JP2018528015A - 湾曲したチャネルを有する吸収性物品 - Google Patents

Abstract

着用者に面する面と、衣類に面する面と、長手方向軸線（８０）とを有する、おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品（２０）であって、少なくとも２つの長手方向に延在する湾曲したチャネル（２６）を有する吸収性コア（２８）、及びトップシート（２４）としてのエアースルー結合カード不織布層、又はトップシートの下の捕捉層（５４）を備える、吸収性物品（２０）。

Description

本発明は、乳児用おむつなどの、着用者の股部領域に着用される個人衛生用吸収性物品に関する。本発明は、例えば、テープ式おむつ、トレーニングパンツ、及び成人用失禁製品に適用可能である。

上述したタイプの個人衛生用吸収性物品は、身体排泄物、特に大量の尿を吸収及び収容するように設計される。これらの吸収性物品は、層の中でもとりわけ、典型的にはトップシート、バックシート、及びそれらの間の吸収性コアなどであるいくつかの層を備える。吸収性コアの機能は、排泄物を吸収して長時間にわたり保持すること、再湿潤を最小限に抑えて着用者を乾燥状態に維持すること、及び衣類又はベッドシーツの汚損を防止することである。

吸収性コアの大部分が、コアラップ内に封入された吸収性材料を含む。一般に用いられる吸収性材料の第１の種類は、粉砕木材パルプ（いわゆる「エアフェルト」）と、粒子形態の超吸収性ポリマー（ＳＡＰ）（吸収性ゲル材料（ＡＧＭ）とも称される）との配合物である。吸収性材料としてＳＡＰを有し、セルロース繊維を含まない別の種類のコア（いわゆる「エアフェルトフリー」コア）が、最近になって提案されている。長手方向に延在する流体分配チャネルは、いずれの種類のコアに関しても提案されている。

通気結合カードウェブ（Through-air bonded carded web）（以下「ＴＡＢＣＷ」）（Ｔｈｒｕ Ａｉｒ Ｂｏｎｄｅｄ Ｃａｒｄｅｄ Ｗｅｂとも綴られる）は、毛羽立てられている通気結合ウェブとも称され、一部の吸収性物品で使用されている不織布ウェブである。ＴＡＢＣＷは、比較的大きな孔を有し、かつ捕捉にかかる時間が速いので、トップシート又は捕捉層として非常に有用である。

吸収性物品は使い捨てであるので単価をできるだけ低く抑えながらも、これらの物品の流体処理特性（捕捉、分配、及び保持）及び着用快適性を引き続き改善する必要性が存在する。

本発明は、特許請求の範囲で示されるとおり、おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品に関する。本発明の吸収性物品は、着用者に面する面と、衣類に面する面と、長手方向軸線と、横断方向軸線とを有する。吸収性物品は、
−着用者に面する面上のトップシートと、
−衣類に面する面上のバックシートであって、液体不透過性フィルムと、任意追加的に、そのフィルムに取り付けられた不織布とを含む、バックシートと、
−トップシートとバックシートとの間の吸収性コアと、
−任意追加的に、吸収性コアとトップシートとの間の捕捉層と、を備える。

吸収性コアは、吸収性材料を封入する上部面と底部面とを有するコアラップを備える。吸収性材料は、繊維と吸収性ゲル化材料との混合物を含み、吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも５５重量％、好ましくは吸収性材料の６０重量％〜８５重量％、より好ましくは６０重量％〜７５重量％のゲル化材料を含む。吸収性コアは、長手方向軸線の両側に対称的に配設された、吸収性材料を実質的に含まない２つの長手方向に延在するチャネルを備える。チャネルは、チャネルが横断方向に測定される相互に最も近い距離及び最も遠い距離を有するように、長手方向軸線に向かって内向きに湾曲している。最も近い距離は最も遠い距離の８０％未満であり、特に、最も近い距離は最も遠い距離の１０％〜７０％の範囲である。トップシート又は、存在する場合、捕捉層のうちの少なくとも一方は、エアースルー結合カード不織布である。

ＴＡＢＣＷは、カーディング処理中に向きが揃えられた繊維である。典型的には、繊維は、ウェブが一体化される物品の長手方向に向きが揃えられる。理論に束縛されることを望むものではないが、繊維のこの長手方向の向きは、毛管現象によって流体を同じ長手方向に優先的に駆動することができると考えられる。チャネルの湾曲は、流体をコアのより広い区域へと横断方向に部分的に向けなおして、吸収性コアの吸収性材料をより効率的に利用するのに役立ち得る。更に、チャネル区域に上下方向に対応するＴＡＢＣＷの区域内では、カードウェブの大きな孔の圧縮は小さくなる。これにより、チャネル区域内のこのウェブの耐久性及び機能性を改善させることも可能である。

着用者に面する面を上にした状態の、開いて平らに広げた構成で示されている、テープ付きおむつの形態の本発明の例示的な吸収性物品の概略斜視図である。 図１のおむつの概略断面図である。 分離して示されている、図１のおむつの吸収性コアの上面図である。 １つの基材で製造されたコアラップを有する吸収性コアの断面図を示す。 ２つの基材で製造されたコアラップを有する代替の吸収体の断面図を示す。 本発明の吸収性物品のパッケージの概略図である。

序論
本明細書で使用するとき、「含む、備える（comprise (s)、comprising）」という用語は、無制限である。それぞれは、続いて記載される特徴（例えば構成要素）の存在を特定するものであるが、他の特徴、例えば、当該技術分野において既知であるか、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外するものではない。動詞「含む（comprise）」に基づくこれらの用語は、特徴がその機能を実施する方法に著しく影響を及ぼす、言及されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する、より狭義の用語「から本質的になる（consisting essentially of）」、及び明記されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する用語「からなる（consisting of）」を包含すると解釈されるべきである。以下に記載する好ましい又は例示的な実施形態はいずれも、特許請求の範囲を限定することが具体的に示されていない限り、特許請求の範囲を限定しない。「典型的に」、「通常は」、「好ましくは」、「有利には」、「詳細には」などの語も、特許請求の範囲を限定することが具体的に示されていない限り、特許請求の範囲を限定することを意図しない特徴を修飾する。

本明細書で使用するとき、「着用者」という用語は、成人、小児、又は乳児であり得、吸収性製品を着用する、失禁症状のある人を指す。用語「ユーザー」は、吸収性物品を着用者に適用する介護者を指す。ユーザーは、親、広義の家族、専門的に雇用された介護者、又は着用者自身であり得る。

「不織布ウェブ」という用語は、本明細書では一般的な意味で使用され、摩擦及び／又は粘着及び／又は接着により結合させた、一方向に又はランダムに配向された繊維から作られたシート、ウェブ、又は打延べ綿シートを意味し、紙、及び更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフト加工品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まない。繊維は、天然物由来であっても人工物由来であってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約０．００１ｍｍ未満〜約０．２ｍｍ超の範囲の直径を有し、（ステープル繊維又は細断繊維として知られる）短繊維、連続単繊維（フィラメント又はモノフィラメント）、連続フィラメントの無撚糸束（トウ）、及び連続フィラメントの撚糸束（ヤーン）などのいくつかの異なる形態で提供される。不織布ウェブは、メルトブロー法、スパンボンド法、溶媒紡糸法、電界紡糸法、カーディング法、及びエアレイイング法などの多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム毎平方メートル（ｇ／ｍ^２又はｇｓｍ）で表される。

ここで、図に記載した実施形態を参照しながら本発明を更に説明する。考察を容易にするために、吸収性物品、及び吸収性コアなどのその構成要素を、これらの図に示される数字を参照しながら説明する。しかしながら、これらの例示的実施形態及び数字は、具体的に指示がない限り、特許請求の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。しかしながら、この説明におけるいかなる内容も、別段の明確な指示がない限り、特許請求の範囲を制限するものとみなされるべきではない。本明細書に開示されている寸法及び値は、記載される正確な数値に厳密に限定されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「４０ｍｍ」として開示される寸法は、「約４０ｍｍ」を意味するものとする。

物品２０の概説
本明細書で使用するとき、「吸収性物品」という用語は、身体から排出された排泄物、とりわけ尿を吸収及び収容するように着用者の身体に当接又は近接させて配置される、乳児用おむつ、幼児用トレーニングパンツ、又は成人用失禁製品などの個人衛生用使い捨て製品を指す。ここで吸収性物品について概述し、図１に例示的に示すような乳児用テープ式おむつ２０の形態で更に例示する。おむつは、テープ付き端部４０を開いて着用者に面する面を上向きにした、平らに広げられた構成で例示される。再締結可能なテープの代わりにサイドシームを有する、トレーニングパンツなどの物品もまた、その側腰部に沿ってサイドシームを切断することにより、平らに広げて示すことができる。

