JP2018526980A - バイオセンサ - Google Patents

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Abstract

核酸プローブを含む膨潤性で生物学的に高感度なエレメントと、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに関連付けられた物理電気的変換器とを含むバイオセンサ。電気物理的変換器は、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤を検出可能な電気特性に変換する。好適な実施形態では、バイオセンサは、電気インピーダンスを測定するように適合させた電極を含む適切な基板上に置かれたオリゴヌクレオチド架橋ポリマーを含む。関連の方法および前記バイオセンサを含むデバイスも提供する。

Description

本開示は、バイオセンサおよびバイオセンサを含むシステムに関する。一部の実施形態では、バイオセンサを適合させて、サンプル中の核酸を検出する。
バイオセンサは、種々の技術領域、特に診断で用いられる、重要性が増している解析ツールセットである。多くの場合、バイオセンサは、生物学的認識(bio−recognition)コンポーネントおよび適切な変換器を併せ持つ。バイオセンサは、概して、生物学的認識コンポーネントと相互作用する分析物の存在下で、生化学的シグナルを適切なシグナルに変換することが可能である。
核酸を検出するためのバイオセンサは特に重要である。マイクロRNA(miRNA)の、診断および他の生物学的調査のバイオマーカとしての使用の継続的発展を鑑みると、サンプル中の核酸を早く都合よく特定するセンサに対するニーズは高まっている。核酸のバイオセンサは、2つの相補的核酸鎖の間の相互作用を利用して、バイオセンサの生物学的認識コンポーネントを活性化させる。この相互作用を測定可能な電気シグナルに変換することは、困難である。
サンプル中の核酸(例えば、miRNA)を検出する種々の既知の方法があるが、さらなるバイオセンサに対する差し迫ったニーズが未だにある。
より広く言うと、他のタイプの標的向けの新規のバイオセンサに対するニーズもある。
特に、既知のバイオセンサプラットフォームよりも低コストで、利便性が改善され、検出スピードがより速く、および/または、感度が改善されたバイオセンサが望ましい。
本発明の第1態様により、
−核酸プローブを含む、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントと;
−膨潤性で生物学的に好感度なエレメントに関連付けられた物理電気的変換器とを含む、バイオセンサを提供する。
核酸プローブを含む膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、標的/分析物を認識するように適合されている。
本発明のある実施形態において、標的は核酸とすることができる。この場合、標的核酸は、核酸プローブと標的核酸の間の相補的塩基対合(ハイブリダイゼーション)を通じて核酸プローブにより適切に認識され得る。
他の実施形態では、標的は非核酸標的とすることが可能であり、任意の適切な標的実体、例えば、タンパク質/ペプチド、薬物、脂質、多糖、他の小分子、細胞表面などとすることが可能である。これらの実施形態では、核酸プローブは、好適には核酸アプタマーである。アプタマーは、はっきり定義された種類の核酸ベースの部分であり、これは、しばしば、高い特異性と親和性をもって、マクロ分子およびより大きい構造物から小化合物にわたる幅広い標的に結合することが可能である。核酸アプタマーはDNA、RNA、または非天然核酸とすることが可能であり、これは、種々の方法でさらに修飾され得る。アプタマーデータベース(http://aptamer.icmb.utexas.edu/)が確立されており、そのカタログは、アプタマーを用いた実験を実質的に全て公開した。したがって、一部の好適な実施形態では、核酸プローブはアプタマーを含む。
標的が核酸である場合、それは本質的には任意の核酸であり得るが、多くの場合、それはmiRNAなどのオリゴヌクレオチドである。好適には、標的核酸は、バイオセンサにさらされる際、一本鎖である。これは、核酸プローブとのハイブリダイゼーションを容易にするためである。miRNAの場合、一本鎖形態は、標準状態である。あるいは、核酸プローブとの相互作用を容易にするために、一本鎖形態を生成することが可能である。これは、バイオセンサにおいてin situで、または、サンプルをバイオセンサに適用する前に行うことが可能である。例えば、二本鎖(二重)DNAは、加熱するおよび/または適切な化学薬剤(例えば、尿素)を投与することにより一本鎖に容易に分離することができ(溶解または変性);続いて、余熱および/または化学薬剤を取り除くことにより、標的核酸の少なくとも一部を核酸プローブとアニールさせることができるだろう。しかしながら、核酸のハイブリダイゼーションの動的性質の観点から、本発明は、典型的には、標的核酸がバイオセンサに晒される際二本鎖である場合でも、なお機能し得る。
使用時に、適切な標的を含むサンプルに晒された際、生物学的に高感度なエレメントは物理的効果を、つまりポリマーの膨潤を可能にする。この物理的効果は、標的と核酸プローブの間の相互作用の結果である。次に、物理電気的変換器が、物理的効果(物理的シグナル)を、ユーザにより測定および/またはモニタリングすることが可能である、検出可能/測定可能な電気的指標(例えば、インピーダンスもしくは抵抗などの測定可能な電気的特性、または、電圧もしくは電流などの電気シグナル)に変換する。好適には、検出される電気的特性は、電気インピーダンス(または、インピーダンスの逆数として定義されるアドミタンス)の変化であり、そのため、電気的特性には、抵抗、コンダクタンス、リアクタンス、サセプタンス、キャパシタンス、インダクタンス、またはその組み合わせの変化が含まれ得る。電気的特性の、他の形態の検出可能な変化、例えば、比誘電率、誘電率、電気透磁率を代わりに用いることが可能である。
好適には、核酸プローブの対応する標的への結合が、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤性の向上をもたらすように、膨潤性で生物学的に高感度エレメントを適合させる。例えば、核酸プローブは、膨潤性ポリマー物質の脆弱な(つまり、容易に切断可能な)架橋剤の一部を定義することが可能であり、該架橋剤は、標的が核酸プローブに結合する際に切断される。
一部の実施形態では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、適切には、少なくとも部分的に相補的な核酸鎖の少なくとも一対を含み、各対の少なくとも一方の鎖が核酸プローブを含む。部分的に相補的な核酸の対は、ハイブリダイズして、該対が分離する際に切断される脆弱な架橋剤を形成することが可能である。
好適には、脆弱な架橋剤は、核酸プローブ鎖とブロッカー鎖を含む、部分的に相補的な核酸の少なくとも一対を含む。核酸プローブ鎖とブロッカー鎖は、互いに少なくとも部分的に相補的であって、該核酸プローブ鎖とブロッカー鎖がアニールすることを可能にするが、核酸プローブとブロッカー鎖は、互いに不完全に相補的である、および/または、その全長の一部でのみ完全に相補的であることが非常に好適である。
