JP2019002750A - 光電子分光装置用試料ホルダ - Google Patents

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【課題】簡易な装置構成の下、試料表面の汚染を抑制して試料に発生したチャージアップを除去する。【解決手段】励起光1を絶縁性の試料2に照射し試料2から発生した光電子15のエネルギーを分析する光電子分光装置に配置された試料2を保持する試料ホルダである。金属部に複数の開口部が形成された金属メッシュ12を有し、金属メッシュ12は、金属部に当たって発生した光電子の一部を用いて試料2の表面に発生したチャージアップ16を除去するように試料2から所定距離だけ離して配置されている。【選択図】図1(A)

Description

本発明は、光電子分光装置用試料ホルダに関する。
光電子分光法は、電磁場が固体表面に照射される際、光電効果により発生する光電子のエネルギースペクトルを測定する方法で、表面を構成する元素とその化学状態、原子数比などを得る分析方法である。
励起光としては、軟X線、放射光、真空紫外光、レーザー光などがあり、X線領域の励起光を用いた装置をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)と呼んでいる。また、光電子の平均自由工程を長くするため、試料は真空中に保持される。試料表面から光電子が出るということは、試料表面がプラスに帯電することを意味する。
このプラス電荷は、試料が金属などの導電性の材料の場合、試料ホルダを通して装置のアースに流れる。しかし、試料がセラミックスや有機物のような絶縁体の場合、プラス電荷が試料表面に溜まりチャージアップが発生する。
チャージアップが発生すると、光電子が試料表面から脱出するのに必要なエネルギーが試料表面に溜まったプラス電荷量により変化する。このため、ピークシフトが発生し、最終的に脱出に十分なエネルギーを得られなくなり、光電子は測定できなくなる。
このようなチャージアップを除去する方法として、特許文献1には、電子銃からの電子を使用して試料表面に溜まったプラス電荷を補償する方法が記載されている。具体的には、導電性メッシュを試料上に接触させて配置し、励起光照射領域に電子銃を用いて低加速電子を照射する。
特開2001−27623号公報
しかし、特許文献1では、試料表面に溜まったチャージアップを除去するのに、電子銃を使用しているので装置構成が複雑化する。
さらに、特許文献1では、試料と導電性メッシュが接触しているため、試料表面がメッシュ金属により汚染されてしまう。
本発明の目的は、光電子分光装置用試料ホルダにおいて、簡易な装置構成の下、試料表面の汚染を抑制して試料に発生したチャージアップを除去することにある。
本発明の一態様の光電子分光装置用試料ホルダは、励起光を絶縁性の試料に照射し前記試料から発生した光電子のエネルギーを分析する光電子分光装置に配置された前記試料を保持する試料ホルダであって、金属部に複数の開口部が形成された金属メッシュを有し、前記金属メッシュは、前記金属部に当たって発生した光電子の一部を用いて前記試料の表面に発生したチャージアップを除去するように、前記試料から所定距離だけ離して配置されていることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、光電子分光装置用試料ホルダにおいて、簡易な装置構成の下、試料表面の汚染を抑制して試料に発生したチャージアップを除去することができる。
実施例1の光電子分光装置用試料ホルダの模式図である。 実施例1の光電子分光装置用試料ホルダの断面図である。 実施例1の光電子分光装置用試料ホルダの模式図である。 実施例1の光電子分光装置用試料ホルダの模式図である。 実施例1で測定された光電子スペクトルを示す図である。 実施例2の試料押えの模式図である。 実施例2の光電子分光装置用試料ホルダの模式図である。 X線光電子分光装置の模式図である。
光電子分光法、特にXPSにおいて、セラミックスや有機物のような絶縁性試料からの光電子を測定する際に発生するチャージアップを抑制することは重要である。
