JP2018530790A - 累進レンズの光学系を判定する方法 - Google Patents

累進レンズの光学系を判定する方法 Download PDF

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Abstract

所与の着用者用の個人化された累進レンズの光学系を判定する方法は、a)前記着用者の頭部に結び付けられた基準フレーム内における着用者について判定された平均注視方向の提供と、b)ステップa)において判定された平均注視方向の関数としての少なくとも1つの光学設計パラメータのターゲット値の判定と、c)ターゲット値に基づいた光学的最適化手順による累進レンズの光学系の計算であって、ステップb)において判定された平均注視方向の関数としての1つの(又は、それぞれの)光学設計パラメータのターゲット値はターゲット値である計算と、という連続的なステップを有する。

Description

本発明は、一般に、レンズが、着用者の視力の欠陥を補正するように、フレームを装備するべく意図されている眼科オプティクスの分野に関する。本発明は、更に詳しくは、累進レンズの光学系を判定する方法を想定している。本明細書の枠組みにおいては、着用者のフレームを装備するべく意図されたレンズは、「レンズ」又は「眼科レンズ」として相互交換可能に呼称される。前記累進レンズは、具体的には、少なくともフィッティングクロスによって定義されており、且つ、処方された加入度を含む処方データを有する所与の着用者について個人化されている。前記方法は、例えば、演算手段によって実装される。
着用者の視力の矯正を目的とした、着用者用のフレームを装備するべく意図された累進レンズのこれまで以上に正確な個人化のためには、前記累進レンズの実際の使用状態を表す、自然な視力の条件下における、着用者の視覚的振る舞いに関する大量の知識が必要である。
所与の着用者の視覚的振る舞いを考慮するべく、ターゲット値に基づいた、光学的最適化手順による、この着用者用の累進レンズの光学系の判定が知られており、この場合には、処方データが前記計算のターゲット値であり、且つ、1つ又は複数の補完的なターゲット値が光学系の計算に導入され、且つ、それぞれの補完的なターゲット値は、光学設計パラメータを考慮するように、判定されている。
ターゲット値に基づいた光学的最適化手順によるレンズの光学系の例示用の計算については、非特許文献1に記述されており、この文献は、引用により、本特許出願に包含される。この文献に記述されている手順によれば、最適化計算は、光線追跡アルゴリズムによって実行されている。
更には、特許文献1は、ターゲット値に基づいた光学的最適化手順によるレンズの光学系の算出の手順について記述しており、この場合には、1つ又は複数の補完的なターゲット値が光学系の計算に導入されている。この文献も、引用により、本特許出願に包含される。
国際公開第2015/074777A1号パンフレット 仏国特許第2914173号明細書 米国特許出願公開第2010/0128220号明細書
"Application of optimization in computer−aided ophthalmic lens design"(P.Allione,F.Ahsbahs and G.Le Saux,in SPIE Vol.3737,EUROPTO Conference on Design and Engineering of Optical Systems,Berlin,May 1999)
但し、累進レンズを改善するための絶え間ないニーズが依然として存在しており、このニーズは、相対的に正確な方式によって着用者の視覚的振る舞いの特徴を判定する特性を有する1つ又は複数の光学設計パラメータを考慮することにより、充足することができる。
これを目的として、本発明は、少なくともフィッティングクロスによって定義された累進レンズの光学系を判定する方法を提案しており、前記累進レンズは、処方された加入度ADDを含む処方データを有する所与の着用者について個人化されており、且つ、前記方法は、演算手段によって実装され、且つ、
a)前記着用者の頭部に結び付けられた基準フレームRCRO内において着用者について判定された平均注視方向DRの提供と、
b)ステップa)において判定された平均注視方向DRの関数としての少なくとも1つの光学設計パラメータのターゲット値の判定と、
c)ターゲット値に基づいた光学的最適化手順による着用者用の累進レンズの光学系の計算であって、処方データが前記計算のターゲット値であり、且つ、ステップb)において判定された平均注視方向の関数としての1つの(或いは、それぞれの)光学設計パラメータのターゲット値は、光学系の前記計算の補完的なターゲット値である、計算と、
という連続的なステップを有する。
技術的に実現可能である実施形態に従って組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、
− 平均注視方向DRは、前記着用者の頭部に結び付けられた基準フレームRCRO内における着用者の複数の注視方向について判定され、
− ステップb)の光学設計パラメータは、個人化された合計累進長さと個人化された部分累進長のうちから選択された個人化された累進長であり、
− ステップb)の光学設計パラメータは、個人化された合計累進長であり、且つ、個人化された合計累進長のターゲット値は、フィッティングクロスとレンズのプレーン内における平均注視方向DRの投影に対応した地点の間の差によって定義され、或いは、この代わりに、ステップb)の光学設計パラメータは、個人化された合計累進長であり、且つ、個人化された合計累進長のターゲット値は、フィッティングクロスとレンズのプレーン内における平均注視方向DRの投影に対応した地点を変数として有する伝達関数の結果に対応した地点の間の差によって定義されており、
− 個人化された部分累進長の値として定義された更なるターゲット値が、着用者用の累進レンズの光学系の計算のステップc)に導入され、
− 個人化された部分累進長は、フィッティングクロスと処方された加入度の85%に対応した地点の間の差によって定義され、
− 個人化された部分累進長の値は、人物の視覚的振る舞いパラメータを変数として有する伝達関数の結果であり、
− 平均注視方向DRを提供するステップは、
○ その最中に人物が少なくとも1つのターゲット位置を観察する視覚試験を人物が実行するように、人物に対して要求するステップと、
○ 前記視覚試験の最中に人物の少なくとも1つの注視方向(DR)を表す少なくとも1つのデータを計測するステップと、
○ 前記少なくとも1つの計測された代表的データの関数として、平均注視方向(DR)を判定するステップと、
○ 前記平均注視方向(DR)との関係において、視覚試験の最中に計測された人物の前記注視方向(DR)を表す前記データの関数として、人物の頭部に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内において、判定される少なくとも1つのターゲット位置を位置決めするステップと、
というステップを有する手順の結果に由来しており、
− 平均注視方向DRを提供するステップは、
○ その最中に人物が物体の少なくとも1つのターゲット位置を観察する視覚試験を人物が実行するように、人物に対して要求するステップと、
○ 前記視覚試験の最中に人物の少なくとも1つの注視方向(DR)を表す少なくとも1つのデータを計測するステップであって、前記注視方向(DR)は、人物の眼の回転中心を物体の点に対してリンクするまっすぐなラインに対応した観察方向である、ステップと、
○ 前記少なくとも1つの計測された代表的データの関数として、平均注視方向(DR)を判定するステップと、
○ 前記平均注視方向(DR)との関係において、視覚試験の最中に計測された、観察方向に対応した、人物の前記注視方向(DR)を表す前記データの関数として、人物の頭部に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内において、判定された少なくとも1つの計測されたターゲット位置を位置決めするステップと、
というステップを有する手順の結果に由来しており、
− 上述の平均注視方向DRを提供する手順において、
○ 人物は、例えば、物体の様々なターゲット位置を連続的に観察し、
○ 人物の前記注視方向(DR)は、人物の頭部に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内において視覚試験の最中に判定され、
○ 前記ターゲット位置の座標は、人物の頭部に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内において判定され、且つ、
○ 前記平均注視方向(DR)は、人物の左眼(CRO)又は右眼(CRO)の回転中心或いは前記回転中心の重心(CRO)を人物の頭部に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内のターゲット位置に対してリンクするまっすぐなラインであるものとして判定され、
− 上述の平均注視方向DRを提供する手順において、
○ 人物は、例えば、物体の様々なターゲット位置を連続的に観察し、
○ 人物の前記注視方向(DR)は、人物の頭部に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内において視覚試験の最中に判定され、
○ 前記ターゲット位置の座標は、人物の頭部に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内において判定され、
○ 人物の頭部に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内における前記ターゲット位置の重心(NVB)は、前記座標に基づいて判定され、且つ、
○ 前記平均注視方向(DR)は、人物の左眼(CRO)又は右眼(CRO)の回転中心或いは前記回転中心の重心(CRO)を人物の頭部に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内におけるターゲット位置の前記重心(NVB)に対してリンクするまっすぐなラインとして判定され、
− 人物の視覚的振る舞いパラメータは、その最中に人物の視覚的振る舞いパラメータが、
○ 互いとの関係におけるその相対的な配設が前記ターゲット位置の相対的な配設と同一である理論的ターゲット位置の、前記平均注視方向(DR)との関係における、位置決めと、
○ 任意選択による、前記理論的ターゲット位置の重心が基準注視方向(DR)上において位置するような前記理論的ターゲット位置の位置決めと、
○ 視覚試験の際に、ターゲット位置は、表示表面上において配設され、且つ、位置決めステップにおいては、前記表示表面の平均向きに従って、前記基準注視方向(DR)との関係において、方向付けされたダミー表示表面が、視覚試験において判定され、且つ、前記計測されたターゲット位置は、視覚試験の最中における人物の前記注視方向(DR)と前記ダミー表示表面の交差点として判定され、
