JP2018530731A - 小バッチの生成物を用いて凍結乾燥プロトコルを開発する装置および方法 - Google Patents

小バッチの生成物を用いて凍結乾燥プロトコルを開発する装置および方法 Download PDF

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Abstract

凍結乾燥器において、複数の端部バイアルおよび複数の中央部バイアル内の生成物の凍結中または1次乾燥中における、上記複数の中央部バイアルと比較した場合の上記複数の端部バイアルの不均一性を排除または最小化する方法および装置。温度制御面が、上記端部バイアルに近接または接触するように配置され、上記複数の端部バイアルの温度を制御する。上記方法および上記装置は、開発凍結乾燥器において、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器における複数の中央部バイアルおよび複数の端部バイアルの状態をシミュレートするために用いられうる。

Description

発明の詳細な説明
〔関連出願に対する参照〕
本出願は、2015年9月22日に出願された仮特許出願第62/222,136号、2016年1月15日に出願された仮特許出願第62/279,564号、および2016年8月4日に出願された非仮特許出願第15/288/100号の優先権を主張する。
〔発明の背景〕
(1.技術分野)
本発明は、凍結乾燥プロセスにおける端部バイアルの温度制御に用いられることにより、凍結乾燥プロトコルの開発に必要な最小量の標本(サンプル)を用いて当該凍結乾燥プロトコルを分析、開発、および最適化することを可能にする、装置および方法に関する。
(2.背景技術)
<問題点>:凍結乾燥プロセスの1次乾燥段階において、他の6個のバイアルに囲まれていない端部バイアルは、他の6個のバイアルに囲まれている中央部バイアルよりも速く昇華する。この「端部バイアル効果」(edge vial effect)は、以下の2つの問題aおよびbを引き起こす:
(a):第1に、大バッチにおいて、1次乾燥中の端部バイアルの不均一性により、歩留まりの低下、端部バイアルを臨界温度未満に保つための乾燥時間の増加、および生成物の品質のばらつきが生じる;
(b):第2に、小バッチの生成物を凍結乾燥しようと試みる場合には、端部バイアルの割合が大きくなり、当該生成物は、大バッチの場合と比較して著しく速く乾燥する。その結果、小バッチを凍結乾燥プロトコルの開発に用いることができない。大バッチの使用は、生成物、時間、およびリソースの増加につながる。
装置が上記「端部バイアル効果」を解消する必要性があるのは、明らかである。
この問題を解決することにより、以下の利益aおよびbを含むがこれらに限定されない、諸利益がもたらされる:
(a):第1に、大バッチにおいて、1次乾燥の不均一性が解消され、その結果、歩留まりの向上、品質の均一性の向上、および1次乾燥時間の短縮がもたらされる;
(b):第2に、装置により小バッチの生成物を用いて凍結乾燥プロトコルを分析および開発する方法が可能になる。これにより、ユーザは時間、金銭、およびリソースを大幅に節約することができる。
<概要>:凍結乾燥プロセスは、通常ある期間にわたって所定の真空レベルで棚温度を調整(調節)することによって制御される、動的な熱および物質の移動プロセスである。棚温度のプロファイルは、3つの主要プロセス、つまり、凍結、1次乾燥、および2次乾燥のための、一連の個別の段階からなる。
各凍結乾燥器に固有の熱伝達ダイナミクス(伝熱ダイナミクス)(heat transfer dynamics)の違いにより、ある凍結乾燥器に通用する凍結乾燥レシピ、凍結乾燥プロトコル、または凍結乾燥プロファイルが、他の凍結乾燥器に適用できるとは限らない。そのため、複数の凍結乾燥器間で容易に転用可能なプロトコルの開発には、広範囲に及ぶ試験を要することが多い。同一の、または少なくとも類似のプロセス結果を得るために、各プロファイルを何度も修正する必要がありうる。
現在、凍結乾燥プロトコルの開発は初歩的な方法で行われており、必要以上に大きな凍結乾燥器において大量の生成物を用いて、必要なデータを収集するために複数回の試行が行われている。この反復プロセスは、時間集約的であり、多量の生成物を要するため、高価となりうる。このプロトコル開発法を用いるために十分な量の生成物が、入手できない可能性もある。
凍結乾燥プロセスは、2つの主要な工程、つまり、凍結工程および乾燥工程を有する。各工程において、生成物を収容するバイアルの数と凍結乾燥器の特性とにより、凍結乾燥器の棚と生成物との間の熱伝達ダイナミクスは異なる。凍結工程は、大気圧における生成物から棚への熱伝達を伴う冷却プロセスである。乾燥工程は、真空において棚から生成物に熱を加えることにより氷を昇華させる、加熱プロセスである。
凍結乾燥の熱伝達ダイナミクスは、バイアルの種類および量と、凍結乾燥器とから直接的に影響を受ける。正しい凍結プロセスおよび1次乾燥プロセスの作成は、強固で効率的な凍結乾燥サイクルの開発のために重要である。同じ凍結乾燥プロトコルで処理された場合、例えば、1個〜37個のバイアルからなる小さなバイアル群は、棚いっぱいのバイアル(通常100個〜2000個のバイアル)に比べて、より速く凍結し、はるかに速く昇華するということはよく理解される。バイアルのバッチが大きいほど、放射効果の減少とバイアル間の熱伝達ダイナミクスによる冷却とにより、バッチはよりゆっくりと乾燥する。生成物のバッチが小さいほど、放射熱伝達要素は大きくなり、バイアル間冷却効果は最小化される。これにより、より多くのエネルギーが昇華プロセスに移送され、それによって乾燥時間が短縮されるとともに、様々な最終生成物が生み出される。上記の理由から、小バッチのバイアルでの凍結乾燥プロトコルの開発は、現時点まで極めて困難であり、大抵は非実用的であった。
プロトコルを開発するためのコンセプトは、製造に用いられるより大きなバッチの特性および状態、すなわちターゲット凍結乾燥器(Target Freeze Dryer)(以降「TFD」と呼ぶ)を模倣することを意図した小バッチを用いて、ソース凍結乾燥器(Source Freeze Dryer)(以降「SFD」と呼ぶ)において、有意義な凍結プロファイルおよび1次乾燥プロファイルを確立することである。TFDをできるだけ厳密に模倣しつつ、重要なプロセスパラメータを監視および/または制御でき、転用可能な凍結乾燥プロトコルの開発のために、当該プロセスパラメータを用いることができる。
<凍結工程>:昇華プロセスの改良および生成物の保護のために、適切な凍結工程が必要である。氷晶の適切なサイズおよび均一性を実現することは、良好な生成物の作成にとって重要である。バイアル内の一貫性に加え、氷晶が大きいほど、より効率的な1次乾燥が可能になる。生成物の中には、適切に凍結されない場合、pHの好ましくない変化、好ましくない析出、または好ましくない相分離を引き起こすものもある。
凍結乾燥プロセスにおける凍結は、複数の個別工程において起こる。当該プロセスは、液体を過冷却する工程と、水分の3%〜19%を結晶化する核形成(核形成工程)と、全ての水分が凍結するまで最小凍結濃縮物において氷晶構造を成長させる工程と、ガラス転移温度より低い温度にまで最大凍結濃縮物を凝固する工程と、からなる。適切な結晶構造は、通常は高い多孔性を有している。当該適切な結晶構造は、より効率的な1次乾燥を可能にし、視覚的に魅力的な塊(cake)を生成するのに役立ち、再構成時間の削減に役立ちうる。場合によっては、賦形剤の結晶化を促進するために、また、1次乾燥前に氷晶サイズを増加させるために、ある一定期間にわたり最終凍結温度よりも高い温度に生成物を保持する工程を伴うアニール工程を加えてもよい。
<核形成>:通常の使用においては、特定の速度で棚温度を下げ、ある期間にわたって当該棚温度を保持する凍結プロトコルを用いることにより、生成物を確実に凍結および安定化させる。予定された速度(programmed rate)で複数の棚を冷却すると、核形成が無作為に起こってしまい、これにより、バッチ全体にわたって不均一な結晶化が生じる。その結果、1次乾燥時間が長くなり、不均一な生成物が生み出される。
凍結プロセス中、棚面を冷却することによって、エネルギーがバイアルから取り除かれる。生成物の温度は、バイアルの1つに核形成が起こるまで、当該生成物の(its)凝固点下まで低下する(過冷却)。上記核形成は、生成物およびバイアルの温度を0℃近くまで上昇させる、発熱を伴う事象である。緊密に並べられたバイアル群において、核形成中のバイアルは、放出熱を加えて隣接バイアルの温度を上昇させることによって、隣接バイアルの核形成を妨げる。隣接バイアルが核形成できる前に、核形成中のバイアルは、氷の結晶化プロセスを完了し、温度を下げなければならない。生成物中の利用可能な水分が結晶化され、発熱反応エネルギーが減少すると、他の隣接バイアルが核形成することが可能になる。当該プロセスにより、バイアル群が異なる温度および速度で核形成することになり、その結果、バイアル群において異なる氷の構造が形成される。その結果、1次乾燥サイクルにおいては、最も不適切な氷晶構造を伴うバイアルの速度でしか昇華が行われず、そのため、必要以上に長い1次乾燥サイクルが必要となる。小バッチの生成物を用いた場合、バイアルはより速く核形成および凍結し、その結果、大バッチとは著しく異なる結晶が形成される。したがって、異なる結果が生じる。
バッチ全体にわたってより均一な結晶構造を形成するために、制御または強制された核形成の方法を適用することができる。当該方法においては、液体生成物を所定の温度まで過冷却した後、活性化事象を起こすことにより、核形成プロセスを強制的に引き起こす。通常、全てのバイアルが同時に、同一の温度および同一の速度で核形成し、それにより、バッチ全体にわたって非常に均一な1次結晶構造が形成される。より均一性の高いバイアル内結晶構造を得るためには、制御された核形成が起きた後に、熱流を制御する方法を追加してもよい。
制御された核形成が行われる場合、利用可能な水分のごく一部が結晶化し、結晶成長の大部分は核形成後に起こる。核形成後に熱流を制御することは、より均一なバイアル内結晶構造を形成するのに重要であり、それによって、1次乾燥時間を短くし、生成物の均一性および品質を向上させることができる。
凍結プロセス中、棚面を冷却することによって、エネルギーがバイアルから取り除かれる。生成物の温度は、バイアルの1つに核形成が起こるまで、当該生成物の(its)凝固点下まで低下する(過冷却)。上記核形成は、生成物およびバイアルの温度を0℃近くまで上昇させる、発熱を伴う事象である。緊密に並べられたバイアル群において、核形成中のバイアルは、放出熱を加えて隣接バイアルの温度を上昇させることによって、隣接バイアルの核形成を妨げる。隣接バイアルが核形成できる前に、上記核形成中のバイアルは、氷の結晶化プロセスを完了し、温度を下げなければならない。生成物中の利用可能な水分が結晶化され、発熱反応エネルギーが減少すると、他の隣接バイアルが核形成することが可能になる。当該プロセスにより、バイアル群が異なる温度および速度で核形成することになり、その結果、バイアル群において異なる氷の構造が形成される。その結果、1次乾燥サイクルにおいては、最も不適切な氷晶構造を伴うバイアルの速度でしか昇華が行われず、そのため、必要以上に長い1次乾燥サイクルが必要となる。小バッチの生成物を用いた場合、バイアルはより速く核形成および凍結し、その結果、大バッチとは著しく異なる結晶が形成される。したがって、異なる結果が生じる。
