以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1〜図21を用いて、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10についての説明を行う。ここで、図1〜図4は、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダの全体構成を示した外観図であり、特に、図1が右側面視を示し、図2が左側面視を示し、図3が前方右斜め上側から見た場合の斜視を示し、図4が前方右斜め下側から見た場合の斜視を示している。また、図5は、図3で示した本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダが本体部とベルトサンダユニットとに分離された状態を示す図であり、図6は、図4で示した本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダが本体部とベルトサンダユニットとに分離された状態を示す図である。さらに、図7〜図12は、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダを構成するベルトサンダユニットの単体構成を説明するための外観図であり、特に、図7が上面視を示し、図8が下面視を示し、図9が右側面視を示し、図10が左側面視を示し、図11が前面視を示し、図12が後面視を示している。またさらに、図13は、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダの縦断面右側面図であり、図14は、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダが本体部とベルトサンダユニットとに分離された状態での縦断面右側面図である。またさらに、図15は、図13における符号A断面を示す断面図であり、図16は、図13における符号B断面を示す断面図であり、図17は、図13における符号C断面を示す断面図であり、図18は、図13における符号D−D断面を示す断面図である。さらにまた、図19は、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダを構成するベルトサンダユニットが備える従動プーリ支持部の機構と動作を説明するための図であり、図中の分図(a)は研削ベルトが非固定とされた状態を示しており、分図(b)は研削ベルトが固定された状態を示している。さらに、図20および図21は、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダを構成する本体部の要部構成を説明するための部分分解図であり、特に、図20が後方右斜め上側から見た場合の斜視を示し、図21が前方右斜め下側から見た場合の斜視を示している。
なお、本実施形態では、説明の便宜のために、アタッチメント式ベルトサンダ10の方向を図1〜図4で示すように定義した。すなわち、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10を作業者が把持したときに、作業者から見た場合の方向に基づいて「前、後、上、下、左、右」を決定してある。
本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10は、図13および図14にて示されるように、駆動源であるモータ12を収納する本体部11と、モータ12からの駆動力を受けて動作する研削ベルト22を有するベルトサンダユニット21と、を備えて構成されており、これら本体部11とベルトサンダユニット21とは、分離・結合が可能なように着脱自在に構成されている。
本体部11の外郭形状は、図1〜図6、図13および図14にて詳細に示されるように、モータ12を収納する前ハウジング部11aと、操作者からの把持を受ける把持部として機能する上ハウジング部11bと、ベルトサンダユニット21の着脱部位となる下ハウジング部11cと、外部電源からの電力を供給するための電気コード15が設置される後ハウジング部11dと、を有して構成されている。上ハウジング部11bには、前ハウジング部11aの内部に設置されるモータ12の運転操作を行うためのトリガスイッチ13が備えられており、操作者がトリガスイッチ13のオン/オフ操作を行うことで、モータ12の起動/停止が実施される。また、把持部としての上ハウジング部11bは、本体部11の上方中央部から後方に向けて前後方向に延びて配置されており、当該把持部としての上ハウジング部11bは、アタッチメント式ベルトサンダの側面視において、研削ベルト22に対して上方に配置されているという形態的特徴を有している。