試料表面に導電性メッシュを接触させ配置し、励起光照射領域に電子銃を用いて低加速電子を照射する方法は、試料と導電性メッシュが接触しているため、試料表面がメッシュ金属により汚染される。
また、試料と導電性メッシュが接触しているため、導電性メッシュや試料表面をクリーニングすることができない。一般的に絶縁試料の表面クリーニングには、アルゴンイオン照射によるスパッタクリーニングが用いられる。試料表面に近傍に金属メッシュを配置した試料をスパッタクリーニングした場合、試料表面と同時にメッシュ表面もスパッタされる。このとき、スパッタされたメッシュ金属が試料表面に付着するリデポが発生し、メッシュ金属による試料表面の汚染が発生する。
また、導電性メッシュのクリーニングにはスパッタクリーニング以外に、通電加熱クリーニングが用いられる。しかし、金属メッシュを高温にするため、高温になった金属メッシュから試料表面に金属原子が熱拡散してしまう。また、試料表面へメッシュ金属が蒸着し、熱伝導により試料表面が変質してしまう。
さらに、電子銃を利用する帯電中和法は、低加速でも電子を照射すると化学状態が変化することが知られており、フッ素系樹脂等を帯電対策した状態で安定的に測定することができない。
そこで、実施例の光電子分光装置用試料ホルダでは、電子銃を使用しないで試料表面の汚染を抑制しつつ、試料に発生したチャージアップを除去する。
実施例では、試料の前に金属メッシュ(微細な編み目状に穴の開いた板)を試料と接触しない形で、かつできるだけ接近させて配置する。そして、金属メッシュの開口部中心の直下に位置する試料表面と金属メッシュのとの間の最短距離を200ミクロン以下とする。
また、試料と金属メッシュの接触を避けるため、金属メッシュと試料が最も接近している場所でも30ミクロン以上離れている。金属メッシュの材質は、Cu, Au, Pt, Mo, W, Ta, Ni等が好ましい。これは、運動エネルギーの小さい光電子やオージェ電子が得られないと、開口部端の金属メッシュから開口部中心のチャージアップした試料表面まで光電子が供給できなくなるためである。
また、実施例では、金属メッシュを保持している試料押え板部と試料を保持している試料ホルダ部の間を絶縁された蝶番で繋ぐ。これにより、真空中で試料押え板部を試料から外し、金属メッシュを通電加熱またはスパッタ法でクリーニングすることができる。この状態は試料上から金属メッシュが外れているため、試料表面をスパッタクリーニングすることも可能である。試料ホルダ部と試料押え板部は蝶番を介してつながっているため、容易に試料押え板部を試料上に置いてきねじ止めすることで、試料表面近傍に金属メッシュを配置することが可能である。
実施例では、絶縁性の試料を電子銃により電子線照射することなく、チャージアップの対策された状態で光電子分光スペクトルが取得可能となる。また、絶縁性の試料の表面及び金属メッシュをそれぞれ汚染することなく真空中で清浄化し、チャージアップの対策された状態で光電子分光スペクトルが取得可能となる。
以下、図面を参照して、実施例1について詳細に説明する。
まず、図7を参照して、X線光電子分光装置の概略構成について説明する。
励起光源(図示せず)で発生したX線を分光器で単色化し、励起光1として試料2に照射する。励起光1より結合エネルギーを超えた運動エネルギーを得た電子は、光電子3として試料2の表面から真空中に飛び出し、光電子スペクトル検出器4に捕集される。捕集された光電子3は光電子スペクトル検出器4および制御装置5によりエネルギー分別され、光電子スペクトルを出力装置6に表示する。
このとき、光電子3の捕集効率を最適化するため、試料駆動装置7を用いて、試料2の表面と励起光1、光電子スペクトル検出器4の焦点位置を一致させる。光電子3の平均自由行程を長くするため、測定室8は高真空排気装置9により高真空に維持されている。
実施例1の光電子分光装置用試料ホルダは、試料駆動装置7の延長部分と、試料2を保持する試料ホルダ部10を有する。
図1(A)を参照して、実施例1の光電子分光装置用試料ホルダの構成について説明する。