核酸プローブ鎖およびブロッカー鎖は、脆弱な架橋剤を形成する際に互いにアニールするまで(核酸プローブ鎖とブロッカー鎖は、典型的には、ポリマーに組み込まれる前にアニールする)、または、核酸プローブが標的分析物(例えば、miRNAなど相補的ポリヌクレオチド)に結合する際に、典型的には、一本鎖の形である。
このような実施形態では、ハイブリダイゼーションを通して核酸標的に結合するように核酸プローブを適合させることが可能であるか、または、核酸プローブを、非核酸標的に結合するように適合させた核酸アプタマーとすることが可能である。核酸アプタマーは、任意の他の核酸と同じように、ブロッカー鎖などの相補的な鎖に結合することが可能である。アプタマー標的の存在下では、標的は、アプタマーの結合についてブロッカーと競合し、そのため、架橋剤の切断をまねく。
代わりの実施形態では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、適切には、ポリマーに連結した2つの核酸ブロッカー鎖と、両方のブロッカー配列に対し少なくとも部分的に相補的であり、そのため該両方のブロッカー配列にハイブリダイズして脆弱な架橋を形成する、核酸プローブ配列とを含む。典型的には、核酸プローブ配列は、(典型的には、一方の末端またはその近くに、)第1ブロッカーに対し少なくとも部分的に相補的な第1配列を有し、(典型的には、もう一方の末端またはその近くに、)第2ブロッカーに対し少なくとも部分的に相補的な第2配列を有するだろう。したがって、このような実施形態では、核酸プローブは、ポリマーに固定された2つの核酸ブロッカー配列の間でブリッジを形成して、3部架橋を形成する。この場合の核酸プローブは、さらにまたアプタマーとするか、または、塩基対合を通して標的核酸への結合が意図されるプローブとすることが可能である。
代わりの実施形態では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、適切には、核酸アプタマープローブと、対応するアプタマー向け標的を含む。したがって、脆弱な架橋は、適切には、核酸アプタマーと非核酸標的(ブロッキング標的ということが可能である)により形成される。適切な標的を膨潤性のポリマー物質に統合することは、多くの従来的な化学技法により実現することが可能であり、適切な技法は、ポリマーおよび標的の性質により明確に決定されるだろう。好都合なことに、標的をポリマー物質に統合する場合、結果として生じる標的のわずかな変化により、標的に対するアプタマーの親和性が低減する可能性がある。このような親和性の低下は、アプタマーが、ブロッキング標的と比較し、生物学的サンプルの「天然」標的に優先的に結合するという利点をもたらす。
アプタマー(または、実際は、任意の他の配列)がモノマー/ポリマーに連結する際、例えば、標的に結合するためのアプタマーによる正しい立体配座の選択が、例えば、立体障害またはポリマーを生じさせる他の効果により妨げられないように、ポリマーと結合配列の間にスペーサを含むことが望ましい場合がある。スペーサは、核酸スペーサとするか、または、炭化水素鎖、例えば(CH鎖(nは任意の適切な数字とすることが可能であり、好適には1〜10)などの任意の他の適切なスペーサとすることができる。任意の適切な長さの核酸スペーサ、好適には1〜20個のヌクレオチド、より好適には2〜10個のヌクレオチド、例えば、長さで約5ヌクレオチドを用いることが可能である。
したがって、脆弱な架橋剤は、不完全に相補的な核酸の1つまたは複数の対を含み得る。この場合、「不完全に相補的な」は、脆弱な架橋剤の2本の核酸鎖の間の相補的塩基のマッチングが、核酸プローブとその相補的な標的(例えば、miRNAもしくは他の核酸、または非核酸標的)の間の相補的塩基のマッチングよりも少ないことを意味する。言い換えると、核酸プローブの標的への結合が、ブロッカー鎖への結合よりも強い(したがって、熱力学的に、より優先される)。これは、標的の存在下では、核酸プローブのブロッカーへの結合が、熱力学的に優先されなくなり、核酸プローブの標的の結合が優先されるようになることを意味する。これは、ブロッカーではなく標的と核酸プローブの結合をもたらし、そのため、脆弱な架橋剤が切断されるだろう。
標的が核酸である場合、核酸プローブ配列は、適切には、標的核酸分析物配列に対し非常に相補的である。例えば、核酸プローブと標的核酸の配列は、適切には、核酸プローブの実質的に全長にわたり、完全に相補的とすることができる。核酸プローブとブロッカーは、プローブの長さの一部においてのみ(例えば、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、または40%以下)で相補的とすることができる。代わりに、または、加えて、核酸プローブおよびブロッカーは、部分的に相補的な共有領域において1つまたは複数の位置でミスマッチし得る(例えば、1、2、3、4、5個のミスマッチが存在するか、あるいは、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、または40%以上の塩基が、部分的に相補的な領域でミスマッチし得る)。
例示的な一実施形態では、核酸プローブは、10〜100ヌクレオチド長(好適には、10〜80、より好適には10〜50、さらにより好適には10〜30)とすることができ、長さが8〜20ヌクレオチドの対応するブロッカーに対し相補的な、部分的または完全な配列の領域を有し得る。
好適な実施形態では、プローブ配列は、その長さの一部でのみ(例えば、その長さの20〜80%、好適には、その長さの40〜60%)、ブロッカー鎖と対合し、その長さのより大きい部分で;適切には、その長さの実質的に全てで(例えば、その長さの70%以上、好適には90%以上)、標的と対合する。
核酸プローブおよびブロッカー鎖は、典型的には、オリゴヌクレオチドであり、これは、任意の適切な長さであり得る。適切には、オリゴヌクレオチドは、100以下の塩基、好適には50、40、30、25、20、またはそれより少ない塩基を含み;典型的には、オリゴヌクレオチドは10以上の塩基を含むだろう。
核酸プローブは、天然核酸(DNAまたはRNA)である必要はなく、核酸アナログ/ミメティック、または、修飾したもしくは変化させた核酸の他の形とすることが可能であることに注意されたい。必要なのは、本発明の核酸プローブが、標的核酸と塩基対合することが可能であることのみである。例えば、核酸は、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴ(PMO)(モルフォリノとしても知られる)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)、架橋化核酸(BNA)、またはトレオース核酸(TNA)とすることができる。したがって、用語「核酸プローブ」は、本明細書で用いる場合、天然核酸に限定されず、核酸アナログ/ミメティック、および修飾したまたは変化させた核酸の他の形が含まれる。
