JP2019001289A - ステアリング装置 - Google Patents

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Yoshifumi Kurokawa
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Abstract

【課題】支持ブラケットによるディスタンスブラケットの保持力の向上れる構造を実現する。
【解決手段】支持ブラケット18aを構成する1対の支持板部36a、36bとインナコラム14aとの間に、アウタコラムと一体に設けられたディスタンスブラケット17aの1対の側板部52a、52bを配置する。ステアリングホイールを調節後の位置に保持すべく調節レバー26aを操作した際に、側板部52a、52bに設けたコラム押圧部56a、56bによりインナコラム14aを上方に押し上げ、側板部52a、52bの上部に設けられた1対の拡幅部58a、58bを幅方向外側に押し拡げる。そして、拡幅部58a、58bを支持板部46a、46bとインナコラム14aとの間で挟持する。
【選択図】図5

Description

この発明は、自動車等の車両の操舵輪に舵角を付与する為のステアリング装置の改良に関する。
自動車用のステアリング装置は、例えば特許文献1等に記載され、従来から知られている様に、図21に示す様に構成して、ステアリングホイール1の回転をステアリングギヤユニット2の入力軸3に伝達し、この入力軸3の回転に伴い左右1対のタイロッド4、4を押し引きして、車輪(前輪)に舵角を付与する様にしている。
前記ステアリングホイール1は、ステアリングシャフト5の後端部に支持固定されており、このステアリングシャフト5は、円筒状のステアリングコラム6を軸方向に挿通した状態で、このステアリングコラム6に回転自在に支持されている。又、前記ステアリングシャフト5の前端部は、自在継手7を介して中間シャフト8の後端部に接続され、この中間シャフト8の前端部は、別の自在継手9を介して、前記入力軸3に接続されている。又、図示の例は、電動モータ10を補助動力源として前記ステアリングホイール1を操作する為に要する力の低減を図る、電動アシスト装置も組み込んでいる。
尚、本明細書及び特許請求の範囲に於いて、前後方向、幅方向(左右方向)及び上下方向は、特に断らない限り、車両の前後方向、幅方向(左右方向)及び上下方向を言う。
図示の構造の場合には、運転者の体格や運転姿勢に応じて、前記ステアリングホイール1の上下位置を調節する為のチルト機構と、前後位置を調節する為のテレスコピック機構とを備えている。このうちのチルト機構を構成する為に、前記ステアリングコラム6を車体11に対し、幅方向に設置した枢軸12を中心とする揺動変位を可能に支持している。又、テレスコピック機構を構成する為に、前記ステアリングコラム6を、後側のアウタコラム13と前側のインナコラム14とをテレスコープ状に伸縮可能に組み合わせた構造としている。又、前記ステアリングシャフト5を、後側のアウタシャフト15と前側のインナシャフト16とをスプライン係合等によりトルク伝達可能に且つ伸縮可能に組み合わせた構造としている。更に、前記アウタコラム13の後端寄り部分に固設したディスタンスブラケット17を、車体11に支持固定した支持ブラケット18に対して、上下方向及び前後方向の変位を可能に支持している。
上述した様なステアリングホイールの位置調節を可能とするステアリング装置の場合、ステアリングホイールの位置調節が可能な状態と、調節後の位置に保持可能な状態とを、クランプ機構を利用して切り替える事が従来から考えられている。この様なクランプ機構の具体的構造に就いて、特許文献2に記載された図22を参照しつつ説明する。
図示の構造の場合、アウタコラム13の下面にスリット19を形成すると共に、このスリット19を幅方向両側から挟む部分に、ディスタンスブラケット17を設けている。又、このディスタンスブラケット17を構成する1対の側板部20a、20bに、前後方向に長い1対のテレスコ調節用長孔21、21を形成している。一方、車体に支持固定される支持ブラケット18のうち、前記両側板部20a、20bの幅方向両側に配置される1対の支持板部22a、22bに、上下方向に長いチルト調節用長孔23、23を形成している。そして、これら両チルト調節用長孔23、23及び前記両テレスコ調節用長孔21、21に、調節ロッド24を幅方向に挿通している。
又、前記調節ロッド24の先端部で、前記1対の支持板部22a、22bのうちの一方(図22の右側)の支持板部22aの幅方向外側面から突出した部分に、ナット25を螺合している。これに対し、前記調節ロッド24の基端部で、前記1対の支持板部22a、22bのうちの他方(図22の左側)の支持板部22bの幅方向外側面から突出した部分に、調節レバー26を固定している。又、この調節レバー26と前記他方の支持板部22bの幅方向外側面との間に、カム装置27を設けている。そして、前記調節レバー26の操作に基づいて、このカム装置27の幅方向寸法を拡縮可能としている。
又、前記調節ロッド24の中間部周囲に、偏心カム28を相対回転不能に外嵌固定している。そして、この偏心カム28を、前記スリット19を通じて前記アウタコラム13の内側に進入させている。
ステアリングホイール1(図21参照)の上下位置又は前後位置を調節する際には、前記調節レバー26を所定方向に揺動させて、前記カム装置27の幅方向寸法を縮める。これにより、前記両支持板部22a、22bの幅方向内側面と前記両側板部20a、20bの幅方向外側面との間に作用している摩擦力を小さくする。これと共に、前記偏心カム28の外周面と前記インナコラム14の外周面との間に隙間を介在させる。この結果、前記調節ロッド24が、前記両チルト調節用長孔23、23及び前記両テレスコ調節用長孔21、21内で変位できる範囲で、前記ステアリングホイール1の位置を調節する事が可能になる。
これに対し、前記ステアリングホイール1の位置調節後は、前記調節レバー26を前記所定方向とは逆方向に揺動させて、前記カム装置27の幅方向寸法を拡げる。これにより、前記両支持板部22a、22bの幅方向内側面と前記両側板部20a、20bの幅方向外側面との間に作用する摩擦力を大きくする。これと共に、前記偏心カム28の外周面を前記インナコラム14の外周面に向けて押し付け、このインナコラム14の外周面と前記アウタコラム13の内周面とを摩擦係合させる。この結果、前記ステアリングホイール1が調節後の位置に保持される。
上述した様な従来構造のステアリング装置の場合、幅方向内方に向けて弾性変形する前記両支持板部22a、22bの幅方向内側面と前記両側板部20a、20bの幅方向外側面との間に作用する摩擦力のみによって、前記ディスタンスブラケット17を前記支持ブラケット18により保持している。この為、この支持ブラケット18による前記ディスタンスブラケット17の保持力の向上を図る面から未だ改良の余地がある。
特開2014−104786号公報 特開2010−30579号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、支持ブラケットによるディスタンスブラケットの保持力の向上を図れる構造を実現するものである。
本発明のステアリング装置は、ステアリングコラムと、支持ブラケットと、ディスタンスブラケットと、調節ロッドとを備えている。
このうちのステアリングコラムは、例えば円筒状や角筒状等の中空筒状で、ステアリングシャフトをその内径側に回転自在に支持する為のものであり、アウタコラムとこのアウタコラムの内径側に軸方向の変位を可能に嵌合されたインナコラムとを有している。
前記支持ブラケットは、車体に支持固定されるもので、前記ステアリングコラムの幅方向両側に配置される1対の支持板部を有する。
前記ディスタンスブラケットは、前記1対の支持板部の幅方向内側面と、前記ステアリングコラム(インナコラム)の外周面との間部分に配置される1対の側板部を有している。
前記調節ロッドは、前記1対の支持板部のうち少なくとも一方の支持板部を幅方向に貫通する状態で設けられた第一通孔、及び、前記1対の側板部をそれぞれ幅方向に貫通する状態で設けられた1対の第二通孔を、それぞれ幅方向に挿通する状態で設けられている。
特に本発明のステアリング装置の場合には、前記ディスタンスブラケットを、前記アウタコラムの一部に一体に設けており、幅方向に関して前記1対の側板部同士の間部分に前記インナコラムを挟持している。
又、前記インナコラムを上下方向に関して前記調節ロッドから離れる方向に押圧するコラム押圧部を設けている。
又、前記1対の側板部のうち、上下方向に関して前記インナコラムの中心軸を挟んで前記調節ロッド(コラム押圧部)とは反対側に、この調節ロッドから離れる程幅方向内側面同士の間隔が直線的又は曲線的に小さくなり、この調節ロッドから離れる方向に変位する前記インナコラムにより幅方向外側に押し拡げられる、1対の拡幅部を設けている。
本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、上下方向に関して前記インナコラムの中心軸よりも下方に前記コラム押圧部を設け、上下方向に関してこのインナコラムの中心軸よりも上方に前記1対の拡幅部を設ける事ができる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記1対の側板部の幅方向内側面のうち、前記1対の拡幅部に対し上下方向に関して前記調節ロッド側に隣接した部分(例えば上下方向に関してインナコラムの中心軸と整合する部分)に、それぞれ幅方向外側に凹む事で前記インナコラムの外周面と非接触となる、凹部を設ける事ができる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記コラム押圧部を、前記ディスタンスブラケットを構成する1対の側板部にそれぞれ設ける事ができる。
