JP2019002579A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
Description
ホテルやレストランの厨房で使用されている業務用のオーブンやグリルとしての加熱調理器の場合、加熱時に大型の加熱庫に対流させる熱気の量が多くなり、その結果、加熱庫内が高温になるだけでなく、加熱庫の前方開放部に開閉自在に取り付けられている扉にもかなりの熱が伝搬する。扉の温度が高温となると、作業者が高温の扉に不用意に触れたとき不快感を感じる上に、扉からの熱で厨房全体が暑くなり、作業環境の悪化を招く不都合があった。
食材等の被加熱物が収納されて加熱される加熱庫と、
前記加熱庫の前方開放部を開閉可能な扉と、
前記加熱庫の後方域に排気流路を介して連通し、加熱庫内の空気を外部へ排気する排気口とを備え、
前記加熱庫の上方に、後方開放部が前記排気流路に連通又は近接する空気流路が配設され、
前記扉は、前後に位置する第1、第2扉板の間に第1冷却空間が設けられ、
前記第1冷却空間は、上流端に外部に連通する第1空気流入口を有し、且つ、下流端に前記空気流路に連通する第1空気流出口を有する加熱調理器である。
加熱庫に収納させた被加熱物を熱気により加熱すると、被加熱物から発生する油煙や臭気は熱気と共に排気流路を介して、加熱庫の後方の排気口から外部へ排出される。加熱庫の上方には空気流路が設けられており、この空気流路は、扉を構成する第1、第2扉板間の第1冷却空間に連通すると共に、後方開放部は排気流路に連通又は近接する構成としたから、加熱庫から排気流路を介して排気口へ流れる熱気のドラフト効果により、空気流路にも後方開放部に向かう空気の流れが生じ、これに伴い、第1、第2扉板間の第1冷却空間の上流端の第1空気流入口から、外部の冷却空気が第1冷却空間内に引き込まれ、当該第1冷却空間を通って、第1空気流出口から空気流路へ流れて行く。
このように、加熱庫内の熱気が排気口から排出される際のドラフト効果により、扉を構成している第1、第2扉板間の第1冷却空間に外部の冷却空気が流れるが、第1冷却空間に第1空気流出口を介して連通する空気流路は、加熱庫の上方に別個に設ける構成としたから、冷却空気は加熱庫内に入り込むことなく、空気流路の後方開放部から外部へ排出されて行く。よって、冷却空気で加熱庫内の温度を下げることなく、扉の温度を低減させることが出来る。
前記操作室の後方には、操作室内の空気を排出させる空気排出口が、前記空気流路の後方開放部に近接して設けられ、
前記操作室内又は前記加熱庫の後方域の少なくとも一方に、排気口に空気を送る送風ファンが設けられている。
加熱庫での加熱調理が終了した後も、送風ファンを継続して駆動させることにより、前記操作室及び/又は前記加熱庫内に空気が流れ続けることとなり、第1冷却空間内にも外部の冷却空気が流れ続けることとなる。これにより、加熱調理終了後の扉の温度を短時間で冷却することが可能となり、安全性がさらに向上する。
前記第2冷却空間の上流端は、前記第1冷却空間の第1空気流入口と共に扉の下方に開放する第2空気流入口とすると共に、下流端は、第2扉板の上端近傍に設けられた第2空気流出口を介して前記第1空気流出口に連通するように設定されていることである。
長期使用に伴って、冷却空間内やその上流端に油分等の汚れが付着するが、第1扉板を取り外すことにより、各扉板や上流側開放部の清掃が容易となる。特に、各扉板がガラス製の場合に、第1扉板を取り外して清掃することで、汚れによるガラス板の透明度の低下を防止することが出来るから、加熱時における加熱庫内を確実に視認することが出来る。
このように、加熱庫内の温度を低下させることがないから、加熱庫内の温度を上昇させるための加熱を別途行う必要がない。また、扉の温度を低減させることが出来るから、作業者が扉に接触しても扉の熱さに不快を感じる不都合を防止することが出来る。さらに、扉からの熱で厨房全体が暑くなることもないので、涼しく快適な作業環境を実現することが出来、厨房の温度を低下させるための空調設備を導入する必要もない。
また、扉を冷却させる冷却空気は、加熱庫内から排気口へ流れる熱気のドラフト効果によって、外部から第1冷却空間に流入させて空気流路へ流れる構成としたから、扉に冷却空気を流すための手段を別途設ける必要がない。
従って、調理性に優れ、安全で、さらに省エネ効果のある加熱調理器を提供することが出来る。
図1は、本発明の実施の形態に係る加熱調理器の正面図である。このものは、熱気の循環を利用したコンベクションタイプの床置き式の業務用オーブンであって、矩形箱状の器具本体(100)の前面に、後述する加熱庫(2)の前方開放部(20)を開閉自在に閉塞している扉(1)と、その上方に、ワンタッチで点火・消火が可能なデジタル表示を有する操作パネル部(32)が配設されている。また、器具本体(100)の頂面後方には、排気口(10)が開放している。
なお、この実施の形態では、器具本体(100)を前方側から見たときの奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
加熱庫(2)の天井壁(27)の後方には、排気流路(23)が斜め上後方へ突出しており、排気流路(23)の下流端(23a)は、器具本体(100)の排気口(10)に臨む構成となっている。
操作室(3)の前面には操作パネル部(32)が配設されており、操作室(3)の内部には、図2及び図3に示すように、操作パネル部(32)の裏面に配設されている操作基板(36)や、各種電装部品(37)や、左右一対の送風ファン(34)が収納されている。操作パネル部(32)の左右両側近傍には、図1に示すように、一対の空気吸込口(33)が開放していると共に、操作室(3)の後方端には、排気口(10)に臨む空気排出口(35)が開放している。
