから検知情報(検知信号)が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図9及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図9はパチンコ機10の背面図、図10は裏パックユニット15の正面図である。
図9に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は、透明性を有する合成樹脂により成形されており、図10に示すように払出機構部202等が取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有してなる。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット95を囲むのに十分な大きさを有する(図9参照)。
ベース部211には、外部出力端子板213が設けられている。外部出力端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図10に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部が形成されており、固定レバー134が挿通部に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の側方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されている。電源・発射制御基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。具体的には、遊技球発射機構110を構成しているソレノイド111の駆動制御や球送装置113の駆動制御が実行される。
また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、主制御装置162に設けられたRAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
本実施の形態においては、遊技状況に応じて遊技球の打ち分け(左ルート/右ルート)を行うことにより、遊技者に有利となるようにして遊技が進むようになっていることを特徴の1つとしている。具体的には、遊技者は通常遊技状態においては左ルートへ遊技球を発射することにより右ルートへ遊技球を発射した場合と比べて遊技を有利となるように進めることができ、後述する準備モード及び上記開閉実行モードにおいては右ルートへ遊技球を発射することにより左ルートへ遊技球を発射した場合と比べて遊技を有利となるように進めることができる。ここで、図6、図11及び図12(a)を参照して、右ルートに配設された可変入賞装置84及びそれに関連する構成について補足説明する。図11は可変入賞装置84及びその周辺構成を示す図6の部分拡大図、図12(a)は図11のA−A線部分断面図である。
図6に示したように、右ルートにおける上流部分は、センターフレーム97と外レール102及び遊技領域区画部材99とによって区画された通路状をなしている。具体的には、センターフレーム97の外壁部分にて遊技領域PEの外側を向いている外壁部と外レール102及び遊技領域区画部材99にて遊技領域PE側を向いている内壁部とは、遊技球の直径寸法よりも大きな隙間を隔てて相対向しており、これら内壁部及び外壁部によって1条の球通路(以下、上流側通路88という)が区画形成されている。上流側通路88の通路幅(外壁部と内壁部との隙間)は遊技球の直径寸法の2倍よりも小さく抑えられており、当該上流側通路88にて同一箇所を複数の遊技球が同時に通過しないように制限されている。
図11に示すように右ルートにて上記上流側通路88と可変入賞装置84との間となる位置には作動ゲート86が配設されている。ここで、作動ゲート86の役割について補足説明する。本実施の形態においては、作動入球部82,83への入球に基づく抽選にて大当たり結果となった場合には、可変入賞装置84を開閉対象とした開閉実行モードへ移行する。この開閉実行モードの前段階として準備モードが設けられている。準備モード中は開閉実行モードの開始が回避され、当該準備モード中に作動ゲート86への入球が発生したことを契機として可変入賞装置84を開閉対象とした開閉実行モードが開始される。言い換えれば、可変入賞装置84を開閉対象とした開閉実行モードを開始させるには、作動ゲート86への入球が必要となっている。大当たり結果となってから作動ゲート86を遊技球が通過するまでの期間は遊技者の発射操作等に依存し、当該開閉実行モードの開始までの期間が様々に変化し得る。因みに、準備モード中以外は、作動ゲート86への入球が無効となり、作動ゲート86への入球に基づいて開閉実行モードへ移行することはない。また、作動ゲート86については入球に基づく賞球は発生しない。
右ルートはその下流部分(以下、下流側通路300という)にて複数に分岐しており、それら複数の分岐ルートの1つを構成する第1通路部301が作動ゲート86に繋がっている。つまり、右ルートへ遊技球を発射したとしても全ての遊技球が作動ゲート86へ入球するとは限らず、右ルートへ発射された遊技球の一部が第1通路部301を経て作動ゲート86へ入球する構成となっている。
作動ゲート86は入口部分が上方且つ出口部分が下方を向いており、作動ゲート86を通過した遊技球は遊技領域PEから排出されることなく当該作動ゲート86の直下に位置している可変入賞装置84へと落下する。作動ゲート86を通じて可変入賞装置84へ到達した遊技球は、可変入賞装置84が受入状態となっている場合には可変入賞装置84へ入球し、可変入賞装置84が非受入状態となっている場合には可変入賞装置84を素通りすることとなる。
上記複数の分岐ルートの1つを構成する第2通路部302には、特別入球部87が配設されている。図12(a)に示すように、特別入球部87は、遊技領域形成体80aに形成された貫通孔であり、遊技領域形成体80aの前面側に開放された略円形の入球口87aと、入球口87aから遊技領域形成体80aの背面側に延びる入球通路87bとを有してなる。入球口87aに流入した遊技球は、入球通路87bを通じて遊技領域形成体80aの背面側に案内され、当該遊技領域形成体80aの背面側に配設された回収通路128を経て遊技ホールの島設備に返却されることとなる。
この回収通路128には、特別入球部87に流入した遊技球を検知する検知センサ407が配設されている。検知センサ407を遊技領域形成体80aの背面側に隠すことにより、当該検知センサ407への不正なアクセス等を抑制している。検知センサ407は主制御装置162に接続されており、主制御装置162においては検知センサ407からの検知情報(検知信号)に基づいて特別入球部87への入球判定を行う。主制御装置162にて特別入球部87への入球を特定した場合には、可変入賞装置84の駆動部に駆動信号を出力することで当該可変入賞装置84が非受入状態から受入状態に切り替えられることとなる。つまり、本実施の形態においては、開閉実行モードへ移行した場合だけではなく、特定の状況下にて特別入球部87への入球が発生した場合にも可変入賞装置84が受入状態となり、当該可変入賞装置84への入球が許容される構成となっている。
第2通路部302において特別入球部87(入球口87a)の直上となる部分(上流部分)は、遊技球の直径寸法Dよりも僅かに大きな隙間を隔てて配列された左右の遊技釘列によって構成されており、当該第2通路部302の入口部分が上方且つ出口部分が下方を向くように形成されている。遊技釘列の間を通過した遊技球は入球口87aへ向けて落下することとなる。つまり、第2通路部302の上流部分は、当該第2通路部302に流入した遊技球を特別入球部87に向けて落下するように当該遊技球の落下方向を規定する「規定部」として機能している。
特別入球部87(入球口87a)の直下となる位置、すなわち入球口87aを挟んで第2通路部302とは反対側となる位置には、遊技領域形成体80aの前面から遊技機前方へ突出する突起310が設けられている。突起310は第2通路部302の延長上に位置しており、第2通路部302を通過した遊技球は突起310へ落下する。つまり、突起310については第2通路部302から落下した遊技球を受ける「球受け部」として機能している。
突起310は合成樹脂製の遊技領域形成体80aに一体成形されている。合成樹脂製の突起310を遊技機正面視にて上方に凸となる略円弧状に形成することで、当該突起310の強度を確保しつつ右ルートにおける占有領域の減縮を図っている。
突起310の上面311には、突起310の頂部に位置し当該頂部に到達した遊技球を入球口87aへ案内する案内部315と、当該案内部315の左右に設けられ頂部から外れた位置に到達した遊技球を入球口87aから遠ざける非案内部316とが設けられている。
案内部315は、突起310の上面311を僅かに凹ませてなり、その底部が遊技機前方から遊技機後方へ下り傾斜となる略平面状をなすように構成されている(図12(a)参照)。因みに、案内部315の前端部(遊技球との接触が回避される部分)については、上方に突出するリブを設け、このリブによって案内部315があたかも溝状をなしているかのように見せている。第2通路部302を通じて突起310の頂部へ落下した遊技球は、案内部315に当たることで進路を変え、入球口87aに向けて跳ね返ることとなる。なお、案内部315を溝状又は樋状となるように形成し、溝部分に沿って遊技球が転動する構成とすることしてもよい。
非案内部316は、前端と後端との高低差がなく、案内部315から遠ざかる側(側方)に下るように湾曲している。第2通路部302を通じて突起310の頂部から外れた位置へ落下した遊技球は、非案内部316に当たることで進路を変え、入球口87aから逸れるようにして側方へ跳ね返ることとなる。
上述したように第2通路部302の横幅L1については遊技球の直径寸法Dよりも僅かに大きくなる程度に抑えられており、第2通路部302を通過した遊技球の移動経路については左右方向でのばらつきが軽減される。本実施の形態に示す突起310においては、上面311が上方に凸となる略円弧状をなしていることにより、そのような小さなばらつきを利用して遊技球を案内/非案内で振り分けることが可能となっている。つまり、遊技球の動きを目視で確認した場合に、識別が困難な程度の移動経路のばらつきによって突起310到達後の挙動に大きな差を生じさせることが可能となっている。
なお、図12に示すように、突起310の横幅L2は第2通路部302の横幅L1と同じとなっており、案内部315の横幅L3については横幅L1及び遊技球の直径寸法Dよりも小さくなっており、突起310の大型化が抑制されている。突起310に到達した遊技球のうち入球口87aに入らなかったものについては、当該突起310を左右何れかから迂回して可変入賞装置84に向かうこととなる。
ここで、図13の概略図を参照して、右ルートへ発射された遊技球の振り分けについて補足説明する。上述したように、右ルートを構成する上流側通路88は一条となっているのに対して、下流側通路300については複数の分岐ルートに分かれている。右ルートへ発射された遊技球は全て上流側通路88を経て下流側通路300へ移り、そのうち凡そ1/20が第2通路部302を経由して特別入球部87へ入球し、凡そ4/20が第1通路部301を経由して作動ゲート86へ入球し、凡そ15/20が作動ゲート86及び特別入球部87の何れにも入球することなく、可変入賞装置84へ向かう。つまり、準備モードへ移行して右ルートへ遊技球を発射した場合には、作動ゲート86への入球前に特別入球部87への入球が発生する機会よりも、特別入球部87への入球が発生することなく作動ゲート86への入球が発生する機会が多くなる。詳細について後述するが、運よく作動ゲート86への入球発生前に特別入球部87への入球が発生すれば、開閉実行モードへの移行前に可変入賞装置84が受入状態に切り替わり、速やかに開閉実行モードへ移行した場合と比較して賞球を若干多く獲得することが可能となる。
このように、右ルートへ遊技球を発射すべき状況下においては、少しでも多く特典を得ることに期待する遊技者は、特別入球部87への入球に遊技者の注目が向くものと想定される。そして、特別入球部87への入球が発生した場合には、速やかに可変入賞装置84が受入状態に切り替わることが期待されることから、その応答性への注目が高くなると考えられる。
この点、本実施の形態に示す構成においては、そのような応答性の向上が期待できる。以下、図12を参照して一般的な入球部の構成と比較して応答性向上の理由について説明する。図12(b)は一般的な入球部を例示した概略図である。
図12(b)に示す入球部においては、遊技領域形成体80aXの前面側に開口カバー87Xが配設されている。この開口カバー87Xについて上方等に開放されており、この開放部分87aXに流入した遊技球はそのまま遊技領域形成体80aXの背面側の回収通路128Xへと案内される。このような構成では、入球部を見た遊技者は開口カバー87Xの開放部分87aXが入球部における入球口であると認識されると想定される。そうすると、開放部分87aXと検知センサ407Xの検知位置との離れが大きくなり、開放部分87aXに流入した遊技球が検知センサ407Xに到達するまでの所要期間が長くなる。また、検知センサ407Xへ続く流路が開放部分87aXと検知センサ407Xとの間で複数回折れ曲がることで、流路内にて遊技球の勢いが低下しやすくなる。これも上記所要期間が嵩む要因の一つとなる。
これに対して、本実施の形態に示す特別入球部87では、入球口87aが遊技機前方に開放されており、入球口87aと検知センサ407との離れを小さくすることができ、入球口87aに流入した遊技球が検知センサ407に到達するまでの所要期間が短くなる。また、検知センサ407へ続く流路の折れ曲り箇所を少なくすることができ、流路内での遊技球の流下速度の低下を抑制できる。これにより、上記所要期間の短縮に寄与できる。このようにして所要期間の短縮を図ることで、上記応答性の向上が実現されている。
(パチンコ機10の電気的構成)
次に、図14のブロック図を参照してパチンコ機10の電気的構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602は、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。
各種検知センサの一部として、一般入賞口81への入球を検知する検知センサ401、上作動入球部82(上作動口)への入球を検知する検知センサ402、下作動入球部83(下作動口)への入球を検知する検知センサ403、可変入賞装置84(大入賞口)への入球を検知する検知センサ404、スルーゲート85への入球を検知する検知センサ405、作動ゲート86への入球を検知する検知センサ406、特別入球部87への入球を検知する検知センサ407が接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入球判定(入賞判定)が行われる。また、MPU602では、作動入球部82,83への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置143が接続されている。払出制御装置242や報知・演出制御装置143には、例えば、上述した作動入球部82,83等の入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて入賞コマンド(賞球コマンド等)が出力される。これらの入賞コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。
具体的には、一般入賞口81への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、作動入球部82,83への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置84への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。払出制御装置242においては受信した賞球コマンドに基づいて賞球の払い出しを行う。報知・演出制御装置143においては受信した賞球コマンドと受信時の遊技状態等に応じて賞球が発生した旨(詳しくは今回の賞球数や総賞球数)の報知を行う場合がある。
報知・演出制御装置143には、主制御装置162から上記入賞コマンドの他に変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、可変入賞装置84のシャッタ84bを開閉動作させる可変入賞駆動部、主表示ユニット94等が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
さらには、MPU602の出力側に外部出力端子板213が接続されており、この外部出力端子板213を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板605は主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継しており、同停電監視基板605には電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する機能が付与されている。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられたランプ部26〜28やスピーカ部29等を駆動制御するとともに、表示制御装置710を制御するものである。
表示制御装置710では、報知・演出制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示態様(例えばリーチ発生の有無及びリーチ演出の内容等)や図柄の停止表示態様(変動表示の終了に伴い最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類)を決定する。
ここで、図柄表示装置96の表示内容について説明する。表示制御装置710のキャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータと、数字が付されていない副図柄のデータとが記憶されている。