(PNAおよび/またはモルフォリノの場合のように、)同等のDNA配列またはRNA配列と比較し、電荷および/または親水性が低減した核酸アナログ/ミメティックを用いることは利点であり得る。これは、典型的には、水性環境における偽陽性の膨潤反応の確率を低減させ、それにより低濃度のオリゴヌクレオチドマーカに対する蛍光強度および感度を改善させる。したがって、このような核酸アナログ/ミメティックは、本発明の好適な実施形態に存在し得る。
本発明の一部の実施形態では、バイオセンサは、2個以上の標的を検出するための核酸プローブを含み得る。
核酸プローブならびにブロッカー(および/または、もしあれば核酸アプタマーに対するブロッキング標的)は、好適には、重合可能部に連結する。例えば、核酸またはブロッキング標的は、適切には、膨潤性ポリマーに統合することが可能なモノマー部分に共有結合する。核酸/ブロッキング標的が連結した重合可能部の適切なポリマーへの統合は、脆弱な架橋を含む、架橋膨潤性ポリマーをもたらす。
核酸に連結した重合可能部は、適切には、アルケン(オレフィン類)および/または環開可能な基を含み得るが、任意の他の適切な重合可能な基も含み得る。
核酸および重合可能部の組み合わせは核酸架橋モノマーということができ、ブロッキング標的および重合可能部の組み合わせは、ブロッキング標的架橋モノマーということができる。遺伝子用語架橋モノマーは、文脈上、別段の指示がない限り、両方のことを指す。
本発明の好適な実施形態において、核酸プローブおよびブロッカーに連結した重合可能部は、アクリダイトである。アクリダイト系核酸架橋モノマーの構造を以下に示す。
波線は、アクリダイト部分に連結したオリゴヌクレオチドを表す。C=C二重結合は、重合時に、アクリダイトをポリマー骨格に容易に統合し、それによりオリゴヌクレオチドをポリマー内の所定の位置に固定し、連結核酸が自由に架橋することを可能にする。
膨潤性ポリマーは、好適には、脆弱な核酸架橋に加え、非脆弱な架橋を含む。例えば、ポリアクリルアミドは、当技術分野で周知のように、ビスアクリルアミドと架橋し得る。ポリマーが、非脆弱な架橋を含まない場合、脆弱な架橋の切断は、その構造統合性を実質的に失ったポリマーをもたらし、これは、多くの場合、望ましくない。脆弱な架橋と非脆弱な架橋の混合物を提供することによりポリマーの全体構造が維持され得るが、ポリマーの膨潤性は、脆弱な架橋が切断されるか否かに応じて、著しく変更され得る。
使用時に、標的が膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに接触する場合、標的は、好適には、核酸プローブとハイブリダイズ(アニール)し、ブロッカー鎖またはブロッキング標的に取って代わる。これは、脆弱な架橋を切断し、これは、ポリマー内の架橋の減少をもたらす。ポリマー内の架橋の減少は、ポリマーが膨潤性特性の増大を示すことを可能にする。
当業者は、ポリマーの脆弱な架橋および非脆弱な架橋の適切なレベルを容易に選択して、ポリマーの特性を調整することが可能である。所望の特性および必要な架橋のレベルは、バイオセンサの使用目的および使用するポリマーに左右されるだろう。非脆弱な架橋の割合を高めると、系の膨張力を低減/調整するだけでなく、(水浸透に対し、よりねじれた/閉じた道が生成されることにより)膨張速度を遅くさせることができる。いくらかの非脆弱な内容物が、概して、膨潤状態にありながらある程度の構造統合性を維持するのに好適である。概して、ほとんどの場合、架橋の総量は最大で30%、しばしば15%以下、および典型的には、それよりも著しく少ない(例えば、10%または5%未満)。しかしながら、より高レベルの架橋が、一部の状況では好適であり得る。
膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、任意の適切な膨潤性ポリマー、例えば、親水性ポリマーを含み得る。ポリマーの膨張は、典型的には、ポリマーと、サンプル中に存在する水(または他の適切な、例えば、極性の溶媒)との相互作用の結果である。膨潤性で生物学的に高感度なエレメントが、標的分析物、例えば核酸を含む適切なサンプルに晒された際には(つまり、脆弱な架橋の切断時には)、適切な(つまり、検出可能な)程度にまで膨潤するが、標的分析物(例えば、核酸)が存在しない場合は、膨潤しないまたは著しく少なく膨潤するように、該エレメントを適合させる。
多くの場合、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、水(または、他の適切な溶媒)は存在するが、標的分析物は存在しない状況では、ある程度膨潤するだろう。しかしながら、任意のこのような膨潤は、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに存在する核酸プローブ(例えば、脆弱な架橋剤の形をした)により制限される。脆弱な架橋剤が切断された場合、ポリマーの膨潤に対する制限は低減し、したがって、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤力は増大する。したがって、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、適切には、標的分析物の有無に応じて特異的に膨潤性である。
一部の場合では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、該膨潤性で生物学的に高感度なエレメントを、分析するサンプルに似たまたは同じ特性を有する適切な水性液体に晒すことにより、使用前に「予備膨潤」させることができ;この場合、使用時のポリマー特性の著しい変化は、標的分析物の存在下でのみ起きるだろう。代わりに、バイオセンサにより得られるデータを処理して、標的分析物の非存在下で起きる任意のバックグラウンド膨潤を無視することが可能である。
上記のように、膨潤は、サンプルの存在下において、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントによる水(または他の適切な溶媒)の吸収の結果として起きる。したがって、分析するサンプルは、典型的には、液体であり、通常は、水性であるだろう。サンプルは、適切には、例えば、血液、尿、唾液、粘液、便、リンパ液、CSF、もしくは滑液などの動物の生物学的サンプルであるか、または該生物学的サンプルに由来し得る。代わりに、サンプルは、対象の分析物を含み得る任意の他の供給源、例えば、細胞培養培地、環境サンプルなどとすることが可能である、サンプルは、希釈液、例えば、水、生理的食塩水、または緩衝剤を含み得る。
親水性ポリマーは、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントで用いるのに特に適切な物質である。当技術分野で周知のように、水溶性ポリマー、例えばヒドロゲルなどの水吸収(したがって、膨潤する)特性は、架橋の存在量(時には、架橋密度として知られる)により大きく左右される。したがって、本発明の好適な実施形態では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントには、親水性の水膨潤性ポリマーが含まれる。