具体的には、前記1対の側板部のうち、上下方向に関して前記インナコラムの中心軸と前記各第二通孔との間に位置する部分(例えば第二通孔が形成された部分に対し上下方向に関してインナコラム側に隣接した部分)に、互いに近づく方向(幅方向内方)に向けてそれぞれ突出する状態で、コラム押圧部を設ける事ができる。
この場合には、前記各コラム押圧部の幅方向内側面を、上下方向に関して前記調節ロッドから離れる程幅方向外方に向かう方向に傾斜させて、前記1対のコラム押圧部の幅方向内側面同士の間隔を、上下方向に関して前記調節ロッドから離れる程大きくする。
又、上述した様な請求項4に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記調節ロッドの中心軸に直交する仮想平面を基準とする、前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度と、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度とを、互いに異ならせる事ができる。
この場合には、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度を、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度よりも小さくする事もできるし、反対に、請求項7に記載した発明の様に、前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度を、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度よりも大きくする事もできる。
或いは、前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度と、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度とを互いに同じにする事もできる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項8に記載した発明の様に、前記コラム押圧部を、前記調節ロッドの周囲に設けられた(例えば一体に又は相対回転不能に支持された)、中心から外周面までの距離が円周方向位置に応じて変化する偏心カムにより構成する事もできる。
尚、本発明を実施する場合に、請求項4に記載した発明の様な、側板部に設けるコラム押圧部と、請求項8に記載した発明の様な、調節ロッドに設けるコラム押圧部(偏心カム)とを、何れか片方のみ備える事もできるし、両方同時に備える事もできる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項9に記載した発明の様に、前記インナコラムを多角筒状(例えば6、8、10、12、14角筒状等であり、正多角筒状に限らない)に構成する事もできる。
或いは、前記インナコラムを円筒状に構成する事もできる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項10に記載した発明の様に、前記アウタコラムを前側(ロアー側)に、前記インナコラムを後側(アッパー側)に、それぞれ配置し、このアウタコラムの後端部に前記ディスタンスブラケットを一体に設ける事ができる。
この場合には、例えば請求項11に記載した発明の様に、前記アウタコラムを、このアウタコラムよりも前方に配置される電動アシスト装置を構成するギヤハウジングと一体に構成する事もできる。
又、この様な請求項11に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項12に記載した発明の様に、前記アウタコラムを、幅方向に離隔すると共にそれぞれが前後方向に伸長した1対のコラム側板を有するものとし、これら各コラム側板の前端部を、前記ギヤハウジングに連結し、これら各コラム側板の後端部に、前記各側板部を一体に設ける事ができる。
更に、この様な請求項12に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項13に記載した発明の様に、前記1対の側板部(コラム側板)の後端部同士を、前記インナコラムを跨ぐ様に配置された連結部により幅方向に連結する事ができる。
或いは、請求項14に記載した発明の様に、前記1対の側板部(コラム側板)の後端部同士を、幅方向に連結せずに互いに離隔させる事ができる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項15に記載した発明の様に、前記インナコラムを前側(ロアー側)に、前記アウタコラムを後側(アッパー側)に、それぞれ配置し、このアウタコラムの前端部に前記ディスタンスブラケットを一体に設ける事ができる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項16に記載した発明の様に、前記支持ブラケットに、前記1対の支持板部の上端部からそれぞれ幅方向外側に折れ曲がる状態で1対の取付板部を設ける。そして、これら1対の取付板部のうち少なくとも一方の取付板部と、この取付板部の幅方向内端部から下方に垂れ下がった(例えば略直角に折れ曲がった)前記支持板部との間(折れ曲がり部、隅角部)に、補強リブを例えば架け渡す様にして設ける事ができる。
別の言い方をすれば、幅方向片側に配置された取付板部と支持板部との折れ曲がり部と、幅方向他側に配置された取付板部と支持板部との折れ曲がり部との少なくとも一方に、補強リブを設ける事ができる。
上述した様な補強リブを設ける場合には、この補強リブは、前記支持ブラケットと一体に造る事もできるし、又は、別体として溶接等により固定する事もできる。例えば、前記支持ブラケットを、アルミニウム系合金等の軽合金製の材料(素材)に、押し出し成形、引き抜き成形、ダイキャスト成形等を施す事により造る場合には、前記補強リブを前記支持ブラケットと一体に造る事ができる。これに対し、前記支持ブラケットを、金属板にプレス加工(打ち抜き加工、曲げ加工)等を施して造る場合には、前記補強リブを別体として、この支持ブラケットに固定する事ができる。
前記補強リブを設ける場合に、この補強リブの形状に就いては特に問わない。例えば、平板状、三角柱状(例えば直角三角柱状)、円柱状(例えば四分の一円柱状)、角柱状等を採用する事ができる。
又、前記補強リブを、前後方向両側が開口した中空構造とする事ができる。
又は、前記補強リブを、中実構造とする事もできる。
又、前記補強リブには、上方のみ(又は下方のみ)が開口した除肉部を設ける事もできる。
又、前記補強リブの形成範囲も特に問わない。例えば、前記取付板部と前記支持板部との間の折れ曲がり部のうち、支持板部に設けられる第一通孔の直上部(第一通孔と前後方向に関して整合する範囲)に形成する事ができる。又、前記補強リブは、前記折れ曲がり部の前後方向全長に亙って連続的又は間欠的に設ける事もできるし、この折れ曲がり部の前後方向一部に設ける事もできる。
又、前記補強リブと前記1対の拡幅部とを、上下方向に関して整合(幅方向に関して重畳)する位置に設ける事ができる。
又、本発明のステアリング装置を実施する場合には、例えば請求項17に記載した発明の様に、前記両支持板部のうち、一方の支持板部を、他方の支持板部よりも下方に垂れ下げ、この一方の支持板部にのみ、前記第一通孔を設ける事ができる。この場合に、前記他方の支持板部の下端部は、前記調節ロッドよりも上方に位置させる事ができる。
上述した様な構成を有する本発明のステアリング装置によれば、支持ブラケットによるディスタンスブラケットの保持力の向上を図れる。
即ち、本発明の場合には、ステアリングホイールを調節後の位置に保持する際に、コラム押圧部により、インナコラムを上下方向に関して調節ロッドから離れる方向に押圧し当該方向に変位させる。そして、ディスタンスブラケットを構成する1対の側板部に設けられた1対の拡幅部を、前記インナコラムにより幅方向外側に押し拡げる。これにより、前記1対の拡幅部を、支持ブラケットを構成する1対の支持板部の幅方向内側面と前記インナコラムの外周面との間で挟持する。ここで、前記1対の拡幅部の幅方向内側面同士の間隔は、前記インナコラムの変位方向(調節ロッドから離れる方向)に向かう程小さくなっている為、前記1対の拡幅部を、くさび効果により、前記1対の支持板部の幅方向内側面と前記インナコラムの外周面との間で強く挟持できる。従って、本発明によれば、前記支持ブラケットによる前記ディスタンスブラケットの保持力を向上できる。
又、請求項2に記載した発明によれば、前記1対の支持板部のうち、幅方向に関する剛性の高い上端側部分の幅方向内側面に対し、前記1対の拡幅部を押し付ける事ができる為、前記保持力をより向上させる事ができる。
