JP2019002171A - 水道用ねじ式弁筐 - Google Patents
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Abstract
【課題】 工事現場での弁筐の長さ(高さ)調整を楽に行うことができると共に、蓋受枠上面のGLとの位置合わせ並びに設置後の嵩上げ、嵩下げ工事を現行のねじ式弁筐より遙かに迅速且つ楽に行うことができる水道用ねじ式弁筐を提供することができ、しかもユンボ等の吊り上げ機具を用いずに搬送及び設置作業を楽に行うことができる水道用ねじ式弁筐を提供する。【解決手段】鋳物製の下部筐体1と、硬質塩化ビニール製の中間筐体2と、蓋受枠部4を備えた鋳物製のねじ筐体3とから構成する。また、ねじ筐体3は内面に雌ねじを設けた雌ねじ筐体3aと外面下部に雄ねじを設けた雄ねじ筐体3bとからなり、ねじ山のピッチを大きくすると共に、雌ねじ筐体3aの上端に雨水、土砂の侵入防止用のパッキン材7を設ける。【選択図】図1
Description
本発明は、水道用ねじ式弁筐の改良に関するものである。
現在一般に使用されている水道用ねじ式弁筐は、上部内面に雌ねじを設けた鋳物製の円筒状の筐体と、前記雌ねじに螺合し、上部に蓋受枠を一体に設けた鋳物製の円筒状の昇降筐体とから構成したもので、これら筐体と昇降筐体とは一体として工場から出荷され、現場に搬送されるものであるため、重量が大きく、設置作業にユンボ等の吊り上げ機具を必要とし、取扱に不便であり、また、本舗装後の嵩上げ嵩下げ時の昇降筐体の回動操作を円滑に行い難いという問題があった。
すなわち、弁筐の長さ(高さ)調整を行った弁筐の埋設状態は、筐体から上昇した昇降筐体に土圧が加わっているため、そのままでは昇降筐体を嵩上げ又は嵩下げのために回動しようとしても摩擦抵抗が大きく、円滑に回動できず下部筐体から上昇した上部筐体の周囲の土砂を除去しなければ回動動作を円滑に行い難かった。
日本水道協会規格 JWWA 水道用ねじ式弁筐 (社)日本水道協会 平成12年6月8日発行
そこで、 本発明は、工事現場での弁筐の長さ(高さ)調整を楽に行うことができると共に、蓋受枠上面のGLとの位置合わせ並びに設置後の嵩上げ、嵩下げ工事を現行のねじ式弁筐より遙かに迅速且つ楽に行うことができる水道用ねじ式弁筐を提供することができ、しかもユンボ等の吊り上げ機具を用いずに搬送及び設置作業を楽に行うことができる水道用ねじ式弁筐を提供することを課題とするものである。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、請求項1記載の発明は、鋳物製の下部筐体と、プラスチック製の中間筐体と、蓋受枠部を備えた鋳物製のねじ筐体とから成り、ねじ筐体は内面に雌ねじを設けた雌ねじ筐体と外面下部に雄ねじを設けた雄ねじ筐体とからなり、ねじ山のピッチを大きくすると共に、雌ねじ筐体の上端に雨水、土砂の侵入防止用パッキン材を設けたことを特徴とする水道用ねじ式弁筐である。
請求項2記載の発明は、鋳物製の下部筐体と、プラスチック製の中間筐体と、蓋受枠部を備えた鋳物製のねじ筐体とから成り、ねじ筐体は内面に雌ねじを設けた雌ねじ筐体と外面下部に雄ねじを設けた雄ねじ筐体とからなり、ねじ山のピッチを大きくすると共に、雌ねじ筐体の上端に雨水、土砂の侵入防止用パッキン材を設けると共に、ねじ筐体の中間筐体との継ぎ部を大きくし、且つ前記継ぎ部に中間筐体固定用の楔又はボルトを設けたことを特徴とする水道用ねじ式弁筐である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明において、前記ねじ筐体の雌ねじ筐体の上部と雄ねじ筐体間に楔を挿入することを特徴とする水道用ねじ式弁筐である。
プラスチック製の中間筐体の材料としては硬質塩化ビニール管が好ましい。
請求項1記載の発明は、鋳物製の下部筐体と、プラスチック製の中間筐体と、蓋受枠部を備えた鋳物製のねじ筐体の3個の部材より構成され、それらを組み立てる構成としたので、ユンボ等の吊り上げ機具を用いずとも人力のみによる組立設置作業を行うことができる利点がある。また、中間筐体を例えば硬質塩化ビニール管で構成した場合、硬質塩化ビニール管は、カッターで簡単に切断することができるので、現場の状況に合致した長さの弁筐を簡単かつ容易に構成することができる。従って、長さの異なる専用の中間筐体を多数用意しておく必要がないので、在庫管理上有益である。また、硬質塩化ビニール管は中間筐体を鋳物製又は鋼管製とした場合よりも軽量であるから、設置作業の能率を向上させる効果がある。また、ねじ筐体のねじ山のピッチを大きくしたので、弁筐の高さの微調整を迅速に行うことができ、従って、弁筐の設置作業効率を従来のねじ式弁筐より遙かに向上させる効果がある。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果が得られるばかりでなく、ねじ筐体の中間筐体との継ぎ部を大きくしたので、中間筐体の上端をGLの勾配に倣って切断してねじ筐体と接続し、楔又はボルトで固定することにより、勾配を持つ道路用の弁筐として迅速に対応することができる利点がある。