<乾燥工程>:生成物が凍結すると、チャンバ内は減圧され、1次乾燥が開始されうる。乾燥工程は、1次乾燥工程と2次乾燥工程とにさらに分けることができる。1次乾燥工程は、昇華プロセスである。当該昇華プロセスにおいては、凍結生成物中の氷は、蒸気へと直接的に変化した後、冷たい凝縮面にて凝縮し、棚上のバイアルまたはトレー(トレイ)内に濃縮生成物のマトリクスを残す。2次乾燥工程は、脱着プロセスである。当該脱着プロセスにおいては、濃縮生成物のマトリクス中の残存水分が、生成物の長期的安定性にとって最良のレベルにまで低減される。
凍結乾燥は、凍結工程中に形成された生成物のマトリクス構造を喪失せずに水分を効率的に除去するプロセスを必要とする。最適化された乾燥サイクルへの鍵となるのは、臨界温度より少し低い温度に生成物を維持することである。臨界温度は、これを超えると生成物の溶解および/またはマトリクスの崩壊が発生する、生成物の温度である。臨界温度は、オペレータ(作業者)によって決定されるものであり、測定された共融温度、ガラス転移温度、および崩壊温度のうちの最も高い温度であってよい。何らかの形で崩壊が求められる諸用途に、用いられてもよい。生成物のマトリクス構造を喪失せずに水分を効率的に除去する上記プロセスは、上記諸用途のために監視、最適化、および制御されうる。
プロセス開発の観点からは、サイクルの最適化により、熱流と質量流との平衡を保つとともに最適温度に生成物を維持する、棚温度とチャンバ圧力との組み合わせがもたらされる。従来、これは、多段階の「試行錯誤(トライアル・アンド・エラー)」手法を伴う非常に難解な作業であり、凍結乾燥器間およびバッチサイズ間において熱伝達ダイナミクスが相違することにより、さらに複雑化する。サイクルの最適化を達成するために複数回の試行が必要である場合、当該手法により、大量の生成物が無駄になってしまう。
凍結乾燥中の熱伝達は、動的プロセスである。生成物に加えられる熱の総量は、棚と、気体伝導と、対流と、放射と、バイアル間熱伝達とを含む熱源の組み合わせに由来する。総熱量における各熱源からの熱量の割合は、機器や用途の違いによってだけでなく、バイアル間の相互作用によっても異なる。
昇華中、生成物に熱を加えるように棚温度が制御されることにより、氷は蒸気へと昇華させられる。昇華は吸熱事象であるため、昇華の前線において(at the sublimation front)、生成物の温度が低くなってしまう。棚が−15℃であったとしても、バイアルの底部にある生成物は−20℃でありうる。この場合、昇華の前線における温度は最も低く、例えば−35℃になる。大バッチのバイアルを凍結乾燥する際、当該バイアル群の大部分は少なくとも外側2列のバイアルによって囲まれており、かつ、複数列のバイアルが存在する。したがって、昇華プロセスを減速させる著しいバイアル間冷却が存在する。小バッチの生成物を凍結乾燥する場合、端部バイアルが占める割合が著しく高くなり、バイアル間冷却効果が大きく減退し、その結果、昇華速度が大幅に速くなる。
<中央部バイアル対(vs)端部バイアル(図1Aおよび図1B)>
「中央部バイアル」(central vial)は、少なくとも外側2列のバイアルによって囲まれた単一のバイアルと定義されうる。より大きな凍結乾燥器におけるバイアルのうち、圧倒的多数は中央部バイアルと考えられる。中央部バイアルは、最小限の放射熱に晒され、昇華中の周囲バイアルからの冷却効果を受ける。その結果、凍結の減速、昇華速度の低下、および乾燥時間の増加が生じる。
「端部バイアル」(edge vial)は、外側2列のバイアルに囲まれていないバイアルと定義されうる。端部バイアルには、より多くの放射熱が加えられ、周囲バイアルからのバイアル間熱伝達効果があまりもたらされない。そのため、凍結時間および乾燥時間が短くなる。トレー上に設けられたバイアル群のうちの外側2列〜3列のバイアルは、「端部効果」(edge effect)により、中央部バイアルよりも乾燥時間が短くなる。そのため、小バッチにおけるバイアル群は、中央部バイアルというよりはむしろ端部バイアルのようにふるまい、そのため、より速く凍結および乾燥する。六角形状に並べられた19個のバイアルからなるバイアル群(vial nest)(図2)において、外側2列が端部バイアルである。したがって、上記19個のバイアルのうちの18個のバイアルが端部バイアルのようにふるまう。凍結乾燥の目的は、均一性および再現性のためにバイアルを均一に処理することであり、端部バイアル効果は、均一性の高い生成物を生成するために最小化される必要がある。
凍結速度および昇華速度は、全熱源の組み合わせによる総熱流によって決まる。熱流の熱源は、凍結乾燥器およびバッチサイズによって異なる。そのため、凍結時間および1次乾燥時間が異なる。さらに、熱源のばらつきにより、バッチ全体にわたって乾燥生成物に違いが生まれる。
<実験:表1(付表A)>
様々な熱源の効果を調べるために、一連の実験を行った。トレーいっぱいの生成物(12インチ×24インチ)を実験室規模の凍結乾燥器で処理し、1次乾燥時間を測定した。次に、同じ凍結乾燥プロトコルを用いて同じ実験室規模の凍結乾燥器で19個のバイアルを処理した。上記19個のバイアルの乾燥時間が512分であったのに対して、トレーいっぱいの上記生成物の乾燥時間は636分であった。上記19個のバイアルの乾燥時間の方が120分以上短かった。
一般理論に基づくと、上記19個のバイアルを処理した時の乾燥の方が速かったのは、上記凍結乾燥器の温かい壁および扉からの放射に晒されたバイアルの割合がより高かったことに起因する。このばらつきを理解および制御するために、小型の凍結乾燥器における温度制御された壁を用いて実験を行った。直径6インチの棚および温度制御可能な壁を備えた小型の凍結乾燥器を開発した。19個のバイアルを上記小型の凍結乾燥器内に載置し、昇華の均一性および昇華時間を測定した。当該昇華の均一性は、水分の約25%が除去されたと思われる時点で測定された。各バイアルを計量し、除去された水分量および乾燥割合を求めた。次に、上記壁の温度(壁温)を−40℃に下げて、上記壁からの放射を最小化した。その後、連続運転において、全ての潜在的熱源の放射から上記バイアルを遮断するために、生成物の周りに断熱材を加えた。
全ての場合において、上記19個のバイアルはトレーいっぱいの生成物よりも著しく速く乾燥した。上記壁温を下げることによって、放射源からの熱伝達が減じられる。しかしながら、上記壁温を−40℃まで下げるとともに上記バイアルを潜在的放射源から絶縁(断熱)した実験では、上記バイアルのバッチ全体にわたって、1次乾燥時間の変化は極めて小さく、昇華の均一性の向上も極めて小さいものであった。そのため、上記壁温を下げ、放射遮断を行うことは、プロセスにわずかな影響を与えるだけであり、より大きなシステムの処理時間およびより大きなバッチの生成物の処理時間をシミュレートすることはできなかった。
<結論>:大バッチと小バッチとの間の乾燥時間の違いは、主に放射によるものではない。放射の最小化は、バッチ全体における昇華の速度および均一性を最小限しか向上させなかったためである。そこで、他のバイアルに囲まれたバイアルからの、大きな熱伝達効果が存在すると仮定した。したがって、バイアルが他のバイアルによって完全に囲まれている場合に昇華速度が減少し、昇華の均一性が向上するという理論を検証するために、別の一連の実験を開発する必要がある。
必要となるのは、生成物が、ごく小さなバッチ(例えば1個〜37個のバイアル)で用いられる場合に、凍結と1次乾燥との両方において、大バッチでの隣接バイアルからのバイアル間の熱伝達ダイナミクスによって生じる熱伝達ダイナミクスをシミュレートおよび定量化する装置および方法である。隣接バイアルからの熱流をシミュレートする方法および装置により、ユーザは、作業工程の限界の検証、より大きなシステムおよびバッチの熱伝達ダイナミクスのシミュレーション、最適化された凍結乾燥プロトコルの開発、および特定の生成物用の転用可能なプロトコルの開発を行うことができる。
最適化されたプロトコルが開発されれば、プロトコルを転用する方法は多数ある。最適化された1次乾燥プロトコルを転用する方法の一例としては、SFDおよびTFDの両方におけるバイアルの熱伝導率(Kv)を求め、当該Kv値を用いて、SFD棚温度(SFDの棚温度)に基づいてTFD棚温度(TFDの棚温度)を判定することが挙げられる。
SFDからTFDへ上記1次乾燥プロトコルを転用する一方法の例は、以下の通りである:
Figure 2018530731
<定義>
TshelfTFD:ターゲット棚面温度(摂氏温度)(℃)
KvSFD:ソース凍結乾燥器のバイアルの熱伝導率
KvTFD:ターゲット凍結乾燥器のバイアルの熱伝導率
Tshelfsource:ソース棚面温度
Tproductsource:ソース生成物温度
Tproduct:ターゲット生成物温度
〔発明の概要〕
<解決策:装置>:温度が−80℃〜+105℃の範囲、またはより良好な範囲に制御された面(熱エミュレータ)であって、バイアルに接触または近接した面(以降「温度制御面」と呼ぶ)。小バッチのバイアルを処理する場合、端部バイアルは温度制御されてもよい。それにより、端部バイアル効果を制御および排除することができる:
(a):上記装置は、バイアルに接触または近接するように設計されうる;
(b):上記装置は、バイアルへの熱およびバイアルからの熱を伝達する熱導体を用いてもよい。
熱伝達がより良好に行われるように、様々な材料を用いて構成される、様々な構成およびサイズの熱導体を用いることができる。当該熱導体は、性質上硬質であっても可撓性を有してもよく、必要であれば液体によって満たされてもよい。
バイアルの上記温度制御面への接触は、上記温度制御面に対する直接接触か、熱導体を介した接触かに関わらず、熱伝導ペースト、熱伝導液、またはその他の材料を用いて、あるいは可撓性膜を用いて、補助されうる。当該膜は、液体によって満たされていても満たされていなくてもよく、伸縮可能である。
温度制御の方法は、直接冷却、再循環流体、熱電装置、LN2、強制空気、強制気体、およびその他の適切な方法を含むがこれらに限定されない。
上記熱エミュレータの温度は、適切な生成物の温度検知法、または後に定義されるその他の方法を用いて、生成物の温度フィードバックによるプログラム化された工程によって制御されうる。