更に、請求項16に記載した発明によれば、前記支持板部の幅方向に関する剛性をより効果的に高める事ができる為、前記保持力の更なる向上を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、ステアリング装置の斜視図。 同じく図1から支持ブラケットを省略して示す斜視図。 同じくディスタンスブラケット及びギヤハウジングが一体に設けられたアウタコラムを取り出して示す斜視図。 同じく側面図。 同じく図1のA−A断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3に相当する図。 本発明の実施の形態の第3例に関し、ディスタンスブラケットが一体に設けられたアウタコラムを取り出して示す斜視図。 本発明の実施の形態の第4例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第6例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第7例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第8例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第9例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第10例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第11例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第12例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第13例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第14例を示す、図5に相当する図。 本発明の実施の形態の第15例を示す、図5に相当する図。 同じく図19のB−B断面に相当する模式図。 従来から知られているステアリング装置の1例を示す、部分切断側面図。 従来構造のクランプ機構を説明する為に示す、図21のC−C断面に相当する図。 本発明の実施の形態の変形例を示す、図8に相当する図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜5を参照しつつ説明する。本例の自動車用ステアリング装置は、ステアリングホイール1(図21参照)の前後位置及び上下位置を調節可能とするもので、ステアリングコラム6aと、ステアリングシャフト5aと、支持ブラケット18aと、ディスタンスブラケット17aと、調節ロッド24a等を含んで構成されるクランプ機構29とを備えている。
前記ステアリングコラム6aは、前側(ロアー側)に配置されたアウタコラム13aの後部の内径側に、後側(アッパー側)に配置されたインナコラム14aの前部を、軸方向の相対変位を可能に嵌合させる事により、全長を伸縮可能に構成している。
このうちのアウタコラム13aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金の如き軽合金をダイキャスト成形する等により造られており、前方に配置される電動アシスト装置30を構成するギヤハウジング31(後側ハウジング素子33c)、及び、後端部の周囲に配置される前記ディスタンスブラケット17aと、それぞれ一体に設けられている。
本例の場合、前記アウタコラム13aを、幅方向に離隔すると共にそれぞれが前後方向に伸長した1対のコラム側板32a、32bから構成している。これら両コラム側板32a、32bはそれぞれ、上部に設けられた略矩形平板状の立壁部35a、35bと、下部乃至中間部に設けられた、前記アウタコラムの13aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が略部分円弧状である部分円筒部36a、36bとから構成されている。別の言い方をすれば、これら両部分円筒部36a、36bのそれぞれの上端部に、前記各立壁部35a、35bが立設する状態で設けられている。
前記各立壁部35a、35bの上面には、それぞれ断面矩形状の除肉部(凹部)37、37が、前後方向に離隔した状態で複数(図示の例では5つ)ずつ形成されている。又、前記各部分円筒部36a、36bの幅方向内側面には、前記インナコラム14aの外周面の曲率半径よりも僅かに大きい曲率半径を有する凹円弧状の保持凹部38が設けられている。
上述の様な構成を有する前記各コラム側板32a、32bの前端部は、前記ギヤハウジング31を構成する前側、中間、後側各ハウジング素子33a、33b、33cのうち、円盤状の後側ハウジング素子(カバー)33cにそれぞれ連結されている。これにより、前記両コラム側板32a、32bをこの後側ハウジング素子33cと一体に設けている。別の言い方をすれば、前記各コラム側板32a、32bは、前記後側ハウジング素子33cにそれぞれ片持ち支持されている。又、これら両コラム側板32a、32bの前端部幅方向外側面のうち、上下方向に関して前記アウタコラム13aの中心軸と整合する部分と、前記後側ハウジング素子33cの後面との間には、略三角板状の補強部34、34を設けている。
又、前記両立壁部35a、35b(両部分円筒部36a、36bの上端部)と前記後側ハウジング素子33cとにより三方を囲まれる部分には、前後方向に伸長した上部スリット39を設けている。同様に、前記両部分円筒部36a、36bの下端部と前記後側ハウジング素子33cとにより三方を囲まれる部分には、前後方向に伸長した下部スリット40を設けている。又、前記上部、下部各スリット39、40のそれぞれの後端部は、後方に開口している。
又、前記両コラム側板32a、32b(後述する側板部52a、52b)の後端部同士を、環状連結部41により幅方向に連結している。この環状連結部41は、1対の腕部42a、42bと、環状部43とから構成されており、このうちの両腕部42a、42bの前端部を、前記両コラム側板32a、32b(側板部52a、52b)の後端面のうち、上下方向に関して前記アウタコラム13aの中心軸と整合する部分に連結している。又、前記両腕部42a、42bの後端部を、前記環状部43の幅方向両端部に連結しており、この状態で、この環状部43の中心軸を前記アウタコラム13aの中心軸に一致させている。この環状部43の内周面は、部分円筒面状に構成されており、前記インナコラム14aをその内側に挿通可能である。この為、前記環状部43のうちの上半部は、このインナコラム14aの上方を幅方向に跨ぐ様に配置されており、この環状部43の下半部は、このインナコラム14aの下方を幅方向に跨ぐ様に配置されている。尚、前記環状部43のうち、上半部又は下半部の何れかを省略する事もできる。
前記アウタコラム14aと一体に設けられた前記ギヤハウジング31(前側ハウジング素子33a)の前端部には支持管76が設けられており、前記アウタコラム14a及びギヤハウジング31は、この支持管76を幅方向に挿通した枢軸12により、車体11(図21参照)に対し上下方向に関する揺動変位のみを可能に支持される。この為、前記アウタコラム14aは、この車体11に対し前後位置を規制された状態で上下方向に関する揺動変位のみ可能に支持される。
これに対し、前記インナコラム14aは、鉄系合金、若しくはアルミニウム系合金、マグネシウム系合金の如き軽合金等の、電縫管又は引き抜き管等で、全体を単なる円筒状に構成している。又、このインナコラム14aの前部の上面には、略円筒状又は円柱状の案内部44が設けられている。そして、前記インナコラム14aの前部を前記アウタコラム13aの後部の内側に内嵌した状態で、前記案内部44を、前記上部スリット39の内側に、幅方向に関する変位を不能に、且つ、前後方向に関する変位を可能に進入させている。この為、前記インナコラム14aは、前記アウタコラム13aに対し、相対回転不能に、且つ、前後方向に関する相対変位を可能に内嵌されている。
前記ステアリングシャフト5aは、前側に配置されたアウタシャフト15aの内周面に形成した雌スプライン歯と、後側に配置されたインナシャフト16aの外周面に形成した雄スプライン歯とをスプライン係合させる事により、全長を伸縮可能に且つトルク伝達を可能に構成している。この様な構成を有するステアリングシャフト5aは、前記ステアリングコラム6aの内側に回転自在に支持されている。具体的には、前記インナシャフト16aの中間部後端寄り部分を、前記インナコラム16aの後端部の内側に、単列深溝型玉軸受の如き、ラジアル荷重及びアキシアル荷重を支承可能な転がり軸受により、回転のみ可能に支持している。この為、前記インナシャフト16aは、前記インナコラム14aと同期して軸方向に移動し、これに伴って前記ステアリングシャフト5aが伸縮する。この様なステアリングシャフト5aは、前記ステアリングコラム6aの内側に回転可能に支持された状態で、その後端部をこのステアリングコラム6aの後端開口から後方に突出させている。そして、この後方に突出した部分に、前記ステアリングホイール1(図21参照)を支持可能としている。
前記支持ブラケット18aは、アルミニウム合金等の軽合金製の材料を押し出し成形(又は引き抜き成形)を施す事により一体に造られたもので、前記ステアリングコラム6aの中間部(アウタコラム13aの後端側部分)の周囲に配置されている。本例の場合、前記支持ブラケット18aは、車体に支持固定する為の1対の取付板部45a、45bと、前記ディスタンスブラケット17aを幅方向両側から挟持する1対の支持板部46a、46bと、ブリッジ部47と、1対の補強リブ48a、48bとを備えている。
前記両取付板部45a、45bは、前記支持ブラケット18aの上部幅方向両側部分に設けられ、それぞれ幅方向内端寄り部分が斜め上方に折れ曲がった形状を有しており、水平方向に配置されている。又、前記支持ブラケット18aを、前記車体11に対して離脱不能に支持固定する為、前記両取付板部45a、45bの略中央部に、図示しないボルト若しくはスタッドを挿通する為の、上下方向に貫通した取付孔49、49を形成している。
前記両支持板部46a、46bは、幅方向に離隔した状態で互いに平行に配置されており、前記両取付板部45a、45bの幅方向内端部からそれぞれ直角に折れ曲がり、下方に垂れ下がる状態で設けられている。又、前記両支持板部46a、46bは、前記ステアリングコラム6aの幅方向両側に配置されている。又、前記両支持板部46a、46bの互いに整合する位置には、特許請求の範囲に記載した第一通孔に相当するチルト調節用長孔23a、23aが形成されている。これらチルト調節用長孔23a、23aは、前記枢軸12を中心とする部分円弧状である。
前記ブリッジ部47は、前記支持ブラケット18aの上部幅方向中央部に設けられており、断面略平板状で、前記両取付板部45a、45bの幅方向内端部同士(支持板部46a、46bの上端部同士)を幅方向に連続している。
