JP2018531249A6 - ホスネツピタントの結晶形 - Google Patents

ホスネツピタントの結晶形 Download PDF

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Abstract

本発明は、ホスネツピタントの塩化塩酸塩(chloride monohydrochloride salt)の結晶形(式I)、結晶形を作成する方法、及び結晶形を利用する薬の剤形を提供する。

Description

発明の分野
本発明は、ホスネツピタントの結晶形、特にホスネツピタントの塩化塩酸塩に関する。本発明はまた、ホスネツピタントの結晶形、及びこれらの結晶形を利用する薬の剤形にも関する。
発明の背景
多形成とは、化合物が固体において少なくとも2つの結晶配置を取る能力を指す。医薬品産業において、医薬品有効成分(API)の多形相は、薬剤の溶解度及びバイオアベイラビリティに影響を及ぼし得るため関連性がある。多形成を考慮することはまた、大規模生産中における問題及びコストのリスクを軽減するためにも役立つ。
ホスネツピタントは、化学療法が誘発する吐き気及び嘔吐を治療するための、Helsinn Healthcare SA(Lugano/Pazzallo、スイス)によって開発中であるニューロキニン−1(“NK−1”)拮抗薬である。化合物は、化学的に、4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムとして知られており、その酸性/遊離塩基形態に次の化学構造を有する。
塩化塩酸塩及びその調製方法は、国際出願第WO2013/082102号に記載されている。この塩の化学構造は次の通りに報告されている。
この分子は、特に高純度の結晶形において、商業的に許容可能な収率で製造することが難しい場合がある。製品の製造に使用される溶媒は、特別な課題を提起する。先行技術の手法では、過度の熱によるホスネツピタントを分解することができる蒸発技術によって、これらの溶媒を除去している。
したがって、改良された純度、安定性、及び製造の容易さを有する新規のホスネツピタントの結晶形を提供することが、本発明の目的である。
本発明の別の目的は、これらの結晶形の製造方法を提供することである。
さらに別の目的は、そのような薬の剤形を製造する方法を含む、これら新規の結晶形を利用する薬の剤形を提供することである。
さらに別の目的は、製品を分解することなく、ホスネツピタントを単離及び精製する改善された方法を提供することである。
発明の概要
本発明は、ホスネツピタントの塩化塩酸塩の結晶形、ホスネツピタントの結晶形を製造する方法、及びこれらの結晶形を利用する薬の剤形に関する。
一態様において、本発明は、(4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチルピペラジン−1−イウム−1−イル)リン酸水素メチル(ホスネツピタント)の塩化物塩酸塩の結晶形を提供する。これはI型(“I型ホスネツピタント”)であり、1.0又は0.5重量%未満のホスネツピタントの二量体、及び1.0又は0.5重量%未満の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o−トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミド(ネツピタント(netupitant))を含む。I型は、本明細書にてより詳細に記載されるX線回折パターン、又は本明細書に記載されるその他の性質決定方法のいずれかによって特徴付けることができる。さらに別の実施形態は、本明細書にてより詳細に記載される、II型及びIII型ホスネツピタント、並びにこれらの結晶形を製造する方法に関する。
本発明の上述及びその他の目的、特徴、並びに利点は、本発明の好ましい実施形態の、以下のより詳細な説明から明らかになるであろう。
本特許出願は、カラーで実行される少なくとも1つの図面を含む。カラー図面付きの本特許出願の複写は、要請及び必要な手数料の納付があった場合、官庁により提供される。
図1は、実施例1に記載される手順に従って作成した、I型の粉末X線回折(X線回折)パターンである。 図2は、実施例1に記載される手順に従って作成した、I型のラマンスペクトルである。 図3は、実施例1に記載される手順に従って作成した、I型の熱重量測定(TGA)である。 図4は、実施例1に記載される手順に従って作成した、I型の示差走査熱量測定(DSC)分析である。 図5は、実施例1に記載される手順に従って作成した、I型の重力蒸気吸着(GVS、Gravimetric Vapor Sorption)分析である。 図6は、実施例1に記載される手順に従って作成した、II型の粉末X線回折(X線回折)パターンである。 図7は、実施例1に記載される手順に従って作成した、II型のラマンスペクトルである。 図8は、実施例1に記載される手順に従って作成した、II型の熱重量測定(TGA)である。 図9は、実施例1に記載される手順に従って作成した、II型の示差走査熱量測定(DSC)分析である。 図10は、実施例1に記載される手順に従って作成した、II型の重力蒸気吸着(GVS)分析である。 図11は、実施例1に記載される手順に従って作成した、III型の粉末X線回折(X線回折)パターンである。 図12は、実施例1に記載される手順に従って作成した、III型のラマンスペクトルである。 図13は、実施例1に記載される手順に従って作成した、III型の熱重量測定(TGA)である。 図14は、実施例2の手順に従って作成した、I型の粉末X線回折(X線回折)スペクトルである。 図15は、実施例2の手順に従って作成した、I型の粉末X線回折(X線回折)スペクトルである。 図16は、実施例2の手順に従って作成した、II型の粉末X線回折(X線回折)スペクトルである。
発明の詳細な説明
本発明は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明、及びそこに含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解することができる。
定義
明細書及び特許請求の範囲にて使用されるように、単数形(a、an、及びthe)は、文脈上明確に指示されない限り、複数の参照を含む。例えば、用語「医薬品賦形剤」とは、本開示の製剤及び方法に使用するための1つ以上の医薬品賦形剤を指す。
範囲の下端を範囲の上端とは別に特定することによって範囲が得られる場合、その範囲は、あらゆる下端の変数を数学的に可能なあらゆる上端の変数と選択的に組合せることによって定義することができると理解されたい。
本明細書で使用される場合、用語「約」は、製造差異(manufacturing variation)及び時間誘導性の製品劣化による製品強度の差異といった、医薬品産業において許容され、そして医薬品において固有である可変性を保証する。この用語は、医薬品の実施において、評価される製品が列挙した強度と生物学的同等性であると考えられるであろう、あらゆる差異を可能にする。
考察
本発明は、ホスネツピタントとしても知られ、次の化学構造によって表される、4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムの塩化物塩酸塩の結晶形に関する。
用語「ホスネツピタント」は、本明細書で使用される場合、特定の文脈に応じて、4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウム、及び4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムの塩化物塩酸塩を指す。
典型的には、同一物質の異なる結晶形は、例えば、吸湿性、溶解度、安定性、及び同様のものに関連した異なる内部特性を有する。高い融点を有する形態は、しばしば、固形を含有する薬剤処方の半減期を延ばすために有利である、良好な熱力学的安定性を有する。低い融点を有する形態は、しばしば熱力学的に安定ではないが、増加した水溶性を有し、薬剤のバイオアベイラビリティ増加へとつながるという点で有利である。弱吸湿性である形態は熱及び湿度に対する形態の安定性のために望ましく、長期保存中の分解に対して抵抗性である。無水形態は、しばしば、溶媒若しくは含水量の変化による重量又は組成の変動を考慮することなく、一貫して製造することができるため、望ましい。一方で水和形態又は溶媒和形態は、吸湿性が低く、貯蔵条件下において湿度に対して改善した安定性を示し得るという点で、有利であり得る。