図柄表示装置96の表示画面96a(詳しくは表示画面96aにおける第1変動表示領域)には、左・中・右の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面96aでは、これら各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、上から下)にスクロールするように変動表示される。
左図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。右図柄列には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、左図柄列と右図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、表示画面96aは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面96aには、5つの有効ライン、すなわち上ライン、中ライン、下ライン、右下がりライン、右上がりラインが設定されている。そして、左図柄列→右図柄列→中図柄列の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに大当たり結果に対応する所定の図柄の組み合わせ(例えば同一の数字が付された図柄の組み合わせ)が形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、大当たり結果の発生として大当たり用の画像(動画)が表示されるようになっている。同様に、いずれかの有効ラインに後述する特別当たり結果に対応する所定の図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列の変動表示が終了すれば、特別当たり結果の発生として特別当たり結果用の画像(動画)が表示される場合がある。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、左図柄列を第1図柄列(又は第1絵柄列)、右図柄列を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することも可能である。
因みに、図柄表示装置96における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を縦並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を横方向に設定してもよい。
また、表示制御装置710のキャラクタROMには、表示画面96aにて上記第1変動表示領域と併設された第2変動表示領域に表示するキャラクタ画像が記憶されている。このキャラクタ画像には遊技結果に応じて複数の表示態様(例えば姿勢)が設定されている。大当たり結果や特別当たり結果に対応する遊技結果となった場合には、上記キャラクタ画像がその遊技結果に対応した姿勢をとり、その後、表示画面96a全域に大当たり結果となったことを明示する画像又は特別当たり結果となったことを明示する画像が表示される。
(各種カウンタについて)
次に、図15の概略図を参照して、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作に係る構成について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット94(主表示部)の表示の設定、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たりの発生抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たりの種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置96が外れ変動する際のリーチ表示の発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット94の作動口用表示部における絵柄の変動表示時間及び図柄表示装置96における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。
RAM604には、作動口用保留エリアと実行エリアと総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、上作動口又は下作動口への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「599」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=「0」〜「599」)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口又は下作動口に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口用保留エリアに格納され、下作動口に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアに格納される。
大当たり当選となる乱数の値や特別当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。本実施の形態においては、抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設けられており、当否テーブルについては低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設けられている。ここで、当否テーブルの内容について図16を用いて説明する。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照される場合には、図16(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は「7」,「307」,「507」の3個である。つまり「0」〜「599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「307」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は3/600となっている。これに対して、高確率モード用の当否テーブルが参照される場合には、図16(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」の6個である。つまり、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「7」,「107」,「207」,「307」,「407」,「507」が大当たり結果に対応しており、大当たりとなる確率は6/600となっている。
当たり種別カウンタC2は、「0」〜「35」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「35」)に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口又は下作動口に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口用保留エリアに格納され、下作動口に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。本実施の形態では、当たり種別カウンタC2及び振分テーブルを参照して、大当たりの種別が決定される。大当たり結果としては、8R確変大当たり結果、8R通常大当たり結果、4R確変大当たり結果、4R通常大当たり結果が設けられている。
図17の概略図に示すように、振分テーブルでは、「0」〜「29」の当たり種別カウンタC2の値のうち「0」〜「8」の計9個が8R確変大当たり結果に対応し、「9」〜「14」の計6個が8R通常大当たり結果に対応し、「15」〜「23」の計9個が4R確変大当たり結果に対応し、「24」〜「29」の計6個が4R通常大当たり結果に対応している。つまり、8R確変大当たり結果となる確率が9/30、8R通常大当たり結果となる確率が6/30、4R確変大当たり結果となる確率が9/30、4R通常大当たり結果となる確率が6/30となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口又は下作動口に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、上作動口に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の上作動口用保留エリアに格納され、下作動口に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の下作動口用保留エリアに格納される。そして、ROM603のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置96を備え、遊技結果が開閉実行モード対応の遊技結果となった遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となり得る遊技機において、図柄表示装置96における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置96の表示画面96aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置96の表示画面96a内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
表示画面96aにおける表示内容について更に詳しく説明すると、最初に右図柄列において図柄の変動表示が終了され、さらに左図柄列において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中図柄列にて図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、大当たり発生時には、リーチラインを形成している主図柄とともに当たり図柄の組み合わせを構成する数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中図柄列における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面96aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット94(主表示部)の上作動口用表示部及び下作動口用表示部における絵柄の変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、上作動口用表示部及び下作動口用表示部における変動表示の開始時(図柄表示装置96による図柄の変動開始時)における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
(主制御装置162にて実行される各種処理について)
次に、主制御装置162内のMPU602にて遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理やNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
(タイマ割込み処理)
先ず、図18のフローチャートを参照し、タイマ割込み処理について説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種入賞検知センサ(一般入賞口81用の検知センサ401、上作動入球部82用の検知センサ402、下作動入球部83用の検知センサ403、可変入賞装置84用の検知センサ404、スルーゲート85用の検知センサ805、作動ゲート86用の検知センサ406、特別入球部87用の検知センサ407)の状態を読み込み、それら入賞検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)をバッファ領域に保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントするとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート85への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105にて作動入球部82,83への入賞に係る作動口用の入賞処理を実行し、続くステップS106にて特別入球部87への入賞に係る特別入球部用の入賞処理を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。以下、図19のフローチャートを参照してスルー用の入賞処理について説明する。
(スルー用の入賞処理)
スルー用の入賞処理においては先ず、ステップS201にて、バッファ領域に記憶されている入賞検知情報に基づきスルーゲート85を遊技球が通過したか否かを判定する。ステップS201にて肯定判定をした場合には、ステップS202に進み、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数(電役保留数SN)が4未満であるか否かを判定する。ステップS202にて肯定判定をした場合には、ステップS203にて電役保留数SNを1加算し、続くステップS204にて電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、保留記憶数と対応する主表示ユニット94の保留数用表示部を点灯させるための処理を実行する。
次に、図20及び図21のフローチャートを参照して、ステップS105の作動口用の入賞処理について説明する。
(作動口用の入賞処理)
図20に示すように、作動口用の入賞処理においては先ず、ステップS301にて遊技球が作動入球部82,83への入球(入賞)が発生したか否かを判定する。遊技球が作動入球部82,83に入球していないと判定した場合には、そのまま本作動口用の入賞処理を終了する。遊技球が作動入球部82,83に入球したと判定した場合には、ステップS302に進み、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。
続くステップS303では、作動入球部82,83に遊技球が入球した旨を示す情報を遊技ホール側のホールコンピュータHCに対して信号出力すべく外部信号設定処理を行う。これにより、作動入球部82,83への入球が発生した旨がホールコンピュータHCにて把握される。その後、ステップS304では、当たり乱数カウンタC1や当たり種別カウンタC2等の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。ここで、図21を参照して、ステップS304の情報取得処理について説明する。
(情報取得処理)
情報取得処理においては先ずステップS401にて、保留球格納エリア632の保留数記憶領域に格納された始動保留記憶数N、詳しくは上作動入球部82及び下作動入球部83のうち当該情報取得処理の契機となった入球部に係る始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する入球部の始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて保留数記憶領域FEに格納された総保留数(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS404では、上記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、作動口用の保留エリアREの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした共通保留数CRNと対応する記憶エリアに格納し、本情報取得処理を終了する。
次に図22のフローチャートを参照してステップS106の特別入球部用の入賞処理について説明する。
(特別入球部用の入賞処理)
特別入球部用の入賞処理においては先ず、ステップS501にて特別入球部87への入賞が発生したか否かを判定する。ステップS501にて否定判定をした場合には、そのまま本特別入球部用の入賞処理を終了する。ステップS501にて肯定判定をした場合には、ステップS502に進む。ステップS502では外部信号を設定する。ここで設定された外部信号は、後述する通常処理にて遊技ホールのホールコンピュータHCに出力される。ホールコンピュータHCにおいてはこの外部信号に基づいて特別入球部87への入賞の有無を特定可能となる。
ステップS502の設定処理を実行した後は、ステップS503に進む。ステップS503では、開閉実行モード中又は特別入球部への入球に基づく開放中(特別開放中)であるか否かを判定する。ステップS503にて肯定判定をした場合には、そのまま本特別入球部用の入賞処理を終了する。ステップS503にて否定判定をした場合には、ステップS504に進む。ステップS504では入賞コマンドを設定する。この入賞コマンドは、後述する通常処理にて報知・演出制御装置143に出力される。報知・演出制御装置143ではこの入賞コマンドを受信した場合には、スピーカ部29から特別入球部87への入賞に対応する音声(例えば効果音)を出力させる音声出力処理と、図柄表示装置96の表示画面96aに特別入球部87への入賞に対応する情報を表示させる情報表示処理とを実行する。
ステップS504の処理を実行した後は、ステップS505に進む。ステップS505ではRAM604の各種フラグ格納エリア634に特別開放フラグを設定して本入賞処理を終了する。
(通常処理)
