JP2019002497A - シェル形ころ軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの上昇を抑えつつ、腐食性流体との接触による腐食を防止する。
【解決手段】シェル形ころ軸受(4)のシェル形外輪(5)は、ころ(6)が転動する軌道面を含む円筒部(51)と、円筒部の軸方向端部から径方向内側に向かって傾斜して延びる折り曲げ部(53)とを有し、腐食性流体の流路側に位置するシール部材(8)が、外輪(5)によって固定されている。シール部材(8)は、径方向に見て折り曲げ部(53)と互いに重なる位置に設けられ、回転軸(2)に摺接する第1のリップ(81)と、折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、ハウジング(1)に摺接する第2のリップ(82)と、折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、回転軸(2)に摺接する第3のリップ(83)とを含む。第2のリップ(82)と第3のリップ(83)とは、径方向に見て互いに重なる位置に設けられている。
【選択図】図3
【解決手段】シェル形ころ軸受(4)のシェル形外輪(5)は、ころ(6)が転動する軌道面を含む円筒部(51)と、円筒部の軸方向端部から径方向内側に向かって傾斜して延びる折り曲げ部(53)とを有し、腐食性流体の流路側に位置するシール部材(8)が、外輪(5)によって固定されている。シール部材(8)は、径方向に見て折り曲げ部(53)と互いに重なる位置に設けられ、回転軸(2)に摺接する第1のリップ(81)と、折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、ハウジング(1)に摺接する第2のリップ(82)と、折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、回転軸(2)に摺接する第3のリップ(83)とを含む。第2のリップ(82)と第3のリップ(83)とは、径方向に見て互いに重なる位置に設けられている。
【選択図】図3
Description
本発明は、シェル形ころ軸受に関し、特に、EGR(Exhaust Gas Recirculation)制御弁などの流体制御弁に用いられるシェル形ころ軸受に関する。
自動車等の車両における排気ガス中の窒素酸化物の低減または燃費向上を目的として、内燃機関(エンジン)の排気管から吸気管へ排気ガスを再循環(還流)させるEGRシステムが従来から提案されている。EGRシステムでは、制御装置がEGR制御弁の弁体を開閉制御することで、排気管を経て吸気管へ還流する排気ガスの流量が制御される。
特開2014−169668号公報(特許文献1)には、EGR制御弁の一例が開示されている。当該文献に開示されたEGR制御弁については、図6および図7を参照しながら説明する。EGR制御弁は、排気ガス流量制御弁(排気絞り弁)であって、ハウジング101の内部に形成されたガス流路111の開口面積を連続的または段階的に変更することで、ガス流路111を経由して排気通路から吸気通路へ再循環(還流)する排気ガスの流量を可変制御する。
このEGR制御弁は、出力シャフトとしての回転軸102を回転駆動して弁体113を開閉動作させるアクチュエータと、ハウジング1に対して回転軸102を回転自在(揺動自在)に支持する支持機構とを備えている。
アクチュエータは、モータM、減速機構、およびリターンスプリング191を含む電動アクチュエータである。減速機構には、モータMのモータ軸である入力軸に対して並列配置された中間軸192と、入力軸の回転を減速して回転軸102に伝達する複数のギヤ193〜195とが含まれる。
ハウジング101は、ガス流路111を形成する円筒状のバルブボディ131と、減速機構およびリターンスプリング191等を収容するギヤケース132と、モータMを収容するモータケース133とを一体的に有している。ハウジング101のバルブボディ131には、円筒状の軸受収容部(ハウジング孔)134が設けられており、この軸受収容部134内に支持機構が収容されている。
特許文献1において、支持機構は、シール部材141と2連の玉軸受142,143とを含む。シール部材141が玉軸受142,143よりもガス流路111側に設置されているため、ガス流路111を流れる排気ガス中に含まれる異物が、玉軸受142,143側へ侵入することが抑制されている。
流体制御弁の弁体と一体回転する回転軸の支持軸受としては、玉軸受の他、ころ軸受が挙げられる。WO2013/020726号公報(特許文献2)およびWO2013/020727号公報(特許文献3)に開示されたころ軸受は、シェル形針状ころ軸受であり、シェル形外輪の両端の鍔部の内側に、それぞれシール部材が設けられている。2つのシール部材のうち、排気ガスの流入側に配置されたシール部材は、鍔部の内側だけでなく鍔部の外側にも延びており、回転軸に接触する2つのリップと、ハウジング孔に形成された段部に接触する1つのリップとを有している。