本明細書にて使用される場合、「結晶形」とは、結晶物質の特定の格子配置を指すように意図される。同一物質の異なる結晶形は、典型的には、結晶形の各々に特徴的な異なる物理的特性に起因する、異なる結晶格子(例えば、単位格子)を有する。いくつかの例において、異なる格子構造は異なる水又は溶媒の含量を有する。異なる結晶格子は、粉末X線回折(X線回折)といった固体の特徴付け方法によって同定することができる。示差走査熱量測定(DSC)、熱重量測定(TGA)、動的蒸気吸着(DVS、dynamic vapor sorption)、固体NMR、及び同様のものといった、その他の特徴付け方法は、結晶形の同定、並びに安定性及び溶媒/水含有量の決定にさらに役立つ。
ホスネツピタントの結晶形は、溶媒和(例えば、水和)形態及び非溶媒和(例えば、無水)形態の両方を含む。水和形態は、結晶格子中に水を含む結晶形である。水和形態は、水が、半水和物、一水和物、二水和物等といった特定の水/分子比で格子内に存在する、化学量論的な水和物であり得る。水和形態はまた、含水量が変動し、湿度といった外部条件に依存する、非化学量論的なものでもあり得る。
結晶形はX線回折によって最も一般的に特徴付けられる。反射(ピーク)のX線回折パターンは、通常、特定の結晶形の指紋であると考えられている。X線回折ピークの相対強度は、とりわけ、試料調製技術、結晶サイズ分布、フィルター、試料取り付け手順、及び使用される特定の機器に応じて広く変動し得ることが周知されている。いくつかの場合においては、機器の種類又は設定(例えば、Niフィルターが使用されているかどうか)によって、新規のピークが観測され得るか、又は既存のピークが消失し得る。本明細書にて使用する場合、用語「ピーク」とは、最大ピーク高さ/強度の少なくとも約4%の、相対的な高さ/強度を有する反射を指す。さらに、機器のバリエーション及びその他の要因が2θ値に影響する可能性がある。したがって、ピーク同定(本明細書にて報告されるようなもの)はプラス又はマイナス約0.2°(2θ)ほど変化する可能性があり、本明細書のX線回折の文脈にて使用される用語「実質的に」とは、上述のバリエーションンを包含するように意図される。或いは、X線回折パターンの2θ値は、プラス又はマイナス約0.1°ほどの変動によって特徴付けることができる。
同様に、DSC、TGA、又はその他の熱的実験に関連する温度測定値は、機器、特定の設定、試料調製等によって約±4℃ほど変化し得る。例えば、DSCでは、観察される温度は、使用した試料調製技術及び特定の機器と同様に、温度変化の速度に依存することが知られている。したがって、サーモグラムに関して本明細書にて報告される値は、上で示したように、±4℃変化し得る。したがって、「実質的に」図のいずれかにおいて示されたような、DSCサーモグラムを有する本明細書にて報告される結晶形は、こうした変化に対応すると理解される。
ホスネツピタントは、無水、水和、非溶媒和、又は溶媒和された結晶形を含む、多数の結晶形で単離することができる。例示的な水和物としては、半水和物、一水和物、二水和物、及び同様のものが挙げられる。いくつかの実施形態において、ホスネツピタントの結晶形は、無水及び非溶媒和である。「無水」とは、ホスネツピタントの結晶形が、結晶格子構造中に結合水を本質的には含有しないこと、すなわち、化合物が結晶性水和物を形成しないことを意味する。
ホスネツピタントはまた、結晶格子内におけるホスネツピタントに対する水の化学量論が、分子の結晶構造に影響を及ぼすことなく変化し得るように、クラスレートとして単離することもできる。水和の程度(すなわち、式Iの化合物に対する水の化学量論比)は、分子の結晶形を変化させることなく0〜3で変動し得る。いくつかの実施形態において、ホスネツピタントは0.5〜2.5の水和度を有する。その他の実施形態において、ホスネツピタントの結晶形は1.0〜2.0の水和度を有する。さらに、これらの実施形態のいずれにおいても、結晶質クラスレートはさらに、分子(メタノール、エタノール、メチルアセテート、又はイソプロパノールなど)の結晶構造に影響を与えることなく、有機揮発性不純物を含むことができる。
いくつかの実施形態において、本発明の結晶形は実質的に単離されている。「実質的に単離されている」とは、ホスネツピタントの特定の結晶形が不純物から少なくとも部分的に単離されていることを意味する。例えば、いくつかの実施形態において、本発明の結晶形は、約50%未満、約40%未満、約30%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約3%未満、約1%未満、又は約0.5%未満の不純物を含む。不純物は、本明細書においては、分解物、反応副産物、及びその他の関連する化合物を含むが、水及び有機揮発性不純物を除外するものと定義される。
特定の一実施形態において、本発明は、そのような結晶形(1%、0.5%、若しくは0.3%未満のホスネツピタントの二量体、又は親分子を含有する)を使用する薬の剤形を含む、ホスネツピタントの結晶形を提供する。
ホスネツピタントの二量体とは、以下の化学構造を有する、4−(5−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N,2−ジメチルプロパンアミド}−4−(2−メチルフェニル)ピリジン−2−イル)−1−[({[4−(5−{2−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]−N,2−ジメチルプロパンアミド}−4−(2−メチルフェニル)ピリジン−2−イル)−1−メチルピペラジン−1−イウム−1−イル]メチルホスホネート}オキシ)メチル]−1−メチルピペラジン−1−イウムクロリドを指す。
親分子とは、ネツピタント又はその塩を指し、化学的には2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o−トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドとして知られる。
いくつかの実施形態において、ホスネツピタントの結晶形はその他の結晶形を実質的に含まない。句「その他の結晶形を実質的に含まない」とは、ホスネツピタントの特定の結晶形が、約80重量%より大きい、約90重量%より大きい、約95重量%より大きい、約98重量%より大きい、約99重量%より大きい、又は約99.5重量%より大きい、特定の結晶形を含むことを意味する。しかしながら、本明細書の実施例にて論じられるように、本発明の結晶形の各々はある量の非晶質形態の存在下において典型的に存在する。
I型X線回折性質決定
I型は、好ましくはX線回折スペクトルによって特徴付けられ、一実施形態において、I型は図1、図14、又は図15に示されるX線回折パターンによって実質的に特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、表2.a又は表2.bに示される、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の特徴的なピークのあらゆる組合せを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、次の特徴的なピーク(4.5、9.0、10.1、12.7、13.5、14.2、16.3、17.9、18.6、22.5、23.4、27.1、及び28.4)の、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上のあらゆる組合せを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、次の特徴的なピーク(4.5、9.0、12.7、13.5、16.3、及び17.9)のうち少なくとも3つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、次の特徴的なピーク(4.5、9.0、12.7、13.5、16.3、及び17.9)のうち少なくとも4つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、次の特徴的なピーク(4.5、9.0、12.7、13.5、16.3、及び17.9)のうち少なくとも5つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、次の特徴的なピーク(4.5、9.0、12.7、13.5、16.3、及び17.9)を表すものとして特徴付けられる。