次に、通常処理の流れを図23のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS601〜S607の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS609〜S610のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS601にて外部信号出力処理を実行する。ステップS601の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。例えば、賞球コマンド等の入賞コマンドの有無を判定し、入賞コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242や報知・演出制御装置143に送信し、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンド、保留コマンドや後述するシフト時コマンド等の各種コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置143に送信する。また、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定した外部信号を遊技ホールのホールコンピュータHCに出力する。
次に、ステップS602では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS603では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置96による図柄の変動表示態様の概要の設定、主表示ユニット94の表示制御などを行う。
ステップS603の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS604に進み、特別開放用処理を実行する。この特別開放用処理を実行することにより、特別入球部87への入球に基づいて可変入賞装置84を受入状態に切り替えられることとなる。
ステップS604の特別開放用処理を実行した後は、ステップS605に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS603の遊技回制御処理、ステップS604の特別開放用処理、ステップS605の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS606では、下作動入球部83に併設された電動役物90を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM604の電役保留エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物90を開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物90の開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、主表示ユニット94(主表示部)におけるスルーゲート用表示部の表示制御などを行う。
既に説明したとおり、電動役物90によるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理等にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM604の各種フラグ格納エリア634に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物90が開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物90の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モード及び準備モードに移行した場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。なお、後述する準備モードにおいては高頻度サポートモードが継続される構成とすることも可能である。
その後、ステップS607は、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS608にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS609にて、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS610では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際に0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS601〜S607の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
(遊技回制御処理)
次に、ステップS603の遊技回制御処理を図24及び図25のフローチャート等を参照して説明する。
図24に示すように、遊技回制御処理においては先ず、ステップS701にて開閉実行モード中又は準備モード中か否かを判定する。開閉実行モード又は準備モード中である場合には、ステップS702以降の処理、すなわちステップS703〜ステップS705の遊技回開始用処理及びステップS706〜ステップS709の遊技回進行処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。
開閉実行モード中及び準備モード中の何れでもない場合には、ステップS702にて、遊技回中であるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット94の作動口用表示部にて変動表示又は確定表示を行っている最中であるか否かを判定する。作動口用表示部が変動表示中及び確定表示中の何れでもない場合には、ステップS703〜ステップS705の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS703にて、始動保留球の総数(共通保留数CRN)が「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、保留球格納エリア632に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
一方、共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS704にて保留球格納エリア632の保留エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS705にて主表示ユニット94における変動表示及び図柄表示装置96における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
データ設定処理では、先ず保留数記憶領域FEに記憶されている始動保留記憶数Nのうち今回の設定処理の対象となっているもの及び共通保留数CRNを1ディクリメントする。続いて保留エリアREの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留エリアREの各エリアに格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
データをシフトした後は、保留エリアのデータのシフトが行われたことを報知・演出制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。シフト時コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS601にて、報知・演出制御装置143を経由し、表示制御装置710に送信される。表示制御装置710では、シフト時コマンドを受信することで、表示画面96aの保留数表示領域における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
(変動開始処理)
次に、図25を参照して、ステップS705の変動開始処理について説明する。変動開始処理では、先ずステップS801にて、今回の変動開始処理にて参照した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。具体的には、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。そして、抽選モードが低確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶された低確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定し、抽選モードが高確率モードである場合には、ROM603の当否テーブル記憶エリア621に記憶された高確率モード用の当否テーブルを参照して、上記把握した情報が大当たり当選に対応した情報に含まれているかを特定する。
続くステップS802では、ステップS801における当否判定処理の結果が大当たり当選に対応した結果(大当たり結果)であるか否かを判定する。大当たり結果である場合には、ステップS803にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM603の振分テーブル記憶エリア622に記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した種別判定用の情報が8R確変大当たり結果に対応した情報、8R通常大当たり結果に対応した情報、4R確変大当たり結果に対応した情報、4R通常大当たり結果に対応した情報の何れに含まれているかを特定する。
続くステップS804では、ステップS803における種別判定処理において特定した情報に基づいて大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS802にて大当たり当選ではないと判定した場合(外れ結果である場合)には、ステップS805にて外れ用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS804及びステップS805の各停止結果設定処理では、主表示ユニット94に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、当たり乱数カウンタC1,当たり種別カウンタC2及びROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に記憶されている停止結果テーブルを参照して特定し、その特定した情報をRAM604に記憶する。また、ステップS804及びステップS805では、今回の判定結果を特定するための情報をRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納する。具体的には、8R確変大当たり結果である場合には8R確変大当たりフラグを格納し、8R通常大当たり結果である場合には8R通常大当たりフラグを格納し、4R確変大当たり結果である場合には4R確変大当たりフラグを格納し、4R通常大当たり結果である場合には4R通常大当たりフラグを格納する。
ステップS804及びステップS805の何れかの処理を実行した後は、ステップS806にて、変動表示時間の設定処理を実行する。各遊技回の変動表示時間は、記憶されている保留情報の数、リーチ発生の有無、当否判定の結果等の各種情報に基づいて決定される。ステップS806にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS807にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、8R確変大当たり結果の情報、8R通常大当たり結果の情報、4R確変大当たり結果の情報、4R通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS807にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS601にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における環状電飾部26の発光パターンやスピーカ部29からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように環状電飾部26及びスピーカ部29を制御する。また、報知・演出制御装置143は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置710に送信する。表示制御装置710では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置96での変動表示パターンを把握し、その把握した変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置96を表示制御する。その後、ステップS808にて主表示ユニット94の作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図24)の説明に戻り、主表示ユニット94の作動口用表示部が変動表示中である場合には、ステップS706〜ステップS709の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS706にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示用カウンタの値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示用カウンタの値は、上述した変動表示時間の設定処理にてセットされる。また、このセットされた変動表示カウンタの値は、タイマ割込み処理(図18)が起動される度に、1ディクリメント(減算)される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS707にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、主表示ユニット94の作動口用表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS708にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS804及びステップS805のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄が主表示ユニット94にて停止表示されるように当該主表示ユニット94の作動口用表示部を制御する。
続くステップS709では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS709にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図23)におけるステップS601にて、報知・演出制御装置143に送信される。報知・演出制御装置143では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置710に送信する。表示制御装置710では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを図柄表示装置96の表示画面96aにて確定表示(最終停止表示)させる。
(特別開放用処理)
次に、ステップS604の特別開放用処理を図26のフローチャートを参照して説明する。
特別開放用処理においては先ず、ステップS901にて可変入賞装置84の特別開放中であるか否かを判定する。ステップS901にて否定判定をした場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に上記特別開放フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS902にて否定判定をした場合には、そのまま本特別開放用処理を終了する。ステップS902にて肯定判定をした場合には、ステップS903に進む。
ステップS903では、大入賞口開放処理を実行する。具体的には、可変入賞装置84の可変入賞駆動部に駆動信号を出力して当該可変入賞装置84を非受入状態から受入状態に切り替える。ステップS903の処理を実行した後は、ステップS904に進み、特別開放開始コマンドを設定する。この特別開放開始コマンドは、通常処理(図23)のステップS601にて報知・演出制御装置143に出力される。報知・演出制御装置143では、特別開放開始コマンドを受信したことに基づいて、特別開放が開始された旨の報知を行う。
ステップS901の説明に戻り、当該ステップS901にて肯定判定をした場合、すなわち特別開放中である場合には、ステップS905に進む。ステップS905では、特別開放期間を経過したタイミングであるか否かを判定する。具体的には、受入状態に切り替わってから1.8secが経過したか否かを判定する。ステップS905にて否定判定をした場合にはそのまま本特別開放用処理を終了する。ステップS905にて肯定判定をした場合には、ステップS906に進む。
ステップS906では大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には可変入賞装置84の可変入賞駆動部への駆動信号の出力を終了する。これにより、可変入賞装置84が受入状態から非受入状態に切り替わる。ステップS906の閉鎖処理を実行した後は、ステップS907に進む。ステップS907ではRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納されている特別開放フラグを消去して、本特別開放用処理を終了する。ステップS907の処理を実行した後は、続くステップS908にて特別開放終了コマンドを設定して本特別開放用処理を終了する。この特別開放終了コマンドは、通常処理(図23)のステップS601にて報知・演出制御装置143に出力される。報知・演出制御装置143では、特別開放終了コマンドを受信したことに基づいて、特別開放が終了した旨の報知を行う。
(遊技状態移行処理)
次に、ステップS605の遊技状態移行処理を図27のフローチャートを参照して説明する。