流体制御弁の支持軸受が、排気ガス等の腐食性流体により腐食しないようにするためには、腐食性流体が外輪に接触すること、および、軸受内部に侵入することを防止する構造が必要である。
特許文献1のように、流体制御弁の支持軸受を玉軸受とした場合、シール部材141を外付けで設ける必要がある。この場合、軸受のシール性を高めようとすればするほど、シール部材の個数を増やしたり、シール部材の体積を大きくしたりしなくてはならない。そうすると、回転軸の軸長が必然的に長くなる。
これに対し、特許文献2,3では、排気ガスの流入側に配置されたシール部材が、シェル形外輪の鍔部の軸方向内側において内径方向に延びるリップと、鍔部の軸方向外側において外径方向に延びるリップとを有している。しかしながら、特許文献2,3において外径方向に延びるリップは、ハウジング孔に形成された段部の内周面に接触する構成である。そのため、特許文献2,3では、排気ガスを封止するためにハウジング孔に段部を加工しなくてはならない。
段部の加工に使用される加工工具、たとえば砥石などの工具は、外径と側面とが交差する角部に面取り加工がされているため、段部の隅部においても面取り形状が発生してしまう。また、多数の段部の加工を行うにつれて工具先端が消耗すると、段部の隅部形状にばらつきが生じる。そのため、シールリップを段部に安定して接触させることが困難となるとともに、ハウジング孔の加工時間の増大、および、弁寸法の拡大による製造コストの上昇を招く。
また、特許文献3では、シール部材が少なくとも2つの部分リングで構成されているため、軸受製造時において、組立コストの増大を招く。また、シールが分割されているため、シール部材の剛性が低下し、シール部材をハウジングの段部およびシャフトに押し付ける力を大きくすることができない。その結果、流体の漏れが発生し、軸受が腐食してしまう。
さらに、特許文献2,3のシール部材は、上述のように、鍔部の内側だけでなく鍔部の外側にも延びており、シャフトに接触する2つのリップと、ハウジング孔に形成された段部に接触する1つのリップとを有しているが、シール性を高めるためには、3つのリップの相対位置について改善の余地がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ハウジング側の加工コストを抑えつつ、腐食性流体との接触による腐食を効果的に防止することのできるシェル形ころ軸受を提供することである。
この発明のある局面に従うシェル形ころ軸受は、ハウジングに対して回転軸を回転可能に支持するシェル形ころ軸受であって、複数のころと、シェル形外輪と、シール部材とを備える。シェル形外輪は、ころが転動する軌道面を含む円筒部と、円筒部の軸方向端部から径方向内側に向かって傾斜して延びる折り曲げ部とを有する。シール部材は、シェル形外輪によって固定されている。シール部材は、径方向に見て折り曲げ部と互いに重なる位置に設けられ、回転軸に摺接する第1のリップと、折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、ハウジングに摺接する第2のリップと、折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、回転軸に摺接する第3のリップとを含む。第2のリップと第3のリップとは、径方向に見て互いに重なる位置に設けられている。
好ましくは、折り曲げ部は、第1のリップの基端部の軸方向位置よりも軸方向外側に延びている。
好ましくは、シール部材は、その外周面のうち第2のリップよりも軸方向内側に位置する部分に、径方向内側に凹む凹部をさらに含んでおり、折り曲げ部の先端部が、凹部に嵌め入れられている。
好ましくは、折り曲げ部は、円筒部よりも薄肉であり、折り曲げ部の基端部には、円筒部の内周面よりも径方向外側に窪んだ窪み部が設けられている。この場合、シール部材は、シェル形外輪の窪み部に嵌まり込む凸部をさらに含むことが望ましい。
第2のリップの最大径は、無負荷状態において、シェル形外輪の外形よりも大きいことが望ましい。
好ましくは、第2のリップは、ハウジングに接する複数の環状突起を有している。
また、第3のリップが、回転軸に接する複数の環状突起を有していてもよい。
好ましくは、シェル形外輪は、折り曲げ部を円筒部の軸方向一方側にのみ有し、円筒部の軸方向他方側には、径方向内側に真っ直ぐ延びる内向きフランジ部を有している。この場合、シェル形ころ軸受は、内向きフランジ部の軸方向内側に収容された内側シール部材をさらに備えていてもよい。
本発明によれば、ハウジング側の加工コストを抑えつつ、腐食性流体との接触による腐食を効果的に防止したシェル形ころ軸受を提供することができる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本実施の形態に係るシェル形ころ軸受は、たとえばEGR制御弁に設けられる。EGR制御弁の基本構成は、上記した特許文献1の構成とほぼ同じであるので、ここではシェル形ころ軸受とその周辺構造についてのみ説明する。
(概要について)