試料2は、試料ホルダ部10と試料押え部11に挟まれる形で固定されている。具体的には、試料2は、試料押え部11の上に金属メッシュ12を乗せ、金属メッシュ12を固定するためのメッシュ押え部13を介してネジ14で試料ホルダ10に固定されている。励起光1の照射を受けた試料2の表面は光電子15を放出してチャージアップ16する。試料ホルダ部10としては、例えば、銅製の試料ホルダ10を使用するのが好ましい。
図示してないが、試料2の表面で発生した光電子15の一部は、金属メッシュ12に当たる。また、励起光1の照射を受けた金属メッシュ12も光電子を放出する。金属メッシュ12から放出された光電子は、真空中に飛び出す光電子17と、試料2の表面に向かう光電子18の2種類に分けられる。試料2の表面で発生した光電子15と金属メッシュ12から発生した光電子17は、図7に示すように、光電子3となって光電子スペクトル検出器4に捕集される。
光電子18は、発生時の飛翔方向が試料方向である光電子と、チャージアップ16のクーロン力に引き寄せられる低エネルギーの光電子が含まれている。光電子18が、試料2の表面のチャージアップ16のプラス電荷を補償し、チャージアップ16を抑制あるいは除去する。
ここで、図1(B)に示すように、金属メッシュ12は、金属部に複数の開口部が形成されて構成される。図1(B)に示すように、金属メッシュ12は、金属部に当たって発生した光電子の一部を用いて試料2の表面に発生したチャージアップ16を除去する。
また、図1(B)に示すように、金属メッシュ12は、開口部を通過して試料2に照射された励起光1が試料2から光電子15を発生させる共に、試料2の表面にプラス電荷が蓄積されてチャージアップ16が発生するように配置されている。
図1(B)に示すように、金属メッシュ12は金属薄板等で構成され、金属メッシュ12の開口部は、円形又は矩形の穴で構成されている。ここで、金属メッシュ12の金属部のことをバーと呼び、金属メッシュ12に形成された開口部のことをホールと呼ぶ。例えば、金属メッシュ12が100メッシュ(200ミクロンホール、50ミクロンバー)の場合には、ホールの直径(円形の場合)又は矩形の短辺(矩形の場合)が200ミクロンであり、ホール間のバーの長さが50ミクロンであることを意味する。
次に、図2(a)〜(c)を参照して、実施例1の光電子分光装置用試料ホルダの具体的な構成について説明する。ここで、図2(a)〜(c)の右部分は試料押え部11とメッシュ押え部13の破線部分での断面図である。
試料ホルダ部10は、ホルダネジ19を介して試料駆動装置7(図7参照)と繋がっており、電気的にもアースされている。図2(c)に示すように、試料ホルダ部10の上に試料2を置く。次に、図2(b)に示すように、試料押え部11を試料2上に配置する。試料押え部11は、例えば、Ta製の試料押え部11を使用するのが好ましい。
図2(b)に示すように、試料押え部11には、金属メッシュ12を置くための座栗200と、励起光1及び光電子15が通過するための穴210が空いている。金属メッシュ12として、例えば、Cu製50メッシュ(450ミクロンホール、50ミクロンバー)、Mo製100メッシュ(200ミクロンホール、50ミクロンバー)、Au製400メッシュ(30ミクロンバー、33ミクロンホール)、Cu製1000メッシュ(12ミクロンホール、13ミクロンバー)、Cu製2000メッシュ(6ミクロンホール、6.7ミクロンバー)が用いられる。
金属メッシュ12と試料2の表面との間の距離は、試料押え部11の板厚及び金属メッシュ12を置くための座繰200の深さで調整し、30ミクロンから200ミクロンの範囲である。
試料2の上に試料押え部11を置き、その上に金属メッシュ12を置く。さらに、メッシュ押え部13を置き、ネジ穴20に、ネジ14を通して試料ホルダ10に共締め固定する。ネジ14は、例えば、SUS製ネジを使用するのが好ましい。
図2(a)に示すように、メッシュ押え部13には試料押え部11と同じ位置に、励起光1及び光電子15が通過するための穴220が空いている。試料押え11部の穴210とメッシュ押え部13の穴220は、同じ位置に同じ大きさで空けてある。試料押え部11の座繰200は穴210の周囲に金属メッシュ12が入るように掘ってある。金属メッシュ12は、例えば、3mmφである。
