JP2018532743A - エラストマー系ポリマーの官能化に使用されるアミノシラン官能化ジエン - Google Patents

エラストマー系ポリマーの官能化に使用されるアミノシラン官能化ジエン Download PDF

Info

Publication number
JP2018532743A
JP2018532743A JP2018520517A JP2018520517A JP2018532743A JP 2018532743 A JP2018532743 A JP 2018532743A JP 2018520517 A JP2018520517 A JP 2018520517A JP 2018520517 A JP2018520517 A JP 2018520517A JP 2018532743 A JP2018532743 A JP 2018532743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
compound
formula
process according
polymer composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018520517A
Other languages
English (en)
Inventor
パルク ナトヤ
パルク ナトヤ
レースレ ミヒャエル
レースレ ミヒャエル
ティーレ スベン
ティーレ スベン
ハイデンライヒ ダニエル
ハイデンライヒ ダニエル
グートシェンク ベンヤミン
グートシェンク ベンヤミン
Original Assignee
トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング, トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical トリンゼオ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2018532743A publication Critical patent/JP2018532743A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/10Compounds having one or more C—Si linkages containing nitrogen having a Si-N linkage
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F236/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F236/02Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F236/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
    • C08F236/10Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated with vinyl-aromatic monomers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L43/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing boron, silicon, phosphorus, selenium, tellurium or a metal; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L43/04Homopolymers or copolymers of monomers containing silicon
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0016Compositions of the tread
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • B60C1/0025Compositions of the sidewalls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F230/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
    • C08F230/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal
    • C08F230/08Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon
    • C08F230/085Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing a metal containing silicon the monomer being a polymerisable silane, e.g. (meth)acryloyloxy trialkoxy silanes or vinyl trialkoxysilanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