図1は、本実施の形態に係るEGR制御弁の要部を模式的に示す概略断面図である。
図1は、本実施の形態に係るEGR制御弁の要部を模式的に示す概略断面図である。
EGR制御弁は、ハウジング1の内部に形成された排気ガス流路11の開口面積を連続的または段階的に変更することで、排気ガス流路11を経由して、排気通路から吸気通路へ再循環(還流)される排気ガスの流量を可変制御する排気ガス流量制御弁(排気絞り弁)である。
ハウジング1には、排気ガス流路11に交差する円筒状の孔部12が設けられており、この孔部12に、回転軸2と、回転軸2を回転自在(揺動自在)に支持する支持機構とが収容されている。図1には、回転軸2の軸線が一点鎖線で示されている。以下の説明では、回転軸2に沿う方向を「軸方向」、回転軸2に直交する方向を「径方向」という。
ハウジング1の孔部12は、軸方向中央に位置する中央孔部12aと、中央孔部12aの軸方向一方側(紙面左側)に位置し中央孔部12aよりも小径である小径孔部12bと、中央孔部12aの軸方向他方側(紙面右側)に位置し中央孔部12aよりも大径である大径孔部12cとを有している。中央孔部12aは、その内周面が軸方向に面一であり、段差を有していない。
回転軸2は、支持機構に支持される大径部21と、大径部21よりも小径であり、大径部21の軸方向一方側に隣接して位置する小径部22とを有している。小径部22の先端部は、ガス流路11まで突出し、ガス流路11内において弁体13に連結固定されている。ハウジング1の中央孔部12aおよび大径孔部12cに、回転軸2の大径部21が収容され、ハウジング1の小径孔部12bに、回転軸2の小径部22の軸方向他方端部が収容されている。
弁体13は、平面視において円形状である。弁体13は、回転軸2の回転(揺動)角度に応じて、全閉位置と全開位置との間で姿勢(位置)が変更させられる。弁体13が回転軸2周りに一方向に回転することで、又は揺動することで、ガス流路11の開閉が行われる。図1では、全閉位置の弁体13が実線で示され、全開位置の弁体13が想像線(二点鎖線)で示されている。
排気ガス流路11は、排気通路側の流路11aと、吸気通路側の流路11bとを有しており、流路11a側から流路11b側へと排気ガスが流れる。本実施の形態では、流路11aの方が流路11bよりも直径(内径)が大きく形成されており、これらの流路11a,11b間に段差部11cが設けられている。弁体13の直径(外径)は、流路11aの直径よりも小さく、流路11bの直径よりも大きい。
弁体13が全閉位置に位置するとき、弁体13は排気ガス流路11の段差部11cに嵌まり込む。これにより、排気ガス流路11の内周面と弁体13の外周端面との間の環状隙間が完全に封鎖される。この場合、排気ガスが、エアクリーナを通過した清浄な吸気(新気)に混入されない。図2には、排気通路側から排気ガス流路11を見た場合に、排気ガス流路11が弁体13により全閉された状態が示されている。
弁体13が、全開位置を含む開位置に位置するとき、弁体13の外周部はガス流路11の段差部11cに接触しない。この場合、排気ガスが、エアクリーナを通過した清浄な吸気(新気)に混入される。
支持機構は、1つの玉軸受3と、1つのシェル形ころ軸受4とを含む。玉軸受3およびシェル形ころ軸受4は、回転軸2の大径部21をハウジング1に対して回転自在に支持している。支持機構が、シェル形ころ軸受4だけでなく玉軸受3も含むことによって、回転軸2の軸方向位置が固定される。玉軸受3と、シェル形ころ軸受4と、これらの軸受3,4に支持される回転軸2と、ハウジング1とで、回転軸支持構造が構成される。
玉軸受3の外径寸法はシェル形ころ軸受4の外径寸法よりも大きい。玉軸受3は、ハウジング1の大径孔部12cに圧入され、シェル形ころ軸受4は、ハウジング1の中央孔部12aに圧入されている。シェル形ころ軸受4は、玉軸受3よりも排気ガス流路11側に設けられている。
EGR制御弁においては、排気ガス流路11内の排気ガスが、ハウジング1の孔部12(小径孔部12b)の内周面と回転軸2の小径部22の外周面との間の環状隙間14を介して、シェル形ころ軸受4が配置された中央孔部12aに侵入することが想定される。そのため、シェル形ころ軸受4は、少なくともガス流路11側の端部に、腐食性流体としての排気ガスを封止するためのシール部材8を備えている。
このように、シェル形ころ軸受4が排気ガスを封止するためのシール部材8を備えているため、本実施の形態における支持機構は、軸受から離れて配置される、単体としてのシール部材を備えなくてもよい。したがって、2連の玉軸受と、当該玉軸受とは別体のシール部材とを用いる構成に比べて、EGR制御弁への組立性を向上させることが可能となる。
(シェル形ころ軸受について)
シェル形ころ軸受4の構成例について詳細に説明する。図3は、本実施の形態におけるシェル形ころ軸受4の構成を示す断面図である。
シェル形ころ軸受4の構成例について詳細に説明する。図3は、本実施の形態におけるシェル形ころ軸受4の構成を示す断面図である。