モータ12は、上下方向に軸線方向を向けたモータ軸14を有している。そして、モータ12が有するモータ軸14の下方側の軸先端部には、駆動歯車14aが形成されている。この駆動歯車14aは、図14に示すように、本体部11の下面側から下方に向けて突出して設けられている。すなわち、駆動歯車14aが突出する部位は、本体部11におけるベルトサンダユニット21との着脱部位に相当しており、本体部11に対してベルトサンダユニット21を装着したときには、本体部11から突出した駆動歯車14aがベルトサンダユニット21の内部に対して挿入されるように構成されている(図13等参照)。
また、モータ軸14の軸先端部に形成された駆動歯車14aは、ねじれ角を有するハスバ歯車として構成されている。なお、本実施形態に係る駆動歯車14aのねじれ方向は右ねじれであり、また、アタッチメント式ベルトサンダ10を上面側から見たときに、駆動歯車14aが時計回りに回転するように構成されている。
一方、ベルトサンダユニット21は、本体部11が有する駆動歯車14aとの駆動連結部において駆動伝達機構24を有しており、モータ12からの回転駆動力を研削ベルト22へと伝達する機能を発揮できるようになっている。この本実施形態に係る駆動伝達機構24について、図13〜図18を参照して説明を行うと、ベルトサンダユニット21が有する駆動伝達機構24は、モータ軸14の前方に配置される上下方向軸線を有する第1軸24aと、第1軸24aに固定設置され、モータ軸14の下方側軸先端部に形成される駆動歯車14aと噛み合うことで第1軸24aを中心として回転する第1歯車24bと、第1軸24aにおける第1歯車24bの下方に固定設置されることで第1歯車24bと一体的に回転するとともに、上面側に歯部を有するフェースギヤとして構成される第2歯車24cと、第1軸24aの右側において第2歯車24cと噛み合うとともに、第1軸24aの前方かつ上下方向において第1歯車24bと第2歯車24cとの間に位置する左右方向軸線を有する第2軸24dを中心として回転する第3歯車24eと、第2軸24dの前方に配置される左右方向軸線を有する第3軸24fの右端側に固定設置されるとともに、第3歯車24eと噛み合うことで回転する第4歯車24gと、を有して構成されている。そして、図17および図18においてより詳細に示されるように、第3軸24fの左端側は、後述するハウジング31の左側の半割体31Lから外部に向けて突出して設けられ、当該突出した箇所に駆動プーリ25が固定設置されている。この駆動プーリ25は、後述する従動プーリ26と協働して研削ベルト22を回転可能な状態で設置可能となっている。したがって、モータ12からの回転駆動力は、モータ軸14の下方側軸先端部に形成される駆動歯車14aと噛み合う第1歯車24b、第1歯車24bと一体的に回転する第2歯車24c、第2歯車24cと噛み合う第3歯車24e、第3歯車24eと噛み合う第4歯車24gといった駆動伝達機構24を構成する歯車群を介して駆動プーリ25に伝達され、駆動プーリ25と従動プーリ26とに設置される研削ベルト22を回転駆動するように構成されている。
上述の駆動伝達機構24の構成では、図18に示されるように、第3歯車24eおよび第4歯車24gが、駆動歯車14aの中心を通る前後方向直線に対して右側に配置されることになり、第4歯車24gの左側に位置する駆動プーリ25を当該前後方向直線と重畳して配置することが可能となる。これにより、研削ベルト22をアタッチメント式ベルトサンダ10の左右方向中心部に配置することができるので、作業性を向上することができる。なお、本実施形態では、研削ベルト22は左右方向中心に対して僅かに左側に位置させている。これは、駆動伝達機構24の第3歯車24eおよび第4歯車24gが左右方向中心に対して右側に配置したことによる左右方向の重量アンバランスを打ち消すためである。さらに、上述の駆動伝達機構24の構成では、本体部11が備える駆動歯車14aに対してベルトサンダユニット21が備える駆動プーリ25を前方に離間させて配置することが可能となる。これにより、本体部11に対する研削ベルト22の前方への突出量を大きくすることが可能となり、さらに作業性を向上することができる。
なお、本体部11に対してベルトサンダユニット21を装着したときに、駆動歯車14aは、第1歯車24bと噛み合うように構成されている。すなわち、第1歯車24bは、駆動歯車14aと同じねじれ角を有する左ねじれのハスバ歯車として構成されている。また、アタッチメント式ベルトサンダ10を上面側から見たときに、駆動歯車14aが時計回りに回転すると、第1歯車24bは反時計回りに回転することとなり、図13において矢印で回転方向を示すように、最終的に研削ベルト22は、上側が前方に向けて移動し、下側が後方に向けて移動するように構成されている。
