JP2019002505A - 圧力容器 - Google Patents

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優介 大脇
吉則 宮崎
Yoshinori Miyazaki
吉則 宮崎
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Masayoshi Taki
正佳 滝
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Abstract

【課題】ライナーの不正変形を防止する。【解決手段】圧力容器Aは、胴部11の両端部に第1ドーム部12及び第2ドーム部13が連なった形態のライナー10と、第1口金22と、第2口金28と、ライナー10の外面を覆う繊維強化樹脂層33と、を備える。そして、圧力容器Aでは、第1ドーム部12の外面に第1補強凸部17が形成されている。また、第2ドーム部13の外面に第2補強凸部20が形成されている。ライナー10に繊維束34を巻き付ける工程で、ライナー10にねじり力が作用しても、第1補強凸部17、及び第2補強凸部20によって、ライナー10の不正変形が抑制される。【選択図】図2

Description

本発明は圧力容器に関する。
特許文献1には、円筒状の直胴部の両端にドーム部が形成されたライナーと、ドーム部の中心部に取り付けた口金と、ライナーの外周に形成された繊維強化樹脂層とを備えた圧力容器が開示されている。繊維強化樹脂層を形成する際には、口金に嵌合した駆動軸を回転駆動することにより、口金とライナーを一体回転させながら、ライナーの外周に繊維束を巻き付けていく。
特開2012−045826号公報
繊維束を巻き付ける工程では、ライナーにねじり力が作用する。そのため、ねじり力が大きくなった場合には、ライナーが不正に変形することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ライナーの不正変形を防止することを目的とする。
本発明の圧力容器は、
略円筒状の胴部の端部にドーム部が連なった形態のライナーと、
前記ドーム部の外面を覆う口金と、
前記ライナーの外面に巻き付けられた繊維束を有する繊維強化樹脂層と、を備え、
前記ドーム部の前記外面に補強凸部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ドーム部に補強凸部が形成されているから、口金を回転駆動しながらライナーに繊維束を巻き付ける工程で、ライナーの不正変形を抑制できる。
実施例1の圧力容器の斜視図である。 ライナーから口金を外した状態をあらわす斜視図である。 ライナーに繊維束を巻き付ける工程をあらわす断面図である。 圧力容器の断面図である。 ライナーを金型成形する工程をあらわす平面図である。 補強凸部の断面図である。 補強凸部が溝部に嵌合した状態を示す断面図である。 ライナーの層構造を示す断面図である。 従来例における食い切り部を示す断面図である。 他の実施例において、ライナーから口金を外した状態をあらわす斜視図である。
(1)本発明の圧力容器では、前記補強凸部は、前記ドーム部の径方向に延びていることが好ましい。すなわち、補強凸部は、繊維束を巻き付ける工程におけるライナーの回転方向と交差する方向に形成されていることが好ましい。
繊維束を巻き付ける工程においては、ライナーは、ドーム部の中央部と端部との間でねじれて、この部分にねじり力がかかる。補強凸部がドーム部の径方向に延びていると、ねじり力がかかる部分に補強凸部が存在することになるから、補強凸部の補強効果が効果的に発揮され、繊維束を巻き付ける工程でのライナーの不正変形がより抑制される。
(2)本発明の圧力容器では、前記ドーム部の中心部には、筒状突出部が形成されており、前記補強凸部は、前記筒状突出部と繋がっていることが好ましい。
この構成によれば、補強凸部は、ドーム部の中心部の筒状突出部に繋がっており、補強凸部が筒状突出部と一体となって、ライナーの不正変形に抗することができる。
(3)本発明の圧力容器では、前記口金の前記ドーム部と接する側の面には、溝部が形成されており、前記溝部は、前記補強凸部と嵌合していることが好ましい。
この構成では、口金の溝部と、補強凸部との嵌合により、ライナーに対する口金の相対的な回転が規制されるので、口金を回転駆動しながらライナーに繊維束を巻き付ける工程で、口金が空転することを防止できる。