図3に示されるように、EGR制御弁用のシェル形ころ軸受4は、ハウジング1に対して回転要素(回転対象物)である回転軸2を回転可能に支持する軸受であって、シェル形外輪(以下「外輪」と略す)5と、複数のころ6と、一対のシール部材7,8とを備える。
外輪5は、円筒部51と、内向きフランジ部52と、折り曲げ部53とを有する。円筒部51の内周面はころ6の軌道面を構成する。円筒部51の外径、すなわち外輪5の外径は、たとえばφ12程度である。
内向きフランジ部52は、円筒部51の軸方向他方端から径方向内側に真っ直ぐ延びる鍔部である。折り曲げ部53は、円筒部51の軸方向一方端からやや径方向内側に向かって傾斜して延びる鍔部である。つまり、内向きフランジ部52は円筒部51に対して略直角に配置されているのに対し、折り曲げ部53は、円筒部51に対して鈍角となるよう斜めに配置されており、円筒部51に対して径方向内側に角度をもって配置されている。
外輪5の製造方法としては、たとえば冷間圧延鋼板をプレスにより絞り成形した後に、熱処理により硬度を高める方法がある。円筒部51および内向きフランジ部52は、絞り成形によって形成される。折り曲げ部53については、絞り成形時に、曲げ加工により形成することができる。
円筒部51および内向きフランジ部52の形成方法は、絞り成形に限定されず、たとえば鋼管を切削加工して円筒部51および内向きフランジ部52が形成されてもよい。また、折り曲げ部53の形成(曲げ加工)は、外輪の焼きなまし加工の後に行われてもよい。
折り曲げ部53は、円筒部51および内向きフランジ部52よりも薄肉である。これにより、折り曲げ部53の曲げ加工を行い易くすることができる。また、曲げ加工を行っても、折り曲げ部53が円筒部51の外周面から突出することがないため、折り曲げ部53を有する外輪5を、ハウジング4内に適切に圧入することが可能となる。
なお、折り曲げ部53の形成方法は、曲げ加工に限定されない。たとえば、プレスや成形ロールによって塑性加工されてもよい。
複数のころ6は、外輪5の軌道面上を転動し、回転軸2を回転可能に支持する。ころ6は、針状ころである。すなわち、本実施の形態に係るシェル形ころ軸受4は、シェル形針状ころ軸受である。回転軸2の回転トルクを減少させるために、複数のころ6は保持器60に保持されている。保持器60は、複数のころ6をそれぞれ収容する複数のポケットを有する。複数のポケットは周方向に一定間隔で設けられているため、保持器60によって複数のころ6の間隔が一定に保たれる。
保持器60の製造方法としては、たとえば、圧延鋼板からポケットを打ち抜き、圧延鋼板を円環状に曲げて端部を溶接する方法がある。この製造方法によれば、保持器60の製造コストを抑えることができる。あるいは、プレスで円環形状を絞り成形してもよいし、鋼管を切削して製造してもよい。また、保持器60の素材は、金属に限定されず、樹脂であってもよい。
シール部材7,8の材質は、たとえば、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。EGR制御弁が排気ガスの通過により高温になることから、シール部材7,8の材質は、高温特性に優れた材質、典型的にはフッ素ゴムとすることが望ましい。
シェル形ころ軸受4を潤滑させるために、軸受内部にグリースが充填されていてもよい。本実施の形態では、外輪5の軸方向両端部にシール部材7,8がそれぞれ設けられるため、これらのシール部材7,8によってグリースの外部への流出を防止することができる。EGR制御弁が排気ガスの通過により高温になることから、グリースの種類としては、たとえばウレアグリース、フッ素グリースなど、高温環境で使用可能な種類を用いることが望ましい。
シール部材7は、内向きフランジ部52の径方向内側に配置され、外輪5に収容されている。シール部材7は、内向きフランジ部52よりも軸方向外側に位置する部分を有さない。以下、シール部材7を内側シール部材7という。
内側シール部材7は、環状に形成され、ころ6の端面と対面する。内側シール部材7は、回転軸2に摺接する少なくとも1つのリップ71を有する。なお、軸受内部にグリースを充填する必要がない場合などにおいては、シェル形ころ軸受は、内向きフランジ部52側のシール部材7を有していなくてもよい。つまり、内向きフランジ部52がころ6の端面と対面していてもよい。
シール部材8は、外輪5の折り曲げ部53によって位置決めされている。具体的には、シール部材8は、外輪5の薄肉部分の内径面に嵌め入れられており、薄肉部分が径方向内側に曲げられた部分である折り曲げ部53によって、外輪5に固定されている。本実施の形態では、折り曲げ部53は、外輪5の薄肉部分の根元部分から折り曲げられて形成されているため、シール部材8は、折り曲げ部53の内径面に嵌め入れられて固定されている。なお、折り曲げ部53は、外輪5の薄肉部分の縁部のみが径方向内側に曲げられて形成されていてもよい。
シール部材8もまた、環状に形成され、ころ6の端面と対面する。シール部材8の形状および配置位置は、内側シール部材7とは異なっている。
