JP2018533661A - チオールエン重付加反応を使用してポリマーを製造または硬化する方法 - Google Patents

チオールエン重付加反応を使用してポリマーを製造または硬化する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アルケニルエーテルポリオールまたはそのようなアルケニルエーテルポリオールに由来するモノマー単位を含むプレポリマー、およびポリチオール化合物からポリマー、特にポリヒドロキシウレタン(PHU)を製造する方法、ならびにアルケニルエーテル基を含有する化合物をポリチオール化合物で架橋する方法に関する。本発明はまた、本発明の方法を使用して得ることができるポリマーおよび架橋ポリマーに関する。

Description

本発明は、アルケニルエーテルポリオール、またはそのようなアルケニルエーテルポリオールに由来するモノマー単位を含むプレポリマー、およびポリチオール化合物から、ポリマー、特にポリヒドロキシウレタン(PHU)を製造する方法、ならびにアルケニルエーテル基含有化合物をポリチオール化合物で架橋する方法に関する。本発明はまた、本発明の方法を使用して得ることができるポリマーおよび架橋ポリマーに関する。
フォトポリマーは関心を高める主題であるが、それは、種々様々の重要な技術分野、例えばステレオリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー、3D印刷および省エネルギーLEDでそれを使用することができ、対応して適応させたフォトポリマーシステムを反応させるのに適切であって、利用可能でもあるからである。光重合は一般に多量のエネルギーを必要とせず、接着剤およびコーティングの分野において環境上有害な溶媒系製品配合物および工程の代替としてますます使用されている。したがって、既存の製造および硬化方法を光重合に基づく代替法で置き換えることに、一般的関心がある。
ポリヒドロキシウレタン、すなわち1分子当たりの複数の遊離ヒドロキシ基を有するポリウレタンは、目下のところ環状カーボネートのアミノリシスによって主に製造されている。この合成経路はイソシアネートおよびホスゲンを用いないで済ますことができるので環境に優しいが、熱可塑性ポリマー系(すなわち、架橋せず大部分が非分枝、直鎖のポリマー鎖)が望まれる場合、比較的低分子量のポリウレタンのみをさらに得ることができる。
したがって、高分子ポリマーを得ることができるが、それでも、イソシアネートおよびホスゲンの使用をなしで済ますことができる限り環境に優しい、ポリヒドロキシウレタン(PHU)を製造する(先行技術と比較して)改善された方法に対する必要性がある。
PHUおよび他のヒドロキシル基含有ポリマーもまた、代替としてアルケニルエーテルポリオールを使用する、チオールエンクリック重付加によって得ることができることが見出された。アルケニルエーテル官能化ポリオールは、多数のUV開始型陽イオン性重縮合および重付加反応のための一般に優れた前駆体であり、官能基化の構造および程度に応じて、結果として得られるポリマー系中の架橋密度の良好な制御が可能である。アルケニルエーテルポリオールは、OH基の反応、例えば重付加工程または重縮合反応によって得られるオリゴマーおよびポリマーの合成用の出発材料として非常に一般的に使用することができる。このようにして得ることができるポリマーは、例えばポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタンおよびポリ尿素を含む。アルケニルエーテル官能基は、追加の官能基化、架橋および重合反応、例えばポリオールおよびその反応生成物の陽イオン性重合またはラジカル共重合を可能にする。
したがって、本発明の第1の主題は、ポリマー、特にポリヒドロキシウレタンポリマーを製造する方法であって、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、特に1-アルケニルエーテル基および少なくとも2個のヒドロキシル基(-OH)を含有する少なくとも1種のアルケニルエーテルポリオール、またはモノマー単位として少なくとも1種のそのようなアルケニルエーテルポリオールを含有するプレポリマーを、少なくとも2個のチオール基(-SH)を含む化合物と反応させることを含む方法である。
さらに、本発明は、少なくとも1個のアルケニルエーテル基を含む化合物、好ましくは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、特に1-アルケニルエーテル基、および少なくとも2個のヒドロキシル基(OH)を含むアルケニルエーテルポリオール、またはモノマー単位として少なくとも1種のそのようなアルケニルエーテルポリオールを含むポリマー、特にポリウレタンまたはポリエステルを架橋する方法において、前記化合物を少なくとも2個のチオール基を含む化合物と反応させることを含む方法を対象とする。
本発明はさらに、本発明の方法によって得ることができるポリマー、特にポリヒドロキシウレタン(PUH)または架橋ポリマーを対象とする。
「アルケニルエーテルポリオール」とは、本明細書において使用される場合、炭素原子に結合した式-O-アルケニルの少なくとも1個の基、および少なくとも2個のヒドロキシル基(OH)を含む化合物を示す。アルケニルエーテルポリオールは、アルケニルエーテル基とヒドロキシ基の両方が結合している(すなわち、ヒドロキシ基はアルケニル基に結合していない)、ウレタン基含有有機基を任意に含むことが好ましい。さらに、アルケニルエーテル基は1-アルケニルエーテル基(すなわち、酸素原子に隣接してC-C二重結合がある)であることが好ましい。ビニルエーテル基(すなわち式-O-CH=CHの基)は、特に非常に好ましい。
用語「ウレタン基」とは、本明細書において使用される場合、式-O-C(O)-NH-または-NH-C(O)-O-の基を示す。
用語「アルキル」とは、本明細書において使用される場合、直鎖または分枝、非置換または置換の飽和炭化水素基、特に式C2n+1の基を示す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどを含むがこれらに限定されない。「ヘテロアルキル」とは、本明細書において使用される場合、少なくとも1個の炭素原子が、特に酸素、窒素または硫黄などのヘテロ原子と置き換えられたアルキル基を示す。例としては、エーテルおよびポリエーテル、例えばジエチルエーテルまたはポリエチレンオキシドを含むがこれらに限定されない。
用語「アルケニル」とは、本明細書において使用される場合、少なくとも1個のC-C二重結合を含む、直鎖または分枝、非置換または置換の炭化水素基を示す。
「置換された」とは、特にアルキルおよびヘテロアルキル基に関連して本明細書において使用される場合、1個または複数の炭素原子および/または水素原子が他の原子または基と置き換えられた化合物を指す。適切な置換基としては、-OH、-NH、-NO、-CN、-OCN、-SCN、-NCO、-NCS、-SH、-SOH、-SOH、-COOH、-CHOなどを含むがこれらに限定されない。
用語「有機基」とは、本明細書において使用される場合、炭素原子を含む任意の有機基を指す。有機基は特に炭化水素に由来することがあり、任意の炭素および水素原子を他の原子または基に置き換えることが可能である。本発明の意味内の有機基は、種々の実施形態において、1〜1,000の炭素原子を含む。
「エポキシド」とは、本明細書において使用される場合、エポキシ基を含む化合物を示す。
「環状カーボネート」とは、本明細書において使用される場合、環成分として基-O-C(=O)-O-を含む環状化合物を示す。
用語「アルコール」とは、少なくとも1個のヒドロキシル基(-OH)を含む有機化合物を示す。
用語「アミン」とは、少なくとも1個の第一級または第二級アミノ基(NH、-NHR)を含む有機化合物を示す。
用語「チオール」または「メルカプタン」とは、少なくとも1個のチオール基(-SH)を含む有機化合物を示す。
用語「カルボン酸」とは、少なくとも1個のカルボキシル基(C(=O)OH)を含む化合物を示す。
用語「誘導体」とは、本明細書において使用される場合、1つまたは複数の化学反応によって基準化合物に対して改質された化合物を示す。官能基-OH、-COOH、-SHおよび-NHまたはアルコール、カルボン酸、チオールおよびアミンの化合物群に関連して、用語「誘導体」には、特に対応するイオン性基/化合物およびその塩、すなわちアルコラート、カルボキシレート、チオラートおよび第四級窒素原子を含む化合物が含まれる。環状カーボネートに関連して、用語「誘導体」はまた、カーボネートのより具体的に記載されたチオ誘導体、すなわち、基O-C(=O)-O-の1、2または3個すべての酸素原子を硫黄原子に置き換えた化合物を含むことができる。