前記両補強リブ48a、48bは、前記両取付板部45a、45bの下面と前記両支持板部46a、46bの幅方向外側面との間の2個所の隅角部(折れ曲がり部)に、これら各隅角部の前後方向全長に亙り連続的に設けられている。但し、前記各補強リブ48a、48bは、前記各チルト調節用長孔23a、23aの直上部(前後方向に関してチルト調節用長孔23aと整合する範囲)に形成されていれば良い。本例の場合には、前記両補強リブ48a、48bを、それぞれ略直角三角柱状とし、それぞれの内側に前後方向両側に開口する断面略二等辺三角形状(銛形状)の空間50、50を設ける事で、全体を中空構造としている。この結果、前記両補強リブ48a、48bの中実部51、51(空間50、50以外の部分)は、それぞれが平板状に構成され、上方に向かう程幅方向外方に向かう方向に傾斜しており、前記両取付板部45a、45bの幅方向中間部の下面と前記両支持板部46a、46bの上端寄り部分の幅方向外側面との間に架け渡される様に設けられている。
又、本例の場合には、前記両補強リブ48a、48bの中実部51、51の板厚を、前記両支持板部46a、46bの板厚とほぼ同程度としている。又、前記両補強リブ48a、48bの中実部51、51の傾斜角度θ48(調節ロッド24aの中心軸に直交する仮想平面を基準とする傾斜角度)を、40°としている。尚、この傾斜角度θ48は、任意に設定する事ができる。例えば、前記ステアリングホイール1の上下方向(チルト方向)への移動範囲全てに関して、前記両補強リブ48a、48bと前記両支持板部46a、46bとの連結部の上下方向範囲α(図5参照)が、後述する様に、前記インナコラム14aが上方に変位する事に基づき拡幅部58a、58bを幅方向外側に押圧する範囲βの一部と重なる様に決定する事ができる。又、前記傾斜角度θ48は、大きくなる程剛性の向上の面から好ましいが、他の部材との干渉を考慮して決定する事ができる。
前記ディスタンスブラケット17aは、アルミニウム系合金、マグネシウム系合金の如き軽合金をダイキャスト成形する等により、前記アウタコラム13aの後端部(後半部)にこのアウタコラム13aと一体に設けられており、1対の側板部52a、52bを備えている。
前記両側板部52a、52bは、前記支持ブラケット18aを構成する1対の支持板部46a、46bの幅方向内側面と前記インナコラム14aの外周面との間部分にそれぞれ配置されている(挟持されている)。この様な側板部52a、52bは、前記両コラム側板32a、32bの後端部のうち、幅方向外側面の上下両側部分に、それぞれの幅方向外側面が平坦面状である肉盛部53a、53bを設けると共に、下端部に、それぞれ下方に垂れ下がる矩形平板状の垂下板部54a、54bを設ける事により構成されている。又、本例の場合、前記両側板部52a、52bの幅方向外側面は、上方の肉盛部53aにより構成される部分が最も幅方向外側に位置しており、下方の肉盛部53bにより構成される部分、前記各垂下板部54a、54bにより構成される部分の順に、幅方向内側にオフセットしている。この様な側板部52a、52bには、下方から順に、挿通孔55、55と、コラム押圧部56a、56bと、凹部57a、57bと、拡幅部58a、58bとが設けられている。
前記各挿通孔55、55は、それぞれ特許請求の範囲に記載した第二通孔に相当するもので、前記各側板部52a、52bの下端寄り部分(垂下板部54a、54bの中央部分)に幅方向に貫通する状態で形成されている。又、本例の場合、前記各挿通孔55、55は、単なる円孔である。
前記各コラム押圧部56a、56bは、前記両側板部52a、52bのうち、上下方向に関して前記インナコラム14aの中心軸O(図5参照)と前記各挿通孔55、55との間に位置する部分に、互いに近づく方向(幅方向内方)に向けて突出する状態で設けられており、本例の場合には、前記各コラム側板32a、32bの部分円筒部36a、36bの下半部により構成されている。この為、前記各コラム押圧部56a、56bの幅方向内側面(押圧面)は、前記インナコラム14aの外周面の曲率半径よりも僅かに大きい曲率半径を有する凹円弧状に構成されており、下方に向かう程幅方向内方に向かう方向に曲線的に傾斜している。従って、前記両コラム押圧部56a、56bの幅方向内側面同士の間隔は、上方に向かう程大きくなっている。
前記各拡幅部58a、58bは、上下方向に関して前記インナコラム14aの中心軸Oを挟んで前記調節ロッド24aと反対側に位置する、前記各側板部52a、52bのうちの上端寄り部分に設けられており、本例の場合には、前記各コラム側板32a、32bの部分円筒部36a、36bの上半部により構成されている。この為、前記各拡幅部58a、58bの幅方向内側面は、前記インナコラム14aの外周面の曲率半径よりも僅かに大きい曲率半径を有する凹円弧状に構成されており、上方に向かう程幅方向内方に向かう方向に曲線的に傾斜している。従って、前記両拡幅部58a、58bの幅方向内側面同士の間隔は、上方に向かう程小さくなっている。更に、本例の場合には、前記両拡幅部58a、58bを、前記両補強リブ48a、48bに対し上下方向に関して整合する位置(幅方向に関して重畳する位置)に設けている。
前記各凹部57a、57bは、前記各側板部52a、52bの幅方向内側面のうち、前記各拡幅部58a、58bに対し下方側に隣接した部分(特に本例の場合には上下方向に関してインナコラム14aの中心軸Oと整合する部分)に、それぞれ幅方向外方に凹む状態で設けられている。又、前記各凹部57a、57bは、図示の例では、幅方向寸法に比べて上下方向寸法が大きい断面略長方形状に構成されており、前記インナコラム14aの外周面に対し非接触となっている。
前記クランプ機構29は、前記ステアリングホイール1の位置調節が可能な状態と、調節後の位置に保持可能な状態とを切り替える為のもので、前記調節ロッド24aと、調節レバー26aと、拡縮機構であるカム装置27aとを備えている。
前記調節ロッド24aは、鉄製の杆状部材であって、前記両チルト調節用長孔23a、23a、及び、前記両挿通孔55、55を、それぞれ幅方向に挿通している。又、前記調節ロッド24aの先端部には雄ねじ部59が形成されており、基端部には頭部60が設けられている。そして、この雄ねじ部59にはナット61を螺合し、このナット61と幅方向他側の支持板部46bの幅方向外側面との間に、幅方向外側から順に、スラスト軸受62と押圧プレート63とを設けている。又、この押圧プレート63の内側面に設けた係合駒(図示省略)を、前記幅方向他側の支持板部46bに形成したチルト調節用長孔23aに、このチルト調節用長孔23aに沿った変位のみを可能に(回転を阻止した状態で)係合させている。
又、前記調節ロッド24aの基端部で、幅方向片側の支持板部46aの幅方向外側面から突出した部分に、前記調節レバー26aの基端部を結合固定している。そして、この調節レバー26aと前記幅方向片側の支持板部46aの幅方向外側面との間に、前記カム装置27aを設けている。このカム装置27aは、駆動側カム64と被駆動側カム65との相対回転に基づいて幅方向寸法を拡縮するもので、このうちの被駆動側カム65を、前記幅方向片側の支持板部46aに形成したチルト調節用長孔23aに、このチルト調節用長孔23aに沿った変位のみを可能に(回転を阻止した状態で)係合させている。一方、前記駆動側カム64は、前記調節レバー26aにより、前記調節ロッド24aと共に回動可能としている。
上述した様な構成を有する前記クランプ機構29は、前記調節レバー26aの操作に基づき前記カム装置27aの幅方向寸法を拡縮する事で、1対の押圧部である前記押圧プレート63の幅方向内側面と前記被駆動側カム65の幅方向内側面との間隔を拡縮する事ができる。
又、本例の場合、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に安定して保持する為に、第一摩擦プレート66と、複数(図示の例では4枚)の第二摩擦プレート67、67とを設けている。このうちの第一摩擦プレート66は、略コ字形に構成されており、底板部68と、この底板部68の幅方向両端部から上方に向けて直角に折れ曲がった1対の摩擦板本体69、69とを有する。そして、前記ディスタンスブラケット17a(側板部52a、52b)を下方及び幅方向外方から覆う様に、前記第一摩擦プレート66を配置している。又、前記各第二摩擦プレート67、67は、それぞれ矩形板状に構成されており、前記各摩擦板本体69、69を幅方向両側から挟む様に配置されている。つまり、前記各第二摩擦プレート67、67は、前記各摩擦板本体69、69の幅方向内側面と前記各側板部52a、52b(垂下板部54a、54b)の幅方向外側面との間部分、及び、前記各摩擦板本体69、69の幅方向外側に、それぞれ配置されている。又、この様に配置された前記各第二摩擦プレート67、67は、支持部材70を介して、前記インナコラム14aに固定されている。又、前記各摩擦板本体69、69に幅方向に貫通する状態で形成された円孔、及び、前記各第二摩擦プレート67、67に幅方向に貫通する状態で形成された前後方向に長い長孔71、71内に、前記調節ロッド24aを挿通している。
次に、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する際の各部の動作に就いて、詳しく説明する。
先ず、前記ステアリングホイール1を位置調節可能な状態から、前記調節レバー26aを上方(ロック方向)に回動させると、前記駆動側カム64と前記被駆動側カム65との距離が拡がる事で前記カム装置27aの幅方向寸法が大きくなる。これにより、この被駆動側カム65の幅方向内側面と前記押圧プレート63の幅方向内側面との幅方向の距離が縮まる。
そして、前記支持ブラケット18aを構成する1対の支持板部46a、46bが、それぞれの下端部同士が互いに近づく様に、幅方向内側に向かって弾性変形する。又、これと共に、前記ディスタンスブラケット17aを構成する1対の側板部52a、52bが、前記両支持板部46a、46bにより幅方向内側に押圧される。そして、これら両側板部52a、52bが、それぞれの下端部同士が互いに近づく様に、幅方向内側に向かって弾性変形する。