上記装置は、小型の専用凍結乾燥器に搭載されるか、あるいは一時的または永続的使用のための任意の凍結乾燥器内において設置および使用されうる。
ユーザによるプロセスの研究および重要なプロセスパラメータの決定を可能にし、ひいてはプロトコルの最適化および他の凍結乾燥器に転用可能なプロトコルの開発を可能にするように、小バッチを処理する能力とともに、更なる構成が加えられてもよい。
本発明の一態様によれば、「中央部バイアル」の状態をシミュレートし、「端部バイアル効果」を排除することによって、小標本のバイアルをより均一に処理する装置および方法が提供される。上記方法および上記装置は、小バッチの生成物(例えば1個〜37個のバイアル)を用いながら、凍結サイクル中、1次乾燥サイクル中、および2次乾燥サイクル中に隣接バイアルまたは周囲バイアルの相互作用によって生じる熱伝達ダイナミクスをシミュレートする。上記方法および上記装置により、小バッチのバイアルをより大きな凍結乾燥バッチの測定、分析、最適化およびシミュレーションに用いることができる。後に明らかになる他の態様および利点とともに、上記方法および上記装置は、以降、明細書および特許請求の範囲において、本明細書の一部を形成する添付図面を参照してより十分に記載される、構成および動作の詳細において明確となるであろう。当該添付図面の全体にわたり、同様の数字は、同様の部材を示す。
〔図面の簡単な説明〕
本発明のさらなる構成および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作は、以下の添付図面を伴う以下の好ましい実施形態の記載から明らかになり、より容易に理解されるであろう。
図1は、「端部バイアル」であるバイアルおよび「中央部バイアル」であるバイアルを示す、トレー内の多数のバイアルの概略的な平面図である。
図2は、中央部バイアルおよび端部バイアルを示す、19個のバイアルからなるバイアル群の平面図である。
図3は、昇華中のバイアル内の温度プロファイルを示す側面図である。
図4は、ターゲット凍結乾燥器をシミュレートする能力を実証するための、開発凍結乾燥器と、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器または実験用凍結乾燥器との温度プロファイルの比較を示すグラフである。
図5は、一実施形態に係る開発凍結乾燥器(Development Freeze Dryer)(「DFD」)における上記装置のコンセプトを示す側面図である。
図6は、一実施形態に係る開発凍結乾燥器(「DFD」)におけるバイアル群の平面図である。
図7は、熱導体が熱エミュレータリングに設けられたスロット内に配置された、凍結乾燥器内部の構成例のモデルである。
図8は、熱エミュレータと、液体によって満たされたコイルを備えた熱導体とを示す写真である。当該熱導体は、上記熱エミュレータおよび隣接バイアルに密接している。
図9は、(i)小型チャンバに配置された熱エミュレータアセンブリと、(ii)生成物チャンバと凝縮器との間に設けられた、両チャンバ間の圧力低下をシミュレートするための隔離弁または比例弁と、(iii)弁およびフィルターを含む、制御された核形成を発生させるのに用いられうる外部凝縮器とを含む小型の凍結乾燥器の概略図である。静電容量マノメータが、上記生成物チャンバ上と上記凝縮器上との両方に位置し、乾燥の終了の決定および他のプロセス制御状況を行うためのピラニが、上記生成物チャンバ上に位置している。
図10は、凍結乾燥器内に設けられた熱エミュレータアセンブリの概略的な側面図である。
図11は、より大きな凍結乾燥器内において棚の上に設けられた熱エミュレータアセンブリの概略平面図である。
図12は、隣接バイアルとの熱接触を向上させるための可撓性膜を有する熱エミュレータの一部を示す概略平面図である。
図13および図14は、端部バイアル効果を排除するために、任意の凍結乾燥器内に設けられうる熱エミュレータの例である。
図15は、19個のバイアルからなるバイアル群を囲む、液体によって満たされた円形の容器の斜視図である。
図16は、19個のバイアルからなるバイアル群を囲む、液体によって満たされた六角形の容器の斜視図である。
図17は、本発明のコンセプトを用いて、様々なパラメータを算出する方法を示すブロック図である。
〔発明の詳細な説明〕
以下の例示的な実施形態の記載は、明細書全体の一部と見なされる添付図面とともに読まれることを意図している。当該記載において、「低い」、「高い」、「水平の」、「垂直の」、「〜より高い」、「〜より低い」、「上へ」、「下へ」、「上の」、および「底(の)」等の相対語、ならびにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「下方へ」、「上方へ」等)は、当該記載において説明された、または議論の対象となっている図面において示された向きを意味すると理解されるべきである。これらの相対語は、説明の便宜上用いられるのであって、上記装置が特定の向きに構成されるまたは操作されることを要求するものではない。「接続された」および「相互に接続された」等の、取り付けおよび結合等に関する用語は、特に言及しない限り、構造物が直接的にまたは介在構造物を介して間接的に互いに固定または取り付けられる関係、ならびに、共に可動の、または可撓性の、または剛性の、取り付けまたは関係を意味する。「バイアル」は、ガラス瓶、シリンジ、トレー、ウエルプレート、またはその他の容器等の、生成物を保持するのに用いられる任意の容器タイプを意味する。「開発」(development)(またはDFD)または「ソース」(またはSFD)は、転用可能なプロトコルを作るために、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器の分析、作成、およびシミュレーションのために用いられている凍結乾燥器を意味する。「ターゲット」(またはTFD)は、上記転用可能なプロトコルを受容する凍結乾燥器を意味する。「プロトコル」は、棚温度および生成物チャンバの圧力、または、凍結乾燥用途のための作業工程の特定の順序のためのその他の重要なプロセスパラメータを定義する、レシピ(手法)、プロファイル、プロセス、または工程を意味する。「隣接バイアル」(adjacent vial)または「周囲バイアル」(surrounding vial)は、他のバイアルに近接または接触したバイアルを意味する。1つのバイアルに最大で6個の隣接バイアルが存在する、すなわち、1つのバイアルが6個のバイアルに囲まれることが可能である。「中央部バイアル」は、少なくとも外側2列のバイアル、つまり、第1の外環の6個のバイアルと第2の外環の12個のバイアルに囲まれたバイアルを意味する。「端部バイアル」は、外側2列未満のバイアルに囲まれたバイアルを意味する。「端部バイアル効果」は、端部バイアルと中央部バイアルとの間の、凍結乾燥状態の違いを意味する。上記「熱エミュレータ」は、バイアルと近接した温度制御された面(以降、「温度制御面」と呼ぶ)からなり、上記熱エミュレータからバイアルへの伝導の一助としての、「熱導体」あるいはその他の熱伝達装置、熱伝達材料、または熱伝達方法を備えても備えていなくてもよい。上記「熱導体」あるいはその他の熱伝達装置、熱伝達材料、または熱伝達方法は、上記「熱エミュレータ」と一体化されていてもされていなくてもよく、バイアルに接触または近接していてもよい。「バッチ」は、凍結乾燥器内に載置された生成物を意味し、1つ以上のバイアルまたは容器でありうる。「群」(nest)は、共に詰められた19個のバイアルのグループ等の、小バッチの生成物である。
本発明は、小型の開発凍結乾燥器(「DFD」)において、生成物の少量標本(例えば、1個〜37個のバイアル)を用いて、最適化されたプロトコルの開発を可能にするとともにおよびより大きなシステムへの簡単な転用を可能にする凍結乾燥プロトコルを開発するための、設計、装置および方法に関する。上記方法および上記装置は、あらゆるサイズのシステムまたはバッチにも転用可能なプロトコルを開発することを意図し、最低限量の生成物(場合によってはわずか1個〜37個のバイアルまたは生成物容器)を用いて、「ターゲット凍結乾燥器」つまり「TFD」とも呼ばれる、より大きな凍結乾燥器またはバッチの熱伝達状態等の、様々な熱伝達状態をシミュレートする。生成物の少量標本を用いる場合の、より大きなバッチのためのこれらのプロトコルを作成するのに鍵となるのは、棚からの伝導、壁および扉からの放射、ならびにバイアル間または容器間のダイナミクス等の、より大きなバッチにおいて予測される様々な熱源からの熱をシミュレートすることによって、中央部バイアルの状態のシミュレーションおよび端部バイアル効果の排除を行うことである。
大多数の凍結乾燥実験およびプロトコル開発は、大量の生成物および長時間を要する6平方フィート〜10平方フィートの凍結乾燥器内において行われる。新薬の価格が上昇しているため、使用する生成物の量および開発の時間を削減する方法が求められる。上述したように、凍結乾燥プロトコルのシミュレーションは、それぞれ独自の熱伝達特性を有した、3つの主要工程を含む。当該3つの主要工程とは、凍結工程、1次乾燥(昇華)工程、および2次乾燥(脱着)工程である。これらの工程は各々、制御可能である必要がある。小バッチ(例えば、1個〜37個のバイアル)のための凍結乾燥器の開発における初期の試みには、放射およびその他の熱の入力を削減するために、温度制御された壁(温度制御壁)(temperature controlled walls)を伴う実験が含まれていたが、検証の結果、完全に分断された(切り離された)(decoupled)温度制御壁を伴う上記方法からは、大バッチのバイアルのシミュレーションにとって十分な結果は得られないことが示された。
本コンセプトは、様々な状態および状況に適用可能であるが、本明細書においてより詳細に議論される、プロセスシミュレーションにとって重要な2つの領域、つまり、「中央部バイアル」および「端部バイアル」(図1および図2参照)がある。通常、中央部バイアルは、端部バイアルよりも、凍結するのが遅く、乾燥(昇華および脱着)するのも遅い。各中央部バイアルは、少なくとも外側2列のバイアルによって囲まれており、これらのバイアルのうちの6個が隣接している。端部バイアルは、通常、棚上の外側2列〜3列のバイアルである。各端部バイアルは、わずか2個または3個の隣接バイアルを有してもよい。なお、棚に載置されるバイアルが多くなればなるほど、端部バイアルの割合(%)が低くなり、中央部バイアルの割合(%)が高くなる。
本コンセプトの目的は、ターゲットプロトコルの開発に役立てるために使用されうる重要なプロセス情報を収集しつつ、端部バイアル効果の排除およびターゲットバッチのパフォーマンスのできるだけ忠実な模倣により、改良または最適化された凍結乾燥プロファイルの作成を可能にすることによって、最低限量の生成物を用いて強固なまたは最適化されたプロトコルの開発を可能にすることである。より大きなバッチの熱伝達ダイナミクスを効率的にシミュレートできるとともに、上記重要なプロセス情報を収集できる方法および装置が求められる。ある実施形態において、方法および装置は、より大きなバッチまたはTFDにおける中央部バイアルの供される状態に類似する状態を作り出すために、試験に供される端部バイアルに緊密に連結される熱エミュレータを用いることができる(図5および図6参照)。