吸収性物品は、前縁部１０、後縁部１２、及び長手方向に延在する側縁部１３、１４を備える。前縁部１０は、使用中に着用者の前方側に配置され、後縁部１２は、着用者の後方側に配置される。おむつが閉じられると、前縁部及び後縁部は一緒になって、着用者のための腰部開口部を形成する。側縁部１３、１４はそれぞれ、脚部開口部のうちの１つを形成する。物品は、長手方向軸線８０及び横断方向軸線９０それぞれによって画定された長手方向及び横断方向を有する。長手方向軸線８０は、物品の前縁部１０及び後縁部１２の中央を通って延在することで、物品を対称的な左側と右側とに実質的に分割する。物品は、この長手方向軸線に沿って、物品の前縁部と後縁部との間に長さＬを有する。横断方向軸線９０は、長手方向軸線に垂直に延在し、前縁部と後縁部との間（前縁部及び後縁部からＬ／２）の中間の位置で長手方向軸線と交差する。

物品は、その着用者に面する面にトップシート２４を、その反対側の衣類に面する面にバックシート２５を備える。典型的には、トップシートは、流体透過性が非常に優れた不織布であり得る。典型的なバックシートは、外部から、より柔らかい不織布層によって、その表面上で二重化することのできる液体不透過性フィルムを備える。バックシートフィルムは、フィルムに蒸気透過性を付与するためにミクロ細孔を備えてもよい。トップシート及びバックシートの例については、以下で更に詳細に説明する。

本発明の吸収性物品は、有利には、トップシートと吸収性コアとの間に配置された捕捉層５４（分配層、捕捉分配層、又は二次トップシートとも称される）を更に備える。以下で更により詳細に記載されるように、トップシート及び／又は捕捉層のうちの少なくとも一方は、エアースルー結合カード不織布である。捕捉層は、典型的には、トップシートほど大きくないが、おむつの全長に沿って延在してもよく、又はそれより短くてもよい。捕捉層は、例えば、下にある吸収性コアとほぼ同じ幅であってよいが（横断方向に）、より幅広であっても、より幅狭であってもよい。

吸収性コア２８は、典型的には、コアラップ内に封入された繊維と超吸収性ポリマー粒子との混合物を含む。図４ａに示すように、１つの基材材料は、吸収性材料６０の周囲に完全に巻き付けられ、例えば、コアラップの底部面の重複部分に沿って、コアラップ接着剤接合部７２によってそれ自体に固着され得る。あるいは、コアラップは、図４ｂに示すようにコアラップの上部面及び底部面をそれぞれ形成する２つの別個の不織布基材を含んでもよい。一方の基材は他方の基材よりも幅が広く、それによってフラップが形成され、このフラップは他方の基材の周囲に巻き付けられ、Ｃ字形ラップ構成で他方の基材に接合される。吸収性コアは、少なくとも２つの概ね長手方向に延在するチャネル２６を備え、チャネル２６は吸収性材料を実質的に含まず、コアラップは、有利には、チャネル２６を介してそれ自体に接合される。吸収性材料６０は、コアの上から見た場合に、コアラップ内に吸収性材料堆積区域８を画定する。吸収性材料堆積区域は、有利には、コアの長手方向に延在する側縁部２８４、２８６のそれぞれに、その股部領域に向かって、図３に示すようなドッグボーン形状又は砂時計形状と類似の２つの凹部を画定する形状であり得る。吸収性材料堆積区域はまた、真っ直ぐな長手方向側縁部を有する矩形であってもよい。

吸収性物品のその他の層を、液体透過性トップシート２４、液体不透過性バックシートバックシート２５、吸収性コア２８、捕捉層５４、及び他の典型的おむつの構成要素を断面図で示した図２でより分かりやすく例示する。ＳＡＰは流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るので、捕捉層はＳＡＰを含まない。吸収性物品は、一般的には、一対の部分的に直立したバリアレッグカフ３４と、シャーシに対して実質的に平坦な伸縮性ガスケットカフ３２と、を備え得る。どちらの種類のカフも、一般的にはトップシート及び／又はバックシートに接合することによって、一般的には吸収性物品のシャーシに接合している。吸収性物品はまた、バックシートフィルムの内側又はコアラップの底部面の外側に配置された、ホットメルト接着剤及びｐＨ指示剤を含む組成物などの湿り度インジケータを備えてもよい。湿り度インジケータは、長手方向軸線と概ね整列した線であってよいが、数本の線、又は玩具、動物等のイメージのような不連続な装飾要素を含むより複雑なものであってもよい。湿り度インジケータの例は、例えば、国際公開第２０１５／０９５５１４号（Ｌａｖｅｅｔａ）に更に開示されている。湿り度インジケータは、コアのチャネル対の間の衣類に面する面から見えるように配設されてもよい。当然ながら、物品は、当該技術分野において既知の任意の典型的な構成要素、例えば、弾性的な後側弾性ウエストバンド、前側弾性ウエストバンド、横断方向のバリアカフ（１つ又は複数）、ローション外用薬等を更に備えていてもよい。

トップシート２４
トップシートは、トップシートの使用に関して当該技術分野において周知の任意の好適な材料であってよい。トップシートは、柔軟であり、柔らかな感触を有し、かつ着用者の皮膚を刺激しないものでなければならない。更に、トップシートの少なくとも一部は、液体透過性であり、液体がその厚さを容易に貫通できる。トップシートは、典型的には、不織布及び有孔フィルムであり得る。トップシートの例は、スパンボンドポリプロピレン繊維のウェブを含む。典型的なおむつのトップシートの坪量は、約１０〜約２８ｇｓｍであり、特には約１２〜約１８ｇｓｍであるが、他の坪量も可能である。好適な成形フィルムのトップシートは、例えば、米国特許第３，９２９，１３５号、同第４，３２４，２４６号、同第４，３４２，３１４号、同第４，４６３，０４５号、及び同第５，００６，３９４号に記載されている。その他の好適なトップシートは、米国特許第４，６０９，５１８号及び同第４，６２９，６４３号に従って作製することも可能である。

トップシートは三次元であってもよく、又は物品は、従来のトップシートに接合されて着用者に面する層の一部を形成する、付加的な三次元材料を更に含んでもよい。よって、付加的な三次元材料は、典型的には接着剤（例えば、螺旋状の塗布パターンを有する接着剤）を使用してトップシートに取り付けられてもよい。付加的な三次元材料は、典型的には、横断方向及び長手方向がトップシートよりも短くてもよいが、トップシートと同じくらいの長さ及び／又は同じくらいの幅である場合を排除するものではない。そのような着用者に面する材料は、繊維状支持層及び繊維状突起層を含んでもよい。そのような二重層三次元材料及びそれらを得るためのプロセスの例は、例えば、米国特許公開第２０１４／０１２１６２３（Ａ１）号に開示されている（同第２０１４／０１２１６２１（Ａ１）号、同第２０１４／０１２１６２４（Ａ１）号、同第２０１４／０１２１６２５（Ａ１）号も参照のこと）。突起層は複数の繊維状突起物を含み、この繊維状突起物は、突起層の外側表面から、支持層から離れる方向に延出し、突起層中の第１の複数の繊維から形成される。物品が着用されると、突起層は着用者の皮膚と少なくとも部分的に接触することになる。突起物は、少なくとも部分的に中空状であってもよいが、突起層及び／又は支持層からの繊維で部分的に充填されることもできる。着用者に面する材料は、上記文献に記載されているような流体交絡された積層ウェブであってもよい。

図示していないが、下にある捕捉層にトップシートを直接的又は間接的に接合することが可能であり、かつ有利である。これらの層は、スロット糊剤接着、螺旋糊剤接着、融合点接合などの任意の既知の接合手段によって接合されてもよく、ないしは別の方法で取り付けられてもよい。

通気結合カードウェブ５４
吸収性物品は、トップシートと吸収性コアと間に捕捉層５４を備えることができる。捕捉層は、トップシートとコアとの間の唯一の層であってもよいが、追加の層が存在し得る場合を排除するものではない。捕捉層は、「分配層」、「捕捉分配層」、又は「二次トップシート」と称される場合もある。本発明によると、トップシート、又は捕捉層（存在する場合）のうちの少なくとも一方は、通気結合カードウェブ（「ＴＡＢＣＷ」）である。「結合カードウェブ」は、梳毛ユニット又はカーディングユニットを介して送られたステープルファイバーから製造されるウェブを指す。このユニットは、ステープルファイバーをばらばらにし、それを機械方向に整列させて、概ね機械方向に向いた繊維性不織布ウェブを形成する。次に、このウェブを加熱されたドラムによって引っ張り、面圧を加えることなく繊維全体に接合部を形成する（通気結合プロセス）。ＴＡＢＣＷ材料は、低密度の嵩高い通気結合カードウェブをもたらす。