○ 前記ダミー表面の好ましい方向に従って、前記理論的ターゲット位置と前記計測されたターゲット位置の間において、差(Δv)が判定され、且つ、人物の視覚的振る舞いパラメータが、これから推定され、
○ 補完的な一実施形態によれば、視覚的振る舞いパラメータの推定は、理論的ターゲット位置と計測されたターゲット位置の間の差(Δv)の統計的処理の関数として実行される、
というステップに従って更に判定される平均注視方向DRmを提供する手順の最中において提供され、
− ターゲット値に基づいた光学的最適化手順による着用者用の累進レンズの光学系の計算は、特許文献1の光学設計パラメータを本発明のものによって置換することにより、特許文献1の教示に従って実装される。
本特許出願の枠組みにおいては、「着用者」又は「人物」という用語は、本特許出願の、光学系を判定する方法の、或いは、累進レンズを製造する方法の、主題である累進レンズの対象となる人物を表記するべく、相互交換可能に使用される。
合計累進長(LPT)は、フィッティングクロスとレンズのプレーンとの間における近見視注視方向に対応した注視方向の交差点の間において、レンズのプレーン内において、特にmmを単位として表現された、垂直方向の距離により、定義されている。又、累進長は、レンズの光学特性が基準フレーム(α,β)内において検討されている際には、度を単位とする角度差の形態において表現することも可能であり、且つ、この角度差は、既知の方式により、mmを単位として表現された距離に変換することができることに留意されたい。以下、本明細書においては、累進長は、レンズのプレーン内においてmmを単位として表現された垂直方向の距離の形態において、検討することとする。
近見視注視方向は、レンズの経線に沿った、(α,β)内における注視方向であり、これを介して、着用者は、処方された加入度ADDによって増大した遠見視パワーに等しいパワーを知覚する。
当業者には既知の方式により、基準フレーム(α,β)は、レンズの光学特性の表現を可能にする基準フレームであり、このような基準フレームの、且つ、このような基準フレーム内の光学特性の表現の、定義については、例えば、特許文献1から明らかとなる。
合計基準累進長(LPTref)は、基準累進レンズの合計累進長の値として定義される。この基準累進レンズは、少なくとも、フィッティンググロスにより、且つ、設計パラメータを個人化するステップを実装することなしに、標準的な且つ既知の手順により、処方された加入度を含む処方データを有する所与の着用者について、定義される。この結果、LPTの値は、1つの且つ同一の処方を有するすべての着用者について一意である。
部分累進長(LPx%)は、フィッティングクロスとレンズのプレーンとの間における処方された加入度のX%における視力注視方向に対応した注視方向の交差点の間において、レンズのプレーン内における、mmを単位とした、垂直方向の距離により、定義される。
処方された加入度のX%における視力注視方向は、レンズの経線に沿った、(α,β)内における注視方向であり、これを介して、着用者は、処方された加入度のX%倍だけ増大した遠見視パワーに等しいパワー((X/100)×ADD)を知覚する。
一実施形態によれば、15〜90に位置するXの値が選択されている。
一実施形態によれば、85に等しいXの値が選択されており、即ち、着用者が、処方された加入度の85%だけ増大した遠見視パワーに等しいパワーを知覚する部分累進長が考慮されており、この部分累進長は、LP85%と表記される。
垂直方向の距離は、フィッティングクロスとレンズのプレーン内における平均注視方向DRの投影に対応した地点の間の差に対応するように、定義されており、この距離は、「平均注視方向DRの投影を伴う合計累進長」におけるLPT(DR)と呼称される。レンズのプレーン内の平均注視方向DRの投影に対応した地点を判定する例示用の手順については、図1〜図8の説明の枠組みにおいて後述する。
「レンズのプレーン」は、PRPと表記されるプリズムの基準点のレベルにおけるレンズの前面に対する接平面として定義される。このプレーン内において、様々な地点は、mmを単位として表現される座標x,yを有する。このプレーンのそれぞれの位置x,yごとに、レンズの前面は、こちらもmmを単位とする値zにより、規定される。「プリズムの基準点」であるPRPの概念は、一般的なものであり、且つ、眼科オプティクスの分野において既知の基準によって定義されている。
又、本発明は、先行する請求項のうちのいずれか1項に記載の着用者用の累進レンズの光学系の計算の結果に応じた半完成品のレンズの機械加工によって累進レンズを製造する方法をも想定している。
又、本発明は、プロセッサからアクセス可能であり、且つ、プロセッサによって実行された際に、上述の実施形態による方法のステップを実装する複数の記録されたシーケンスを有するコンピュータプログラムプロダクトをも想定している。
又、本発明は、上述のコンピュータプログラムプロダクト用の命令を有するコンピュータ可読媒体をも想定している。
非限定的な例として付与される、添付の図面及び以下の実施形態との関連における以下の説明は、本発明の要旨及び本発明が実施されうる方式を明瞭に説明している。
添付図面には、以下のものが含まれる。
本発明による試験装置を自身の手の中に保持する人物の概略図である。 視覚的追跡プロトコルに従って運動する視覚的ターゲットがその上部において表示されている図1の試験装置の正面図である。 人物の頭部の、且つ、この頭部と関連した様々なプレーンの、概略図である。 人物の頭部に結び付けられた基準フレームを表す図である。 表示されたターゲットと、プロトコルの最終位置においてターゲットを観察する人物の頭部に結び付けられた基準フレームと、と共に、図1の試験装置のディスプレイを表す図である。 プロトコルの最中における人物の頭部に結び付けられたベンチマーク内のターゲットの計測された位置の例を表す図である。 プロトコルの最中における人物の頭部に結び付けられたベンチマーク内のターゲットの計測された位置の例を表す図である。 人物の頭部に結び付けられたベンチマーク内の基準注視方向と、理論的なターゲット位置用のダミー表示表面と、を示す基本図である。 人物の頭部に結び付けられたベンチマーク内において、表示表面上の理論的なターゲット位置と、このベンチマーク内において計測されたターゲット位置と、を表す図である。 理論的なターゲット位置と計測されたターゲット位置の間の差の計算を表すグラフである。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。 基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表す図である。
累進レンズの光学系を判定する本発明による方法の以下の例においては、
− 累進レンズは、少なくとも、フィッティングクロスによって定義され、且つ、処方された加入度を含む処方データを有する所与の着用者のために個人化されており、
− 方法は、演算手段によって実装され、且つ、
a)前記着用者の頭部に結び付けられた基準フレームRCRO内において着用者について判定された平均注視方向DRの提供と、
b)ステップa)において判定された平均注視方向DRの関数としての少なくとも1つの光学設計パラメータのターゲット値の判定であって、ステップb)の光学設計パラメータは、個人化された合計累進長である、判定と、
c)ターゲット値に基づいた光学的最適化手順による着用者用の累進レンズの光学系の計算であって、処方データが前記計算のターゲット値であり、且つ、ステップb)において判定された平均注視方向の関数としての個人化された合計累進長のターゲット値が光学系の前記計算の補完的なターゲット値である、計算と、
という連続的なステップを有する。
第1の実施形態によれば、以下においてLPTpersoと呼称される、個人化された合計累進長のターゲット値は、平均注視方向DRの投影を伴う合計累進長LPT(DR)に等しい。この実施形態は、「Identity」と呼称される。
別の実施形態によれば、個人化された合計累進長LPTpersoのターゲット値は、フィッティングクロスとレンズのプレーン内における平均注視方向DRmを変数として有する伝達関数から推定された推定注視方向DReの投影に対応した地点の間の差に等しい。
伝達関数は、以下の式によって定義される。
下向きの推定注視方向=1.55×下向きの平均注視方向−9.37
別の実施形態によれば、個人化された合計累進長LPTpersoのターゲット値は、フィッティングクロスとレンズのプレーン内における平均注視方向DRの投影に対応した地点を変数として有する伝達関数の結果に対応した地点の間の差に等しい。
補完的な一実施形態によれば、平均注視方向DRの投影を伴う合計累進長LPT(DR)が前記伝達関数の入力パラメータである。
補完的な一実施形態によれば、本発明者らは、個人化された合計累進長の最小値LPTmin、個人化された合計累進長の最大値LPTmax、及びLPT(DR)を伴うこれら2つの範囲の間の関数を変数として定義しており、且つ、この場合に、伝達関数の結果は、所与の着用者について計測された値LPT(DR)におけるこの関数の結果に等しい。
補完的な一実施形態によれば、「FT1」と呼称される伝達関数は、以下のように定義されている。
・ LPTmin=14mmであり、
・ LPTmax=18mmであり、
・ 所与の着用者について計測されたLPT(DR)が10mm以下である場合には、LPTpersoは、LPTminに等しく、
・ 所与の着用者について計測されたLPT(DR)が19mm以上である場合には、LPTpersoは、LPTmaxに等しく、
・ 所与の着用者について計測されたLPT(DR)が、10mm以上であり、且つ、19mm以下である場合には、LPTperso=16+1.55×Arctangent(LPT(DR)−14.5)である。
別の実施形態によれば、個人化された部分累進長の値として定義された更なるターゲット値が着用者用の累進レンズの光学系の計算のステップc)に導入されている。
補完的な一実施形態によれば、個人化された部分累進長は、フィッティングクロスと処方された加入度の85%に対応した地点の間の差によって定義されている。
補完的な一実施形態によれば、個人化された部分累進長の値は、人物の視覚的振る舞いパラメータを変数として有する伝達関数の結果である。
補完的な一実施形態によれば、人物の視覚的振る舞いパラメータは、理論的なターゲット位置と視覚試験の最中において計測されたターゲット位置の間の差(Δv)の統計的な処理の関数として定義されている。
補完的な一実施形態によれば、人物の視覚的振る舞いパラメータは、その値が0〜1に位置するような方式により、定義されている。
一実施形態によれば、平均注視方向DRを提供するステップは、
− その最中に人物が物体の少なくとも1つのターゲット位置30を観察する視覚試験を人物が実行するように、人物1に対して要求するステップと、