図1、図14、及び図15に示されるものを含む、前述の特徴的なピークの各々は、好ましくは±0.2度又は±0.1度と等しい変動のレベルによって修正される。
特に好ましい実施形態において、I型ホスネツピタントは、1.0、0.5、又は0.3重量%未満のホスネツピタントの二量体、及び0.5重量%未満の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o−トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドを含む。
さらに別の実施形態において、I型ホスネツピタントは、約0.3〜約0.7重量%、又は約0.5重量%の量で、部分的に水和される。
II型X線回折性質決定
II型はX線回折スペクトルによって特徴付けられ、一実施形態において、I型は実質的に図6又は図16に示されたX線回折パターンによって実質的に特徴付けられる。
別の実施形態において、I型は、表2.cに示される、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上の特徴的なピークのあらゆる組合せを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、6.7、7.0、7.6、8.6、9.7、11.3、11.8、12.0、12.5、12.9、13.2、14.1、15.3、16.0、16.5、17.9、18.4、18.9、19.4、20.0、20.6、21.4、21.7、22.7、23.2、23.8、24.4、25.1、26.0、27.4、28.3、29.2、30.6、31.8、33.4、36.3、37.2、38.3)の、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上のあらゆる組合せを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、6.7、7.6、9.7、11.3、14.1、15.3、17.9、18.4、19.4、20.0、20.6、21.4、22.7、23.2、25.1、26.0、28.3、29.2、33.4)の、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上のあらゆる組合せを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、6.7、7.6、9.7、11.3、14.1、15.3、17.9、18.4、19.4、20.0、20.6、21.4、22.7、23.2、25.1、26.0、28.3、29.2、33.4)のうち少なくとも3つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、6.7、7.6、9.7、11.3、14.1、15.3、17.9、18.4、19.4、20.0、20.6、21.4、22.7、23.2、25.1、26.0、28.3、29.2、33.4)のうち少なくとも4つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、6.7、7.6、9.7、11.3、14.1、15.3、17.9、18.4、19.4、20.0、20.6、21.4、22.7、23.2、25.1、26.0、28.3、29.2、33.4)のうち少なくとも5つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、6.7、7.6、9.7、11.3、14.1、15.3、17.9、18.4、19.4、20.0、20.6、21.4、22.7、23.2、25.1、26.0、28.3、29.2、33.4)を表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、7.6、14.1、17.9、19.4、20.6、及び21.4)のうち少なくとも3つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、7.6、14.1、17.9、19.4、20.6、及び21.4)のうち少なくとも4つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、7.6、14.1、17.9、19.4、20.6、及び21.4)のうち少なくとも5つを表すものとして特徴付けられる。
別の実施形態において、II型は、次の特徴的なピーク(6.0、7.6、14.1、17.9、19.4、20.6、及び21.4)を表すものとして特徴付けられる。
図6及び図16に示されるものを含む、前述の特徴的なピークの各々は、好ましくは±0.2度又は±0.1度と等しい変動のレベルによって修正される。
特に好ましい実施形態において、II型ホスネツピタントは、1.0、0.5、又は0.3重量%未満のホスネツピタントの二量体、及び0.5重量%未満の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o−トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドを含む。
さらに別の実施形態において、II型ホスネツピタントは部分的に水和され、一水和物として存在する。
III型X線回折性質決定
III型は、好ましくはX線回折スペクトルによって特徴付けられ、一実施形態において、III型は図11に示されるX線回折パターンによって実質的に特徴付けられる。
図11に示される特徴的なピークの各々は、好ましくは±0.2度又は±0.1度と等しい変動のレベルによって修正される。
特に好ましい実施形態において、III型ホスネツピタントは、1.0、0.5、又は0.3重量%未満のホスネツピタントの二量体、及び0.5重量%未満の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o−トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドを含む。
ホスネツピタントの結晶形を製造する方法
本発明のホスネツピタントの結晶形を製造する方法は、本発明の実施例にて解説している。特定の一実施形態において、本発明は、(a)ホスネツピタントの塩化物塩酸塩を酢酸メチル及びメタノールと接触させて、ダイ1の液体を形成すること;(b)ステップ(a)のホスネツピタントの塩化物塩酸塩から酢酸メチル及びメタノールを分離させること;(c)ステップ(b)に由来するホスネツピタントの塩化物塩酸塩をヘプタンと接触させて、第2の液体を形成すること;及び、(d)ステップ(c)のホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩から前記ヘプタンを分離することを含む、請求項1に記載のI型ホスネツピタントの製造方法を提供する。
種々の下位実施形態(subembodiment)において、ステップ(a)は、ホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩を塩化水素と接触させることをさらに含み;ステップ(b)は、ステップ(a)の前記第1の液状生産物に由来する前記メタノールを蒸発させることを含み;ステップ(d)は、大気圧未満及び温度20〜50℃において前記第2の液体から前記ヘプタンを蒸発させることを含む。