請求項3記載の発明によると、振動を強く受ける現場に弁筐を設置しても、ねじ筐体のねじ山のピッチを大きくしたことに基因する雄ねじ筐体の沈下を防止することができる。
図1は、本発明を仕切弁の弁筐に適用した場合の実施例の縦断面図である。図中、1は鋳物製の下部筐体、2は硬質塩化ビニール管から成る中間筐体、3は鋳物製のねじ筐体である。
ねじ筐体3は内面に雌ねじPを設けた雌ねじ筐体3aと、外面下部に雄ねじQを設けた雄ねじ筐体3bとからなり、ねじ山のピッチを大きくし、実施例では雌ねじPのねじ山と、上位の雄ねじQのねじ山間hが略3cmとなっている。
そして、雄ねじ筐体3bの上部には蓋受枠部4が形成され、内側に両側を切欠して、回動係合部5,5を設けた鍔状のジャッキ係合部6,6が設けられている。なお、図中、7は雌ねじ筐体3aの上端に嵌合したパッキン材、8は蓋(図示せず)の繋留索止めで、パッキン材7はゴムまたはプラスチック製弾性材であって、雌ねじ筐体3aと雄ねじ筐体3bの隙間から土砂や雨水の侵入を防止するものである。
中間筐体2の下部は、下部筐体1の上部に突設された突部1aの外側に嵌合し、上部は雌ねじ筐体3aの下部に設けた接続部3a’内に嵌合する。
次に、実施例1に示したねじ式弁筐の現場における設置手順について説明する。まず、下部筐体1を設置し、次に予め用意した長めの硬質塩化ビニール管から成る中間筐体2を現場で適切な長さに截断した後、下端を下部筐体1の突部1aに嵌合させ、必要に応じてボルト(図示せず)で固定し、次いで中間筐体2の周囲を埋め戻し、転圧した後、ねじ筐体3を中間筐体2に接続する。
蓋受枠5の上面がGLと一致していない場合は、図4(a)に例示した回動工具9の引掛部9aの両端を雌ねじ筐体3aの回動係合部5,5に係合させて、雌ねじ筐体3aを回動して微調整し、図3に示すように蓋受枠部4の上面をGLと一致させる。この作業終了後、ねじ筐体3aの周囲を埋め戻し、転圧後にアスファルト舗装を施し、弁筐の設置工事を完了する。
この設置工事の手順は、以上説明した手順に限定されるものではなく、例えば、予め、下部筐体1に中間筐体2を取付けたものを最初に設置するようにしてもよい。また、この実施例では、中間筐体2として長目の硬質塩化ビニール管を現場で適切な長さに切断する方法を採用したが、所定長さの中間筐体2を使用するようにしてもよいことは勿論である。
以上、本発明の利点であるユンボ等の吊り上げ機具を用いずに人力のみにより設置する場合の手順について説明したが、従来のねじ式弁筐と同様、一体に組立てた弁筐をユンボ等の吊り上げ機具を用いて設置するようにしてもよい。
なお、実施例1に示す弁筐は、雄ねじ筐体3bの上部に土圧が加わっているので、通常雄ねじ筐体3bが沈下することはないが、螺合するねじ山のピッチを大きく構成しているため、振動の激しい場所に設置した場合には、ねじが緩み沈下する心配がある。その場合、図3に示すように、楔10を雌ねじ筐体3aと雄ねじ筐体3b間に打ち込んでおくことにより問題を解決することができる。
また、雄ねじ筐体3bの上部に土圧が加わって、保持されている場合、嵩上げ嵩下げのため回動工具9によって手作業で雄ねじ筐体3bを回動させることは困難である。その場合は、例えば、図4(b)に示したジャッキ11を用い、その引掛部11aの両端を蓋受枠部4のジャッキ係合部6,6に係合させて、h(実施例では約3cm)だけ雄ねじ筐体3bを引き上げて、土圧との縁を切るようにする。かくすれば、嵩上げ嵩下げのための雄ねじ筐体3bの回動が可能となり、高さ調整後ランマー等で突き固めるようにすればよい。
実施例2はGLに勾配がある場合にも用いることができる弁筐の実施例で、図5はその縦断面図、図6は同平面図、図7は施工状態の縦断面図である。
実施例2は、鋳物製下部筐体1と、硬質塩化ビニール管を用いた中間筐体2と鋳物製のねじ筐体3とで構成した点は実施例1と同じであるが、ねじ筐体3の接続部3a’を大きく、懐を大きくし、且つ楔挿入孔12を設け、この楔挿入孔12に楔13を打ち込んで、中間筐体2の上部を固定するように構成した点が相違する。
実施例2の弁筐は、以上のように構成されるので、図7に示すように、GLに勾配がある場所に設置する場合、中間筐体2の上端をGLの勾配に倣って截断し、接続部3a’に係合させて、楔13を楔挿入孔12に打ち込んで固定することによりGLに勾配がある場合の弁筐を提供することができ、使い勝手が良く、便利な弁筐である。
実施例3は、実施例2と同様に、GLに勾配がある場合にも用いることができる弁筐の異なる実施例で、図8はその縦断面図、図9は同平面図である。この実施例3の要部構成は実施例2と殆ど同じであるが、中間筐体2とねじ筐体3を固定する手段として楔13ではなくボルト14で行うようにした点が相違する。使い勝手及び便利さは実施例2と同様である。