試料2は、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、セラッミクス等の絶縁材料を含んで形成されている。励起光2の試料位置での大きさは、例えば、0.5mmx1mmである。
金属メッシュ12として、Cu製2000メッシュ(6ミクロンホール、6.7ミクロンバー)を用いた場合は、金属メッシュ12と試料2の表面の距離が離れるに従って、S/Nが低下する。これは、金属メッシュ12で発生した光電子18が試料2の表面のチャージアップ16と電荷交換する帯電補償は良好であるが、開口比が大きくなり、メッシュ開口部から光電子スペクトル検出器4まで飛翔できる光電子15の数が少なくなるためと考えられる(図3(a)、(b)参照)。
また、金属メッシュ12として、Cu製50メッシュ(450ミクロンホール、50ミクロンバー)を用いた場合、試料2の表面に金属メッシュ12を直接置いた状態では、チャージアップが補償されるが、30ミクロン離した条件では、光源を放射光として高輝度励起光を長時間照射するとピーク形状が変化するこのため、十分な帯電補償ができていないことが分かった(図3(c)、(d)参照)。
Cu製50メッシュの開口部の試料中心と金属メッシュ端の距離は、金属メッシュ12と試料2の表面の間が30ミクロンの場合、275ミクロンである(図3(c)参照)。また、Cu製50メッシュの開口部の試料中心と金属メッシュ端の距離は、金属メッシュ12と試料2の表面が接触している場合、225ミクロンである(図3(d)参照)。このことを考慮すると、開口部の試料中心と金属メッシュ端の距離は、225ミクロン以内であればチャージアップを補償できると考えられる(図3(c)、図3(d))。
金属メッシュ12を100メッシュ(200ミクロンホール、50ミクロンバー)に交換するとこのような傾向は見られなくなった(図3(e)、図3(f)参照)。ここで、開口部の試料中心と金属メッシュ端の距離は、100メッシュでは104〜224ミクロン、400メッシュでは34〜200.6ミクロン、2000メッシュでは30.2〜200.1ミクロンである。
この範囲ではチャージアップ16を補償することができる。メッシュ開口部の大きさは、200ミクロン(100メッシュ)以内にあり、試料2と金属メッシュ12の間の距離が200ミクロン以内であれば、帯電を補償できるといえる。試料2からの光電子15をできるだけ取り込みS/Nを向上させるためにも、試料2と金属メッシュ12の間はできるだけ接近させた方が良い。
しかし、樹脂材料等は柔らかい上に成型時の表面凹凸などもあるため、光電子分光装置用試料ホルダとしては、試料2と金属メッシュ12との間の距離は、30ミクロン程度離れるように製作した方が、試料2と金属メッシュ12の接触することを避けやすい。
また、メッシュ開口部の大きさは、100メッシュのホールが200ミクロン以内であれば帯電補償できることから、200ミクロン角の開口部に内接する直径200ミクロンの円形ホール等でも同様の効果が得られると考えられる。
実施例1を用いて測定したC−1sの光電子スペクトルを図4に示す。図4(a)は、試料押え部11の厚み200ミクロン、座繰り200の深さ10ミクロン、Au400メッシュを用いてPET樹脂のC−1sを測定した結果である。図4(b)は、試料押え11の厚み100ミクロン、座繰り200の深さ10ミクロン、Cu2000メッシュを用いてPET樹脂のC−1sを測定した結果である。
実施例1では、帯電中和用に、金属メッシュ12で発生した低エネルギーの光電子を利用しているため、電子銃やイオン銃を用いた帯電中和法と異なり、試料2へのダメージが少ない。フッ素系樹脂の代表であるテフロン樹脂は、電子線照射により構造が変化することが知られている。しかし、実施例1を用いることで、電子線照射によるダメージが無い状態で光電子スペクトルを測定することが可能となる。
実施例2では、金属メッシュ12および試料2の表面のクリーニングを可能にする。
図5を参照して、実施例2における試料押え11部及びメッシュ押え部13について説明する。試料押え11部は、例えば、0.2mm厚のTaからメッシュ押え部13用のアリ溝500を掘り、金属メッシュ12用の座繰り510と励起光1及び光電子15が通過するための穴520を空けてある。この上に金属メッシュ12(例えば、Cu2000メッシュ)を配置する。