本発明は、次の式1:(式中、各R′、各R″、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、x、及びyは、請求項1に記載のとおりである)の新規アミノシラン官能化ジエン化合物に関する。ジエン化合物は、任意に芳香族ビニルモノマーと共に、共役ジエンモノマーを重合し、それにより、タイヤなどのゴム物品に有利に使用することができるポリマー、具体的には、エラストマー系ポリマーの生産における変性モノマーとして有用である。本発明はさらに、上記ジエン化合物を調製するためのプロセス、上記ジエン化合物、このように得られるエラストマー系ポリマー、上記エラストマー系ポリマーを含む未硬化または硬化(加硫)ポリマー組成物の使用を含む、エラストマー系ポリマーを調製するためのプロセス、加硫ポリマー組成物を作成する方法、及び加硫ポリマー組成物から形成されたコンポーネントを含む物品に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、新規ジエン化合物であって、任意に芳香族ビニルモノマーと共に、共役ジエンモノマーを重合させ、それにより、タイヤなどのゴム物品に有利に使用することができるポリマー、具体的には、エラストマー系ポリマーの生産における変性モノマーとして有用な新規ジエン化合物に関する。
増加する石油価格及び自動車の二酸化炭素排出量の低減を必要とする国内規制により、タイヤ及びゴムの生産者は、「低燃費」、従って、省燃費タイヤを生産せざるを得ない。低燃費タイヤを得るための1つのアプローチは、低減したヒステリシスロスを有するタイヤ配合物の生産にある。架橋エラストマー系ポリマー組成物のヒステリシスロスは、60℃でのtanδ値に関連する(ISO 4664−1:2005;Rubber,Vulcanized or thermoplastic;Determination of dynamic properties−part 1:General guidanceを参照のこと)。
60℃での比較的低いtanδ値を有する加硫エラストマー系ポリマー組成物は、一般的に、より低いヒステリシスロスを有するので好ましい。最終的なタイヤ製品では、これは、より低い転がり抵抗及びより良い燃費に変換する。対照的に、0℃でのより低いtanδ値は、タイヤ製品の低下したウェットグリップに対応する。従って、より低い転がり抵抗のタイヤは、ウェットグリップ特性の低下を犠牲にして製造することができることが一般的に認められている。例えば、ランダム溶液スチレン−ブタジエンゴム(ランダムSSBR)において、ポリスチレン単位濃度が総ポリブタジエン単位濃度に対して低減する場合、SSBRのガラス転移温度が低減し、結果として、一般的にタイヤの転がり抵抗の改善及びウェットグリップ性能の低下に対応する60℃でのtanδ及び0℃でのtanδの双方が低減する。従って、ゴム加硫性能を正確に評価する場合、60℃でのtanδ及び0℃でのtanδの双方は、タイヤ熱蓄積と共に監視されるべきである。
WO2012/091753(Bridgestone Corp.)は、シラン官能化ポリマー及びそれから調製されたゴム加硫物に関する。著者らは、アニオン重合の開始に使用される特定のアルケニルアミノシランの使用について記載する。
US2010/0056712(Sumitomo Chemical Co.)は、アルカリ金属触媒の存在下で、共役ジエンモノマー及びビニルアミノシランを重合させることにより得られる共役ジエンポリマーに関する。
WO2011/028523(Bridgestone Corp.)は、ポリジエンを調製するためのプロセスに関し、このプロセスは、ビニルシラン、アリルシラン、またはアリルビニルシランの存在下で、ランタニド系触媒系を用いる共役ジエンモノマーの重合を含む。
WO2015/055252(Trinseo Europe GmbH)は、任意にスチレンなどの芳香族ビニルモノマーと共に、1,3−ブタジエンなどの共役ジエンモノマーを重合させることにおける変性モノマーとして有用なビニルシラン化合物に関する。
本発明は、硬化エラストマー系ポリマー(ゴム)組成物及びこのような組成物を提供する手段の提供を目的とし、当該組成物は、転がり抵抗及びウェットグリップ性能のバランスの改善に対応するtanδ値の改善を示す。
本発明は、とりわけ、上記の目的が、特定のアミノシラン官能化ジエン化合物の存在下で、1,3−ブタジエン(「ブタジエン」)及びイソプレンなどの共役ジエンモノマーの重合を実施することにより解決することができるという知見に基づいている。
従って、第1の態様では、本発明は、次の式1:
Figure 2018532743
(式中、
各R′は独立して、C〜C12アルキル、C〜C18アリール、C〜C18アルキルアリール、トリ(C1〜アルキル、C〜C12アリール、またはC〜C18アルキルアリール)シリル及びアリルから選択され、2つのR′基は、連結して環を形成してもよく、環は、Siに結合した窒素原子に加えて、さらに、酸素原子、窒素原子、>N(C〜CアルキルまたはC〜C18アルキルアリール)基、及び硫黄原子のうちの1つ以上を含有していてもよく;
各R″は独立して、C〜Cヒドロカルビルから選択され;
、R、R、R、及びRは独立して、水素、メチル、及びエチルから選択され;
xは、0、1、及び2から選択される整数であり、yは、1、2、及び3から選択される整数であり、x+y=3である)のジエン化合物を提供する。
第2の態様では、本発明は、本発明の第1の態様の式1のジエン化合物を調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、溶媒中、(i)マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素を含む群より選択される金属、ならびに(ii)遷移金属触媒の存在下で、式2の化合物と式3の化合物とを反応させることを含む:
Figure 2018532743
Figure 2018532743
(式中、
、R、R、R、R、R′、R″、x、及びyは、本発明の第1の態様で、一般的に、及び、その任意の実施形態に記載された通りである)。
第3の態様では、本発明は、エラストマー系ポリマーを調製するためのプロセスを提供し、上記プロセスは、開始剤化合物または触媒の存在下で、少なくとも1種の共役ジエンモノマー、本発明の第1の態様に記載の式1のジエン化合物、及び任意に1種以上の芳香族ビニルモノマーを重合させて、リビングエラストマー系ポリマーを形成する工程を含む。
第4の態様では、本発明は、開始剤化合物または触媒の存在下で、少なくとも1種の共役ジエンモノマー、本発明の第1の態様に記載の式1のジエン化合物、及び任意に1種以上の芳香族ビニルモノマーを重合させることにより得ることができるエラストマー系ポリマーを提供する。
第5の態様では、本発明は、本発明の第4の態様に記載のエラストマー系ポリマー、ならびに(i)上記ポリマーに添加された、または上記ポリマーを製造するために使用された重合プロセスの結果として形成された成分、(ii)重合プロセスからの溶媒除去後に残存する成分、及び(iii)機械的ミキサー(これに限定されない)を適用することにより、「無溶媒」ポリマーに添加された成分を含む、ポリマー製造プロセスの完了後にポリマーに添加された成分から選択される1種以上のさらなる成分を含む未硬化ポリマー組成物を提供する。
第6の態様では、本発明は、1種以上の加硫剤を含む本発明の未硬化ポリマー組成物を加硫することにより得られる加硫ポリマー組成物を提供する。
第7の態様では、本発明は、1種以上の加硫剤を含む本発明の未硬化ポリマー組成物を加硫する工程を含む、加硫ポリマー組成物の製造方法を提供する。
第8の態様では、本発明は、本発明の加硫ポリマー組成物から形成された少なくとも1つのコンポーネントを含む物品を提供する。
転がり抵抗及びウェットグリップの顕著な改善は、エラストマー系ポリマー、特に、SSBR、PBR、PIR、SSIR、及びSSIBR、より詳細には、Nd触媒を使用することにより生産される高シスBRなどの高シスBR及び低シスBRを包含するSSBR及びPBRを製造するための骨格変性剤として本発明のアミノシラン官能化ジエン化合物を使用することにより達成することができることが判明した。例えば、本発明の硬化(加硫)SSBRは、0℃でのtanδ及び60℃でのtanδの優れたまたは改善されたバランスを示し、これは、本発明のジエン化合物に基づいていないSSBRと比較した場合、低い転がり抵抗及び高いウェットグリップのより良いバランスを反映する。さらに、硬化ゴム、特に、硬化SSBRは、許容されるまたは改善された加工性、例えば、許容されるムーニー(CML1−4)粘度を示す。
式1のアミノシラン官能化ジエン化合物
本発明の第1の態様の式1のジエン化合物は、メチレン(−CH−)基を介して結合したアミノシリル基によりジエン構造の2位で置換されていることを特徴とする。
式1のジエン化合物では、各R′は、好ましくは独立して、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、シクロヘキシル、及びベンジルから選択される。
一実施形態では、2つのR′基は、連結されており、Siに結合した窒素原子と共に、5〜12員環、例えば、シクロヘキシルアミン基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、またはシクロペンチルアミノ基、好ましくは、5〜8員環を形成する。別の実施形態では、yは、1であり、基−(NR′R′)は、C〜Cアルキル若しくはC〜C18アルキルアリールにより4位の窒素原子で任意に置換されたピペラジンか、ピペリジンか、またはモルホリンにより表される。別の実施形態では、2つのR′基はそれぞれ、酸素原子を介して再度連結されるエチル基であり、それにより、Siに結合した窒素原子を有するモルホリン環を形成する。
R″のC〜Cヒドロカルビル基は、C〜Cアルキル及びフェニルを含む。それは、好ましくは、メチルである。
好ましい実施形態では、x及びyはそれぞれ、1である。
、R、R、R、及びRは、好ましくは、同一であり、より好ましくはそれぞれ、水素である。
一実施形態では、R、R、R、R、及びRはそれぞれ、水素であり、x及びyは独立して、1及び2から選択される整数である(式1の他の全ての置換基は、上記の通り、または本明細書に記載された他の実施形態に記載の通りである)。
具体的な実施形態では、式1のジエン化合物は、次の化合物により表される:
Figure 2018532743
式1のアミノシラン官能化ジエン化合物の調製
本発明の第2の態様によると、式1のジエン化合物は、溶媒中、(i)マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素からなる群より選択される金属、ならびに(ii)遷移金属触媒の存在下で、式2の化合物と式3の化合物とを反応させることにより調製することができる。
式2の化合物では、R′、R″、x、及びyの意味は、上記のようなその任意の実施形態を含む、式1のジエン化合物に対するものと同一である。R″がメチルであり、yが1であり、かつ基−(NR′R′)yがC〜Cアルキル若しくはC〜C18アルキルアリールにより4位の窒素原子で任意に置換されたピペラジンか、ピペリジンか、またはモルホリンにより表される式2の化合物は、新規化合物と考えられる。それらは、(クロロメチル)シランを、対応するアミンHNR′と反応させることにより調製することができる。
式3の化合物は、クロロプレンまたはクロロプレン誘導体であり、好ましくは、クロロプレンである。
一実施形態では、遷移金属触媒は、配位子を有するニッケル、パラジウム、白金、鉄、または他の第VIII族金属をベースとする。好ましい一実施形態では、ニッケル含有触媒の一般式は、ML(式中、Mは、ニッケルであり、Lは、ホスフィン含有配位子であり、Xは、ハロゲンである)である。好ましい遷移金属触媒は、配位子を有するニッケル触媒、例えば、ビス(ジフェニルホスフィン)プロパンニッケル(II)ジクロリド、ビス(ジフェニルホスフィン)エタンニッケル(II)ジクロリド、1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロニッケル(II)アセチルアセトナートクロリド、または配位子を有するパラジウム触媒、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)若しくはビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)である。好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィン)−プロパンニッケル(II)ジクロリド、ビス(ジフェニルホスフィン)エタンニッケル(II)ジクロリド、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)が使用される。最も好ましくは、ビス(ジフェニルホスフィン)−プロパンニッケル(II)ジクロリドが使用される。触媒は、式3の化合物の量を基準として、0.01〜20mol%、好ましくは、0.1〜10mol%、より好ましくは、0.2〜5mol%の量で使用することができる。
一実施形態では、上記プロセスで使用される金属は、マグネシウム、亜鉛、ホウ素、またはアルミニウム、好ましくは、マグネシウムまたは亜鉛、最も好ましくは、グリニャール試薬を形成するマグネシウムである。グリニャール反応を触媒するためには、触媒量の、例えば、ジブロモエタン、塩化亜鉛(ZnCl)、ヨウ素(I)、または塩化ベンジルは、反応中に添加されてもよい。第2の態様のプロセスに使用される金属がマグネシウムである場合、反応は、一般的に、触媒系の存在下における、式2の(クロロメチル)アミノシランの、式3のクロロプレンまたはクロロプレン誘導体とのグリニャール反応である。(クロロメチル)ジメチルアミノシランの調製は、例えば、WO2014/040640に記載されている。一実施形態では、本発明の第2の態様のプロセスは、(i)溶媒中で式2の化合物をマグネシウムと反応させてグリニャール試薬を形成する工程、及び(ii)ニッケル触媒の存在下で、上記グリニャール試薬を式3の化合物と反応させる工程、を含む。好ましくは、グリニャール試薬対クロロプレンのモル比は、0.95〜3当量、好ましくは、1.0〜2当量、より好ましくは、1.01〜1.5当量である。この反応は、当業者に明らかとなるような条件下で実施することができる。
一実施形態では、金属対式2の化合物のモル比は、0.95〜3当量、好ましくは、1.0〜2当量、より好ましくは、1.01〜1.5当量である。
別の実施形態では、溶媒は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、及びそれらの2種以上の混合物、好ましくは、テトラヒドロフランから選択されるエーテルまたはチオエーテルである。溶媒中の反応物の全濃度は通常、0.1〜2.0Mの範囲内である。
一般に、(2−メチレン−ブタ−3−エニル)シランの調製は、US2013/196019(WO2011/116223に対応する)に記載されており、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。本発明の式1のジエン化合物は、シリル基がさらにアミノ置換基を有するという点で、US2013/196019において調製されたシランと区別されるが、一般的に、対応する仕方で調製することができる。
重合
本発明の第3の態様によるエラストマー系ポリマーを調製するためのプロセスは、開始剤化合物または触媒の存在下で、少なくとも1種の共役ジエンモノマー、本発明の第1の態様またはその任意の実施形態に記載の式1のジエン化合物、及び任意に1種以上の芳香族ビニルモノマーを重合して、リビングエラストマー系ポリマーを形成する工程を含む。エラストマー系ポリマーは、一般的に、アニオン、ラジカルまたは遷移金属触媒重合により調製することができる。好ましい一実施形態では、エラストマー系ポリマーは、アニオン重合で調製される。別の好ましい実施形態では、エラストマー系ポリマーは、遷移金属触媒重合で調製される。エラストマー系ポリマーは、バッチ、連続、または半バッチ重合プロセスで調製することができる。式1の2種以上のジエン化合物を組み合わせて使用してもよい。重合は、溶媒中で行われてもよく、鎖末端変性剤、変性カップリング剤を含むカップリング剤、ランダム化剤化合物、及び重合促進剤化合物のうちの1種以上を用いて実施されてもよい。
一実施形態では、式1のジエン化合物の量は、重合性モノマーの総量を基準として、0.01〜50wt%、好ましくは、0.02〜20wt%、より好ましくは、0.04〜10wt%、さらにより好ましくは、0.05〜5wt%である。
さらに、次の具体的な開示に、重合開始剤化合物、極性配位化合物及び促進剤(開始剤の反応性を増加/変化させるため、芳香族ビニルモノマーをランダムに配置するため、及び/または、ポリマー中に導入された1,2−ポリブタジエン若しくは1,2−ポリイソプレン若しくは3,4−ポリイソプレン単位をランダムに配置するため及び/若しくはポリマー中に導入された1,2−ポリブタジエン若しくは1,2−ポリイソプレン若しくは3,4−ポリイソプレン単位の濃度を変更するため)を含む重合技術;各化合物の量;モノマー(複数可);ならびに好適なプロセス条件についての一般的に適用可能な指針が、US2011/082253(WO2009/148932に対応する)に記載されており、この内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
共役ジエンモノマー
本発明の第3の態様のプロセスに使用される少なくとも1種の共役ジエンモノマーは、式1のジエン化合物とは異なり、式1のジエン化合物の範囲内ではないモノマーである。本発明に有用な例示的な共役ジエンモノマーとしては、1,3−ブタジエン、2−(C〜Cアルキル)−1,3−ブタジエン、例えば、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、2−メチル−2,4−ペンタジエン、シクロペンタジエン、2,4−ヘキサジエン、及び1,3−シクロオクタジエン、ならびに例えば、ミルセンまたはファルネセンなどの2−(C〜Cアルケニル)−1,3−ブタジエンが挙げられる。2種以上の共役ジエンの混合物が使用されてもよい。好ましい共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン及びイソプレンが挙げられる。一実施形態では、共役ジエンは、1,3−ブタジエンである。