特に、ウェブは、約１５〜約７０ｇｓｍ（グラム／ｍ^２）の特定の坪量レベルを有し得る。ＴＡＢＣＷ材料は、例えば、約３〜約１０デニールのステープルファイバーを含むことができる。かかるＴＡＢＣＷの例は、国際公開第２０００／７１０６７号（ＫＩＭ ＤＯＯ−ＨＯＮＧら）に開示されている。ＴＡＢＣＷは、吸収性物品で使用するための不織布ウェブの全ての通常の供給元（例えば、Ｆｉｔｅｓａ Ｌｔｄ又はＦｉｂｅｒｗｅｂ Ｔｅｃｈｎｉｃａｌ Ｎｏｎｗｏｖｅｎｓ）から直接入手可能である。カード不織布では、ウェブ内の繊維は主に機械方向に整列しており、他の不織布よりも均一な繊維整列を有するので、結果として安定性及び内部結合強度がより高くなる。選択する結合技法は、繊維の強度に影響を与える。通気結合カードウェブは、優れた柔軟性、嵩、及び圧縮性、並びに迅速な浸透及び良好な再湿潤性を有する。広い範囲のデニールの合成、天然、及び再生繊維を使用することができる。特に、ソフトなＰＥ／ＰＰ２成分ステープルファイバーが使用可能である。

吸収性コア２８
本明細書で使用するとき、「吸収性コア」という用語は、コアラップ内に封入されて液状排泄物のほとんどを吸収及び保持ために使用される吸収性材料を含む物品の構成要素を指す。吸収性コアは、典型的には、吸収性物品のあらゆる構成要素のうち最も高い吸収能力を有し、超吸収性ポリマー（ＳＡＰ）の全部、又は少なくとも大部分を含む吸収性物品の構成要素である。本明細書で使用するとき、「吸収性コア」という用語は、吸収性コアの一体部分ではない、トップシート、バックシート、及び（存在する場合は）任意の捕捉−分配層、又は多層システムを含まない。「吸収性コア」及び「コア」という用語は、本明細書では互換的に用いられる。

チャネルを含む例示的なコア２８を、吸収性物品の外側で乾燥した状態で図３〜図４に別々に示す。吸収性コアは、典型的には、図３に示すように表面上に平らに敷くことができる。吸収性コアはまた、その製造プロセス中に、例えばドラムなどの非平坦な表面上に置くか、又は吸収性物品へと加工される前に貯蔵材料の連続的ロールとして保管することができるように、一般には薄くかつ形状適合性であってもよい。説明を容易にするため、図３の例示的な吸収性コアは、平らな状態で長手方向８０’及び垂直な横断方向９０’に延在させて示す。これらの方向は、典型的には吸収性物品の対応する方向と平行である。特に断らない限り、本明細書に開示される寸法及び面積は、この平らに広げられた形態のコアに適用される。これは、コアが一体化した吸収性物品に対しても同様である。

コアラップ１６、１６’によって範囲が定められた吸収性コアは、典型的には、前側端部２８０と、後側端部２８２と、２つの長手方向に延在する側縁部２８４、２８６とを有する矩形である。コアは、吸収性材料を封入しないコアラップ領域を含む縁部から縁部まで、横断方向に測定される幅Ｗ’と、長手方向に測定される長さＬを有する。前側端部及び後側端部は、封止されても、封止されなくてもよい。コアの幅及び長さは、目的とする用途に応じて異なり得る。乳児及び幼児用のおむつの場合、コアの長手方向軸線８０に沿って測定して、幅Ｗ’は例えば４０ｍｍ〜２００ｍｍの範囲内、長さＬは１００ｍｍ〜５００ｍｍの範囲内であってよい。コアが長方形でない場合には、横断方向及び長手方向に沿って測定される最大の寸法を用いて、コアの長さ及び幅を報告することができる。

コアラップは、物品の着用者に面する面に向けて配置される上部面１６と、物品の衣類に面する面に向けて配置される底部面１６’とを含む。コアラップは、吸収性材料の周囲に巻き付けられた単一のウェブから形成されてもよく、図４ａに例示的に示されるように、１つの長手方向封止部７２ａが、基材の重なった部分を相互に貼着する。上部面及び底部面はまた、同一材料であっても異なる材料であってもよい２つの別個の基材によって形成されてもよい（上部層は、例えば、親水処理される）。これらの２つの基材は、特に、幅の広い方の材料のフラップをもう一方の材料に糊付けして、図４ｂに例示的に示されるようにコアの長手方向に延在するいわゆるＣ字形ラップ封止部７２ｂを２つ形成することによって、相互に部分的に貼着させてもよい。この糊剤接着は、例えば、２つのスロットの糊剤によって提供されてもよい。構成とは無関係に、コアラップ材料は、当該分野で使用される任意の好適な材料であってよく、典型的には、例えばスパンボンド層（「Ｓ」）又はメルトブローン層（「Ｍ」）を含む積層体などの不織布ウェブである。例えば、スパンメルトポリプロピレン不織布が好適であり、特に、積層体ウェブのＳＭＳ、又はＳＭＭＳ、又はＳＳＭＭＳ構造を有するもの、及び坪量が約５ｇｓｍ〜１５ｇｓｍの範囲であるものが好適である。好適な材料は、例えば、米国特許第７，７４４，５７６号、米国特許出願公開第２０１１／０２６８９３２（Ａ１）号、同第２０１１／０３１９８４８（Ａ１）号、及び同第２０１１／０２５０４１３（Ａ１）号に開示されている。コアラップが、バックシート、トップシート、又は捕捉層などの追加機能を有する層により部分的又は全体的に形成される場合も排除するものではない。

コア中の吸収性材料は、典型的には、超吸収性ポリマー粒子と繊維の混合物を含み得る。繊維は、典型的には、必要に応じて合成繊維と混合された木材パルプ（セルロース）繊維を含み得る。吸収性材料は、典型的には、吸収性材料の５０重量％〜９０重量％の超吸収性ポリマー（以後「ＳＡＰ」と略され、吸収性ゲル化材料とも称される）を含む。吸収性材料は、例えば、吸収性材料の少なくとも５５重量％の超吸収性ポリマー、特に、吸収性材料の６０重量％〜９０重量％の超吸収性ポリマー、特に、吸収性材料の６５重量％〜８５重量％の超吸収性ポリマーを含み得る。より大量のＳＡＰが存在する場合を排除するものではなく、場合によっては、吸収性材料がセルロース繊維をほとんど又は全く含まないことも可能であり得る（いわゆるエアフェルトフリーコア）。

本明細書で言及する用語「超吸収性ポリマー」とは、架橋ポリマーであり得、遠心保持容量（ＣＲＣ）試験（ＥＤＡＮＡ法ＷＳＰ ２４１．２−０５Ｅ）を用いて測定して、それらの重量の少なくとも１０倍の０．９％生理食塩水溶液を吸収し得る吸収性材料を指す。ＳＡＰは、特に、２０ｇ／ｇ超、若しくは２４ｇ／ｇ超、又は２０〜５０ｇ／ｇ、２０〜４０ｇ／ｇ、若しくは２４〜３０ｇ／ｇのＣＲＣ値を有し得る。ＳＡＰは、典型的には、粒子形態（超吸収性ポリマー粒子）であってよいが、例えば超吸収性ポリマー発泡体などの他の形態のＳＡＰも使用できることを除外しない。より大量のＳＡＰが存在する場合を排除するものではなく、場合によっては、吸収性材料がセルロース繊維をほとんど又は全く含まないことも可能であり得る（いわゆるエアフェルトフリーコア）。

吸収性材料は、メルトブローン繊維と、セルロース繊維などの吸収性繊維とのブレンドであるコフォーム材料を繊維として含んでもよい。コフォーム材料は、メルトブローポリマー材料を空気中に形成しながら、同時に、空気中に浮遊させた繊維をメルトブロー繊維の流れの中に吹き込むことによって形成される（「コフォーム」）。コフォーム材料は、他の材料（例えば超吸収性材料など）も含むことができる。コフォーム材料については、米国特許第５，５０８，１０２号及び同第５，３５０，６２４号（Ｇｅｏｒｇｅｒら）、並びに同第４，１００，３２４（号（Ａｎｄｅｒｓｏｎ）に更に記載されている。