前記両側板部52a、52bが上述の様に弾性変形すると、前記両コラム押圧部56a、56bが互いに近づく様に幅方向内側に変位する。そして、これら両コラム押圧部56a、56bの幅方向内側面が前記インナコラム14aを上方に向けて押圧する(押し上げる)。即ち、前述した様に、これら両コラム押圧部56a、56bの幅方向内側面は、下方に向かう程幅方向内方に向かう方向に傾斜している為、前記両コラム押圧部56a、56bの幅方向内側への変位(幅方向内方の力)を、前記インナコラム14aを上方に向けて押圧する力に変換する事ができる。
そして、前記両拡幅部58a、58bを、上方に変位する前記インナコラム14aにより、幅方向外側に押し拡げる(押圧する)。即ち、前述した様に、前記各拡幅部58a、58bの幅方向内側面は、上方に向かう程幅方向内方に向かう方向に傾斜している為、前記インナコラム14aの上方への変位(上方に向いた力)を、前記両拡幅部58a、58bを幅方向両側に押し拡げる力に変換する事ができる。しかも、本例の場合には、前記両支持板部46a、46bのうち、前記両拡幅部58a、58bの下方に隣接した部分に、前記各凹部(薄肉部)57a、57bを設けている為、前記両拡幅部58a、58bを軽い力で押し拡げる事ができる。これにより、これら両拡幅部58a、58bを、前記両支持板部46a、46bの幅方向内側面と前記インナコラム14aの外周面との間で挟持する。
又、この状態で、前記インナコラム14aには、上半部の円周方向に離隔した2個所位置に、前記両拡幅部58a、58bから押圧力が作用すると共に、下半部の円周方向に離隔した2個所位置に、前記両コラム押圧部56a、56bから押圧力が作用する。
本例の場合には、以上の様にして、前記ステアリングホイール1が調節後の位置に保持される。
しかも、本例の場合には、前記両支持板部46a、46bが弾性変形する事で、前記第一摩擦プレート66を構成する摩擦板本体69、69が、前記各第二摩擦プレート67、67により幅方向両側から挟持される(摩擦接触する)。これにより、前記インナコラム14aを、前記ディスタンスブラケット17a(アウタコラム13a)に対し前後方向に相対変位しにくくする事ができる。
これに対し、前記ステアリングホイール1の位置を調節する際には、このステアリングホイール1の位置を保持した状態から、前記調節レバー26aを下方(アンロック方向)に回動させる。そして、前記カム装置27aの幅方向寸法を小さくして、前記押圧プレート63の幅方向内側面と前記被駆動側カム65の幅方向内側面との幅方向の距離を拡げる。これにより、前記両支持板部46a、46b及び前記両側板部52a、52bが、弾性変形状態から自由状態に戻る。
特に本例の場合には、前記両側板部52a、52bが自由状態に戻る際に、前記環状連結部41を構成する環状部43の弾性復元力を利用できる。即ち、前記両側板部52a、52bが幅方向内側に弾性変形する際には、前記環状連結部41を構成する腕部42a、42bが幅方向に関して互いに近づく方向に変位し、前記環状部43が幅方向に押し潰される様に弾性変形する。この為、前記カム装置27aの幅方向寸法を小さくすると、前記環状部43が弾性復元する為、この力を利用して、前記両側板部52a、52bを自由状態に適切に戻す事ができる。又、前記カム装置27aの幅方向寸法を小さくした状態では、前記第一摩擦プレート66(摩擦板本体69、69)と前記各第二摩擦プレート67、67との係合が解除される。
又、前記両側板部52a、52bの弾性復帰に伴い、前記両コラム押圧部56a、56bがそれぞれ幅方向外方に変位すると、これら両コラム押圧部56a、56bが前記インナコラム14aを上方に押圧している力が解除されて、このインナコラム14aが下方に変位(退避)する。すると、前記両拡幅部58a、58bを幅方向外側に押し拡げる様に作用していた力も解除される。これにより、これら両拡幅部58a、58bが、前記インナコラム14aの外周面と前記両支持板部46a、46bの幅方向内側面との間で強く挟持される事がなくなる。又、前記両拡幅部58a、58b及び前記両コラム押圧部56a、56bから前記インナコラム14aに作用していた押圧力(保持力)も喪失する。この結果、前記ステアリングホイール1が前後方向及び上下方向に位置調節可能な状態となる。
以上の様な構成を有する本例のステアリング装置によれば、前記支持ブラケット18aによる前記ディスタンスブラケット17aの保持力の向上を図れる。
即ち、前記ステアリングホイール1を調節後の位置に保持する際に、前記両支持板部46a、46bの幅方向内側面と前記インナコラム14aの外周面との間で挟持される前記両拡幅部58a、58bの幅方向内側面同士の間隔を、前記インナコラム14aの変位方向(上方)に向かう程小さくしている。この為、前記両拡幅部58a、58bを、くさび効果により、前記両支持板部46a、46bの幅方向内側面と前記インナコラム14aの外周面との間で強く挟持できる。しかも、本例の場合には、前記両拡幅部58a、58bを、前記両支持板部46a、46bのうち、前記両取付板部45a、45bとの連結部側である事に起因して幅方向に関する剛性の高い上端寄り部分に押し付けているだけでなく、当該部分(両拡幅部58a、58bが押し付けている上端寄り部分)の幅方向外側に前記両補強リブ48a、48bを設けている為、前記両拡幅部58a、58bの押圧力に基づき、前記両支持板部46a、46bが幅方向外側に弾性変形する事が効果的に防止される。この為、前記両拡幅部58a、58bの幅方向両側面と、前記両支持板部46a、46bの幅方向内側面及び前記インナコラム14aの外周面との間の面圧を十分に高める事ができる。従って、本例によれば、前記支持ブラケット18aによる前記ディスタンスブラケット17aの保持力を向上できる。
又、本例の場合には、前記アウタコラム13aを、前記電装アシスト装置30を構成する前記ギヤハウジング31(後側ハウジング素子33c)と一体に設けている為、前記アウタコラム13aを含んで構成される前記ステアリングコラム6aの幅方向に関する剛性を高める事ができる。更に、前記両取付板部45a、45bの下面と前記両支持板部46a、46bの幅方向外側面との間に、前記両補強リブ48a、48b(中実部51、51)をそれぞれ架け渡す様に設けている。この為、前記両支持板部46a、46bに関して、幅方向に関する剛性をそれぞれ高める事ができる。従って、本例によれば、前記ステアリングコラム6aの幅方向に関する支持剛性の向上を図れる。
更に、本例の場合には、前記アウタコラム13aと前記ディスタンスブラケット17aと前記後側ハウジング素子33cとを一体に構成している為、ステアリング装置全体としての部品点数の低減を図れる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図6を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、アウタコラム13bの構造のみが、前述した実施の形態の第1例の構造と異なっている。
本例の場合、前記アウタコラム13bを構成する1対のコラム側板32a、32bの後端部同士を、幅方向に連結しておらず、前記実施の形態の第1例の構造が備えていた環状連結部41(図1〜4参照)を設けていない。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記アウタコラム13bの構造を簡素化できる為、製造コストの低減を図れる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図7を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、アウタコラム13cを後側(アッパー側)に、インナコラム14a(図1等参照)を前側(ロアー側)に、それぞれ配置している。この為、本例の場合には、前記アウタコラム13cを、前記実施の形態の第1例の場合とは前後方向に関して反対向きに配置しており、後端部に円筒部72を設けると共に、この円筒部72の前方に1対のコラム側板32a、32bを設けている。又、前記アウタコラム13cの前端部には、電動アシスト装置30を構成するギヤハウジング31(図1等参照)ではなく、ディスタンスブラケット17bを一体に設けている。又、このディスタンスブラケット17bを構成する1対の側板部52c、52dの下端部には、特許請求の範囲に記載した第二通孔に相当する、前後方向に長いテレスコ調節用長孔21a、21aを形成している。
以上の様な構成を有する本例の場合にも、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、支持ブラケット18a(図1等参照)による前記ディスタンスブラケット17bの保持力の向上を図れる。尚、本例の様に、前記アウタコラム13cを後側に配置する場合には、前記支持ブラケット18aを車体11(図21参照)に対して、例えばカプセル等を利用して前方への離脱可能に支持する事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図8を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、ディスタンスブラケット17c及び支持ブラケット18bの構造が、前述した実施の形態の第1例の構造と異なっている。
本例の場合には、前記ディスタンスブラケット17cを構成する1対の側板部52e、52fのうち、挿通孔55、55の上側に隣接した部分に、コラム押圧部56c、56dを、互いに近づく方向(幅方向内方)に向けて突出する状態で設けている。この為、前記各コラム押圧部56c、56dの下面は、前記各挿通孔55、55の一部を構成している。又、この様なコラム押圧部56c、56dは、上下方向に関してインナコラム14aの外周面(下面幅方向両側部分)と調節ロッド24aとの間部分に進入している。又、前記各コラム押圧部56c、56dは、それぞれ断面略直角三角形状(楔形状)に構成されており、斜辺に相当する幅方向内側面(押圧面)は、下方に向かう程幅方向内方に向かう方向に傾斜している。この為、前記両コラム押圧部56c、56dの幅方向内側面同士の間隔は、上方に向かう程大きくなっている。図示の例では、前記各コラム押圧部56c、56dの幅方向内側面の傾斜角度θ56(調節ロッド24aの中心軸に直交する仮想平面を基準とする傾斜角度)を60°としている。尚、この傾斜角度θ56は、任意に設定する事ができるが、例えば15°≦θ56≦85°の範囲で設定する事ができる。