シール部材8を位置決めする折り曲げ部53は、上述のように円筒部51に対して鈍角となるよう斜めに配置されている。そのため、径方向内側に真っ直ぐ延びる鍔部によりシール部材を位置決めする形態に比べて、シール部材8の封止性能および製造コストの点において有利となり得る。このことについて、具体的に説明する。
特許文献2,3のシェル形外輪において、径方向内側に真っ直ぐ延びる鍔部は、シール部材の配置のために、その長さが短縮されている。たとえば、鍔部の内径を拡大するためにプレス機などによる鍔部の切断加工を行う場合、鍔部の外側端面に工具が安定して接触する必要があるが、鍔部が短縮されると、その外側端面が工具に接触する面積が減少するので、工具が安定して接触できず、鍔部の倒れ変形が生じてしまう。このような状態になると、シール部材を安定して外輪の鍔部に固定することができない。そうすると、シール部材を安定してハウジングおよび回転軸に密着させることができなくなるため、流体の漏れが発生する。
また、鍔部の内径を拡大するために、切削工具などによる除去加工によって外輪の鍔部の短縮を行うことも考えられるが、その場合、プレス機などによる切断加工よりも製造コストが増加する課題が発生する。
これに対し、本実施の形態によれば、シール部材の配置のために、鍔部の短縮加工をしなくても、シール部材8を折り曲げ部53に安定して固定することができる。したがって、本実施の形態によれば、シール部材8をハウジング1の内周面および回転軸2に安定して状態で密着させることができる。
ここで、図3に示されるように、折り曲げ部53の最小径部分53mの内径D1は、内向きフランジ部52の端面(最小径部分)の内径D2よりも大きい。より具体的には、内向きフランジ部52の端面の内径D2は、保持器60の外径よりも小さいのに対し、折り曲げ部53の最小径部分53mの内径D1は、保持器60の外径よりも大きい。そのため、シェル形ころ軸受4の製造過程において、外輪5に折り曲げ部53が形成された後で、シール部材8を折り曲げ部53に取り付けることができる。
なお、折り曲げ部53の「最小径部分」とは、折り曲げ部53のうち最も内径側に位置する部分であり、具体的には、折り曲げ部53の端面と内径面との間の角部に相当する。折り曲げ部53の最小径部分53mは、折り曲げ部53の先端部53aに含まれる。
(シール部材8の形状および配置位置について)
シール部材8の形状および配置位置については、図4をさらに参照して説明する。図4は、図3の領域IVを拡大して示す図であり、紙面上方がシェル形ころ軸受4の外径方向を示す。
シール部材8の形状および配置位置については、図4をさらに参照して説明する。図4は、図3の領域IVを拡大して示す図であり、紙面上方がシェル形ころ軸受4の外径方向を示す。
シール部材8は、外輪5の折り曲げ部53の先端部53aよりも軸方向内側に位置する部分と軸方向外側に位置する部分とを一体的に有している。シール部材8は、少なくとも3つのリップ81〜83を有している。以下の説明において、3つのリップ81〜83の間に位置して、折り曲げ部53と嵌合する部分を、シール部材8の軸部80という。
シール部材8は、第1のリップ81を含む第1の領域と、第2のリップ82および第3のリップ83を含む第2の領域とを有している。シール部材8のうち第1の領域が、折り曲げ部53の内径面に嵌め入れられて固定されている。シール部材81のうち第2の領域は、折り曲げ部53よりも軸方向外側に位置している。具体的には、第1のリップ81は、折り曲げ部53の先端部53aによって径方向内側に押圧される領域に設けられ、回転軸2の外周面に摺接する。第2のリップ82は、折り曲げ部53の先端部53aよりも軸方向外側に位置し、ハウジング1の孔部12の内周面に摺接する。第3のリップ83は、折り曲げ部53の先端部53aよりも軸方向外側に位置し、回転軸2の外周面に摺接する。
シール部材8を外輪5に取り付ける前の無負荷状態(自由状態)において、第1のリップ81および第3のリップ83の最小径は回転軸2の外径よりも小さく、第2のリップ82の最大径は、外輪5の外径よりも大きい。
折り曲げ部53は、第1のリップ81の付け根部分(基端部)81bの軸方向位置よりも軸方向外側に延びている。これにより、本実施の形態におけるシール部材8は、外輪5の軸方向外側に位置する第2および第3のリップ82,83と、外輪5の軸方向内側に少なくとも付け根部分が位置する第1のリップ81とにより、二重の封止構造となっている。
シール部材8は、その外周面のうち第2のリップ82よりも軸方向内側に位置する部分に、径方向内側に凹む凹部84を有している。また、シール部材8は、凹部84よりも軸方向内側に位置する凸部85を有している。折り曲げ部53の先端部53aは、シール部材8の凹部84内に嵌め入れられている。また、折り曲げ部53の窪み部53bに、シール部材8の凸部85が嵌まり込んでいる。
折り曲げ部53の窪み部53bは、折り曲げ部53の基端部に設けられ、外輪5の円筒部51の内周面(軌道面)よりも径方向外側に窪んでいる。なお、窪み部53bは、円筒状の鋼板の端部に形成された薄肉部分を基端部(根元)から斜めに折り曲げることによって、自然と形成されている。