次に、図7〜図12を参照図面に加えて、本実施形態に係るベルトサンダユニット21の構成を説明する。本実施形態に係るベルトサンダユニット21は、図18に示すように、ベルトサンダユニット21の外郭を構成するハウジング31が左右半割の構造体として構成されるとともに、右側の半割体31Rが左側の半割体31Lよりも前方に突出するように形成されている。また、右側の半割体31Rに形成された当該突出した箇所に対しては、従動プーリ26を支持する従動プーリ支持部27が形成されている。
従動プーリ支持部27の前方側の先端部に対して、従動プーリ26が自由回転可能な状態で設置されている。本実施形態に係る従動プーリ26は、駆動プーリ25の前方に向けて付勢された状態で左右方向軸線回りに回転自在に支持される部材であり、駆動プーリ25と従動プーリ26との間に対して、無端状に形成された研削ベルト22が、張力を加えられて架け渡されることで、研削ベルト22の取り付けが行われている。
また、従動プーリ支持部27には、研削ベルト22に張力を加えて研削作業を可能にしたり、張力を解除して研削ベルト22を取り外したりするための伸縮機構が備わっている。この伸縮機構は、公知の機構であるので詳細説明は省略するが、図19に示すように、従動プーリ支持部27には伸縮機構を動作させるための操作レバー27aが設置されており、図19中の分図(a)で示すように、操作レバー27aを上方に向けて起こすと、従動プーリ支持部27の前後方向の長さは縮まり、図19中の分図(b)で示すように、操作レバー27aを後方に向けて倒して水平状態にすると、従動プーリ支持部27の前後方向の長さは伸びることとなる。つまり、従動プーリ支持部27が備える操作レバー27aを操作することで伸縮機構が動作して、従動プーリ支持部27の前後方向長さが変化し、結果として駆動プーリ25に対する従動プーリ26の位置関係が前後方向に変化することになる。したがって、従動プーリ支持部27を図19中の分図(a)で示す状態としてベルトサンダユニット21の前方に設置される駆動プーリ25と従動プーリ26とに研削ベルト22を架け渡し、この状態から操作レバー27aを後方に向けて倒して図19中の分図(b)で示す状態とすることで、駆動プーリ25に対して従動プーリ26が前方に移動し、その結果、駆動プーリ25と従動プーリ26とに架け渡された研削ベルト22は張力を受けることとなる。この状態でモータ12を駆動させると、駆動歯車14aと駆動伝達機構24を介して駆動プーリ25が回転駆動される。より具体的には、駆動伝達機構24は、軸線を上下方向とするモータ軸14からの回転駆動力を、左右方向軸線回りに回転自在な駆動プーリ25へ伝達することができるので、張力を受けた状態の研削ベルト22が回転運動を行い、被加工物に対する好適な研削作業を行うことが可能となっている。なお、図19の分図(b)で示す状態においては、操作レバー27aは駆動プーリ25の左側近傍に位置しており、駆動プーリ25への巻き込みを防止するためのカバーとしての機能も発揮するように構成されている(図2および図10参照)。
さらに、本実施形態に係るベルトサンダユニット21は、外郭形状についても特徴を有している。すなわち、図7〜図12に示されるように、本実施形態に係るベルトサンダユニット21の前後方向中央部の下面には、下方に向かって突出する凸形状部32が形成されている。そして、本実施形態に係るベルトサンダユニット21では、ベルトサンダユニット21単体での重心位置が、凸形状部32と重畳した位置となるように構成されているので、ベルトサンダユニット21単体を地面に載置した際に、研削ベルト22や従動プーリ26が地面に衝突しない状態でベルトサンダユニット21自体が自立できる。一方、本体部11に対するベルトサンダユニット21の装着が行われたときのアタッチメント式ベルトサンダ10の重心位置は、凸形状部32に対して後方に位置するように構成されているので、ベルトサンダユニット21を地面に載置した際に、研削ベルト22側が上方に傾き、電気コード15が設置される後ハウジング部11d側が下側に傾いて地面に接地されるので、研削ベルト22や従動プーリ26が地面に衝突しない状態でアタッチメント式ベルトサンダ10を地面に安定して置くことが可能となっている。