本発明は、以上の実施例による説明より明らかなように、人力のみにより設置作業を行うことができ、しかも所要高さの弁筐を従来のねじ式弁筐よりも簡単かつ容易に提供すると共に、調整及び補修工事を迅速に行うことができ、使い勝手が良く、その実用的価値は大である。
即ち、従来のねじ式弁筐は、設置後上部筐体の雄ねじ部に土圧が加わっているため、嵩上げ、嵩下げを行う場合には、上部筐体の回動操作を容易にするため、雄ねじ部の周囲の土砂を取り除かなければならなかったが、本発明に係るねじ式弁筐は、雄ねじ筐体3bの上部にはねじ山がなく、しかもhだけ上方に移動可能の構造のため、ジャッキ11を用いて上方にスライドさせて土圧との縁を切るようにすることにより、雄ねじ筐体3bの回動が可能となるので簡単かつ楽に嵩上げ嵩下げを行うことができる。また、請求項2記載の発明によれば、GLに勾配がある場所に用いる弁筐としても適応しうるものを提供することができる。
1 下部筐体
1a 突部
2 中間筐体
3 ねじ筐体
3a 雌ねじ筐体
3b 雄ねじ筐体
4 蓋受枠部
5 回動係合部
6 ジャッキ係合部
7 パッキン材
8 繋留索止め
9 回動工具
9a 引掛部
10,13 楔
11 ジャッキ
11a 引掛部
12 楔挿入孔
14 ボルト
1a 突部
2 中間筐体
3 ねじ筐体
3a 雌ねじ筐体
3b 雄ねじ筐体
4 蓋受枠部
5 回動係合部
6 ジャッキ係合部
7 パッキン材
8 繋留索止め
9 回動工具
9a 引掛部
10,13 楔
11 ジャッキ
11a 引掛部
12 楔挿入孔
14 ボルト
Claims (3)
- 鋳物製の下部筐体と、プラスチック製の中間筐体と、蓋受枠部を備えた鋳物製のねじ筐体とから成り、ねじ筐体は内面に雌ねじを設けた雌ねじ筐体と外面下部に雄ねじを設けた雄ねじ筐体とからなり、ねじ山のピッチを大きくすると共に、雌ねじ筐体の上端に雨水、土砂の侵入防止用パッキン材を設けたことを特徴とする水道用ねじ式弁筐。
- 鋳物製の下部筐体と、プラスチック製の中間筐体と、蓋受枠部を備えた鋳物製のねじ筐体とから成り、ねじ筐体は内面に雌ねじを設けた雌ねじ筐体と外面下部に雄ねじを設けた雄ねじ筐体とからなり、ねじ山のピッチを大きくすると共に、雌ねじ筐体の上端に雨水、土砂の侵入防止用パッキン材を設けると共に、ねじ筐体の中間筐体との継ぎ部を大きくし、且つ前記継ぎ部に中間筐体固定用の楔又はボルトを設けたことを特徴とする水道用ねじ式弁筐。
- 前記ねじ筐体の雌ねじ筐体の上部と雄ねじ筐体間に楔を挿入することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水道用ねじ式弁筐。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017116332A JP2019002171A (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | 水道用ねじ式弁筐 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017116332A JP2019002171A (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | 水道用ねじ式弁筐 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019002171A true JP2019002171A (ja) | 2019-01-10 |
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ID=65004770
Family Applications (1)
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JP2017116332A Pending JP2019002171A (ja) | 2017-06-13 | 2017-06-13 | 水道用ねじ式弁筐 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2019002171A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020109735A (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-16 | 株式会社パワーフォー | 二次電池 |
-
2017
- 2017-06-13 JP JP2017116332A patent/JP2019002171A/ja active Pending
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JP2020109735A (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-16 | 株式会社パワーフォー | 二次電池 |
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