吸収性材料６０は、図４のようにコアの平面内で上から見た場合に、吸収性材料堆積区域８を画定する。チャネル２６は、この堆積区域内に包含される。吸収性材料堆積区域８は、有利には付形されてもよく、すなわち矩形ではなく、例えば、図３に示すように砂時計形状又はドッグボーン形状を有してもよいが、「Ｔ字形」又は「Ｙ字形」などの他の形状を使用することもできる。堆積区域８は、典型的には、それぞれがコアラップの対応する側にそれぞれ隣接する前側２８０’、後側２８２’、及び２つの長手方向に延在する側部２８４’、２８６’を有する。堆積区域Ｌ’’の長さは、堆積区域の前側と後側との間の距離である。堆積区域は、図３に示すようにコアの前縁部と後縁部との間の中間位置において、その幅に沿ってテーパ形状を示すのが好ましい。このように、吸収性材料堆積区域は、吸収性物品の股部領域内に配置されることが意図されたコアの領域において、比較的狭い幅を有し得る。吸収性材料堆積区域の幅を、吸収性材料区域の前縁部において及び／又は後縁部において最大にし、吸収性材料区域の前縁部と後縁部との間の長手方向位置において最小とすることによって、着用者により良好な着用快適性を提供することができる。吸収性材料堆積区域の前側２８０’と後側２８２’の中間にある最小幅の区域（あらゆる遷移区域を含む）は、例えば、長手方向に測定して、堆積区域の長さの１０％〜８０％の範囲である長さ（Ｌ’’’）を有し得る。

チャネル２６
本発明の吸収性コアは、少なくとも１つ、有利には少なくとも一対の、長手方向に延在するチャネル２６を備える。チャネルは、吸収性材料堆積区域８内の、吸収性材料を実質的に含まない区域によって画定される。吸収性コアは、特に、長手方向軸線に対して対称に配置された一対のチャネルを備えることができるが、チャネルが１つだけ存在する、又は一対より多いチャネルが存在する場合を排除するものではない。「実質的に含まない」とは、チャネル区域において、吸収性材料の坪量が、吸収性材料堆積区域の残部における吸収性材料の平均坪量の少なくとも２５％未満、とりわけ、少なくとも２０％未満、又は１０％未満であることを意味する。特に、吸収性材料はチャネル内に存在しなくてもよい。製造プロセス中に発生し得る吸収性材料による不本意な汚染などの最小量は、吸収性材料とはみなされない。チャネル２６は、有利には、図４で見られるようにコアの平面で見たときに吸収性材料によって包囲されており、これは、チャネルが、吸収性材料の堆積区域８の縁部のいずれにまで及ばないことを意味する。典型的には、チャネル２６と吸収性材料堆積区域８の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも５ｍｍである。

コアラップの上部面１６は、チャネルを介して、１つ又は複数のチャネル結合部２７によって、コアラップの底部面１６’に取り付けられてもよい。超音波結合、熱（溶融結合）、機械的結合、又は接着剤結合などの様々な結合手段を用いることができる。超音波結合は、原材料の使用量の低減及び結合強度の点で特に有用であり得る。吸収性材料が液体を吸収して膨潤するとき、チャネル内のチャネル結合部は、少なくとも最初はチャネルに取り付けられた状態を維持することができる。吸収性材料は、コアラップがチャネル結合部２７が存在する各チャネル２６に沿ってより際立った三次元のチャネルを形成するように、コアの残りの部分内で膨潤する。これらのチャネルは、それらの長さに沿って侵襲性流体をコアのより広い面積まで分配することにより、より速やかな流体捕捉速度及びより良好なコアの吸収能力の利用をもたらすことができる。三次元チャネル２６はまた、繊維性捕捉層５４などの被覆層の変形をもたらして、対応する水路を被覆層に提供することができる（国際公開第２０１４／２００７９４（Ａ１）号参照）。チャネル結合部２７は、チャネル２６のそれぞれに沿って延在する連続結合部であってもよいが、各チャネル内のチャネル結合部は、典型的には、一連の点結合などの不連続的（断続的）なものであってもよい。

下記は、チャネルの形状及び寸法の例であるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。概して、チャネル結合部２７は、一部の製造プロセスで求められる公差に起因して、チャネル２６と同一ではあるがわずかに小さい外形を有し得る。チャネル２６は、物品の長手方向の中部３分の１であると画定された、物品の股部領域内に存在し得る。吸収性コアはまた、３つ以上の、例えば少なくとも３つ、又は少なくとも４つ、又は少なくとも５つ、又は少なくとも６つのチャネルを備えてもよい。

チャネルは、概ね長手方向に延在するが、これは、各チャネル区域が少なくとも横断方向よりも長手方向により長く延在し、典型的には、（それぞれの軸線上に投射した後に測定して）横断方向よりも長手方向に少なくとも２倍長く延在するという意味である。図３に示すように、吸収性コアは、典型的には、物品の長手方向軸線と隣接する長手方向軸線８０’を更に有する。チャネル２６は、吸収性物品の長さＬの少なくとも１０％、特に２０％〜８０％である、コアの長手方向軸線８０’上に突出した長さＬ’を有し得る。チャネル２６は、例えば、長手方向軸線上で測定して、少なくとも２ｃｍ、又は少なくとも４ｃｍ、６ｃｍ、８ｃｍ、若しくは１０ｃｍ、かつ例えば最大で４０ｃｍ、又は３０ｃｍの長さＬ’を有し得る。例えば、国際公開第２０１２／１７０７７８号の図に見られるように、より短いチャネルが、コア内に、例えばコアの後側領域又は前側領域内に存在する場合もある。

図３に例示的に示されるように、チャネル２６は長手方向軸線８０／８０’に向かって更に内向きに湾曲する（凹状である）。チャネルは、最も近い距離ｄ１だけ、及び最も遠い距離ｄ２、ｄ３だけ互いに離間している。チャネルを離間する最も離れた距離は、典型的には、チャネルのどちらかの後端の間の距離ｄ２、又はチャネルの２つの前端の間の距離ｄ３の、どちらか長い方である。図３に示される例では、チャネルは、距離ｄ２がｄ３とほぼ等しくなるように、前後に向かって対称的に延在している。チャネルは、最も近い距離ｄ１が最も遠い距離ｄ２、ｄ３の少なくとも８５％未満になるように、十分に湾曲しており、好ましくは、最も近い距離は最も遠い距離の１０％〜８０％の範囲である。これは次式にまとめることができる。
ｄ１≦０．８０最大（ｄ２、ｄ３）
特に：
０．１０最大（ｄ２、ｄ３）≦ｄ１≦０．７０最大（ｄ２、ｄ３）
式中、最大（ｄ２、ｄ３）は、ｄ２又はｄ３のうちの最も大きいものを意味する（ｄ２及びｄ３はほぼ等しい場合もある）。

チャネルに関して、曲率半径は一定であってもよく、又はその長さに沿って変化してもよい。チャネルは、図のような滑らかな曲線の代わりに、曲線を近似する一連の概ね真っ直ぐなセグメント（例えば、中央のセグメントが真っ直ぐでかつ長手方向に向いており、残りの２つのセグメントが長手方向軸線に対して傾斜している、３つの連結したセグメント）からなってもよい。チャネル２６は、典型的には、物品／コアの長手方向軸線８０／８０’と一致しない。対を形成するチャネル間の最小間隔距離ｄ１は、例えば、少なくとも５ｍｍ、又は少なくとも１０ｍｍ、又は少なくとも１６ｍｍであり得る。各チャネルは、その長さの少なくとも一部に沿って、少なくとも２ｍｍ、又は少なくとも３ｍｍ、又は少なくとも４ｍｍ、最大で、例えば２０ｍｍ、又は１６ｍｍ、又は１２ｍｍである幅Ｗｃを有し得る。各チャネル２６の幅Ｗｃは、実質的にその全長を通して一定であってもよく、又はその長さに沿って変化してもよい。

更に、流体が漏れ出す危険性を低減するために、チャネル２６は、有利には、吸収性材料堆積区域８の縁部のうちのいずれかに達するまで延在しなくともよく、したがって、コアの吸収性材料堆積区域８によって包囲され、かつこの中に完全に内包される。典型的には、チャネル２６と吸収性材料堆積区域８の最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも５ｍｍである。