親水性ポリマーは、好適には、架橋されている(つまり、上記のように、脆弱な核酸架橋に加え従来型の架橋も含む)。親水性ポリマーは、特に架橋されている場合に、しばしばヒドロゲルと呼ばれる。したがって、本発明のバイオセンサは、好適には、ヒドロゲルを含む、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントを含む。
当技術分野にはすでに知られている多くの親水性ポリマーがあり、当業者は、本発明で使用するのに適切な親水性ポリマーを容易に選択することが可能である。
いくつかの特に適切な、ただし非限定的である例を挙げると、親水性ポリマーには、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(エチレングリコール);ポリ(N,N’−ジアルキルアクリルアミド);ポリ(2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート);ポリ(2−メトキシエチルアクリレート);およびポリ(ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)のうち1つまたは複数が含まれ得る。脆弱な核酸クロスリンカーをこのようなポリマーに統合することは、核酸に連結した適切な重合可能部を用いることにより容易に実現することが可能である。
ポリマーには、好適には、ポリアクリルアミドヒドロゲルが含まれる。ポリマーには、通常、モノマー(アクリルアミド)および架橋剤(適切には、N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド)が含まれる。ポリマーには、適切には、任意の適切な割合のアクリルアミド、例えば、5〜50%、好適には7〜30%、典型的には10〜20%、および通常は10〜15%(例えば、約15%)w/wアクリルアミドが含まれ得る。ポリマーにおける架橋剤の濃度は、結果として生じるヒドロゲルの物理的特徴を調整するために変えることができる。ポリマーにおける架橋剤の濃度は、任意の適切なレベルで存在し得、例えば、該濃度は、適切には、モノマーに対し、0.05〜10mol%、好適には0.1〜5mol%、さらにより好適には0.2〜2.0mol%で存在し得る。
ポリマーには、適切には、光開始剤が含まれ得る。光開始剤は、適切には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとすることができる。しかしながら、多くの他の光開始剤が周知であり、他の例としては:AIBNおよび他のアゾ化合物;過酸化ベンゾイルおよび他の過酸化物;2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン;ならびにカンファーキノンが挙げられ、さらなる光開始剤は、Sigma Aldrichより入手可能である(https://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma―aldrich/docs/Aldrich/General_Information/photoinitiators.pdf参照)。光開始剤の濃度は、任意の適切な濃度、例えば、モノマーに対し、0.05〜0.5mol%、好適には0.1〜0.2mol%、典型的には0.125mol%で存在し得る。光開始剤は、典型的には、重合をUV照射により開始させ得るように機能する。
他のタイプの重合開始剤が当技術分野で周知であり、光開始剤の代案(または追加)として存在し得る。例えば、ラジカル重合の開始剤としては、過酸化物、過硫酸塩、金属アルキル、アゾ、または他の関連化合物が挙げられる。したがって、このような開始剤としては、特に、熱開始剤およびレドックス開始剤が挙げられる。適切な開始剤の例は、当技術分野で周知である。このような開始剤は、任意の適切な濃度、例えば、モノマーに対し、0.05〜0.5mol%、好適には0.1〜0.2mol%、典型的には0.125mol%で存在し得る。例えば、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)などのジアミンの存在下で、過硫酸アンモニウム(APS)などの過硫酸塩をレドックス開始剤として用いることが可能である。例えば、モノマーに対し0.125mol%が、首尾よく用いられてきた。重合は、また、モノマーおよび選択した末端機能に応じ、配位挿入、アニオン性、カチオン性、制御ラジカル、環開、および他の重合技法を含む、他の戦略により開始することが可能である。
ポリマーには、適切には、塩化ナトリウムまたは別の無機金属塩が含まれ得る。これは、ポリマーに組み込まれたDNAまたは他の電荷核酸プローブ/架橋剤を固定するのに有用であるが、モルフォリノまたは脆弱なPNAプローブ/架橋剤を用いる場合は、典型的には、必要ではない。塩化ナトリウムの濃度は、適切には0〜500mMであり、約150mMが典型的である。
ポリマーは、適切には、溶媒を含み得るか、または、溶媒を、ポリマーの重合時に用いることができる。特に、溶媒を助剤として用いて、導電性粒子をポリマーに均一に分布させることが可能である。溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびリン酸緩衝液を含み得る。溶媒は、等量のジメチルスルホキシド(DMSO)およびリン酸緩衝液を含み得る。リン酸緩衝液は、任意の適切な濃度を有し得、一部の場合、濃度は約1mM(ミリモル)である。
ポリマーは、適切には、コポリマーとすることができる。共重合は、最終ポリマーの特性の調整を可能にすることから有用であり得る。例えば、適切なコポリマーは、アクリルアミドと1つまたは複数の追加モノマーを(核酸が連結するモノマーに加えて)含み得る。1つまたは複数の追加モノマーは親水性であり得るか、または、コポリマーが全体的に親水性である場合は、非親水性であり得る。1つまたは複数の追加モノマーは、アクリレート、メタクリレート、ビニルアセテート、スチレン、アクリロニトリル、およびオレフィンを含有するモノマーのうち1つまたは複数とすることができる。
好適には、ポリマーは、比例的に、少なくとも60mol%(より好適には、少なくとも80%、さらにより好適には少なくとも90mol%)のアクリルアミドモノマーおよび40%以下(より好適には20%以下、さらにより好適には10%以下)の追加モノマーを含む。
特異的な一例では、ポリマーは、アクリルアミドおよびN−イソプロピルアクリルアミドモノマーを含み得る。例えば、本発明に従い、アクリルアミド対N−イソプロピルアクリルアミドを50:50、80:20、および20:80の比率で有するポリマーを、首尾よく調製した。
本発明の好適な実施形態では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、オリゴヌクレオチド架橋ポリマー複合体(OCPC)を含む。
本発明の物理電気的変換器は、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントにおける物理的変化を、電気シグナルまたは検出可能な電気的特性に変換することが可能である。