以上、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10が備える特徴的な構成を説明した。上述したように、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10は、本体部11に配置される駆動歯車14aと、ベルトサンダユニット21に配置される駆動伝達機構24との駆動連結部において、本体部11に対するベルトサンダユニット21の着脱を行うように構成されるものである。そこで、次に、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10において、本体部11に対してベルトサンダユニット21を好適に取り付けるための構成について、図7、図9、図10、図20および図21を参照して説明を行う。
本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10では、本体部11へのベルトサンダユニット21の装着が、2段階の手順を踏んで実行されるように構成されている。この2段階の手順は、仮接続の状態と、強固に接続された状態とで実行されることとなる。
まず、仮接続の状態を実現するための構成について説明を行う。図7、図9および図10に示されるように、本実施形態に係るベルトサンダユニット21には、本体部11との接続箇所に対して2つの係合アーム62が形成されている。この2つの係合アーム62は、図9および図10においてより詳細に示されるように、側面視で略逆L字形をした部材が上方に向けて立設した状態で配置された部材である。この2つの係合アーム62の上部は、斜面を有した形状を備えており、また、この斜面の下方には、窪み形状が形成されている。
一方、本体部11において、上述したベルトサンダユニット21に形成された2つの係合アーム62と対応する位置には、図20および図21で示される係合部材52が設置されている。この係合部材52は、本体部11の左右の位置に1つずつ、合計2つ配置されている。また、2つの係合部材52は、コイルばね53を介して本体部11に設置されており、このコイルばね53の弾性力の作用によって、常には、本体部11の後方に向けて押圧されるように構成されている。さらに、2つの係合部材52のそれぞれは、本体部11に対してベルトサンダユニット21が装着される際に、ベルトサンダユニット21が備える上述した2つの係合アーム62と接触する箇所に、軸状部52aを有しており、また、本体部11の左右側面から表出する箇所には、凹凸状をした滑り止め形状を有する操作ノブ52bが形成されている。
したがって、本体部11に対してベルトサンダユニット21を装着しようとすると、初めに本体部11の左右の位置に設置された係合部材52に形成された軸状部52aが係合アーム62の上部に当接することとなるが、係合アーム62の上部に形成された斜面形状の作用によって、軸状部52aにはコイルばね53の弾性力に抗した力が働き、係合部材52は本体部11の前方に向けて移動しながら係合アーム62の上部斜面に沿った動きを行うこととなる。そして、本体部11に対してベルトサンダユニット21をさらに押し込むと、軸状部52aが係合アーム62の上方斜面を乗り越えて当該斜面の下方に形成された窪み形状に嵌り込むこととなる。このとき、軸状部52aは、コイルばね53の弾性力によって、係合アーム62の窪み形状の内部に位置保持されるように、窪み形状に向けて押し込まれることとなる。このようにして2つの係合部材52と2つの係合アーム62が係合状態となり、本体部11とベルトサンダユニット21との仮接続の状態が実現されることとなる。なお、この仮接続の状態は、後述する強固に接続された状態への移行の際と、逆に、強固に接続された状態から仮接続の状態に移行する際に、本体部11からベルトサンダユニット21が落下してしまう不具合を好適に防止する機構としても機能するものである。すなわち、本実施形態では、本体部11に設置された係合部材52と、ベルトサンダユニット21に形成された係合アーム62とが、本発明の落下防止機構として機能するように構成されている。
次に、本実施形態において、本体部11へのベルトサンダユニット21の装着が強固に接続された状態となるための機構について説明を行う。図20および図21に示すように、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10は、本体部11に対して把持空間部S側から操作可能な操作部を有しており、この操作部は、所定角度の回転操作が可能な回転式操作部材54として構成される部材である。
この回転式操作部材54には、スライド移動可能に配設された係止部材56が設置されている。係止部材56は、図20および図21にてより詳細に示されるように、プレート状の部材として構成されており、前方に2つの係止手段としての係止凸部56aが形成されるとともに、プレート中央に大きく開口した開口部の左右には、2つの係止手段としての平行平板部56bが形成されるとともに、プレート後方の位置には、1つの係止手段としての孔部56cが形成されている。つまり、本実施形態に係る係止部材56には、5つの係止手段が形成されている。