金属メッシュ12を固定するためのメッシュ押え部13にも励起光1及び光電子15が通過するための穴530が空いている。また、メッシュ押え部13の側面はアリ溝500と同じ幅、同じ角度で端部にテーパーが付けてあり、金属メッシュ12は、アリ溝500により試料押え部11とメッシュ押え部13で挟むように固定される。
図5の右図は、破線部分の断面図を座栗510、金属メッシュ12、アリ溝500の関係が分かるように示してある。ネジ14は、試料押え部11から外れないように脱落防止ネジとなっている。また、試料押え部11には、試料ホルダ部10とつなぐための蝶番の軸管21が付いている。
図6に、試料ホルダ部10と蝶番を介して接続した試料押え部11を示す。試料ホルダ部10には、試料ホルダ部10と試料押え部11をつなぐ蝶番の軸管22が付いている。試料ホルダ部10は、例えば、銅製である。試料押え部11は、例えば、Ta製である。このまま蝶番を繋ぐと、蝶番を介して導通が取れるため、蝶番の軸管21と蝶番の軸管22の間に絶縁材料のスペーサ―23と絶縁材料の軸棒(ピン)24を通す。これにより、蝶番として自由度と試料ホルダ部10と試料押え部11の間の絶縁を確保してある。
絶縁材料のスペーサ―23と絶縁材料の軸棒(ピン)24の材質として、例えば、はアルミナを用いる。試料クリーニング、メッシュクリーニング用の試料ホルダ受け(図示せず)には、電極が付いており、蝶番の軸管21を通して試料押え部11に通電し、金属メッシュ12を通電加熱クリーニングすることができる。
また、図6(a)の状態では、試料2上には金属メッシュ12が無いため、試料2の表面を低速アルゴンイオンによりスパッタクリーニングすることも可能である。金属メッシュ12と試料2の表面をクリーニングした後、試料ホルダ部10を180°回転させ、蝶番を上にすると、図6(b)に示すように、試料押え部11が試料2上に被さる。真空中でSUS製のネジ14をネジ穴20に合わせて締めることで、大気に曝すこと無く、クリーニングした試料2上にクリーニングした金属メッシュ12を配置した図1に示した構造が実現できる。
図6(b)に示した状態では、金属メッシュ12、試料押え部11、試料ホルダ部10はネジ14を通して電気的に繋がっている。この試料ホルダ部10を測定室8に移動し、試料駆動装置7に取り付け、X線光電子分光測定を実施する(図7参照)。例えば、入射光としてアンジュレータ放射光源を用い、分光器のグレーチングにより1400eVの軟X線を取り出し励起光1とする。
試料位置での励起光サイズは、例えば、1mmx1mmであり、励起光1と光電子スペクトル検出器4の検出角は、例えば、54.7°とする。そして、試料2と励起光1、試料2と光電子スペクトル検出器4の角度が62.65°となるように配置する。
測定室8は、放射光源と真空でつながるため、高真空排気装置9を用いて、例えば、10−6Paの真空度とする。得られたC−1sスペクトルを図4(b)に示す。一方、金属メッシュ12を配置しなかったもう一方の穴から励起光1を試料2に照射したところチャージアップが発生してしまい、試料2からの光電子3は光電子スペクトル検出器4では検出できなかった。
実施例2を用いれば、放射光のような高輝度X線源を励起光1としても、絶縁材料の試料2のチャージアップを補償し、光電子スペクトルを容易に計測できる。また、真空中で金属メッシュ12を保持する試料押え部11を外し、試料2及び金属メッシュ12をクリーニングして再度取り付ける。これにより、コンタミなく絶縁材料の試料2のチャージアップを補償して光電子スペクトルを計測できる。
1 励起光
2 試料
3 光電子
4 光電子スペクトル検出器
5 制御装置
6 出力装置
7 試料駆動装置
8 測定室
9 高真空排気装置
10 試料ホルダ部
11 試料押え部
12 金属メッシュ
13 メッシュ押え部
14 ネジ
15 光電子
16 チャージアップ
17 光電子
18 光電子
19 ホルダネジ
20 ネジ穴
21 蝶番の軸管
22 蝶番の軸管
23 スペーサ
24 軸棒