「少なくとも」とは、数値に関連して本明細書において使用される場合、ちょうどこの数値またはそれ以上を指す。「少なくとも1つの」とは、したがって、例えば1またはそれ以上、すなわち2、3、4、5、6、7、8、9または10以上を意味する。化合物の種類に関連して、この用語は、分子の絶対数を指すのではなく、むしろ特定の総称に分類される物質の種類の数を指す。したがって、「少なくとも1種のエポキシド」は、エポキシドの少なくとも1つの種類を意味するが、また、例えば複数の異なるエポキシドが含まれていてもよい。
用語「硬化性」とは、本明細書において使用される場合、化学反応によって材料の状態および/または構造における変化を示し、この変化は、通常、しかし常にではないが、時間、温度、湿気、照射、硬化触媒または促進剤の存在および量などの少なくとも1つの変数によって引き起こされる。この用語は、材料の完全硬化と部分的硬化の両方に関係する。
したがって、「放射線硬化性」または「放射線架橋可能な」とは、放射線に曝露された場合、化学的に反応し新しい結合(分子内または分子間)を形成する化合物を示す。
「放射線」とは、本明細書において使用される場合、電磁放射、特にUV光および可視光、ならびに電子放射線を指す。硬化は、好ましくは光、例えばUV光または可視光への曝露によって起こる。
用語「二価」とは、基に関連して本明細書において使用される場合、追加の部分への接続を生ずる少なくとも2つの接続点を有する基を示す。本発明の意味内では、二価アルキル基は、したがって式-アルキル-の基を意味する。この種の二価アルキル基は、本明細書においてアルキレニル基とも称される。したがって、「多価」とは、基が1を超える接続点を有することを意味する。例えば、この種の基は、三、四、五または六価であってもよい。したがって「少なくとも二価」とは、二価またはそれを超える多価を意味する。
用語「ポリ」とは、この接頭辞に続く(官能)基または構造単位の繰り返し単位を指す。したがって、ポリオールは少なくとも2個のヒドロキシ基を有する化合物を示し、ポリアルキレングリコールは、アルキレングリコールモノマー単位のポリマーを示す。
「ポリイソシアネート」とは、本明細書において使用される場合、1を超えるイソシアネート基(-NCO)を含む有機化合物を指す。
特記しない限り、本明細書において示された分子量は、数平均分子量(Mn)を指す。数平均分子量は、末端基分析に基づいて(DIN 53240によるOH価:EN ISO 11909によるSpiegelbergerに従って滴定で測定されるNCO含量)、またはDIN 55672-1:2007-08に従い、THFを溶離液として用いるゲル浸透クロマトグラフィーにより求めることができる。他に示す場合を除き、列挙した分子量はすべて、末端基分析を用いて決定したものである。
アルケニルエーテルは、アルケニルエーテル基(複数可)に加えて、-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体を含む、エポキシまたはシクロカーボネート基に対して反応性である少なくとも1個の他の官能基を含む脂肪族化合物であってもよい。この官能基は、エポキシド環の環炭素またはシクロカーボネートのカルボニル炭素原子を求核的に攻撃し、開環し、ヒドロキシル基が形成される。反応性求核基に応じて、O-C-、N-C、S-CまたはO-/N-/S-C(=O)O結合が、この場合、形成される。
アルケニルエーテルポリオールは、例えば2つの候補、経路A)およびB)によって製造することができる。
経路A)において、アルケニルエーテルは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、および-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含み、(i)エポキシドまたは(ii)環状カーボネートもしくはその誘導体と反応させられる。
経路B)において、アルケニルエーテルは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに(i)エポキシ基および(ii)環状カーボネート基またはその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含み、アルコール、チオール、カルボン酸もしくはアミンまたはその誘導体と反応させられる。上述のアルコール、チオール、カルボン酸およびアミンは、単官能性または多官能性であってもよい。
経路に関係なく、アルケニルエーテルポリオールは、ヒドロキシ、チオール、カルボキシルまたはアミノ基を、エポキシドまたは環状カーボネート基と開環反応させることにより形成される。
すべての実施形態において、反応生成物(すなわち得られたアルケニルエーテルポリオール)が少なくとも2個のヒドロキシル基を持つように、反応相手は選択される。
例えば、アルケニルエーテルポリオールは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに、-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含有するアルケニルエーテルと、(i)エポキシドまたは(ii)環状カーボネートまたはその誘導体とを反応させることにより製造され、このようにして製造されたアルケニルエーテルポリオールは、式(I):
Figure 2018533661
のアルケニルエーテルポリオールである。式(I)の化合物において、
は、1〜1,000の炭素原子を任意に有する少なくとも二価の有機基、特に1〜50、好ましくは1〜20の炭素原子を有する少なくとも二価の直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または、1〜50、好ましくは1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する、少なくとも二価の直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルであり、Rは、少なくとも1個の-OH基および/または1〜1,000の炭素原子を任意に含む有機基、特に1〜50、好ましくは1〜20の炭素原子を有する(任意に二価または多価の)直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または、1〜50、好ましくは1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する、(任意に二価または多価の)直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。しかし、Rは、ポリアルキレングリコール基などの高分子基であってもよい。この種の(ポリ)アルキレングリコール基は、式-O-[CHRCHO]b-Rb、[例えば、式中、RはHまたはC1-4アルキル基であり、Rは-Hまたは有機基であり、bは1〜100である]を有してもよい。
式(I)の化合物において、Xは、O、S、C(=O)O、OC(=O)O、C(=O)OC(=O)O、NR、NRC(=O)O、NRC(=O)NRまたはOC(=O)NRである。好ましい実施形態において、Xは、O、OC(=O)O、NRまたはNRC(=O)Oである。
各RおよびR’は、H、C1-20アルキルおよびC2-20アルケニルから独立して選択され、特にRおよびR’の1つはHであって他方はC1-4アルキルであるか、またはRとR’の両方がHである。特に好ましくは、RはHであり、R’はHまたは-CHである。
各A、BおよびCは、式CR''R'''の炭素含有基から独立して選択され、R''およびR'''は、H、例えば-OH、-NH、-NO、-CN、-OCN、-SCN、-NCO、-NCS、-SH、-SOHまたは-SOHなどの官能基および有機基から独立して選択される。特に、R''およびR'''は独立してHまたはC1-20アルキルである。しかし、R''およびR'''は一緒に、またはこれらが結合している炭素原子を伴って、環状基を含む有機基または官能基を形成してもよい。この種の基の例は、=CH、=CH-アルキルまたは=C(アルキル)、=O、=S、-(CH)aa-[式中、aa=3〜5である]、または、1個または複数のメチレン基が、N、OまたはSなどのヘテロ原子と置き換えられたその誘導体である。しかし、隣接する炭素原子に結合したR''およびR'''の2つも一緒に結合を形成してもよい。その結果、2個の隣接する炭素原子間で二重結合(すなわち-C(R'')=C(R'')-)を形成する。