さらに他の実施形態は、II型及びIII型を製造する方法に関する。したがって、一実施形態において、本発明は:(a)ホスネツピタントの塩化物塩酸塩をアセトン及び水を含む溶液と合わせて、混合物を提供すること;(b)混合物をスラリー化させること;(c)スラリー化混合物を濾過すること;及び、(d)II型ホスネツピタントの結晶質固体を単離することを含む、II型ホスネツピタントを調製する手法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、(a)シクロヘキサンを含む溶液と合わせて、混合物を得ること;(b)混合物をスラリー化すること;(c)スラリー化混合物を濾過すること;及び、(d)結晶質固体を単離することを含む、III型ホスネツピタントを調製する手法を提供する。
医薬組成物及び作製方法
本発明の結晶形は、医薬組成物又は剤形の形態にて投与することができる。これらの組成物は製薬分野にて周知の手段で調製することができ、局所的又は全身的治療が望まれるかどうか、及び治療される範囲に応じて、様々な経路で投与することができる。投与は、局所(眼、並びに鼻腔内、膣内、及び直腸内を含む粘膜への送達)、肺(例えば、噴霧器による送達を含む、散剤又はエアロゾルの吸入又は吹入による投与;気管内、鼻腔内、上皮、又は経皮による投与)、経口又は非経口の投与であってもよい。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、又は注射若しくは点滴;又は頭蓋内(例えば、髄腔内若しくは脳室内)の投与が挙げられる。非経口投与は単一のボーラス投与の形態であってもよく、又は、例えば、連続還流ポンプによる形態であってもよい。局所投与のための医薬組成物及び製剤には、経皮パッチ剤、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、点滴剤、坐剤、噴霧剤、液剤、及び散剤が含まれ得る。従来の医薬担体、水性、粉末、又は油性基剤、増粘剤、及び同様のものが、必要又は望ましいこともあり得る。
本発明はまた、有効成分として、本発明の結晶形を1以上の薬学的に許容可能な担体(賦形剤)と組み合わせて含有する、医薬組成物を含む。本発明の組成物の作製において、活性成分は、典型的には賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、又はそのような担体内に、例えば、カプセル、サシェ、紙、若しくはその他の容器の形態で封入される。賦形剤が希釈剤として働く場合、活性成分用の、固体、半固体、又は液状材料であってもよく、ビヒクル、担体、又は溶媒として作用する。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、残剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体又は液体媒体として)、軟膏剤(例えば、10重量%の活性結晶形を含有する)、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射溶液、並びに滅菌包装粉末の形態であってもよい。
組成物は、各投与量が約5〜約1000mg(1g)、より通常では約100〜約500mgの活性成分を含有する、単位投与形態で製剤化することができる。用語「単位剤形」とは、好適な医薬品賦形剤と関連して、ヒト対象及びその他の哺乳類用の単位容量として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位は、所望の治療効果を生じるように計算された所定の量の活性物質を含有する。
特に好ましい実施形態において、本発明の結晶形は、溶液として、又は溶液から製造された凍結乾燥粉末として注射可能な剤形を製造するために使用される。本発明の結晶形は、溶液中で完全に妖怪することができるか、又は結晶形で存在し続けることができるか、又は両方の組合せであり得る。溶液は水及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を典型的に含む。そのような賦形剤の例として、等張化剤(tonicifying agent)、防腐剤、緩衝剤、抗酸化剤、及びpH調節剤が挙げられる。したがって、一実施形態において、本発明は、本発明の結晶形を水及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤と混合して溶液を形成し、随意に溶液を凍結乾燥することを含む、医薬剤形の製造方法を提供する。
治療方法
式Iの結晶形は、サブスタンスP活性に関連する疾患の治療に対して特に有効である。哺乳類のタキキニンサブスタンスPの中枢作用及び末梢作用は、偏頭痛、間接リウマチ、喘息、及び炎症性腸疾患を含む数多くの炎症状態、並びに嘔吐反射の媒介、並びにパーキンソン病(Neurosci. Res., 1996, 7,187−214)、不安症(Can. J. Phys., 1997, 75, 612−621)、及びうつ病(Science, 1998,281, 1640−1645)といった中枢神経系(CNS)疾患の変調に関連している。疼痛、頭痛(特に、偏頭痛)、アルツハイマー病、多発性硬化症、モルヒネ離脱の減弱、心血管変化、浮腫(熱障害による浮腫など)、慢性炎症性疾患(関節リウマチなど)、喘息/気管支過敏症及びアレルギー性鼻炎を含むその他の呼吸器障害、潰瘍性大腸炎及びクローン氏病を含む腸の炎症性疾患、眼外傷、並びに眼の炎症性疾患における、タキキニン受容体拮抗薬の有用性に対するエビデンスは充分に確立されている(“Tachykinin Receptor and Tachykinin Receptor Antagonists”, J. Auton. Pharmacol., 13,23−93, 1993)。特に、NK−1受容体拮抗薬は、タキキニン、特にサブスタンスPの過剰又は不均衡に関連する、多くの生理学的障害の治療のために開発されている。サブスタンスPが関与している状態の例として、中枢神経系の障害(不安症、うつ病、及び精神病など)が挙げられる(国際公開第95/16679号、同第95/18124号、及び同第95/23798号)。
NK−1受容体拮抗薬は、 運動病の治療及び治療誘発性嘔吐に対してさらに有用である。New England Journal of Medicine, Vol. 340, No. 3 190−195, 1999は、選択的ニューロキン−1受容体拮抗薬によるシスプラチン誘発性嘔吐の現象を記録している。米国特許出願第5,972,938号は、NK−1受容体拮抗薬といったタキキニン受容体の投与による心理免役学的障害又は心身症の治療方法を記載している。さらに、本発明の結晶形は、頭痛、不安症、多発性硬化症、モルヒネ離脱の減弱、心血管変化、浮腫(熱傷による浮腫など)、慢性炎症性疾患(間接リウマチ)、喘息/気管支過敏症、及びアレルギー性鼻炎を含むその他の呼吸器疾患、潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む腸の炎症性疾患、眼の外傷及び眼の炎症性疾患に対する薬剤として有用である。
本発明に基づくいくつかの適応症は、中枢神経系の障害、例えばNK−1受容体拮抗薬の投与により、特定のうつ病、不安症、又は嘔吐の治療又は予防する適応症を含む。大うつ病エピソードは少なくとも2週間の期間であると定義されており、1日の大半及びほぼ毎日、全て又はほぼ全ての活動において、落ち込んだ気分、又は興味若しくは喜びの喪失が存在する。
NK−1関連疾患のさらなる例として、多くのがん治療の共通する副作用である、化学療法誘発悪心及び嘔吐(CINV)が挙げられる。NK−1関連疾患のさらなる例として、場合によって、膀胱の壁における筋肉の突発的な不随意収縮に起因する、過活動膀胱障害(OAB又は尿失禁)が挙げられる。
組合せ投与
本発明の結晶形はまた、抗体、免疫抑制剤、抗炎症剤、間接リウマチ治療に使用される薬剤、中枢神経系の障害、及び同様のものといったあらゆる医薬品を含むことができる、1以上のさらなる活性成分と組み合わせて製剤化することもできる。特に好ましい実施形態において、本発明の結晶形は、治療有効量の塩酸パロノセトロンといった5−HT3拮抗薬で処方される。
報告した全ての例において、特に支持されない限り、出発化合物は、4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチル−1−((ホスホノオキシ)メチル)ピペラジン−1−イウムの塩化物塩酸塩のI型であり、国際公開第2013/082102.号に記載される方法によって実質的に製造された。
実施例1:ホスネツピタントの性質決定