Claims (11)

  1. 励起光を絶縁性の試料に照射し前記試料から発生した光電子のエネルギーを分析する光電子分光装置に配置された前記試料を保持する試料ホルダであって、
    金属部に複数の開口部が形成された金属メッシュを有し、
    前記金属メッシュは、前記金属部に当たって発生した光電子の一部を用いて前記試料の表面に発生したチャージアップを除去するように、前記試料から所定距離だけ離して配置されていることを特徴とする光電子分光装置用試料ホルダ。
  2. 前記金属メッシュは、
    前記開口部を通過して前記試料に照射された前記励起光が前記試料から光電子を発生させる共に、前記試料の表面にプラス電荷が蓄積されて前記チャージアップが発生するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  3. 前記所定距離は、30ミクロンから200ミクロンの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  4. 前記金属メッシュは、金属薄板で構成され、
    前記金属メッシュの前記開口部は、円形又は矩形の穴で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  5. 前記金属メッシュは、 前記開口部の前記円形の直径又は前記矩形の短辺が6ミクロンから200ミクロンの範囲にあり、前記励起光の照射領域が、前記開口部より大きくなるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  6. 前記金属メッシュが搭載された試料押え部と、
    前記試料が搭載された試料ホルダ部と、
    前記試料押え部を前記試料ホルダ部に固定するためのメッシュ押え部と、を
    更に有することを特徴とする請求項1に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  7. 前記試料押え部は、
    前記金属メッシュを固定するための座栗が設けられており、
    前記試料押え部の板厚及び前記座繰の深さを調整することにより、前記金属メッシュを前記試料から前記所定距離だけ離して配置することを特徴とする請求項6に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  8. 前記試料押え部と前記試料ホルダ部の1辺が絶縁材料を介して繋がっており、前記試料押え部と前記試料ホルダ部の他辺はネジを用いて固定されていることを特徴とする請求項6に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  9. 前記試料押え部と前記試料ホルダ部は、前記絶縁材料で構成した蝶番を介して開閉自在に繋がっており、
    前記ネジを調整することにより、前記金属メッシュを前記試料から前記所定距離だけ離して配置することを特徴とする請求項8に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  10. 前記蝶番を介して前記試料押え部に通電し、前記金属メッシュを通電加熱クリーニングするように構成したことを特徴とする請求項9に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
  11. 前記絶縁性の試料は、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリイミド樹脂、テフロン樹脂又はセラッミクスから選ばれる少なくとも1つの絶縁材料を含んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光電子分光装置用試料ホルダ。
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JP6667741B1 (ja) * 2019-06-11 2020-03-18 三菱電機株式会社 試料ホルダー及びx線光電子分光装置
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