(4)本発明の圧力容器では、前記補強凸部は、前記ドーム部のパーティングラインを含む領域に形成されていることが好ましい。
補強凸部は、パーティングラインを含む領域に配されているので、ブロー成形用の金型でライナーを成形する工程で、比較的容易に補強凸部を形成することができる。
(5)本発明の圧力容器では、前記ライナーは多層構造であり、食い切り部は、前記補強凸部内に配されていることが好ましい。
本構成では、食い切り部は、その周囲と高さ位置の異なる補強凸部内に配されている。この場合、食い切り部の両側のライナーを引っ張った場合の力の作用線は、食い切り部を通らないから、食い切り部の分離が抑制される。
なお、本明細書において、食い切り部とは、パリソンが金型で食い切りされた部分のことをいう。
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1〜図9を参照して説明する。本実施例1の圧力容器Aは、合成樹脂製のライナー10と、第1口金22(請求項に記載の口金)と、第2口金28(請求項に記載の口金)と、繊維強化樹脂層33とを備えて構成されている。圧力容器Aは、燃料電池自動車や天然ガス自動車に搭載され、高圧の水素ガスや天然ガスの充填容器として用いられるものである。
<ライナー10>
ライナー10は、図1〜4に示すように、径寸法が全長に亘ってほぼ一定の円筒状をなす胴部11と、胴部11の軸線方向における一方の端部に連なる第1ドーム部12(請求項に記載のドーム部)と、胴部11の軸線方向における他方の端部に連なる第2ドーム部13(請求項に記載のドーム部)とを備えた単一部品である。ライナー10の内部は、流体(水素ガスや天然ガス等)を貯留するための貯留空間14となっている。ライナー10は、ブロー成形によって所定形状に成形されている。ライナー10の材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)とエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂等が用いられている。実施例1では、ライナー10は、図8に示すように、HDPE層10A、変性PE層10B、バリア層の一例としてのEVOH層10C、変性PE層10D、HDPE層10Eが外側から順に積層された構造を有する。
なお、従来は、ライナー10には、バリア性能とタンク剛性を兼ね備えた単層素材を用いていた。この場合、バリア性能を担保するために板厚を確保する必要があるため、所定の厚さ以上は必要であった。
本実施例のように、多層構造を採用することにより、例えば、バリア性に特化したEVOH層は100μm程度で済み、タンク剛性に必要な層は主に比較的安価なPEとすることができる。よって、圧力容器のコストも下げることができる
また、多層構造を採用すると、バリア性能及びタンク剛性を確保しつつ、ライナー10の全体の厚みも薄くすることができコスト的に有利である。例えば、単層の場合にポリアミド樹脂を用いた場合のライナー10の厚みと、多層の場合にEVOH層を有するPEを用いた場合のライナー10の厚みと、を比較すると、後者の方が薄くできるため、コスト的に優れている。
第1ドーム部12の中心部には、胴部11の軸線と同軸の円形をなす貫通形態の筒状突出部15が一体に形成されている。筒状突出部15は第1ドーム部12の外部へ突出した形態である。ライナー10の外部空間と貯留空間14内は、筒状突出部15の内部空間を介して連通可能となっている。第1ドーム部12の外面のうち筒状突出部15よりも外周側であり、且つ第1ドーム部12の外周縁よりも内周側の円環状領域は、胴部11の軸線と略直角をなす第1平面部16となっている。
第1平面部16の外面には、第1ドーム部12の径方向に延びた一対の第1補強凸部17が形成されている。第1補強凸部17は、筒状突出部15と繋がっている。すなわち、第1補強凸部17は、筒状突出部15の外周に連なっている。一対の第1補強凸部17は、筒状突出部15に関して対称な形態である。第1補強凸部17の外周側端縁は、第1平面部16の外周縁上に位置している。第1平面部16を基準とする第1補強凸部17の突出高さは、その外周側端縁で最も低くなっている。第1補強凸部17は、突出方向に幅狭となるテーパー形状を有している(図6参照)。また、パリソンが金型50で食い切りされた食い切り部53は、第1補強凸部17内に配されている(図6参照)。