1.実験方法
1.1 溶解度
出発化合物の溶解度を、異なる極性である25の薬学的に許容可能な溶媒(クラスII及びクラスIII)において決定した。手順は以下の通りである。
およそ20mgの材料を、各ガラスバイアル中へ秤量した。
各溶媒の5容量アリコートを、別々に撹拌しながら加えた(すなわち、1容量=20μl;したがって、5容量=100μl(5×20μl))。
混合物を室温で5〜10分間撹拌した。その後、目視検査を溶解度に対して行った。
溶解度が達成されなかった場合、その後ステップ(ii)及びステップ(iii)を溶解度が達成されるまで繰り返すか、又はその溶媒の50容量アリコートを加えた。
その後、溶解度を概算した。
そして、溶解度を高温(40℃)にて確認した。
1.2 多形スクリーン(スラリー試験を含む)
溶解度試験からの情報を用いて、化合物を表Iに概説した溶媒、並びにさらに2つの水/MeOH(10:90)の混合物、及び水/アセトン(1:20)中にて、それぞれ40℃〜室温の温度サイクル(各温度で4時間)で48時間かけてスラリー化した。スラリー化の後、得られた固体を単離し、物理的形態におけるあらゆる変化に対してラマン法及びX線回折(充分な材料が利用可能であった場合)によって分析した。
化合物をまた、列挙した溶媒及び水/有機溶媒のさらに2つの混合物中に溶かして飽和溶液を産生し、結晶化を、急速冷却(crash cooling)(約−18℃)、蒸発(室温)、及び逆溶媒の添加によって誘導した。その後、精製された固体材料を単離し、ラマン法及びX線回折(充分な材料が利用可能であった場合)によって試験した。
1.3 あらゆる新規多形相のスケールアップ
その後、I型ホスネツピタントのあらゆる新規の潜在的な多形相を、PLM、SEM、DSC、TGA、GVS(X線回折後GVS)、及びNMRによってさらに特徴付けるため約500mgレベルまでスケールアップした。各多形相間における変換のさらなる研究もまた実施した。この情報から、多形空間の理解が達成された。
1.4 安定性試験
同定した多形を40℃/75%RH(オープンバイアル)にて保存した。各資料をキャップのないガラスバイアル中へ入れた。分析を、結晶構造におけるあらゆる潜在的な変化に対して、X線回折及びラマン法によって7日間実施した。
1.5 競合スラリー
同定された多形を4つの溶媒中にてスラリー化して、室温(約25℃)にてどのI型が優位であるか判定した。分析はラマン法によって2日後に実施し、X線回折によって確認した。エナンチオマー的挙動の過安濃製もまた、実験を50℃で繰り返すことによって試験した。
1.6 I型ホスネツピタントの多形相の水溶性
I型ホスネツピタントの多形の水溶性を、HPLCによって飽和溶液中で判定した。
1.7 分析技術
1.7.1 偏光顕微鏡(PLM)
分析計及び偏光子を備えたオリンパスBX50顕微鏡を使用して、偏光下において各試料を観察した。試料の顕微鏡写真は、QuickStartバージョン9.3.2を実行しているPCに接続したJVC−TKC1380デジタルカメラを用いて撮影した。20×/0.50(拡大鏡/開口数(NA)値)の対物レンズを使用して試料を観察し、画像を取得した。
1.7.2 ラマン法
試料は、Nicolet Almega XR Dispersive Raman Microscopeによりラマンスペクトルについて以下の条件を用いて分析した。
露光時間:1.0秒
露光時間:10
ピンホールサイズ:100μm
波長:4000〜46m-1
レーザー:633nm、出力100%
対物レンズ:20×/0.40
その後、測定したラマンスペクトルをOMNICTM v7.3ソフトウェアでベースライン減算によって補正した。
1.7.3 粉末X線回折(X線回折)
およそ2mgの試料を、X線回折ゼロバッググラウンド単一斜切断シリカ試料ホルダ(XRPD zero back ground single obliquely cut silica sample holder)上にて穏やかに圧縮した。その後、試料をPhilips X−Pert MPD回析計に充填し、以下の実験条件を用いて分析した。
管陽極:Cu
発生装置の電圧:40kV
管電流:40mA
波長アルファ1:1.5406Å
波長アルファ2:1.5444Å
スタートアングル(o):5.000
エンドアングル(o):50.000
ステップサイズ(o):0.0173
ステップごとの時間(秒):31秒
1.7.4 示差走査熱量測定(DSC)
およそ2mgの各資料をアルミニウムDSCパンに秤量し、アルミニウムの蓋で非機密に密封した。その後、試料をPerkin−Elmer Diamond DSC(液体窒素製客装置を装備)へ充填し、冷却して、25℃で保持した。一度安定した熱流反応が得られたら、次いで試料を300℃まで200℃/分の走査速度で加熱し、得られた熱流反応を監視した。20cm3/分のヘリウムパージを使用して、加熱中の試料の熱誘発酸化を防止し、また試料の加熱遅れを減少させることで装置の感度を上昇させた。分析に先立ち、装置を温め、熱流はインジウム標準試料を用いて補正した。
1.7.5 同時熱分析(STA)
およそ2mgの試料をセラミックパンに入れ、室温で保持したPerkinElmer STA 6000に充填した。その後、試料を10℃/分の速度で300℃まで加熱し、その間に重量の変化を監視した。その上、DTA(示差熱分析)(DSCと同様の機能)を同時に監視した。使用したパージガスは、流速20cm3/分の窒素であった。分析に先立ち、装置は100mgの標準重量を用いて重量補正し、インジウム標準試料を用いて温度を上昇させた。
1.7.6 重力蒸気吸着 (GVS)
およそ20mgの試料を金網の蒸気吸着バランスパンに入れ、「IgaSorp」蒸気吸着バランス(Hiden Analytical Instruments)へ充填した。その後、さらなる重量変化が記録されなくなるまで0%湿度環境を維持することによって、試料を乾燥させた。続いて、平衡が達成される(99.5%のステップが完了)まで各ステップにて試料を維持しながら、10%RH増分で0〜90%RHの欄ピングプロファイルに供した。平衡に達する際、装置内の%RHを次のステップに対して勾配させ、平衡手順を繰り返した。吸着サイクルの完了後、10%RH増分の同じ手順にて、85〜5%RHのプロファイルを用いて試料を乾燥させた。そして、さらなる重量変化が記録されなくなるまで0%湿度環境を維持することによって、試料を乾燥させた。その後、吸着/脱着サイクル間の重量変化を監視し、試料の吸湿性を判定した。
1.7.7 核磁気共鳴(NMR)
溶液(DMSO d6)1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、それぞれ400.13MHzで動作するBruker Avance 400分光計により得た。DMSO−d6を使用してNMRのために試料を溶解した。
2 結果
2.1 溶解度試験
1.1部に記載した方法を用いて、選択した溶媒における化合物の溶解度を概算し、表1.1に示した。
表Iのデータは、化合物のI型がMeOHを除くほとんどの溶媒の中でも非常に乏しい溶解度を有することを示した。
2.2 一次多形成スクリーン
1.2部に記載された手順を用いるスラリー化の後、ラマン法及びX線回折(充分な材料が利用可能である場合)によりあらゆる新規の結晶形に対して、試料をまず確認した。急速冷却、逆溶媒添加(ペンタンを逆溶媒として使用)、及び蒸発を含む結晶化スクリーンから単離した固体材料もまた、ラマン法及びX線回折(充分な材料が利用可能である場合)によりあらゆる新規の結晶形に対して、確認した。結果を以下に示す表1.2に概説する。
表1.2の結果は、一次多形成スクリーニング試験において、選択された溶媒からホスネツピタントのI型、II型、及びIII型が生成されることを示した。
2.3 二次多形成スクリーン及び物理的特性化
二次多形成スクリーンをスケールアップして、さらなる性質決定のため一次スクリーンにおいて同定した潜在的な新規の形態を充分に生成した。すなわち、「調製したままの」I型ホスネツピタントを、アセトン/H2O(20/1)(II型を生成)及びシクロヘキサン(III型を生成)中でスラリー化した。次いで、スラリーによって調製したままの元のI型、II型、及びIII型を、真空下において40℃にて約72時間乾燥させた。比較のために、試料は多くの技術によって特徴付けられた。II型の水和版はI型又はIII型から種々の経路によって形成した。