好適には、膨潤の物理電気的変換器は、ピエゾ抵抗物質または電気浸透複合体物質(「浸透物質」の定義については以下を参照されたい)を含み、該ピエゾ抵抗物質または電気浸透複合体物質の体積における外部誘発された変化(例えば、機械的変形または化学的膨潤)に起因する電気インピーダンスの変化を示し得る。電気抵抗の変化が検出すべき特性である場合、このような変換器は、「化学抵抗性」(または、この場合はおそらく「生物抵抗性」)であるということが可能である。代わりに、他の形態の物理電気的変換器、例えば、圧電性物質を含む変換器などを用いることが可能である。
本特許が言及する好適なタイプの物理電気的変換器は、一般に、「浸透複合体」と言われる。本明細書では、この用語を、以下の特性を持つ物質として定義する:異なる電気導電性を有する2つ以上の異なるエレメントの混合を含む;より導電的なエレメントの有効濃度が低下した際に、電気導電性の低下を示す;および、体積膨張時に電気導電性の低下を示す。
典型的には、浸透複合体の絶縁ポリマーマトリックス(この場合膨潤性ポリマーマトリックス)には、電気導電性粒子(例えば、以下で論じるように、炭素または金属粉)が分散している。導電性粒子という充填剤を少量装填する場合、複合体は電気的に絶縁性であり、導電性(または抵抗)はポリマーのそれと近い。導電性粒子の濃度が上昇すると、より多くの粒子が互いに物理的に接触するようになり、導電性は狭い濃度幅で急速に上昇する(いわゆる「浸透閾値」)。次に、導電性は、高充填剤粒子濃度の金属導電性に漸近的に近づく。そのため、このような物質では、導電性粒子装填を用いたおよそS字状の導電性(抵抗)のパターンが観察される。ポリマーが機械的に圧縮されるか、または化学的に膨潤することによりポリマーの体積が変わり、そのため導電性粒子の有効濃度が変わる場合にも同様の挙動パターンが観察される。
これらのタイプの物質は、一般に、「浸透複合体」という。これは、「浸透理論」がこのような挙動パターンを記載するために最初に提案されたという事実による。しかしながら、このモデルは多くの複合体にとっては単純すぎ、該モデルは低濃度では非導電性であると予測することから、この領域では役に立たない。浸透モデルは、また、導電性および非導電性ポリマーの混合物、ならびに、実際、導電性に有限差のある任意の2つの物質の挙動を記載するのに用いる場合は効果的でない。「有効媒体理論」が、その後、首尾よく考え出され、全範囲の導電性粒子充填にわたり電気的挙動についてより正確な記載が提供されてきた。有効媒体理論は、また、粒子形状およびサイズが如何に浸透閾値に影響を与えるかをシミュレーションするのに用いることが可能である。しかしながら、いくつかの物質は、なお、浸透理論または有効媒体理論のいずれでも上手く予測できない特性を有し、理論のさらなる修正を要する。修正には、特に、「量子トンネリング複合体」(または「QTC」)が含まれ、これは、充填剤濃度での浸透閾値は示さないが、圧縮または膨張を介した体積変化に対しては極度に高感度であり、複合体を介した導電性を実現するのに、隣接する粒子間での密接な接触に依存することがない(代わりに、粒子間の量子トンネリングに依存する)。
本文章にわたり(実際には、文献の多くにわたり)、多数の例は浸透理論のモデルに厳密には適合しないものの、用語「浸透複合体」を用いて、上記の定義後、このタイプの物質の上記全ての例について記載することに注意を払うことが重要である。
したがって、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤を、電気インピーダンスの測定可能な変化に変換するおよび/または転換するために、物理電気的変換器の浸透複合体を適合させる。本発明では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントが膨潤する際、浸透複合体の電気抵抗が変化し、これは、適切な標的分析物(例えば、オリゴヌクレオチド)および水(または他の適切な溶媒)の存在下で起きる。上記で論じたように、一部の場合では、いくらかの膨潤が、標的分析物がない場合でも起き得るが、これは、分析物の存在下で起きる膨潤よりも小さく、これにより、分析物の存在および/または量を検出することが可能になる。
浸透複合体は、適切には、電気導電性物質(例えば、金属もしくは炭素など)または半導体を含み、これは、好適には、特定の形をしている。
浸透複合体は、好適には、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに分布した導電性粒子を含む。例えば、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの親水性ポリマーは、導電性粒子が分布したマトリックスを定義し得る。導電性粒子は、導電性充填剤または導電性充填剤粒子ということが可能である。
膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに分布した導電性粒子は、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントが膨潤し、体積が増大する際の動きに支配されることが理解されよう。典型的には、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントが膨潤する際、導電性粒子の充填濃度は低下し、つまり、各粒子間の間隔が広がるだろう。これは、物質の電気抵抗の増加をまねく。この抵抗における変化は、例えば、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに接続した適切な電極を使用することにより、容易に検出することが可能である。
高導電性粒子物質が、膨潤時の電気導電性変化を最大化するのに好適である。例えば、金属粒子または炭素粒子により実証されるように、高導電性は、それが、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントが膨潤する際の抵抗変化を最大化させるため、好適である。概して、適切なサイズの任意の高導電性の粒子を用いることが可能である。
浸透複合体は、好適には、カーボンナノパウダーおよび/またはカーボンナノチューブを、導電性粒子として含む。
多くの形態のカーボンナノパウダーを用いることが可能である。本発明者らは、平均粒子サイズが50nm以下のカーボンナノパウダーが著しく適切であることを発見したが、これは本発明を限定するものではない。同様に、多くの形態のカーボンナノチューブを用いることが可能である。本発明者らは、多層で、外径が約10nmであり、長さが約6μmのカーボンナノチューブが著しく適切であることを発見したが、これは本発明を限定するものではない。当業者は、代わりのカーボンナノパウダー物質またはカーボンナノチューブ物質を容易に選択することが可能である。
浸透複合体は、代わりに、または、追加で、カーボンブラック、ニッケル、金、銀、亜鉛、および銅の粒子のうち1つまたは複数を含み得る。導電性ポリマー粒子/ビーズを含め、任意の他の適切な導電性非金属粒子のように、他の導電性金属粒子も当然用いることができる。
上記の特定の導電性物質のうち2つ以上の組み合わせを用いることが可能であることが、当業者には明らかであろう。