このように、シール部材8の凹部84および凸部85が、折り曲げ部53に嵌合することにより、シール部材8の軸方向位置を固定することができる。その結果、折り曲げ部53がシール部材8の芯金(補強部材)のような機能を果たすため、折り曲げ部53によってシール部材8を安定的に保持することができる。
第1〜第3のリップ81〜83について詳細に説明する。第1〜第3のリップ81〜83には、相手面(ハウジング1の内周面または回転軸2の外周面)に摺接する環状突起が設けられている。環状突起は、たとえば径方向に突出する山型のリングにより形成される。これにより、環状突起の外径側先端と相手面との接触面圧が部分的に高まるため、流体の封止性を向上させることができる。
図示されるように、第1のリップ81および第3のリップ83は、環状突起を1つずつ有しているのに対し、第2のリップ82は複数(たとえば2つ)の環状突起82a,82bを有している。このように、リップに設ける環状突起の個数を増やすことにより、ハウジング1の内周面とシール部材8との間の封止性を更に向上させることができる。
第1のリップ81は、折り曲げ部53の先端部53aと径方向に見て互いに重なる位置に設けられている。つまり、第1のリップ81と折り曲げ部53の先端部53aとは軸方向位置が重なる。
より特定的には、折り曲げ部53の最小径部分53mが第1のリップ81の軸方向長さL1の範囲内に位置する。第1のリップ81のうち回転軸2と接する部分、すなわち環状突起81aの先端(以下「接触部」ともいう)の軸方向位置は、折り曲げ部53の最小径部分53mを基準として±5mmの範囲内にあることが望ましい。
第1のリップ81の接触部がこのような位置に配置されることにより、折り曲げ部53の先端部53aによって第1のリップ81の接触部が径方向に押圧されるため、回転軸2に対する緊迫力が高められる。
外輪5の軸方向一方端(つまり折り曲げ部53の先端部53a)よりも径方向外側に位置する第2のリップ82と第3のリップ83とは、径方向に見て互いに重なる位置に設けられている。つまり、第2のリップ82と第3のリップ83とは軸方向位置が重なる。本実施の形態において、第2のリップ82と第3のリップ83とは、径方向に互いに対向する位置に設けられている。これにより、第2のリップ82と第3のリップ83とが互いに径方向に押圧され易くなるため、第2のリップ82によるハウジング1に対する緊迫力と第3のリップ83による回転軸2に対する緊迫力の双方を高めることができる。よって、第2のリップ82および第3のリップ83による封止機能を高めることができる。
より特定的には、第3のリップ83の軸方向範囲L3が、第2のリップ82の軸方向範囲L2の少なくとも一部と重なる。第3のリップ83のうち回転軸2と接する部分、すなわち環状突起83aの先端は、第2のリップ82の一方の環状突起82aの先端と他方の環状突起82bの先端との間の範囲内に位置していることが望ましい。また、第3のリップ83の環状突起83aの先端の軸方向位置が、第2のリップ82の2つの環状突起82a,82bのうちの少なくとも一方の先端の軸方向位置を基準として±5mmの範囲内に位置することが望ましい。
これにより、第2のリップ82の接触部(環状突起82a,82b)と第3のリップ83の接触部(環状突起83b)とに突っ張り力が作用する。つまり、第2のリップ82の接触部によって第3のリップ83の接触部が回転軸2の外周面に押し付けられるとともに、第3のリップ83の接触部によって第2のリップ82の接触部がハウジング1の内周面に押し付けられる。したがって、ハウジング1に対する第2のリップ82の接触部の緊迫力、および、回転軸2に対する第3のリップ83の接触部の緊迫力を、効果的に高めることができる。
第1〜第3のリップ81〜83がこのような位置に配置されることにより、排気ガスの外輪5への接触および軸受内部への侵入を効率良く防止することができる。すなわち、外輪5の軸方向一方端よりも外側において第2のリップ82および第3のリップ83が押し付け合う位置に配置されているため、第2のリップ82および第3のリップ83によって排気ガスを遮断することができる(一次遮断)。また、仮に、回転軸2の回転に伴って第3のリップ83と回転軸2との間から微量の排気ガスが漏れ入ったとしても、折り曲げ部53の先端部53aによって押し付けられる第1のリップ81によって、排気ガスが軸受4の内部に侵入することを阻止することができる(二次遮断)。
図示されるように、外輪5の外側に位置する第3のリップ83は、軸部80から径方向内側に向かって斜めに配置されていることが望ましい。これにより、第3のリップ83は、付け根部分よりも先端部の方が排気ガス流路11側(排気ガスの上流側)になるように配置される。したがって、排気ガスの圧力が増加した際に、第3のリップ83の接触部が回転軸2の外周面に押し付けられる力が増すため、封止性を高める効果が得られる。また、この第3のリップ83の押し付け力が、第2のリップ82へと伝達されるため、第2のリップ82の接触部の押し付け力を高めることもできる。