吸収性コアが液体を吸収すると、これらのチャネルによって形成された窪みはより深くなり、膨張する（expending）吸収性材料によってバックシート及びトップシートが外向きに押されるときに、物品の外部から肉眼及び感触でより明らかになる。チャネル結合部２７が十分に強く、ＳＡＰのレベルが過剰に高くない場合、チャネル結合部は、吸収性材料が完全に飽和するまで恒久的に残存することが可能である。これに対して、チャネル結合部は、場合によっては、コアが実質的に充填されたときに吸収性材料の膨潤を制限することもできる。チャネル結合部２７は、大量の流体に曝されたとき、制御された様式で開放するように設計されてもよい。よって、結合は、吸収性材料が相応の量の流体を吸収するため、少なくとも第１の段階の間には、実質的に無傷のままであってもよい。第２の段階では、チャネル内のチャネル結合部２７は、コアの横方向の増大した可撓性及び流体管理といったチャネルの利益の大部分を保ちながらも、吸収性材料が膨潤するためのより大きい空間をもたらすように、開放し始めることができる。第３の段階では、吸収性コアの非常に高い飽和に対応して、チャネル結合部のより大部分が、膨潤する吸収性材料が膨張するために更により大きい空間をもたらすように開放することができる。通常は、吸収性材料が多いほど膨潤の程度が大きくなり、結合部に加わる圧力が大きくなるため、チャネル内のチャネル結合部２７の強度は、例えば、コアラップの２つの面を付着させる点結合の数及び強度を変化させる及び／又は超吸収性材料の分配を変化させることによって制御することができる。コアラップの材料の伸張性も関与し得る。

バックシート２５
バックシートは、吸収性物品に関して当該技術分野において周知の任意のバックシートであってよい。バックシートは、吸収性コアの衣類に面する表面に直接隣接して位置付けられてもよい。バックシートは、その中に吸収及び収容された排泄物がベッドシーツ及び下着などの物品を汚すことを防止する、又は少なくとも阻止する。バックシートは、典型的には、液体（例えば、尿）に対して不透過性であるか、又は少なくとも実質的に不透過性である。バックシートは、例えば、約０．０１２ｍｍ〜約０．０５１ｍｍの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Ｒｉｃｈｍｏｎｄ，ＶＡを拠点とするＴｒｅｄｅｇａｒ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎによって製造され、ＣＰＣ２フィルムの商標で販売されるものが挙げられる。覆いである低坪量の不織布は、フィルムの外側表面に貼付されて、より柔らかな感触を提供することができる。

好適なバックシート材料としては、蒸気が吸収性物品から逃れるのを可能にする一方で、排泄物がバックシートを通り抜けるのを防止するか又は少なくとも阻害する、通気性材料を挙げることができる。通気性材料の例としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルムコーティング不織布ウェブなどの複合材料、Ｍｉｔｓｕｉ Ｔｏａｔｓｕ Ｃｏ．（Ｊａｐａｎ）から商品名ＥＳＰＯＩＲ ＮＯで製造される、及びＴｒｅｄｅｇａｒ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｒｉｃｈｍｏｎｄ，ＶＡ）が製造し、商品名ＥＸＡＩＲＥで販売されるものなどの微孔性フィルム、並びにＣｌｏｐａｙ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（Ｃｉｎｃｉｎｎａｔｉ，ＯＨ）から商品名ＨＹＴＲＥＬブレンドＰ１８−３０９７で製造されるものなどのモノリシックフィルムといった材料を挙げることができる。

フィルムは、少なくとも約２０重量パーセントの充填剤粒子（例えば、炭酸カルシウムを含む充填剤粒子）を含んでもよく、これにより、フィルムが機械方向に伸長されると（例えば少なくとも約１５０パーセントまで）、上記充填剤粒子が位置する場所に断裂が形成される。フィルムは、上記充填剤粒子が位置する場所に断裂を形成させるために、機械方向及び横断方向に少なくとも約１５０パーセント２軸伸長され得る。通気性フィルムは、一般に、３００グラム毎平方メートル毎２４時間を超える水蒸気透過率（ＷＶＴＲ）を有し得る。ＷＶＴＲは、ＡＳＴＭ Ｅ９６／Ｅ９６Ｍ−１４に示されるデシカント法によって測定することができる。

米国特許第６，０７５，１７９号は好適な多層フィルムを開示しており、この多層フィルムは、例えば、押出成形可能な熱可塑性ポリマーから作製されるコア層であって、第１の外部表面と第２の外部表面とを有する、コア層と、コア層の第１の外部表面に取り付けられて多層フィルムを形成する第１の表面薄層と、を備え、多層フィルムは全厚を画定する。第１の表面薄層は、第１の表面厚さを画定し、上記全厚の約１０パーセント未満を構成する。全厚は約３０マイクロメートルを超えず、多層フィルムは液体バリアであり、少なくとも３００ｇ／ｍ^２／２４時間のＷＶＴＲを有する。

バックシートは、更に典型的には、柔軟性を改善するために、その最も外側上に不織布を含み得る。通気性フィルム及び不織布層を含む例示的な積層体は、例えば、国際公開第２０１４／０２２，３６２（Ａ１）号、同第２０１４／０２２，６５２（Ａ１）号、及び米国特許第５，８３７，３５２号に開示されている。不織布ウェブは、特に、スパンボンド不織布ウェブ、及び／又はスパンボンド不織布ウェブとメルトブローン不織布ウェブの積層体を含み得る。積層体も同様に、少なくとも３００ｇ／ｍ^２／２４時間の水蒸気透過率を有し得る。米国特許第５，８４３，０５６号は、例えば、実質的に液体不透過性で、蒸気透過性の複合バックシートを開示している。

カフ３２、３４
吸収性物品は、典型的には、着用者の脚部周囲における物品のフィット性を改善する構成要素、特に一対のバリアレッグカフ３４及びガスケットカフ３２を更に含み得る。バリアレッグカフ３４は、部分的に離れた方向に向かって隆起し得る、したがって、例えば、図２に示すように、トップシートによって画定された平面から立ち上がる、一片の材料、典型的には、不織布でそれぞれ形成されてよい。したがって、バリアレッグカフの材料は、トップシートと同一平面上にあり、かつ近位縁部６５によって内向きに限定される第１の部分６４を含み得る。この第１の部分６４は、断続的又は連続的な溶融接合及び／又は糊剤接合を用いて、トップシート及び／又はバックシートに取り付けることができる。バリアレッグカフ３４は、使用時に、少なくとも物品の股部領域において着用者の大腿部と胴体との接合部でフィットする、遠位縁部６６によって限定された自立部分６３を更に含む。バリアレッグカフは、おおよそ着用者の胴体と脚との接合部において、液体及び他の身体排泄物の改善された閉じ込めをもたらすことができる。典型的には、バリアレッグカフは、物品の残部、特にトップシートに接合した別個の材料から形成されるが、バリアレッグカフはトップシート若しくはバックシート、又は例えばコアラップの最下層などの任意のその他の層と一体である（すなわち、それから形成される）場合があることは除外されない。典型的に、バリアレッグカフの材料は、物品の全長を通って延在してもよいが、物品の前縁部及び後縁部に向かってトップシートに更に接合され、その結果、これらの区画では、バリアレッグカフ材料はトップシートと面一になったままとなる（読み易さのために図１にタック接合部は図示していない）。各バリアレッグカフ３４は、典型的には、自立末端縁部６６に近接した１つ、２つ、又はそれ以上の弾性ストリング３５を備える。

バリアレッグカフ３４に加えて、物品は、典型的には、吸収性物品のシャーシの一部として存在し得るガスケットカフ３２を備える。ガスケットカフは、トップシートとバックシートとの間、又はバリアレッグカフとバックシートとの間に少なくとも部分的に封入され得る。ガスケットカフは、バリアレッグカフ３４の近位縁部６５に対して横断方向外方に配置され得る。ガスケットカフ３２は、着用者の大腿部の周りにより良好な封止を提供することができる。通常、各ガスケットレッグカフ３２は、例えば、脚部開口部の領域のトップシートとバックシートとの間でおむつのシャーシ内に組み込まれる、１つ、又は２つ以上の弾性ひも又は弾性要素３３を備えるであろう。これらの弾性要素３３は、着用者によって所定の位置に取り付けられて、着用されると、単独で、又はバリアレッグカフの弾性体３５との組み合わせで、吸収性物品をベイスン形状に成形するのを助けることができる。