− 前記視覚試験の最中に人物1の少なくとも1つの注視方向(DR)を表す少なくとも1つのデータを計測するステップであって、前記注視方向は、人物1の眼の回転中心を物体の点に対してリンクするまっすぐなラインに対応した観察方向である、ステップと、
− 前記少なくとも1つの計測された代表的データの関数として、平均注視方向(DR)を判定するステップと、
− 前記平均注視方向(DR)との関係において、視覚試験の最中に計測された、観察方向に対応した、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内において、人物1の前記注視方向(DR)を表す前記データの関数として判定された少なくとも1つの計測されたターゲット位置50を位置決めするステップと、
というステップを有する手順の結果に由来している。
本発明の枠組みにおいては、物体のターゲット位置又は物体の点は、着用者によって観察される物体の位置又は点であり、一例として、これは、前記物体の特徴を表す位置又は点であり、一実施形態によれば、物体は、画面を有するデジタルタブレットであり、一実施形態によれば、デジタルタブレットの点は、前記タブレットの画面のエッジ、前記タブレットの画面の重心、前記タブレットの一部分であるカメラから構成されたリストのうちから選択され、好適な一実施形態によれば、デジタルタブレットの点は、前記タブレットの画面の重心である。
前記実施形態においては、物体のターゲット位置を観察し、且つ、回転中心を物体の点に対してリンクするまっすぐなラインに対応した観察方向を定義するステップは、有利であってもよく、一実施形態によれば、複数のターゲット位置においてターゲット30を表示する能動型ディスプレイ11を有する試験装置10が使用されており、例えば、複数のターゲットを使用することが可能であり、且つ、その重心が物体の重心と同一であるターゲットのパターンを選択することが可能であり、複数のターゲットを使用することも可能であり、且つ、その重心が物体の重心と同一ではないターゲットのパターンを選択することも可能であり、先行する実施形態の一例によれば、ターゲットは、例えば、前記ディスプレイの上部部分上などの、能動型ディスプレイの一部分内においてのみ存在することが可能であり、この結果、平均注視方向を判定するように視覚試験を実装する際に、個々の姿勢が変化する方式を判定することができる。
以下、図6〜図10の説明の枠組みにおいて、人物の視覚的振る舞いパラメータを判定する例示用の手順について説明する。
補完的な一実施形態によれば、LP85persoと呼称される、個人化された部分累進長は、フィッティングクロスと処方された加入度の85%に対応した地点の間の差によって定義されており、この個人化された部分累進長の値は、その値が0〜1に位置するような方式によって定義された、「RATIO」と呼称される、人物の視覚的振る舞いパラメータを変数として有する、「FT2」と呼称される、伝達関数の結果である。
一実施形態によれば、RATIOは、物体の角度分散の統計的分析によって算出することができる。
補完的な一実施形態によれば、伝達関数FT2は、以下のように定義されている。
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが0.8以上である場合には、LP85perso=LP85/LPTpersoであり、
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが0.4以下である場合には、LP85perso=LP85/LPTperso−(−3.5×RATIO+2)であり、
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが、0.4超であり、且つ、0.8未満である場合には、LP85perso=LP85/LPTperso−(−1.5×RATIO+1.2)であり、
・ 更には、値LP85persoは、少なくともLP85minに等しい。
LP85/LPTpersoは、個人化されたレンズが設計パラメータLPT=LPTpersoを使用してステップc)において最適化された際には、個人化されたレンズの、X=85における、値LPx%であり、LP85minは、個人化されたレンズが設計パラメータLPT=LPTmin=14mmを使用してステップc)において最適化された際には、個人化されたレンズの、X=85における、値LPx%である。
以上において詳述したもの以外のその他の伝達関数をも想定しうることは、言うまでもない。
例として、以下においてFT2’と呼称される、伝達関数FT2の一代替肢は、以下のように定義される。
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが0.8超である場合には、LP85perso=LP85/LPTpersoであり、
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが0.8以下である場合には、LP85perso=LP85/LPTperso+(1−2×RATIO)であり、
・ 更には、値LP85persoは、少なくともLP85minに等しい。
別の例として、以下においてFT2’’と呼称される、伝達関数FT2の一代替肢は、以下のように定義される。
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが0.8以上である場合には、LP85perso=LP85refであり、
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが0.4以下である場合には、LP85perso=LP85ref−(−3.5×RATIO+2)であり、
・ 所与の着用者について計測されたRATIOが、0.4超であり、且つ、0.8未満である場合には、LP85perso=LP85ref−(−1.5×RATIO+1.2)である。
図1〜図10の説明の前文において、様々な図において表されている様々な実施形態の同一又は類似の要素は、同一の参照符号によって参照することとし、且つ、毎回の説明は、省略することとすることに留意されたい。
又、以下の開示においては、「上部(top)」(或いは、「上部(upper)」)及び「下部(bottom)」(或いは、「下部(lower)」)という用語は、試験装置を使用する人物との関係において使用することとし、上部は、人物の頭部に向かう側を表記し、且つ、下部は、人物の足に向かう側を表記することにも留意されたい。
同様に、「前部(front)」という用語は、人物に向かう側を表記することとする。「後部(rear)」という用語は、前部側とは反対の側を表記している。
図1には、その視覚的振る舞いを試験することが望ましい人物1が表されている。
これを目的として、人物1は、自身の手2の中に、この視覚的振る舞いを所与の条件下において判定するべく意図された試験装置10を保持している。
更に具体的には、ここでは、一般的な方式により、人物1の近見視と、具体的には、人物が判読している状況にある際に人物が採用する視覚的振る舞いと、を分析するべく、試験装置10を使用することが望ましい。
近見視は、70センチメートル(cm)未満である、人物1の眼3と試験装置10の間の観察距離DOに対応するものと見なすこととする(図1を参照されたい)。
その他の実施形態においては、中間見視(40cm〜4メートルに位置するDO)又は遠見視(4m超のDO)を試験装置によって試験することができる。
試験装置10は、
− 少なくとも2つの実質的に平行な行又は列に従ってアライメントされた複数のターゲット位置30において視覚的に支配的なターゲット20を表示する能動型ディスプレイ11と、
− ターゲット位置30が、時間に伴って、判読している際の人物の注視の変位を再生するように、視覚追跡用のプロトコルを定義するようにプログラミングされた、ディスプレイ11用の制御ユニット(図示されていない)と、
を有する(図1及び図2を参照されたい)。
試験装置のディスプレイ11は、視覚試験のそれぞれのインスタンスにおいて、1つの単一ターゲットを表示することが可能であり、或いは、さもなければいくつかのターゲットを同時に表示することができる。いずれのケースにおいても、視覚的に支配的なターゲットは、人物の注視をキャッチするのに適すると共に人物が視覚試験の最中に追いかけることになるものである。
いくつかのターゲットがディスプレイ11によって表示されている際には、視覚的に支配的なターゲットは、例えば、その他のものとは異なる色又は形状(丸い、正方形、星形など)の、或いは、その他のものよりも小さな又は大きなサイズの、その他のものよりも明るい又は強いコントラストのターゲットであってもよく、或いは、さもなければ、その他のものがブリンクしない状態においてブリンクするターゲットであってもよい。又、ディスプレイによって表示される様々なターゲットは、インジケータの組を有することも可能であり、或いは、さもなければ、灰色の点のグリッドを形成することもできる。
ディスプレイ11が単一のターゲット20のみを表示する実施形態(図2のケース)においては、単一のターゲット20は、ディスプレイ11上において、複数のターゲット位置30をとることができる。これらのターゲット位置30は、ターゲット20が、視覚試験の最中に、1つのターゲット位置30から別のものに連続的に運動するという意味において、「可変」である。但し、これらの実施形態においてターゲット20が連続的にとるターゲット位置30のシーケンスは、2つの同一のターゲット位置30を有しうることに留意されたい。換言すれば、視覚試験の最中に、ターゲット20は、以前に既にとっているターゲット位置30に戻ることができる。
ディスプレイが、そのうちの1つが視覚的に支配的であるいくつかのターゲットを表示している実施形態においては、ターゲットの表示位置は、時間に伴って可変であるが、いずれの場合にも、視覚的に支配的なターゲットは、特定の注視方向の連続体を人物1に対して課すような方式により、ターゲット位置のシーケンスに従って運動するものである。
この説明において、「視覚的な追跡プロトコル」は、人物1によって実行される視覚試験の最中における視覚的に支配的なターゲット20の表示シーケンスを意味するべく意図されている。
換言すれば、この視覚的追跡プロトコルは、視覚的に支配的なターゲット20がとるターゲット位置の、時間に伴う、連続体に対応している。これにより、所定のプロトコルが、ターゲット20がとる特定のターゲット位置30とそれぞれが関連付けられている複数の望ましい特定の方向において連続的に注視する人物1に対して課される。この結果、このターゲット20のターゲット位置30が既知である場合には、特定の条件下において、視覚試験の際の人物1の注視の方向に関係する情報に戻ることができる。
以下の説明においては、ターゲット20のターゲット位置30と関連した人物1の「注視の方向」は、
− 人物1の右眼又は左眼の回転中心、或いは、これらの回転中心の重心のうちのいずれかと、
− 人物1が、このターゲット位置30をとるターゲット20を観察した際の前記ターゲット位置30と、