Figure 2018533661
は単結合または二重結合を表す。これが二重結合を表す場合、Rに結合した炭素原子は、置換基R''またはR'''の1個のみを有する。
式(I)の化合物において、mは、1〜10の整数、好ましくは1または2、特に好ましくは1であり、すなわち、化合物は、好ましくはわずか1つのみまたは2個のアルケニルエーテル基を有する。
n、pおよびoはそれぞれ0、または1〜10の整数である。この場合、それらはn+p+o=1以上、特に1または2であるという条件を満たす。nまたはoが1であって他方が0であるのが特に好ましい。代替として、nまたはoが2であって他方が0であるのが特に好ましい。pが0であり、nとoの1つが1または2であって他方が0であるのも好ましい。nおよびoが1であり、pが0である実施形態も好ましい。
xはH、有機基または
Figure 2018533661
である。
アルケニルエーテルポリオールが少なくとも2個のヒドロキシル基を含むためには、式(I)の化合物はまた、それにより、R
Figure 2018533661
でない場合、Rが-OHおよび
Figure 2018533661
から選択される少なくとも1個の置換基を含むという条件を満たす。
したがって、式(I)の化合物の第2のヒドロキシル基は、有機基R中の置換基として含まれているか、または、Xは、式
Figure 2018533661
の別の基を含んでいるかのいずれかである。
様々な実施形態において、式(I)のアルケニルエーテルポリオールは少なくとも1個のウレタン基を含む。本明細書において記載された方法によるポリチオールを用いる反応によって、次に、ポリヒドロキシウレタン(PHU)を得ることができる。
アルケニルエーテルポリオールを得るための本発明の製造方法の様々な実施形態において、アルケニルエーテルは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含み、式(II)のアルケニルエーテルである。
Figure 2018533661
この種のアルケニルエーテルは、例えば、エポキシドまたは環状カーボネートと反応させることにより、式(I)のアルケニルエーテルポリオールを合成するために使用することができる。
式(II)の化合物において、R、R、R’およびmは式(I)に関して上記に定義された通りである。特に、式(I)の化合物について上記のR、R、R’およびmの好ましい実施形態を、同様に式(II)の化合物に引き移してもよい。
式(II)の化合物において、
は、-OH、-COOHおよび-SHおよび-NHRおよびその誘導体から選択される官能基であり、
はHまたは有機基(好ましくはH)である。
官能基-OH、-COOH、-SH、-NHRyの誘導体は、好ましくは用語の定義に関連して既に上に記載したイオン性の変異形であり、この変異形は、プロトンの除去または結合によって生じ、この場合特にアルコラート、チオラートおよびカルボキシレート、とりわけ好ましくはアルコラートである。
特に好ましくは、Xは-OHまたは-O-または-NHである。
アルケニルエーテルポリオールを製造する、記載された方法の一実施形態は、式(II)のアルケニルエーテルにおいて、mは1であり、Xは-OHまたは-NH、好ましくは-OHであり、Rは、二価の、直鎖または分枝C1-10アルキル基(アルキレニル基)、特にエチレニル、プロピレニル、ブチレニル、ペンチレニルまたはヘキシレニルであり、RおよびR’の1つはHであって他方はHまたは-CHであることをさらに特徴とする。
アルケニルエーテルポリオールを製造する、記載された方法の一部として使用されてもよいアルケニルエーテル、特に式(II)のものは、例えば様々な任意に置換されたアルカノール(モノアルコールおよびポリオール)のアセチレンとの反応生成物であってもよい。特定の例は、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)および3-アミノプロピルビニルエーテル(APVE)を含むがこれらに限定されない。
アルケニルエーテルポリオールを製造する、記載された方法の別の実施形態は、アルケニルエーテルと反応するエポキシドが式(III)または(IIIa):
Figure 2018533661
のエポキシドであることを特徴とする。
式(III)および(IIIa)の化合物において、Rは式(I)について上に定義された通りである。
11、R12およびR13は、互いに独立して、H、または少なくとも1個の-OH基を任意に有する有機基、特に1〜20の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。
qは1〜10の整数、好ましくは1または2である。
したがって、アルケニルエーテルポリオールを製造する方法において使用することができるエポキシ化合物は、好ましくは少なくとも1個のエポキシ基を有し、炭素原子数1〜1000、好ましくは1〜50または1〜20を有する、直鎖または分枝、置換または非置換のアルカンである。前記エポキシ化合物は、任意に、1個または複数のヒドロキシ基をさらに有してもよく、その結果として、上記のように、エポキシドに対して反応性であるアルケニルエーテルのエポキシドとの反応から得られるアルケニルエーテルポリオールのヒドロキシル官能基化の程度は高い。その結果、後の重合反応において、望ましいポリマーの架橋密度を検査し制御することができる。
エポキシドに対して反応性であるアルケニルエーテル化合物(-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を有するアルケニルエーテル)の反応において、エポキシドの開環によってアルコールが形成される。結合形成の過程で、第1のアルコール、または、この文脈において、化学的にエポキシドと関連する化合物(アミン、チオール、カルボン酸など)の反応から、アルコール基が、それにより「再生」される。
様々な実施形態において、エポキシ化合物は1を超えるエポキシ基を有することができる。それにより、この種のエポキシ化合物を、エポキシドに対して反応性である1を超えるアルケニルエーテル化合物、例えばアミノアルケニルエーテルまたはヒドロキシアルケニルエーテルと反応させることができるようになる。
特に好ましい実施形態において、エポキシドは式(III)[式中、qは1または2であり、qが2である場合、Rは-CH-O-C1-10-アルキレニル-O-CH-であり、また、qが1である場合、Rは-CH-O-C1-10-アルキルである]のエポキシドである。
アルケニルエーテルポリオールを製造する方法において使用することができるエポキシ化合物の例は、特にグリシジルエーテル、例えば、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE)、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノール-A-ジグリシジルエーテル(BADGE)、ノボラック系エポキシドおよびエポキシ化ポリブタジエンまたは脂肪酸エステルであるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、式(I)のアルケニルエーテルポリオールは、式(II)のアルケニルエーテルを式(III)または(IIIa)のエポキシドと反応させることにより得ることができる。
エポキシドの代わりに、エポキシドに対して反応性である化合物(アルケニルエーテル化合物)と反応させる化合物はまた、環状カーボネートまたはその誘導体であってもよい。環状カーボネート化合物は、反応相手として働く化合物に対してエポキシドに対するのと類似の反応性を受けやすく、エポキシドと環状カーボネート化合物の両方が、開環およびアルコール官能基の「再生」によって、エポキシドの場合には、エポキシド環のメチレンに、環状カーボネートの場合にはカルボニル炭素原子に求核的に付加し、その結果、反応性求核基に応じてO-C-、N-C、S-CまたはO-/N-/S-C(=O)O結合が形成される。
好ましい実施形態において、アルケニルエーテルポリオールを製造する、記載された方法において、アルケニルエーテル、特に式(II)のアルケニルエーテルと反応することができる環状カーボネートは、式(IV)または(IVa):
Figure 2018533661
のシクロカーボネートである。
式(IV)および(IVa)の化合物において、Rは式(I)、(III)および(IIIa)について定義された通りである。特に、RはC1-10ヒドロキシアルキルである。他の実施形態において、Rは=CHであってもよい。
Figure 2018533661