又、本例の場合には、上下方向に関して前記インナコラム14aの中心軸を挟んで前記調節ロッド24aと反対側に位置する、前記各側板部52e、52fのうちの上端部に、拡幅部58c、58dをそれぞれ設けている。又、これら各拡幅部58c、58dは、上方に向かう程幅寸法(板厚)が大きくなる様に、それぞれの幅方向内側面を傾斜させている。具体的には、前記各拡幅部58c、58dの幅方向内側面を、上方に向かう程幅方向内方に向かう方向に直線的に傾斜させて、それぞれの断面形状を楔形状(直角三角形状)に構成している。この為、前記両拡幅部58c、58dの幅方向内側面同士の間隔は、上方に向かう程小さくなっている。図示の例では、前記各拡幅部58c、58dの幅方向内側面の傾斜角度θ58(調節ロッド24aの中心軸に直交する仮想平面を基準とする傾斜角度)を30°としている。尚、この傾斜角度θ58は、任意に設定する事ができるが、例えば1°≦θ58≦45°の範囲で設定する事ができる。
又、前記支持ブラケット18bを構成する1対の取付板部45c、45dを、それぞれ矩形平板状に構成すると共に、これら両取付板部45c、45d同士の間に設けられるブリッジ部47aを、断面略コ字形に構成している。そして、これら両取付板部45c、45dの下面と支持板部46a、46bの幅方向外側面との隅角部に設ける補強リブ48c、48dを、前後方向両側に断面直角三角形状の空間50a、50aが開口する、中空構造としている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記各コラム押圧部56c、56d及び前記各拡幅部58c、58dをそれぞれ楔状に構成しており、これら各コラム押圧部56c、56d及び各拡幅部58c、58dのそれぞれの幅方向内側面を平坦面状に構成している。この為、これら各コラム押圧部56c、56d及び各拡幅部58c、58dを、前記インナコラム14aに対してスムーズに変位させる事ができる。又、本例の場合には、前記各拡幅部58c、58dの幅方向内側面の傾斜角度θ58を、前記各コラム押圧部56c、56dの幅方向内側面の傾斜角度θ56よりも小さくしている為、前記両拡幅部58c、58dを幅方向外側に押し拡げる力を大きくできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図9を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、ディスタンスブラケット17dを構成するコラム押圧部56e、56fの幅方向内側面の傾斜角度θ56及び拡幅部58e、58fの幅方向内側面の傾斜角度θ58のみが、前述した実施の形態の第4例の構造と異なっている。
本例の場合には、前記各コラム押圧部56e、56fの幅方向内側面の傾斜角度θ56と、前記各拡幅部58e、58fの幅方向内側面の傾斜角度θ58とを同じとしている。図9の(A)に示した構造では、前記各コラム押圧部56e、56fの幅方向内側面の傾斜角度θ56を45°とすると共に、前記各拡幅部58e、58fの幅方向内側面の傾斜角度θ58を45°としている。これに対し、図9の(B)に示した構造では、前記各コラム押圧部56e、56fの幅方向内側面の傾斜角度θ56を30°とすると共に、前記各拡幅部58e、58fの幅方向内側面の傾斜角度θ58を30°としている。
以上の様な構成を有する本例の場合にも、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、支持ブラケット18bによる前記ディスタンスブラケット17dの保持力の向上を図れる。又、前記図9の(A)の構造に比べて、前記図9の(B)の構造の方が、前記両拡幅部58e、58fを幅方向外側に押し拡げる力を大きくできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例に就いて、図10を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、ディスタンスブラケット17eを構成するコラム押圧部56g、56hの幅方向内側面の傾斜角度θ56及び拡幅部58g、58hの幅方向内側面の傾斜角度θ58のみが、前述した実施の形態の第4例及び第5例の構造と異なっている。
本例の場合には、前記各コラム押圧部56g、56hの幅方向内側面の傾斜角度θ56を30°とすると共に、前記各拡幅部58g、58hの幅方向内側面の傾斜角度θ58を45°としている。つまり、前記各コラム押圧部56g、56hの幅方向内側面の傾斜角度θ56を、前記各拡幅部58g、58hの幅方向内側面の傾斜角度θ58よりも小さくしている。
以上の様な構成を有する本例の場合にも、前記実施の形態の第1例の場合と同様に、支持ブラケット18bによる前記ディスタンスブラケット17eの保持力の向上を図れる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第7例]
本発明の実施の形態の第7例に就いて、図11を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、支持ブラケット18cの構造のみが、前記実施の形態の第4例の場合とは異なっている。
本例の場合には、前記支持ブラケット18cを構成する1対の取付板部45c、45dの下面と1対の支持板部46a、46bの幅方向外側面とのそれぞれの間に、前記実施の形態の第4例(及び第1例)の場合の様な、補強リブ48c、48d(図8等参照)を設けていない。
以上の様な構成を有する本例の場合にも、1対の拡幅部58c、58dを、前記1対の支持板部46a、46bのうち、前記各取付板部45c、45dとの連結部である上端寄り部分の幅方向内側面に向けて押し付ける事ができる為、前記支持ブラケット18cによるディスタンスブラケット17cの保持力を十分に確保できる。又、前記支持ブラケット18cの軽量化を図る事もできる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第8例]
本発明の実施の形態の第8例に就いて、図12を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、支持ブラケット18dの構造のみが、前記実施の形態の第4例及び第7例の場合とは異なっている。
本例の支持ブラケット18dの場合、幅方向他側(図12の左側)に配置された取付板部45dの下面と幅方向他側に配置された支持板部46bの幅方向外側面との間部分から補強リブを省略している。幅方向片側(図12の右側)に配置された取付板部45cの下面と幅方向片側に配置された支持板部46aの幅方向外側面との間には、前記実施の形態の第4例と同様、補強リブ48cを設けている。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記幅方向他側の支持板部46bが、前記実施の形態の第4例の構造に比べれば幅方向に撓み易くなるが、この支持板部46bは、押圧プレート63により幅方向内方に向けて押圧される為、1対の拡幅部58c、58dが幅方向外側に押し拡げられる場合にも、当接部の面圧を十分に高くできる。更に本例の場合には、前記支持ブラケット18dの軽量化を図れる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第9例]
本発明の実施の形態の第9例に就いて、図13を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、支持ブラケット18eの構造のみが、前述した実施の形態の第4例の構造と異なっている。
本例の支持ブラケット18eの場合、1対の補強リブ48e、48fの形状(断面形状)を、前記実施の形態の第4例の場合とは異ならせている。即ち、本例の場合には、実施の形態の第4例の場合に比べて、上下方向寸法に対する幅方向寸法の割合を大きくして、断面形状を直角二等辺三角形状としている。この為、前記各補強リブ48e、48fを構成する中実部51a、51aの傾斜角度θ48が、前記実施の形態の第4例の場合に比べて大きくなっている(図示の例では傾斜角度θ48を45°としている)。又、前記両補強リブ48e、48fの前後両側に開口した空間50b、50bの容積を、前記実施の形態の第4例の場合に比べて大きくしている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、1対の取付板部45c、45dの上下方向に関する剛性を向上させる事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第10例]
本発明の実施の形態の第10例に就いて、図14を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、支持ブラケット18fの構造のみが、前述した実施の形態の第4例の構造と異なっている。
前記支持ブラケット18fは、アルミニウム合金等の軽合金製の材料を押し出し成形(又は引き抜き成形)を施す事により一体に造られたもので、1対の取付板部45c、45dの下面と1対の支持板部46a、46bの幅方向外側面との間(隅角部)に、中実状の補強リブ48g、48hを設けている。又、これら補強リブ48g、48hを、直角三角柱状(断面直角三角形状)に構成している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記両支持板部46a、46bの幅方向に関する剛性を、前記実施の形態の第4例の場合に比べてより向上させる事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第11例]