芳香族ビニルモノマー
任意の芳香族ビニルモノマーとしては、モノビニル芳香族化合物、すなわち、芳香族基に結合したビニル基を1つだけ有する化合物、及び芳香族基に結合した2つ以上のビニル基を有するジビニル芳香族化合物または多ビニル芳香族化合物(higher vinylaromatic compounds)が挙げられる。少なくとも1種の共役ジエンと共に任意に使用される例示的な芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、C1〜4アルキル置換スチレン、例えば、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、及び4−tert−ブチルスチレン、スチルベン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、tert−ブトキシスチレン、ビニルピリジン、ならびにジビニル芳香族化合物、例えば、1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、及び1,4−ジビニルベンゼンが挙げられる。2種以上の芳香族ビニルモノマーを組み合わせて使用してもよい。好ましい芳香族ビニルモノマーは、モノビニル芳香族化合物、より好ましくは、スチレンである。モノビニル芳香族化合物(複数可)は、用途に応じて、重合反応に使用されるモノマーの総重量を基準として、40〜70wt%、または15〜40wt%、または2〜15wt%の総量で使用されてもよい。1,2−ジビニルベンゼン、1,3−ジビニルベンゼン、及び1,4−ジビニルベンゼンを包含するジビニルベンゼンなどのジビニル芳香族化合物または多ビニル芳香族化合物は、(ポリマーを製造するために使用されるモノマーの総モル重量を基準として)1wt.%以下の総量で使用されてもよい。好ましい一実施形態では、1,2−ジビニルベンゼンは、スチレン、ブタジエン、及びイソプレンから選択される1種以上と組み合わせて使用されて、それにより、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、IR(イソプレンゴム)ISBR(イソプレンスチレンブタジエンゴム)またはSIR(スチレンイソプレンゴム)を形成する。
他のモノマー
本発明のエラストマー系ポリマーを調製するのに使用され得る式1のジエン化合物、共役ジエンモノマー及び芳香族ビニルモノマー以外のコモノマーとしては、アクリロニトリルなどのアクリルモノマー、アクリラート、例えば、アクリル酸、メチルアクリラート、エチルアクリラート、プロピルアクリラート、及びブチルアクリラート、ならびにメタクリラート、例えば、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、プロピルメタクリラート、及びブチルメタクリラートが挙げられる。
開始剤化合物
本発明の第3の態様の一実施形態では、開始剤化合物は、重合に使用される。2種以上の開始剤化合物を組み合わせて使用してもよい。開始剤化合物は、一価または多価(二価、三価など)開始剤化合物であってよい。好適な開始剤化合物としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を含有するオリゴマー、ならびにルイス酸−塩基錯体が挙げられる。例示的なアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムが挙げられる。例示的な有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、イソプロピルリチウム、フェニルリチウム、シクロヘキシルリチウム、2−ブチルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、t−ブチルジメチルシリルオキシプロピルリチウム、ジアルキルアミノプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムピペリジド、リチウムピロリジド、ジリチウム化(dilithiated)ジフェニルエチレン化合物、多リチウム化(multi−lithiated)トリビニルベンゼン化合物、ナトリウムビフェニリド(biphenylide)、ナトリウムナフタレニド、及びカリウムナフタレニドが挙げられる。アルカリ金属及び極性化合物の例示的な錯体としては、リチウムテトラメチルエチレンジアミン錯体、リチウムテトラヒドロフラン錯体、リチウムジテトラヒドロフランプロパン錯体、ならびにそれらのナトリウム及びカリウム類似体が挙げられる。より好ましくは、開始剤化合物は、モノリチウムアルキル若しくはジリチウムアルキル、アルキルアリール、またはアリール化合物である。さらなる有用な開始剤としては、WO2014/040640に記載されているアミノシラン重合開始剤及びWO2015/010710に記載されている重合開始剤が挙げられ、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。開始剤(複数可)、特に、有機リチウム開始剤(複数可)の総量は、モノマー及び目標分子量に応じて調整されるであろう。総量は通常、重合性モノマー100グラム当たり0.05〜5mmol、好ましくは、0.2〜3mmolである。
一般的に、有機リチウム開始剤は、SSBRまたは低シスBRの生産に使用されてもよい。
触媒
本発明の第3の態様の別の実施形態では、触媒は、重合に使用される。2種以上の触媒を組み合わせて使用してもよい。一般的に、触媒は、ニッケル、コバルト、チタン、及び周期表の原子番号57〜71を有する希土類元素から選択される1種以上を含有する。触媒は、周期表の原子番号57〜71を有する1種以上の希土類元素を含有することが好ましい。希土類元素は、より好ましくは、La、Pr、Nd、Gd、及びDyから選択され、最も好ましくは、Ndである。
触媒は通常、少なくとも1種の希土類元素化合物及び少なくとも1種の活性化剤化合物を混合し、任意に反応させることにより調製される触媒組成物の形態である。好ましくは、希土類元素化合物は、希土類元素のカルボキシラート、アルコラート、アミドまたはヒドロカルビル化合物、特に、ネオジムカルボキシラートであり、より好ましくは、ネオジムバーサテート、ネオジムネオデカノアート及びそれらの組み合わせから選択される。活性化剤化合物は、ハロゲン化ホウ素化合物、ハロゲン化アルミニウム化合物、アルキルアルミニウムハライド、及びアルモキサン、例えばメチルアルモキサン、を包含するルイス酸であることができる。
希土類元素化合物及び活性化剤を含む本発明の第3の態様の有用な触媒は、US2005/090383(WO2003/033545に対応する)に開示されており、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
一般的に、希土類元素触媒は、高シスBRの生産に使用されてもよい。
一実施形態では、重合プロセスは、スラリー重合または溶液重合として、溶媒中で実施することができる。別の実施形態では、重合プロセスは、気相中または溶媒の完全な非存在下での塊状重合として実施することができる。
溶媒
重合は通常、形成されたポリマーが反応混合物に実質的に可溶性である溶液重合として、または、形成されたポリマーが反応媒体に実質的に不溶性である懸濁/スラリー重合として行われる。より好ましくは、ポリマーは、溶液重合で得られる。重合溶媒としては通常、開始剤、触媒、または活性ポリマー鎖を失活させない炭化水素溶媒が使用される。重合溶媒は、2種以上の溶媒の組み合わせであってよい。例示的な炭化水素溶媒としては、脂肪族及び芳香族溶媒が挙げられる。具体例としては、(考えられる全ての構造異性体を包含する):プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ブテン、シクロヘキサン、プロペン、ペンテン、ヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレンが挙げられる。
鎖末端変性剤
本発明のポリマー中のポリマー鎖の末端と反応することにより、ポリマー特性をさらに制御するための本発明の重合反応において、1種以上の鎖末端変性剤が使用されてもよい。一般的に、WO2007/047943、WO2009/148932、US6,229,036、及びUS2013/0131263(これらの内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているようなシランスルフィドオメガ鎖末端変性剤を、この目的のために使用することができる。本発明での使用に適する他の鎖末端変性剤は、それらのWO2014/040640及びWO2015/010710に開示されているもの、ならびにWO2014/040639に記載されているシランスルフィド変性剤である。
鎖末端変性剤は、重合中に(規則的若しくは不規則な間隔で)断続的にまたは連続的に添加されてもよいが、好ましくは、80パーセントを超える重合転化率で、より好ましくは、90パーセントを超える転化率で添加される。好ましくは、実質的な量のポリマー鎖末端は、鎖末端変性剤との反応前には停止せず;つまり、リビングポリマー鎖末端は存在し、変性剤と反応することができる。
カップリング剤
ポリマーの分子量及びポリマー特性をさらに制御するために、カップリング剤(「架橋剤」)を、本発明のプロセスにおける任意の成分として使用することができる。カップリング剤は、同一分子量の非結合の、本質的に直鎖状のポリマー巨大分子と比較して、エラストマー系ポリマーの遊離鎖末端の数を低減させることによりヒステリシスロスを低減し、かつ/またはポリマー溶液粘度を低減させるであろう。四塩化スズなどのカップリング剤は、ポリマー鎖末端を官能化し、かつエラストマー組成物の成分、例えば、フィラー、またはポリマーの不飽和部分と反応し得る。例示的なカップリング剤は、U.S.3,281,383、U.S.3,244,664、及びU.S.3,692,874(例えば、テトラクロロシラン);U.S.3,978,103、U.S.4,048,206、同4,474,908、及びU.S.6,777,569(ブロック化メルカプトシラン);U.S.3,078,254(多ハロゲン置換炭化水素、例えば、1,3,5−トリ(ブロモメチル)ベンゼン);U.S.4,616,069(スズ化合物及び有機アミノまたはアミン化合物);ならびにU.S.2005/0124740に記載されている。一実施形態では、好ましいカップリング剤は、四塩化ケイ素、四塩化スズ、及びテトラメトキシシランである。一般的に、鎖末端変性剤は、カップリング剤の添加の前、その間、またはその後に添加され、変性反応は、カップリング剤の添加後に実施されることが好ましい。使用されるカップリング剤の総量は、結合されたポリマーのムーニー粘度に影響を与えることになり、通常は、エラストマー系ポリマー100グラム当たり0.001〜4.5ミリ当量、例えば、ポリマー100グラム当たり0.01〜約1.5ミリ当量の範囲である。
ランダム化剤化合物
当技術分野で通常知られているようなランダム化剤化合物(極性配位化合物としても知られている)は、ポリマーの共役ジエン部分のミクロ構造(すなわち、ビニル結合の含有量)を調整するために、または任意の芳香族ビニルモノマー及びポリマー鎖中のビニル結合の組成分布を調整するために、モノマー混合物または重合反応物に任意に添加されてもよい。2種以上のランダム化剤化合物の組み合わせが使用されてもよい。本発明で有用なランダム化剤化合物は、一般的に、ルイス塩基化合物により例示される。本発明での使用に適するルイス塩基は、例えば、エーテル化合物、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、(C〜Cアルキル)テトラヒドロフリルエーテル(メチルテトラヒドロフリルエーテル、エチルテトラヒドロフリルエーテル、プロピルテトラヒドロフリルエーテル、ブチルテトラヒドロフリルエーテル、ヘキシルテトラヒドロフリルエーテル、及びオクチルテトラヒドロフリルエーテルを包含する)テトラヒドロフラン、2,2−(ビステトラヒドロフルフリル)プロパン、ビステトラヒドロフルフリルホルマール、テトラヒドロフルフリルアルコールのメチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのエチルエーテル、テトラヒドロフルフリルアルコールのブチルエーテル、α−メトキシテトラヒドロフラン、ジメトキシベンゼン及びジメトキシエタン、ならびに3級アミン、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、N,N−ジエチルエタノールアミンのメチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミンのエチルエーテル、N,N−ジエチルエタノールアミン、及びジメチルN,N−テトラヒドロフルフリルアミンである。好ましいランダム化剤化合物の例は、WO2009/148932で確認され、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。ランダム化剤化合物は通常、0.012:1〜10:1、好ましくは、0.1:1〜8:1、より好ましくは、0.25:1〜約6:1のランダム化剤化合物対開始剤化合物のモル比で添加される。
促進剤化合物
重合は、開始剤の反応性を増加させるための(かつ、それにより、重合速度を増加させるための)、ポリマーに導入される芳香族ビニルモノマーをランダムに配置するための、または芳香族ビニルモノマーの単鎖を提供して、それにより、リビングアニオン性エラストマーコポリマー中の芳香族ビニルモノマーの分布に影響を与えるための、促進剤を任意に含んでもよい。促進剤の例としては、ナトリウムアルコキシドまたはナトリウムフェノキシド及びカリウムアルコキシドまたはカリウムフェノキシド、好ましくは、カリウムアルコキシドまたはカリウムフェノキシド、例えば、カリウムイソプロポキシド、カリウムt−ブトキシド、カリウムt−アミルオキシド、カリウムn−ヘプチルオキシド、カリウムベンジルオキシド、カリウムフェノキシド;カルボン酸、例えば、イソ吉草酸、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、安息香酸、フタル酸、及び2−エチルヘキサン酸のカリウム塩;有機スルホン酸、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸、及びオクタデシルベンゼンスルホン酸のカリウム塩;ならびに有機亜リン酸、例えば、ジエチルホスファイト、ジイソプロピルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジブチルホスファイト、及びジラウリルホスファイトのカリウム塩が挙げられる。このような促進剤化合物は、リチウム開始剤1.0グラム原子当量当たり、0.005〜0.5molの総量で添加されてもよい。0.005mol未満が添加される場合、十分な効果は通常、達成されない。他方では、促進剤化合物の量が約0.5molを超える場合、鎖末端変性反応の生産性及び効率は、顕著に低減することができる。
投与
式1のジエン化合物は、開始剤化合物(複数可)1当量当たり、0.1当量、好ましくは、0.4当量から、得られるエラストマー系ポリマーの総量を基準として、50wt%までの量で使用することができる。本発明のポリマーがタイヤ用途、例えば、タイヤトレッドまたはタイヤサイドウォール用のゴム化合物に使用される場合、式1のジエン化合物を、開始剤化合物(複数可)1当量当たり0.1当量から、好ましくは、0.4当量から、エラストマー系ポリマーを基準として、20wt%まで、より好ましくは、10wt%まで、さらにより好ましくは、5wt%までの量で使用することが好ましい。エラストマー系ポリマーの残りの量は、共役ジエンモノマー及び任意の芳香族ビニルモノマーならびにさらなる任意の成分、例えば、鎖末端変性剤、カップリング剤、及びランダム化剤に由来する。
触媒重合プロセスでは、得られるエラストマー系ポリマーの総量を基準として、0.00005wt%から、好ましくは、0.0001wt%から、50wt%までの量の範囲の任意の量の式1のジエン化合物を使用することができる。本発明のポリマーがタイヤ用途、例えばタイヤトレッドまたはタイヤサイドウォール用のゴム化合物に使用される場合、式1のジエン化合物を、エラストマー系ポリマーを基準として、好ましくは、0.0001から20wt%まで、より好ましくは、10wt%まで、さらにより好ましくは、5wt%までの量で使用する。
共役ジエンモノマー及び任意の芳香族ビニルモノマー、開始剤化合物及び他の成分に対する重合プロセスにおける式1のジエン化合物の添加(「投与(dosing)」)モードは、得られるポリマーの構造に影響を与えるであろう。式1のジエン化合物は、重合混合物に任意の時点、例えば、重合プロセスの開始前に、重合プロセス中に、または重合プロセスの完了後であるが、鎖末端停止前に、添加することができる。従って、所望の割合及び配列でジエン化合物ポリマーのブロック及び他のモノマーのブロックを有する統計コポリマー及びブロックコポリマーを調製することができる。例えば、次のポリマー構造は、(一般的に利用可能な添加オプションに関する任意の制限を意図することなく)ポリマー特性を調整するために想定することができる:
Figure 2018532743
A:式1のジエン化合物のポリマーのブロックまたはテーパー構造要素または単一モノマー単位
P:任意に(式1のジエン化合物を除く)他のモノマーとの共役ジエンモノマーのポリマー
X:リビングポリマー鎖を極性分子と反応させることにより得られる極性基
Y:ポリマー鎖に組み込まれたモノ開始剤(monoinitiator)またはジ開始剤(diinitiator)
上記ポリマー構造は、次の様式で得ることができる:
(1)重合が進むにつれて、式1のジエン化合物を、共役ジエンモノマー、任意に芳香族ビニルモノマー、及び開始剤化合物を含む混合物に添加すると、統計コポリマーが得られる。