遊技状態移行処理においては、先ずステップS1001にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1002に進む。本実施の形態においては、大当たり結果となった場合には、確定表示が行われた後に、スルーゲート85に規定数(詳しくは1つ)の遊技球が入賞したことを契機として開閉実行モードへ移行する。ステップS1002では、開閉実行モードへ移行する前の状態(準備モード)となっているか否かを判定する。ステップS1002にて否定判定をした場合にはステップS1003に進む。
ステップS1003では遊技回が終了したタイミングであるか否かを判定する。具体的には、主表示ユニット94の作動口用表示部における絵柄の変動表示(詳しくは確定表示)が終了したタイミングか否かを判定する。遊技回が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
遊技回が終了したタイミングである場合にはステップS1004に進み、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグ、4R通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1005にて上記準備モードへの移行処理(準備モード移行処理)を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図28(a)のフローチャートを参照して、準備モード移行処理について説明する。準備モード移行処理においては先ず、ステップS1101にて遊技回用の処理を規制する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア634に遊技回制御規制フラグをセットする。この遊技回制御規制フラグは、開閉実行モード終了時に消去される。これにより、開閉実行モードが終了するまで上記ステップS701にて肯定判定され、遊技回用の各種処理が回避されることとなる。
ステップS1101の処理を実行した後はステップS1102に進み、電動役物90によるサポートモードを低頻度サポートモードにすべく、仮にRAM604の各種フラグ格納エリア634に高頻度サポートモードフラグが格納されている場合にはこれを消去する。続くステップS1103では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に準備モードフラグをセットする。これにより、準備モードへ移行する。その後は、ステップS1104にて準備モード開始コマンドを設定した後に、本準備モード移行処理を終了する。
ステップS1104にて設定された準備モード開始コマンドは通常処理の外部出力処理(ステップS601参照)にて報知・演出制御装置143に出力される。報知・演出制御装置143では準備モード開始コマンドを受信することで、準備モードが開始することを把握し、準備モードへ移行した旨を報知すべく準備モードに対応した画像及び音声を出力する為の処理を行う。
再び図27の遊技状態移行処理の説明に戻る。RAM604の各種フラグ格納エリア634に準備モードフラグが格納されている場合には、ステップS1002にて肯定判定をして、ステップS1006に進む。ステップS1006では準備モード用処理を実行する。ここで、図28(b)のフローチャートを参照して準備モード用処理について説明する。
(準備モード用処理)
準備モード用処理においては先ずステップS1201にて、作動ゲート86への入賞が発生したか否かを判定する。ステップS1201にて否定判定をした場合には、そのまま本準備モード用処理を終了する。ステップS1201にて肯定判定をした場合には、ステップS1202に進む。ステップS1202では作動ゲート用の入賞コマンド(作動ゲート入賞コマンド)を設定する。
作動ゲート入賞コマンドは、通常処理の外部出力処理(ステップS601参照)にて報知・演出制御装置143に出力される。報知・演出制御装置143では、この作動ゲート入賞コマンドに基づいて作動ゲートへの入賞が発生したことを示す報知用の処理を行う。ステップS1202のコマンド設定処理を実行した後は、ステップS1203にてRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納されている準備モードフラグを消去する。その後、ステップS1204にて開閉実行モード移行処理を実行した後、本準備モード用処理を終了する。ここで、図29のフローチャートを参照して、開閉実行モード移行処理について説明する。
(開閉実行モード移行処理)
開閉実行モード移行処理では、先ずステップS1301にて特別開放中であるか否かを判定する。特別開放中である場合には、ステップS1302にて大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、可変入賞駆動部への駆動信号の出力を終了して可変入賞装置84を受入状態から非受入状態に切り替える。ステップS1302の閉鎖処理を実行した後は、ステップS1303に進む。ステップS1303ではRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納されている特別開放フラグを消去する。
ステップS1303の処理を実行した後、又はステップS1301にて否定判定をした場合には、ステップS1304に進む。ステップS1304ではRAM604の各種カウンタエリア633に設けられたラウンドカウンタRCに、大当たり種別に応じて決められた値、具体的には「8」,「4」のいずれかをセットする。ラウンドカウンタRCは、大入賞口84aが開放された回数をカウントするためのカウンタである。
続くステップS1305では、RAM604の各種フラグ格納エリア634に開閉実行モードフラグをセットする。これにより、準備モードから開閉実行モードへと移行し、以降の遊技状態移行処理においては上記ステップS1001にて肯定判定されることとなる。続くステップS1306では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは通常処理の外部出力処理(ステップS601参照)にて報知・演出制御装置143に出力される。報知・演出制御装置143では、このオープニングコマンドに基づいて開閉実行モードの開始に対応する表示(オープニング表示)を行う為の処理を実行する。
図27の説明に戻り、ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS1007に進む。ステップS1007ではオープニングが終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1007にて否定判定をした場合にはそのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS1007にて肯定判定をした場合には、ステップS1008にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口84aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部を駆動状態とすることで大入賞口84aを開放させる。
大入賞口84aが開放中である場合には、当該大入賞口84aの開放から所定時間(具体的には30sec)が経過していること又は所定個数(具体的には10個)の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部の駆動を停止し、大入賞口84aを閉鎖させる。その後は、所定のインターバル期間に亘って大入賞口84aが閉状態に維持され、当該所定のインターバル期間を経過したタイミングにて大入賞口84aが再び開放されるラウンド遊技が繰り返されることとなる。
続くステップS1009では、ラウンドカウンタRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、ステップS1010にて、開閉実行モードのエンディングが終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1010にて否定判定をした場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。ステップS1010にて肯定判定をした場合には、ステップS1011にて開閉実行モード終了時の移行処理を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
開閉実行モード終了時の移行処理では、何れの大当たり結果を契機としている場合であっても、電動役物90によるサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。今回の開閉実行モードが8R通常大当たり結果又は4R通常大当たり結果に対応している場合には、抽選モードを低確率モード且つサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。このようにして設定された高頻度サポートモードは、当該高頻度サポートモードにて実行された遊技回が終了基準回数(上限数:具体的には100回)となるまで又は高頻度サポートモード中に大当たり結果となるまで継続される。高頻度サポートモード終了後は、サポートモードが低頻度サポートモードに移行する。
これに対して、当該開閉実行モードが8R確変大当たり結果又は4R確変大当たり結果の何れかを契機としている場合には、抽選モードを高確率モード且つサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。このようにして設定された高確率モード及び高頻度サポートモードについては次に大当たり結果となるまで継続される。
その後、8R確変大当たりフラグ、8R通常大当たりフラグ、4R確変大当たりフラグ、4R通常大当たりフラグのうちRAM604の各種フラグ格納エリア634に格納されているフラグを消去して、本遊技状態移行処理を終了する。
以上詳述したように、作動入球部82,83への入球に基づく抽選にて大当たり結果となった場合には、直ちに開閉実行モードが開始されるのではなく、先ず準備モードへと移行する。そして、この準備モード中に作動ゲート86への入球が発生したことを契機として、開閉実行モードが開始される。作動ゲート86については可変入賞装置84と同様に右ルートに配設されている。このため、作動ゲート86への入球を発生させるには、右ルートへ遊技球を発射させる必要がある。
既に説明したように右ルートには作動ゲート86とともに特別入球部87が配設されており、右ルートに発射された遊技球の一部は特別入球部87に入球し得る。準備モード中に特別入球部87への入球が発生した場合には、当該入球を契機として可変入賞装置84の特別開放が実行される。特別開放中に可変入賞装置84へ遊技球が入球することで賞球の払い出しがなされるため、遊技者は持ち球の減りを抑えながら作動ゲート86への入球を待つことができる。また、例えば準備モード中に特別開放が頻発することにより、持ち球が増加し得る。
ここで、図30(a)の概略図を参照して、開閉実行モードにおける可変入賞装置84の開放態様(第1開放態様)と、特別開放における可変入賞装置84の開放態様(第2開放態様)との違いについて説明する。第1開放態様においては、可変入賞装置84の最大開放期間が30secとなっており、当該開放が複数回(例えば8回又は4回)に亘って実行される。これに対して、第2開放態様においては、可変入賞装置84の最大開放期間が1.8secとなっており、その開放は1回のみ実行される。
第1開放態様及び第2開放態様の何れについても、最大開放期間に達するまでに可変入賞装置84への入球数が所定数(10個)に達した場合には最大開放期間の経過を待つことなく可変入賞装置84が非受入状態に切り替わることとなる。上述したように、遊技球の発射周期は0.6secとなっており、右ルートを流下する遊技球のほとんどは可変入賞装置84に到達する構成となっている。このため、第1開放態様においてはそのほとんどが入球数に係る条件の成立によって受入状態から非受入状態に切り替わるのに対して、第2開放態様においてはそのほとんどが期間に係る条件の成立によって受入状態から非受入状態に切り替わることとなる。何故ならば、第2開放態様における開放期間中に可変入賞装置84に到達する遊技球の数は凡そ2個となるからである。このため、第1開放態様による1度の開放にて獲得される遊技球の数(およそ100個)と、第2開放態様による1度の開放にて獲得される遊技球の数(およそ20個)とには明確な差が生じる。
次に、図30(b)のタイミングチャートを参照して、遊技進行に伴う持ち球の変化について説明する。図30(b)においては低頻度サポートモード対応の通常遊技状態→準備モード→開閉実行モード→高頻度サポートモード対応の通常遊技状態の流れにて、準備モード中に特別開放がなされる場合について例示している。
低頻度サポートモード対応の通常遊技状態であるt0のタイミング〜t1のタイミングにおいては、作動入球部82を狙って遊技球の発射を続けることで持ち球が減少する。作動入球部82への入球に基づく抽選にて大当たり結果となり、準備モードに移行したt1のタイミングでは、図柄表示装置96の表示画面96aに右ルート(作動ゲート86)を狙うように、遊技球の発射先の変更を促すメッセージが表示される。
上記メッセージに従って右ルートに発射された遊技球が特別入球部87へ入球したt2のタイミングでは可変入賞装置84の特別開放が実行される。特別開放によって可変入賞装置84が非受入状態から受入状態に切り替わることにより、右ルートへ発射された遊技球が可変入賞装置84に入球し、当該入球に基づいて所定数の遊技球が払い出される。この特別開放は、1.8secに亘って継続され、この開放期間を経過したタイミングで終了することとなる。特別開放終了後のt3のタイミングにおいては、再び特別入球部87への入球が発生している。この入球を契機として可変入賞装置84の特別開放が再度実行されることとなる。このようにして、開閉実行モードへの移行前に特別開放が繰り返されることで、遊技者は持ち球の減りを抑えながら又は持ち球を増やしながら遊技を続けることができる。
特別開放終了後のt4のタイミングにて作動ゲート86への入球が発生すると、当該入球を契機として開閉実行モードが開始される。開閉実行モード中は可変入賞装置84への入球が多発することにより、遊技者の持ち球が大きく増加することとなる。なお、開閉実行モード中にも特別入球部87への入球が発生し得るものの(例えばt5のタイミングやt6のタイミング参照)、開閉実行モード中は特別入球部87への入球が無効となるため、これらの入球を契機とした特別開放は回避される。
以上詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
作動入球部82,83への入球に基づく抽選にて大当たり結果となった場合には、直ちに開閉実行モードへ移行するのではなく、先ずは準備モードへ移行する。準備モード中に開閉実行モードへの開始契機となる作動ゲート86を狙って遊技球を発射した場合には、当該遊技球が作動ゲート86に並設された特別入球部87へ入球することがある。特別入球部87への入球が発生すると、準備モード中に可変入賞装置84が受入状態に切り替わり、可変入賞装置84への入球が許容される(特別開放)。この特別開放中に可変入賞装置84への入球が発生することで、遊技者に賞球が付与される。このようにして、賞球を得ることにより持ち球の減りを抑えられるだけでなく、遊技者には開閉実行モードへの移行前の準備モード中に持ち球を増やす機会が与えられる。これにより、準備モードにおける遊技機の単調化を抑制し、遊技への注目度の向上に貢献できる。
準備モード中に可変入賞装置84が受入状態に切り替わる構成においては、準備モード中は少しでも多くの特典を得るべく特別入球部87を狙って遊技球が発射されるものと想定される。このような行為によって開閉実行モードへの移行が過度に遅延されることは、遊技進行の円滑化を図る上で好ましくない。この点、本実施の形態に示したように、特別入球部87を狙った遊技球が作動ゲート86へ入球し得る構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
また、作動ゲート86を狙って発射された遊技球は特別入球部87へ入球し得る。このため、遊技機の仕様を熟知していない遊技者についても、少なくとも作動ゲート86又は可変入賞装置84を狙って遊技球を発射しさえすれば、特別入球部87への入球→更なる特典取得の機会を得ることができる。これにより、遊技機の仕様の理解の差によって遊技者間の公平性が損なわれることを抑制できる。
なお、作動ゲート86及び特別入球部87は、可変入賞装置84と同じ流路(右ルート)に配設されているため、可変入賞装置84へ向けて遊技球を発射することで特別入球部87や作動ゲート86への入球機会を得ることができる。これにより、遊技進行の多様化が遊技者を困惑させたり、本来得られるはずの特典を取りこぼしたりするといった不都合の発生を抑制できる。
準備モード中の特別開放によって可変入賞装置84が開放される期間は、開閉実行モード中に可変入賞装置84が開放される期間よりも短くなっている。つまり、準備モード中に獲得できる特典は開閉実行モード中に獲得できる特典よりも少なくなる。このように、特典の獲得スピード(例えば持ち球の増加スピード)に差を設けることにより、遊技の単調化を好適に抑制できる。
「規定部」としての第2通路部を経由して「突出部」としての突起310へ向けて流下(落下)した遊技球は、特別入球部87の前方を通過して突起310に衝突する。突起310に衝突した遊技球は、遊技機後方へ向かうようにして跳ね返ることで特別入球部87の入球口87aに流入することとなる。このような構成とすれば、特別入球部87の占有領域を減縮し、当該特別入球部87を限られた領域にて作動ゲート86や可変入賞装置84等の周辺構成と好適に共存させることが可能となる。