中央部バイアルの状態を作り出すために、熱エミュレータをバイアルに近接または接触するように設けてもよく、あるいは、熱伝導接触ブロックを用いて上記バイアルと上記熱エミュレータとの間の伝導(熱伝導)を行ってもよい(図5および図6参照)。これにより、中央部バイアルの局所的な熱流をシミュレートするように調整可能な熱流路が形成される。
端部バイアルの状態のシミュレーションは、上記伝導ブロックを用いるかまたは用いずに上記熱エミュレータの温度を制御することにより、端部バイアルが晒される可能性のある放射および対流をシミュレートすることによって、実施されてもよい。さらに、端部バイアルの局所的な状態をより正確にシミュレートするために、囲い(corral)またはその他の格納体(containment)をバイアル群に対して加えてもよい。
別の実施形態において、熱導体は、単一体として上記熱エミュレータと一体化されていてもよい。そして、伝導面は、上記熱エミュレータから様々な距離に位置するバイアルと接触するように調整されていてもよい。
上記熱エミュレータは、コイル管、巻貝型、その他のデザインまたは形状等に設計されうる。上記熱エミュレータは、循環流体、熱電装置、冷媒の直接膨脹、またはその他の冷却/加熱方法を用いて温度制御されてもよい。同様に、上記熱エミュレータは、循環流体、循環気体、熱パッド、または従来技術において既知のその他の加熱方法を用いて、加熱されてもよい。さらに、上記伝導面は、完全反射から黒体にわたる、様々な放射特性を有するように設計されてもよい。
上記熱導体は、ホウ珪酸ガラス、伝導性ペースト、液体によって満たされた容器、金属、セラミック、またはプラスチック等の任意の好適な材料から構成されうる。上記熱導体は、バイアルへの良好な接触または近接を確実なものとするために、滑りばめ(snug fit)を提供するように、あるいはバネ荷重機能またはその他の方法を有するように設計されてもよい。上記熱導体は、バイアルおよび上記熱エミュレータに対し、近接するか、1点または複数の点において接触するか、あるいは密接するように、設計されうる。さらに、上記伝導面は、完全反射から黒体にわたる、様々な放射特性を有するように設計されてもよい。
上記熱エミュレータは、プログラム化された工程によって制御されるか、または、生成物の温度を動的に追跡できるよう制御されてよい。それゆえ、上記熱エミュレータは、中央部バイアルであれ端部バイアルであれ、測定された任意のバイアルにおける温度または熱流の変動、あるいはバイアル壁等のその他の任意のターゲット温度を模倣することができる。
上記装置のさらなる改良点は、生成物チャンバと凝縮器との間の圧力差(差圧)を制御して、より大きなバッチ製造の凍結乾燥器の状態をシミュレートする能力である。図9に示すように、比例弁が、生成物チャンバと凝縮器との間において蒸気口に設けられている。上記比例弁は、制限を生じさせるように、ひいては2つのチャンバ間に圧力差を生じさせるように、調整されうる。
上記装置は、任意の制御された核形成方法、または凍結プロセスを最適化するのに役立つ他の凍結方法を備えうる。つまり、上記装置は、「マノメータ温度測定」(manometric temperature measurement)、熱流束測定および制御、波長可変レーザーダイオード質量流量計測、または近赤外線乾燥度測定等の重要なプロセスパラメータを測定、監視および制御する方法を備えうる。
これらの技術を組み合わせることにより、上記プロセスの分析および制御に必要な、ひいてはバイアルの熱伝導率等の重要なプロセスパラメータの決定ならびに非常に小さなバッチのバイアルを用いた改良プロトコルの開発に必要な手段が提供される。これらの利点は、限定されるが、以下を含む:
・中央部バイアルまたは端部バイアル、あるいはより大きなバッチまたはTFDにおいてバイアルの供される他の状態を、シミュレートする能力;
・プロトコル開発に必要な生成物のコストを最小化するための最小標本サイズ;
・プロトコルの開発の簡略化および促進;
・パイロット規模の凍結乾燥システムおよび製造規模の凍結乾燥システムにおける問題等の、より大きなバッチで起こる処理上の問題を解決するために使用可能;
・凍結、1次乾燥、および2次乾燥を含む、凍結乾燥のあらゆる段階で機能することから、完全に最適化された凍結乾燥プロトコルの作成を実現;
・ロバスト性が高いプロトコルを開発するのに使用可能なだけでなく、適切な凍結および乾燥時間の削減のための条件を決定することによってプロトコルを最適化するのにも使用可能;
・重要なプロセスパラメータを測定するのに使用可能であることから、より大きなバッチまたはTFDへの改良プロトコルの転用を実現;
・作業コストの削減;
・省スペース化。
<先行実験:付表A>
小型の凍結乾燥器における、バイアルから完全に切り離された、温度制御されたチャンバ壁を用いた先行実験の結果、放射源からの熱伝達は減少したが、別の熱源からの熱流の割合は、より大きなシステムのようには均衡がとれず、乾燥時間も予想以上に引き続き短いままであった。それゆえ、上記実験は、より大きなシステムを十分にシミュレートしていなかった。壁温を下げて壁面の放射率を低下させた実験では、プロセスに対してわずかな影響を与えるだけであった。
<付表>
(a.実験1):壁温が−40℃である小型の凍結乾燥器における昇華の均一性を示す;
(b.実験2):壁温が−40℃である小型の凍結乾燥器における昇華の均一性と、放射を排除するための断熱例とを示す;
(c.表1):熱エミュレータを用いず、様々なバッチサイズおよび様々な端部状態で行われた同一の凍結乾燥プロトコルの1次乾燥時間を示す;
(d.実験3):温度制御壁の温度を、バイアル群のうちの外側列のバイアルへと伝導する場合の、向上した昇華の均一性を示す;
(e.実験4):バイアル群のうちの外側列のバイアルに接触または近接した熱エミュレータおよび熱導体を用いた、さらに向上した昇華の均一性を示す。
これらの不成功に終わった実験の分析後、本願の発明者は、バッチサイズに基づいた別の影響があるに違いないという結論に達した。全く同じ凍結乾燥プロセスが、小型の凍結乾燥器および実験室規模の凍結乾燥器において行われ、その結果、小型のシステムにおいて大きな放射源が存在するか、または、大きい方のバッチにおいて冷却要因が存在することが示された。壁温を下げ、放射を防止する壁からバイアルを遮断した上記小型の凍結乾燥器において実験を行ったが、この場合もやはり結果は満足のいくものではなかった。
<結論>:小バッチ(例えば、1個〜37個のバイアル)を処理する場合の乾燥時間の短縮は、しばしば端部バイアル効果と呼ばれるが、これは、温面からの放射の結果というよりも、昇華中の隣接バイアルからの冷却がなくなることの結果である。氷の状態を蒸気へと変化させる昇華は、大量のエネルギーを吸収し、昇華中のバイアルの温度を下げる。昇華は、吸熱を伴うことから冷却プロセスであり、中央部バイアルは、互いに冷却効果を及ぼす2列以上のバイアルに囲まれている。そのため、中央部バイアルは、端部バイアルよりも低い壁温を有する。上記隣接バイアルの昇華は、上記中央部バイアルが利用可能なエネルギーを著しく低減し、上記中央部バイアルの壁温を下げ、その結果、上記中央部バイアルの昇華速度の低下、ひいては上記中央部バイアルの1次乾燥時間の増加が生じる。
<昇華速度の実験>:昇華速度の差が冷却効果を有する隣接バイアルによるものであるという理論を検証するために、小型の凍結乾燥器におけるチャンバの壁を外側のバイアルに緊密に連結し、当該壁を冷却し、昇華中のバイアルが生じさせる温度をシミュレートした。
19個のバイアルからなる群における各バイアルの昇華速度を、熱導体を加える前後に測定した。当該熱導体を加えた結果、乾燥速度が著しく低下し(乾燥時間が長くなり)、上記19個のバイアルからなるバッチ全体における昇華の均一性が向上した。
実験1は、冷却壁が完全に切り離された状態での昇華の均一性を示す。
実験2は、19個のバイアルからなる群を絶縁(断熱)することによって放射を排除する試みの結果を示す。
実験3は、上記壁を連結した結果を示す。
実験4は、外側バイアルつまり端部バイアルの緊密な連結および温度制御を可能にするための、温度制御された上記チャンバに加えられたコイル、ならびに当該コイルと上記バイアルとの間に設けられた熱導体を示す。その結果、昇華速度の均一化が著しく向上した。さらに、1次乾燥時間は、実験室規模の(Revo(登録商標))凍結乾燥器におけるぎっしり詰まったトレーの1次乾燥時間に非常に類似していた。
<プロトコルの開発>
プロトコルの開発は、凍結乾燥プロセスの各モードである凍結工程、1次乾燥工程、および2次乾燥工程において、中央部バイアルまたは端部バイアルの状態をシミュレートすることによって行うことができる。以下は、使用されうる様々なプロセスの例である。凍結方法は、1次乾燥を妨害または促進しうる氷晶構造を形成する。そのため、オペレータは、複数の凍結方法を比較して、凍結方法の最適化を図ってもよい。いくつかの作業方法を以下に記載するが、これらは、様々な作業方法を説明することを意図しており、限定された範囲を規定することを目的としていない。
<1)凍結工程>:
これらの方法の各々は、バイアル群のうちの外側バイアルの壁温を制御することによって、中央部バイアルまたは端部バイアルをシミュレートして行うことができる:
a)棚温度を、一連の勾配(ランプ)(ramp)および保持(hold)をなすように制御する;
i)熱エミュレータの温度を、プログラム化された工程によって調整する;
ii)1個のバイアルまたは数個のバイアルの平均の、測定された生成物の温度を追跡する(トラッキングする)ことによって、熱エミュレータの温度を調整する;
iii)1個のバイアルまたは複数のバイアルの平均の、壁温を追跡することによって、棚温度を調整する;
b)「a)」と同じであり、かつ、アニール工程を伴う;
c)「a)」と同じであり、かつ、制御された核形成事象を伴う;
d)「c)」と同じであり、かつ、核形成後の熱流に基づいて棚温度を制御する;
e)熱流に基づいて棚温度を低下させる;
i)熱エミュレータの温度を、プログラム化された工程によって調整する;
ii)1個のバイアルまたは数個のバイアルの平均の、測定された生成物の温度を追跡することによって、熱エミュレータの温度を調整する;
iii)1個のバイアルまたは複数のバイアルの平均の、壁温を追跡することによって、棚温度を調整する;
f)「e)」と同じであり、かつ、制御された核形成事象を伴う。
<2)1次乾燥工程および2次乾燥工程>:
以下の方法の各々は、近接または接触した熱エミュレータを用いて、バイアル群のうちの外側バイアルの壁温を制御することによって、中央部バイアル、端部バイアル、またはその他のバイアルの状態をシミュレートしながら行うことができる。