は、単結合または二重結合、好ましくは単結合を表す。環が二重結合を含む場合、Rがエキソ二重結合によってではなく単結合によって結合することは自明であり、その逆も正しい。
dは、0、1、2、3、4または5、好ましくは0または1、特に好ましくは0であり、rは1〜10の整数、好ましくは1または2、特により好ましくは1である。
dが1、すなわち環状カーボネートが1,3-ジオキサン-2-オンである場合、Rは、4または5の位置であってよいが、好ましくは5の位置である。
環状カーボネートの例は、4または5の位置にRによって置換された1,3-ジオキソラン-2-オン、4,5-デヒドロ-1,3-ジオキソラン-2-オン、4-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オンおよび1,3-ジオキサン-2-オンを含むがこれらに限定されない。
アルケニルエーテルポリオールを製造する、記載された方法の様々な実施形態において、式(IV)および(IVa)のカーボネート誘導体である環状カーボネートが使用される。誘導体の例には、例えば、有機基、特に最大20の炭素原子を有する、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキルもしくはアルケニル基、特に=CHおよび-CH=CH、または最大20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルもしくはヘテロアルケニル基、もしくは官能基、例えば-OHもしくは-COOHにより環メチレン基において置換された誘導体、特にR基を有しないものを含む。そのような誘導体の例は、例えば5の位置にR基を有する4-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オン、または、5の位置のR基がメチレン-トリメチロールモノカーボネート基である二炭酸ジ-(トリメチロールプロパン)を含む。
基が単結合を介して結合した様々な実施形態において、R基を有する環炭素原子は、他の環メチレン基について上述の置換基として同様に定義された別の置換基によって置換することができる。
さらなる誘導体は、環酸素原子の1つまたは両方が硫黄原子と置き換えられたもの、および、代わりにまたはさらに、カルボニル酸素原子が硫黄原子と置き換えられたものである。特に好ましい誘導体は1,3-オキサチオラン-2-チオンである。
様々な実施形態において、環状カーボネートは5の位置にR基を有する4-メチレン-1,3-ジオキソラン-2-オンである。反応性基としてアミノ基を有するアルキルエーテルと、この種の環状カーボネートを反応させる場合、式(Ia)の化合物が形成してよい:
Figure 2018533661
この化合物において、m、R、R、R’、RおよびRは、式(I)〜(IV)の化合物について上に定義された通りである。式(Ia)のこれらの化合物はアルケニルエーテル基を含まず、したがって、ポリウレタンまたはポリエステルの製造用ポリオールとして使用することができるが、それができるのはアルケニルエーテル基を含むさらなるポリオールと組み合わせた場合のみである。したがって、本発明によると、式(Ia)のそのような化合物は好ましくない。
様々な実施形態において、式(IV)および(IVa)の上記環状カーボネートおよびその誘導体を式(II)の化合物との反応において、式(II)の化合物において、(i)Xは-NHまたはその誘導体であり、式(IV)または(IVa)の化合物において、rは1であり;または、(ii)Xは-OHもしくはその誘導体であり、式(IV)または(IVa)の化合物において、rは2である。
本発明の様々な実施形態において、少なくとも1個のウレタン基を含むアルケニルエーテルポリオールが好ましい。これらは、反応性基としてアミノ基を有する上に定義されたアルケニルエーテルを、記載された環状カーボネートと反応させることにより得ることができる。
他の実施形態において、アルケニルエーテルポリオールは経路B)で示された化合物を反応させることにより得ることができる。この場合、アルケニルエーテルポリオールは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに(i)エポキシ基および(ii)環状カーボネート基またはその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含有するアルケニルエーテルを、アルコール、チオール、カルボン酸もしくはアミンまたはその誘導体と反応させることにより製造される。
この方法の様々な実施形態において、アルケニルエーテルポリオールは式(V):
Figure 2018533661
のアルケニルエーテルポリオールである。
式(V)の化合物において、Rは式(I)の化合物について上に定義された通りである。Rは、少なくとも1個の-OH基および/または1〜1000の炭素原子を任意に有する有機基、特に1〜50、好ましくは1〜20の炭素原子を有する(任意に二価もしくは多価の)直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜50、好ましくは1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する(任意に二価もしくは多価の)直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルである。しかし、Rはまた、高分子基、例えばポリアルキレングリコール基であってもよい。この種の(ポリ)アルキレングリコール基は、例えば、式-O-[CHRCHO]-R〔例えば、式中、RはHまたはC1−4アルキル基であり、Rは-Hまたは有機基、または
Figure 2018533661
であり、bは1〜100である〕を有する。
式(V)の化合物において、Xは、O、S、OC(=O)、OC(=O)O、OC(=O)OC(=O)、NR、NRC(=O)O、NRC(=O)NRまたはOC(=O)NRである。好ましい実施形態において、Xは、O、OC(=O)O、NRまたはOC(=O)NRである。
各RおよびR’は、独立してH、C1-20アルキルおよびC2-20アルケニルから選択され、特にRおよびR’の1つはHであって他方はC1-4アルキルであるか、または、RとR’の両方がHである。特に好ましくは、RがHであり、R’がHまたは-CHである。
各AおよびBは、CR''R'''[式中、R''およびR'''は、H、官能基(例えば-OH、-NH、-NO、-CN、-OCN、-SCN、-NCO、-NCS、-SH、-SOHまたは-SOHなど)および有機基から独立して選択される]から独立して選択される。特に、R''およびR'''は独立してHまたはC1-20アルキルである。しかし、R''およびR'''はまた、一緒に、またはこれらが結合している炭素原子を伴って、環状基を含む有機基または官能基を形成してもよい。この種の基の例は、=CH、=CH-アルキルまたは=C(アルキル)、=O、=S、-(CH)aa-[式中、aa=3〜5である]、または、1個または複数のメチレン基が、N、OまたはSなどのヘテロ原子と置き換えられたその誘導体である。しかし、隣接する炭素原子に結合した、R''およびR'''の2つもまた一緒に結合を形成してもよい。その結果、2個の隣接する炭素原子間で二重結合(すなわち-C(R'')=C(R''')-)が形成される。
式(V)の化合物において、mは、1〜10の整数、好ましくは1または2、特に好ましくは1である。すなわち、化合物は、好ましくはわずか1つのみまたは2のアルケニルエーテル基を有する。
sおよびtは、それぞれ0または1〜10の整数である。この場合、それらはs+t=1以上、特に1または2であるという条件を満たす。sまたはtが1であって他方が0であることは特に好ましい。
はH、有機基または
Figure 2018533661
である。式(V)のアルキルエーテルポリオールが、少なくとも2個のヒドロキシル基を有するという条件を満たすように、R
Figure 2018533661
でない場合には、Rは-OHおよび
Figure 2018533661
から選択される少なくとも1個の置換基によって置換されている。
他の好ましい実施形態において、本方法は、少なくとも1個のアルケニルエーテル基ならびに(i)エポキシ基および(ii)環状カーボネート基またはその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含むアルケニルエーテルが、式(VI)または(VII):
Figure 2018533661
のアルケニルエーテルであることを特徴とする。