(1.1)好ましい一実施形態では、式1のジエン化合物の添加は、連続的な添加(重合プロセス中)または漸増の添加(重合プロセス中のいくつかの添加工程)である。
(1.2)別の実施形態では、式1のものを含む全てのモノマーは、重合プロセスの開始前に添加される。
(2a)主要量の開始剤を添加する前にa)主要量のコモノマー(テーパー構造)と共に、または、b)ブロック構造を生成するためにジエン化合物を転化した後に添加することができる他のコモノマーなしで、式1のジエン化合物を添加すること。モノマーを定量的またはほぼ定量的に転化した後、ジエン化合物の2回目の添加を実施して、ポリマー末端にブロック構造を生成させることができる。Aが単一モノマー単位である場合、得られる構造は、α−ω変性ポリマーである。
(2b)主要量の開始剤を添加する前にa)主要量のコモノマー(テーパー構造)と共に、または、b)ブロック構造を生成するためにジエン化合物を転化した後に添加することができる他のコモノマーなしで、式1のジエン化合物を投与すること。モノマーを定量的またはほぼ定量的に転化した後、鎖末端の末端停止剤、例えば、アルコールまたは水、が添加される。Aが単一モノマー単位である場合、得られる構造は、α−変性ポリマーである。
(2)、(3)主要量の開始剤を添加する前にa)主要量のコモノマー(テーパー構造)と共に、または、b)ブロック構造を生成するためにジエン化合物を定量的若しくはほぼ定量的に転化した後に添加することができる他のコモノマーなしで、式1のジエン化合物を投与すること。さらに、可変比率の式1のジエン化合物のいくつか(n回)の投与工程は、ポリマー鎖内にn個のテーパーまたはブロック構造要素を生成させるために、全モノマーの規定の転化率で行うことができる。モノマーを定量的またはほぼ定量的に転化した後、ジエン化合物(2)または鎖末端変性剤(上記の通り)またはカップリング剤(上記の通り)(3)の最終の添加を使用してブロック構造または別の官能化またはポリマー末端での結合を生成することができる。
(4)可変割合の式1のジエン化合物のいくつか(n回)の投与工程は、ポリマー鎖内にn個の(テーパーまたはブロック)構造要素を生成させるために、全モノマーの規定の転化率で行うことができる。モノマーを定量的またはほぼ定量的に転化した後、ジエン化合物(2)または鎖末端変性剤(上記の通り)またはカップリング剤(上記の通り)(3)の最終の添加を使用してブロック構造または別の官能化またはポリマー末端での結合を生成することができる。
(5)主要量の開始剤を添加する前にa)主要量のコモノマー(テーパー構造)と共に、または、b)ブロック構造を生成させるためにジエン化合物を定量的若しくはほぼ定量的に転化した後に添加することができる他のコモノマーなしで、式1のジエン化合物を投与すること。モノマーを定量的またはほぼ定量的に転化した後、鎖末端変性剤(上記の通り)またはカップリング剤(上記の通り)を添加してポリマー鎖を官能化または結合させることができる。
ポリマー
本発明の第4の態様によるエラストマー系ポリマーは、本発明のプロセスにより、すなわち、開始剤化合物または触媒の存在下で、少なくとも1種の共役ジエンモノマー、式1のジエン化合物、及び任意に1つ以上の芳香族ビニルモノマーを重合させることにより、得ることができる。本発明のポリマーは、式1のジエン化合物がそのビニル官能基の1つによりポリマー鎖に組み込まれている、統計コポリマー、ブロックコポリマー、若しくはテーパーコポリマー、またはα−変性ポリマー若しくはα,ω−変性ポリマーであってよい。ポリマーは、直鎖状または分枝状であってよい。
具体的には、式1のジエン化合物は、次の構造I、II、III、IV、V、及びVI:
Figure 2018532743
(式中、R、R、R、R、R、R′、R″、x、及びyは、式1のジエン化合物、またはその実施形態のいずれかのために記載された通りであり、R'''は、Hまたは[Si]であり、
Figure 2018532743
は、ポリマー骨格であり、[Si]は、Si原子が双方の構造により共有されるような式IV、V、及びVIのうちの1つの化学構造を表す)
のうちの1つ以上に従うポリマー鎖に組み込まれてもよい。構造IV、V、VI、及び次の構造VII(式中、R′、R″、x、y、及び
Figure 2018532743
は、上記の通りである)は、水性(部分)プロトン分解後に、例えば、ポリマーを蒸気と接触させた後に、得られた生成物の例である。
Figure 2018532743
好ましい実施形態では、本発明のポリマーは、(具体的な用途に応じて)好ましくは、15〜85%、より好ましくは、30〜75%、さらにより好ましくは、40〜70%のビニル含有量、及び40〜70wt%、若しくは15〜40wt%、若しくは2〜15wt%の(具体的な用途に応じた)スチレン含有量を有するSSBR(溶液スチレンブタジエンゴム);15%未満、若しくは15〜40%、または40〜85%のビニル含有量を有するPBR(ポリブタジエンゴム);PIR(ポリイソプレンゴム);SSIR(溶液スチレンイソプレンゴム);またはSSIBR(溶液スチレンイソプレンブタジエンゴム);より好ましくは、SSBR若しくはPBR;さらにより好ましくは、SSBRであり、それぞれは、式1のジエン化合物を組み込むことにより変性されている。SSBRの場合、エラストマー系ポリマーは、好ましくは、−90〜0℃、より好ましくは、−80〜−5℃、さらにより好ましくは、−70〜−10℃のガラス転移温度(Tg、DSCで測定)を特徴とする。トラックタイヤ用途のための最も好ましいTgは、−70〜−40℃であり、乗用車タイヤ用途のための最も好ましいTgは、−40〜−10℃である。
他の好ましい実施形態では、本発明のポリマーは、好ましくは、10%未満、より好ましくは、5%未満のビニル含有量及び80%を超え、好ましくは、90%を超えるシス含有量を有するBR(ブタジエンゴム)である。BRの場合、エラストマー系ポリマーは、ポリマー中の式1で示される化合物の濃度に応じて変動するガラス転移温度(Tg、DSCで測定)を特徴とする。高シスBRの好ましい1つのTg範囲は、−100℃未満である。
未硬化ポリマー組成物
本発明の第5の態様の未硬化ポリマー組成物は、本発明のエラストマー系ポリマー及び(i)上記ポリマーに添加された、またはそれを製造するために使用される重合プロセスの結果として形成された成分、及び(ii)重合プロセスからの溶媒除去後に残存する成分から選択される1種以上のさらなる成分を含む。特に、このような成分(i)及び(ii)は、油(伸展油)、フィラー、安定剤、及びさらなるポリマー(本発明のポリマーではない)から選択される1種以上の成分とすることができる。一実施形態では、ポリマー組成物は、1種以上の加硫剤をさらに含む。
一実施形態では、未硬化(未架橋または未加硫)ポリマー組成物は、重合プロセスで得られた反応混合物の通常のワークアップにより得られる。ワークアップは、水蒸気ストリッピングまたは真空蒸着技術を使用した溶媒の除去を意味する。
別の実施形態では、本発明の未硬化ポリマー組成物は、ワークアップ反応混合物(本発明のポリマーを含む)、好ましくは、ゴムベールの形態のもの(すなわち、密閉式ミキサーにおいて及び/または2本ロールミルを用いる通常の配合プロセスの生成物)及び少なくとも1種のフィラーに関与するさらなる機械的混合プロセスの結果として得られる。さらなる詳細は、F.Rothemeyer,F.Sommer,Kautschuk Technologie:Werkstoffe−Verarbeitung−Produkte,3rd ed.,(Hanser Verlag,2013)及びそこに引用されている参考文献に記載されている。
次の成分:伸展油、安定剤、フィラー、さらなるポリマーは通常、タイヤに使用される未硬化組成物に添加される。
(伸展)油
一実施形態では、本発明のポリマー組成物は、1種以上の油、特に、鉱油との組み合わせで、本発明のエラストマー系ポリマーを含む。油の代表例及び分類については、内容が全体として参照により本明細書に組み込まれるWO2009/148932及びUS2005/0159513を参照のこと。このような油としては、例えば、通常知られている伸展油、例えば、芳香族、ナフテン系及びパラフィン系伸展油、例えば、MES(軽度抽出溶媒和物(mild extraction solvate))、TDAE(処理留出芳香族抽出物(treated distillate aromatic extract))、ゴム−液体(RTL(rubber-to-liquid))油、バイオマス−液体(BTL(biomass-to-liquid))油、ファクチス、増量樹脂、または500〜20000g/molの中央値分子量(BS ISO 11344:2004に従いGPCにより決定された)を有する液体ポリマー(例えば、液体BR)が挙げられる。伸展油として鉱物油を使用する場合、それは、DAE(蒸留芳香族抽出物)、RAE(残留芳香族抽出物)、TDAE、MES、及びナフテン系油から選択される1つ以上であることが好ましい。上述の油は、異なる濃度の多環式芳香族化合物、パラフィン系化合物、ナフテン系化合物、及び芳香族化合物を含み、異なるガラス転移温度を有する。上述の種類の油は、「Kautschuk.Gummi Kunststoffe」,vol.52,第799−805頁で特徴付けられている。いくつかの実施形態では、MES、RAE、及びTDAEは、ゴム用の好ましい伸展油である。
1種以上の油は、重合プロセスの停止前または停止後に、ポリマーに添加することができる。伸展油をポリマー溶液に添加される場合、添加のタイミングは、好ましくは、ポリマーの変性または重合の停止後に、例えば、変性剤または重合停止剤の添加後とすべきである。伸展油を添加した後、油展ポリマー組成物は、直接乾燥法またはスチームストリッピングを用いて任意の重合溶媒をポリマーから分離して、真空乾燥機、熱風乾燥機、ローラーなどを使用してゴムを乾燥することにより得ることができる。
ポリマー組成物は、0〜70phr、好ましくは、0.1〜60phr、より好ましくは、0.1〜50phrの総量で1種以上の油を含有してもよい。液体ポリマーが本発明のポリマー組成物中の伸展油として使用される場合、それらは、ポリマーマトリックスの組成を計算する際に考慮されない。
別の実施形態では、油は、少なくとも1種のフィラー、好ましくは、少なくとも1種のフィラー及び少なくとも1種のさらなるポリマーと共に、機械的ミキサー中で「無溶媒」ポリマーに添加される。
フィラー
上記の1種以上の伸展油を任意に含む本発明のポリマー組成物は、1種以上のフィラーをさらに含んでもよい。フィラーは、重合プロセスの停止前または停止後に、ポリマーに添加することができる。好適なフィラーの例としては、カーボンブラック(導電性カーボンブラックを包含する)、カーボンナノチューブ(CNT)(分散CNT、中空炭素繊維(HCF)、ならびにヒドロキシル基、カルボキシル基、及びカルボニル基などの1つ以上の官能基を有する変性CNTを包含する)、グラファイト、グラフェン(分散グラフェンプレートレットを包含する)、シリカ、カーボン−シリカ二相フィラー、粘土(剥離ナノクレイ及び有機粘土を包含する層状シリケート)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、二酸化チタン、ゴムゲル、リグニン、非晶質フィラー、例えば、ガラス粒子ベースのフィラー、デンプンベースのフィラーなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好適なフィラーのさらなる例は、WO2009/148932に記載されており、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
当業者に通常知られている任意の型のカーボンブラックが使用されてもよい。一実施形態では、カーボンブラックは、20〜250mg/g、好ましくは、30〜180mg/g、より好ましくは、40〜180mg/g、さらにより好ましくは40〜130mg/gのASTM D 1510によるヨウ素価、及び80〜200ml/100g、好ましくは、100〜200ml/100g、より好ましくは、115〜200ml/100gのASTM D 2414によるDBP数を有する(DBP数は、カーボンブラックの、またはジブチルフタレートを用いる任意の明色フィラーの比吸収容量(specific absorption volume)を決定する)。
当業者に通常知られており、かつタイヤゴムブレンドのためのフィラーとして適している任意の型のシリカが使用されてもよい。35〜350m/g、好ましくは、35〜260m/g、より好ましくは、100〜260m/g、さらにより好ましくは130〜235m/gの窒素表面積(BET表面積;DIN ISO 9277及びDIN 66132による)を有し、かつ30〜400m/g、好ましくは、30〜250m/g、より好ましくは、100〜250m/g、さらにより好ましくは、125〜230m/gのCTAB表面積(ASTM D 3765による)を有する高分散沈降シリカを使用することが特に好ましい。このようなシリカにより、特に有益な物理的性質の加硫物が、例えば、タイヤトレッド用ゴムブレンドになる。さらに、それは、製品特性を維持しながら、すなわち、ブレンドに必要な時間を低減させることにより、ブレンドの加工に利点をもたらし、それにより、生産性を改善し得る。有用なシリカとしては、Ultrasil(登録商標)VN3(Evonik Industriesの商標)型のもの、及び高分散型のもの、いわゆる、HDシリカ(例えば、RhodiaのZeosil(登録商標)1165MP)が挙げられる。
安定剤
1種以上の安定剤(「酸化防止剤」)は、酸素分子によるエラストマー系ポリマーの分解を防止するために、重合プロセスの停止前または停止後に、ポリマーに任意に添加することができる。立体障害のあるフェノールをベースとする酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6,6′−メチレンビス(2−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、イソオクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、イソトリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]メタン、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリラート及び2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリラート、ならびにチオエステルをベースとする酸化防止剤、例えば、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、及びペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオナート)が通常使用される。好適な安定剤のさらなる例は、F.Rothemeyer,F.Sommer,Kautschuk Technologie,2nd ed.,(Hanser Verlag,2006)pages 340−344及びそこに引用された参考文献に見出すことができる。
さらなるポリマー
本発明のポリマー、伸展油(複数可)、フィラー(複数可)などとは別に、本発明のポリマー組成物は、さらなるポリマー、特に、さらなるエラストマー系ポリマーをさらに含有してもよい。さらなるポリマーは、ポリマーブレンドのワークアップ前に本発明のポリマーの溶液に、溶液として添加されてもよく、または例えば、Brabenderミキサーの、機械的混合プロセス中に添加されてもよい。
加硫剤及び加硫促進剤
本発明のポリマー組成物は任意に、さらに1種以上の加硫剤を含んでもよい。本発明では、ゴム製品の製造に通常使用される任意の加硫剤を使用することができる。
硫黄、硫黄供与体として作用する硫黄含有化合物、例えば、ジチオール、硫黄促進剤系、及び過酸化物が最も一般的な加硫剤である。硫黄供与体として作用する硫黄含有化合物の例としては、ジチオジモルホリン(DTDM)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、及びジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)が挙げられる。硫黄促進剤の例としては、アミン誘導体、グアニジン誘導体、アルデヒドアミン縮合生成物、チアゾール類、キサントゲナート、チウラムスルフィド、ジチオカルバマート、及びチオホスファートが挙げられる。好ましくは、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシルベンゾチアゾール2−スルフェンアミド(DCBS)、ベンゾチアジル2−スルフェンモルホリド(MBS)、及びN−tert−ブチル2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(TBBS)から選択される1種以上のスルホンアミド促進剤を使用する。商標名Vulkuren(登録商標)(1,6−ビス(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)−ヘキサン;Lanxess)、Duralink(登録商標)若しくはPerkalink(登録商標)(1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン;Lanxess)で入手可能であるような、またはWO2010/049261に開示されているさらなる架橋系が、ポリマー組成物に添加されてもよい。過酸化物の例としては、ジ−tert−ブチル−ペルオキシド、ジ−(tert−ブチル−ペルオキシ−トリメチル−シクロヘキサン)、ジ−(tert−ブチル−ペルオキシ−イソプロピル−)ベンゼン、ジクロロ−ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、tert−ブチル−クミル−ペルオキシド、ジメチル−ジ(tert−ブチル−ペルオキシ)ヘキサン、ジメチル−ジ(tert−ブチル−ペルオキシ)ヘキシン、及びブチル−ジ(tert−ブチル−ペルオキシ)バレラート(Rubber Handbook,SGF,The Swedish Institution of Rubber Technolgy 2000)が挙げられる。