を通過するまっすぐなラインの方向を意味するべく意図されている。
図2に示されているように、この場合には、試験装置10は、デジタルタブレットの形態を有する。このデジタルタブレットは、試験装置10のディスプレイ11を構成する画面を有する。又、これは、画面を取り囲んでいるハウジング12をも有する。試験装置10の制御ユニットは、その一部分が、ハウジング12の内部に収容されているタブレットの画面11用のディスプレイコントローラに対応している。
又、試験装置10は、ディスプレイ11によって表示されたターゲット20を観察する人物1の頭部4の画像のキャプチャをトリガするように、ディスプレイ11と同期した方式で制御ユニットによって駆動される画像キャプチャ装置13をも有しており、それぞれのキャプチャされた画像は、既定のターゲット位置30に対応している。
好ましくは、この場合に、タブレット10に統合された前面カメラ13は、試験装置の画像キャプチャ装置として使用される。この前面カメラ13は、人物1によって実行される視覚試験の際に、常に人物1に対向していると共にこれを観察しているという利点を有する。
その他の実施形態においては、ディスプレイとは分離されていると共に別個である画像キャプチャ装置を使用するようにしてもよい。
ここでは、ターゲット20は、タブレットの画面上において表示される発光円板を有しており、ターゲットのサイズは、視覚試験の条件下において人物1によって可視状態となるのに十分なものである。ここでは、判読している状態において、且つ、近見視(DO<70cm)において、ターゲット20は、5ミリメートル超という特性サイズ(例えば、直径)を有する。
有利な一方式によれば、ターゲット20の特性サイズは、70cmにおいて、0.1割(0.1 tenths)を上回る視力によって観察されうるような方式によって判定されている。
一変形として、ターゲットは、規則的な又は不規則な形状パターンを有することができる。これは、好ましくは、任意のパターンを必然的に伴い、これには、人物にとって理解可能な任意の書記体系によって使用される符号の排除が伴っている。具体的には、視覚的に支配的なターゲットは、人物にとっての意味が取り除かれている。例えば、ターゲットは、人物にとって理解可能である単語ではない。
以下、図2を参照し、試験装置10によって実装されると共に、この場合には、人物1によるテキストの判読をシミュレートするべく意図されている、視覚的追跡プロトコルについて説明することとする。
有利な一方式によれば、試験装置10によって実装される視覚追跡プロトコルによるターゲットの表示は、人物1が実際にテキストを判読している場合に人物が採用することになるものと同一の方式によってこのターゲット20を追跡することにより、人物が自身の眼3を運動させるようにするべく意図された、人物1用の視覚刺激を構成している。
換言すれば、ディスプレイ11上における視覚的に支配的なターゲット20の表示は、人物1が自身の注視によって1つのターゲット位置30から別のものへとターゲット20を追いかける際に、人物1の注視方向が、この人物1がテキストを判読する際に実行することになる注視方向に完全に類似した連続的な注視方向を示すような方式により、制御されている。
視覚的に支配的なターゲット20が連続的にとるターゲット位置30のシーケンスは、好ましくは、人物の特性及び/又は判読/書記の好みに対応する基準テキスト及び/又は判読モデルの関数として、既定されている。
例えば、シーケンスは、人物が複数の利用可能な実際のテキストのうちから基準テキストを選択すると共に声を出してそのテキストを読むように求められる較正動作の最中に、別の装置により、予め既定しておくことができる。この場合には、判読速度が、ターゲットの表示位置の判定用のパラメータとして機能することができる。
又、シーケンスは、人物の年齢の関数として、或いは、質問状が人物によって記入され後に人物によって宣言された判読レベルの関数として、既定することもできる。
又、この平均速度が、過剰に高速であるか、十分に高速でないかについて、人物に問い合わせると共に、人物の応答の関数として速度を調節する、平均速度によって行われるトレーニングの実施を想定することもできる。
まず、停留、サッカード、及び逆サッカードという、3つの別個の動作を有する判読方式による人物によるテキストの自然な判読が観察されることになる。
停留の際に、人物は、自身が判読のプロセスにある単語を、即ち、人物の注視が固定されている単語を、解読する。
変位のフェーズ、即ち、1つの単語の判読から後続の単語への移動、に対応する、サッカードにおいては、人物の眼は、1つの停留から別のものに移動するように、迅速に運動する。
これらのサッカードは、視覚範囲(visual span)に関係しており、即ち、所与の停留において解読可能である文字(文字、シンボル、イデオグラムなど)の数に関係している。これらのサッカードにより、判読者は、テキストの文字のすべてを解読することができる。
サッカードは、一般に、テキストの判読の方向において発生する。但し、眼は、1つの停留から別のものに移動するように、判読の方向とは反対の方向において、非常に高速な「逆サッカード」をも実行する。この運動は、眼球運動筋肉の誤りにより、或いは、テキストの不十分な判読及び理解により、誘発される。
試験装置10の利点の1つは、人物の判読方式に可能な限り近接した視覚的追跡プロトコルを提案するというものである。
従って、試験装置10によれば、テキストの判読を単純にシミュレートすることが可能であり、且つ、近見視において判読するべく人物が採用することになるものに近接した自然な姿勢を人物が採用することになる状況に人物を配置することができる。
従って、これらの条件下における人物の視覚的な振る舞いの判定は、相対的に正確なものとなり、且つ、眼科レンズの設計が人物の視覚的ニーズを充足するように、人物用に意図された眼科レンズの光学設計を改善することができる。
好ましくは、ターゲット20のターゲット位置30は、少なくとも2つの実質的に平行なラインに従ってアライメントされている。更に正確には、図面において示されている例示用の実施形態においては、ディスプレイ11用の制御装置は、ターゲット20の連続的なターゲット位置30が、5つのラインL1、L2、L3、L4、L5とアライメントされるように、プログラミングされている(図2を参照されたい)。
或いは、この代わりに、ターゲットのターゲット位置は、少なくとも2つの列に従ってアライメントすることもできる。
一般に、ターゲット20のターゲット位置30は、任意の方向の、特に、実質的に人物1にとって水平方向又は垂直方向の、平行なラインを定義することができる。
好ましくは、この場合にも、それぞれの行、或いは、その代わりに、それぞれの列は、前記ターゲットの少なくとも3つのアライメントされた位置を有する(図2のラインL5における位置35、36、37、38、39のケース)。
視覚的追跡プロトコルが着用者による判読を最も表すようにするには、有利には、視覚的追跡プロトコルが、書記体系に従って判読している際の人物の注視の変位を再生するように、所与の書記体系によって定義されるものと合致した判読軌跡を表すようにされる。
判読軌跡は、ここでは、人物が、視覚的に支配的なターゲット20がとるターゲット位置30のシーケンスを注視した際に、人物1の注視方向によってスキャニングされる、ディスプレイ11のレベルにおける、経路として定義することができる。
人物によって採用される判読方式は、テキストの性質又は特定の特性のみならず、書記のそれぞれのタイプの特定の特徴にも関係している。
更には、様々なタイプの書記は、機能的な方式(英字、音節、又は語標的な書記)により、且つ、方向的な方式(水平方向及び垂直方向の書記及び/又は判読)により、分類することができることに留意されたい。
従って、試験装置内において、制御ユニットが、視覚的追跡プロトコルの好ましい垂直方向SV及び水平方向SHの移動(図2を参照されたい)を保存するようにされる。
この好ましい垂直及び水平方向の移動は、人物の特性の、特に、所与の書記体系に従ってテキストを判読する人物の能力の、関数として、予め定義される。
例えば、右から左へ、且つ、上から下へ、判読するフランス人によって試験装置が使用される際には、制御ユニットによって保存される水平方向の移動は、画面11の左から画面11の右へ動く方向の移動であり、且つ、制御ユニットによって保存される垂直方向の移動は、画面11の上部から画面11の下部に動く方向の移動である。
従って、好適な一実施形態においては、ターゲット20のターゲット位置30がそれに沿ってアライメントされている実質的に平行なラインL1、L2、L3、L4、L5は、実質的に水平方向において延在しており、視覚的追跡プロトコルの移動方向は、最上部から最下部まで、左から右へ(或いは、アラビア語又はヘブライ語などのように右から左へと書記する場合には、右から左へ)、連続的に取得されるすべてのラインについて同一である。
同様に、上部から下部に、且つ、右から左へ、判読するモンゴル人によって試験装置が使用される際には、制御ユニットによって保存される垂直方向の移動は、画面の上部から画面の下部へ動く方向の移動であり、且つ、制御ユニットによって保存される水平方向の移動は、画面の右から画面の左へ動く方向の移動である。
従って、この書記体系に適した一実施形態においては、ターゲットの既定の位置がそれに沿ってアライメントされている実質的に平行なラインは、実質的に垂直方向において延在しており、視覚的追跡プロトコルの移動方向は、右から左へ連続的に取得されるラインのすべてについて、上部から下部へ、或いは、下部から上部へ、同一である。
有利な一方式によれば、試験装置10の制御ユニットは、ローカル又はリモートデータベース内において記録されている複数の視覚的追跡プロトコルのうちからの視覚的追跡プロトコルの選択を許容するようにプログラミングされており、この場合に、移動の方向は、対応する視覚的追跡プロトコルとの関連において記録されている。
従って、人物は、自身が、視覚試験を実行しつつ、自然な判読様の状態下となるように、自身の独自の判読及び/又は書記特性の関数として、自身に対応した視覚的プロトコルを選択することができる。この結果、人物の判読メカニズム及び方式が、自身の近見視の使用法を最も表す姿勢を回復するような位置に配置されることが確実である。
停留、サッカード、及び逆サッカードに伴って、上述のものなどの判読方式を再現するべく、ディスプレイ11の制御ユニットは、好ましい視覚的追跡プロトコルに従ってターゲット20を表示するようにされている。
従って、制御ユニットは、視覚的追跡プロトコルのそれぞれのターゲット位置30においける既定の持続時間にわたるターゲット20の表示を必要とするようにされている。これは、人物1がターゲット20上において自身の注視を固定するように強制されることにより、人物1の判読軌跡内のターゲット位置30における停留に対応するような方式により、ターゲット20が画面上において固定された方式によって表示状態において維持されることを意味するべく意図されている。