また、第3のリップ83だけでなく第1のリップ81が、外輪5の折り曲げ部53と略同じ方向に傾斜することにより、外輪5の外側からシール部材8を折り曲げ部53に簡易に嵌め込むことができる。つまり、外輪5に折り曲げ部53を形成した後に、簡易にシール部材8を後付けすることができる。
また、第2のリップ82についても、軸部80から径方向外側に向かって斜めに配置されていてもよい。これにより、排気ガスの圧力が増加した際に、外輪5の外側に位置する2つのリップ82,83の接触部がそれぞれハウジング1の内周面および回転軸2の外周面に押し付けられる力が増すため、より十分に封止性を高めることができる。また、シール部材8の後付けをより簡易に行うことができる。
なお、シール部材8の折り曲げ部53への嵌め込みを容易にするために、シール部材8を取り付けた状態において、折り曲げ部53の端面および内径面のうちの少なくとも一方の面とシール部材8の凹部84との間に多少の隙間があってもよい。シール部材8の凹部84は、少なくとも折り曲げ部53の端面の外径側端部および内径側端部と接触していればよい。
なお、本実施の形態においては、第2のリップ82は第3のリップ83に対面する拡張部82eを有している。第2のリップ82が拡張部82eを有することにより、第2のリップ82の軸方向一方端部の厚みが比較的大きくなる。これにより、シール部材8の体積が増えるため、封止性とシール部材8の剛性の向上を図ることができる。
上記のようなシール部材8が、外輪5の折り曲げ部53によって位置決め固定されることにより、外輪5への排気ガスの接触を防止しつつ、シェル形ころ軸受4の内部への排気ガスの流入を効果的に防ぐことができる。また、シール部材8がハウジング1の内周面に接する第2のリップ82を有するため、特許文献2,3のように、ハウジングに段部を加工する必要がない。
したがって、本実施の形態のシェル形ころ軸受4をEGR制御弁に使用することにより、ハウジング1側への加工コストやシェル形ころ軸受4の製造コストを抑えつつ、外輪5の腐食を効果的に防止することができる。
EGRシステムは、排気ガスの一部を吸気側に還流させて再燃焼することで、NOxを低減させている。このようなEGRシステムでは、還流排気量を増加させる傾向にあるため、排気ガスを制御する制御弁は、ポペット弁式バルブではなく、本実施の形態で示したような、大流量を制御できるバタフライ弁体式バルブが採用される傾向にある。ポペット弁を支持する軸受には、滑り軸受が用いられていたが、バタフライ弁体を支持する軸受には転がり軸受が用いられる。
バタフライ弁体を支持する転がり軸受は、回転軸を回転可能に支持するという軸受本来の機能に加えて、排気ガス環境下での腐食に耐えられる必要がある。本実施の形態のシェル形ころ軸受4をEGR制御弁に用いることで、当該軸受4の腐食を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態によれば、シェル形ころ軸受4の腐食を防止するシール部材8が、シェル形外輪5の鍔部である折り曲げ部53によって保持されるため、軸受とは別体のシール部材を設ける構成と比べて、EGR制御弁への組立性を向上させることができる。
(シール部材の他の形状例)
上記実施の形態では、ハウジング1の内周面に接する第2のリップ82が複数の環状突起82a,82bを有していることとしたが、図5に示すシール部材8Aのように、回転軸2の外周面に接する第3のリップ83が複数(2個)の環状突起83a,83bを有していてもよい。
上記実施の形態では、ハウジング1の内周面に接する第2のリップ82が複数の環状突起82a,82bを有していることとしたが、図5に示すシール部材8Aのように、回転軸2の外周面に接する第3のリップ83が複数(2個)の環状突起83a,83bを有していてもよい。
この場合、第2のリップ82の1つの環状突起82aの軸方向位置が、第3のリップ83の2つの環状突起83a,83bのうちの少なくとも一方の軸方向位置を基準として±5mmの範囲内に位置することが望ましい。
なお、それぞれのリップ81〜83に設ける環状突起の個数は、排気ガスの圧力の大きさに応じて定めればよい。つまり、1つのリップの先端部に設けられる環状突起の個数は3個以上であてもよい。また、第1〜第3のリップ81〜83の全てが、複数の環状突起を有していてもよい。排気ガス流路11内の排気ガスが高圧となるような場合に、環状突起の個数を増やすことで、排気ガスの封止性を高めることができる。
また、シール部材は、第1〜第3のリップ81〜83以外にも、1個または複数個のリップをさらに有していてもよい。
(変形例)
上記実施の形態では、外輪5の軸方向一方端部にのみ折り曲げ部53が設けられた例を示したが、軸方向両端部に折り曲げ部53が設けられていてもよい。この場合、上記したシール部材8(または8A)が、外輪5の軸方向他方端の折り曲げ部にも取り付けられていてもよい。