スルフェンアミド型、グアニジン型、またはチウラム型の加硫促進剤は、必要に応じて、加硫剤と共に使用することができる。
さらに、本発明のポリマー組成物は、通常使用される割合の、通常の添加剤及び加硫助剤を含有してもよい。このような添加剤としては:
a)老化防止剤、例えば、N−フェニルN′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(DPPD)、N,N′−ジトリル−p−フェニレンジアミン(DTPD)、N−イソプロピルN′−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、2,2,4−トリメチル1,2−ジヒドロキノリン(TMQ)、
b)活性化剤、例えば、酸化亜鉛及び脂肪酸(例えば、ステアリン酸)、
c)ワックス、
d)樹脂、特に、接着性樹脂、
e)嚼解添加剤、例えば、2,2′−ジベンズアミドジフェニルジスルフィド(DBD)、ならびに
f)加工添加剤、例えば、亜鉛石鹸及び脂肪酸エステルならびにその誘導体が挙げられる。
酸化亜鉛(亜鉛華)は、好ましくは、硫黄促進剤系の成分として使用される。
加硫剤は通常、全ポリマーの100重量部当たり、0.5〜10重量部、または一部の実施形態では、1〜6重量部の量でポリマー組成物に添加される。加硫促進剤の例及び全ポリマーに対して添加されるそれらの量は、WO2009/148932に記載されており、この内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
加硫ポリマー組成物
本発明の第6の態様の加硫ポリマー組成物は、当技術分野で通常知られる条件下及び機械で、1つ以上の加硫剤を含む本発明のポリマー組成物を加硫することにより得られる。
加硫ポリマー組成物を含む物品
本発明の加硫ポリマー組成物は、低い転がり抵抗、低い動的熱蓄積及び増加したウェットグリップを示すので、例えば:タイヤトレッド、サイドウォール、及びタイヤカーカスを含む、例えば、タイヤまたはタイヤの一部、ならびにベルト、ホース、振動ダンパー、及び履物コンポーネントなどの他の工業品の製造に使用するのによく適している。従って、本発明の第8の態様の物品は、本発明の加硫ポリマー組成物から形成された少なくとも1つのコンポーネントを含む。物品は、例えば、タイヤ、タイヤトレッド、タイヤサイドウォール、タイヤカーカス、ベルト、ガスケット、シール、ホース、振動ダンパー、ゴルフボール、または履物コンポーネント、例えば、靴底であってよい。
定義
そのままであるか、またはアルキルアリール若しくはアルコキシなどの他の基に結合するかに関わらず、本明細書に記載のアルキル基は、直鎖アルキル基、例えば、メチル(Me)、エチル(Et)、n−プロピル(Pr)、n−ブチル(Bu)、n−ペンチル、n−ヘキシルなどと、分枝鎖アルキル基、例えば、イソプロピル、tert−ブチルなど、及び環状のアルキル基、例えば、シクロヘキシルの両方を包含する。
本明細書に記載のアリール基としては、フェニル、ビフェニル、及び他のベンゼノイド化合物が挙げられる。アリール基は、好ましくは、芳香族環を1つだけ含有し、最も好ましくは、C芳香族環を含む。
本明細書に記載のアルキルアリール基は、例えば、アルキル−アリール、アリール−アルキル、アルキル−アリール−アルキル、及びアリール−アルキル−アリールの形態の、1つ以上のアルキル基に結合した1つ以上のアリール基の組み合わせを指す。アルキルアリール基は、好ましくは、芳香族環を1つだけ含有し、最も好ましくは、C芳香族環を含有する。
本発明は、実施例により、より詳細に説明されるであろうが、これらは、本発明を限定するものではない。
式1のアミノシラン官能化ジエン化合物の調製
アミノシランS1〜S7を、(クロロメチル)ジメチルクロロシランまたは(クロロメチル)メチルジクロロシランのいずれか、及び必要なアミンを使用して、WO2014/040640に従い調製した。
アミノシランS1〜S7の調製のための一般的な手順
丸底フラスコに、シクロヘキサンを入れ、1.02当量の対応するアミン及び1.1当量のトリエチルアミンを添加した。この溶液に、1当量の(クロロメチル)ジメチルクロロシランまたは(クロロメチル)メチルジクロロシランを、激しく撹拌しながら滴加した。混合物を、一晩撹拌し、濾過して沈殿したアンモニウム塩を除去し、シクロヘキサンで2回洗浄した。全ての揮発物を減圧下で除去して、定量的収率で対応するアミノシラン生成物を得た。S1、S2、及びS4の分析的な詳細は、WO2014/040640に見出される。S3、S5、S6、及びS7は、次の分析特性を有する新規化合物である。
4−[(クロロメチル]ジメチルシリル)モルホリンS3
Figure 2018532743
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=−0.03[s,6H,Si(CH],2.41(s,2H,CHCl),2.57[t,J=4.8Hz,4H,N(CH],3.36[t,J=4.8Hz,4H,O(CH]ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−4.5[Si(CH],30.2(CHCl),45.6[N(CH],68.5[N(CH]ppm.
1−[(クロロメチル]ジメチルシリル)−4−メチルピペラジンS5
Figure 2018532743
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.05[s,6H,Si(CH],2.05,(s,3H,NCH),2.13[t,J=4.9Hz,4H,N(CH],2.48(s,2H,CHCl),2.77[t,J=4.8Hz,4H,N(CH]ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−4.2[Si(CH],27.2(CHCl),45.6[N(CH)],46.9[N(CH],57.1[N(CH]ppm.
1−[(クロロメチル]ジメチルシリル)−4−エチルピペラジンS6
Figure 2018532743
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.06[s,6H,Si(CH],0.99(t,J=7.1Hz,3,CHCH),2.05,(br,4H,N(CH),2.22[t,J=7.1Hz,2H,CHCH],2.49(s,2H,CHCl),2.79[t,J=4.8Hz,4H,N(CH]ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−4.2[Si(CH],12.3(CHCH),27.2(CHCl),45.7[N(CH],53.1[N(CHCH)],55.1[N(CH]ppm.
1−[(クロロメチル]ジメチルシリル)−4−ベンジルピペラジンS7
Figure 2018532743
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.03[s,6H,Si(CH],2.12,(br,4H,N(CH),2.47(s,2H,CHCl),2.75[t,J=4.7Hz,4H,N(CH],3.30(s,2H,CHAr),7.09−7.35(m,5H,Ar)ppm.
13C NMR(100 MHz,20℃,C):δ=−4.3[Si(CH],30.4(CHCl),45.7[N(CH],55.4[N(CH],64.0[CHAr],127.4(Ar),128.5(Ar),129.3(Ar),129.2(Ar)ppm.
比較例3で使用したジエンMTMSを、クロロプレン及び(クロロメチル)トリメチルシランから出発して、WO2011/116223に従い調製した。
次のアミノシラン官能化ジエンを、Sakurai et al.Tetrahedron 1983,39,883−894からの変更された手順に従い調製した。
N,N−ジエチル−1,1−ジメチル−1−(2−メチレンブタ−3−エン−1−イル)シランアミン(M1)
工程1:不活性条件下で、新たに粉砕したMg削り屑(104mmol)ならびに触媒量のジブロモエタン及びZnClを、44mLのTHFと共に丸底フラスコに入れ、15分間還流させた。次に、温度を55℃に設定し、1−(クロロメチル)−N,N−ジエチル−1,1−ジメチルシランアミンS1(69mmol)を、反応混合物に滴加した。次に、反応混合物を、55℃で3時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を、不活性ガス条件下で濾過し、工程2の溶液として使用した。
工程2:不活性ガス条件下で、新たに蒸留したクロロプレン(46mmol)を、50mLのTHFに溶解し、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド(5mol%)を室温で添加した。次に、工程1で調製した溶液を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、次に、残留物をシクロヘキサンに溶解し、塩を濾別した。残りの溶液の溶媒を、再度真空除去した。粗生成物M1を、蒸留(70℃、1.5mbar)により、透明な液体として中程度の収率(5.4g、60%)で単離した。
Figure 2018532743
沸点:70℃(1.5mbar)
GC−MS(EI,70eV):m/z(%)=197(M,5),182(M−CH,20),155(7),130(M−C16NSi,100),97(5),73(20),59(80).
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.11[s,6H,Si(CH],0.93(t,J=7.4Hz,6H,CHCH),1.76(s,2H,CH),2.72(q,J=7.4Hz,4H,CHCH),4.92(m,3H,1−H,4−H),5.16(m,1H,4−H),6.36−6.42(m,1H,3−H)ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−1.4[Si(CH],16.3(CHCH),40.6(CHCH),113.5(1−C),114.7(4−C),140.6(3−C),144.7(2−C)ppm.
N,N−ジブチル−1,1−ジメチル−1−(2−メチレンブタ−3−エン−1−イル)シランアミン(M2)
工程1:不活性条件下で、新たに粉砕したMg削り屑(104mmol)ならびに触媒量のジブロモエタン及びZnClを、44mLのTHFと共に丸底フラスコに入れ、15分間還流させた。次に、温度を55℃に設定し、1−(クロロメチル)−N,N−ジブチル−1,1−ジメチルシランアミンS2(69mmol)を反応混合物に滴加した。次に、反応混合物を、55℃で4時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を、不活性ガス条件下で濾過し、工程2の溶液として使用した。
工程2:不活性ガス条件下で、新たに蒸留したクロロプレン(46mmol)を、50mLのTHFに溶解し、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド(5mol%)を室温で添加した。次に、工程1で調製した溶液を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、次に、残留物をシクロヘキサンに溶解し、塩を濾別した。残りの溶液の溶媒を、再度真空除去した。粗生成物M2を、蒸留(80℃、0.06mbar)により、透明な液体として中程度の収率(6.9g、52%)で単離した。
Figure 2018532743
沸点:80℃(0.06mbar)
GC−MS (EI,70eV):m/z(%)=254(M+H,1),238(M−CH,2),210(7),130(M−C,50),186(M−C1024NSi),100,125(5),97(5),59(20).
H NMR(400 MHz,20℃,C):δ=0.16[s,6H,Si(CH],0.89(t,J=7.3Hz,6H,CHCH),1.11−1.26(m,4H,CHCHCH),1.36−1.44(m,4H,CHCHCH),1.82(s,2H,CH),2.70(t,4H,J=7.3Hz,CHCHCH),4.90−5.03(m,3H,1−H,4−H),5.16−5.22(m,1H,4−H),6.41(dd,J=17.3,7.2 Hz,1H,3−H)ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−1.4[Si(CH],14.4(CHCHCHCH),20.9(CHCHCHCH),32.9(CHCHCHCH),47.1(CHCHCHCH),113.6(1−C),114.8(4−C),140(3−C),144.7(2−C)ppm.
4−[ジメチル(2−メチレンブタ−3−エン−1−イル)シリル]モルホリン(M3)
工程1:不活性条件下で、新たに粉砕したMg削り屑(104mmol)ならびに触媒量のジブロモエタン及びZnClを、44mLのTHFと共に丸底フラスコに入れ、15分間還流させた。次に、温度を55℃に設定し、4−((クロロメチル)−ジメチルシリル)モルホリンS3(69mmol)を反応混合物に滴加した。次に、反応混合物を、55℃で4時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を、不活性ガス条件下で濾過し、工程2の溶液として使用した。
工程2:不活性ガス条件下で、新たに蒸留したクロロプレン(46mmol)を、50mLのTHFに溶解し、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド(5mol%)を室温で添加した。次に、工程1で調製した溶液を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、次に、残留物をシクロヘキサンに溶解し、塩を濾別した。残りの溶液の溶媒を、再度真空除去した。粗生成物M3を、蒸留(70℃、0.06mbar)により、透明な液体として中程度の収率(5.8g、53%)で単離した。
Figure 2018532743
沸点:70℃(0.06mbar)
GC−MS(EI,70eV):m/z(%)=211(M,55),144(M−SiMeNCO,100),100(15),75(15),59(50).
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=−0.01[s,6H,Si(CH],1.64(s,2H,CH),2.62[t,J=2.62Hz,4H,N(CH],3.43[t,J=2.62Hz,4H,O(CH],4.83−4.99(m,3H,1−H,4−H),5.08−5.13(m,1H,(m,3H,1−H),6.37(dd,J=17.2,6.4Hz,1H,3−H)ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−2.5[Si(CH],20.9(CHCl),45.8[N(CH],68.8[O(CH],113.7(1−C),114.9(4−C),140.3(3−C),144.3(2−C)ppm.
N,N,N’,N’−テトラエチル−1−メチル−1−(2−エンブタ−3−エン−1−イル)シランジアミン(M4)
工程1:不活性条件下で、新たに粉砕したMg削り屑(104mmol)ならびに触媒量のジブロモエタン及びZnClを、44mLのTHFと共に丸底フラスコに入れ、15分間還流させた。次に、温度を55℃に設定し、1−(クロロメチル)−N,N,N′,N′−テトラエチル−1−メチルシランジアミンS4(69mmol)を反応混合物に滴加した。次に、反応混合物を55℃で4時間、次に、室温で一晩撹拌した。この時間の後、反応混合物を、不活性ガス条件下で濾過し、工程2の溶液として使用した。
工程2:不活性ガス条件下で、新たに蒸留したクロロプレン(46mmol)を、50mLのTHFに溶解し、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド(5mol%)を室温で添加した。次に、工程1で調製した溶液を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、次に、残留物をシクロヘキサンに溶解し、塩を濾別した。残りの溶液の溶媒を、再度真空除去した。粗生成物M4を、蒸留(75℃、0.06mbar)により、透明な液体として中程度の収率(5.5g、47%)で単離した。
Figure 2018532743
沸点:75℃(0.06mbar)
GC−MS(EI,70eV):m/z(%)=255(M+H,1),239(M−CH,3),187(85),116.1(100),72.1(NEt ,5).
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.14[s,3H,Si(CH)],0.97(t,J=6.1Hz,12H,CHCH),1.86(s,2H,CH),2.80(q,J=6.1Hz,8H,CHCH),4.95−5.03(m,3H,1−H,4−H),5.19−5.27(m,1H,4−H),6.43(dd,J=17.6,7.7Hz,1H,3−H)ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−2.7[Si(CH)],15.6(CHCH),39.5(CHCH),113.4(1−C),115.3(4−C),141.0(3−C),144.5(2−C)ppm.
4−[ジメチル(2−メチレンブタ−3−エン−1−イル)シリル]−4−メチルピペラジン(M5)
工程1:不活性条件下で、新たに粉砕したMg削り屑(104mmol)ならびに触媒量のジブロモエタン及びZnClを、44mLのTHFと共に丸底フラスコに入れ、15分間還流させた。次に、温度を55℃に設定し、1−((クロロメチル)ジメチルシリル)−4−メチルピペラジンS5(69mmol)を反応混合物に滴加した。次に、反応混合物を、55℃で15時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を、不活性ガス条件下で濾過し、工程2の溶液として使用した。