突起310の上面311は遊技機正面視にて上方に凸となる円弧状をなしており、その頂部に入球口87a用の案内部315が形成されている。このような構成においては、左右方向にて遊技球の到達位置が案内部315から外れた場合に、僅かに到達位置の違いであっても、衝突後の遊技球の挙動を大きく変化させることができる。これにより、突起310に到達する前に遊技球の動きから入球の可否を推測することが困難となり、遊技球の動きに対する注目度の向上に寄与できる。
案内部315の左右に設けられた非案内部316へ落下した遊技球は、入球口87aに対して左右にずれた位置へ跳ね返り、入球口87aの前方→突起310の左右を通って可変入賞装置84へ向かう。このように入球口87aの前方を入球が不可となった遊技球の通過領域として利用すれば、特別入球部87に係る構成の占有領域の拡がりを好適に抑制できる。
本実施の形態においては、遊技球の落下位置の僅かな違いによってその後の挙動を大きく変化させることが可能となっている。そこで、案内部315の横幅寸法を遊技球(入球口87a)の直径寸法よりも小さくして、突起310の幅を小さくすることにより、上記占有領域の減縮に貢献している。
なお、突起310については遊技領域形成体80aに一体成形されている。このため、突起に相当する構成を別体で設け、遊技領域形成体80aに取り付ける構成と比較して、取付誤差等の影響を払拭できる。このようにして誤差を小さくすることは、上述の如く落下位置の僅かな違いによって入球の可否が分かれる構成において好ましい。
<変形例1>
上記第1の実施の形態においては、特別開放中に作動ゲート86への入球が発生した場合には、特別開放を途中で強制的に終了させて、開閉実行モードへの移行を優先させる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、特別開放中に作動ゲート86への入球が発生した場合には、特別開放終了後に開閉実行モードへ移行させる構成(例えば、開閉実行モードへの移行を特別開放終了まで遅延させる構成)とすることも可能である。すなわち、特別開放が実施されている場合には当該特別開放が開閉実行モードの開始よりも優先される構成とすることも可能である。なお、特別開放を優先させる上では、特別開放中は作動ゲート86への入球を無効とする構成としてもよい。
<変形例2>
上記第1の実施の形態においては、特別開放中又は開閉実行モード中を除き特別入球部87への入球に基づいて可変入賞装置84を受入状態に切り替える(特別開放を行う)構成とした。つまり、通常遊技状態にて特別入球部87への入球が発生した場合には特別開放が実行される構成とした。これを変更し、特別開放が実行される期間を準備モード中に限定することも可能である。
<変形例3>
開閉実行モードにおけるオープニング期間を特別開放における最大開放期間よりも長く設定し、特別開放中に作動ゲート86への入球が発生した場合には、特別開放を継続しつつ開閉実行モードへ移行させる構成としてもよい。特別開放における最大開放期間よりもオープニング期間の方が長くなっていれば、オープニング期間中に特別開放を終了させることができ、開閉実行モードにおける可変入賞装置84の動きに影響が及ぶことが回避される。なお、可変入賞装置84が受入状態から非受入状態に切り替わる際の動作期間を考慮して、オープニング期間を当該動作期間と上記最大開放期間との和よりも長く設定することにより実用上好ましい構成を実現できる。
<変形例4>
上記第1の実施の形態においては、特別開放に対応した第1開放態様と、開閉実行モードに対応した第2開放態様とを個別に設定したが、これに限定されるものではない。例えば、第1開放態様と第2開放態様とを同一とすることも可能である。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、可変入賞装置84の上流側に作動ゲート86を配設して特別開放中にも作動ゲート86への入球が発生し得る構成とした上で、特別開放中に作動ゲート86への入球が発生した場合には特別開放に対して開閉実行モードへの移行を優先させる構成とした。特別開放によって準備モード中の持ち球の増加が期待できる構成においては、当該特別開放中の作動ゲート86への入球によって同特別開放が強制終了されることは遊技者の遊技意欲を低下させる要因になると懸念される。
本実施の形態においては、そのような事情に配慮して、特別開放中は特別開放中でない場合と比べて作動ゲート86Aへの入球が発生する確率を低下させることにより、特別開放が強制終了される機会を減らす(特別開放が完遂される機会を増やす)工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図31を参照して、当該工夫について説明する。図31は、遊技盤ユニット80A(右ルート)における下流領域の概略図であり、可変入賞装置84と特別入球部87Aとの関係を示している。なお、本実施の形態においては主たる構成が第1の実施の形態と同様であるため、それら共通となっている構成については説明を省略する。
右ルートの下流領域に配設された可変入賞装置84が非受入状態となっている場合には、当該可変入賞装置84のシャッタ84bが下流側通路300Aにおける遊技球の通過領域へ突出しており、当該シャッタ84bによって下流側通路300Aの一部(通路部305A)が構成されている。可変入賞装置84が非受入状態となっている状況下にて当該可変入賞装置84に到達した遊技球については、シャッタ84b上を転動して遊技領域PEの中央側へ向かう。可変入賞装置84によって構成されている通路部305Aの延長上には作動ゲート86Aが配設されている。可変入賞装置84の大入賞口84aに入らなった遊技球は通路部305Aを通じて作動ゲート86に向かうこととなる。
図31(b)に示すように、可変入賞装置84が受入状態に切り替わると、シャッタ84bが非突出位置へ後退することで大入賞口84aが開放され、下流側通路300Aが可変入賞装置84にて寸断される。この状況下では、下流側通路300Aを流下して可変入賞装置84に到達した遊技球は、大入賞口84aへ流入し、作動ゲート86Aへの移動が妨げられることとなる。
特別入球部87への入球に基づき可変入賞装置84が非受状態から受入状態に切り替わることで、少なくとも特別開放が終了して可変入賞装置84が非受入状態に切り替わるまでの間は作動ゲート86Aへの入球が制限されることとなる。これにより、特別開放が途中で終了する機会を減らすことができる。
以上詳述したように、可変入賞装置84によって特別開放中の作動ゲート86Aへの入球機会を減らすことにより、準備モード中に遊技への注目度の向上を図る効果を一層好適に発揮させることができる。
<変形例1>
上記第2の実施の形態においては、可変入賞装置84(大入賞口84a)と作動ゲート86Aとを左右横並びとなるように配置したが、受入状態となった可変入賞装置84によって作動ゲートへの入球を制限することができるのであれば、それら可変入賞装置84及び作動ゲートの位置については任意である。
例えば、図32の概略図に示す例においては、可変入賞装置84Bの直下となる位置に作動ゲート86Bが配設されている。可変入賞装置84Bのシャッタ84bBについては下流側通路300(詳しくは第1通路部301B)における遊技球の通過領域へ突出する突出位置と、当該通過領域への突出が回避される退避位置とに移動可能となっている。図32(b)に示すように、シャッタ84bBが突出位置に配置された状態(受入状態)においては、当該シャッタ84bBによって第2通路部302Bが寸断され、同シャッタ84bBによって上方に開放された作動ゲート86Bの入口部分が上方から覆われることとなる。これにより、特別開放中の作動ゲート86Bへの入球を一層好適に抑制できる。
<第3の実施の形態>
上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、遊技領域PEを流下する遊技球が遊技領域形成体80aに突設された突起310に当たって跳ね返り、遊技機前方に開放された特別入球部87に向かう構成とした。本実施の形態においては、特別入球部87及びそれに関連する構成がそれら実施の形態と相違している。以下、図33を参照して、本実施の形態における特別入球部87C及びそれに関連する構成について説明する。図33(a)は右ルートの下流領域を遊技機前方から見た遊技盤ユニット80Cの部分拡大図、図33(b)は図33(a)のB−B線部分断面図である。
突起310Cは円柱状をなしており、その中心軸線が後方に下り傾斜となるようにして斜めに傾いている。第2通路部302Cを通過した遊技球は、突起310Cへ落下し、当該突起310Cに跳ね返ることで特別入球部87Cの入球口87aCへ向かう。ここで、本実施の形態に示す突起310Cについては、その頂部を含む所定の範囲が案内部315Cとなっており、当該案内部315Cの左右両側が非案内部316Cとなっている。但し、上記第1の実施の形態とは異なり、案内部315Cと非案内部316Cとに明確な境界は設けられていない。そして、案内部315Cに跳ね返った遊技球については、僅かに左右に逸れたものについても入球口87aCに入球し得る構成となっている。これは、実際に遊技球が跳ね返るまで入球の可否の予測を難しくする工夫である。
突起310Cについては、上下に撓み変形(弾性変形)可能となっており、遊技球が跳ね返る際の跳ね返り高さを大きくさせている。このような遊技球の動きに合せて、入球口87aCは僅かながら縦長となるように形成されている。
突起310Cと入球口87aCとの間に段差が確保されている。この段差によって突起310Cの上面を転動した遊技球の入球口87aCへ入球を不可としている。なお、本実施の形態においては、遊技球が突起310Cに対して浮き上がった状態で入球口87aCに入球することを想定しており、突起310Cに跳ね返った遊技球はこの段差を飛び越えて入球口87aCに入球することとなる。故に、段差の存在によって入球口87aCへの入球確率の実質的な低下が回避されている。
入球口87aCの下端縁には、後方に凹む凹み87cCが形成されており、遊技領域形成体80aの前面に沿って落下した遊技球が突起310Cに至る直前にて入球口87aCの下端縁に引っ掛かる等して挙動が乱れることを抑制している。
本実施の形態に示す構成によれば、突起310Cに当たった遊技球が上方へ浮き上がり、浮き上がった状態で入球口87aCに入球する。このような斬新な遊技球の動きを実現することにより、遊技球の挙動に対する遊技者の注目度の向上に寄与できる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態においては、突起310に到達した遊技球の前後位置によって特別入球部87への入球確率に差が生じる構成となっていることを特徴の1つとしている。以下、図34を参照して、本実施の形態における特別入球部87に関連する各種構成について、上記第1〜第3の実施の形態との相違点を中心に説明する。図34(a)は遊技盤ユニット80Dの縦断面図、図34(b)は遊技盤ユニット80Dの横断面図である。
図34(a)に示すように、本実施の形態における下流側通路300Dにて第2通路部302Dの上流側となる導入通路部305Dでは、遊技球の移動経路(流路)が前後2条となるように構成されている。具体的には、導入通路部305Dを形成する遊技球の転動面308Dは、前後方向における中央部分から前端側及び後端側に下るように前後に湾曲している。転動面308Dの前端側には当該転動面308Dからの遊技球の脱落を阻止するストッパ部309Dが形成されており、転動面308Dには、手前側流路FRと奥側流路RRとが形成されている。なお、遊技領域形成体80aの前面及びストッパ部309Dによって規定されている導入通路部305Dの通路幅(前後幅)については、遊技球の直径寸法の2倍よりも小さく設定されており、手前側流路FRと奥側流路RRとは遊技球の通過領域が一部重複している。これは、導入通路部305Dを通過する遊技球を遊技機前方から見て当該遊技球が手前側流路FR及び奥側流路RRの何れを通過しているかを特定することを困難にするための工夫である。
右ルートへ向けて発射された遊技球のうち第2通路部302Dへ流入するものについては、導入通路部305Dを通過する過程で手前側流路FRを通過して第2通路部302Dへ流入するものと奥側流路RRを通過して第2通路部302Dへ流入するものとに分かれる。そして、手前側及び奥側の違いを維持したまま第2通路部302Dを通過することとなる。
図34(b)に示すように、突起310Dに形成されている案内部315Dについては、その横幅が手前側から奥側に向けて徐々に小さくなっている。つまり、手前側流路FRを通じて突起310Dに到達した遊技球については、奥側流路RRを通じて突起310Dに到達した遊技球よりも、案内部315Dに当たる可能性、すなわち入球口87aに案内される可能性が高くなっている。なお、本実施の形態においては、奥側流路RRを経由して突起310Dへ落下した遊技球については、凡そ半分が入球口87aに案内されるのに対して、手前側流路FRを経由した遊技球についてはそのほとんどが入球口87aに案内される構成となっている。
遊技領域PEを遊技機正面から見ている状態では、上下左右(遊技領域形成体80aの前面と平行な方向)と比べて前後(遊技領域形成体80aの厚さ方向)における遊技球の位置を目視で特定することは困難となる。つまり、遊技球の前後位置の違いを目視で特定することは困難である。そこで、このような流路の違いを利用して、遊技領域形成体80aの前面からの距離によって入球確率が異なる構成とすることにより、入球の可否を事前に予測することを難しくし、入球口87aへ向けた遊技球の動きに対する注目度の向上させることができる。
<変形例1>
上記第4の実施の形態においては、遊技機後方に向けて案内部315Dの横幅を小さくすることで突起310Dへの到達位置(前後位置)によって特別入球部87への入球確率に差が生じる構成としたが、到達した遊技球の前後位置によって入球確率に差を生じさせるための具体的構成については任意であり、例えば図35の概略図に示すように、突起310Eの傾斜角度を当該突起310Eの中間位置にて変化させて遊技球の動き(跳ね返り)を差別化することで入球確率に差を生じさせる構成としてもよい。
具体的には、案内部315Eを、突起310Eにて先端側となる部分、詳しくは手前側の流路FRを通過した遊技球が到達する部分に設けられた第1傾斜部321Eと、突起310Eにて基端側となる部分、詳しくは奥側の流路RRを通過した遊技球が到達する位置に設けられた第2傾斜部322Eとで構成する。水平面に対する第1傾斜部321Eの傾斜角度を、水平面に対する第2傾斜部322Eの傾斜角度よりも大きくし、第1傾斜部321Eに当たった遊技球は、第2傾斜部322Eに当たった遊技球よりも特別入球部87(入球口87a)へ向けて跳ね返りやすい(入球しやすい)構成とするとよい。なお、この構成においては、第1傾斜部321Eにて跳ね返った遊技球は第2傾斜部322Eを経由することなく、入球口87aへ直接流入する構成とすることにより、第2傾斜部322Eの傾斜の影響が当該遊技球に及ぶことを回避できる。
<変形例2>
上記第4の実施の形態においては、突起310Dに到達した遊技球は当該突起310Dの基端側よりも先端側の方が特別入球部87(入球口87a)に入球する確率が高くなるように構成したが、これを変更し、突起310Dの先端側よりも基端側の方が特別入球部87(入球口87a)に入球する確率が高くなるように構成してもよい。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、遊技領域形成体の中央開口を囲むように配設されているセンターフレームとそれに関連する構成とが上記第1〜第4の実施の形態と相違している。以下、図36及び図37を参照して、本実施の形態におけるセンターフレーム及びそれに関連する構成について、第1〜第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。図36は遊技盤ユニット80Fにおける遊技領域PEの上流部分を拡大して示す概略図、図37(a)は図36のC−C線部分断面図、図37(b)は図36のD−D線部分断面図である。なお、センターフレームは、遊技領域形成体80aの中央開口93の左側に位置する左枠部と、中央開口93の右側に位置する右枠部と、中央開口93の下側に位置する下枠部と、中央開口93の上側に位置する上枠部とに大別されるが、以下説明に示す「センターフレーム97F」は上枠部を示す。
センターフレーム97Fは、透明な合成樹脂からなるセンターフレーム第1構成体351F(以下、第1構成体351Fという)とセンターフレーム第2構成体352F(以下、第2構成体352Fという)とが遊技領域形成体80aの厚さ方向に組み合わされて(積層されて)なる。第1構成体351Fは、板面が遊技機正面側を向くように形成された略平板状の第1ベース部361Fを有している。第1ベース部361Fは、中央開口93に沿って湾曲する略円弧状をなしており、その外縁部分が遊技領域形成体80aの前面に遊技機前方から対向した状態で当該遊技領域形成体80aに固定されている。より詳しくは、ベース部361Fにて遊技領域形成体80aの前面に対向している部分には、ビス等の固定具355Fが挿通される挿通孔362Fが形成されており、当該挿通孔362Fに挿通された固定具355Fが遊技領域形成体80aに固定(螺着)されることで遊技領域形成体80aに一体化されている。
第1ベース部361Fには、遊技領域形成体80aの中央開口93に沿っ延びる周壁部365Fが形成されている。周壁部365Fは、遊技機前方に起立しており、その起立量が後側のガラスパネル23との隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が周壁部365Fを越えて中央開口93側(図柄表示装置96の前方)へ移動することが回避されている。すなわち、周壁部365Fによって遊技領域形成体80aの前面側領域が、遊技領域PEと図柄表示装置96の前方領域とに仕切られている。