導電性粒子のサイズはサブマイクロメータであること、例えば、1000nm未満、好適には500nm未満、より好適には100nm未満であることが好ましい。このような粒子は、インクジェットプリントなどの大規模な印刷工程に対しより適合性があることから、好適である。より小さい充填剤粒子は、また、均一な粒子分布に関連性が高い電気的再現性を維持しながら、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの体積をさらに小型化することも可能にする(これは、より速い反応を可能にする)。
導電性充填剤粒子の代案として、当業者は、また、本質的に導電性のポリマーを用いることが可能であり、これは、上記の(絶縁)ポリマー物質と混合することが可能である。導電性ポリマー充填剤の例としては、限定するわけではないが、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS)、ポリ(アニリン)(PANI)、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリ(アセチレン)(PAC)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ならびにその混合物およびブレンドが挙げられる。
交流電流(AC)電気インピーダンス測定を反応の電気的測定に利用する場合(詳細については以下を参照されたい)、充填剤粒子を適切に用いて、複合体の誘電特性(つまり、その抵抗と複素インピーダンス)を調整し、膨潤に対する測定可能な反応を最適化することが可能である。この場合、感度がより高い領域に対し、複合体のインピーダンスを下げるまたは上げることが好適であり得る。これらの場合、他の導電性の充填剤粒子が好適であり得、該充填剤粒子としては、半導体粉末または絶縁粒子までもが挙げられる。
当業者は、上記のものから適切な導電性物質を容易に選択することが可能である。さらに、当業者は、適切な量の導電性物質を提供して、バイオセンサにおいて所望の浸透特性を実現する、つまり、標的分析物の存在下でポリマーが膨潤する際の適切なインピーダンス変化を実現することが可能である。膨潤性ポリマーと導電性粒子の相対的比率について拘束力のある一般規則を提供することは、不可能であるし、必要でもない。これは、該一般規則は場合により変わるためである。しかしながら、任意の所与の系を最適化することは当業者にとって容易なことであろう。
導電性粒子の割合は、好適には、膨潤する前は、複合体が浸透閾値を超え、そのため、導電性が最大の状態にあるという程度である。次に、膨潤が起きた後は、複合体は非浸透性になり、導電性が最小の状態になろう。導電性粉末をこの「浸透閾値」に近い値で装填することにより、センサの感度は最大化される。(浸透曲線はS字形であり、したがって、抵抗変化は、浸透閾値において非常に急激に変化する。)
しかしながら、一部の場合では、浸透閾値から少し離れた初期状態を有するように選択し、その結果、溶媒のみ(つまり、標的分析物なし)からの初期(偽陽性)の膨潤が抵抗に与える影響が最小になるようにすることが好適であり得る。次に、標的分析物の存在下において追加で引き起こされる膨潤および結果として生じる架橋剤の切断により、複合体は、検出用浸透閾値を超える。
何れの場合でも、センサは、標的分析物に晒される直前に浸透をいくらか超える、充填剤体積分率であるべきである。次に、晒すことにより複合体を膨潤させ、体積分率を、浸透閾値を下回る値まで変化させる。
浸透閾値濃度は、文献において良く理解されており、該濃度は、粒子のサイズ、形、およびアスペクト比により決定される。
したがって、浸透閾値は、膨潤(つまり、体積の増加)から生じる抵抗の変化を本質的に増幅させる好都合なメカニズムを提供する。核酸架橋剤の切断時のポリマー膨潤が、浸透閾値内でまたは浸透閾値にわたり(もしくは浸透閾値の少なくとも一部にわたり)、導電性粒子材料の体積分率を変化させるように、本発明のバイオセンサを適切に適合させる。導電性粒子材料およびポリマーの任意の組み合わせの浸透閾値は、容易に求めることが可能である。
本発明のバイオセンサは、典型的には、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤の結果として、バイオセンサの電気シグナルまたは電気的特性の変化を検出および/または測定することを可能する、適切な電極を含む基板を含む。
任意の適切な電極系を用いることが可能である。本発明者らは、くし型電極(IDE)が特に適切であることを発見した。電極は、シリコン基板、例えばシリコンウェハ上に設けることが可能である。このような電極の組み立ては、標準的なフォトリソグラフィ手順を用いて、つまり、金属電極をシリコン基板にパターン形成して、行うことが可能である。
本発明の例示的な一実施形態では、電極には、二酸化ケイ素(SiO)基板上に組み立てられたプラチナIDEが含まれる。例えば、チタニウムで形成された接着層を用いて、プラチナのSiOへの接着を補佐することが可能である。別の例示的な実施形態は、金電極をガラス基板にパターン形成することが可能である。多くの他の適切な電極系を用いることが可能であり、概して、導電性パターン化電極を有する任意の絶縁物質が適切であることが明白であろう。多くの用途について、電極は可処分かつ低コストであり、おそらく、印刷した金属、炭素、または導電性インク電極をパターン化したプラスチックまたは紙の基板からなることが好適であり得、このような電極はすでに当技術分野で既知である。
適切には、電極の活性領域は、膨潤性で生物学的に好感度なエレメント(例えば、OCPC)で完全に覆われている。
一部の例示的な実施形態では、基板は、少なくとも部分的に、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントを、該膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの基板および/または電極への付着を高める薬剤を用いて堆積させることが可能な領域において修飾された表面である。基板は、適切には、例えば、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートを用いて、シラン処理することが可能である。シラン処理は、ガラスまたはシリコンの基板を用いる場合、特に有用である。
適切には、本発明のバイオセンサは、単回使用アイテムである。
本発明の第2態様により、本発明のバイオセンサのアレイを基板上に提供する。これは、複数の感知操作の実行を、単一アレイ上で並行して行うことを可能にする。
アレイのバイオセンサを、複数の標的分析物を検出するように構成する、および/または、同一の標的について2回以上の並行検出を実行するように(つまり、多数回の反復実験)構成することが可能である。いくつかの異なる標的の検出は、複数の標的を効率的にスクリーニングするために明らかに望ましく、多数回の反復実験は、統計的有意性/信頼度を高めるか、または、ノイズを排除するために望ましい場合がある。
多数回の反復実験を用いて、標的濃度について量的な情報を得ることも可能である。これは、いくつかの、異なるがそれぞれ同じプローブを用いるセンサ間の架橋密度を変更することにより、実現される。その場合、この群のセンサの異なる反応規模および異なる時間的反応が、標的種の相対存在量についての量的情報を得ることを可能にしよう。