工程2:不活性ガス条件下で、新たに蒸留したクロロプレン(46mmol)を、50mLのTHFに溶解し、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド(5mol%)を室温で添加した。次に、工程1で調製した溶液を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、次に、残留物をシクロヘキサンに溶解し、塩を濾別した。残りの溶液の溶媒を、再度真空除去した。粗生成物M5を、蒸留(52℃、0.001mbar)により、透明な液体として中程度の収率(42%)で単離した。
Figure 2018532743
沸点:52℃(0.001mbar)
GC−MS(EI,70eV):m/z(%)=224.2(M,10),157.1(M−C17Si,100),114.1(15),70.0(30).
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.06[s,6H,Si(CH],1.71(s,2H,CH),2.13,(br,7H,N(CH,NCH),2.84[t,J=4.8Hz,4H,N(CH],4.86−5.00(m,3H,1−H,4−H),5.12−5.16(m,1H,4−H),6.38(dd,J=17.2,10.7Hz,1H,3−H)ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−2.1[Si(CH],21.4(CHCl),45.7[N(CH],47.0[N(CH)],57.2[N(CH]113.7(1−C),114.9(4−C),140.5(3−C),144.4(2−C)ppm.
4−[ジメチル(2−メチレンブタ−3−エン−1−イル)シリル]−4−エチルピペラジン(M6)
工程1:不活性条件下で、新たに粉砕したMg削り屑(104mmol)ならびに触媒量のジブロモエタン及びZnClを、44mLのTHFと共に丸底フラスコに入れ、15分間還流させた。次に、温度を55℃に設定し、1−((クロロメチル)ジメチルシリル)−4−エチルピペラジンS6(69mmol)を反応混合物に滴加した。次に、反応混合物を、55℃で15時間撹拌した。この時間の後、反応混合物を、不活性ガス条件下で濾過し、工程2の溶液として使用した。
工程2:不活性ガス条件下で、新たに蒸留したクロロプレン(46mmol)を、50mLのTHFに溶解し、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンニッケル(II)クロリド(5mol%)を室温で添加した。次に、工程1で調製した溶液を滴加し、反応物を室温で一晩撹拌した。溶媒を除去し、次に、残留物をシクロヘキサンに溶解し、塩を濾別した。残りの溶液の溶媒を、再度真空除去した。粗生成物M6を、蒸留(69℃、0.01mbar)により、透明な液体として中程度の収率(43%)で単離した。
Figure 2018532743
沸点:69℃(0.01mbar)
GC−MS(EI,70eV):m/z(%)=238.2(M,10),171.1(M−C19Si,100),142.1(10)114.1(12),84.1(25).59.1(10).
H NMR(400MHz,20℃,C):δ=0.08[s,6H,Si(CH],1.01(t,J=7.3Hz,2H,CHCH),1.73(s,2H,CH),2.18(br,4H,N(CH),2.25(q,J=7.3Hz,2H,CHCH),2.86[t,J=4.8Hz,4H,N(CH],4.88−5.01(m,3H,1−H,4−H),5.13−5.17(m,1H,4−H),6.39(dd,J=17.3,10.8Hz,1H,3−H)ppm.
13C NMR(100MHz,20℃,C):δ=−2.2[Si(CH],12.3(CHCH),21.4(CHCl),45.8[N(CH],53.3[NCHCH)],55.2[N(CH]113.7(1−C),114.9(4−C),140.5(3−C),144.4(2−C)ppm.
重合
一般的な重合手順:実施例A〜D
シクロヘキサン(表1に示す量)、ブタジエン(表1に示す量の97.8%)、及びスチレン(表1に示す量)、TMEDA(表1に示す量)、ならびに官能化ジエンM(変性剤の量及び種類を表1に示す)を、空気を含まない5Lの反応器に入れ、撹拌する混合物を40℃まで加熱した。次に、n−ブチルリチウムを滴加して、反応混合物の色が帯黄色に変わる(滴定)まで不純物を反応させた。その後、ポリマーの目標分子量に相当する、シクロヘキサン中の処方量の開始剤を、直ちに入れて、重合を開始した。開始剤の投入の開始時間を、重合の開始時間として使用した。平行して、開始剤の投入から開始して60℃の最終重合温度まで、80分間反応器の壁で加熱または冷却することにより、温度を増加させた。次に、ブタジエン(表1に示した量の0.5%)を入れた。5分後、カップリング剤Si(表に示す量)を加え、反応物を20分間撹拌した。次に、別の装入量のブタジエン(表1に示した量の1.7%)を加え、5分間撹拌後に鎖末端変性剤2f(表1に示す量)を加えた。反応を、メタノールの投入で、20分後に停止させた。ポリマー溶液を、Irganox 1520Dで安定させ、ポリマーを、スチームストリッピングにより回収し、残留揮発物の含有量が0.6%未満になるまで乾燥した。試料の完全なデータセットを表1に示す。
比較例1
シクロヘキサン(2331.0g)、ブタジエン(321.0g)、スチレン(87.1g)、及びTMEDA(0.48g)を、空気を含まない5Lの反応器に入れ、撹拌した混合物を、40℃まで加熱した。次に、n−ブチルリチウムを滴加して、反応混合物の色が帯黄色に変わる(滴定)まで不純物を反応させた。その後、ポリマーの目標分子量に相当する、シクロヘキサン中の処方量のn−ブチルリチウム(2.66mmol)を、直ちに入れて、重合を開始した。開始剤の投入の開始時間を、重合の開始時間として使用した。平行して、開始剤の投入から開始して60℃の最終重合温度まで、80分間反応器の壁で加熱または冷却することにより、温度を増加させた。次に、ブタジエン(2.8g)を入れた。5分後、カップリング剤Si(0.98g、c=0,1467mol/kg)を加え、反応物を20分間撹拌した。次に、別の装入量のブタジエン(6.8g)を加え、5分間撹拌後に鎖末端変性剤2f(1.08g、c=1.5804mol/kg)を加えた。反応を、メタノール(0.6g)の投入で、20分後に停止させた。ポリマー溶液を、Irganox 1520D(1.06g)で安定させ、ポリマーを、スチームストリッピングにより回収し、残留揮発物の含有量が0.6%未満になるまで乾燥した。試料の完全なデータセットを表1に示す。
比較例2
シクロヘキサン(2331.0g)、ブタジエン(316.7g)、スチレン(86.0g)、イソプレン(1.13mmol)、及びTMEDA(0.47g)を、空気を含まない5Lの反応器に入れ、撹拌した混合物を、40℃まで加熱した。次に、n−ブチルリチウムを滴加して、反応混合物の色が帯黄色に変わる(滴定)まで不純物を反応させた。その後、ポリマーの目標分子量に相当する、シクロヘキサン中の処方量のn−ブチルリチウム(2.75mmol)を、直ちに入れて、重合を開始した。開始剤の投入の開始時間を、重合の開始時間として使用した。平行して、開始剤の投入から開始して60℃の最終重合温度まで、80分間反応器の壁で加熱または冷却することにより、温度を増加させた。次に、ブタジエン(2.0g)を入れた。5分後、カップリング剤Si(0.96g、c=0,1467mol/kg)を加え、反応物を20分間撹拌した。次に、別の装入量のブタジエン(6.8g)を加え、5分間撹拌後に鎖末端変性剤2f(1.15g、c=1.5804mol/kg)を加えた。反応を、メタノール(1.0g)の投入で、20分後に停止させた。ポリマー溶液を、Irganox 1520D(1.06g)で安定させ、ポリマーを、スチームストリッピングにより回収し、残留揮発物の含有量が0.6%未満になるまで乾燥した。試料の完全なデータセットを表1に示す。
比較例3
シクロヘキサン(2348.6g)、ブタジエン(317.5g)、スチレン(86.2g)、TMEDA(0.47g)、及び官能化ジエンMTMS(2.33g)を、空気を含まない5Lの反応器に入れ、撹拌した混合物を、40℃まで加熱した。次に、n−ブチルリチウムを滴加して、反応混合物の色が帯黄色に変わる(滴定)まで不純物を反応させた。その後、ポリマーの目標分子量に相当する、シクロヘキサン中の処方量のn−ブチルリチウム(2.68mmol)を、直ちに入れて、重合を開始した。開始剤の投入の開始時間を、重合の開始時間として使用した。平行して、開始剤の投入から開始して60℃の最終重合温度まで、80分間反応器の壁で加熱または冷却することにより、温度を増加させた。次に、ブタジエン(1.9g)を入れた。5分後、カップリング剤Si(0.91g、c=0,1467mol/kg)を加え、反応物を20分間撹拌した。次に、別の装入量のブタジエン(5.5g)を加え、5分間撹拌後に鎖末端変性剤2f(0.99g、c=1.5804mol/kg)を加えた。反応を、メタノール(1g)の投入で、20分後に停止させた。ポリマー溶液を、Irganox 1520D(1.07g)で安定させ、ポリマーを、スチームストリッピングにより回収し、残留揮発物の含有量が0.6%未満になるまで乾燥した。試料の完全なデータセットを表1に示す。
Figure 2018532743
Nd触媒を使用した一般的な重合手順
M4の単独重合を、マグネチックスターラーを備えた20mlのスクリューキャップガラス容器中で実施した。容器に、不活性ガス条件下で、0.5gのn−ヘキサン及び0.2gのM4を入れた。表2に従って調製した6gの触媒溶液の添加により、室温で、重合を開始させた。10mlの4%のJonol/エタノール溶液の添加により、24時間後に、重合を停止させた。ポリマーEを濾過により得、80℃で4時間乾燥させ、GPCで分析した。
Figure 2018532743
触媒形成は、一例に過ぎない。他の予め形成されたNd触媒系も、使用されてもよい。
フィラーとしてシリカを用いる配合:
Figure 2018532743
Figure 2018532743
60℃でのtanδ及び0℃でのtanδはそれぞれ、タイヤの転がり抵抗及びウェットグリップに対する予測因子である。60℃でのtanδの低い値は、タイヤの低減した転がり抵抗に対応し、0℃でのtanδの高い値は、タイヤの改良されたウェットグリップ特性に対応する。表4のデータは、本発明が、比較例3と比較して最大60%の改善を有する60℃でのtanδ値の顕著な減少をもたらすことを示し、それにより、改善が、ポリマー中の官能化アミノシラン基を含有する本発明の式1のモノマーに起因することも示す。同時に、ウェットグリップ指標である0℃のtanδは、同様のレベルに保つことができ、または比較例と比較した場合に改善されている。従って、本発明の式1のモノマーを含む本発明のポリマーの使用は、同様のまたは改善されたウェットグリップ性能で、タイヤの転がり抵抗の低減をもたらす。
試験方法
HEWLETT PACKARD HP 1100を使用するSEC/RIにより、分子量分析を実施した。溶離液THFをライン上で脱気した。溶媒流速は、1.0ml/分であった。100μLのポリマー溶液を、分析ごとに注入した。分析を、40℃で実施した。最初に分子量を、ポリスチレン較正に基づいて計算し、ポリスチレンとして表に示した。実際の分子量(SSBR分子量)は、SEC/RIからの分子量及びSEC/MALLSからの分子量の間の以前の比較から導かれる係数で割ることにより決定することができる。係数の値は、ポリマー組成(スチレン及びブタジエン含有量)に依存する。1.52の係数は、21%及び30%のスチレンを有するSSBRのために使用することができる。1.84の係数は、0%のスチレンを有するSBRのために使用することができる。1.56の係数は、16%のスチレンを有するSSBRのために使用することができる。1.41の係数は、45%のスチレンを有するSSBRのために使用することができる。
NMR分光法を、5mmのBBOプローブ中、BRUKER Avance 400で実施した。溶媒、周波数、及び温度を、特性データに示す。減衰全反射で測定したFTIR分光法を使用して、ビニル含有量及びスチレン含有量を決定した。
次の条件下でDSC Q2000を使用して、ガラス転移温度を測定した:
重量:約10〜12mg
試料容器:Alu/S
温度範囲:(−140〜80)℃
加熱速度:20K/分それぞれ5K/分
冷却速度:自然冷却
パージガス:20mlのAr/分
冷却剤:液体窒素
各試料を少なくとも1回測定した。測定は、2回の加熱工程を含有する。2回目の加熱工程を使用して、ガラス転移温度を測定した。
硬化特性を特性決定するために、ロータレス剪断レオメーター(MDR 2000E)を使用して、ASTM D 5289−95に従い非加硫レオロジー特性の測定を行った。試験片を160℃でt95まで加硫し、特に、硬度試験の場合、標本を160℃でT95+5分まで加硫した。2Hzの周波数で、0.2%の圧縮動的歪を印加する、Gabo Qualimeter Testanlagen GmbH(Germany)が製造したダイナミックスペクトロメーターEplexor 150N/500Nを使用して、0℃及び60℃でのtanδとしての動的特性を測定した。熱蓄積を、ASTM D 623、方法Aに従いて、Doli′Goodrich′−Flexometerで測定した。
実施形態
上に一般的に記載した本発明は、具体的には、次の実施形態に関する:
1.次の式1:
Figure 2018532743
(式中、
各R′は独立して、C〜C12アルキル、C〜C18アリール、C〜C18アルキルアリール、トリ(C1〜アルキル、C〜C12アリール、またはC〜C18アルキルアリール)シリル及びアリルから選択され、2つのR′基は、連結して環を形成していてもよく、環は、Siに結合した窒素原子に加えて、さらに、酸素原子、窒素原子、>N(C〜CアルキルまたはC〜C18アルキルアリール)基、及び硫黄原子のうちの1つ以上を含有していてもよく;
各R″は独立して、C〜Cヒドロカルビルから選択され;
、R、R、R、及びRは独立して、水素、メチル、及びエチルから選択され;
xは、0、1、及び2から選択される整数であり、yは、1、2、及び3から選択される整数であり、x+y=3である)のジエン化合物。
2.R、R、R、R、及びRのそれぞれが水素であり、かつx及びyが独立して1及び2から選択される整数である、項目1に記載のジエン化合物。
3.R″がメチルである、項目1及び2に記載のジエン化合物。
4.条項1〜3のいずれか1つに記載の式1のジエン化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、溶媒中、(i)マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素からなる群より選択される金属、ならびに(ii)遷移金属触媒の存在下で、式2の化合物と式3の化合物とを反応させることを含む、前記プロセス
Figure 2018532743
Figure 2018532743
(式中、R、R、R、R、R、R′、R″、x、及びyは、項目1〜5のいずれか1つに記載された通りである)。
5.エラストマー系ポリマーを調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、開始剤化合物または触媒の存在下で、少なくとも1種の共役ジエンモノマー、項目1〜3のいずれか1つに記載の式1のジエン化合物、及び任意に1種以上の芳香族ビニルモノマーを重合して、リビングエラストマー系ポリマーを形成する工程を含む、前記プロセス。
6.前記リビングエラストマー系ポリマーを、カップリング剤及び鎖末端変性剤から選択される1種以上の薬剤と反応させることをさらに含む、項目5に記載のプロセス。
7.前記開始剤化合物が有機金属化合物であり、前記有機金属化合物の金属がリチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される、項目5又は6に記載のプロセス。
8.前記触媒が、ニッケル、コバルト、チタン、ならびに周期表の原子番号57〜71を有し、好ましくはランタン、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム、及びジスプロシウム、より好ましくはネオジムから選択される希土類元素から選択される1種以上を含有する、項目5又は6に記載のプロセス。
9.項目5〜8のいずれか1つに記載のプロセスにより得られるエラストマー系ポリマー。
10.次の化学構造I、II、III、IV、V、及びVI:
Figure 2018532743
(式中、R、R、R、R、R、R′、R″、x、及びyは、項目1〜5のいずれか1つに記載された通りであり、R'''は、Hまたは[Si]であり、
Figure 2018532743
は、ポリマー骨格であり、[Si]は、前記Si原子が双方の構造により共有されるような式IV、V、及びVIのうちの1つの化学構造を表す)のうちの1種以上を含有する、項目9に記載のエラストマー系ポリマー。
11.未硬化ポリマー組成物であって、項目9又は10に記載のエラストマー系ポリマー、ならびに(i)前記ポリマーに添加された、または前記ポリマーを製造するために使用された重合プロセスの結果として形成された成分、(ii)重合プロセスからの溶媒除去後に残存する成分、及び(iii)前記ポリマー製造プロセスの完了後に前記ポリマーに添加された成分から選択される1種以上のさらなる成分を含む、前記未硬化ポリマー組成物。
12.さらに、1種以上の加硫剤を含む、項目11に記載のポリマー組成物。
13.項目12に記載のポリマー組成物を加硫することにより得られる加硫ポリマー組成物。
14.項目12に記載のポリマー組成物を加硫する工程を含む、加硫ポリマー組成物を作成する方法。
15.項目13に記載の加硫ポリマー組成物から形成された少なくとも1つのコンポーネントを含む物品。