第1ベース部361Fには第2構成体352Fが搭載される台座部が設けられている。第2構成体352Fは、台座部に対向する略平板状の第2ベース部371Fと、第2ベース部371Fから台座部側に突出するボス373Fが複数形成されており、第1ベース部361Fの台座部にはそれらボス373Fが挿入される挿入部363Fが形成されている。ボス373Fにはネジ孔が形成されており、挿入部363Fにはそれらネジ孔に連通する連通孔が形成されている。ボス373Fが挿入部363Fに挿入された状態にて第1構成体351F側から連通孔に挿通された固定具356Fがネジ孔に固定(螺着)されることで、両構成体351F,352Fが一体化されている。なお、第2ベース部371Fにも固定具355F用の挿通孔372Fが形成されており、当該挿通孔372Fに挿通された固定具355Fが遊技領域形成体80aに螺着されることで遊技領域形成体80aに固定されている。
第2ベース部371Fの前面側には、当該第2ベース部371Fから遊技機前方に突出する複数の突出部375F〜377Fが形成されている。上述したボス373Fは、遊技機正面視にて各突出部375F〜377Fと前後に重なる位置に配設されており、それら突出部375F〜377Fによってボス373Fが目立ちにくくなるように隠されている。
突出部375F〜377Fは、第1構成体351Fの周壁部365Fの上側に当該周壁部365Fに沿って配列されており、同周壁部365Fとともに左ルートの最上流部分(球通路390F)を形成している。具体的には、周壁部365F及び第1突出部375Fによって第1通路部391Fが形成され、第1突出部375F及び第2突出部376Fによって第2通路部392Fが形成され、第2突出部376F及び第3突出部377Fによって第3通路部393Fが形成されている。
これら第1通路部391F、第2通路部392F、第3通路部393Fを通過した遊技球は、周壁部365Fに沿って流下することで図柄表示装置96の側方へ向かうものの、通過した通路部によって移動速度に差が生じ得る構成となっている。このような移動速度の差によって、左ルート下流側での遊技球の移動先に違いが生じる。具体的には、第2通路部392Fを通過した遊技球については、第1通路部391F及び第3通路部393Fを通過した遊技球よりも作動入球部82,83への入球確率が僅かながら高くなるように構成されている。つまり、遊技者は第2通路部392Fを通過するようにして遊技球を発射することにより、遊技を有利に進めることができる。
本実施の形態においては、左ルート最上流部分での遊技球の狙い位置を遊技者に教示することにより、遊技機に関する知識等の有無によって遊技者間の公平性が低下することを抑制している。以下、この狙い位置の教示に係る構成について説明する。
上述したように、第2通路部392Fは、第1突出部375F及び第2突出部376Fによって挟まれてなり、その入口部分は、左斜め上方に開放されている。遊技者は、遊技球の発射速度を調整することにより、この入口部分へ遊技球を流入させることが可能となっている。このようにして、第2通路部392Fに流入した遊技球は、第1突出部375Fに衝突することで勢いが弱められることとなる。
第2通路部392Fについては、ある程度の長さを有しており、第2通路部392Fのどの位置に遊技球が飛び込むか(すなわち減勢位置)によって、その後の遊技球の挙動に若干の違いが生じる。本実施の形態においては、上述したように第2通路部392Fの優位性を活かすには、第1突出部375Fにて第2通路部392Fの入口付近を構成している部分を狙うことが好ましい構成となっている。
図37(a)に示すように、第1突出部375Fは、ベース部371Fから遊技機前方に起立し通路壁面を構成する起立壁部381Fと、後側のガラスパネル23に対向する前面部382Fとを有してなり、全体として中空となるように形成されている。
図37(b)に示すように、第1構成体351Fの第1ベース部361Fにて起立壁部381Fと前後に重なる部分には、遊技機後方に突出し、遊技領域形成体80aの中央開口93に対して当該中央開口93の内側から対峙する開口フランジ364Fが形成されている。遊技領域形成体80aの背面側には、この開口フランジ364Fに光を供給する光供給手段としての発光体395Fが設けらている。発光体395Fからの光は、開口フランジ364F→起立壁部381Fを通過して、第1突出部375Fの前面部382Fから遊技機前方へと放出される。つまり、本実施の形態においては、これら開口フランジ364F及び起立壁部381Fが導光路として機能している。
第1突出部375Fの前面部382Fにおいて、第2通路部392F(詳しくは上記入口部分)を構成している起立壁部381Fの前方に位置する部分には、微細な凹凸からなる光放出部383Fが形成されている(図37(a)参照)。上記導光路を通過して前面部382Fに到達した光の放出部分を光放出部383Fの形成箇所に限定することにより、上記狙い位置を適切に示すことが可能となっている。なお、図36においては、第1突出部375Fにおける発光部位LP、すなわち光放出部383Fの形成箇所にドットハッチングを付与している。
光供給手段を構成する発光体395Fについては、遊技機正面視にて遊技領域PEとの重なりが回避される位置、詳しくは遊技領域PEの外側となる位置に配設されている。狙い位置を発光させることで遊技者に対する教示を行う構成においては、発光体が直接視界に入ることで、遊技機の見栄えが低下すると懸念される。この点、上記配置とすることで、そのような不都合の発生を抑制している。なお、図37(b)に示すように、開口フランジ364Fについては、遊技領域形成体80aの背面よりも後方に延出しており、発光体395Fを開口フランジ364Fから外側にずらして配置した場合であっても、当該開口フランジ364Fへの光の供給経路が遊技領域形成体80a(詳しくはその背面)によって遮られることを回避している。
発光体395Fについては、遊技球の発射操作に連動しており、遊技球発射ハンドル41が操作されている場合に点灯状態となり、操作が行われていない場合には消灯状態となるように構成されている。
遊技領域形成体80aの前面側に突出する突出部375F〜377Fによって球通路390Fが形成されている。球通路390Fにおいてどの位置を狙うべきかが突出部375Fにて教示されるため、球通路390Fを見た遊技者はその教示内容から狙うべき箇所を容易に把握することができる。また、球通路390Fを形成する突出部375Fに教示機能を付与することには、遊技者間の公平性の向上を図る上で遊技領域PEに配設された構成等が過度に複雑になることを抑制できるという技術的意義がある。
突出部375Fの前面部382Fには光放出部383Fが形成されており、この光放出部383Fを発光させることにより狙い位置が教示される。ここで、仮に光放出部に遊技球が当たることで当該光放出部に摩耗等の変形が生じると、光放出による教示機能が上手く発揮されなくなることが懸念される。この点、本実施の形態に示すように突出部375Fの前面部382Fに光放出部を形成して遊技球との接触を回避することにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
突出部375Fは中空状をなしており、通路壁面を構成する起立壁部381Fを導光路として利用している。このように起立壁部381Fを導光路として利用することで、発光体395Fの配置自由度の向上が実現されている。これは、上述したように発光体395Fを遊技者の視界から外して遊技機の見栄えの低下を抑制する上で好ましい。
突出部375Fにおける所定の位置を遊技球の狙い先として教示する構成とした場合には、その位置に遊技球が繰り返し衝突することになると想定される。このため、遊技球が直接衝突する部分と、それ以外の部分とで劣化速度に差が生じる。この点、本実施の形態に示すセンターフレーム97Fにおいては、第1構成体351F及び第2構成体352Fの組み合わせによって球通路390Fが形成されており、それら第1構成体351F及び第2構成体352Fが分離可能となっている。上記劣化によって遊技球の挙動に乱れ等が生じ、部品等の交換が必要になった場合であっても、比較的小型の第2構成体352Fを交換することで、遊技への影響を早急に解消できる。なお、複数の構成体によって球通路を形成する構成は、遊技機の仕様等に応じて球通路を様々に変化させることができる点でも有利である。
第1突出部375Fを中空とすることは、遊技球の衝突に伴う衝撃を吸収する上で好ましい。本実施の形態においては特に、両構成体351F,352Fの固定箇所と第1突出部375Fとを近づけることにより、第1構成体351F側へ上記衝撃を逃がしやすくしている。
また、第1突出部375Fの起立壁部381Fとボス373Fの形成位置とを前後に重ねる構成とすることは、起立壁部381Fの肉部を利用して固定具356Fの取付ストロークを稼ぐ上で有利である。これは、固定具356Fによる両構成体351F,352Fの固定強度を高める上で好ましい。
<第6の実施の形態>
遊技領域形成体80aを透明な合成樹脂製としてその背後を視認可能とすれば、遊技領域形成体80aの背後を各種遊技部品(例えば可動役物等の演出装置や電飾等の装飾体)の配設領域として利用することが可能となり、遊技機の見栄えの向上に寄与できる。このような構成においては、背後の遊技部品に紛れて突出部375Fからの光が分かりづらくなる可能性がある。本実施の形態においては、このような事情に配慮して、遊技球の狙い位置の教示に係る構成が工夫されていることを特徴の1つとしている。以下、図38(a)の概略図を参照して、第5の実施の形態との相違点を中心に、上記工夫について説明する。なお、本実施の形態においては、基本構成が第5の実施の形態と共通となっているため、これら共通となっている構成についての説明は省略する。
本実施の形態における第2構成体352Gにおいては、遊技機正面視における第2突出部376Gの外形が矢印を模した形となるように形成されている。より詳しくは、第2突出部376Gの矢印が示す先に第1通路部391Gにて遊技球の狙い位置LPが位置するように構成されている。つまり、第2突出部376Gには、第1突出部375Gとともに第2通路部392Gを形成する機能と、狙い位置LPを教示するマーカMとしての機能とが付与されている。
遊技領域PEの上流部分については、遊技球発射機構110から発射された遊技球がある程度勢いを保ったまま衝突する可能性があるため、合成樹脂製の突出部によって通路部を形成する上では、強度確保等の観点から突出部にある程度の大きさが与えられることとなる。このように、ある程度の大きさが確保される構成に上述した教示機能を付与する構成とすれば、その教示された情報が周辺構成に紛れて分かりづらくなることを抑制できる。
<第7の実施の形態>
上記第6の実施の形態では、第2突出部376Gの形を工夫することで、狙い位置を教示する構成としたが、上述したように第2突出部376Gについては、遊技領域PEにおける最上流部分(すなわち遊技球発射機構110から発射された遊技球がその勢いを保ったまま衝突する位置)に配設されている。このため、突出部376の強度確保や遊技球衝突時の挙動の乱れの緩和を実現する上では、その形状に係る制約が強くなる。本実施の形態においては、このような事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図38(b)の概略図を参照して当該工夫について説明する。
本実施の形態においては、第1構成体351H及び第2構成体352Hを組み合わせることにより上記狙い位置LPを示す矢印であるマーカMが形成されている。具体的には、第1構成体351Hの第1ベース部361Hの前面部分には矢印の先端部分(頭部)を模した絵柄Pがプリントされている。これに対して、第2構成体352Hの第2突出部376Hは矢印の胴体部分を模した形となっており、第6の実施の形態に示した第2突出部376Gと比べて形状の簡素化が実現されている。
両構成体351H,352Hを組み合わせてセンターフレーム97Hを形成した場合には、第2構成体352H(例えば第2ベース部371H)を通じて絵柄Pが視認可能となり、第2突出部376H及び絵柄Pによって矢印を模したマーカMが構築される。
遊技球の保護や遊技機の耐久性確保等の観点から第2突出部376Hの形状に制約が生じる場合であっても、第1構成体351Hに設けられた絵柄PとともにマーカMを構築すれば、第2突出部376Hの形状を簡素化しつつも教示機能を好適に担保できる。
また、第1ベース部361Hの台座部に絵柄Pを形成すれば、凹凸の激しい第2ベース部371Hに同様の絵柄を形成する場合と比較して、製造が難しくなることを回避できる。更には、第2ベース部371の台座部については遊技球が直接触れる部分ではないため、絵柄Pに遊技球が接触する等して、当該絵柄Pが見えづらくなることもない。
前後にオフセットしている構成(第2突出部376H及び絵柄P)によってマーカMを構築する場合には、絵柄Pを第1ベース部361Hの前面部分に配設することで、視差等の影響を緩和できる。すなわち、第2突出部376Hと絵柄Pとの前後位置のずれを小さくすることで、マーカを斜め前方から見た場合であっても、上記ずれの影響でマーカMが何を意味しているかが分かりづらくなることを抑制できる。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、可変入賞装置84、作動ゲート86、特別入球部87を遊技領域PEにおける右ルートにまとめて配設したが、これに限定されるものではない。少なくとも作動ゲート86及び特別入球部87が同じルートに配設されていれば足り、可変入賞装置84をそれら作動ゲート86等と同じルートに配設するか否かについて任意である。
また、作動ゲート86及び特別入球部87を下流側通路300の分岐ルートに各々配設するのではなく、それら作動ゲート86及び特別入球部87を同じ分岐ルート上に(例えば一方が他方よりも上流側となるように)配設することも可能である。
(2)上記各実施の形態に示した特別入球部87に、当該特別入球部87への入球をサポートするサポート状態と入球をサポートしない非サポート状態とに切替可能な入球補助装置を併設してもよい。この入球補助装置によるサポートモードについても入球補助の頻度が相対的に高い高頻度サポートモードと入球補助の頻度が相対的に低い低頻度サポートモードとを設定することも可能である。例えば、準備モード中に本入球補助装置のサポートモードが高頻度サポートモードとなることにより特別開放が連続して発生する機会が増え、低頻度サポートモードとなることにより特別開放が連続して発生する機会が減ることとなる。このような違いが生じることにより、準備モード中の持ち球の増加態様の多様化が期待できる。
(3)上記各実施の形態に示した作動ゲート86の機能、すなわち準備モードから開閉実行モードへの移行のトリガとしての機能をスルーゲート85や一般入賞口81等の他の入球部に付与することも可能である。
(4)上記各実施の形態では、右ルートに発射された遊技球については上作動入球部82及び下作動入球部83への入球が回避される構成としたが、これに限定されるものではない。右ルートに発射された遊技球がそれら作動入球部82,83に入球し得る構成とすることも可能である。
(5)上記各実施の形態においては、何れの大当たり結果となった場合であっても準備モードを経て開閉実行モードへ移行する構成としたが、これに限定されるものではない。準備モードを経由して開閉実行モードへ移行する第1種大当たり結果と、準備モードを経由せずに開閉実行モードへ移行する第2種大当たり結果とを設けてもよい。そして、上作動入球部82への入球に基づく大当たり種別の振分と下作動入球部83への入球に基づく大当たり種別の振分とで、第1種大当たり結果と第2種大当たり結果との振分率に差を設けることにより、更なる遊技の多様化を実現できる。
(6)上記各実施の形態では、準備モード中に作動ゲート86を1の遊技球が通過したことに基づいて開閉実行モードへ移行する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば開閉実行モードへの移行契機となる通過数については任意である。例えば、複数の遊技球が作動ゲート86を通過したことを契機として開閉実行モードへ移行する構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態では、特別入球部87を入球口87aの横幅が第2通路部302の横幅と同一となるように形成したが、これに限定されるものではない。例えば、図39の概略図に示すように、入球口87aIの横幅を第2通路部302の出口部分の横幅よりも大きくしてもよい。このように入球口87aIを大きくしたとしても、第2通路部302によって流下方向が規定された遊技球については入球口87aIに直接流入することはないため、入球口87aIの大型化によって見た目のインパクトを強化しつつ(外観上は入球が容易であると印象付けつつ)、それに起因して入球確率が過度に高くなることを抑制できる。なお、入球口87aIについては、左右の端部に近づくにつれて縦幅が小さくなる構成(例えば横長の楕円)とすることにより、上記効果を一層好適に発揮させることができる。
(8)上記各実施の形態に示した特別入球部87についても作動入球部82,83と同様に保留機能を付与してもよい。すなわち、特別開放中に特別入球部87への入球が発生した場合には、入球情報を記憶し当該特別開放の終了後に記憶している入球情報に基づいて再び特別開放が実行される構成としてもよい。
(9)上記第5〜第7の実施の形態では、センターフレーム97Fを構成する第1構成体351F及び第2構成体352Fを遊技領域形成体80aに各々固定する構成としたが、これに限定されるものではない。第2構成体352Fを第1構成体351F(台座部)に搭載するようにして両者を一体化している場合には、遊技領域形成体80aへの固定対象を第1構成体351Fに限定してもよい。第1構成体351Fを遊技領域形成体80aに固定した状態で、当該第1構成体351Fから第2構成体352Fを取外可能とすることにより、劣化等の理由から第1構成体351Fを交換する場合の作業性の向上が期待できる。
(10)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更には、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技への注目度を向上させる上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば上作動入球部82)への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を通常遊技状態から当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部とは別に設けられた所定入球部(作動ゲート86)と、