a)上記#2を用いて、中央部バイアル、端部バイアル、またはその他のバイアルの状態をシミュレートし、熱エミュレータの温度を、ユーザにより入力されたプログラムシーケンスになるように調整する;
b)熱電対またはその他の温度測定装置がバイアル内に設けられる場合、それらを、棚温度の調整により生成物の温度を制御するためのフィードバックとして用いることができる;
c)上記「b)」を用いて、臨界温度を少し下回るように生成物の温度を維持する;
d)上記「b)」または上記「c)」を用いて、生成物の温度変動に基づいて熱エミュレータの温度を自動的に調整する;
e)上記#2を用いて、中央部バイアル、端部バイアル、またはその他のバイアルの状態をシミュレートし、熱流束の監視および制御を利用してTFDシステムに類似した結果を生じさせる;
f)上記「e)」を用いるとともに、生成物の温度制御を加えて、臨界温度を少し下回るように生成物の温度を維持する;
i)方法「f」において、熱電対、あるいはその他の温度測定装置または方法を用いる;
ii)方法「f」において、熱流束センサを用いて生成物の温度を計算する:
Figure 2018530731
(a)TshelfおよびdQ/dtは測定され、Kvは用途に特有の定数である。
(i)Tb=生成物の温度(生成物温度):℃(C)
(ii)Tshelf…棚面の温度:℃
(iii)Kv…バイアルの熱伝導率:W/平方メートル度(sqM℃)
(iv)dQ/dt:ワット(W)
(v)Av…バイアルの面積:平方メートル(sqM)
(vi)HF…熱流束:ワット/平方メートル(W/SQM)
以下の方法は、使用されうる様々な構成の例である。動作の範囲を限定する意図はなく、単に使用例を提供することを目的としている。
<方法1:基本的な中央部バイアルシミュレーション>
熱エミュレータを外側バイアルに適用し、当該熱エミュレータの温度を手動または自動で制御して端部バイアル効果を排除し、それにより中央部バイアルをシミュレートする。凍結中、上記熱エミュレータは、上記外側バイアルが晒される可能性のある外部状態をシミュレートしてもよい。1次乾燥中、端部バイアルの壁温が低下し、それによって昇華速度が低下し、より大きなバッチの生成物が模倣される。
<方法2:生成物温度の制御を伴う中央部バイアルシミュレーション>
生成物温度に基づいて棚面の温度をさらに制御して生成物の特定の温度を維持することによって、方法1を改良する。
<方法3:改良された中央部バイアルシミュレーション>
熱流およびその他の重要なプロセスパラメータの測定によって方法2を改良することにより、凍結および乾燥における熱伝達ダイナミクスに対する洞察が得られる。データを用いて、プロトコルを開発、改良および転用するための重要なプロセスパラメータを決定する。あるいは、当該データは、より大きなバッチまたはより大きな凍結乾燥器から収集された類似データと比較されてもよい。バイアルの熱伝導率(Kv)、生成物温度(Tb)、熱流(dQ/dt)、および質量流量(マスフロー)(dM/dt)等の重要なプロセス情報を集めることができ、また、生成物のケーキ抵抗(ケーク抵抗)(cake resistance)(Rp)等の、その他の重要なプロセスパラメータを計算することができる。
<方法4:閉ループ制御による中央部バイアルシミュレーション>
方法3を改良し、熱流およびその他の重要なプロセスパラメータを測定および制御することにより、改良された氷晶形成のための、所定の熱流速度、プログラム化された熱流速度、または計算された熱流速度での凍結プロセスの制御等の、最適化されたプロセス結果のためのプロセスの閉ループ制御が行われる。1次乾燥および2次乾燥の両方もまた、所定の熱流、プログラム化された熱流、または計算された熱流となるように制御された熱流を用いて制御されうる。
<方法5:生成物温度の制御を伴う閉ループ制御による中央部バイアルシミュレーション>
方法4を改良し、生成物温度の測定または計算、ならびに棚温度の制御をさらに行うことにより、生成物温度を、所定のレベルに、または出来るだけ臨界温度に近い温度に維持する。当該方法を用いて、1次乾燥プロセスを最適化し、その結果、総プロセス時間を削減できる。
<方法6:熱接触を伴わない端部バイアルシミュレーション>
熱導体を取り除くことにより端部バイアルをシミュレートすることができ、それによって、ユーザは、極端な端部条件下における凍結乾燥プロセスの影響をより良く理解することができる。一例として、熱接触がなく、棚温度よりも高い温度を有する熱エミュレータが設けられた、19個のバイアルからなるバイアル群(19 vial stack)では、放射が増え、乾燥時間が短くなる。また、外側2列のバイアルは、大バッチの端部バイアルに非常に類似するであろう。
<方法7:熱接触を伴う端部バイアルシミュレーション>
適所に熱導体が設けられた端部バイアルをシミュレートすること、および当該熱導体の温度が高温になるよう制御することによって、ユーザは、極端な端部条件下における凍結乾燥プロセスの影響をより良く理解することができる。一例として、棚温度よりも高い温度を有する熱エミュレータに接触した、19個のバイアルからなるバイアル群では、バイアルの壁温が高くなり、乾燥時間が短くなる。また、外側2列のバイアルは、大バッチの端部バイアルに非常に類似するであろう。
従来の凍結乾燥プロセス制御は、生成物温度からのフィードバックがなく、熱伝達流体温度を、棚上のバイアル群(shelf stack)に流入する地点から制御することができるのみであり、非効率的な棚温度の開ループ制御である。入口における流体の温度は一定のままであるが、生成物の積載量の違い(つまり、生成物またはバイアルの量、サイズ、および充填量)および機器構成(つまり、棚構成、流体ポンプのサイズおよび流速等)によって、棚面の実際の温度は変動する。そのため、バッチ全体の生成物温度は変動しうる。さらに、熱伝達係数は、真空レベルおよびバイアルとともに変化する。このことは、入口における棚温度が同じであっても、生成物温度が異なり、それにより凍結結果および乾燥結果が異なりうるということを意味する。
熱電対または他の温度測定装置がバイアルに設けられる場合、それらは、棚温度を調整することによって生成物温度を制御するためのフィードバックとして用いられうる。通常、生成物温度は臨界温度または崩壊温度よりも低く制御されるが、生成物温度が崩壊温度よりも高く制御される場合もある。
熱エミュレータにより、様々な凍結乾燥バッチ状態をシミュレートすることができ、それにより、研究およびプロセスの最適化に小バッチの生成物を用いることができる。プロセスをさらに改良するために、ユーザにより入力された工程によって熱エミュレータを制御してもよく、あるいは、生成物温度に基づいて閉ループ制御によって温度を動的に調整してもよい。生成物温度を追跡することの独自の利点は、当該追跡が、隣接バイアルにより通常もたらされる状態をシミュレートするということである。追跡温度は、生成物温度、バイアルの壁温と同一であってもよく、あるいは、オフセットを用いて様々な動作状態をシミュレートしてもよい。
熱エミュレータ装置は、小バッチでのプロトコルの開発を可能にする任意の既存の凍結乾燥器に収まるように構成することができる。当該装置は、単純に棚上に載置される。当該装置は、同一の熱制御能力を有し、バイアル群における外側バイアルの熱状態を制御することができる(図10および図11)。
熱エミュレータのコンセプトは、任意の凍結乾燥器における端部バイアルの熱状態の制御に用いられうる。当該凍結乾燥器においては、流体によって満たされた管あるいはその他の加熱または冷却コンセプト等の熱エミュレータが、上記端部バイアルに接触または近接して設けられ(図5および図6)、当該熱エミュレータは、中央部バイアルの生成物温度またはその他の状態をシミュレートするように温度制御される。
<小型の開発凍結乾燥器における小バッチの生成物を用いたプロセス開発のための、熱エミュレータ装置および方法>
小バッチのバイアルに熱エミュレータを用いて、より大きなシステムの熱伝達ダイナミクスをシミュレートする小型の専用凍結乾燥器からなる装置。効果的な熱エミュレータ装置への鍵となるのは、凍結乾燥プロセスにおいてバイアルのダイナミクスをシミュレートするために、十分な熱伝達経路と温度制御または熱流制御の方法とを開発することである。上記熱エミュレータ装置は、温度を急速に変動させてプロセスのダイナミクスを模倣できる一方で、例えば−80℃〜+105℃の広範囲にわたって温度を制御できなければならない。
熱エミュレーション法のいくつかの例として、限定されないが、以下のものが挙げられる;
(i)凍結乾燥チャンバ壁の温度制御:
・当該壁は、上記バイアルに密接または近接し;
・当該壁は、独立した導体を用いて熱を上記バイアルに伝達する;
(ii)チャンバ壁から独立しており、上記バイアルに対して温度制御または熱流制御を行う、コイル、プレートまたはその他の装置等の、熱エミュレータ面:
・当該制御は、上記熱エミュレータ面が上記バイアルに直接接触するかまたは近接することにより行われる;
・あるいは、当該制御は、独立した熱導体を用いて熱を上記バイアルに伝達することにより行われる。
必要な温度および熱流を生じさせる方法は様々であってよく、当該方法は、限定されないが、温度制御面内での以下の冷却および加熱方法の任意の組み合わせを含んでもよい;
(i)以下を用いた冷却:
・コイル、プレート、またはその他の構成内の流動液体;
・コイル、プレート、またはその他の構成内における冷媒の直接膨脹;
・熱電装置;
・LN2または低温窒素;
・冷却された強制空気;
・CO2、または;
・または、その他の冷却方法;
(ii)以下を用いた加熱:
・コイル、プレート、壁、またはその他の構成内の流動液体;
・高電圧または低電圧の抵抗発熱体;
・熱電装置;
・高温ガス;
・強制熱風;
・または、その他の適切な方法。
上記温度制御面(熱エミュレータ)は上記バイアルに対し、1点において接触しても、複数点において接触しても、密接に面接触しても、あるいは近接してもよい。
上記熱導体は、多数の材料から構成されてもよく、あるいは、銅、ステンレス鋼、セラミック、ガラス、伝熱ゴム(conductive rubber)、およびその他の適切な材料を含むがこれらに限定されない諸材料の組み合わせから構成されてもよい。
熱伝導面は、上記温度制御面および上記バイアルと密接するように伸縮可能な可撓性膜から構成されてもよい。当該可撓性膜は、温度制御された熱伝導流体によって満たされてもよい。
上記熱エミュレータと上記熱導体と上記バイアルとの間の最良の熱接触を確実なものとするために、バネによる荷重方法(a method of spring loading)を用いてもよい。
上記熱エミュレータおよび上記熱導体は、使用上の要求を満たす任意の形状を有しうる。上記熱エミュレータおよび上記熱導体の高さは、上記バイアルにおける生成物の高さ、または使用に適すると判断される他の高さをシミュレートするように変更されうる。