Claims (38)

  1. 次の式1:
    Figure 2018532743
    (式中、
    各R′は独立して、C〜C12アルキル、C〜C18アリール、C〜C18アルキルアリール、トリ(C〜Cアルキル、C〜C12アリール、またはC〜C18アルキルアリール)シリル及びアリルから選択され、2つのR′基は、連結して環を形成していてもよく、前記環は、Siに結合した窒素原子に加えて、さらに、酸素原子、窒素原子、>N(C〜CアルキルまたはC〜C18アルキルアリール)基、及び硫黄原子のうちの1つ以上を含有していてもよく;
    各R″は独立して、C〜Cヒドロカルビルから選択され;
    、R、R、R、及びRは独立して、水素、メチル、及びエチルから選択され;
    xは、0、1、及び2から選択される整数であり、yは、1、2、及び3から選択される整数であり、x+y=3である)のジエン化合物。
  2. 、R、R、R、及びRのそれぞれが水素であり、かつx及びyが独立して1及び2から選択される整数である、請求項1に記載のジエン化合物。
  3. R″がメチルである、請求項1及び2のいずれか1項に記載のジエン化合物。
  4. R′が、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、シクロヘキシル、及びベンジルから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジエン化合物。
  5. yが1であり、基−(NR′R′)がC〜Cアルキル若しくはC〜C18アルキルアリールにより4位の窒素原子で任意に置換されたピペラジンか、ピペリジンか、またはモルホリンにより表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のジエン化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の式1のジエン化合物を調製するためのプロセスであって、前記プロセスが、溶媒中、(i)マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、及びホウ素からなる群より選択される金属、ならびに(ii)遷移金属触媒の存在下で、式2の化合物と式3の化合物とを反応させることを含む、前記プロセス:
    Figure 2018532743
    Figure 2018532743
    (式中、R、R、R、R、R、R′、R″、x及びyは、請求項1〜5のいずれか1項に記載された通りである)。
  7. 式3の化合物が、クロロプレンである、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記遷移金属触媒が、ニッケル触媒である、請求項6または7に記載のプロセス。
  9. 前記ニッケル触媒が、[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]−ジクロロニッケル(II)及び[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]−ジクロロニッケル(II)から選択される、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記ニッケル触媒が、式3の化合物の量を基準として、0.01〜20mol%、好ましくは0.1〜10mol%、より好ましくは0.2〜5mol%の量で使用される、請求項8または9に記載のプロセス。
  11. 前記溶媒が、エーテルまたはチオエーテル溶媒である、請求項6〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 前記金属が、マグネシウムである、請求項6〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. (i)溶媒中で式2の化合物をマグネシウムと反応させてグリニャール試薬を形成する工程、及び(ii)ニッケル触媒の存在下で、前記グリニャール試薬を式3の化合物と反応させる工程を含む、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記グリニャール試薬対クロロプレンのモル比が、0.95〜3当量、好ましくは1.0〜2当量、より好ましくは1.01〜1.5当量である、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記金属対式2の前記化合物のモル比が、0.95〜3当量、好ましくは1.0〜2当量、より好ましくは1.01〜1.5当量である、請求項6〜14のいずれか1項に記載のプロセス。
  16. 前記溶媒が、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、及びそれらの2種以上の混合物、好ましくはテトラヒドロフランから選択される、請求項6〜15のいずれか1項に記載のプロセス。
  17. エラストマー系ポリマーを調製するためのプロセスであって、開始剤化合物または触媒の存在下で、少なくとも1種の共役ジエンモノマー、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式1のジエン化合物、及び任意に1種以上の芳香族ビニルモノマーを重合して、リビングエラストマー系ポリマーを形成する工程を含む、前記プロセス。
  18. 前記リビングエラストマー系ポリマーを、カップリング剤及び鎖末端変性剤から選択される1種以上の薬剤と反応させることをさらに含む、請求項17に記載のプロセス。
  19. 式1の前記ジエン化合物の量が、重合性モノマーの総量を基準として、0.01〜50wt%、好ましくは0.02〜20wt%、より好ましくは0.04〜10wt%、さらにより好ましくは0.05〜5wt%である、請求項17または18に記載のプロセス。
  20. 前記共役ジエンが、ブタジエン、イソプレン、及びそれらの混合物から選択される、請求項17〜20のいずれか1項に記載のプロセス。
  21. 前記芳香族ビニルモノマーが、スチレンである、請求項17〜20のいずれか1項に記載のプロセス。
  22. 前記開始剤化合物が有機金属化合物であり、前記有機金属化合物の金属がリチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される、請求項17〜21のいずれか1項に記載のプロセス。
  23. 前記開始剤が有機リチウム化合物である、請求項22に記載のプロセス。
  24. 前記触媒が、ニッケル、コバルト、チタン、ならびに周期表の原子番号57〜71を有し、好ましくはランタン、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム及びジスプロシウム、より好ましくはネオジムから選択される希土類元素から選択される1種以上を含有する、請求項17〜21のいずれか1項に記載のプロセス。
  25. 前記触媒が、周期表の原子番号57〜71を有し、好ましくはランタン、プラセオジム、ネオジム、ガドリニウム及びジスプロシウム、より好ましくはネオジムから選択された1種以上の希土類元素を含有する、請求項17〜21のいずれか1項に記載のプロセス。
  26. 前記鎖末端変性剤が、スルファニルシラン化合物、アミノシラン化合物、エポキシシラン化合物、及びシロキサン化合物、好ましくはスルファニルシラン化合物から選択される1種以上である、請求項17〜25のいずれか1項に記載のプロセス。
  27. 請求項17〜26のいずれか1項に記載のプロセスにより得られるエラストマー系ポリマー。
  28. ポリブタジエンゴム、特に、高シスポリブタジエンゴム、またはスチレン−ブタジエンゴムである、請求項27に記載のエラストマー系ポリマー。
  29. 次の化学構造I、II、III、IV、V及びVI:
    Figure 2018532743
    (式中、
    、R、R、R、R、R′、R″、x、及びyは、請求項1〜5のいずれか1項に記載された通りであり、R'''は、Hまたは[Si]であり、
    Figure 2018532743
    は、ポリマー骨格であり、[Si]は、前記Si原子が双方の構造により共有されるような式IV、V、及びVIのうちの1つの化学構造を表す)のうちの1種以上を含有する、請求項27又は28に記載のエラストマー系ポリマー。
  30. 未硬化ポリマー組成物であって、請求項27〜29のいずれか1項に記載のエラストマー系ポリマー、ならびに(i)前記ポリマーに添加された、または前記ポリマーを製造するために使用された前記重合プロセスの結果として形成された成分、(ii)前記重合プロセスからの溶媒除去後に残存する成分、及び(iii)前記ポリマー製造プロセスの完了後に前記ポリマーに添加された成分から選択される1種以上のさらなる成分を含む、前記未硬化ポリマー組成物。
  31. 伸展油、安定剤、及びさらなるポリマーから選択される1種以上の成分を含む、請求項30に記載のポリマー組成物。
  32. さらに、1種以上のフィラーを含む、請求項30または31に記載のポリマー組成物。
  33. 前記1種以上のフィラーが、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト、グラフェン、シリカ、カーボン−シリカ二相フィラーから選択される、請求項32に記載のポリマー組成物。
  34. さらに、1種以上の加硫剤を含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載のポリマー組成物。
  35. 請求項34に記載のポリマー組成物を加硫することにより得られる加硫ポリマー組成物。
  36. 請求項34に記載のポリマー組成物を加硫する工程を含む、加硫ポリマー組成物を製造する方法。
  37. 請求項35に記載の加硫ポリマー組成物から形成された少なくとも1つのコンポーネントを含む物品。
  38. タイヤ、タイヤトレッド、タイヤサイドウォール、タイヤカーカス、ベルト、ガスケット、シール、ホース、振動ダンパー、履物コンポーネント、ゴルフボール、またはホースである、請求項37に記載の物品。
JP2018520517A 2015-10-21 2016-10-17 エラストマー系ポリマーの官能化に使用されるアミノシラン官能化ジエン Pending JP2018532743A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP15190827.4 2015-10-21
EP15190827.4A EP3159346B1 (en) 2015-10-21 2015-10-21 Aminosilane-functionalized dienes for use in functionalization of elastomeric polymers
PCT/EP2016/074854 WO2017067877A1 (en) 2015-10-21 2016-10-17 Aminosilane-functionalized dienes for use in functionalization of elastomeric polymers