有利な一方式によれば、ターゲット20は、既定の持続時間にわたって固定されており、即ち、ターゲット20のターゲット位置30は、判読軌跡の後続のターゲット位置への移動の前に、この規定の持続時間にわたって変化してはいない。
好ましくは、この規定の持続時間は、50ミリ秒〜1秒に位置しており、従って、通常は、標準的な停留時間に対応している。
又、既定の持続時間は、判読軌跡の最中に変化することも可能であり、従って、これは、実際の判読の際の単語上における人物1の注視の停留が、単語(サイズ、長さ)に、且つ、この単語の理解のレベル(よく知らない又はまったく知らない単語、ほとんど解読不能な単語又は文字、誤って綴られた単語など)に、依存しうるという事実を反映している。
又、有利な一方式によれば、制御ユニットは、視覚的追跡プロトコルの2つの連続的なターゲット位置(例えば、図2のターゲット位置31、32を参照されたい)におけるターゲット20の表示の間に既定の遅延を課するようにされている。
この結果、試験装置10により、人物1の判読軌跡に沿って存在するサッカード又は逆サッカードをシミュレートすることができる。以前と同様に、制御ユニットが視覚的追跡プロトコルの最中に既定の遅延を変化させるようにされてもよい。
この結果、人物1の判読速度がテキストの判読の最中に変化しうるという事実を許容することができる。
又、この結果、人物1の注視の方向の変化が相対的に重要であるという観点において、例えば、図2のターゲット位置33からターゲット位置34へのケースのように、人物1の注視の方向が1つのラインから別のラインへと移動し、これにより、ラインに戻るために相対的に多くの時間を必要とするケースを想定することもできる。
この結果、既定の遅延において、ターゲット用の2つのケースを提供することができる。
一実施形態においては、ターゲットが既定の遅延において非可視状態となるようにされてもよい。これは、図2のターゲット位置31及び32のケースに対応しており、この場合には、ターゲット20は、位置31から後続の位置32に「ジャンプ」している(ジャンプは、点線の矢印40によって表されている)。この実施形態によれば、テキストを判読しつつ、単語から単語にジャンプする人物の注視を許容することができる。
一代替実施形態においては、ターゲットが、既定の遅延において可視状態となり、且つ、視覚的追跡プロトコルの2つの対応する連続的なターゲット位置の間において、一方のものから他方のものへ運動するようにされてもよい。これは、ターゲット位置35及び36のケースに対応しており、この場合には、ターゲットは、可視状態において留まりつつ、運動している(運動は、点線の矢印49によって表されている)。
有利な一方式によれば、試験装置10は、視覚追跡プロトコルの2つの連続的なターゲット位置37、38、39が、10センチメートル未満の距離EM1、EM2だけ、分離されることを制御ユニットが必要とするようなものになっている。この結果、視覚試験の際に、人物1は、自身の注視の方向の変化が過大にならないように要求されることがなく、これは、判読状態においては、一般なケースである。
好ましくは、更に、視覚的追跡プロトコルの2つの連続的なターゲット位置37、38、39を分離する距離EM1、EM2が、視覚的追跡プロトコルに沿って変化することを制御ユニットが必要するようにされる。この結果、所与の書記体系の単語の平均範囲の関数として表示されるターゲット20の間の差を適合させることができる。
別の実施形態においては、制御ユニットは、視覚的追跡プロトコルの2つの連続的なターゲット位置におけるターゲット20の表示が、10回のうちの少なくとも6回だけ、水平方向及び/又は垂直方向である好ましい移動の方向を辿るようにプログラミングされている。図2には、これが示されており、この場合に、移動の方向は、好ましい水平方向の移動SHのように左から右へと動くのではなく、右から左へと動く、点線の矢印43、45、48によって表された、視覚的追跡プロトコルにおいて表されている。
従って、これにより、人物1がテキストを判読している間に、上述の逆サッカード運動をシミュレートすることができる。実際に、この場合には、2つの連続的なターゲット位置30の間において注視のターゲット20を追いかける人物1の眼3の運動は、10回のうちの4回だけ、好ましい移動の方向とは反対の方向において発生している。
以上において詳述したサッカード運動においてのみ、ターゲット20は、一方の位置から他方(非可視状態のターゲット)にジャンプすることにより、或いは、一方から他方(可視状態のターゲット)に運動することにより、好ましい移動の方向とは反対の移動の方向において、1つのターゲット位置から後続のターゲット位置に移動することができる。
以下、図3〜図10を参照し、人物1の少なくとも1つの視覚的振る舞いパラメータを判定するための手順について説明することとするが、この手順は、この手順の実装に特に適した上述の試験装置を使用している。
判定手順は、
− 人物がその最中に少なくとも1つのターゲット位置を観察する視覚試験を人物が実行するように、人物に対して要求するステップと、
− 前記視覚試験の最中に、人物の注視の少なくとも1つの方向を表すデータを計測するステップと、
− 前記計測された代表的データの関数として基準注視方向を判定するステップと、
− 前記基準注視方向との関係において、視覚試験の最中に計測された人物の前記注視方向を表す前記データの関数として判定された少なくとも1つの計測されたターゲット位置を位置決めするステップと、
というステップを有する。
有利には、前記少なくとも1つの計測されたターゲット位置の関数として、人物の視覚的振る舞いパラメータを推定するステップは、位置決めステップの後に実行される。
実際には、タブレット10、或いは、ローカル又はリモートコンピュータは、以下において詳述されている上述のステップを実行するようにプログラミングされている。
好ましくは、判定手順の要求ステップにおいて、人物1は、様々なターゲット位置30を連続的に観察する。
従って、人物1は、図2を参照して上述したものなどの選択された視覚的追跡プロトコルのターゲット位置30の既定のシーケンスに従って、視覚的に支配的なターゲット20を表示するタブレット10の画面11を観察するように要求される。
第1の変形実施形態によれば、判定手順は、
− 人物の前記注視方向が、視覚試験の最中に、人物の頭部に結び付けられた基準フレーム内において判定され、
− 前記ターゲット位置の座標が、人物の頭部に結び付けられた前記基準フレーム内において判定され、且つ、
− 人物の頭部に結び付けられた基準フレーム内における前記ターゲット位置の重心が、前記座標に基づいて判定され、且つ、
− 前記基準注視方向が、人物の左眼又は右眼の回転中心を、或いは、前記回転中心の重心を、人物の頭部に結び付けられた基準フレーム内のターゲット位置の前記重心に対してリンクするまっすぐなラインとして、定義される、
という中間ステップを有する。
人物1の頭部4に結び付けられるベンチマークとしては、例えば、「プライマリ注視ベンチマーク」又は「基準フレームCRO」と呼称されるベンチマークを選択することが可能であり、このベンチマーク内において、人物1の頭部4は、固定された位置及び向きを有し、且つ、このベンチマークには、原点と、3つの関係付けられてはいない軸と、を有する、好ましくは正規直交状態の、基準フレームが関連付けられている。
図3及び図4は、この基準フレームCROの構築方式を示している。
具体的には、図3には、人物1の頭部4の矢状プレーンに対応した垂直方向プレーンPVが表されており、矢状プレーンは、人物の右及び左の2つの眼OD、OGの垂直の二等分線を通過する垂直方向プレーンである。
この眼OD、OGの垂直の二等分線は、右眼ODの回転中心(以下においては、CRODと呼称される)及び左眼OGの回転中心(以下においては、CROGと呼称される)によって定義されたセグメントの中央を通過すると共に人物1の頭部4のフランクフルトプレーンに対して平行である軸である。
人物の頭部のフランクフルトプレーンは、人物1の下部眼窩点及び人物1のポリオンを通過するプレーンとして定義され、ポリオンは、頭蓋の耳道の最も高い点であり、これは、耳のトラギオンに対応している。フランクフルトプレーンの判定のために、人物は、自身が最小の努力を払っている起立位置にあるものと見なされる。この位置は、以下において「プライマリ注視姿勢」と表記されている、自然な姿勢に対応している。
この結果、この自然な位置において、人物の注視方向は、プライマリ注視方向であり、即ち、人物は、まっすぐ前を注視している。この結果、フランクフルトプレーンは、一般には、水平方向である。
更には、人物1の眼OD、OGの回転中心CROD、CROGを含むプレーンPHを定義する(図3を参照されたい)。
本明細書において記述されている特定の例においては、このプレーンPHは、人物1の頭部4のフランクフルトプレーンに対して平行であり、且つ、従って、水平方向である。人物1のプライマリ注視姿勢、即ち、フランクフルトプレーンの向きと、人物1の眼OD、OGの回転中心CROD、CROGと、に関する知識に基づいて、
− 人物1の右眼OD又は左眼OGの回転中心CROD、CROG、或いは、これらの回転中心CROD、CROGの重心、のうちの1つである原点と、
− 人物1のプライマリ注視方向に対して平行である第1軸と、
− 水平であると共に第1軸に対して垂直である第2軸と、
− 第1軸及び第2軸に対して垂直である第3軸と、
を選択することにより、以下においてRcroと呼称される、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームCROを構築することができる。
記述されている例示用の実施形態においては、基準フレームRcroの原点は、人物1の右眼ODの回転中心CRODと左眼OGの回転中心CROGを結合するセグメントの中央に位置した点であるものとして選択されている。換言すれば、「キュクロプスCRO(cyclops CRO)」と以下において表記され、CROとして参照される、この原点は、人物1の眼OD、OGの回転中心CROD、CROGのイソ重心(isobarycentre)に対応している。
又、図4には、基準フレームRcroの3つの軸X、Y、Zも表されている。
軸X(第2軸)は、キュクロプスCROであるCROを通過し、且つ、ここでは、左の回転中心CROGから右の回転中心CRODに、方向付けされている。軸Xは、ここでは、水平方向であり、その理由は、これが、フランクフルトプレーンに対して平行である水平方向プレーンPHに含まれているからである。反対の向きも可能である。
軸Z(第1軸)は、人物1が、自然な位置にある、即ち、プライマリ注視姿勢にある、際には、プライマリ注視方向に対して平行である。本明細書において記述されている特定のケースにおいては、軸Zは、人物1の頭部4の垂直方向プレーンPV内において位置しており、且つ、フランクフルトプレーンに対して平行である。人物の頭部がヨー角を有するその他のケースにおいては、この軸Zは、垂直方向プレーン内に位置しえないであろう。軸Zは、この場合には、人物1の頭部4から離れる方向に(後方に向かって)延在している。