上記熱エミュレータと温度源との接触は、熱ペースト、Chomerics製ゴム(Chomeric rubber)、封入ペースト、封入流体、接着剤、エポキシ樹脂、はんだ、またはその他の適切な材料を含むがこれらに限定されない適切な熱伝導材料を用いて、強化されうる。別の接触方法として、上記温度制御面と熱導体ブロックとの間に可撓性膜が使用される。
上記温度制御面は、固定面、または、全反射から黒体にわたる選択された放射率を有するように変更されうる可変面を有してもよい。
上記熱エミュレータは、凍結乾燥中の材料の温度変化をシミュレートするために、上面と底面との間に温度勾配を生じさせる能力を有していてもよい。当該装置の一例として、上記上面の温度を上げるためにヒータを上記上面に加えることにより、乾燥生成物対凍結生成物に類似する温度勾配をシミュレートする。
上記熱エミュレータの温度は、限定されないが、以下のいずれかを用いて制御できる:
(i)プログラム化されたレシピまたはプロトコル:
(ii)処理中の上記バイアルのうちの1つ以上からの生成物温度のフィードバック:
・熱電対;
・ワイヤレス温度センサ;
・または、その他の温度検出装置;
(iii)上記バイアルの下方または付近の熱流束センサからのフィードバック:
(iv)熱流束測定によって判定された生成物温度のフィードバック:
(v)TDLAS等の質量流量センサによって算出された生成物温度のフィードバック
(vi)マノメータ温度測定に基づいた生成物温度からのフィードバック:
(vii)生成物温度を判定するその他の方法からのフィードバック。
上記装置は、重要なデータを取得しプロセスを制御するために、当該プロセスを監視および制御する装置および方法を追加することによって、さらに改良および強化されてもよい。追加されうる機器の種類の例としては、以下のものが挙げられる。
・熱流、生成物温度、および他の重要なプロセスパラメータを決定するための熱流束センサ(特許第9121637号)。一部のコンセプトには、限定されないが、以下が含まれる:
・生成物温度の決定;
・氷晶の成長のための熱流制御;
・過冷却の終了;
・凍結の終了;
・1次乾燥の終了;
・2次乾燥の終了;
・プロセス分析。
<熱流束センサ>
熱流束を測定する一方法は、単位面積当たりの単位時間当たりのエネルギー換算で、面または界面を介した熱伝達の正確な直読値を得るように設計された面熱流束センサを用いることである。熱流束監視システムは、以前は利用できなかった凍結乾燥器に関するデータを提供する。棚とバイアルとの間の単一のセンサ、または複数の熱流束センサを用いることができる。例えば、これらのセンサは、棚とバイアルとの間、生成物の上方の放射面、バイアル上、生成物を囲む壁上、凝縮路等に設けることができる。複数のセンサによって、プロセス全体に関するより多くの情報が提供される。
熱流を測定することにより、氷晶成長プロセスを監視および制御することができる。この方法により、生成物温度が変化しない相転移事象中に棚温度を制御することができる。任意の好適な種類の熱流束センサが使用されうる。説明のための例示として、熱キャパシタンスおよび熱インピーダンスの低い熱流束センサが、この種の用途に適している。
本特許出願に関して、DFDとTFDとの間のあらゆる差異の判定に利用されるべく熱流が監視される一方で、標準的な凍結プロファイルを用いることができる。熱流束センサは、様々な方法で実装されうる。例えば、棚面上、棚面内部、バイアル上、およびその他の面に実装されうる。監視および制御のための搭載場所は、棚に限定されない。上記熱流束センサは、凍結乾燥装置の、バイアルまたは大量の生成物に近い壁または他の面に搭載されてもよく、著しい熱伝達効果をプロセスに及ぼしてもよい。
上記熱流束監視システムは、スタンドアローン(独立型)モードで作動することができ、2つの凍結乾燥器を比較する。あるいは、上記熱流束監視システムは、さらなる自動化およびデータ取得のために、凍結乾燥器制御システムとインターフェースで接続することができる。
上記DFDの目的は、より大きな凍結乾燥器の熱流特性をシミュレートすることである。そのため、ターゲットシステムを測定し、上記DFDを制御する方法が必要である。熱流束センサを用いて、棚およびその他の熱源を介してバイアルに流入する熱流の割合を同定することができる。これにより、上記TFDの特徴が明らかになり、当該TFDを上記DFDにおいてシミュレートすることが可能になる。さらに、熱流束センサを用いることにとって、Kv、質量流量、生成物のケーク抵抗等の、他の重要なプロセスパラメータを測定および計算することができる。
熱流束監視システムの使用により、温度を介した従来のプロセス測定の欠点を克服する方法がもたらされる。棚と生成物と他の熱源との間の熱流束測定に基づいた熱流束監視システムこそが、最適化および改良されたプロファイルを作成するにあたって欠けていた要素である。
従来の凍結乾燥プロセス制御は、生成物温度からのフィードバックが限定されているため、また、棚上のバイアル群に流入する地点からの熱伝達流体温度を制御することができるのみであるため、非効率的な開ループ制御である。入口における流体の温度は一定のままであるが、生成物の積載量の違い(つまり、生成物またはバイアルの量、サイズ、および充填量)および機器構成(つまり、棚構成、流体ポンプのサイズおよび流速等)によって、棚面の実際の温度は変動する。さらに、熱伝達係数は、真空レベルおよびバイアルとともに変化する。このことは、入口における棚温度が同じであっても、生成物温度が異なり、それにより凍結結果および乾燥結果が異なりうるということを意味する。
熱電対または他の温度測定装置がバイアルに設けられる場合、それらは、棚温度を調整することによって生成物温度を制御するためのフィードバックとして用いることができる。
<重要なプロセスパラメータ(図18)>
重要なプロセスパラメータ(Critical Process Parameter)(「CPP」)は、限定されないが、以下を含む:
・棚温度プロファイル…Ts;
・熱流…dQ/dt;
・バイアル熱伝達係数(vial heat transfer coefficient)…Kv;
・質量流量…dM/dt;
・昇華前線温度(sublimation front temperature);
・生成物温度…Tp;
・生成物のケーク抵抗…Rp。
熱流束センサは、インプロセスにおける単位面積当たりの熱流についての情報を提供する。この情報を用いて、一連の計算を行い、凍結乾燥プロセスの制御のための重要な情報を提供することができる。バイアル熱伝達係数(K)、質量流量(dM/dt)、および生成物の抵抗(R)を含む3つの重要なパラメータを測定することができる。一般的な「事後の」(after-the-fact)熱電対の開ループ制御フィードバックを用いる代わりに、上記一連の計算によってプロセスパラメータを予測することができる。これにより、熱流束に基づいた制御が真のプロセス分析ツールとなる。Kvを測定すればバイアル底部の生成物温度(T)を計算することができるため、生成物温度を監視するための侵襲式の(invasive)熱電対を設ける必要はなくなる。
<熱流束技術を用いた開発シナリオ>
以下のシナリオに関連した以下の方法が作成されうる。当該シナリオとは、凍結プロファイル、1次乾燥プロファイル、および2次乾燥プロファイルである。DFDにとってロバスト性が高くかつ効率的である、基本的な最適化された凍結乾燥プロセスプロファイルを開発することもできる。プロセスデータは、用いられる熱伝達特性とともに収集および保存されうる。上記プロファイルを転用するために、ターゲットシステムの重要な熱伝達特性が初めに同定される。その後、変換プログラムを用いて、基本開発サイクルをターゲットシステムの棚温度プロファイルまたは熱流プロファイルに変換すればよい。
そして、TFDは、重要なプロセスパラメータに基づいて上記プロファイルを実行することができる。当該実行には、センサからのフィードバックを伴わなくともよく、または、適切な動作を確証するための熱流監視システムからのフィードバックを伴ってもよい。
品質管理のために、輸送または移動中に、受容不感帯(アクセプタンスデッドバンド)(acceptance dead-band)を設けることができる。熱流のインプロセス測定を行うことができるターゲットシステムについては、機器性能の変化またはその他のプロセス変化を補償するための調整を行うことができる。
ターゲットシステム熱伝達特性(ターゲットシステムの熱伝達特性)は、様々な凍結乾燥器の動作をシミュレートするように制御システムと一体化された熱流測定システムを有する開発システムのための重要なプロセスパラメータとして用いられうる。
熱流束方法による別の利点は、テストラン(試運転)を終えるために必要な生成物標本は、当該標本がセンサの領域を覆うことができる限り、わずかであるということである。波長可変ダイオードレーザー吸収分光法(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy,TDLAS)のような他の方法は、正確な測定を行うのに十分な蒸気流を発生させるためには、はるかに多くの標本を必要とする。熱流束監視システムの使用は、プロセスを「設計による品質(Quality by Design,QbD)」により特徴づけることを可能にし、プロセス分析技術(Process Analytical Technology,PAT)として機能する。
<質量流量を測定するための波長可変レーザーダイオードシステム>
温度制御された導体のコンセプトを用いて、液体によって満たされた管あるいはその他の加熱または冷却コンセプト等の温度制御面が端部バイアルに対して接触または近接して設けられた凍結乾燥器において、端部バイアル効果を排除してもよい。
<マノメータ温度測定を行って、熱電対を用いずに生成物温度を測定してもよい>
・生成物温度の判定;
・1次乾燥の終了。
様々な凍結プロファイルならびに当該凍結プロファイルの1次乾燥に対する影響をユーザが検証することができるように、制御された核形成の装置および方法を上記システムに加えることができる。熱エミュレータを用いて核形成後の凍結を制御することができる、制御された核形成により、凍結プロセスを完全に制御することができる。以下を含むがこれらに限定されない、制御された核形成の任意の方法が用いられうる:
・ミルロックテクノロジー社の、加圧による、氷霧および強制氷晶の制御された核形成(特許第8839528号および特許第8875413号);
・その他の氷霧技術;
・その他の強制氷晶技術;
・減圧;
・振動;
・その他の方法。
凍結プロセス、1次乾燥プロセス、および2次乾燥プロセスを検証および改良することによって、プロセスの最適化を行うことができる。可能な方法のうち、全てではないが一部には、以下が含まれる。