本発明の実施の形態の第11例に就いて、図15を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、支持ブラケット18gの構造のみが、前述した実施の形態の第10例の構造と異なっている。
前記支持ブラケット18gは、アルミニウム合金等の軽合金のダイキャスト成形により一体に造られたもので、1対の取付板部45c、45dの下面と1対の支持板部46a、46bの幅方向外側面との間(隅角部)に、中実状の補強リブ48g、48hを設けている。又、これら補強リブ48g、48hを、直角三角柱状(断面直角三角形状)に構成している。特に本例の場合には、前記両補強リブ48g、48hの内側に、前記両取付板部45c、45dの幅方向内端部の上面に開口する状態で、複数の除肉部73、73を形成している。これら各除肉部73、73は、前記各補強リブ48g、48hの内側に、前後方向に離隔した状態で複数ずつ形成されている。又、図示の例では、前記各除肉部73、73を三角柱状(直角三角柱状)としている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記各除肉部73、73を有しない前記実施の形態の第10例の構造に比べて、前記支持ブラケット18gの軽量化を図る事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例、第4例、及び第10例の場合と同様である。
[実施の形態の第12例]
本発明の実施の形態の第12例に就いて、図16を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、支持ブラケット18hの構造のみが、前述した実施の形態の第4例の構造と異なっている。
前記支持ブラケット18hは、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工による打ち抜き加工や曲げ加工等を施す事により造られたものであり、1対の補強リブ48i、48jに就いても、前記支持ブラケット18hと同時に加工している。この様な補強リブ48i、48jは、1対の取付板部45c、45dの幅方向内端寄り部分の後端縁部に、それぞれ後方に突出する状態で設けられた略直角三角形状で平板状の素片を、下方に向けて直角に折り曲げると共に、1対の支持板部46a、46bの後端縁部に溶接等により固定する事により構成されている。従って、本例の場合には、前記両補強リブ48i、48jが、平板状に構成され、前記支持ブラケット18hの後端部にのみ設けられている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、鋼板にプレス加工を施す事により造られる安価な支持ブラケット18hを対象として、支持板部46a、46bの幅方向に関する剛性を高める事ができる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第13例]
本発明の実施の形態の第13例に就いて、図17を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、ディスタンスブラケット17d(及びアウタコラム)の構造及びインナコラム14bの構造のみが、前記実施の形態の第12例の場合とは異なっている。
本例の場合には、前記ディスタンスブラケット17dに就いても、ステンレス鋼板等の金属板にプレス加工による打ち抜き加工や曲げ加工等を施す事により造っている。又、前記インナコラム14bを、単なる円筒ではなく、多角筒状(図示の例では正12角筒状)に構成している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記ディスタンスブラケット17dに設けられた、それぞれが平板状のコラム押圧部56i、56j及び拡幅部58i、58jの幅方向内側面と、前記インナコラム14bの外周面を構成する各辺とを面接触で当接させる事ができ、これら各辺の両端部分を十分に強い力で保持する事ができる。この為、前記インナコラム14bの保持力を向上する事が可能になる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第12例の場合と同様である。
[実施の形態の第14例]
本発明の実施の形態の第14例に就いて、図18を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置は、支持ブラケット18iの構造及びその周辺構造が、前述した実施の形態の第4例の構造と異なっている。
本例の支持ブラケット18iの場合、1対の支持板部46a、46cのうち、幅方向他側に配置された支持板部46cの上下方向寸法を、幅方向片側に配置された支持板部46aの上下方向寸法よりも小さくして、前記幅方向他側の支持板部46cの下端部を、前記幅方向片側の支持板部46aの下端部よりも上方に位置させている。より具体的には、本例の場合には、前記幅方向他側の支持板部46cの下端部の位置を、補強リブ48d(中実部51)の下端部の位置と一致させている。この為、この幅方向他側の支持板部46cには、前記幅方向片側の支持板部46aに設けられたチルト調節用長孔23aは設けていない。
この為、本例の場合には、調節ロッド24bとして、前記実施の形態の第4例で使用したものよりも短いものを使用して、この調節ロッド24bの周囲に設けられた押圧プレート63の幅方向内側面を、ディスタンスブラケット17cを構成する幅方向他側の側板部52fの幅方向外側面に直接当接させている。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記幅方向他側の支持板部46cを、前記押圧プレート63により幅方向内方に向けて押圧する事はないが、前記ディスタンスブラケット17cを構成する1対の拡幅部58c、58dが、前記両支持板部46a、46cの幅方向内側面に強く押し付けられる為、前記支持ブラケット18iにより前記ディスタンスブラケット17cを十分に大きな力で保持できる。更に、本例の場合には、インナコラム14bの後端側の周囲に設けた図示しないキーロックユニットを、二次衝突時等に、前記支持ブラケット18iよりも車両前方側に移動させる事ができる為、ステアリングコラム6aの収縮ストロークを大きく確保する事ができ、運転者の保護充実を図れる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前記実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である
[実施の形態の第15例]
本発明の実施の形態の第15例に就いて、図19〜20を参照しつつ説明する。本例のステアリング装置の場合には、インナコラム14aを上方に向けて押し上げる為の構造が、前記実施の形態の各例の場合とは異なっている。
本例の場合には、前記インナコラム14aを上方に向けて押し上げる為に、ディスタンスブラケット17eに1対のコラム押圧部56c、56dを設けているだけでなく、調節ロッド24aの軸方向中間部の周囲に、特許請求の範囲に記載したコラム押圧部に相当する、偏心カム74を相対回転不能に固定している。この偏心カム74は、前記調節ロッド24aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、例えば略楕円形や略卵形等の非円形状であり、中心から外周面までの距離が円周方向位置に応じて変化している。又、本例の場合、前記ディスタンスブラケット17eを構成する1対の側板部52e、52fの下端部同士を、下方連結部75により幅方向に連結している。
ステアリングホイール1(図21参照)の位置を保持可能な状態にするには、調節ロッド24aを調節レバー26aにより所定方向に回転させる事により、前記偏心カム74をこの調節ロッド24aと共に所定方向に回転させる。これにより、前記偏心カム74により、前記インナコラム14aを上方に押し上げる。同時に、前述した実施の形態の各例の場合と同様に、幅方向内側に変位する1対のコラム押圧部56c、56dにより前記インナコラム14aを上方に押し上げる。
これに対し、前記ステアリングホイール1の位置を調節可能な状態にするには、前記調節ロッド24aを前記調節レバー26aにより前記所定方向とは反対方向に回転させる。これにより、この偏心カム74を前記調節ロッド24aと共に前記所定方向とは反対方向に回転させる。そして、前記インナコラム14aを、前記偏心カム74の外周面により支持しながら下方に退避させる。
本例の場合には、前記ステアリングホイール1の位置を保持可能な状態に移行する際に、前記インナコラム14aを、前記偏心カム74により上方に押し上げるだけでなく、前記両コラム押圧部56c、56dによっても上方に押し上げる事ができる。この為、このインナコラム14aを上方に向けて押圧する力を大きくできる。
尚、本発明を実施する場合に、偏心カム74のみによって、インナコラム14aを上方に押し上げる構成を採用する事もできる。つまり、1対のコラム押圧部56c、56dを省略する事もできる。
その他の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例及び第4例の場合と同様である。
[実施の形態の第変形例]