第2ドーム部13の中心部には、胴部11の軸線と同軸の円形をなす膨出部18が一体に形成されている。膨出部18は貫通しておらず、胴部11の他方の端部は第2ドーム部13によって閉塞されている。第2ドーム部13の外面のうち膨出部18よりも外周側であり、且つ第2ドーム部13の外周縁よりも内周側の円環状領域は、胴部11の軸線と略直角をなす第2平面部19となっている。
第2平面部19の外面には、第2ドーム部13の径方向に延びた一対の第2補強凸部20が形成されている。第2補強凸部20は、膨出部18と繋がっている。すなわち、第2補強凸部20は、膨出部18の外周に連なっている。一対の第2補強凸部20は、膨出部18に関して対称な形態である。第2補強凸部20の外周側端縁は、第2平面部19の外周縁上に位置している。第2平面部19を基準とする第2補強凸部20の突出高さは、その外周側端縁で最も低くなっている。第2補強凸部20は、突出方向に幅狭となるテーパー形状を有している(図6参照)。また、パリソンが金型50で食い切りされた食い切り部53は、第2補強凸部20内に配されている。
ライナー10は、下記のようなブロー成形法によって成形されている。成形に際しては、ブロー成形機(図示省略)から略円筒形のパリソン(図示省略)が軸線を上下方向に向けて下向きに押し出される。押し出されたパリソン内には下方からロッド(図示省略)が収容される。そして、パリソンが一対の金型50で挟まれるとともに、ロッドを通して供給された加圧エアが、パリソンを金型50のキャビティ内面に密着させる(図5参照)。この後、パリソンが硬化すれば、金型50によるライナー10の成形工程が完了する。
金型50によって成形されたライナー10の外周には、一対の金型50の境界に沿ったパーティングライン21が形成される。一対の金型50には、それぞれ、一対の第1補強凸部17と一対の第2補強凸部20を成形するための成形部51が形成されている。したがって、パーティングライン21は、第1補強凸部17の略中央位置を通るとともに、第2補強凸部20の略中央位置も通っている。すなわち、第1補強凸部17、及び第2補強凸部20は、パーティングライン21を含む領域に形成されていることになる。
<第1口金22>
第1口金22は、軸線方向に貫通した円筒状をなす第1本体部23と、第1本体部23の軸線方向両端部のうち基端部から径方向外方へ張り出した第1フランジ部24とを備えた単一部品である。第1本体部23の内周の先端部には、第1雌ネジ部25が形成されている。第1口金22には、バルブ26が第1雌ネジ部25にねじ込まれることによって取り付けられる。
第1口金22は、第1ドーム部12の外面を覆うようにライナー10に取り付けられている。第1口金22を取り付けた状態では、第1本体部23の基端部が筒状突出部15の外周に密着し、第1フランジ部24の内面が第1平面部16(第1ドーム部12)の外面に密着している。第1フランジ部24は第1本体部23と同心の円形をなし、第1フランジ部24の外径は、第1平面部16の外径とほぼ同じ寸法である。
第1フランジ部24の第1ドーム部12と接する側の面(内面)には、第1補強凸部17に対向するように配された一対の第1溝部27が形成されている。一対の第1溝部27は、第1本体部23の軸線に関して対称である。一対の第1溝部27は、図7に示すように、凹み方向(図7の上方)に向かって幅狭となるテーパー形状を有している。
第1口金22を第1ドーム部12に取り付けた状態では、一対の第1溝部27が一対の第1補強凸部17に嵌合する。第1補強凸部17と第1溝部27との嵌合部分では、第1補強凸部17の外面が、第1溝部27の内面にほぼ密着している。
<第2口金28>
第2口金28は、円柱状をなす第2本体部29と、第2本体部29の軸線方向両端部のうち基端部から径方向外方へ張り出した第2フランジ部30とを備えた単一部品である。第2本体部29には、その先端面を同軸状に凹ませた形態の第2雌ネジ部31が形成されている。第2口金28は、第2ドーム部13の外面を覆うようにライナー10に取り付けられている。第2口金28を取り付けた状態では、第2本体部29の基端部が膨出部18の外周に密着し、第2フランジ部30の内面が第2平面部19(第2ドーム部13)の外面に密着している。第2フランジ部30は第2本体部29と同心の円形をなし、第2フランジ部30の外径は、第2平面部19の外径とほぼ同じ寸法である。