I型観察
次の観察により、実施した作業からI型について導くことができる。
I型は、白色の固体粉末材料である。
X線回折は、材料が結晶性であるが、「ハロ」型ベースラインによって示されるいくつかの非晶質内容物を伴うことを示す。(図1)
ラマン法は、材料が約1800以下のラマン法の指紋(FP)を有することを示す。材料は弱いラマン信号及び強い蛍光を示した。(図2)
PLMは、比較的大きな粒子のいくつかの塊を伴う小さく不規則な結晶粒子を示し、これは試料が濡れていることを示唆している。
受け入れたままの材料及び乾燥した試料におけるTGAは、初期加熱時に重量(Wt)損失の3つ(又は2つ)のステップを示した。次いで、材料を親薬物へ変え、続いてさらなる加熱の際に分解した。具体的には、各ステップにおけるWt損失は、受け入れたままの試料に対する3つのステップの約2.43%(=1.00%+1.43%)及び8.56%から、乾燥した試料に対する2つのステップの約3.55%及び8.71%へと変化した。親薬物へのプロドラッグの変換は約152〜154℃から始まり、続いて約242〜251℃にて分解が始まった。同時DTAデータは、2つの吸熱イベント(ピーク約67℃及び約152〜154℃)、及び1つの発熱イベント(ピーク約204〜207℃)を示した。(図3)
元のI型試料におけるDSCは、2つの吸熱量イベント(ピーク約60℃及びオンセット約147℃)及び1つの発熱イベント(ピーク約202℃)を分解の前に示した。(図4)
GVSは、90%RHまでの全試験RHにおいて約45%w/wの全体的な水分取込、及び0%〜50%RH(相対湿度)において約5%の全体的な水分取込を有する、非常に吸湿性な(80%RHにて15%以下)材料を示唆している。GVSでは形態の変化は検出されなかった。(図5)
II型観察
II型は、オフホワイトの固体粉末材料である。
X線回折は、材料が結晶性であるが、「ハロ」型ベースラインによって示されるいくつかの非晶質内容物を伴うことを示す。X線回折では、受け入れたままの試料と乾燥した試料との間に有意な変化は見られなかった。(図6)
ラマン法は、材料が約1800以下のラマン法の指紋(FP)、及び約3000m-1の範囲にO−H(C−H)結合を有することを示す。材料は弱いラマン信号及び強い蛍光を示した。(図7)
PLMは長い棒状の結晶粒子を示し、これもまた一次スクリーニングの結果と一致した。
受け入れたままの材料及び乾燥した試料におけるTGAは、初期加熱時に重量(Wt)損失の3つ(又は2つ)のステップを示した。次いで、材料を親薬物へ変え、続いてさらなる加熱の際に分解した。具体的には、各ステップにおけるWt損失は、調製したままの試料に対する3つのステップの約6.48%(=4.34%+2.14%)及び7.67%から、乾燥した試料に対する2つのステップの約4.22%及び7.54%へと変化した。乾燥した試料に対する初期Wt損失における減少(6.48%から4.22%)は、いくつかの表面水分が加熱の際に取り除かれたことを示した。第2のWt損失は、プロドラッグから親薬物への変換に起因する可能性があった。プロドラッグから親薬物への変換は約138〜141℃から始まり、続いて約240〜246℃にて分解が始まった。同時DTAデータは、分解前に2つの吸熱イベント及び1つの発熱イベント(第1ピーク約91〜101℃;第2オンセット約138〜141℃)を示した。発熱イベントは203〜205℃にて発生した。(図8)
乾燥した試料におけるDSCは、2つの吸熱量イベント及び1つの発熱イベントを分解前に示し、吸熱量ピークは約105℃であり、吸熱量ピークのオンセットは約143〜147℃であり、そして発熱ピークは約200℃であった。(図9)
GVSは、0%〜90%RH(相対湿度)から約12.75%、及び0〜70%RHから約4.12%の全体的な水分取込を有する、吸湿性な(15%>Wt、80%RHにて2%以上の増加)材料を示唆した。吸収において、10%RHにおける急激なWt増加は約2.92%w/wであり、これは潜在的な水和形成又は著しい量の「バルク」水吸収があったことを示唆する。全約1.2%w/wのゆっくりとしたWt増加が20〜70%RHから観測され、これは表面の濡れを示唆する。約8.63%w/wの最大Wt増加は70〜90%RHからであり、これはさらなる水分が材料に吸収されたことを示唆する。GVSデータはまた、吸収工程での60%RHにおける重量の小さな損失(約0.2%w/w)を示した。(図10)
III型観察
III型は、白色の固体粉末材料であった。
X線回折は、材料が結晶性であるが、「ハロ」型ベースラインによって示されるいくつかの非晶質内容物を伴うことを示す。X線回折では、受け入れたままの試料と乾燥した試料との間に有意な変化は見られなかった。X線回折データはまた、I型とIII型との結晶構造の間に類似性を示した。(図11)
ラマン法は、材料が約1800以下のラマン法の指紋(FP)を有することを示す。材料は弱いラマン信号及び強い蛍光を示した。ラマン法データはまた、I型とIII型との結晶構造の間に類似性を示した。(図12)
PLMは小さく不規則な結晶粒子を示し、これもまた一次スクリーニングの結果と一致した。
受け入れたままの材料及び乾燥した試料におけるTGAは、初期加熱時に重量(Wt)損失の3つ(又は2つ)のステップを示した。具体的には、各ステップにおけるWt損失は、調製したままの試料に対する3つのステップの約6.46%(=5.04%+1.42%)及び8.79%から、乾燥した試料に対する2つのステップの約2.76%及び8.82%へと変化した。プロドラッグから親薬物への変換は約146〜150℃から始まり、続いて約247〜250℃にて分解が始まった。同時DTAデータは、分解前に1つ以上の吸熱イベント及び1つの発熱イベント、吸熱ピーク約91〜75℃、第2吸熱ピーク(オンセット約146〜150℃)、及び発熱イベント(ピーク約203〜204℃)を示した。(図13)
乾燥した試料におけるDSCは、2つの吸熱量イベント及び1つの発熱イベントを、65℃にて分解前に示し、オンセットは各々約153℃及び約200℃であった。
GVSは、0%〜90%RH(相対湿度)から約25%の全体的な水分取込を有する、非常に吸湿性な(15%以上、80%RHにて)材料を示唆した。全約5.19%w/wのゆっくりとしたWt増加が0〜50%RHから観測され、これは表面の濡れを示唆する。約8.63%w/wの最大Wt増加は70〜90%RHからであり、これはさらなる水分が材料に吸収されたことを示唆する。GVSデータはまた、吸収工程での80%RHにおける重量の小さな損失(約5.82%w/w)を示した。
2.4 安定性試験
X線回折及びラマン法による40℃/75%RHにてオープンバイアルに保存された各形態の試料の7日間の分析は、I型及びIII型の結晶構造における変化を示したが、II型では示さなかった(1.4部に記載の安定性試験)。
結果を表2.4にて概説する。
2.5 競合スラリー
I型、II型、及びIII型の混合物を、それぞれEtOH、EtOAc、iPA、及び1,4−ジオキサン中において室温及び50℃でスラリー化した。分析は2日後にラマン法及びX線回折によって実施した(必要であれば、ラマン法にて変化が確認された後)。結果を表2.5にて概説する。
2.6 I型ホスネツピタントの2つの多形相の水溶性
I型及びII型の水溶性を表2.6に概説する。
実施例2.I型及びII型のさらなる性質決定
I型及びII型のさらなるX線回折性質決定は、次の実験詳細に従って行われた。図14及び図15は、I型からのX線回析パターンを図示する;図16は、II型からのX線回析パターンを図示する。表2.A及び表2.Bは、I型から得られた代表的なX線回折ピークを列挙する;表2.Cは、II型から得られた代表的なX線回折ピークを列挙する。
2 計測機器の詳細
2.1 粉末X線回折(X線回折)
計測器タイプ:X’Pert PRO PANalytical
X’Pert PRO X線回折システムには、以下の項目が含まれる。
・X’Pert PROシステムの作業環境を提供するコンソール;マイクロプロセッサーシステム及び高電圧発生装置を用いる、測定及び制御エレクトロニクスが含まれる。