式(VI)または(VII)の化合物において、R、R、R’およびmは、式(I)および(II)の化合物について上に定義された通りである。
dは式(IV)および(IVa)について上に定義された通りであり、すなわちdは、0、1、2、3、4または5、好ましくは0または1、特に好ましくは0である。
特に好ましい実施形態において、Rは式(VI)または(VII)のアルケニルエーテルにおいて-C1-10-アルキレニル-O-CH-である。
エポキシ基を有する式(VI)のアルケニルエーテルはR11-R13によってエポキシ基、すなわち、式(IIIa)に示すオキシラン環のメチレン基において置換されていてよい。
様々な実施形態において、式(VIII)のアルケニルエーテルは、環状カーボネート環において置換され、または、環状カーボネート環は好適な誘導体と置き換えられる。適切な置換シクロカーボネートおよびその誘導体は、式(IV)および(IVa)に関連する上記のものである。特に、シクロカーボネート基は、好ましくは1,3-ジオキソラン-2-オン基または1,3-ジオキサン-2-オン基であり、例えばメチレン基で任意に置換することができる。
式(VI)の適切な化合物は、ビニルグリシジルエーテルおよび4-グリシジルブチルビニルエーテル(GBVE)を含むがこれらに限定されず、後者は4-ヒドロキシブチルビニルエーテルをエピクロロヒドリンと反応させることにより得られる。
式(VII)の適切な化合物は、例えばエチルビニルエーテルとのグリセリンカーボネートの内部エステル化によって得ることができる4-(エテニルオキシメチル)-1,3-ジオキソラン-2-オン、または、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)のエポキシ化およびその後のCO挿入によって得ることができる4-グリセリンカーボネート(4-ブチルビニルエーテル)エーテル(GCBVE)を含むがこれらに限定されない。
異なる実施形態において、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに(i)エポキシ基および(ii)環状カーボネート基またはその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含むアルケニルエーテル、特に式(VI)または(VII)のアルケニルエーテルをアルコールまたはアミンと反応させる。アルコールはジオールもしくはポリオール、または好適なアルコラートであってもよい。特に、アルコールは、式HO-[CHRCHO]-H〔式中、RはHまたはC1-4アルキル基であり、bは1〜100、特に1〜10である〕のポリアルキレングリコールであってもよい。
したがって、経路B)は、エポキシドまたは環状カーボネート化合物(例えば炭酸エチレンまたは炭酸トリメチレン化合物)が少なくとも1個または複数のアルケニルエーテル基を有する代替実施形態である。これらのエポキシドまたは環状カーボネート化合物を、エポキシドに対して反応性である化合物、または、本発明の文脈において化学的に類似して作用する化合物(環状カーボネート)に対して反応性である化合物、特に-OH、-COOH、-SH、-NHおよび類似の基またはその誘導体を有するもの(例えば、対応するように官能化された、好ましくは対応するように多官能性された直鎖もしくは分枝、飽和もしくは部分不飽和、さらに置換もしくは非置換の、環状または直鎖(ヘテロ)アルキルおよび(ヘテロ)アリール)と反応させると、望まれるアルケニルエーテルポリオールを結果としてもたらす。
少なくともの1個の基-OH、-COOH、-SH、-NHおよびそれに由来する形態を有するが、アルケニルエーテル基を有しない化合物の例は、例えばグリコール、ポリグリコール、アミノ酸、ポリオールならびにジアミンおよびポリアミン、例えば、グリシン、グリセリン、ヘキサメチレンジアミン、1,4-ブタンジオールおよび1,6-ヘキサエンジオールであるが、これらに限定されない。
様々な実施形態において、少なくとも1個のウレタン基を含み、アルケニルエーテルを環状カーボネート基およびアミンと反応させることにより得ることができる、アルケニルエーテルポリオールが好ましい。
記載される方法によって製造または入手できるアルケニルエーテルポリオールは、例えば、上に定義される、式(I)、(Ia)および(V)の化合物である。
式(I)のアルケニルエーテルポリオールの様々な実施形態において:
(1)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;RはC1-10アルキレニル、特にC1-6アルキレニルであり、XはOであり、AおよびBはCHであり、nおよびoは1または0であり、pは0であり、ここで、n+o=1であり、Rは-OHによって置換された有機基であるか、または式
Figure 2018533661
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、C、n、oおよびpは上に定義された通りである]
の別の基を有する;あるいは
(2)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;RはC1-10アルキレニル、特にC1-6アルキレニルであり、XはNRであり、AおよびBはCHであり、nおよびoは1または0であり、pは0であり、ここで、n+o=1であり、RはHまたは
Figure 2018533661
Figure 2018533661

であり、ここで、A、B、C、n、oおよびpは上に定義された通りであり;Rは上に定義された有機基であり、RがHである場合、-OHによって置換されるか、または、式:
Figure 2018533661
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、C、n、oおよびpは上に定義された通りである]
の別の基を有する;あるいは
(3)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;RはC1−10アルキレニル、特にC1−6アルキレニルであり、XはOC(=O)Oであり、AおよびBはCHであり、nおよびoは1または0であり、pは0であり、ここで、n+o=1であり、Rは-OHによって置換された有機基であり、または式:
Figure 2018533661
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、C、n、oおよびpは上に定義された通りである]
の別の基を有する;あるいは
(4)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;RはC1-10アルキレニル、特にC1-6アルキレニルであり、XはNRxC(=O)Oであり、AおよびBはCHであり、nおよびoは1または0であり、pは0であり、ここで、n+o=1であり、
はHまたは
Figure 2018533661
であり、ここで、A、B、C、n、oおよびpは上に定義された通りであり;Rは上に定義された有機基であり、RがHである場合、-OHによって置換されるかまたは、式
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、C、n、oおよびpは、上に定義された通りである]
の別の基を有する。
上に言及した実施形態において、Rは、好ましくは単結合を介して結合し、例えばヘテロアルキル基、特に2〜10の炭素原子を有するアルキルエーテル基であってもよい。例えば、式-CH-O-(CH)-O-CH-(Rが上記式の2個のアルケニルエーテル基を有する場合)、または-CH-O-CH(CH)の基は適切である。
式(V)のアルケニルエーテルポリオールの様々な実施形態において:
(1)m=1であり;RおよびR’はHであり、または、RはHであってR’はメチルであり;Rは-(CH)1-10-O-CH-、特に-(CH)1-6-O-CH-であり、XはOであり、AおよびbはCHであり、sおよびtは1または0であり、ここで、s+t=1であり、Rは、-OHによって置換された有機基であり、または、式
Figure 2018533661
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、s、およびtは上に定義された通りである]
の別の基を有する;あるいは
(2)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;Rは-(CH)1-10-O-CH-、特に-(CH)1-6-O-CH-であり、XはNRであり、AおよびBはCHであり、sおよびtは1または0であり、ここで、s+t=1であり、
はHまたは