様々なカフの構造が当該技術分野で開示されおり、これらを本発明で用いることができる。米国特許第３，８６０，００３号は、ガスケットカフを提供するためにサイドフラップと１つ以上の弾性部材とを有する収縮性脚部開口部を提供する、使い捨ておむつについて説明している。米国特許第４，８０８，１７８号及び同４，９０９，８０３号（Ａｚｉｚ）は、脚部領域の閉じ込めを改善する「直立型」の弾性フラップ（バリアレッグカフ）を有する使い捨ておむつについて説明している。米国特許第４，６９５，２７８号（Ｌａｗｓｏｎ）及び同第４，７９５，４５４号（Ｄｒａｇｏｏ）は、ガスケットカフとバリアレッグカフとを含む二重カフを有する使い捨ておむつについて説明している。より最近では、国際公開第２００５／１０５０１０号（Ａｓｈｔｏｎ）が、連続的カフ材料から製造された二重カフシステムを開示している。バリアレッグカフ及び／又はガスケットカフの全部又は一部は、ローションにより処理してもよい。

ウエストバンド４８
図１に示すように、物品２０はまた、物品の後側腰部縁部１２に隣接して横断方向に延在する弾性後側ウエストバンド４８を有し得る。そのようなウエストバンド（弾性的ウエスト機構とも呼ばれる）は、典型的には、不織布基材と、横断方向に向けられた複数の弾性ストランドとを含み得る。典型的なウエストバンドは、スパンボンド不織布の２つの層の間に、押出されたストランド状のエラストマーを備える。すなわち、例えば、ＰＰ繊維、又はコア／シースＰＥ／ＰＰ若しくはＰＥ／ＰＥＴ２成分繊維を使用する。必要に応じて、他の種類の基材を使用してもよい。スパンデックス（＝Ｅｌａｓｔａｎｅ又はＬｙｃｒａ（登録商標））ストランドを不織布の間の弾性体として使用してもよい。適用されるウエストバンドの他の実施品は、工程で延伸され、かつ、一部の着用者に面する材料と一部の衣類に面する材料との間に直接挟み込まれている、物品の長さに対して横断方向に適用された弾性体からなる。

ウエストバンドと、本発明の他の特徴部との組み合わせにより、着用者にとって増大した快適性、フィット性、及び改善された漏れ性能を有する吸収性物品を得ることができる。長手方向に延在するチャネルを備えた吸収性コアは、吸収性材料が膨潤してチャネルを画定するコアラップの壁部を圧迫したときに、長手方向に高められた剛性を提供することができる。これにより、物品の後縁部に向かって更なる間隙が形成される可能性がある。伸縮性ウエストバンド及び伸縮性後耳部は、より良好なフィット性を提供することによってこの問題の解決に役立つことができる。物品は、後側ウエストバンド４８に加えて、前側弾性ウエストバンド（図示せず）を備えてもよい。以下では、具体的に指示がない限り、後側ウエストバンドに関する説明は、独立に、前側ウエストバンドに関するものでもあり得る。「伸縮性」、「弾性的」、「弾性的に延伸可能な」、及び「弾性のある」とは、材料及び／又は要素が、張力の適用時に裂けたり又は壊滅的に破損したりすることなく、その元の未延伸状態の長さの少なくとも１５０％まで伸長可能であり、かつ張力が解放された後に、その元の長さに又はその元の長さに近い長さに実質的に戻る、おむつ又は他の使い捨て吸収性物品の材料及び／又は要素の性質を、本明細書では指す。

ウエストバンド４８は、典型的には、不織布の積層体と、ある程度の張力下でシャーシと組み合わされる数本の弾性ストランド５０とを含む。弾性ストランドは、経時的にほとんど弛緩又は固定を呈さないストレッチを得る最も費用効果のよい方法である。不織布は通気性であり、かつフィルム代替品よりも柔軟であるため、ウエストバンドの材料の外装に好ましいが、フィルムをウエストバンドの材料として使用することも可能である。ウエストバンド積層体は、所望により任意の数のストランド（例えば、２本の弾性ストランド〜４０本の弾性ストランド、例えば、４本の弾性ストランド〜２６本の弾性ストランド）を更に含んでもよい。弾性ストランドを歪みの下で他の非延伸性材料と組み合わせて、次いで弛緩させると、それらは一定の周波数のギャザーと、平坦に置かれた出発材料よりも高い、結果として生じる坪量を有する積層体を作り出すということも知られている。後側及び前側ウエストバンドの非限定的な例は、国際公開第２０１２／１７７４００号及び同第２０１２／１７７４０１号（Ｌａｗｓｏｎ）、並びに米国特許第４，５１５，５９５号、同第４，７１０，１８９号、同第５，２２１，２７４号、及び同第６，３３６，９２２号（ＶａｎＧｏｍｐｅｌら）に見出すことができる。

不織布材料及び弾性ストランド（１つ又は複数）は、第１の歪み（組み込みストランド伸び）下で組み合わされてもよく、ウエストバンドは、第２の歪み（印加ウエストバンド歪み）下で物品に取り付けられる。不織布材料及び弾性ストランド（１つ又は複数）は、接着剤、機械的結合、又は当該技術分野で知られている他の任意の取り付け形態を用いて組み合わされてもよい。

組み込みストランド伸びは、約５０％超、約７５％超、約１００％超、約１５０％超、約２００％超、約２２５％超、約２５０％超、約３００％超、約３５０％超、約３７５％超であってもよい。組み込み伸びは、組み合わされている第２の材料（例えば、低坪量の不織布）に対して弾性体に加えられている歪みである。例えば、不織布と組み合わされたときの弾性体を１００ｍｍ〜２５０ｍｍまで伸長した場合、１５０％の組み込み伸び、すなわち（（２５０ｍｍ／１００ｍｍ）−Ｌ）×１００％であると言うことになる。次いで、この積層体を弛緩させることができ、ほぼ元の１００ｍｍに戻るが、不織布は２５０ｍｍのままである。弾性体を異なる度合に歪ませた場合、１つのウエストバンド積層体内で２つ以上の組み込み伸びが存在し得る。例えば、ストランド（１）は、不織布と組み合わされたとき、１００ｍｍ〜２５０ｍｍまで伸長され、すなわち１５０％の組み込み伸びを有し、一方でストランド（２）は、不織布と組み合わされたとき、９０ｍｍ〜２５０ｍｍまで伸長され、すなわち約１７８％の組み込み伸びを有する。

ウエストバンドは、弛緩時の長さと比べて約３０％超、約５０％超、約７０％超の印加ウエストバンド歪みで、使い捨て吸収性物品に適用されてもよい。ウエストバンドは、弛緩長さと比べて約１５０％未満、約１２５％未満、約１００％未満、約７５％未満の印加ウエストバンド歪みで、使い捨て吸収性物品に適用されてもよい。印加されたウエストバンド歪みは、吸収性物品と組み合わされたとき、ウエストバンド積層体に加えられている歪みである。例えば、適用されたときに１００ｍｍの積層体を１７０ｍｍまで伸長させた場合、７０％の印加されたウエストバンド歪み、すなわち（（１７０ｍｍ−１００ｍｍ）／１００ｍｍ×１００％であると考えられる。前側ウエストバンドが存在する場合、バックシートと同じ印加ウエストバンド歪みで、又は異なる歪みで、シャーシに適用されるのが好都合であり得る。

ウエストバンドの、物品の長手方向軸線に平行な方向の長さは、約１２ｍｍ超、約１５ｍｍ超、約２０ｍｍ超であり得る。ウエストバンドの、物品の長手方向軸線に平行な方向の長さは、約５０ｍｍ未満、約４５ｍｍ未満、約４０ｍｍ未満であり得る。ウエストバンドの、物品の横断方向軸線に平行な方向の長さは、約５０ｍｍ超、約７５ｍｍ超、約１００ｍｍ超であり得る。弛緩した製品におけるウエストバンドの、物品の横断方向軸線に平行な方向の長さは、約３００ｍｍ未満、約２５０ｍｍ未満、約２００ｍｍ未満であり得る。ウエストバンドは、典型的には、物品の着用者に面する表面上に配設されるが、ウエストバンドが物品の衣類に面する表面上にある場合を排除するものではない。ウエストバンドは、吸収性物品の層の間に挟まれてもよい。

ウエストバンドは、一般に、物品の対応する腰部縁部に隣接して配置される。ウエストバンドと、物品の縁部との間の距離は、特に４０ｍｍ未満であり得、特に、（後側）ウエストバンドと、物品の（後側）縁部との間の距離は、０ｍｍ〜３０ｍｍであり得る。ウエストバンドは、接着剤、機械的結合、又は当該技術分野で既知の任意の他の形態で、物品に取り付けられてもよい。