前記準備状態となっている状況下にて前記所定入球部への入球が発生した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、入球が不可である非受入状態(閉状態)及び入球が可能な受入状態(開状態)に切替可能な可変入球部(可変入賞装置84)と、
前記可変入球部への入球が発生した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224や払出制御装置242)と
を備えている遊技機であって、
前記特別遊技状態となった場合に前記可変入球部を前記受入状態に切り替える第1切替手段(主制御装置162のMPU402にて開閉処理を実行する機能)と、
前記準備状態となっている状況下にて前記所定入球部への入球とは異なる特別開放条件が成立した場合に、前記第1切替手段による切り替えが行われるよりも前に前記可変入球部を前記受入状態に切り替える第2切替手段(主制御装置162のMPU402にて特別開放用処理等を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に示すタイプの遊技機においては、判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態が準備状態へ移行する。この準備状態にて所定入球部への入球が発生することにより特別遊技状態へ移行し、可変入球部が受入状態に切り替わる。そして、可変入球部への入球に基づいて遊技者に賞球等の特典が付与されることとなる。ここで、本特徴に示す構成においては、所定入球部への入球とは異なる特別開放条件が設けられており、準備状態中に特別開放条件が成立すると特別遊技状態への移行前に可変入球部が受入状態に切り替わることとなる。つまり、遊技者に、特別遊技状態への移行前に可変入球部への入球に基づく特典を獲得できる機会が与えられることとなる。これにより、準備状態における遊技が単調化することを抑制して、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴A2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
前記遊技領域に設けられた始動入球部(例えば上作動入球部82)への入球に基づいて特別情報(保留情報)を取得する特別情報取得手段(主制御装置162のMPU602にて情報取得処理を実行する機能)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を記憶可能な取得情報記憶手段(主制御装置162のRAM604における保留球格納エリア632)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば当選情報)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(主制御装置162のMPU602にて当否判定処理等を実行する機能)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態を通常遊技状態から当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)への移行前の準備状態(例えば準備モード)に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記始動入球部とは別に設けられた所定入球部(作動ゲート86)と、
前記準備状態となっている状況下にて前記所定入球部への入球が発生した場合に、遊技状態を当該準備状態から前記特別遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602にて準備モードへの移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、入球が不可である非受入状態(閉状態)及び入球が可能な受入状態(開状態)に切替可能な可変入球部(可変入賞装置84)と、
前記可変入球部への入球が発生した場合に遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置224や払出制御装置242)と
を備えている遊技機であって、
前記特別遊技状態となった場合に前記可変入球部を前記受入状態に切り替える第1切替手段(主制御装置162のMPU402にて開閉処理を実行する機能)と、
前記準備状態となっている状況下にて前記遊技領域に設けられた特別入球部(特別入球部87)への入球が発生した場合に、当該準備状態中に前記可変入球部を前記受入状態に切り替える第2切替手段(主制御装置162のMPU402にて特別開放用処理等を実行する機能)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A2に示すタイプの遊技機においては、判定手段による判定結果が所定の判定情報に対応する対応結果となった場合に、遊技状態が準備状態へ移行する。この準備状態にて所定入球部への入球が発生することにより特別遊技状態へ移行し、可変入球部が受入状態に切り替わる。そして、可変入球部への入球に基づいて遊技者に賞球等の特典が付与されることとなる。ここで、本特徴に示す構成おいては、準備状態中に特別入球部への入球が発生すると準備状態中(特別遊技状態への移行前)に可変入球部が受入状態に切り替わることとなる。つまり、遊技者に、特別遊技状態への移行前に可変入球部への入球に基づく特典を獲得できる機会が与えられることとなる。これにより、準備状態における遊技が単調化することを抑制して、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴A3.前記特別入球部及び前記所定入球部は、それら特別入球部及び所定入球部の一方に向けて発射された遊技球が他方に入球し得る位置に配設されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A2等に示したように特別遊技状態への移行前(準備状態)に可変入球部が受入状態に切り替わる構成においては、準備状態中は少しでも多くの特典を得るべく特別入球部を狙って遊技球が発射されるものと想定される。このような行為によって特別遊技状態への移行が過度に遅延されることは、遊技進行の円滑化を図る上で好ましくない。この点、本特徴に示すように、特別入球部を狙った遊技球が所定入球部へ入球し得る構成とすることにより、上記不都合の発生を好適に抑制できる。
また、所定入球部を狙って発射された遊技球は特別入球部へ入球し得る。このため、遊技機の仕様を熟知していない遊技者についても、少なくとも所定入球部を狙って遊技球を発射しさえすれば、特別入球部への入球→更なる特典取得の機会を得ることができる。これにより、遊技機の仕様等の理解度の差によって遊技者間の公平性が損なわれることを抑制できる。
特徴A4.前記特別入球部及び前記所定入球は、前記可変入球部へ向けて発射された遊技球が入球し得る位置に配設されていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、可変入球部へ向けて遊技球を発射することで特別入球部や所定入球部への入球機会を得ることができる。このような構成とすれば、特徴A2等に示した効果を発揮させるべく構成が複雑になることが、遊技者を困惑させる要因になることを抑制できる。
特徴A5.前記可変入球部は、前記遊技領域において前記所定入球部へ向かう流下経路上に配設されており、
前記可変入球部が前記受入状態となることにより、前記流下経路を経由した前記所定入球部への遊技球の流れが規制されることを特徴とする特徴A2乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A2に示した遊技機においては、所定入球部への入球を回避しつつ可変入球部や特別入球部への入球を発生させることにより、準備状態中にできるだけ多くの特典を獲得することができる。ここで、本特徴に示すように、可変入球部が受入状態になることで所定入球部への入球が抑制される構成とすれば、例えば準備状態中に特別入球部への入球を契機とした可変入球部の開放を連続させることができ、遊技の単調化を抑制する効果を一層好適に発揮させることができる。
特徴A6.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部が前記受入状態となった場合には、前記特別遊技状態への入球に基づいて前記可変入球部が前記受入状態となった場合と比較して、当該可変入球部への入球数が少なくなるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、特別遊技状態への移行に基づいて付与される特典と、準備状態にて付与される特典とを明確に差別化することができる。
特徴A7.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部を前記受入状態とする期間は、前記特別遊技状態にて前記可変入球部を前記受入状態とする期間よりも短くなっていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、準備状態中に獲得できる特典は特別遊技状態中に獲得できる特典よりも少なくなる。このように、特典の獲得スピード(例えば持ち球の増加スピード)に差を設けることは、特徴A2等に示した効果を発揮させる上で好ましい。
特徴A8.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部が前記受入状態に維持される受入期間は、前記特別遊技状態への移行タイミングから前記可変入球部が前記受入状態に切り替わるまでの待機期間(オープニング期間)よりも短くなっていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、特別入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態となっている期間中(特別開放中)に所定入球部への入球が発生したとしても、特別遊技状態への移行に基づいて可変入球部が受入状態となるまでに上記特別開放を完了させることができる。特別入球部への入球が発生したにも関わらず、特典を享受するまでに特別開放が終了することを抑制することにより、特徴A2等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A9.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部が前記受入状態となっている最中に前記所定入球部への入球が発生した場合に、前記受入状態となっている前記可変入球部を前記非受入状態に復帰させる手段を備えていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A9によれば、準備状態中に可変入球部が受入状態となっている場合に所定入球部への入球が発生すると、可変入球部が非受入状態に復帰する。速やかに特別遊技状態へ移行させることが可能となれば、遊技の多様化に起因した遊技進行の間延びを好適に抑制できる。
特徴A10.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部が前記受入状態となっている最中に前記所定入球部への入球が発生した場合に、前記特別遊技状態への移行を遅延させる手段を備えていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A10によれば、特別入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態となっている期間中(特別開放中)に所定入球部への入球が発生したとしても、直ちに受入状態が終了することが回避される。これにより、準備状態中にて可変入球部への入球に基づく特典の取得機会を担保できる。
例えば、特別入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態となっている場合には、当該受入状態が終了して非受入状態に切り替わるまで特別遊技状態への移行を遅延させる構成とするとよい。
特徴A11.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部が前記受入状態となっている間は、前記所定入球部への入球に基づく前記特別遊技状態への移行が規制される構成となっていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、特別入球部への入球に基づいて可変入球部が受入状態となっている期間中(特別開放中)に所定入球部への入球が発生したとしても、直ちに受入状態が終了することが回避される。これにより、準備状態中にて可変入球部への入球に基づく特典の取得機会を担保できる。
特徴A12.前記特別入球部への入球に基づいて前記可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態となって再び前記非受入状態に復帰するまでの当該可変入球部の動作態様と、前記特別遊技状態への入球に基づいて前記可変入球部が前記非受入状態から前記受入状態となって再び前記非受入状態に復帰するまでの動作態様とが同様となるように構成されていることを特徴とする特徴A2乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、準備状態中に特別入球部への入球(特別開放条件が成立)することにより、あたかも特別遊技状態が拡張されたかのように見せることができる。
なお、例えば所定入球部への入球を契機として可変入球部を受入状態に維持する期間と特別入球部への入球を契機として可変入球部を受入状態に維持する期間とを揃える構成とするとよい。
<特徴B群>
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技盤に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記遊技領域に設けられた入球部(特別入球部87)へ入球することにより遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードを開始させる機能)とを備えている遊技機であって、
前記入球部は、前記遊技盤の前面に開口し遊技機前方から視認可能な入球口(入球口87a)及び当該入球口から前記遊技盤の背面側へ延びる球通路(入球通路87b)を有し、
前記遊技領域にて前記入球部の下側に配設され、前記遊技盤の前面から前方に突出する突出部(例えば突起310)と、
前記遊技領域にて前記入球部の上側に配設され、前記突出部へ向けて遊技球が流下するように遊技球の流下方向を規定する規定部(第2通路部302の上流部分)と
を備え、
前記突出部には、当該突出部の先端側から基端側へ下り傾斜となり、前記規定部を通じて当該突出部に到達した遊技球を前記入球口へ案内可能な案内部(案内部315)が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、規定部を経由して突出部へと流下(例えば落下)した遊技球は、入球口の前方を通過して突出部(例えば突起)に衝突する。遊技球が突出部に形成された案内部に衝突すると、遊技機後方へ向かうようにして当該遊技球の移動方向が変化する。移動方向が変化した遊技球の一部は入球口へ入球することにより遊技者に特典が付与される。規定部、突出部、入球部(入球口)によって入球手段を構築することにより、遊技盤に係る構成を好適なものとすることができる。
特徴B2.前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記遊技領域に設けられた入球部(特別入球部87)へ入球することにより遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードを開始させる機能)とを備えている遊技機であって、
前記入球部は、前記遊技盤の前面に開口し遊技機前方から視認可能な入球口(入球口87a)及び当該入球口から前記遊技盤の背面側へ延びる球通路(入球通路87b)を有し、
前記遊技領域にて前記入球部の下側に配設され、前記遊技盤の前面から前方に突出する突出部(例えば突起310)と、
前記遊技領域にて前記入球部の上側に配設され、前記突出部へ向けて遊技球が流下するように遊技球の流下方向を規定する規定部(第2通路部302の上流部分)と
を備え、
前記突出部には、当該突出部の先端側から基端側へ下り傾斜となり、前記規定部を通じて当該突出部に到達した遊技球を前記入球口へ案内可能な案内部(案内部315)と、前記案内を行わない非案内部(非案内部316)とが設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、規定部を経由して突出部へと流下(例えば落下)した遊技球は、入球口の前方を通過して突出部(例えば突起)に衝突する。遊技球が突出部に形成された案内部に衝突すると、遊技機後方へ向かうようにして当該遊技球の移動方向が変化する。移動方向が変化した遊技球の一部は入球口へ入球することにより遊技者に特典が付与される。規定部、突出部、入球部(入球口)によって入球手段を構築することにより、遊技盤に係る構成を好適なものとすることができる。
なお、特徴B1及び特徴B2に示す「前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記遊技領域に設けられた入球部(特別入球部87)へ入球することにより遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードを開始させる機能)とを備えている遊技機であって」との記載を「前面に遊技球が流下する遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記遊技領域に設けられた入球部(特別入球部87)へ入球することにより所定の処理を実行する制御手段(主制御装置162のMPU602にて開閉実行モードを開始させる機能)とを備えている遊技機であって」とすることも可能である。