本発明の実施の形態の変形例に就いて、図23を参照しつつ説明する。上記本発明の各実施の形態においては、1対の側板部46a〜46cのうち、上下方向に関してインナコラム14a、14bの中心軸を挟んで調節ロッドとは反対側に、この調節ロッドから離れる程幅方向内側面同士の間隔が小さくなる、1対の拡幅部58a〜58jを設けた例を示した。そして、この両拡幅部のくさび効果によって両支持板部46a〜46cの幅方向内側面とインナコラム14a、14bの外周面との間で強く挟持している。本例のステアリング装置の場合には、1対の拡幅部58k、58lには、幅方向内側面同士の間隔が小さくなる部分は設けないで、インナコラム14aと軸方向に線接触に近い状態で接触する接触部90a、90bを設けている。本例の様な、接触部90a、90bの場合であっても、インナコラム14a自体の外周が円形であるため、コラム押圧部56k、56lによってインナコラム14aが上方に押し上げられた場合に、インナコラム14aの外周面と接触部90a、90bとの接触部において、くさび効果が生じ、拡幅部58k、58lがインナコラム14aを強く挟持することができる。但し、本例の場合には、接触部90a、90bとインナコラム14aの外周面が線接触に近い状態で接触するため、コラム押圧部56k、56lによる押圧によって、インナコラム14aが部分的に変形し易くなるので、上記各実施の形態の様に、コラム押圧部によってインナコラムを押圧した場合に拡幅部の内周面とインナコラムの外周面とがある範囲に亘って接触することが望ましい。なお、本例の場合、インナコラム14aの外周面の形状は、円形に限らず、例えば、8角形、10角形、12角形等の多角形でもよい。
本発明は、ステアリングホイールの前後方向位置を調節可能なテレスコピック機構のみを備えた構造、ステアリングホイールの上下方向位置を調節可能なチルト機構のみを備えた構造、テレスコピック機構及びチルト機構を備えた構造のステアリング装置に適用する事ができる。
又、本発明を実施する場合に、ディスタンスブラケットとして、前述した実施の形態の各例の構造と上下対称のものを採用する事もできる。この様な構成を採用した場合には、ディスタンスブラケットに関しては、前述した実施の形態の各例の場合と上下方向に関する記載が反対となる。又、本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施する事もできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングギヤユニット
3 入力軸
4 タイロッド
5、5a ステアリングシャフト
6、6a ステアリングコラム
7 自在継手
8 中間シャフト
9 自在継手
10 電動モータ
11 車体
12 枢軸
13、13a〜13c アウタコラム
14、14a、14b インナコラム
15、15a アウタシャフト(アウタチューブ)
16、16a インナシャフト
17、17a〜17f ディスタンスブラケット
18、18a〜18i 支持ブラケット
19、19a スリット
20a、20b 側板部
21、21a テレスコ調節用長孔
22a、22b 支持板部
23、23a チルト調節用長孔
24、24a、24b 調節ロッド
25 ナット
26、26a 調節レバー
27、27a カム装置
28 偏心カム
29 クランプ機構
30 電動アシスト装置
31 ギヤハウジング
32a、32b コラム側板
33a 前側ハウジング素子
33b 中間ハウジング素子
33c 後側ハウジング素子
34 補強部
35a、35b 立壁部
36a、36b 部分円筒部
37 除肉部
38 保持凹部
39 上部スリット
40 下部スリット
41 環状連結部
42a、42b 腕部
43 環状部
44 案内部
45a〜45d 取付板部
46a、46b、46c 支持板部
47、47a ブリッジ部
48a〜48j 補強リブ
49 取付孔
50、50a、50b 空間
51、51a 中実部
52a〜52h 側板部
53a、53b 肉盛部
54a、54b 垂下板部
55 挿通孔
56a〜56l コラム押圧部
57a、57b 凹部
58a〜58l 拡幅部
59 雄ねじ部
60 頭部
61 ナット
62 スラスト軸受
63 押圧プレート
64 駆動側カム
65 被駆動側カム
66 第一摩擦プレート
67 第二摩擦プレート
68 底板部
69 摩擦板本体
70 支持部材
71 長孔
72 円筒部
73 除肉部
74 偏心カム
75 下方連結部
76 支持管
90a、90b 接触部

Claims (17)

  1. アウタコラムとこのアウタコラムの内径側に軸方向の変位を可能に嵌合されたインナコラムとを有し、内径側にステアリングシャフトを回転自在に支持する為のステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラムの幅方向両側に配置される1対の支持板部を有する、車体に支持固定される支持ブラケットと、
    前記1対の支持板部の幅方向内側面と前記ステアリングコラムの外周面との間部分に配置される1対の側板部を有するディスタンスブラケットと、
    前記1対の支持板部のうち少なくとも一方の支持板部を幅方向に貫通する状態で設けられた第一通孔、及び、前記1対の側板部をそれぞれ幅方向に貫通する状態で設けられた1対の第二通孔を、それぞれ幅方向に挿通する状態で設けられた調節ロッドと、を備え、
    前記ディスタンスブラケットが、前記アウタコラムの一部に一体に設けられており、幅方向に関して前記1対の側板部同士の間部分に前記インナコラムが挟持されており、
    このインナコラムを上下方向に関して前記調節ロッドから離れる方向に押圧するコラム押圧部が設けられており、
    前記1対の側板部のうち、上下方向に関して前記インナコラムの中心軸を挟んで前記調節ロッドとは反対側に、この調節ロッドから離れる程幅方向内側面同士の間隔が小さくなる、1対の拡幅部が設けられている、
    ステアリング装置。
  2. 上下方向に関して前記インナコラムの中心軸よりも下方に前記コラム押圧部が設けられており、上下方向に関してこのインナコラムの中心軸よりも上方に前記1対の拡幅部が設けられている、請求項1に記載したステアリング装置。
  3. 前記1対の側板部の幅方向内側面のうち、前記1対の拡幅部に対し上下方向に関して前記調節ロッド側に隣接した部分に、それぞれ幅方向外側に凹んだ凹部が設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  4. 前記1対の側板部のうち、上下方向に関して前記インナコラムの中心軸と前記各第二通孔との間に位置する部分に、互いに近づく方向に向けてそれぞれ突出する前記コラム押圧部が設けられており、
    これら各コラム押圧部のそれぞれの幅方向内側面が、上下方向に関して前記調節ロッドから離れる程幅方向外方に向かう方向に傾斜しており、
    前記両コラム押圧部の幅方向内側面同士の間隔が、上下方向に関して前記調節ロッドから離れる程大きくなっている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  5. 前記調節ロッドの中心軸に直交する仮想平面を基準とする、前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度と、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度とが、互いに異なっている、請求項4に記載したステアリング装置。
  6. 前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度が、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度よりも小さい、請求項5に記載したステアリング装置。
  7. 前記拡幅部の幅方向内側面の傾斜角度が、前記コラム押圧部の幅方向内側面の傾斜角度よりも大きい、請求項5に記載したステアリング装置。
  8. 前記コラム押圧部が、前記調節ロッドの周囲に設けられた偏心カムである、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  9. 前記インナコラムが多角筒状に構成されている、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  10. 前記アウタコラムが前側に、前記インナコラムが後側に、それぞれ配置されており、このアウタコラムの後端部に前記ディスタンスブラケットが一体に設けられている、請求項1〜9のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  11. 前記アウタコラムが、このアウタコラムよりも前方に配置される電動アシスト装置を構成するギヤハウジングと一体に構成されている、請求項10に記載したステアリング装置。
  12. 前記アウタコラムが、幅方向に離隔すると共にそれぞれが前後方向に伸長した1対のコラム側板を有しており、これら各コラム側板の前端部が、前記ギヤハウジングに連結されており、これら各コラム側板の後端部に、前記各側板部が一体に設けられている、請求項11に記載したステアリング装置。
  13. 前記1対の側板部の後端部同士が、前記インナコラムを跨ぐ様に配置された連結部により幅方向に連結されている、請求項12に記載したステアリング装置。
  14. 前記1対の側板部の後端部同士が、幅方向に連結されずに互いに離隔している、請求項12に記載したステアリング装置。
  15. 前記インナコラムが前側に、前記アウタコラムが後側に、それぞれ配置されており、このアウタコラムの前端部に前記ディスタンスブラケットが一体に設けられている、請求項1〜9のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  16. 前記支持ブラケットには、前記1対の支持板部の上端部からそれぞれ幅方向外側に折れ曲がる状態で1対の取付板部が設けられており、これら1対の取付板部のうち少なくとも一方の取付板部と、この取付板部の幅方向内端部から下方に垂れ下がった前記支持板部との間に、補強リブが設けられている、請求項1〜15のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
  17. 前記両支持板部のうち、一方の支持板部を、他方の支持板部よりも下方に垂れ下げ、この一方の支持板部にのみ、前記第一通孔を設けている、請求項1〜16のうちの何れか1項に記載したステアリング装置。
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