第2フランジ部30の第2ドーム部13と接する側の面(内面)には、第2補強凸部20に対向するように配された一対の第2溝部32が形成されている。一対の第2溝部32は、第2本体部29の軸線に関して対称である。一対の第2溝部32は、図7に示すように、凹み方向(図7の上方)に向かって幅狭となるテーパー形状を有している。
第2口金28を第2ドーム部13に取り付けた状態では、一対の第2溝部32が一対の第2補強凸部20に嵌合する。第2補強凸部20と第2溝部32との嵌合部分では、第2補強凸部20の外面が、第2溝部32の内面にほぼ密着している。
<繊維強化樹脂層33>
繊維強化樹脂層33は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスッチック等からなる。繊維強化樹脂層33は、胴部11の外周の全領域、第1ドーム部12のうち第1平面部16よりも外周側の領域、第2ドーム部13のうち第2平面部19よりも外周側の領域、第1口金22の外周の領域、及び第2口金28の外周の領域に亘って形成されている。
繊維強化樹脂層33は、フィラメントワインディング法、即ち、胴部11の軸線を中心として回転するライナー10及び口金22,28の外面に、繊維束34に液状の熱硬化性樹脂を含浸させたもの、又は繊維束34に含浸した熱硬化性樹脂を半硬化状態にしたもの(プリプレグ繊維)を巻き付けることによって形成されている。繊維束34は、炭素繊維、ガラス繊維、ケプラ繊維等からなる糸状の繊維を束ねたものである。
<フィラメントワインディング装置及び繊維強化樹脂層33の形成工程>
繊維束34をライナー10と口金22,28に巻き付けるためのフィラメントワインディング装置は、ライナー10に回転力を付与する第1軸状支持部材41と、第1軸状支持部材41を回転駆動するモータ(図示省略)と、第1軸状支持部材41と同軸の第2軸状支持部材42と、第2軸状支持部材42を回転駆動するモータ(図示省略)と、繊維束34を繰り出すボビン(図示省略)等を備えている。第1軸状支持部材41の先端部は、第1雌ネジ部25にねじ込まれることで、第1口金22に一体回転し得るように取り付けられる。第2軸状支持部材42は、第2雌ネジ部31にねじ込まれることで、第2口金28に一体回転し得るように取り付けられる。
ライナー10に繊維強化樹脂層33を成形する工程を説明する。まず、所定形状にブロー成形されて口金22,28が取り付けられたライナー10を、所定のフィラメントワインディング位置へ搬送し、第1軸状支持部材41と第2軸状支持部材42を、それぞれ、第1口金22と第2口金28に取り付ける。この状態で、第1軸状支持部材41と第2軸状支持部材42を同じ周速度で駆動してライナー10と両口金22,28を回転させる。回転しているライナー10の外面には、ボビンから繰り出した繊維束34が巻き付けられていく。
繊維束34を巻き付ける工程では、第1軸状支持部材41と一体に回転する駆動側の第1口金22と、ボビンから繊維束34を引き込む従動側のライナー10との界面に、回転方向の剪断力が作用する。そのため、剪断力が大きくなった場合には、第1口金22とライナー10との間で滑りが生じて第1口金22が空転することが懸念される。また、第2軸状支持部材42と一体に回転する第2口金28とライナー10との間にも剪断力が作用するので、第2口金28が空転することも懸念される。
本実施例では、ライナー10に形成した第1補強凸部17と第1口金22に形成した第1溝部27を嵌合し、ライナー10に形成した第2補強凸部20と第2口金28に形成した第2溝部32を嵌合する。これらの嵌合部分では、ライナー10と第1口金22と第2口金28は、一体回転する状態に保たれる。繊維束34の巻き付け工程が終わった後は、繊維束34に含浸されている樹脂を硬化させる。以上の工程を経ることにより、繊維強化樹脂層33が形成され、圧力容器Aの製造が完了する。
<実施例1の効果>
上記のように、実施例1の圧力容器Aは、胴部11の両端部に第1ドーム部12及び第2ドーム部13が連なった形態のライナー10と、第1口金22と、第2口金28と、ライナー10の外面を覆う繊維強化樹脂層33と、を備える。そして、実施例1の圧力容器Aでは、第1ドーム部12の外面に第1補強凸部17が形成されている。また、第2ドーム部13の外面に第2補強凸部20が形成されている。この構成によれば、ライナー10に繊維束34を巻き付ける工程で、ライナー10にねじり力が作用しても、第1補強凸部17、及び第2補強凸部20によって、ライナー10の不正変形が抑制される。