Figure 2018533661
Figure 2018533661
であり、A、B、m、sおよびtは上に定義された通りであり;Rは上に定義される有機基であり、ここで、RがHである場合、-OHで置換されるか、または、式:
Figure 2018533661
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、sおよびtは上に定義された通りである]
の別の基を有する;あるいは
(3)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;Rは-(CH)1-10-O-CH-、特に-(CH)1-6-O-CH-であり、XはOC(=O)Oであり、AおよびBはCHであり、sおよびtは1または0であり、ここで、s+t=1であり、Rは-OHによって置換された有機基であり、または式:
Figure 2018533661
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、s、およびtは上に定義された通りである]
の別の基を有する;あるいは
(4)m=1であり;RおよびR’はHであるか、または、RはHであってR’はメチルであり;Rは-(CH)1-10-O-CH-、特に-(CH)1-6-O-CH-であり、XはOC(=O)NRであり、AおよびBはCHであり、sおよびtは1または0であり、式中、s+t=1であり、RはHまたは
Figure 2018533661
であり、または、ここで、A、B、m、sおよびtは上に定義された通りであり;Rは上に定義される有機基であり、-OHによって置換されるか、または式
Figure 2018533661
[式中、R、m、R、R’、A、B、sおよびtは上に定義された通りである]
の別の基を有する。
式(V)の化合物の先に言及した実施形態において、Rは、例えば、ヘテロアルキル基、特に(ポリ)アルキレングリコール、例えば特にポリプロピレングリコール、またはC1-10アルキルもしくはアルキレニル基である。
式(I)または(V)のアルケニルエーテルポリオールを製造する、記載された方法の個々の段階は、そのような反応について従来の方法に従って行なうことができる。この目的のために、反応相手は、任意の活性化(例えばナトリウムを用いる反応によってアルコラートを製造する)後、互いに接触させ、任意に保護ガス雰囲気中、温度制御下で反応させる。
次いで、上記のアルケニルエーテルポリオールは、チオールエン重付加反応によるチオール化合物を用いる反応による、ポリマー、特にポリヒドロキシウレタンの合成のために本発明の方法に使用される。代替として、これらのモノマー単位を含むプレポリマーもアルケニルエーテルポリオールの代わりに使用されてもよい。そのようなプレポリマーの例は、例えば、ポリウレタンおよびポリエステルであって、これは、記載されたアルケニルエーテルポリオール、または、記載されたアルケニルエーテルポリオールの少なくとも1つを含むポリオールの混合物の少なくとも1つを、ポリイソシアネートまたはポリカルボン酸と反応させることにより得ることができる。どちらの成分を過剰で使用するかに応じて、アルケニルエーテル側鎖を含むOHもしくはNCO末端ポリウレタンか、またはアルケニルエーテル側鎖を含むOHもしくはCOOH末端ポリエステルをそれによって得ることができる。次いで、本発明に従ってこれらをポリチオールと反応させてポリマーを形成することができる。
代替として、アルケニル基含有化合物は、ポリチオール化合物を用いる反応によって架橋(硬化)することができる。アルケニル基含有化合物は、上に定義されるアルケニルエーテルポリオール、またはモノマー単位として前記アルケニルエーテルポリオールを含むポリマーであってもよい。ポリマーは、例えば、記載されたアルケニルエーテルポリオールの少なくとも1つ、または記載されたアルケニルエーテルポリオールの少なくとも1つを含むポリオールの混合物を、ポリイソシアネートまたはポリカルボン酸と反応させることにより得ることができるポリウレタンまたはポリエステルであってもよい。
この場合、使用されるチオール化合物は、少なくとも2個のチオール基、例えばジメルカプト化合物、好ましくは任意に置換されたジメルカプトアルカンを含む有機化合物である。例示の化合物は式(VIII):
Figure 2018533661
[式中、
は、少なくとも二価の有機基、特に1〜20の炭素原子を有する、少なくとも二価の直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素もしくは窒素原子を有する、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルであり;
uは1〜10、好ましくは1〜5の整数である]
のものである。
適切なポリチオール化合物の例は、例えば、1,2-エタンジチオール、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン(DMDO)、グリコールジ(3-メルカプトプロピオネート(GDMP)、トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)(TMPMP)、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオネート)(PETMP)、ジペンタエリトリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)(ジPETMP)、ジトリメチロールプロパンテトラ(3-メルカプトプロピオネート)(Di-TMPMP)、グリコールジメルカプトアセテート(GDMA)、トリメチロールプロパントリメルカプトアセテート(TMPMA)、ペンタエリスリトールテトラメルカプトアセテート(PETMA)、エトキシ化TMPMP(ETTMP)、プロピレングリコール(3-メルカプトプロピオネート(PPGMP)、2,3-ジ((2-メルカプトエチル)チオ)-1-プロパンチオール(DMPT)、ジメルカプトジエチルスルフィド(DMDS)、トリス[2-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート(TEMPIC)、または様々なアルコキシ化ポリオールのメルカプトアセテートおよびメルカプトプロピオネートである。この種のポリチオールはBruno Bock GmbH & Co. KG(Marschacht, DE)から市販されている。
ポリマー、特に直鎖ポリマーを製造する、本発明の方法において、好ましくはジチオールが使用される。ポリマーと架橋する、本発明の方法において、好ましくは、ジチオール、好ましくはトリチオールまたはテトラチオールなどの、より多価のチオールが使用される。
本発明の方法の様々な実施形態において、反応相手、すなわちアルケニルエーテルポリオール/アルケニルエーテル基含有ポリマーとチオールは、光開始剤(例えば2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)の存在下で電磁放射の曝露によって反応にかけられる。反応機構は、ラジカルが介在した重付加(チオールエン)である。反応は、適切な有機溶媒、例えばTHFの溶液中で起こすことができるが、それは、この場合には、反応制御がより容易にすることができるからである。さらに対応する光開始剤に加えて、原則としてラジカル反応用の、温度および/またはレドックス反応によって活性化することができる開始剤もまた適切である。その例としては、AIBNなどのアゾ開始剤、有機過酸化物化合物、酸化還元対(SFS、HO、tert-ブチルペルオキシド、アスコルビン酸)、およびこの目的について当業者にとって既知の他のすべての系である。
光開始剤系の使用は好ましく、一般に先行技術の既知の光開始剤はすべて適切である。これらも、既知の増感剤または他のラジカル開始剤とも組み合わせて任意に使用されてもよい。
電磁放射は特に可視光またはUV光であってよく、使用される光開始剤に応じて選択される。
放射線によるポリマー合成の開始は、特に架橋系について従来の重合に優る、著しい使用上の利点がある。反応相手を含む、対応する配合物は、潜在的反応性の一液型システムであり、その硬化は、照射しただけで活性化が引き起こされる。
本方法において、アルケニルエーテルポリオールまたはモノマー単位としてのアルケニルエーテルポリオールを含む(プレ)ポリマー、およびチオールは、様々な実施形態において、チオール基に対するアルケニルエーテル基のモル比が0.1〜10の範囲、好ましくは0.8〜2.0の範囲の量になるように使用される。