特徴B3.前記突出部の上面(上面311)は、遊技機正面視にて上方に凸となる円弧状をなしており、その頂部に前記案内部が形成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3に示すように、突出部の上面を円弧状に形成することにより、左右方向にて遊技球の到達位置が頂部(案内部)から少し逸れた場合であっても、衝突後の遊技球の挙動を大きく変化させることができる。これにより、突出部に到達する前の遊技球の動きから入球の可否を推測することが困難となり、遊技球の動きに対する注目度の向上に寄与できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記突出部の上面(上面311)は遊技機正面視にて上方に凸となる円弧状をなしており、その頂部に前記案内部が形成され、当該案内部に横並びとなるようにして前記非案内部が形成されていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴B4.前記突出部の上面には、前記案内部と、当該案内部の右側に位置し前記突出部に到達した遊技球を前記入球口の右側へ跳ね返す右側返し部と、当該案内部の左側に位置し前記突出部に到達した遊技球を前記入球口の左側へ跳ね返す左返し部とが設けられており、前記突出部の左右を遊技球が通過可能となっていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、案内部から左右に外れた部分に当たった遊技球は返し部にて跳ね返って入球口の側方へ向かう。このような入球口に入らない遊技球についても上方への動きを伴う構成とすれば、遊技球の動きに対する注目度の向上に寄与できる。
また、入球口に対して左右にずれた位置へ跳ね返った遊技球については、突出部の左右を通って上記入球手段から離脱する。このように入球口の前方を入球が不可となった遊技球の通過領域として利用すれば、入球手段の占有領域の拡がりを好適に抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記突出部の上面には、前記非案内部として、前記案内部の右側に位置し遊技球を右側へ跳ね返す右側返し部と、前記案内部の左側に位置し遊技球を左側へ跳ね返す左返し部とが設けられており、前記突出部の左右を遊技球が通過可能となっていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴B5.前記案内部は、当該案内部の横幅が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
案内部の横幅を遊技球の直径寸法よりも小さくすることにより、僅かな流路の差によってその後の挙動を大きく変化させるという上記特徴B2等に示した効果を好適に発揮させつつ、案内部の小型化を促進できる。
特徴B6.前記入球部は、前記入球口の横幅が前記規定部を通過する流路の横幅よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする特徴B3乃至特徴B5のいずれか1つに記載の遊技機。
入球口の横幅を大きくすれば、左右斜め後方に跳ねた遊技球についても入球口へ入球する機会を与えることができる。これは、入球口へ向けた入球の動きの単調化を抑制し、遊技球の動きに対する注目後を向上させる上で有利である。ここで、入球口の大きさを規定部の横幅よりも大きくしたとしても、入球口は遊技機前方に開放されており、規定部を通過した遊技球はその前方を通過する構成であるため、規定部→突出部を経由しない遊技球の入球は実質的に困難又は不可となる。故に、外観上は入球が容易であると印象付けつつも、入球確率が過度に高くなることを抑制できる。
特徴B7.前記案内部は、前記遊技盤の前面からの距離に応じて前記入球部への入球確率に差が生じるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
遊技盤を正面から見ている状態では、上下左右(遊技盤の前面と平行な方向)と比べて前後(遊技盤の厚さ方向)における遊技球の位置を目視で特定することは困難となる。つまり、遊技球の前後位置の僅かな違いを目視で特定することは困難である。そこで、遊技盤の前面からの距離によって入球確率が異なる構成とすることにより、僅かな前後位置の違いから入球の可否を事前に予測することを難しくし、入球口へ向けた遊技球の動きに対する注目度の向上に寄与できる。
特徴B8.前記案内部は、前記突出部における先端側に設けられた第1傾斜部(第1傾斜部321E)と、前記突出部における基端側に設けられた第2傾斜部(第2傾斜部322E)とを有してなり、
前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とは傾斜角度が異なっていることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8に示すように、案内部が傾斜角度の異なる第1傾斜部及び第2傾斜部を有する構成とすることにより、第1傾斜部に衝突した遊技球と、第2傾斜部に衝突した遊技球とで入球口に向かう確率に差を生じさせることができる。
特徴B9.前記規定部と前記突出部との間には、当該規定部を通過して前記第1傾斜部に到達した遊技球が、前記第2傾斜部を飛び越えて前記入球口に向かうことが可能となる加速区間が確保されていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
第1傾斜部に衝突した遊技球に第2傾斜部の影響が及ぶことを抑制できる。これにより、第1傾斜部に衝突した遊技球の挙動と第2傾斜部に衝突した遊技球の挙動とを差別化できる。
特徴B10.前記案内部は、当該案内部の横幅が前記遊技盤の前面からの距離に応じて異なるように形成されていることを特徴とする特徴B7乃至特徴B9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B10に示すように案内部の横幅(受け幅)を遊技盤の前面からの距離によって異なる構成とすれば、受け幅の大きい部分に衝突した遊技球と受け幅の小さい部分に衝突した遊技球とで入球口に向かう確率に差を生じさせることができる。
特徴B11.前記規定部には、第1流路と当該第1流路よりも手前側の第2流路とが前後に並設されていることを特徴とする特徴B7乃至特徴B10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示すように、規定部にて流路を前後に分けることで案内部到達時の挙動に明確な違いを生じさせることができる。
特徴B12.前記第1流路と前記第2流路とが一部重複していることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
見分けが容易となってはその後の挙動を事前に予測可能となってしまい、遊技球の動きの意外性が低下する。この点、本特徴に示すように第1流路及び第2流路を一部重複させる構成とすれば、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴B13.前記遊技盤の背面側に設けられ、前記入球部に入球した遊技球を検知する検知手段(検知センサ407)を備え、
前記特典付与手段は、前記検知手段による検知結果に基づいて前記特典を付与する構成となっていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B12のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、遊技者が入球口へ遊技球が入ったことを目視で確認してから特典が付与されるまでの期間を短くすることができる。このようにして応答性の向上を図ることには、例えば遊技進行の円滑化を実現する上で好ましい。
なお、上記特徴A群に示した各技術的思想を特徴B1〜特徴B13に適用することも可能である。
<特徴C群>
以下の特徴C群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技に関する公平性の向上を図る上で、遊技盤に係る構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)とを備えている遊技機であって、
前記遊技盤の前面から突出して設けられ、前記遊技領域における遊技球の誘導路(球通路390)を形成する突出部(例えば突出部375〜377や周壁部365)を備え、
前記突出部は、前記誘導路にて狙うべき所定の位置(ターゲット)を教示する教示手段としての機能を有していることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技盤の前面から突出する突出部によって遊技球の誘導路が形成されている。誘導路においてどの位置を狙うべきかが突出部にて教示されるため、誘導路を見た遊技者はその教示内容から狙うべき箇所を容易に把握することができる。また、誘導通路を形成する既存の突出部に教示機能を付与することにより、遊技者間の公平性の向上を図る上で遊技盤に係る構成が過度に複雑になることを抑制できる。
特徴C2.前記突出部へ光を供給する発光部(発光体395F)を備え、
前記突出部の前面部には、前記発光部からの光を遊技機前方へ放出する光放出部(光放出部383F)が形成されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、膨出部の前面部を発光させることにより、所定の位置を教示できる。ここで、仮に光放出部に遊技球が当たることで当該光放出部に摩耗等の変形が生じると、発光による教示機能が上手く発揮されなくなることが懸念される。この点、本特徴に示すように突出部の前面部に光放出部を形成して遊技球との接触を回避することにより、そのような不都合の発生を抑制できる。
特徴C3.前記突出部は中空状をなしており、遊技機前方へ起立し前記誘導路の通路壁面を構成する壁部(起立壁部381F)を有し、
前記壁部は、前記発光部からの光を導く導光路として機能していることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
本特徴に示すように通路壁面を構成する壁部を導光路として利用する構成とすれば、発光部の配置自由度の向上に寄与できる。これは、発光部を遊技者の視界から外れる位置に配置して遊技機の見栄えの低下を抑制する上で好ましい。
特徴C4.前記遊技盤は、透明性を有し、当該遊技盤の背後を視認可能となっており、
前記発光部は、前記遊技盤の背後であって、遊技機正面視にて前記遊技領域との重なりが回避される位置に配設されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
遊技盤を通じてその背後を視認可能とすれば、遊技盤の背面側に各種装飾を配設して遊技領域を通じて視認可能となる部分の見栄えを飛躍的に向上できる。但し、このような構成において上記教示用の発光部が目につくことは見栄えの向上の妨げになる。この点、発光部を遊技領域外に配設して、発光部からの光を突出部を構成する上記壁部を利用して前面部に届ける構成とすることにより、そのような不都合の発生を好適に抑制できる。
特徴C5.前記教示手段は、前記所定の位置を教示するマーカ(マーカM)であり、
前記遊技盤側には、前記マーカの一部を構成する絵柄(絵柄P)が設けられており、
前記突出部は、前記絵柄とともに前記マーカを構成していることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
誘導路を形成している突出部については、遊技球の保護や遊技機の耐久性確保等の観点からその形状に制約が生じる。そこで、遊技盤側に設けられた絵柄とともに教示手段としてのマーカを構成すれば、突出部の形状を簡素化しつつ教示機能を好適に担保できる。
特徴C6.前記絵柄は前記遊技盤の前面側に配設されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
本特徴に示すように絵柄を遊技盤の前面側に配設することにより、張出部と絵柄との前後位置のずれを小さくすることができる。これにより、マーカを斜め前方から見た場合であっても、上記ずれの影響でマーカが何を意味しているかが分かりづらくなることを抑制できる。
特徴C7.前記突出部として、前記遊技盤の中央に形成された中央開口(中央開口93)に沿って形成された第1突出部(周壁部365)と、前記第1突出部に対して前記中央開口とは反対側から対峙する第2突出部(突出部375〜377)とを有し、それら第1突出部及び第2突出部によって前記誘導路が形成されており、
前記第1突出部が形成された第1突出部形成部材(第1構成体351F)と、前記第2突出部が形成された第2突出部形成部材(第2構成体352F)とが分離可能ととなるようにして組み合われていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C6のいずれか1つに記載の遊技機。
第1突出部及び第2突出部の組わせによって誘導路を形成している場合には、一方の突出部を変更することにより、遊技機の仕様等に応じて誘導路を様々に変化させることができる。ここで、本特徴に示すように、第1突出部形成部材と第2突出部形成部材とを分離可能とすれば、複数の機種間にて遊技盤を構成する遊技部品の共用化を促進できる。
また、突出部(誘導路)における所定の位置を遊技球の狙い先として教示する場合には、その位置に遊技球が繰り返し衝突する。このため、遊技球が直接衝突する部分と、それ以外の部分とで劣化速度に差が生じる。この点、本特徴に示すように、第1突出部形成部材と遊技領域外側の第2突出部形成部材とを別体とすれば、上記劣化によって部品等の交換が必要になった場合であっても、第2突出部形成部材を交換することで、長期稼働にも好適に対応できる。
特徴C8.前記第1突出部形成部材は前記遊技盤に固定されており、
前記第2突出部形成部材は前記第1突出部形成部材に固定されていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
本特徴に示す固定構造とすれば、第2突出部形成部材の交換時に第1突出部形成部材を遊技盤から取り外す必要がなくなり、交換作業の容易化に寄与できる。
特徴C9.前記第1突出部形成部材と前記第2突出部形成部材とを固定する固定具(固定具356)を備え、
前記第1突出部形成部材及び前記第2突出部形成部材にて前記固定具が取り付けられる取付箇所は、少なくともその一部が遊技機正面視にて前記第2突出部と重なっていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
第2突出部に遊技球が衝突し得る構成においては、両部材の固定箇所と第2突出部とを近づけることにより、衝突時の遊技球の挙動のばらつきを軽減できる。また、第2突出部を利用して固定具の取付ストロークを稼ぐことができるため、固定具による両部材の固定強度を向上させることができる。
なお、重なり対象となる部分は突出部において上記所定の位置とは異なる部分とすることが好ましい。
なお、上記特徴A群及び特徴B群に示した各技術的思想を特徴C1〜特徴C9に適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103等)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、80…遊技盤ユニット、80a…遊技盤、82…始動入球部としての上作動入球部、83…始動入球部としての下作動入球部、84…可変入球部としての可変入賞装置、84a…大入賞口、84b…シャッタ、86…所定入球部としての作動ゲート、87…特別入球部、97…センターフレーム、110…遊技球発射手段としての遊技球発射機構、128…回収通路、162…主制御装置、224…特典付与手段を構成する払出装置、242…特典付与手段を構成する払出制御装置、300…下流側通路、301…第1通路部、302…第2通路部、310…突出部としての突起、315…案内部、316…非案内部、351…第1構成体、352…第2構成体、355…固定具、356…固定具、361…第1ベース部、363…挿入部、364…開口フランジ、365…周壁部、371…第2ベース部、373…ボス、375〜376…突出部、381…起立壁部、382…前面部、383…光放出部、390…球通路、391〜393…通路部、395…発光体、401〜407…検知センサ、LP…発光部位、PE…遊技領域。

Claims (4)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者の操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えている遊技機であって、
    前記遊技盤の前面から突出して設けられ、前記遊技領域における遊技球の誘導路を形成する突出部を備え、
    前記突出部は、前記誘導路にて狙うべき所定の位置を教示する教示手段としての機能を有していることを特徴とする遊技機。
  2. 前記突出部へ光を供給する発光部を備え、
    前記突出部の前面部には、前記発光部からの光を遊技機前方へ放出する光放出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記突出部は中空状をなしており、遊技機前方へ起立し前記誘導路の通路壁面を構成する壁部を有し、
    前記壁部は、前記発光部からの光を導く導光路として機能していることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記遊技盤は、透明性を有し、当該遊技盤の背後を視認可能となっており、
    前記発光部は、前記遊技盤の背後であって、遊技機正面視にて前記遊技領域との重なりが回避される位置に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
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