上記実施の形態では、外輪5の軸方向一方端部にのみ折り曲げ部53が設けられた例を示したが、軸方向両端部に折り曲げ部53が設けられていてもよい。この場合、上記したシール部材8(または8A)が、外輪5の軸方向他方端の折り曲げ部にも取り付けられていてもよい。
上記実施の形態では、シェル形ころ軸受4が自動車のEGR制御弁に適用される例について説明したが、限定的ではない。シェル形ころ軸受4を適用し得る流体制御弁としては、たとえば、i)自動車の電子制御スロットルバルブのような吸気流量制御弁、ii)排ガス再循環クーラの出口側に設置される低温排気ガス流路と循環排ガスを排ガス再循環クーラより迂回させるバイパス流路(高温排気ガス流路)とを切り替える排気ガス流路切換弁、iii)エンジンの排気管(ターボチャージャのタービンハウジング)に設置される排気ガス流量(圧力)制御弁が挙げられる。あるいは、排気絞り弁または排気ブレーキ弁などの、他種の排気制御弁に、シェル形ころ軸受4を適用してもよい。
また、シェル形ころ軸受4が適用される流体制御弁は、自動車以外の車両または装置の制御弁であってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,101 ハウジング、2,102 回転軸、3,142,143 玉軸受、4 シェル形ころ軸受、5 シェル形外輪、6 ころ、7,8,8A,141 シール部材、11,111 排気ガス流路、12 孔部、13,113 弁体、14 環状隙間、51 円筒部、52 内向きフランジ部、53 折り曲げ部、53a 先端部、53b 窪み部、53m 最小径部分、60 保持器、80 軸部、81 第1のリップ、82 第2のリップ、83 第3のリップ、81a,82a,82b,83a,83b 環状突起、84 凹部、85 凸部、131 バルブボディ、132 ギヤケース、133 モータケース、191 リターンスプリング、192 中間軸、193〜195 ギヤ、M モータ。
Claims (8)
- ハウジングに対して回転軸を回転可能に支持するシェル形ころ軸受であって、
複数のころと、
前記ころが転動する軌道面を含む円筒部と、前記円筒部の軸方向端部から径方向内側に向かって傾斜して延びる折り曲げ部とを有するシェル形外輪と、
前記シェル形外輪によって固定されたシール部材とを備え、
前記シール部材は、径方向に見て前記折り曲げ部と互いに重なる位置に設けられ、前記回転軸に摺接する第1のリップと、前記折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、前記ハウジングに摺接する第2のリップと、前記折り曲げ部よりも軸方向外側に位置し、前記回転軸に摺接する第3のリップとを含み、
前記第2のリップと前記第3のリップとは、径方向に見て互いに重なる位置に設けられている、シェル形ころ軸受。 - 前記折り曲げ部は、前記第1のリップの基端部の軸方向位置よりも軸方向外側に延びている、請求項1に記載のシェル形ころ軸受。
- 前記シール部材は、その外周面のうち前記第2のリップよりも軸方向内側に位置する部分に、径方向内側に凹む凹部をさらに含んでおり、
前記折り曲げ部の先端部が、前記凹部に嵌め入れられている、請求項1または2に記載のシェル形ころ軸受。 - 前記折り曲げ部は、前記円筒部よりも薄肉であり、
前記折り曲げ部の基端部には、前記円筒部の内周面よりも径方向外側に窪んだ窪み部が設けられており、
前記シール部材は、前記シェル形外輪の前記窪み部に嵌まり込む凸部をさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載のシェル形ころ軸受。 - 前記第2のリップの最大径は、前記シェル形外輪の外形よりも大きい、請求項1〜4のいずれかに記載のシェル形ころ軸受。
- 前記第2のリップは、前記ハウジングに接する複数の環状突起を有している、請求項1〜5のいずれかに記載のシェル形ころ軸受。
- 前記第3のリップは、前記回転軸に接する複数の環状突起を有している、請求項1〜6のいずれかに記載のシェル形ころ軸受。
- 前記シェル形外輪は、前記折り曲げ部を前記円筒部の軸方向一方側にのみ有し、前記円筒部の軸方向他方側には、径方向内側に真っ直ぐ延びる内向きフランジ部を有しており、
前記内向きフランジ部の軸方向内側に収容された内側シール部材をさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載のシェル形ころ軸受。
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JP2017118254A JP2019002497A (ja) | 2017-06-16 | 2017-06-16 | シェル形ころ軸受 |
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2017
- 2017-06-16 JP JP2017118254A patent/JP2019002497A/ja active Pending
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