また、実施例1の圧力容器Aでは、第1補強凸部17が第1ドーム部12の径方向に延びており、第2補強凸部20が第2ドーム部13の径方向に延びている。すなわち、第1補強凸部17及び第2補強凸部20は、繊維束34を巻き付ける工程におけるライナー10の回転方向と交差する方向に形成されている。
繊維束34を巻き付ける工程においては、ライナー10は第1ドーム部12の中央部と端部との間でねじれて、この部分に、ねじり力がかかる。同様に、ライナー10は第2ドーム部13の中央部と端部との間でねじれて、この部分に、ねじり力がかかる。第1補強凸部17、第2補強凸部20が、それぞれ第1ドーム部12、第2ドーム部13ドーム部の径方向に延びていると、ねじり力がかかる部分に第1補強凸部17、第2補強凸部20が存在することになる。よって、第1補強凸部17、第2補強凸部20による補強効果が効果的に発揮され、繊維束34を巻き付ける工程でのライナー10の不正変形が効果的に抑制される。
また、実施例1の圧力容器Aでは、第1ドーム部12の中心部には、筒状突出部15が形成されており、第1補強凸部17は、筒状突出部15と繋がっている。
この構成によれば、第1補強凸部17は、筒状突出部15と一体になって、ライナー10の不正変形に抗することができる。
また、実施例1の圧力容器Aでは、第1口金22の第1ドーム部12と接する側の面には、第1溝部27が形成されており、第1溝部27は、第1補強凸部17と嵌合している。
この構成では、第1口金22の第1溝部27と、第1補強凸部17との嵌合により、ライナー10に対する第1口金22の相対的な回転が規制されるので、第1口金22を回転駆動しながらライナー10に繊維束34を巻き付ける工程で、第1口金22が空転することを防止できる。また、第1補強凸部17が、第1ドーム部12の径方向に延びているので、第1口金22の回転する力が、第1補強凸部17全体に分散して伝わり、第1ドーム部12の不正変形が効果的に抑制される。
また、実施例1の圧力容器Aでは、第2口金28の第2ドーム部13と接する側の面には、第2溝部32が形成されており、第2溝部32は、第2補強凸部20と嵌合している。
この構成では、第2口金28の第2溝部32と、第2補強凸部20との嵌合により、ライナー10に対する第2口金28の相対的な回転が規制されるので、第2口金28を回転駆動しながらライナー10に繊維束34を巻き付ける工程で、第2口金28が空転することを防止できる。また、第2補強凸部20が、第2ドーム部13の径方向に延びているので、第2口金28の回転する力が、第2補強凸部20全体に分散して伝わり、第2ドーム部13の不正変形が効果的に抑制される。
実施例1の圧力容器Aでは、第1補強凸部17は、第1ドーム部12のパーティングライン21を含む領域に形成されている。同様にして、実施例1の圧力容器Aでは、第2補強凸部20は、第2ドーム部13のパーティングライン21を含む領域に形成されている。
第1補強凸部17及び第2補強凸部20は、パーティングライン21を含む領域に配されているので、ブロー成形用の金型50でライナー10を成形する工程で、比較的容易に第1補強凸部17及び第2補強凸部20を形成することが可能である。
実施例1の圧力容器Aでは、ライナー10は多層構造であり、ブロー成形により形成されており、パリソンが金型50で食い切りされた食い切り部53は、第1補強凸部17、第2補強凸部20内に配されている。
一般的に、ライナー10の食い切り部53は、図9(A)の状態から削ることによって図9(B)に示すように、平坦に処理されている。図9において、符号10Cは、上記のようにEVOH層を示している。なお、その他の層は省略している。
図9(B)の場合に、食い切り部53の両側でライナー10を引っ張ると、その力の作用線(図9(B)において1点鎖線で示す線)は食い切り部53に起因する分断しやすい部分を通るから、この部分に力がかかり分断しやすい。
一方、実施例1では、図6に示すように、食い切り部53は、食い切り部53の周囲と高さ位置の異なる第1補強凸部17、第2補強凸部20内に配されている。この場合、食い切り部53の両側でライナー10を引っ張った場合の力の作用線(図6において1点鎖線で示す線)は、食い切り部53に起因する分断しやすい部分と高さ位置がずれるから、この部分での分断が抑制される。