それぞれが単一特異的標的について異なる程度で標的−プローブ重複/マッチを有する多数のセンサを、感度を向上させるために利用することも可能である。これは、よりエネルギー的に起きやすい状態が標的に結合したプローブから生じるものの、プローブと標的はなお100%マッチしていないという事象を感知することによる偽陽性反応の例を特定し、無視することに役立つだろう。
適切には、アレイは、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上のバイオセンサを含む。しかしながら、アレイに設けることが可能なバイオセンサの数には事実上限界はなく、したがって、アレイは、適切には、20個以上、50個以上、100個以上、または500個以上のバイオセンサを含み得る。潜在的に、アレイは、臨床的または研究的に重要なmiRNAの小パネルまたは大パネルを検出するように構成することが可能である。例えば、アレイは、いくつかのmiRNAを含み得、これは、特定の病気(つまり、診断用)または病気の状態(つまり、層別化または治療のモニタリング用)を示唆する。あるいは、アレイは、多数の病気の多重化スクリーニングのために、より幅広い範囲のmiRNAを含み得る。
基板は、適切には、バイオセンサのそれぞれと相互作用する適切な電極を含む。
第3態様では、本発明は、本発明の第1態様または第2態様のバイオセンサか、またはバイオセンサからの電気的指標を検出および/または定量化するように適合させた測定装置に連結したアレイを含む、バイオセンサデバイスを提供する。
測定装置を、バイオセンサからのインピーダンスの変化を(例えば、オーム計を用いて)測定するように適合させるか、または、電気シグナル、典型的には電圧を(例えば、電圧計を用いて)測定するように適合させることが可能である。適切な高感度な計測装置は、当技術分野で周知である
バイオセンサデバイスは、適切には、分析するサンプルを受け入れるためのサンプル受入容器を含み得る。バイオセンサまたはアレイが容器のサンプルにさらされるように、バイオセンサまたはアレイを適合させる。
本発明の第4態様により、サンプル中の標的の存在または量を検出する方法であって:
a)本発明の第1態様のバイオセンサまたは本発明の第2態様のアレイを提供するステップと;
b)前記バイオセンサを前記サンプルにさらすステップと;
c)前記サンプルにさらした結果としての、前記バイオセンサにおける電気シグナルもしくは電気的特性の変化を観察するステップと;
d)前記変化の大きさを任意選択的に求めるステップおよび/または
e)前記変化のスピードを任意選択的に求めるステップと;
f)それより前記サンプル中の標的の存在および/もしくは量を求めるステップとを含む、方法を提供する。
アプタマープローブを用いる場合、標的は、核酸または任意の他の適切な標的とすることが可能である。
好適には、本方法は、生物学的サンプルにおける標的(例えば、miRNAなどのオリゴヌクレオチド)の検出のためである。しかしながら、本方法は、標的が存在しているかもしれない任意の適切なサンプルに適用することが可能である。好適には、サンプルは水性である。
本方法は、対象由来のサンプルを得るステップを含み得るか、または、本方法は、予め得たサンプルにおいて行うことが可能である。
好適には、サンプルを対象から得る場合、対象は哺乳類であり;より好適には対象はヒトである。
適切には、本方法は、サンプル中の2個以上の標的分析物の検出向けである。例えば、複数の核酸(例えば、miRNA)を単一方法で検出することか、複数の非核酸を検出することか、または、核酸と非核酸の組み合わせを検出することが可能である。これは、典型的には、異なる標的を検出するように適合させた複数のバイオセンサの使用を必要とする。
本方法は、適切には診断法であり、本方法を用いて、対象の病状の診断および/または適切な治療の選択を補佐することが可能である。
あるいは、本方法は、回復または治療薬に対する反応をモニタリングするために用いることが可能である。
本発明の第5態様において、バイオセンサを製造する方法であって;
a)核酸プローブを含む膨潤性で生物学的に高感度なエレメントを調製するステップと;
b)物理電気的変換器を膨潤性で生物学的に好感度なエレメントに関連付けるステップとを含む、方法を提供する。
好適な実施形態では、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントには、膨潤性ポリマー、適切には親水性ポリマー、例えばヒドロゲルが含まれる。特に好適なポリマーおよびコポリマー、ならびにそれらの形成のための関連モノマーを上記に示す。したがって、本方法は、適切には、適切なモノマーを提供して膨潤性ポリマー(例えば、アクリルアミドモノマー)を形成するステップと、前記モノマーを重合して、膨潤性で生物学的に高感度な重合エレメントを形成するステップとを含む。
本方法は、好適には、核酸架橋モノマーを提供するステップと、前記核酸架橋モノマーを前記ポリマーに統合するステップとを含む。適切には、核酸架橋モノマーは、アクリダイトに連結した核酸を含む。好適には、本方法は、対応する核酸架橋モノマーを、前記膨潤性ポリマーに組み込む前に、アニールするステップを含む。適切な核酸架橋モノマーを上記で論じるが、他も当業者には明らかであろう。
適切には、本方法は、非脆弱な架橋剤を提供するステップと、前記非脆弱な架橋剤を前ポリマーに統合するステップとを含む。適切な非脆弱な架橋剤は当技術分野で周知であり、いくつかは上記で論じるが、他も当業者には明らかであろう。
したがって、本方法は、適切には、適切なモノマーを提供して膨潤性ポリマーマトリックス(例えば、アクリルアミドモノマー)を形成するステップと、核酸架橋モノマーを提供するステップと、任意選択的に非脆弱な架橋剤を提供するステップと、前記モノマーと任意選択的に非脆弱な架橋剤を重合させることにより、脆弱な核酸架橋を含む膨潤性ポリマーを形成するステップとを含む。
モノマーの重合は、適切には、重合開始剤を提供し、適切な条件を適用することにより、例えば、光開始、熱開始、または同様のものにより重合を開始することにより、実現することが可能である。適切な開始剤は、当技術分野で周知であり、例は上記で論じる。
好適には、本方法は、電気的に導電性の粒子を提供するステップと、前記電気的に導電性の粒子を、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに分布させて、好適には浸透複合体を形成するステップとを含む。例えば、電気的に導電性の粒子は、適切には、モノマーを重合して膨潤性ポリマーを形成する前に、該モノマーと混ぜる。適切な導電性粒子については上記で論じているが、それは、浸透複合体物質の好適な特性である。
したがって、本方法は、適切には、
−適切なモノマーを提供して膨潤性ポリマーを提供するステップと、
−核酸架橋モノマーを提供するステップと、
−電気的に導電性の粒子を提供するステップと、
−非脆弱な架橋剤を任意選択的に提供するステップと、
−前記のものを混ぜ合わせるステップと、
−前記モノマー、および、任意選択的に、非脆弱な架橋剤を重合させることにより、
関連付けられた物理電気的変換器を有する、脆弱な核酸架橋を含む膨潤性ポリマーを形成するステップとを含む。好適には、本方法は、浸透複合体を生成する。