その他の構成成分
本発明の吸収性物品は、物品の意図される目的に関して既知である任意の他の典型的な構成要素を更に含み得る。図１及び図２は、物品の後縁部１２に向けて後耳部４０に取り付けられ、物品の前縁部１０に向けて配置されたランディングゾーン４４と協働する締結タブ４２を含む締結システムなどの、本明細書でこれ以上説明されないその他の典型的なテープ型おむつの構成要素を示す。後耳部は、伸縮性であっても、又は伸縮性でなくてもよい。締結特徴部は、典型的には、予備成形されたサイドシームを有するパンツタイプの物品には存在しないが、当然ながら、本発明はこうしたパンツタイプの物品でも用いることができる。図１に示すように、物品は、物品の後縁部に隣接して横断方向に延在する後側弾性ウエストバンド４８を有してもよい。また吸収性物品は、前側弾性ウエストバンド、トップシートの全体にわたる横断バリア要素、尿と接触すると外観を変化させる、コアとバックシートとの間の湿り度インジケータ、トップシート上のローション外用薬などの、図示されていないその他の典型的な構成要素も含み得る。これらの構成要素は当該技術分野において周知されており、本明細書ではこれ以上説明しない。国際公開第２０１４／０９３３１０号を参照すると、これらの構成要素のいくつかの例がより詳細に開示されている。

物品の製造方法−層間関係
本発明の吸収性物品は、当該技術分野で既知の任意の従来法によって製造され得る。特に、物品は手作りであってもよく、又は高速で産業的に生産されてもよい。吸収性コアは、標準的なエアレイ加工ドラム（air laying drum）、及びチャネルとこれらのチャネルを介した結合とを提供するように適合されたプロセスを用いて作製され得る。米国特許出願公開第２００７／２５００２６（Ａ１）号は、一体型吸収性コアに複数の穴を設けるエアレイ加工ドラムを開示している。形成ドラムは、穴を形成する複数のドラムを含み、コアラップはこれらの穴を介してそれ自体に結合され得る。本願の装置は、複数の突起を、本発明のチャネルを提供するための少なくとも一対の湾曲しかつ長手方向に延在するストリップに変更することによって、容易に修正することができる。エアフェルトフリーコアプロセスでチャネルを備えた吸収コアを製造する方法は、例えば、国際公開第２０１２／１７０７９８（Ａ１）号に開示されている。

より一般的には、物品内で隣接する層は、層表面の全体又は一部へのスロットコーティング、らせん状糊剤接合、若しくは吹き付けによる接着剤コーティング、若しくは熱結合、若しくは加圧接合、又はこれらの組み合わせなど、従来の結合法を用いて互いに接合される。構成要素間の結合の多くは、明確化及び可読性のために図面には示されていない。この結合は、チャネル２６内のコアラップ層間のチャネル結合部２７又はコアラップのＣ字形ラップ結合７２（１つ又は複数）で例示的に示されている。他の糊剤又は付属品は明確化及び可読性のために示されていないが、特に除外されない限り、物品の層間の典型的な結合が存在するものとみなされるべきである。接着剤は、異なる層の接着性、例えば、バックシートとコアラップとの間の接着性を改善するために一般的に使用され得る。使用される糊剤は、当該技術分野で既知のとおり、任意の標準的なホットメルト糊剤であってよい。例えば、バックシートとコアラップとは、国際公開第２０１２／１７０３４１（Ａ１）号（Ｈｉｐｐｅ）で開示されるようなコア−バックシート糊剤接着パターン、又はいくつかのらせん状糊剤塗布を用いた完全被覆パターンを用いて糊剤接着することができる。例えば、バックシートが糊剤接着又はその他の方法によって折り畳みガイド（図示せず）に対応するコアラップの領域に取り付けられた場合、折り畳みガイドは、物品の衣類に面する面から使用者に見えやすくなることがある。任意の典型的なホットメルト接着剤を使用してもよい。また、国際公開第２０１４／０７８２４７号に例示的に開示されるように、例えばトップシートと吸収性コア又は液体処理層との間に、任意でトップシートを通して視認可能であり得る印刷された接着剤層を用いることも可能である。

物品は、当該技術分野において既知であるように折り畳まれて包装されてもよい。特に、物品は、輸送及び保管中にパッケージが占めるスペースを低減するために、圧縮下で包装され得る。パッケージは、例えば、プラスチックバッグ又は段ボール箱であってよい。おむつは、包装される前に、典型的には横断方向軸線に沿って２つに折り畳まれ、耳部は内向きに折り畳まれてもよい。

パッケージ
物品は、当該技術分野において既知であるように折り畳まれて包装されてもよい。パッケージは、例えば、プラスチックバッグ又は段ボール箱であってよい。おむつは、包装される前に、典型的には横断方向軸線に沿って２つに折り畳まれ、耳部は内向きに折り畳まれてもよい。吸収性物品は、パッケージの寸法を縮小するように圧縮下で梱包されて、なお、１パッケージ当たり妥当な量の吸収性物品を提供することができる。吸収性物品を圧縮下で包装することにより、介護者はパッケージを容易に扱い、保管することができると同時に、パッケージのサイズによる流通コストの削減を製造者にもたらし得る。図６は、複数の吸収性物品１００４を含む例示のパッケージ１０００を示す。パッケージ１０００は、複数の吸収性物品１００４が位置する内部空間１００２を画定する。複数の吸収性物品１００４は、１つ以上のスタック１００６に配置される。

物品がパッケージ内である程度まで圧縮され得るように、前述の三次元材料は、物品に存在する場合、特に圧縮するように弾力的であり得る。複数の比較的密集し、比較的小さく、かつ比較的柔らかい三次元突起物は、特にチャネル近傍の区域において、圧縮力が除去されると圧縮に抗して回復するためのバネとしての役割を果たすことができる。かかる物品は、典型的には、圧縮条件下で包装され、折り畳まれるため、圧縮回復性は、吸収性物品の不織布又は他の構成要素の層において重要である。パーソナルケア製品の製造では、審美及び性能目的のために、出来上がった状態のキャリパーの、全てではないがほとんどを維持することが望まれる。更に、実質的に材料を含まないチャネルは、保管及び輸送中に三次元突起物の少なくともいくつかが入れ子になるための空隙部を提供するので、圧縮回復性の予期せぬ有益な改善に寄与する。

本発明の物品は、少なくとも１０％、特に１０％〜５０％、特に２０％〜４０％のバッグ内圧縮率で圧縮され、包装されてよい。「バッグ内圧縮率」は、本明細書で使用するとき、１から、１０個の折り畳まれた物品をバッグ内の圧縮下で測定したスタック高さ（「バッグ内スタック高さ」）を１０個の折り畳まれた同じタイプの物品の圧縮前スタック高さで割った数を引いてから１００倍した数であり、すなわち（１−バッグ内スタック高さ／圧縮前スタック高さ）×１００を百分率で報告したものである。当然のことながら、バッグ内のスタックは、厳密に１０個の物品を有する必要がなく、パッケージ内の物品のスタックの高さについて測定された値を、スタック内の物品数で割り、次いで１０をかける。バッグ内スタック高さを測定するために用いられる方法については、試験手順において更に詳細に記載する。圧縮前の物品は、典型的には生産ラインの折り畳みユニットとスタック梱包ユニットとの間から試料抽出され得る。圧縮前のスタック高さは、圧縮及び梱包前の１０個の物品を取り、ＩＢＳＨで表されるそれらのスタック高さを測定することによって測定される。

本開示の吸収性物品のパッケージは、特に、以下のバッグ内スタック高さ試験に従って１１０ｍｍ未満、又は１０５ｍｍ未満、又は１００ｍｍ未満、又は９５ｍｍ未満、又は９０ｍｍ未満のバッグ内スタック高さを有し得る。バッグ内スタック高さは、本明細書に記載するバッグ内スタック高さ試験に従って、少なくとも７０ｍｍ、少なくとも７２ｍｍ、少なくとも７４ｍｍ、少なくとも８０ｍｍであってもよく、特に、指定範囲内及びその中又はそれによって形成される全ての範囲内（例えば、７０ｍｍ〜１１０ｍｍ、７５ｍｍ〜１１０ｍｍ、８０ｍｍ〜１１０ｍｍ、８０ｍｍ〜１０５ｍｍ、又は８０ｍｍ〜１００ｍｍなど）の、０．１ｍｍの増分が全て列挙される。