最後に、本発明はまた、本明細書に記載される方法によって製造することができるポリマー、特にポリヒドロキシウレタンおよび架橋ポリマーに関する。ポリヒドロキシウレタンはまた、水分散液(PUD)の形態で提供されてもよい。
本発明は、本明細書に記載されたポリマー、特に接着剤、シーラントおよびコーティング剤を含む組成物をさらに含む。
本発明はまた、接着剤、シーラントおよびコーティング剤組成物の成分としての本明細書に記載されたポリマーの使用に関する。この種の組成物は、当業者にとって既知である従来の添加剤および助剤をすべてさらに含んでよい。
ポリマーを製造するための本発明の方法、またはチオール化合物を用いてアルケニルエーテル基含有ポリマーを架橋する方法に関連して本明細書に開示されたすべての実施形態はまた、記載されたポリマーに対してそういうものとして、またその使用、およびその使用の方法に引き移すことができ、また、その逆も正しい。
以下に実施例への言及によって本発明はさらに例示されるが、それが限定するものでないことは理解されるべきである。
使用材料:4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)(BASF、99%、0.01%KOHを使用して安定化)、エピクロロヒドリン(ECH, Solvay, 99.8%)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB, Merck, 99%)、テトラエチルアンモニウムブロミド(TEAB, Merck, 99%)、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDGE, Sigma-Aldrich, 95%)、ジ(トリメチロールプロパン(di-TMP, Sigma-Aldrich, 97%)、クロロギ酸エチル(Alfa Aesar, 97%)、トリエチルアミン(Acros Organics, 99%)、エチレングリコール-ビス(アミノプロピル)エーテル(EGBAPE, Huntsman, Jeffamin EDR-176)、3-アミノプロピルビニルエーテル(APVE, BASF, 99.7%)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI, Acros Organics, 99%)、ジメチルスズジネオデカノエート(Momentive, Fomrez catalyst UL-28)、メタノール(VWR Chemicals)、10-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-2-(1-メチルエチル)-9-オキソ-9H-チオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート(Omnicat 550, IGM)、ジメルカプト-1,8-ジオキサ-3,6-オクタン(DMDO, Arkema)、ペンタエリスリトールテトラ(3-メルカプトプロピオネート)(Bruno Bock, Thiocure PETMP, 95%)および2,2’アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(Wako V65)を入手した状態で使用した。
〔実施例1:二炭酸ジ-トリメチロールプロパン(di-TMPDC)の合成〕
Di-TMPDCをYangら(Polymer 2013, 54,(11), 2668-2675)に従って合成した。この目的のために、di-TMP37.55g(0.15mol)を1Lの乾燥したTHFに溶解し、-10℃に冷却した。クロロギ酸エチル97.67g(0.9mol)をこの温度で滴下した。次いで、トリエチルアミンを同じ条件下に加え、その後混合物を冷却せずに一晩撹拌した。混合物を濾別し、水を用いて洗浄した。有機溶液を減圧下に濃縮し、生成物をジエチルエーテル中で沈殿させ、白色の固体を得るためにTHFから再結晶した。収率:76%。元素分析:C、55.69;H、7.37;O、36.94(理論値: C, 55.62;H, 7.33;O, 37.05、C14H22Oとして)。MS(CI):m/z=320.1[M+NH4]+(理論値: 302.2、C14H22ONHとして)。H NMR (400 MHz, CDCl, 298 K) δ (ppm): 0.95 (t, 6H, CH3), 1.49 (q, 4H, CH-CH), 3.49 (s, 4H, CH-O), 4.22 (dd, 8H, CH cyclic carbonate).
〔実施例2:ビニルエーテルポリオールの合成〕
実施例1からのdi-TMPDC9.10g(30mmol)およびAPVE6.09g(60mmol)を混合し、窒素雰囲気中で22時間80℃に加熱した。その転化率をIR分光法によってモニターし、1780cm-1および1690cm-1の五員カーボネートおよびウレタンそれぞれのC=O伸縮振動を使用した。
〔実施例3:直鎖ポリヒドロキシウレタンの合成〕
実施例2からのビニルエーテルポリオール4.28g(8.5mmol)、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン(DMDO)1.55g(8.5mmol)および2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.058g(1重量%)を100mlの3首丸底フラスコに装入し、THF50mlに溶解し、窒素を用いてパージした。UVC 97327光導波路を装備したLoctite 97034光源を中央の首に接続し、反応を、500rpmで撹拌しながら室温で900秒間UV照射によって開始した。THFを減圧下に除去した。IR分光法は、ビニルエーテルおよび官能性チオール基の消費を示した。
〔実施例4:架橋ポリヒドロキシウレタンの合成〕
実施例2からのビニルエーテルポリオール1.01g(2mmol)、PETMP0.43g(1mmol)および2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)7.3mgg(0.5重量%)を混合し、試料をレオメーター中で硬化させた。UV誘発硬化反応のレオロジーおよびNIR分光分析を、Bruker MPA FT-NIR分光計およびOmnicure S 2000 SC光源に連結したAnton Paar MCR 302レオメーターを使用して行った。機器は、石英ガラス製ベースプレート、および初期ギャップ距離が100μmで直径25mmの使い捨てアルミニウムカバープレートを使用して、プレート-プレートの配置で構成されていた。0の垂直抗力を、試料の収縮または膨脹によるストレスを防止するために使用した。測定は、75℃で空気(HO: 1.1mg/m3)の機器雰囲気中で実行した。データを10%の正弦波電圧および10Hzの周波数で最初は5秒毎に記録した。次いで、試料を189 mW cm-2 UVA-Cの強度で30秒間照射した。この強度は、スペクトル放射計(Opsytec Dr. Gobel)を使用して石英板の表面上で求めた。照射中に、機械データを1秒-1の割合で記録し、正弦波電圧を210秒以内に0.5%に直線的に引き上げ、さらに360秒間一定に維持した。NIRスペクトルは16cm-1の分解能でおよそ2秒-1の割合で記録した。ビニルエーテル二重結合の反応は、6200cm-1のC-H伸縮倍音の特徴的な吸収の観察によって追跡した。

Claims (12)

  1. ポリマー、特にポリヒドロキシウレタンポリマーを製造する方法であって、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、特に1-アルケニルエーテル基および少なくとも2個のヒドロキシル基(-OH)を含有する、少なくとも1種のアルケニルエーテルポリオールを、または、モノマー単位として少なくとも1種のそのようなアルケニルエーテルポリオールを含有するプレポリマーを、少なくとも2個のチオール基(-SH)を含む化合物と反応させることを含む方法。
  2. 少なくとも1個のアルケニルエーテル基を含む化合物、好ましくは、少なくとも1個のアルケニルエーテル基、特に1-アルケニルエーテル基、および少なくとも2個のヒドロキシル基(-OH)を含むアルケニルエーテルポリオール、またはモノマー単位として少なくとも1種のそのようなアルケニルエーテルポリオールを含むポリマー、特にポリウレタンまたはポリエステルを架橋する方法において、前記化合物を少なくとも2個のチオール基を含む化合物と反応させることを含む方法。
  3. 前記アルケニルエーテルポリオールが、