送風ファン(34)を駆動させると、図2及び図3の二点鎖線の矢印に示すように、操作パネル部(32)の空気吸込口(33)から、器具本体(100)の前方外部の冷却空気が操作室(3)に取り込まれ、操作室(3)内を後方の空気排出口(35)へ向かって流れた後、器具本体(100)の排気口(10)から後方外部へ排出される。これにより、操作室(3)内の操作基板(36)や他の電装部品(37)等が外部の冷却空気で冷却されることとなり、加熱庫(2)内における加熱調理中に、操作室(3)内の温度上昇を抑制することが出来る。
各第1、第2、第3扉板(11)(12)(13)は、共に、ステンレス製の矩形板の略中央域に設けた窓部に透明のガラス板(11a)(12a)(13a)が嵌め込まれた構成となっており、第1扉板(11)のガラス板(11a)から、第2、第3扉板(12)(13)のガラス板(12a)(13a)を介して、加熱庫(2)の内部の様子を確認することが出来る。
扉(1)の下端近傍は、前方開放部(20)近傍の器具本体(100)に設けられた支軸(14)に回動自在に取り付けられており、また、扉(1)の裏面を構成する第3扉板(13)の、加熱庫(2)の前方開放部(20)の周縁に当接する位置には、矩形枠状の耐熱パッキン(15)を添設させている。
そして、操作パネル部(32)の表示部を操作して加熱調理を開始すると、図示しないガスバーナからの熱気が送風ファン(24)により、奥壁(26)の送風孔(26a)から加熱庫(2)内に送られて対流することにより食材が加熱調理される。加熱後の燃焼排気は、排気流路(23)の下流端(23a)から排気口(10)を経て外部に排出される。すなわち、排気流路(23)の下流端(23a)には、図2の点線の矢印に示すような、排気口(10)へ向かう熱気の流れが生じることとなる。
空気流路(30)の前方は、第1空気流出口(21b)を介して、扉(1)の第1冷却空間(21)に連通していることから、空気流路(30)内の空気の流れに誘導されて、第1冷却空間(21)内及びこれに第2空気流出口(22b)を介して連通する第2冷却空間(22)における空気の流れも促進され、第1、第2冷却空間(21)(22)内には、第1、第2空気流入口(21a)(22a)から、扉(1)の下方外部の冷却空気が引き込まれていく。
このように、加熱庫(2)内の熱による扉(1)の温度上昇は緩和されると共に、扉(1)を冷却する冷却空気は加熱庫(2)内に入らない構成としたから、安全で調理性に優れ、さらに省エネ効果のある業務用オーブンを提供することが出来る。
また、本発明は、業務用オーブンに採用したが、これ以外にも、大型のグリルや家庭用のオーブン等の種々の加熱調理器に適用できる。熱源機としては、ガスバーナ以外に電気ヒータを使用できる。
(10)・・・・・・・排気口
(11)(12)・・・・・第1、第2扉板
(2) ・・・・・・・加熱庫
(21)・・・・・・・第1冷却空間
(21a) ・・・・・・第1空気流入口
(21b) ・・・・・・第1空気流出口
(23)・・・・・・・排気流路
(30)・・・・・・・空気流路
(31)・・・・・・・後方開放部
Claims (5)
- 食材等の被加熱物が収納されて加熱される加熱庫と、
前記加熱庫の前方開放部を開閉可能な扉と、
前記加熱庫の後方域に排気流路を介して連通し、加熱庫内の空気を外部へ排気する排気口とを備え、
前記加熱庫の上方に、後方開放部が前記排気流路に連通又は近接する空気流路が配設され、
前記扉は、前後に位置する第1、第2扉板の間に第1冷却空間が設けられ、
前記第1冷却空間は、上流端に外部に連通する第1空気流入口を有し、且つ、下流端に前記空気流路に連通する第1空気流出口を有することを特徴とする加熱調理器。 - 請求項1に記載の加熱調理器において、
前記空気流路の上方に、前面に操作部と空気吸込口が並設された操作室が配設され、
前記操作室の後方には、操作室内の空気を排出させる空気排出口が、前記空気流路の後方開放部に近接して設けられ、
前記操作室内又は前記加熱庫の後方域の少なくとも一方に、排気口に空気を送る送風ファンが設けられている加熱調理器。 - 請求項2に記載の加熱調理器において、
前記送風ファンは、加熱庫の加熱調理終了後も、一定時間継続して駆動するように設定されている加熱調理器。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の加熱調理器において、
前記扉は、前記第2扉板の後方に、第2冷却空間を形成する第3扉板が設けられ、
前記第2冷却空間の上流端は、前記第1冷却空間の第1空気流入口と共に扉の下方に開放する第2空気流入口とすると共に、下流端は、第2扉板の上端近傍に設けられた第2空気流出口を介して前記第1空気流出口に連通するように設定されている加熱調理器。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の加熱調理器において、
前記第1扉板は、第2扉板に対して着脱可能である加熱調理器。
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JP2020125867A (ja) * | 2019-02-04 | 2020-08-20 | 日立グローバルライフソリューションズ株式会社 | 加熱調理器 |
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