実施例1では、第1補強凸部17が第1溝部27に嵌合している。よって、第1補強凸部17が分離する方向に引っ張られたとしても、第1補強凸部17の外面が第1溝部27の内面に当たり、第1補強凸部17の部分でのライナー10の分離が回避される。
同様に、実施例1では、第2補強凸部20が第2溝部32に嵌合している。よって、第2補強凸部20が分離する方向に引っ張られたとしても、第2補強凸部20の外面が第2溝部32の内面に当たり、第2補強凸部20の部分でのライナー10の分離が回避される。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、第1ドーム部12に筒状突出部15を中心として2つの補強凸部を形成し、第2ドーム部13に膨出部18を中心として2つの補強凸部を形成した例を示した。本発明においては、補強凸部の個数は特に限定されず、圧力容器の形状、大きさ等に応じて適宜変更できる。同様に、口金のドーム部と接する側の面に形成された溝部の個数も特に限定されず、圧力容器の形状、大きさ等に応じて適宜変更できる。例えば、図10に示すように、第1ドーム部12に4つの補強凸部を形成し、口金に4つの溝部を形成してもよい。なお、この場合には、各補強凸部は、十字状をなすように配されていてもよい。
(2)実施例1では、補強凸部は、ドーム部の径方向に延びているリブ状としたが、その形状は特に限定されず、任意の形状とすることができる。
(3)実施例1では、第1補強凸部は、筒状突出部と繋がっていることとしたが、両者が繋がっていなくても良い。
(4)実施例1では、補強凸部は、ドーム部のパーティングラインを含む領域に形成されていることとしたが、補強凸部の形成部位は特に限定されない。
(5)実施例1では、ライナー10は、多層構造としたが、単層構造としてもよい。
(6)なお、口金の溝部の凹み量は、補強凸部の突出量よりも若干少なくされ、補強凸部が溝部に圧入されていてもよい。この構成では、口金の溝部と補強凸部とがしっかりと係合し、両者のガタつきがなくなり、ライナーへの繊維束の巻き付けを精度よく行うことができる。
10 …ライナー
10A …HDPE層
10B …変性PE層
10C …EVOH層
10D …変性PE層
10E …HDPE層
11 …胴部
12 …第1ドーム部
13 …第2ドーム部
14 …貯留空間
15 …筒状突出部
16 …第1平面部
17 …第1補強凸部
18 …膨出部
19 …第2平面部
20 …第2補強凸部
21 …パーティングライン
22 …第1口金
23 …第1本体部
24 …第1フランジ部
25 …第1雌ネジ部
26 …バルブ
27 …第1溝部
28 …第2口金
29 …第2本体部
30 …第2フランジ部
31 …第2雌ネジ部
32 …第2溝部
33 …繊維強化樹脂層
34 …繊維束
41 …第1軸状支持部材
42 …第2軸状支持部材
50 …金型
51 …成形部
53 …食い切り部
A …圧力容器

Claims (6)

  1. 略円筒状の胴部の端部にドーム部が連なった形態のライナーと、
    前記ドーム部の外面を覆う口金と、
    前記ライナーの外面に巻き付けられた繊維束を有する繊維強化樹脂層と、を備え、
    前記ドーム部の前記外面に補強凸部が形成されていることを特徴とする圧力容器。
  2. 前記補強凸部は、前記ドーム部の径方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器。
  3. 前記ドーム部の中心部には、筒状突出部が形成されており、
    前記補強凸部は、前記筒状突出部と繋がっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力容器。
  4. 前記口金の前記ドーム部と接する側の面には、溝部が形成されており、
    前記溝部は、前記補強凸部と嵌合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧力容器。
  5. 前記補強凸部は、前記ドーム部のパーティングラインを含む領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧力容器。
  6. 前記ライナーは多層構造であり、
    食い切り部は、前記補強凸部内に配されていることを特徴とする請求項5に記載の圧力容器。
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