・セラミック回折X線管(電子管遮蔽内の角度計に取り付け);角度計は4.1.1部にて解説する。
・角度計(回折器の中心部);角度計は4.1.2部にて解説する。
・入射線及び回折X線ビーム用光学モジュール。これらのモジュールは角度計のアーム上に位置するPreFIXに取り付けることができる。
・試料の特性を測定できるように試料を乗せるための、試料ステージ。試料ステージとは、測定又は分析を行うことができるように試料が乗せられる、あらゆる装置に与えられる一般的な名称である。X’Pert PROシステムに使用した試料ステージは、試料スピナである。スピンの目的は、測定の際に粒子統計の影響を低減するため、回折位置へより多くの微結晶を移動させることである。スピン回転速度は、毎秒2、1、1214、1/8、及び1/16回転に設定することができる。
・回折したX線ビームの強度を測定する検出器;角度計は4.1.3部にて解説する。
2.1.1 セラミック回折X線管
一般的な管設計
・焦点タイプ:LFF(ロングファインフォーカス)
・焦点寸法:12mm×0.4mm
・焦点品質:COCIR設計
・取出し角:(範囲を超える強度損失なし)
―線焦点:0°〜12°(また、シャッター開口に依存でもある)
―点焦点:0°〜20°(また、シャッター開口に依存でもある)
・窓直径:14mm
・窓厚さ:300μm
電力特性
・銅陽極を用いた高出力セラミック回折X線管
・最大出力:2.2kW
・最大高電圧:60kV
・最大陽極電流:55mA
・推奨出力設定:最大出力の80%〜85%
・推奨スタンバイレート:30〜40kV、10〜20mA
スペクトル純度
・Kα線に対し40kVにてβフィルターで測定した外線(foreign line):伝達中1%以下
・管寿命の1000時間毎の増加:Cu陽極の管について1%以下
環境条件
・試験温度:+5℃〜+40℃
・保存温度:−40℃〜+70℃
・電気保安:IEC1010−1
冷却水条件
・品質:飲料水
・流速:3.5〜5l/分
・最高圧:0.8MPa
・3.5l/分での圧力低下:0.2±0.04MPa
・最高温度:35℃
・最低温度:大気の露点に応じる
2.1.2 角度計X’Pert PRO
X’Pert PRO X線回折システムは、PW3065/6倍角度計に基づく。角度計は、X線回折測定の基本軸である、θ軸及び2θ軸を含有する。
PW3050/60 X’Pert PRO標準解像度角度計:
・操作モード:水平又は垂直、θ〜θ又はθ〜2θモード
・再現性:0.0001°
―0.001°(アタッチメントあり)
・スキャン速度:0.000001〜1.27°/秒
・旋回速度:12°/秒(アタッチメントあり)
・最小ステップサイズ:0.001°
・2θ範囲:−40°〜+220°
・θ範囲:−15°〜+181°
・2θ測定範囲:光学、幾何学、及び試料ステージに応じる
・回折計半径:130〜240mm(X’Pert PRO MPDシステム);240mmが標準設定値。
・距離角度計
―表面開設面:150mm
X’Celerator
・次を使用:線焦点及び点焦点
・次において使用:全システム
・放射線種類:Cu照射に最適化
・直線性範囲99%:全体0〜900kcps、局所0〜7000cps
・最大計数率:全5000kcps、局所250kcps
・最小暗雑音:0.1cps以下
・CuKα照射に対する典型的エネルギー分解能:25%
・CuKαに対する効率:93%
・検出器窓サイズ:線焦点へ平行に15mm、線焦点に対して垂直に9mm
・有効長:9mm(角度計半径240mmにて2.2°;角度計半径320mmにて1.6°)
・最小ステップサイズ:角度計半径240mmにて0.0021°、角度計半径320mmにて0.0016°
・操作モード:走査モード、受取スリットモード
その他の実施形態
上述の説明から、変形及び改変が、本明細書に記載された本発明を種々の用途及び条件に採用するために行われてよいことは明らかであろう。そのような実施形態はまた、以下の請求項の範囲内でもある。
本明細書における変数のあらゆる定義における要素のリストを列挙には、列挙された要素のあらゆる単数の要素又は組合せ(若しくは副組合せ)として、変数の定義を含む。本明細書における実施形態の列挙は、あらゆる単一の実施形態として、又はあらゆるその他の実施形態として、若しくはそれらの一部と組み合わせた実施形態として、実施形態を含む。
本明細書にて引用される全ての参考文献(特許、特許出願、及び特許出願公開を含む)は、それぞれがさらに個々に援用されているかどうかに関わらず、それらの全体が参照により本明細書へ援用される。

Claims (38)

  1. I型(“I型ホスネツピタント”)である(4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチルピペラジン−1−イウム−1−イル)リン酸水素メチル(ホスネツピタント)の塩化塩酸塩(chloride hydrochloride salt)の結晶形であって、1.0重量%未満の前記ホスネツピタントの二量体、及び1.0重量%未満の2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチル−N−(6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−4−(o−トリル)ピリジン−3−イル)プロパンアミドを含む、結晶形。
  2. 4.5、9.0、12.7、13.5、16.3、及び17.9°±0.2°からなる群から選択される2θに関して、少なくとも3個のピークを有する粉末X線回折パターンを有する、請求項1に記載のI型ホスネツピタント。
  3. 4.5、9.0、10.1、12.7、13.5、14.2、16.3、17.9、18.6、22.5、23.4、27.1、及び28.4°±0.2°からなる群から選択される2θに関して、少なくとも3個のピークを有する粉末X線回折パターンを有する、請求項1又は2に記載のI型ホスネツピタント。
  4. 図1、図14、及び図15に記載の前記X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント。
  5. 無水物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント。
  6. 147.1±4℃の吸熱量によって特徴付けられる示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント。
  7. 図4にて実質的に示される通りの示差走査熱量測定サーモグラム(DSC)を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント。
  8. 図3にて実質的に示される通りの熱重量測定(TGA)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント。
  9. 実質的に単離されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント及び非晶質ホスネツピタントを備える、組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタント及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
  12. I型ホスネツピタント及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を投与することを含む、医薬組成物を製造する方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のI型ホスネツピタントを製造する方法であって、
    a.ホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩を酢酸メチル及びメタノールと接触させて、第1の液体を形成すること;
    b.ステップ(a)のホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩から前記酢酸メチル及びメタノールを分離させること;