試験手順
バッグ内スタック高さ試験
吸収性物品のパッケージのバッグ内スタック高さは、以下のとおりに判定される。

機器：平坦な剛性の水平スライディングプレートを備えた厚さテスタが使用される。厚さテスタは、水平スライディングプレートが、平坦な合成の水平ベースプレートの上で直接水平方向に常に維持された状態で、水平スライディングプレートが垂直方向に自由に移動するように構成される。厚さテスタは、水平スライディングプレートと水平ベースプレートとの間の間隙を±０．５ｍｍ以内で測定するのに好適なデバイスを含む。水平スライディングプレート及び水平ベースプレートは、各プレートと接触する吸収性物品パッケージの表面よりも大きい（すなわち、全ての方向で各プレートは吸収性物品パッケージの接触表面を超えて延在する）。水平スライディングプレートは、吸収性物品パッケージに下方への力８５０±１重量グラム（８．３４Ｎ）を加えるが、これはスライディングプレートの合計質量に付加重量を足して８５０±１グラムとなるように、水平スライディングプレートのパッケージに接触しない上面の中央に好適な重しを置くことによって達成し得る。

試験手順：吸収性物品パッケージを、測定前に、２３±２℃及び５０±５％の相対湿度で平衡化する。水平スライディングプレートを上げ、パッケージ内の吸収性物品が水平方向を向くように、吸収性物品パッケージを水平スライディングプレートの下の中央に置く。プレートのいずれかに接触するパッケージの表面の任意のハンドル又は他のパッケージング機構を、パッケージの表面に対して平坦に折り重ねることで、測定に対する影響を最小限にする。水平スライディングプレートを、パッケージの上面に接触するまでゆっくり下げてから、解放する。水平スライディングプレートを解放してから１０秒後に、水平プレート間の間隙を±０．５ｍｍ以内で測定する。５つの同じパッケージ（同一寸法のパッケージ及び同一の吸収性物品数）を測定し、相加平均をパッケージ幅として報告する。「バッグ内スタック高さ」＝（パッケージ幅／１スタック当たりの吸収性物品数）×１０を算出し、±０．５ｍｍ以内で報告する。

その他（ＭＩＳＣ）
あらゆる相互参照される又は関連する特許又は出願を含む、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外される、又は別途限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

Claims (15)

1. 着用者に面する面と、衣類に面する面と、長手方向軸線（８０）と、横断方向軸線（９０）とを有する、おむつ又はトレーニングパンツなどの吸収性物品（２０）であって、
   −前記着用者に面する面上のトップシート（２４）と、
   −前記衣類に面する面上のバックシート（２５）であって、液体不透過性フィルムと、任意追加的に、前記フィルムに取り付けられた不織布とを含む、バックシート（２５）と、
   −前記トップシートと前記バックシートとの間の吸収性コア（２８）と、
   −任意追加的に、前記吸収性コアと前記トップシートとの間の捕捉層（５４）と、を備え、
   前記吸収性コアは、吸収性材料（６０）を封入する上部面（１６）と底部面（１６’）とを有するコアラップを備え、前記吸収性材料は、繊維と超吸収性ポリマーとの混合物を含み、前記吸収性材料は、吸収性材料の少なくとも５５重量％の超吸収性ポリマー、特に吸収性材料の重量の６０重量％〜８５重量％の超吸収性ポリマーを含み、
   前記吸収性コアは、前記長手方向軸線の両側に対称的に配設された、吸収性材料を実質的に含まない２つの長手方向に延在するチャネル（２６）を備える、前記吸収性物品（２０）において、
   前記チャネルは、前記チャネルが前記横断方向に測定される相互に最も近い距離（ｄ１）及び最も遠い距離（ｄ２、ｄ３）を有するように、前記長手方向軸線に向かって内向きに湾曲し、前記最も近い距離は前記最も遠い距離の８０％未満であり、好ましくは、前記最も近い距離は前記最も遠い距離の１０％〜７０％の範囲であり、
   前記トップシート又は、存在する場合、前記捕捉層（５４）のうちの少なくとも一方が、エアースルー結合カード不織布であることを特徴とする、吸収性物品（２０）。
2. 前記吸収性材料が、前記コアラップ内の吸収性材料堆積区域（８）を画定し、前記吸収性材料区域は、前側部（２８０’）と、後側部（２８２’）と、２つの長手方向側部（２８４’、２８６’）とを備え、この吸収性材料区域は、前記横断方向に測定して、その幅が、前記長手方向軸線上の位置に沿って変化するような形状をなし、前記吸収性材料区域の前記幅は、前記堆積区域の前記前側部と前記後側部との中間の長手方向位置において最小である、請求項１に記載の吸収性コア。
3. 前記堆積区域の前記幅が、前記堆積区域の前記前側部及び前記後側部においてほぼ同じであり、あらゆる遷移区域を含む、前記前側部と前記後側部との中間の前記最小幅区域が、前記長手方向に測定して、前記堆積区域（Ｌ’’）の前記長さの１０％〜８０％の範囲である長さ（Ｌ’’’）を有する、請求項２に記載の吸収性コア。
4. 前記エアースルー結合カード不織布が、５ｇｓｍ〜２００ｇｓｍ、特に１０ｇｓｍ〜１５０ｇｓｍの範囲の坪量を有する、請求項１〜３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
5. 前記上部面と前記底部面とが前記チャネルを介して結合され、特に、前記コアラップの前記上部面及び前記底部面が、特に超音波結合、圧力結合、及び／又は熱結合によって、前記チャネルを介して非接着剤結合される不織布である、請求項１〜４のいずれか一項に記載の吸収性物品。
6. 前記物品の前記衣類に面する面から可視である湿り度インジケータを備え、特に、前記湿り度インジケータが、前記吸収性コアと前記バックシートとの間に配設された、ホットメルト接着剤及びｐＨインジケータを含む組成物であり、かつ、前記衣類に面する面から見たときに、前記チャネルの間に視覚的に配設される、請求項１〜５のいずれか一項に記載の吸収性物品。
7. 前記チャネルのそれぞれが、前記吸収性材料区域の前記長さ（Ｌ’’）の少なくとも１０％、特に、前記吸収性材料区域の前記長さの３０％〜８０％である、前記物品の前記長手方向軸線（８０）上に投影された長さ（Ｌ’）を有する、請求項１〜６のいずれか一項に記載の吸収性物品。
8. 前記チャネルのそれぞれが、それらの区域の少なくともいくつかにおいて、少なくとも２ｍｍ、特に２ｍｍ〜２０ｍｍの幅（Ｗｃ）を有する、請求項１〜７のいずれか一項に記載の吸収性物品。
9. 前記コアラップは、前記コアラップの前記底部面又は前記上部面が前記基材のフラップを部分的に重ね合わせることによって形成されるように、前記吸収性材料の周囲にＣ字形に巻き付けられる単一基材によって形成され、あるいは、前記コアラップは、前記コアラップの前記上部面又は前記底部面を形成する第１の基材と、前記コアラップの他方の面を少なくとも部分的に形成する第２の基材とを備え、前記第１の基材は、前記第１の基材を前記第２の基材の上に折り重ねて二重基材Ｃ字形ラップを形成することができるように、前記第２の基材よりも大きい、請求項８に記載の吸収性物品。
10. 前記トップシートがスパンボンド不織布であり、前記捕捉層がエアースルー結合カード不織布である、請求項１〜９のいずれか一項に記載の吸収性物品。
11. 前記トップシートと前記捕捉層とが、複数の溶融接合部によって互いに取り付けられている、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の吸収性物品。
12. 前記着用者に面する面上に三次元材料を備える、請求項１〜１１のいずれか一項に記載の吸収性物品。
13. 前記三次元材料が前記トップシート上に配設され、前記三次元材料が、
    ａ．内側表面と、反対側の外側表面とを有する繊維状支持層と、
    ｂ．内側表面と、反対側の外側表面とを有する繊維状突起層であって、前記支持層の前記外側表面は前記突起層の前記内側表面と接触する、繊維状突起層と、
    ｃ．前記突起層内の第１の複数の繊維から形成される複数の中空突起物であって、前記突起層の前記外側表面から、前記支持層から離れる方向に延出する、複数の中空突起物と、を備える、請求項１〜１２のいずれか一項に記載の吸収性物品。
14. 弾性後側ウエストバンド（４８）を更に備える、請求項１〜１３のいずれか一項に記載の吸収性物品。
15. 請求項１〜１４のいずれか一項に記載の複数の吸収性物品を含むパッケージであって、７０ｍｍ〜１１０ｍｍのバッグ内スタック高さを有する、パッケージ。

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