軸Y(第3軸)は、その一部分が、人物1の頭部4の垂直方向の矢状プレーンPV内において延在し、且つ、フランクフルトプレーンに対して垂直である。従って、Yは、実際には、軸X及び軸Zに対して垂直である。これは、この場合には、基準フレームRcroが右回りとなるように、上向きに方向付けされている。
基準フレームRcroは、人物1の頭部4に結び付けらており、且つ、従って、この基準フレームRcroは、人物1の頭部4と共にシフトし、これにより、この基準フレームRcroの位置及び向きは、人物1の頭部4の運動の関数として人物1の頭部4に結び付けられることにはならない絶対フレーム又は基準フレーム(例えば、人物が視覚試験を実行する部屋に結び付けられた基準フレーム)との関係において変化することに留意されたい。
回転中心CROD、CROGの位置の判定は、それ自体が既知であると共に特許文献2において記述されている原理に従って実行することが可能であり、この特許文献の英語版は、特許文献3であることに留意されたい。
この回転中心CROD、CROGの判定の際には、人物1は、自身の頭部4上において、頭部4に固定された状態において、人物1の頭部4の画像キャプチャの際に検出可能であるタギング要素(マーカー)を有するタギングシステム(度量衡ベンチマーク)又は「クリップ」を着用する。
要すれば、画像キャプチャ装置により、
− 人物が、遠い距離においてまっすぐ前を注視する状態(プライマリ注視姿勢)において、対向するように位置決めされた状態で、画像キャプチャ装置を注視している際の第1画像と、
− 人物が、4分の3だけ対向した状態において位置決めされた状態で(while being positioned three-quarters-on)、画像キャプチャ装置を注視する際の第2画像と、
いう、人物1の頭部4の少なくとも2つの画像がキャプチャされる。
2つのキャプチャされた画像の処理に基づいて(特許文献2を参照されたい)、タギングシステムに結び付けられたベンチマーク内において、回転中心CROD、CROGの位置が推定される。
この結果、2つの予め判定された回転中心CROD、CROGのイソ重心である「キュクロプス」回転中心を判定することができる。
プライマリ注視姿勢の判定のために、回転中心CROD、CROGの位置が、対向した状態においてキャプチャされた第1画像と共に、再使用される。又、この判定の際には、タブレット10の傾斜について補償するようにされてもよい。
図5には、この場合には、視覚追跡プロトコルの最後のターゲット位置上において位置決めされたターゲット20に対してキュクロプスCROを結合する注視方向DRのみならず、その3つの主軸X、Y、Zを有する、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcroも、表されている。
又、図5には、人物1の右眼OD及び左眼OGの注視方向に対応した、それぞれ、DRD及びDRGと呼称される、注視方向も表されている。
ここでは、基準フレームRcroである、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームが選択されたら、タブレット10の画面11上において観察されるターゲット20のそれぞれのターゲット位置30ごとに、この基準フレームRcro内におけるこれらのターゲット位置の座標を判定することができる。
これを目的として、判定手順の計測ステップにおいては、
− それぞれのターゲット位置30を観察する人物1の頭部4の一部分の画像が、試験装置10の、人物1の頭部4に向かって回転された、前面カメラ13によってキャプチャされ、それぞれのターゲット位置30は、前面カメラ13に結び付けられた基準フレーム内において既定することが可能であり、
− これらの画像は、人物1によって観察されるターゲット位置30の、前面カメラ13に結び付けられたこの基準フレーム内において表現された、座標との関連において保存され、且つ、
− 画像キャプチャ装置13に結び付けられた基準フレーム内における人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcroの座標、或いは、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内における人物1の注視方向DRの座標は、キャプチャされた画像と、観察されたターゲット位置30の関連した座標と、に基づいて判定される。
前面カメラ13に結び付けられた基準フレームは、例えば、画面11の左上隅90を原点として有すると共に、画面11の列及び行に沿って方向付けされた2つの相互に垂直である軸91、92を軸として有する画面11の基準フレームRscrであってもよい(例えば、図5を参照されたい)。
有利には、前面カメラ13は、ターゲット20が画面11上において視覚追跡プロトコルの既定のターゲット位置30において表示される瞬間との関係におけるキャプチャオフセットを伴って、人物1の頭部4の画像キャプチャをトリガする。このオフセットは、ゼロであってもよく、或いは、さもなければ、好ましくは、例えば、200ミリ秒未満などのように小さなものであってもよい。この結果、画面11上におけるターゲット20の位置30の変化の際に、人物1の眼3の反応時間及び変位時間を考慮することができる。
又、一変形によれば、前面カメラは、例えば、20画像/秒のレートにおいて、連続的なビデオシーケンスを実行することができると共に、ビデオシーケンスから、対応するターゲット位置におけるターゲットの表示の際の人物の視覚的振る舞いに関する最良の情報を付与する最良の画像を抽出することができる。
従って、タブレット10の前面カメラ13によってキャプチャされるそれぞれの画像は、画像キャプチャ装置13に結び付けられた基準フレームRscr内におけるその位置が完全に判明している視覚的に支配的なターゲット20の既定のターゲット位置30に対応している。
画像キャプチャ装置13に結び付けられた基準フレーム内における人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcroの座標又は人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内における人物1の注視方向DRの座標を判定するべく、例えば、人物1の頭部4のキャプチャされた画像内において、人物の頭部4上の人物1によって着用されたクリップのマーカーを検出する、タブレット10のプロセッサから構成された、タブレット10の画像を処理するための手段が提供される。
この結果、例えば、特許文献3において記述されている方法を使用することにより、前面カメラ13に結び付けられた基準フレームRscr内におけるクリップの位置及び向きが、それぞれのキャプチャされた画像ごとに、即ち、視覚的追跡プロトコルのターゲット20のそれぞれのターゲット位置30ごとに、判定される。
又、人物1の眼の回転中心CROD、CROGの位置が、クリップとの関係において判明することに伴って、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcroの位置(空間座標)及び向き(角度座標)も、クリップとの関係において判明する。
図5には、これが更に示されており、この場合に、基準フレームRcroは、キュクロプス回転中心CRO(回転中心CROD、CROGのイソ重心)におけるその原点及びその軸X、Y、Zと共に、表されている。
従って、基準フレームの変化を通じて、視覚的追跡プロトコルのターゲット20のそれぞれのターゲット位置30ごとに、タブレット10の前面カメラ13に結び付けられた基準フレームRscr内における人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcroの位置及び向きを判定することができる。
又、視覚追跡プロトコルのターゲット20のそれぞれのターゲット位置30ごとに、人物1の頭部4に結び付けられたベンチマークRcro内における人物1の注視方向DRを判定することも可能であり、これらの注視方向DRは、ここでは、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcroの原点であるキュクロプス回転中心CROをターゲット20に対して結合している。
最後に、人物1の頭部4の位置及び向き又は注視方向DRに基づいて、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内におけるターゲット20のターゲット位置30を再表現することができる。
人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内におけるこれらのターゲット位置30は、視覚追跡プロトコルにおける人物1の計測された注視方向DRを表すデータである。
基準注視方向は、計測ステップの後に、これらの代表的なデータの関数として判定される。
特定の実施形態においては、基準注視方向は、人物が自然な姿勢にある際における遠いターゲット(遠見視)の人物の観察方向に対応している。
好適な実施形態においては、基準注視方向は、視覚試験の最中における人物1の平均注視方向である。
図6及び図7に表されているように、以下においてDRと呼称される、この平均注視方向は、好ましくは、キュクロプスCROであるCROをターゲット位置30の重心71に対してリンクするまっすぐなラインであるものとして、選択される。
一変形として、平均注視方向は、右回転中心CROD又は左回転中心CROGに基づいて判定することができる。
更なる一変形として、平均注視方向は、ここでは、人物の左眼又は右眼の回転中心又は前記回転中心の重心を人物の頭部に結び付けられた基準フレーム内におけるターゲット位置に対してリンクするまっすぐなラインであるものとして、選択される。
人物1の頭部4の位置及び向きが画像キャプチャ装置13に結び付けられた基準フレームRscrとの関係において視覚試験プロトコルの最中に変化するのみならず、人物1が視覚試験の最中にタブレット10の位置及び向きを変更するという事実に鑑み、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内におけるターゲット20のターゲット位置30は、人物1の視覚的振る舞いに対して、特に、テキストを判読している間に自身の眼3を運動させる人物の性癖に対して、光を当てることについて理解されたい。
実際に、人物1が、自身の注視方向DRを大幅に変更しつつ、視覚的追跡プロトコルに従っている場合には、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内におけるターゲット20のターゲット位置30は、前面カメラ13に結び付けられた基準フレームRscr内におけるターゲット20のターゲット位置30に相対的に類似した方式により、配置されることになる。これが、図6のケースである。