    c.ステップ(b)に由来するホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩をヘプタンと接触させて、第2の液体を形成すること;及び、
    d.ステップ(c)のホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩から前記ヘプタンを分離すること、
    を含む、方法。
  14. a.ステップ(a)が、ホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩を塩化水素と接触させることをさらに含み;
    b.ステップ(b)が、ステップ(a)の前記第1の液状生産物に由来する前記メタノールを蒸発させることを含み;
    c.ステップ(d)が、大気圧未満及び温度20〜50℃において前記第2の液体から前記ヘプタンを蒸発させることを含む、請求項13に記載の方法。
  15. ステップ(a)の前に、ホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩をメタノール中に溶かして溶液を形成し、メタノールを前記溶液から蒸留し、そして酢酸メチルを前記溶液へ加えて前記第1の液体を形成する、請求項13又は14に記載の方法。
  16. II型(“II型ホスネツピタント”)である、(4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチルピペラジン−1−イウム−1−イル)リン酸水素メチルの前記塩化物塩酸塩の結晶形。
  17. 2θに関して、6.0、6.7、7.6、9.7、11.3、14.1、15.3、17.9、18.4、19.4、20.0、20.6、21.4、22.7、23.2、25.1、26.0、28.3、29.2、33.4°±0.2°からなる群から選択される少なくとも3個のピークを有する粉末X線回折パターンを有する、請求項16に記載の結晶形II。
  18. 2θに関して、6.0、6.7、7.0、7.6、8.6、9.7、11.3、11.8、12.0、12.5、12.9、13.2、14.1、15.3、16.0、16.5、17.9、18.4、18.9、19.4、20.0、20.6、21.4、21.7、22.7、23.2、23.8、24.4、25.1、26.0、27.4、28.3、29.2、30.6、31.8、33.4、36.3、37.2、38.3°±0.2°からなる群から選択される少なくとも3個のピークを有する粉末X線回折パターンを有する、請求項16又は17に記載の結晶形II。
  19. 2θに関して、6.0、7.6、14.1、17.9、19.4、20.6、及び21.4°±0.2°からなる群から選択される少なくとも3個のピークを有する粉末X線回折パターンを有する、請求項16〜18のいずれか1項に記載の結晶形II。
  20. 図6及び図16にて示される前記粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項16〜19のいずれか1項に記載の結晶形II。
  21. 一水和物である、請求項16〜20のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタント。
  22. 142.9±4℃の吸熱量によって特徴付けられる示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項16〜21のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタント。
  23. 図9にて実質的に示される通りの示差走査熱量測定サーモグラム(DSC)を有する、請求項16〜22のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタント。
  24. 図8にて実質的に示される通りの熱重量測定(TGA)を有する、請求項16〜23のいずれか1項に記載の結晶形II。
  25. 実質的に単離されている、請求項16〜24のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタント。
  26. 請求項16〜25のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタント及び非晶質ホスネツピタントを含む、組成物。
  27. 請求項16〜25のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタント及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
  28. 請求項16〜25のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタントと1以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを混合することを含む、医薬組成物を製造する方法。
  29. 請求項16〜25のいずれか1項に記載のII型ホスネツピタントを調製する手法であって、
    a.ホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩をアセトン及び水を含む溶液と合わせて、混合物を提供すること;
    b.前記混合物をスラリー化(slurrying)させること;
    c.前記スラリー化混合物を濾過すること;及び、
    d.II型ホスネツピタントの結晶質固体を単離すること、
    を含む、手法。
  30. III型(“III型ホスネツピタント”)である、(4−(5−(2−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−N,2−ジメチルプロパンアミド)−4−(o−トリル)ピリジン−2−イル)−1−メチルピペラジン−1−イウム−1−イル)リン酸水素メチルの前記塩化物塩酸塩の結晶形。
  31. 図11にて示される前記粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項30に記載のIII型ホスネツピタント。
  32. シクロヘキサン一溶媒和物である、請求項30〜31のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタント。
  33. 153.0±4℃の吸熱量によって特徴付けられる示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項30〜32のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタント。
  34. 図13にて実質的に示される通りの熱重量測定(TGA)を有する、請求項30〜33のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタント。
  35. 請求項30〜34のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタント及び非晶質ホスネツピタントを含む、組成物。
  36. 請求項30〜35のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタント及び1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
  37. 請求項30〜35のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタントと1以上の薬学的に許容可能な賦形剤とを混合物することを含む、医薬組成物を製造する方法。
  38. 請求項30〜35のいずれか1項に記載のIII型ホスネツピタントを調製する手法であって、ホスネツピタントの前記塩化物塩酸塩を、シクロヘキサンを備える溶液と合わせて、混合物を得ることを含み;
    a.前記混合物をスラリー化すること;
    b.前記スラリー化混合物を濾過すること;及び、
    c.前記結晶質固体を単離すること、
    を含む、手法。
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