最適な氷晶形成および構造のための凍結プロセスの制御。通常、凍結には単純な勾配および保持が用いられるが、当該方法によっては、1次乾燥および2次乾燥のための最適な氷晶構造が形成されない。核形成後の熱流制御と組み合わされた、制御された核形成の方法を用いることによって、最も一貫性のある、最も1次乾燥に配慮した構造が得られる。このようにして、効率的かつロバスト性が高い1次乾燥の基礎が築かれる。
1次乾燥中、生成物温度を生成物の臨界温度よりも少し低く保つことによって、最も短く、かつ最も効果的なプロセスが作成される。サイクル全体にわたって棚温度またはチャンバ圧力を動的に調整する方法を行うことができる。限定されないが、以下のような技術を用いてもよい:
・生成物温度を判定および制御するために、ミルロックテクノロジー社製のAutoDry(特許第8434240号)を用いてもよい;
・生成物温度の判定、ならびに、プロセスを改良し当該プロセスを別の凍結乾燥器に転用するための重要なプロセスパラメータ情報の提供を行うために、ミルロックテクノロジー社製のAccuFlux(登録商標)およびLyoPAT(登録商標)の技術(特許第9121637号)を用いてもよい;
・生成物温度を判定するために、マノメータ温度測定を行ってもよい。
上記装置を改良するために、生成物チャンバと凝縮器との間の圧力差を制御する方法により、ユーザは、製造規模における凍結乾燥器のダイナミクスをシミュレートすることができる。上記圧力差を調整する方法は、限定されないが、以下を含む:
・生成物チャンバと凝縮器との間の蝶形比例弁;
・生成物チャンバと凝縮器との間の調整可能なボール弁;
・生成物チャンバと凝縮器との間のアイリス型開口;
・および、生成物チャンバと凝縮器との間の流れ(流量)を制限しうる、その他の真空制御方法。
<凍結乾燥器における小バッチの生成物を用いたプロセス開発のための熱エミュレータ(図10および図11)>
1個〜37個のバイアル等の少量の生成物を用いて、より大きなバッチをシミュレーションすることができるように、装置および方法を実験室規模の凍結乾燥器および製造規模の凍結乾燥器に適用してもよい。
上記装置は、バイアルに直接接触するかまたは近接した、熱エミュレータアセンブリを備える。あるいは、上記装置は、バイアルおよび熱エミュレータに直接接触するかまたは近接した、熱導体を使用する。上記熱エミュレータは、凍結乾燥器の棚上に載置されてもよく、あるいは、適切な動作が可能なようにシステムに加えられてもよい。
上記装置は、利用可能なポートまたは前扉(フロントドア)を介した接続を用いて凍結乾燥器に加えられる。上記装置は、スタンドアローンシステムとして実装されてもよく、または凍結乾燥器制御システムおよび機械システムと一体化されてもよい。
上記装置は、前述した小型の開発凍結乾燥器と全く同じ特性および性能を有する。
<凍結乾燥器用の端部バイアル排除装置(図13および図14)>
実験室規模、パイロット規模、または製造規模の凍結乾燥器において一群のバイアルを囲む熱エミュレータからなる装置。上記熱エミュレータは、「端部バイアル」効果を排除するのに用いられる。当該端部バイアル効果においては、通常、外側2列のバイアルが中央部バイアルよりも速く乾燥し、それにより処理が異なってしまう。効果的な熱エミュレータ装置への鍵となるのは、凍結乾燥プロセスにおけるバイアルのダイナミクスをシミュレートするために、十分な熱伝達経路と温度または熱流を制御する方法とを開発することである。上記装置は、温度を急速に変動させて上記プロセスを模倣できる一方で、例えば−80℃〜+105℃の広範囲にわたって温度を制御できなければならない。
熱エミュレーション法のいくつかの例として、限定されないが、熱エミュレータ面が含まれる。当該熱エミュレータ面は、例えば、チャンバ壁、コイル、プレート、またはその他の装置である。当該コイル、プレート、またはその他の装置は、上記チャンバ壁から独立しており、かつ、バイアルに直接接触または近接することによって当該バイアルに対する温度制御または熱流制御を実現するか、または独立した熱導体を用いて熱を当該バイアルに伝達する。
必要な温度および熱流を生じさせる方法は様々であってよく、当該方法は、限定されないが、温度制御面内での以下の冷却および加熱方法の任意の組み合わせを含んでもよい:
(i)以下を用いた冷却:
・コイル、プレート、壁、またはその他の構成内の流動液体;
・コイル、プレート、またはその他の構成内における冷媒の直接膨脹;
・熱電装置;
・LN2または低温窒素;
・冷却された強制空気;
・CO2;
・または、その他の冷却方法;
(ii)以下を用いた加熱:
・コイル、プレート、壁、またはその他の構成内の流動液体;
・高電圧または低電圧の抵抗発熱体;
・熱電装置;
・高温ガス;
・強制熱風;
・または、その他の適切な方法。
上記温度制御面(熱エミュレータ)または熱導体は、バイアルに対し、1点において接触しても、複数点において接触しても、密接に面接触しても、あるいは近接してもよい。
上記熱エミュレータは、上記バイアルまたは凍結乾燥される材料が載置される囲いまたはトレーに直接接触してもよい。
熱伝導面は、多数の材料から構成されてもよく、あるいは、銅、ステンレス鋼、セラミック、ガラス、伝熱ゴム、またはその他の適切な材料を含むがこれらに限定されない諸材料の組み合わせから構成されてもよい。
上記熱エミュレータおよび上記熱導体は、使用上の要求を満たす任意の形状を有しうる。上記熱エミュレータおよび上記熱導体の高さは、上記バイアルにおける生成物の高さ、または使用に適すると判断される他の高さをシミュレートするように変更されうる。
上記熱エミュレータと温度源との接触は、熱ペースト、熱伝達可能なゴム、封入ペースト、封入流体、接着剤、エポキシ樹脂、はんだ、またはその他の適切な材料を含むがこれらに限定されない適切な熱伝導材料を用いて、強化(促進)されうる。
上記温度制御面は、固定面、または、全反射から黒体にわたる選択された放射率を有するように変更されうる可変面を有してもよい。
上記熱エミュレータは、凍結乾燥中の材料の温度変化をシミュレートするために、上面と底面との間に温度勾配を生じさせることができてもよい。当該装置の一例として、上記上面の温度を上げるためにヒータを上記上面に加えることにより、乾燥生成物対凍結生成物に類似する温度勾配をシミュレートする。
上記熱エミュレータは、凍結乾燥器の棚に設けられてもよく、適切な動作が可能なようにシステムに加えられてもよい。
上記装置は、利用可能なポートまたは前扉を介した接続を用いて凍結乾燥器に加えられる。上記装置は、独立システムとして作動されてもよく、または凍結乾燥器制御システムおよび機械システムと一体化されてもよい。
上記熱エミュレータの温度は、限定されないが、以下のいずれかを用いて制御することができる:
(i)プログラム化されたレシピまたはプロトコル:
(ii)処理中の上記バイアルのうちの1つ以上からの生成物温度のフィードバック:
・熱電対;
・ワイヤレス温度センサ;
・または、その他の温度検出装置;
(iii)上記バイアルの下方または近くの熱流束センサからのフィードバック:
(iv)熱流束測定から判定された生成物温度のフィードバック:
(v)TDLAS等の質量流量センサから計算された生成物温度のフィードバック:
(vi)マノメータ温度測定に基づいた生成物温度からのフィードバック:
(vii)生成物温度を判定するその他の方法からのフィードバック。
<液体によって満たされた容器の使用による、端部バイアル効果の最小化または排除(図15および図16)>
限定的に用いられうる独自のコンセプトは、バイアル群(例えば、1個〜37個のバイアル)を囲む、液体によって満たされた容器である。当該容器は、上記バイアルと密接するか近接する。上記容器は、上記バイアル内の材料の特性に類似した特性を有する流体によって満たされるので、上記容器内の流体は、上記バイアル内の上記材料と同様に凍結および乾燥し、プロセスの熱伝達ダイナミクスをシミュレートし、任意の凍結乾燥器において使用されうる。
上記容器は、ステンレス鋼、アルミ二ウム、銅、プラスチック、ガラス、その他の金属、またはその他の材料等の、任意の適切な材料を用いて構成されうる。上記容器は、上記バイアル群に適合するように設計および作成されることができ、円形、六角形、矩形、またはその他の形状等の、任意の使いやすい外形を有してもよい。
上記容器は、プロセスの開始時に、上記バイアルを囲むように凍結乾燥器の棚上に載置され、適切な流体によって満たされる。上記容器内の流体は、上記バイアルと同様に凍結および乾燥し、これにより、端部バイアル効果を最小化する。流体の例としては、限定されないが、水、上記バイアル内の生成物と同じ生成物、または偽薬が挙げられる。
外1
Figure 2018530731
外2
Figure 2018530731
外3
Figure 2018530731
外4
Figure 2018530731
外5
Figure 2018530731
「端部バイアル」であるバイアルおよび「中央部バイアル」であるバイアルを示す、トレー内の多数のバイアルの概略的な平面図である。 中央部バイアルおよび端部バイアルを示す、19個のバイアルからなるバイアル群の平面図である。 昇華中のバイアル内の温度プロファイルを示す側面図である。 ターゲット凍結乾燥器をシミュレートする能力を実証するための、開発凍結乾燥器と、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器または実験用凍結乾燥器との温度プロファイルの比較を示すグラフである。 一実施形態に係る開発凍結乾燥器(Development Freeze Dryer)(「DFD」)における上記装置のコンセプトを示す側面図である。 一実施形態に係る開発凍結乾燥器(「DFD」)におけるバイアル群の平面図である。 熱導体が熱エミュレータリングに設けられたスロット内に配置された、凍結乾燥器内部の構成例のモデルである。 熱エミュレータと、液体によって満たされたコイルを備えた熱導体(上記熱エミュレータおよび隣接バイアルに密接している)とを示す写真である。 (i)小型チャンバに配置された熱エミュレータアセンブリと、(ii)生成物チャンバと凝縮器との間に設けられた、両チャンバ間の圧力低下をシミュレートするための隔離弁または比例弁と、(iii)弁およびフィルターを含む、制御された核形成を発生させるのに用いられうる外部凝縮器とを含む小型の凍結乾燥器の概略図であり、静電容量マノメータが、上記生成物チャンバ上と上記凝縮器上との両方に位置し、乾燥の終了の決定および他のプロセス制御状況を行うためのピラニが、上記生成物チャンバ上に位置している。 凍結乾燥器内に設けられた熱エミュレータアセンブリの概略的な側面図である。 より大きな凍結乾燥器内において棚の上に設けられた熱エミュレータアセンブリの概略平面図である。 隣接バイアルとの熱接触を向上させるための可撓性膜を有する熱エミュレータの一部を示す概略平面図である。 端部バイアル効果を排除するために、任意の凍結乾燥器内に設けられうる熱エミュレータの例である。 端部バイアル効果を排除するために、任意の凍結乾燥器内に設けられうる熱エミュレータの例である。 19個のバイアルからなるバイアル群を囲む、液体によって満たされた円形の容器の斜視図である。 19個のバイアルからなるバイアル群を囲む、液体によって満たされた六角形の容器の斜視図である。 本発明のコンセプトを用いて、様々なパラメータを算出する方法を示すブロック図である。