逆に、人物1が、準固定注視方向DRを維持しつつ、視覚追跡プロトコルに従った場合には、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内におけるターゲット20のターゲット位置30は、1つにグループ化されることになる。これが、図7のケースである。
判定手順は、基準注視方向DRとの関係において、人物1がタブレット10の画面11上において配設されたターゲット20のターゲット位置30を追いかけた際に視覚試験の最中に計測された人物1の注視方向DRに基づいて判定される計測されたターゲット位置50(図8を参照されたい)を位置決めするステップを更に有する。
又、好ましくは、この位置決めステップにおいては、視覚試験の際に画面11の平均向きに従って基準注視方向DRとの関係において方向付けされたダミー表示表面111も、判定される。
平均向きは、例えば、人物1が視覚試験の最中に自身の手2の間においてタブレット10を保持している傾斜及び/又は勾配の平均角度を考慮することができる。
又、図8に表されているように、計測されたターゲット位置50(図8のシンボル「●」)も、位置決めステップにおいて、視覚試験の最中の人物1の注視方向DRとダミー表示表面111の交差点として、判定される。
換言すれば、計測されたターゲット位置50は、ターゲット位置30と関連した注視方向DRに沿った、これらのターゲット位置30のダミー表示表面111上における投影に対応している。
好適な一実施形態においては、判定手順は、更なる位置決めステップを有する。
この更なる位置決めステップにおいては、その互いとの関係における相対的な配設がタブレット10の表示表面11(画面)上におけるターゲット位置30の相対的な配設と同一である理論的なターゲット位置60(図8のシンボル「+」)が、ここでは平均注視方向DRである、基準注視方向との関係において位置決めされる。
好ましくは、これらの理論的ターゲット位置60は、その重心62が基準注視方向DR上におい位置するように、位置決めされる。
従って、上述の位置決めステップが完了した際には、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内における計測されたターゲット位置50の座標及び理論的ターゲット位置60の座標のダミー表示表面111上における判定が完了している。これが、図面の図9に示されている。
視覚追跡プロトコルにおける人物1の視覚的振る舞いパラメータは、計測されたターゲット位置50から、且つ、理論的なターゲット位置60から、推定することができる。
実際に、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRcro内におけるターゲット位置30の重心(以下において、「近見視振る舞い」の参照NVBと呼称される)の位置(座標)に対応した第1視覚的振る舞いパラメータを判定することが既に可能である。この重心NVBは、特に、視覚試験の際の人物1(上記を参照されたい)の平均注視方向DRに対して光を当てる。
更には、図6及び図7を参照して上述したように、ダミー表示表面111上におけるその分布が画面11上のターゲット位置30のものによって固定されている理論的ターゲットポイント60との関係における計測されたターゲットポイント50の分布(位置及び広がり)は、判読タスクの際に表示表面との関係において自身の頭部4を運動されるための且つ/又は自身の眼3を運動させるための人物1の傾向に対して光を当てることをも理解されたい。
従って、図10を参照して記述されている別の実施形態においては、判定手順の推定ステップは、好ましくは、理論的ターゲット位置60と人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRCRO内における計測されたターゲット位置50の比較を有する。この比較により、求められている1つ又は複数の視覚的振る舞いパラメータを推定することが可能であり、且つ、特に、人物1の頭部4に結び付けられた基準フレームRCRO内におけるターゲット位置30の垂直方向の広がりEV及び水平方向の広がりEH(図6を参照されたい)を表す人物1の視覚的振る舞いパラメータを推定することができる。垂直方向の広がりEV及び水平方向の広がりEHは、それぞれ、実際には、視覚タスクの際に、自身の眼を、それぞれ、下向きに(又は、上向きに)、且つ、左から右に(又は、右から左に)、運動させるための人物1の性癖を表している。
好適な一実施形態においては、この比較は、ダミー表面111の好ましい方向に応じた理論的なターゲット位置60と計測されたターゲット位置50の間の差の判定を有することができる。図10には、これが示されている。
具体的には、図10には、画面11の軸91、92と同一の方式によって方向付け及び規格化された軸191、192によって付与されたダミー表示表面111(実際の表示表面)、計測されたターゲット位置50(シンボル「●」)のみならず、対応する理論的ターゲット位置60(シンボル「+」)も、表されている。
例えば、ダミー表面111の好ましい方向として、軸192の垂直方向を選択することができる。
次いで、計測されたターゲット位置51及び視覚的追跡プロトコルの同一のターゲット位置30に対応した理論的ターゲット位置61から形成されたそれぞれのペアごとに、前記ペアの計測されたターゲット位置51と理論的ターゲット位置61の間の、垂直方向に沿った、距離に対応する、ここでは、Δvと表記される、垂直方向の差が算出される。
又、(図10の軸191に沿った)好ましい水平方向を選択し、且つ、垂直方向の差ではなく、水平方向の差を算出することもできよう。
有利な一方式によれば、視覚的振る舞いパラメータを判定するべく、算出された差の統計的処理が実行される。
この統計的処理は、例えば、
− 垂直方向の差Δvの、平均<Δv>/表示ラインを生成し、
− 計測された曲線との間における差を極小化するまっすぐな近似ラインを見出すように、線形回帰を実行する、
という動作を有することができる。
係数は、具体的には、0〜1に位置するように判定され、相応して、最小閾値及び最大閾値が判定され、これにより、使用の容易性を目的として、係数の規格化が可能となる。従って、比率(ディレクタ係数―最小値/(最大値−最小値)が再算出される。
本発明の一実施形態によれば、着用者の頭部に結び付けられた基準フレームRCRO内において前記着用者について判定された平均注視方向DRを提供するステップは、人物の少なくとも1つの視覚的振る舞いパラメータを判定するための上述の手順から明らかとなり、前記手順は、上述の試験装置を使用している。
本発明の一実施形態によれば、人物の視覚的振る舞いパラメータを提供するステップは、人物の少なくとも1つの視覚的振る舞いパラメータを判定するための上述の手順から明らかとなり、この場合に、人物の視覚的振る舞いパラメータは、前記ダミー表面111の好ましい方向に沿った理論的ターゲット位置60と計測されたターゲット位置50の間の差Δvに関係付けられている。
以下の例においては、「RATIO」と呼称される、人物の視覚的振る舞いパラメータは、値RATIOが0〜1に位置するような方式により、計測された値Δvの平均値と計測されたΔvの最小値の間の差を計測されたΔvの最大値と計測されたΔvの最小値の間の差によって除算したものであるとして、定義される。
〔実施例〕
以下の実施例においては、以下の特性を有する基準レンズから始まっている。
・ 処方データ:
○ 処方された球体=0ジオプトリ
○ 処方された円筒体=0ジオプトリ
○ 処方された軸=0°
○ 処方された加入度=2ジオプトリ
・ 合計累進長:LPTref=17mm
以下の実施例においては、上述の基準累進レンズの光学系の計算において始まり、且つ、ターゲット値として同一の処方データを有する、本発明による累進レンズの光学系を判定する方法が実装されている。
これらの実施例の累進レンズの光学系の計算において使用される1つ又は複数の補完的ターゲット値の判定を可能にする特性を有するパラメータについては、後述するデータから明らかとなる。
実施例1:
・ LPT(DR)=16mm
・ Identityによって判定されたLPTperso、従って、LPTperso=16mm
・ 個人化された部分累進長を考慮しない。
実施例2:
・ LPT(DR)=14.5mm
・ FT2によって判定されたLPTperso、従って、LPTperso=16mm
・ 個人化された部分累進長を考慮しない。
実施例3:
・ LPT(DR)=14.5mm
・ FT2によって判定されたLPTperso、従って、LPTperso=16mm
・ 個人化された部分累進長及びRATIO=0.9及びFT2の適用を考慮する
○ 従って、LP85perso=LP85/LPTperso
○ ここで、LP85/LPTpersoは、個人化されたレンズが、設計パラメータLPT=LPTpersoを使用することにより、ステップc)において最適化された際には、個人化されたレンズの、X=85における、値LPx%である
実施例4:
・ LPT(DR)=14.5mm
・ FT2によって判定されたLPTperso、従って、LPTperso=16mm
・ 個人化された部分累進長及びRATIO=0.47及びFT2の適用を考慮する
○ 従って、LP85perso=LP85/LPTperso−0.5mm
○ ここで、LP85/LPTpersoは、個人化されたレンズが、設計パラメータLPT=LPTpersoを使用することにより、ステップc)において最適化された際には、個人化されたレンズの、X=85における、値LPx%である
実施例5:
・ LPT(DR)=15.5mm
・ FT2によって判定されたLPTperso、従って、LPTperso=17mm
・ 個人化された部分累進長及びRATIO=0及びFT2の適用を考慮する
○ 従って、LP85perso=LP85/LPTperso−2mm
○ ここで、LP85/LPTpersoは、個人化されたレンズが、設計パラメータLPT=LPTpersoを使用することにより、ステップc)において最適化された際には、個人化されたレンズの、X=85における、値LPx%である
図11〜図19は、上述の基準累進レンズのものとの比較において、本発明の方法によって得られた3つの累進レンズの光学特性を表している。
図11、図14、及び図17は、それぞれ、曲線110、140、及び170に対応する、点線で示された、基準レンズに対応したプロファイル、並びに、実線で示された、本発明による一例に対応したプロファイル、により、下向き注視角度αの関数として、経線に沿った、平均屈折パワーPPOの分布のプロファイルを表している。
図12、図15、及び図18は、イソ平均屈折パワー曲線の形態において、平均屈折パワーPPOの曲線を表しており、この場合に、異なる平均屈折パワーの2つの隣接する曲線の間の平均屈折パワーの変動は、0.25ジオプトリであり、イソ平均屈折パワーの曲線の値は、0.50ジオプトリごとに、図示されており、且つ、図示を有していないイソ平均屈折パワーの曲線の値は、2つの隣接する曲線の平均に対応している。点線で示された、基準レンズに対応した曲線、並びに、実線で示された、本発明による一例に対応した曲線、により、平均屈折パワーの曲線がドメイン(α,β)上において表されている。