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018532743A true JP2018532743A (ja) 2018-11-08

Family

ID=54541939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018520517A Pending JP2018532743A (ja) 2015-10-21 2016-10-17 エラストマー系ポリマーの官能化に使用されるアミノシラン官能化ジエン

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10421767B2 (ja)
EP (1) EP3159346B1 (ja)
JP (1) JP2018532743A (ja)
CN (1) CN108350001A (ja)
ES (1) ES2685917T3 (ja)
HU (1) HUE039540T2 (ja)
PL (1) PL3159346T3 (ja)
RU (1) RU2018118160A (ja)
TW (1) TW201728595A (ja)
WO (1) WO2017067877A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020121745A1 (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 株式会社ブリヂストン 共重合体、共重合体の製造方法、ゴム組成物、タイヤ、樹脂組成物及び樹脂製品

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7030053B2 (ja) * 2016-08-05 2022-03-04 住友化学株式会社 変性共役ジエン系重合体の製造方法及び重合体組成物の製造方法
US10456630B1 (en) * 2017-05-19 2019-10-29 Callaway Golf Company Use of farnesene, polyfarnesene and farnesene copolymer for golf balls
US10457752B2 (en) * 2017-06-07 2019-10-29 Fina Technology, Inc. Silane functionalized poly (farnesene) and rubber compound comprising the same
EP3434697B1 (en) 2017-07-27 2021-09-01 Trinseo Europe GmbH In-situ polymer blend for a tire
JP6852170B2 (ja) * 2017-08-08 2021-03-31 シントス ドボリ 7 スプウカ ズ オグラニザツィーノン オトゥポビエジャルノシチョン スプウカ ヤフナSynthos Dwory 7 Spolka Z Ograniczona Odpowiedzialnoscia Spolka Jawna ビスシリルアミノシリル官能化共役ジエン及びゴムの製造におけるこれらの使用
WO2019030059A1 (en) 2017-08-08 2019-02-14 Synthos Dwory 7 Spolka Z Ograniczona Odpowiedzialnoscia Spolka Jawna CONJUGATED DIENNA FUNCTIONALIZED BY BISSILYLAMINOSILYL AND METHODS FOR THEIR PREPARATION
KR20200142021A (ko) 2018-04-11 2020-12-21 신도스 에스.에이. 아미노실릴-작용기가 도입된 스티렌의 혼합물, 이의 제조 및 탄성 공중합체의 제조에서 이의 용도
PL3847042T3 (pl) * 2018-09-03 2022-02-21 Synthos Spółka Akcyjna Sprzężone dieny funkcjonalizowane grupami aminosililowymi, ich otrzymywanie i ich zastosowanie w wytwarzaniu kauczuków
US11208518B2 (en) * 2018-12-11 2021-12-28 The Goodyear Tire & Rubber Company Functionalized polymer, rubber composition and pneumatic tire
CN109442119A (zh) * 2018-12-28 2019-03-08 深圳市鑫明兴科技有限公司 一种抱箍快速联接卷边风管
BR112021013013A2 (pt) 2019-01-24 2021-09-14 Synthos S.A. Dienos conjugados funcionalizados com bissililamino, sua preparação e seu uso na produção de borrachas
CN112210054B (zh) * 2019-07-09 2024-01-30 中国石油化工股份有限公司 一种基于嵌段分布锂系bir的轮胎胎侧胶料及制备方法
CN114685920B (zh) * 2022-05-13 2023-09-26 安徽康采恩包装材料有限公司 一种可降解包装材料及其合成方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005506404A (ja) * 2001-10-12 2005-03-03 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 金属錯体組成物、及び金属錯体組成物のポリジエン製造用触媒としての使用法
JP2010270292A (ja) * 2008-08-27 2010-12-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合体組成物及び共役ジエン系重合体の製造方法
JP2011522928A (ja) * 2008-06-06 2011-08-04 スティロン ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 変性エラストマーポリマー
JP2013528664A (ja) * 2010-03-18 2013-07-11 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム ケイ素含有ブロックコポリマーならびに合成方法および使用方法
JP2014001310A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014084373A (ja) * 2012-10-22 2014-05-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014125554A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014136758A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2015055252A1 (en) * 2013-10-18 2015-04-23 Trinseo Europe Gmbh Vinylsilanes for use in functionalized elastomeric polymers

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3078254A (en) 1959-07-20 1963-02-19 Phillips Petroleum Co High molecular polymers and method for their preparation
US3244664A (en) 1960-10-24 1966-04-05 Phillips Petroleum Co Silicon-containing polymers
US3281383A (en) 1962-08-09 1966-10-25 Phillips Petroleum Co Branched polymers prepared from monolithium-terminated polymers and compounds having at least three reactive sites
US3692874A (en) 1970-09-02 1972-09-19 Ralph C Farrar Process of coupling alkali metal-terminated polymers with silicic compound in presence of conjugated dienes
US3978103A (en) 1971-08-17 1976-08-31 Deutsche Gold- Und Silber-Scheideanstalt Vormals Roessler Sulfur containing organosilicon compounds
US4048206A (en) 1975-04-22 1977-09-13 Mikhail Grigorievich Voronkov Process for the production of 1-organylsilatranes and carbofunctional derivatives thereof
US4474908A (en) 1982-05-27 1984-10-02 Ppg Industries, Inc. Rubber compositions
US4616069A (en) 1984-10-26 1986-10-07 Nippon Zeon Co., Ltd. Process for making diene polymer rubbers
DE19844607A1 (de) 1998-09-29 2000-03-30 Degussa Sulfanylsilane
US6777569B1 (en) 2003-03-03 2004-08-17 General Electric Company Process for the manufacture of blocked mercaptosilanes
DE10354616A1 (de) 2003-11-21 2005-06-23 Degussa Ag Kautschukmischungen
US6984687B2 (en) 2004-01-19 2006-01-10 The Goodyear Tire & Rubber Company Oil extended rubber and composition containing low PCA oil
WO2007047943A2 (en) 2005-10-19 2007-04-26 Dow Global Technologies Inc. Silane-sulfide chain end modified elastomeric polymers
JP5745720B2 (ja) * 2008-06-25 2015-07-08 エスバテック − ア ノバルティスカンパニー エルエルシー イムノバインダーの溶解性の最適化
CN101659732A (zh) * 2008-08-27 2010-03-03 住友化学株式会社 共轭二烯系聚合物、共轭二烯系聚合物组合物及其制造方法
FR2937719B1 (fr) 2008-10-29 2013-12-27 Valeo Systemes Thermiques Ailette pour echangeur de chaleur et echangeur de chaleur comportant une telle ailette
BR112012004109B1 (pt) 2009-08-24 2019-08-13 Bridgestone Corp processo e sistema catalisador para produção de polidieno
EP2658727B1 (en) 2010-12-30 2014-12-03 Bridgestone Corporation Aminosilane initiators and functionalized polymers prepared therefrom
US8865829B2 (en) 2011-11-22 2014-10-21 The Goodyear Tire & Rubber Company Functionalized polymer, rubber composition and pneumatic tire
HUE039558T2 (hu) 2012-09-14 2019-01-28 Trinseo Europe Gmbh Szilán-szulfiddal módosított elasztomer polimerek
RU2609166C2 (ru) 2012-09-14 2017-01-30 ТРИНСЕО ЮРОП ГмбХ Полимеры, модифицированные аминосиланом
CN105431463B (zh) 2013-07-22 2019-02-01 盛禧奥欧洲有限公司 聚合引发剂

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005506404A (ja) * 2001-10-12 2005-03-03 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 金属錯体組成物、及び金属錯体組成物のポリジエン製造用触媒としての使用法
JP2011522928A (ja) * 2008-06-06 2011-08-04 スティロン ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 変性エラストマーポリマー
JP2010270292A (ja) * 2008-08-27 2010-12-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 共役ジエン系重合体、共役ジエン系重合体組成物及び共役ジエン系重合体の製造方法
JP2013528664A (ja) * 2010-03-18 2013-07-11 ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム ケイ素含有ブロックコポリマーならびに合成方法および使用方法
JP2014001310A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Sumitomo Rubber Ind Ltd ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014084373A (ja) * 2012-10-22 2014-05-12 Sumitomo Rubber Ind Ltd ベーストレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014125554A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2014136758A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Sumitomo Rubber Ind Ltd トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
WO2015055252A1 (en) * 2013-10-18 2015-04-23 Trinseo Europe Gmbh Vinylsilanes for use in functionalized elastomeric polymers

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BATES, C.M. ET AL.: "Synthesis and thin-film orientation of poly(styrene-block-trimethylsilylisoprene)", JOURNAL OF POLYMER SCIENCE, PART A: POLYMER CHEMISTRY, vol. 51, no. 2, JPN6020035204, 2013, pages 290 - 297, XP055625680, ISSN: 0004492142, DOI: 10.1002/pola.26375 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020121745A1 (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 株式会社ブリヂストン 共重合体、共重合体の製造方法、ゴム組成物、タイヤ、樹脂組成物及び樹脂製品

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017067877A1 (en) 2017-04-27
ES2685917T3 (es) 2018-10-15
US20180291041A1 (en) 2018-10-11
EP3159346B1 (en) 2018-07-04
EP3159346A1 (en) 2017-04-26
RU2018118160A (ru) 2019-11-21
CN108350001A (zh) 2018-07-31
TW201728595A (zh) 2017-08-16
US10421767B2 (en) 2019-09-24
HUE039540T2 (hu) 2019-01-28
PL3159346T3 (pl) 2018-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10421767B2 (en) Aminosilane-functionalized dienes for use in functionalization of elastomeric polymers
JP6461940B2 (ja) 機能性をもたせたエラストマー重合体における使用のためのビニルシラン
JP6936364B2 (ja) 官能化エラストマーポリマーのための分枝剤としてのマルチビニルアミノシラン
JP6291060B2 (ja) シラン変性エラストマー性ポリマー
US9683066B2 (en) Modified polymer compositions
JP7335867B2 (ja) ゴムの製造における特定のアミノシリルモノマーの使用
KR102376879B1 (ko) 고무 저장 안정성의 실란-매개 향상
US20200055881A1 (en) Multivinylaminosilanes as branching agents for functionalized elastomeric polymers
EP4186911A1 (en) Amine-containing vinyldisiloxanes in the manufacture of elastomeric polymers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191003

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210511