    A)少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含有するアルケニルエーテルを、(i)エポキシドまたは(ii)環状カーボネートもしくはその誘導体と反応させるか;または
    B)少なくとも1個のアルケニルエーテル基ならびに(i)エポキシ基および(ii)環状カーボネート基もしくはその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含むアルケニルエーテルを、アルコール、チオール、カルボン酸もしくはアミン、またはその誘導体と反応させることによって得ることができることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに-OH、-COOH、-SH、-NHおよびその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含有するアルケニルエーテルを、(i)エポキシドまたは(ii)環状カーボネートもしくはその誘導体と反応させることにより前記アルケニルエーテルポリオールを得ることができ、前記アルケニルエーテルポリオールが式(I):
    Figure 2018533661
    [式中、
    は、少なくとも二価の有機基、特に1〜20の炭素原子を有する少なくとも二価、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルであり、
    は、少なくとも1個の-OH基および/または1〜1,000の炭素原子を任意に有する有機基、特に1〜20の炭素原子を有する、任意に二価もしくは多価の、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素もしくは窒素原子を有する直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルであり、
    Xは、O、S、C(=O)O、OC(=O)O、C(=O)OC(=O)O、NR、NRC(=O)O、NRC(=O)NRまたはOC(=O)NRであり、
    各RおよびR’は、H、C1−20アルキルおよびC2−20アルケニルから独立して選択され、特にRおよびR’の1つはHであって他方はC1−4アルキルであるか、または、RとR’は共にHであり、
    各A、BおよびCはCR''R'''から独立して選択され、
    R''およびR'''はH、官能基および有機基、特にHおよびC1-20アルキルから独立して選択されるか、または、R''およびR'''は一緒に、またはそれらが結合している炭素原子とともに有機基になるか、または、隣接する炭素原子と結合しているR''およびR'''の2つは一緒に、隣接する炭素原子間の二重結合を形成するために結合を形成し、
    Figure 2018533661
    は単結合または二重結合であり、それが二重結合である場合、Rに結合している炭素原子は置換基R''またはR'''の1つのみを有し、
    mは1〜10の整数、好ましくは1であり、
    n、pおよびoはそれぞれ0または1〜10の整数であり、ここで、n+p+o=1以上、特に1または2であり、また、
    はH、有機基または
    Figure 2018533661
    であり、また、R
    Figure 2018533661
    でない場合、Rは、-OHおよび
    Figure 2018533661
    から選択される少なくとも1個の置換基を含む]
    のアルケニルエーテルポリオールであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 少なくとも1個のアルケニルエーテル基、ならびに(i)エポキシ基および(ii)環状カーボネート基またはその誘導体から選択される少なくとも1個の官能基を含有するアルケニルエーテルを、アルコール、チオール、カルボン酸もしくはアミンまたはその誘導体と反応させることによって前記アルケニルエーテルポリオールを得ることができ、前記アルケニルエーテルポリオールが式(V):
    Figure 2018533661
    [式中、
    は少なくとも二価の有機基、特に1〜20の炭素原子を有する少なくとも二価の直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素または窒素原子を有する直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルであり、
    は、任意に1〜1,000の炭素原子を有する有機基、特に1〜20の炭素原子を有する任意に二価もしくは多価の、直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素もしくは窒素原子を有する直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキル、または式-O-[CHRCHO]-R〔式中、RはHまたはC1-4アルキル基であり、RはHまたは
    Figure 2018533661
    であり、bは1〜100である〕の(ポリ)アルキレングリコールであり;
    Xは、O、S、OC(=O)、OC(=O)O、OC(=O)OC(=O)、NR、NRC(=O)O、NRC(=O)NRまたはOC(=O)NRであり、
    各RおよびR’は、H、C1-20アルキルおよびC2-20アルケニルから独立して選択され、特にRおよびR’の1つはHであって他方はC1-4アルキルであるか、またはRとR’は共にHであり、
    各AおよびBはCR''R'''から独立して選択され、
    R''およびR'''は、H、官能基および有機基、特にHおよびC1-20アルキルから独立して選択されるか、または、R''およびR'''は一緒に、またはそれらが結合している炭素原子と共に有機基となるか、または、隣接する炭素原子に結合しているR''およびR'''の2つは、隣接する炭素原子間の二重結合を形成するために結合を一緒に形成し、
    mは1〜10の整数、好ましくは1であり、
    sおよびtはそれぞれ0または1〜10の整数であり、ここで、s+t=1以上、特に1または2であり、また、
    はH、有機基または
    Figure 2018533661
    であり、また、R
    Figure 2018533661
    でない場合、Rは-OHおよび
    Figure 2018533661
    から選択される少なくとも1個の置換基を含む]
    のアルケニルエーテルポリオールであることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  6. 少なくとも2個のチオール基を含む前記化合物がジメルカプト化合物、好ましくは任意に置換されたジメルカプトアルカンであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 少なくとも2個のチオール基を含む化合物が式(VI):
    Figure 2018533661
    [式中、
    は、少なくとも二価の有機基、特に1〜20の炭素原子を有する少なくとも二価の直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のアルキル、または1〜20の炭素原子および少なくとも1個の酸素もしくは窒素原子を有する直鎖もしくは分枝、置換もしくは非置換のヘテロアルキルであり;
    uは1〜10、好ましくは1〜5の整数である]
    の化合物であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. チオール基に対するアルケニルエーテル基のモル比が0.1〜10、好ましくは0.8〜2.0の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法を使用して得ることができるヒドロキシル基含有ポリマーまたは架橋化合物。
  10. ポリマーが、少なくとも1,000g/mol、好ましくは少なくとも2,000g/mol、さらに好ましくは少なくとも4,000g/molの数平均分子量Mnを有することを特徴とする、請求項9に記載のヒドロキシル基含有ポリマー、特にポリヒドロキシウレタン。
  11. 請求項9または10に記載のヒドロキシル基含有ポリマーを含む、組成物、特に接着剤、シーラントまたはコーティング剤組成物。
  12. 接着剤、シーラントまたはコーティング剤組成物の成分としての、請求項9または10に記載のヒドロキシル基含有ポリマーの使用。
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