また、プレート状からなる係止部材56の後方位置であって、孔部56cの左側には、回転式操作部材54が有するピン部材54aと接続するための接続穴56dが形成されている。回転式操作部材54を所定角度で回転操作することによって、回転式操作部材54が有するピン部材54aから接続穴56dを介して移動力を受けた係止部材56は、前後方向にスライド移動することが可能となっている。なお、プレート状からなる係止部材56の左右の前後位置には、スムーズなスライド移動を可能とするための4つの案内形状部56eが形成されている。そして、これら4つの案内形状部56eが下ハウジング部11cの内部に形成された案内面に沿うことで、係止部材56は、前後方向にスムーズなスライド移動を行うことが可能となっている。
一方、ベルトサンダユニット21には、プレート状からなる係止部材56を係止するための係止部が形成されており、本実施形態に係る係止部の具体的な形状が、例えば、図7に示されている。すなわち、ベルトサンダユニット21には、プレート状からなる係止部材56の前方に形成された2つの係止凸部56aと対応する位置に2つの係止凹部63aが形成されており、また、プレート状からなる係止部材56の中央開口部の左右に形成された2つの平行平板部56bと対応する位置(図7における符号63bの位置、あわせて図5および図12参照)に2つの溝部63bが形成されており、さらに、プレート状からなる係止部材56の後方に形成された1つの孔部56cと対応する位置に1つの突起部63cが形成されている。
2つの係止凹部63a、2つの溝部63bおよび1つの突起部63cとして形成される本実施形態に係る係止部は、第1歯車24b等の駆動伝達機構24を収納するギヤボックスと一体的に構成されており、さらにこれらの部材は、剛性を高めるためにアルミニウム合金によって形成されている。そして、2つの係止凹部63aに対して2つの係止凸部56aが挿入して係止されることで、本体部11に対してベルトサンダユニット21が上下方向で開いてしまうことを好適に防止できる。また、2つの平行平板部56bは、それぞれが2つの溝部63bに対して挿入されるので、本体部11に対してベルトサンダユニット21が左右方向に移動してしまうことを防止する機能を発揮することとなる。さらに、プレート状からなる係止部材56の孔部56cは、突起部63cに対して嵌り込むことで、本体部11に対してベルトサンダユニット21が上下方向で開いてしまうことを好適に防止するために機能する。
以上説明したように、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10では、回転式操作部材54を所定角度で回転操作することによって係止部材56が前後方向でスライド移動することとなり、5つの係止手段(2つの係止凸部56a、2つの平行平板部56bおよび1つの孔部56c)と5つの係止部(2つの係止凹部63a、2つの溝部63bおよび1つの突起部63c)との係止状態と係止解除状態とを切り替えることが可能となっている。
以上、本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10が備える、本体部11とベルトサンダユニット21との連結状態を、より強固なものとするための構成を説明した。本実施形態に係るアタッチメント式ベルトサンダ10では、上述した種々の特徴的な構成を備えることにより、駆動源であるモータ12を収納する本体部11と、モータ12からの駆動力を受けて動作する研削ベルト22を有するベルトサンダユニット21とが、着脱自在に構成されるアタッチメント式ベルトサンダ10と、このアタッチメント式ベルトサンダ10に用いられるベルトサンダユニット21を、初めて実現することが可能となっている
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、本体部11とベルトサンダユニット21とが着脱自在に構成されるアタッチメント式ベルトサンダ10を提供する技術を示したが、本発明の範囲はこれに限られず、上述したアタッチメント式ベルトサンダ10に用いられるベルトサンダユニット21の単体構成を含むものであるとともに、上述したアタッチメント式ベルトサンダ10と同様の構成を備えるアタッチメント式でないベルトサンダをも含むことができる。
また例えば、上述した実施形態では、駆動伝達機構24は歯車群によって回転駆動力が伝達されるように構成されていたが、これに限定されない。ベルトあるいはチェーンを含む駆動伝達機構として構成することもできる。
その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。