図13、図16、及び図19は、結果的に得られたイソ乱視曲線の形態において、結果的に得られた乱視ASRの曲線を表しており、この場合に、異なる平均屈折パワーの2つの隣接する曲線の間の結果的に得られる乱視の変動は、0.25ジオプトリであり、結果的に得られた乱視の曲線の値は、0.50ジオプトリごとに図示されており、且つ、図示を有していない結果的に得られた乱視の曲線の値は、2つの隣接する曲線の平均に対応している。点線で示された、基準レンズに対応する曲線、並びに、実線で示された、本発明による一例に対応する曲線、により、結果的に得られた乱視の曲線がドメイン(α,β)上において表される。
「下向き注視角度α」、「方位角β」、「ドメイン(α,β)」、「平均屈折パワーPPO」、「結果的に得られた乱視ASR」の概念は、当業者には既知であり、且つ、具体的には、特許文献1において説明されており、これを参照されたい。
実施例1、実施例2、及び実施例3の光学特性は、図11〜図13の実線表現に対応している。
実施例4の光学特性は、図14〜図16の実線表現に対応している。
実施例5の光学特性は、図17〜図19の実線表現に対応している。
実施例1〜実施例5との関連における図11〜図19は、実際に、本発明による累進レンズの光学系を判定する方法が所与の着用者用の有利な個人化を許容する特性を有することを実証する特性を有する。
10 試験装置、タブレット
11 ディスプレイ
12 ハウジング
13 画像キャプチャ装置、前面カメラ
20 ターゲット
30 ターゲット位置
31 ターゲット位置
32 ターゲット位置
33 ターゲット位置
34 ターゲット位置
35 ターゲット位置
36 ターゲット位置
37 ターゲット位置
38 ターゲット位置
39 ターゲット位置
50 ターゲット位置
51 ターゲット位置
60 理論的ターゲット位置
60 ターゲット位置
61 理論的ターゲット位置
62 重心
71 重心
111 ダミー表示表面

Claims (15)

  1. 少なくともフィッティングクロスによって定義された累進レンズの光学系を判定する方法であって、前記累進レンズは、処方された加入度を含む処方データを有する所与の着用者について個人化され、且つ、前記方法は、演算手段によって実装され、且つ、
    a)前記着用者の頭部に結び付けられた基準フレームRCRO内における前記着用者について判定された平均注視方向(DR)の提供と、
    b)ステップa)において判定された前記平均注視方向(DR)の関数としての少なくとも1つの光学設計パラメータのターゲット値の判定と、
    c)ターゲット値に基づいた光学的最適化手順による前記着用者用の前記累進レンズの前記光学系の計算であって、前記処方データは、前記計算のターゲット値であり、且つ、ステップb)において判定された前記平均注視方向(DR)の関数としての前記1つの(又は、それぞれの)光学設計パラメータの前記ターゲット値は、前記光学系の前記計算の補完的なターゲット値である、計算と、
    という連続的なステップを有する、方法。
  2. ステップb)の前記光学設計パラメータは、個人化された合計累進長及び個人化された部分累進長のうちから選択された個人化された累進長である請求項1に記載の方法。
  3. ステップb)の前記光学設計パラメータは、個人化された合計累進長であり、且つ、前記個人化された合計累進長のターゲット値は、前記フィッティングクロスと前記累進レンズのプレーン内における前記平均注視方向(DR)の投影に対応した地点の間の差によって定義される請求項2に記載の方法。
  4. ステップb)の前記光学設計パラメータは、個人化された合計累進長であり、且つ、前記個人化された合計累進長の前記ターゲット値は、フィッティングクロスと前記累進レンズのプレーン内における前記平均注視方向(DR)の投影に対応した地点を変数として有する伝達関数の結果に対応した地点の間の差によって定義される請求項2に記載の方法。
  5. 個人化された部分累進長の値として定義された更なるターゲット値が前記着用者用の前記累進レンズの前記光学系の計算のステップc)に導入される請求項3及び4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記個人化された部分累進長は、前記フィッティングクロスと前記処方された加入度の85%に対応した地点の間の差によって定義される請求項2又は5に記載の方法。
  7. 前記個人化された部分累進長の値は、前記人物の視覚的振る舞いパラメータを変数として有する伝達関数の結果である請求項5に記載の又は請求項5に従属する請求項6に記載の方法。
  8. 前記平均注視方向(DR)を提供するステップは、
    − 人物がその最中に物体の少なくとも1つのターゲット位置(30)を観察する視覚試験を前記人物が実行するように、前記人物(1)に対して要求するステップと、
    − 前記視覚試験の最中に前記人物(1)の少なくとも1つの注視方向(DR)を表す少なくとも1つのデータを計測するステップであって、前記注視方向(DR)は、前記人物(1)の眼の回転中心を物体の点に対してリンクするまっすぐなラインに対応した観察方向である、ステップと、
    − 前記少なくとも1つの計測された代表的データの関数として、平均注視方向(DR)を判定するステップと、
    − 前記平均注視方向(DR)との関係において、前記視覚試験の最中に計測された、前記観察方向に対応する、前記人物(1)の前記注視方向(DR)を表す前記データの関数として、前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内において、判定された少なくとも1つの計測されたターゲット位置(50)を位置決めするステップと、
    というステップを有する手順の結果に由来する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記平均注視方向(DR)を提供する前記手順において
    − 前記人物(1)は、前記物体の様々なターゲット位置(30)を連続的に観察し、
    − 前記人物(1)の前記注視方向(DR)は、前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内において前記視覚試験の最中に判定され、
    − 前記ターゲット位置(30)の座標が、前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内において判定され、且つ、
    − 前記平均注視方向(DR)は、前記人物(1)の左眼(CROG)又は右眼(CROD)の回転中心或いは前記回転中心の重心(CRO)を前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内におけるターゲット位置(30)に対してリンクするまっすぐなラインであるものとして判定される請求項8に記載の方法。
  10. 前記平均注視方向(DR)を提供する前記手順において、
    − 前記人物(1)は、前記物体の様々なターゲット位置(30)を連続的に観察し、
    − 前記人物(1)の前記注視方向(DR)は、前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた基準フレーム(Rcro)内において前記視覚試験の最中に判定され、
    − 前記ターゲット位置(30)の座標が、前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内において判定され、
    − 前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内における前記ターゲット位置(30)の重心(NVB)が、前記座標に基づいて判定され、且つ、
    − 前記平均注視方向(DR)は、前記人物(1)の左眼(CROG)又は右眼(CROD)の回転中心或いは前記回転中心の重心(CRO)を前記人物(1)の前記頭部(4)に結び付けられた前記基準フレーム(Rcro)内における前記ターゲット位置(30)の前記重心(NVB)に対してリンクするまっすぐなラインとして判定される請求項8に記載の方法。
  11. 前記人物の前記視覚的振る舞いパラメータは、請求項7に記載の前記平均注視方向(DR)を提供する前記手順の最中において提供され、この最中に、前記人物の前記視覚的振る舞いパラメータは、
    − その互いとの関係における相対的な配設が前記ターゲット位置(30)の相対的な配設と同一である理論的ターゲット位置(60)の、前記平均注視方向(DR)との関係における、位置決めと、
    − 任意選択により、前記理論的ターゲット位置(60)の前記重心(61)が前記基準注視方向(DR)上において位置するような、前記理論的ターゲット位置(60)の位置決めと、
    − 前記視覚試験の際に、前記ターゲット位置(30)は、表示表面(11)上において配設され、且つ、前記位置決めステップにおいて、前記視覚試験の際の前記表示表面(11)の平均向きに従って、前記基準注視方向(DR)との関係において、方向付けされたダミー表示表面(111)が判定され、且つ、前記計測されたターゲット位置(50)は、前記視覚試験の最中における前記人物(1)の前記注視方向(DR)と前記ダミー表示表面(111)の交差点として判定され、
    − 前記ダミー表示表面(111)の好ましい方向に従って、前記理論的ターゲット位置(60)と前記計測されたターゲット位置(50)の間において、差(Δv)が判定され、且つ、前記人物(1)の前記視覚的振る舞いパラメータは、これから推定される、
    というステップに従って更に判定される請求項10に記載の方法。
  12. 前記視覚的振る舞いパラメータの前記推定は、前記理論的ターゲット位置(60)と前記計測されたターゲット位置(50)の間の前記差(Δv)の統計的な処理の関数として実行される請求項11に記載の方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項に記載の前記着用者用の前記累進レンズの前記光学系の前記計算の結果に従って半完成品のレンズの機械加工によって累進レンズを製造する方法。
  14. プロセッサからアクセス可能であり、且つ、前記プロセッサによって実行された際に、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の前記方法の前記ステップを実装する複数の記録されたシーケンスを有するコンピュータプログラムプロダクト。
  15. 請求項14に記載の前記コンピュータプログラムプロダクト用の命令を有するコンピュータ可読媒体。
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