Claims (45)

  1. 複数の中央部バイアルおよび複数の外側端部バイアル内に生成物の小標本を収容する開発凍結乾燥器において、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器における複数の中央部バイアルおよび複数の外側端部バイアル内の生成物の凍結状態および昇華状態をシミュレートするための装置であって、
    上記開発凍結乾燥器における上記複数の外側端部バイアルに近接している、または、当該複数の外側端部バイアルに接続された温度制御面を備え、
    上記温度制御面の温度を変動させることによって、上記ターゲット凍結乾燥器の上記複数の中央部バイアルおよび/または上記複数の外側端部バイアルの上記状態をシミュレートする装置。
  2. 上記温度制御面は、
    熱導体によって上記複数の外側端部バイアルに接続されている、または、
    上記複数の外側端部バイアルに近接している、請求項1に記載の装置。
  3. 上記熱導体は、熱伝導材料によって形成されている、請求項2に記載の装置。
  4. 上記熱導体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、セラミック、ペースト、ホウ珪酸ガラス、および/または伝熱ゴムによって形成されている、請求項3に記載の装置。
  5. ここで、上記熱導体は、上記複数の端部バイアルまたは上記複数の中央部バイアルに密接するように伸縮可能な可撓性膜である、請求項2に記載の装置。
  6. 上記可撓性膜は、温度制御された熱伝導流体によって満たされている、請求項5に記載の装置。
  7. 上記熱導体は、上記複数のバイアルと十分に接触するように調整可能である、請求項3に記載の装置。
  8. 上記温度制御面は、循環流体、冷媒の直接膨脹、ペルチェ装置、強制空気、または強制気体によって制御される、請求項1に記載の装置。
  9. バイアル内に生成物の小標本を収容する開発凍結乾燥器において、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器における複数のバイアル内の生成物の凍結状態および昇華状態をシミュレートするように構成された装置であって、
    温度制御された棚と、
    様々な温度状態および様々な熱伝達状態をシミュレートするように調整可能な温度制御面と、
    熱流束センサと、を備え、
    上記温度制御面は、生成物を収容する少なくとも1つのバイアルに近接している、または、当該バイアルに接続されており、
    上記熱流束センサは、上記温度制御された棚と生成物を収容する少なくとも1つのバイアルとの間の熱伝達を測定および制御する装置。
  10. 熱導体が、(i)上記温度制御面と、(ii)生成物を収容する少なくとも1つのバイアルとに、接触または近接している、請求項9に記載の装置。
  11. 上記熱流束センサは、上記複数のバイアルに向かう熱流を測定および制御するために、上記バイアルと上記熱導体との間の熱経路に設けられている、請求項10に記載の装置。
  12. 上記温度制御面は、循環流体、冷媒の直接膨脹、ペルチェ装置、強制空気、または強制気体によって制御される、請求項9に記載の装置。
  13. 上記接触導体は、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、セラミック、ペースト、ホウ珪酸ガラス、および/または伝熱ゴムによって形成されている、請求項10に記載の装置。
  14. 上記熱導体は、上記複数のバイアルと十分に接触するように調整可能である、請求項10に記載の装置。
  15. 上記熱導体は、上記複数の端部バイアルまたは上記複数の中央部バイアルに密接するように伸縮可能な可撓性膜である、請求項10に記載の装置。
  16. 上記可撓性膜は、温度制御された熱伝導流体によって満たされている、請求項15に記載の装置。
  17. より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器における凍結状態または乾燥状態をシミュレートするために、複数のバイアルの小標本を収容する開発凍結乾燥器において、複数の端部バイラルおよび複数の中央部バイアル内の生成物の凍結中または1次乾燥中における、上記複数の中央部バイアルと比較した場合の上記複数の端部バイアルの不均一性を排除または最小化するための装置であって、
    上記複数のバイアルの温度を制御するために、上記複数の端部バイアルに近接または接触するように配置された温度制御面を備える装置。
  18. 上記温度制御面の温度は、端部バイアルまたは中央部バイアルにおける生成物の温度の検出に応じて制御される、請求項17に記載の装置。
  19. 上記温度制御面は、
    液体によって満たされた管であり、かつ、
    直接冷却、再循環流体、ペルチェ装置(熱電装置)、強制空気、または強制気体によって温度制御される、請求項17に記載の装置。
  20. 上記温度制御面は熱エミュレータである、請求項17に記載の装置。
  21. 熱導体が、
    上記熱エミュレータと上記複数の端部バイアルとの間に配置されており、かつ、
    上記熱エミュレータと上記複数の端部バイアルとに接触している、請求項20に記載の装置。
  22. 上記熱導体は、上記熱エミュレータからの距離が互いに異なるように配置された、複数の端部バイアルに接触するように調整可能である、請求項21に記載の装置。
  23. 上記熱導体は接触ブロックである、請求項22に記載の装置。
  24. (i)プログラム化された工程によって、または、
    (ii)任意の測定されたバイアルにおける温度または熱流の変動に応じて、上記生成物の温度を動的にトラッキングすることによって、
    上記熱エミュレータが制御される、請求項20に記載の装置。
  25. 上記熱エミュレータは、−80℃から+105℃までの範囲において温度を制御するように構成されている、請求項20に記載の装置。
  26. 上記熱エミュレータは、銅、ステンレス鋼、セラミック、ガラス、および/または伝熱ゴムによって形成されている、請求項20に記載の装置。
  27. 上記熱エミュレータは、上記複数の端部バイアルに密接するように伸縮可能な可撓性膜である、請求項20に記載の装置。
  28. 上記可撓性膜は、温度制御された熱伝導流体によって満たされている、請求項27に記載の装置。
  29. 複数の中央部バイアルおよび複数の端部バイアル内に少量の生成物を収容する開発凍結乾燥器において、より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器における複数の中央部バイアルおよび複数の端部バイアル内の生成物の凍結状態および昇華状態をシミュレートする方法であって、
    温度制御面の温度を変動させることによって上記ターゲット凍結乾燥器の上記複数の中央部バイアルおよび/または上記複数の端部バイアルの上記凍結状態および上記昇華状態をシミュレートするために、
    上記開発凍結乾燥器における上記複数の端部バイアルに近接するように、または、当該複数の端部バイアルに接続されるように、上記温度制御面を配置する工程を含む方法。
  30. 上記温度制御面は、熱導体によって上記複数の端部バイアルに接続されている、請求項29に記載の方法。
  31. 上記熱導体は、熱伝導材料によって形成されている、請求項30に記載の方法。
  32. (i)プログラム化された工程によって、または、
    (ii)任意の測定されたバイアルにおける温度または熱流の変動に応じて、上記生成物の温度を動的にトラッキングすることによって、
    上記温度制御面の温度を制御する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
  33. 凍結乾燥器において、複数の端部バイアルおよび複数の中央部バイアル内の生成物の凍結中または1次乾燥中における、上記複数の中央部バイアルと比較した場合の上記複数の端部バイアルの不均一性を排除または最小化するための装置であって、
    上記複数のバイアルの温度を制御するために、上記複数の端部バイアル上に近接または接触するように配置された温度制御面を備える装置。
  34. 上記温度制御面は熱エミュレータである、請求項33に記載の装置。
  35. 熱導体が、
    上記熱エミュレータと上記複数の端部バイアルとの間に配置されており、かつ、
    上記熱エミュレータと上記複数の端部バイアルとに接触している、請求項34に記載の装置。
  36. 上記温度制御面は、上記凍結乾燥器の棚の上において、上記複数の端部バイアルを囲む、請求項33に記載の装置。
  37. 上記温度制御面は流体を含んでいる、請求項36に記載の装置。
  38. 上記流体は、リング状構造を有する囲いによって囲まれている、請求項37に記載の装置。
  39. 上記温度制御面は、上記複数の端部バイアルを囲むリング状構造を有している、請求項33に記載の装置。
  40. 上記熱導体のサイズは調整可能である、請求項33に記載の装置。
  41. 凍結乾燥器の棚の上に設けられた、複数の端部バイアルおよび複数の中央部バイアル内の生成物の凍結中または1次乾燥中における、上記複数の中央部バイアルと比較した場合の上記複数の端部バイアルの不均一性を排除または最小化する方法であって、
    上記複数の端部バイアルの温度を制御するために、上記複数の端部バイアルに接触または近接する温度制御面を有する装置を、上記凍結乾燥器の上記棚の上に設ける工程を含む方法。
  42. 上記温度制御面は、上記複数の端部バイアルを囲む熱エミュレータである、請求項41に記載の方法。
  43. 接触導体が、
    上記熱エミュレータと上記複数の端部バイアルとの間に配置されており、かつ、
    上記熱エミュレータと上記複数の端部バイアルとに接触している、請求項42に記載の方法。
  44. 上記熱導体のサイズは調整可能である、請求項43に記載の方法。
  45. より大きなバッチのターゲット凍結乾燥器における状態をシミュレートする開発凍結乾燥器であって、
    蒸気口によって互いに接続された生成物チャンバおよび凝縮器と、
    上記蒸気口内に設けられた比例弁と、を備え、
    上記弁は、より大きなバッチの製造規模における凍結乾燥器の状態をシミュレートするために、上記蒸気口における流れを制限して上記生成物チャンバと上記凝縮器との間の圧力差を発生させるように調整可能である開発凍結乾燥器。
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