適切には、本方法は、電極を含む基板を提供するステップと、前記基板上の電極を、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントおよび関連付けられた物理電気的変換器で覆うステップとを含む。適切には、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントはポリマーであり、本方法は、適切なモノマーおよび任意選択的に架橋剤を重合して、基板上でin situでポリマーを形成するステップを含む。
本発明の第1態様の任意選択的特徴は、本発明の第2態様、第3態様、および第5態様に組み込むことが可能であり、逆も同じである。
ここで、本発明の実施形態を単なる例示として、添付図面を参照して記載する。
本発明の態様に従ったバイオセンサの概略図である。 組み立てられた微小電極チップの画像を示す図である。 電極の組み立てステップについての概略図である。 オリゴヌクレオチド官能化ヒドロゲルの膨潤性反応の概略図である。 回路図の概略図である。 コンダクタンス(つまり、1/抵抗)が、導電性充填剤の体積分率が変わる(つまり、導電性充填剤が、特定の複合体に対する浸透閾値を示す)につれ、如何に変化するかを示す図である。 OCPCの抵抗についてのグラフを示す図である。 アクリルアミド(AAm)モノマーを含むOCPCと、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)およびAAmを用いた50/50コポリマーを含むOCPCでの膨潤の比較を示す図である。 アプタマー脆弱架橋を含むOCPCの概略図である。DNAアプタマーはアデノシンに結合する。2つのアプローチを、図の上部パネルと下部パネルに示すように用いた。 アプタマーを含むOCPCの膨潤を示すグラフを示す図である。グラフは、アプローチ2に従った、つまり、SEQ ID NO:12およびSEQ ID NO:11を含むアプタマーOCPCを示す。テスト分析物は、1mMのPBSおよび300mMのNaClに溶解させた2mMのアデノシンである。緩衝液は、1mMのPBSおよび300mMのNaClである。 DNA系の脆弱な架橋剤と比較して異なる方法で(エチル連結およびペンチル連結)ポリマー骨格に連結したモルフォリノ系の脆弱な架橋剤を含むOCPCの、膨潤結果を示すグラフである。 DNAセンサおよびブロッカー鎖を含有するOCPCならびにモルフォリノセンサ鎖およびDNAブロッカー鎖を含有するハイブリッドに対する、モルフォリノを含有するOCPCの塩感受性を示すグラフである。 DMSOを使用せずに生成したOCPCの抵抗についてのグラフを示す図である。
例示的なバイオセンサの構造および製造について、以下に記載する。
電極
バイオセンサは、くし型電極(IDE)を含む。電極の組み立てを、以下に記載するように、標準的なフォトリソグラフィ手順を用い、金属電極をシリコン基板にパターン形成して行う。図1は、電極10の略図である。電極10は、電極チップということができる。エリア12はプラチナ(Pt)であり、エリア14は二酸化ケイ素(SiO)である。丸で囲んだエリア16は、くし型電極18を示す。全部で30個のフィンガーがある(全てが明確に示されるわけではない)。
図2は、シリコン基板214上に組み立てた微小電極チップ210を示す。オリゴヌクレオチド架橋ポリマー複合体(OCPC)211を置いたチップ210aも示す。5ペンス硬貨220を、サイズの参考のために示す。
電極310の組み立てステップを図3に示す。関連の組み立て技法は、当技術分野において周知である。用いた電極310は、二酸化ケイ素(SiO)上に組み立てたプラチナ(Pt)IDEであった。チップを、IDEがOCPCの液滴により完全に覆われ、IDEアレイが1.46mmごとに1.5に及ぶように設計した。IDEには全部で、40μmずつ離れ、それぞれ幅が10μmであるフィンガーが30個ある(図1に示す通り)。
電極310を、100mmシリコンウェハ340上に組み立てた。これらを、約500nmのSiO層342を生成するために、1100℃のウェット酸化炉に40分間かけた。この後、ウェハ340を、表面から水分の任意の痕跡を取り除くため、1時間バレルアッシャーに置いた(30分が、首尾よく用いられてきた別の適切な期間である)。
絶縁SiO層342をシリコンウェハ340上に拡大させた後、フォトレジスト344の層を堆積させた。次に、ウェハを、フォトリソグラフィマスク348を通してUV光346にあてる。次に、フォトレジスト344を伸ばし、チタニウム350を水に蒸発させる。次に、プラチナ352を水に蒸発させ、リフトオフプロセスを行い、所望のパターン360のみ残す。
フォトレジストを堆積させる前に、ウェハに約10分間ヘキサジメチルシロキサン(HMDS)を下塗りして、フォトレジストのSiOの表面への付着を高めた。用いたフォトレジストはAZNLof2070−3.5であり、それを、5秒間は700回転毎分(rpm)、続く45秒間は3000rpmと、1000rpm/s加速させる回転プロファイルでPolos Spinnerを用いて、約3.5μmの厚さで堆積させた。フォトレジストを堆積させた後、任意の残った溶媒を取り除くため、ウェハを100℃のホットプレート上で5分間ソフトベイクした。
次に、フォトレジストをコーティングしたウェハを、ハードコンタクト下でKarl Sussマスクアライナ―と前記マスクを30秒間用いて紫外線(UV)照射に当てた(図3−C)。当てた後、ウェハを、115℃で1分間リバースベイクするためにホットプレートに移した。次に、ウェハをAZ726現像液に1分間置き、その後、さらに1分間、新しい現像液バッチに移した(図3−D)。
次に、e−ビーム蒸発器を用いて、金属をウェハ上に堆積させた。チタニウム(Ti)を、接着層として機能するように10nmの厚さで堆積させ(図3−E)、ptを100nmの厚さで最上部に堆積させた(図3−F)(50nmが、首尾よく用いられてきた堆積層の別の厚さである)。この後、ウェハを50℃のNMR1150に1時間浸すことによりリフトオフプロセスを実行し、その後、新しいNMR1150(これも50℃である)のバッチにもう1時間移した(図3−G)。次に、ウェハをイソプロピルアルコール(IPA)に15〜20分浸し、その後、脱イオン(DI)水ですすいだ。リフトオフステップ後、次に、ウェハを賽の目に切り個々のチップにした。
OCPCが膨潤する際の電極表面への付着を向上するために、ポリマーを基板に化学的に結合させるために電極を3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートでシラン処理した。これを実現するため、電極を0.01Mの塩酸(HCl)に15分間浸して、SiO基板を初期状態にした。次に、電極を取り出し、DI水ですすぎ、乾かした。その後、電極を3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレートの0.02M溶液に1時間浸した。その後、電極を取り出し、DI水ですすぎ、乾かした。このプロセスを行った後、基板の表面についに結合したメタクリレート基が重合反応に関与し、ポリマーを基板表面に共有結合させるだろう。
OCPCの堆積および重合
OCPCをくし型電極(IDE)に堆積させるおよび/または結果として生じる混合物を重合するため、2〜5μLの少量のOCPC溶液を、該溶液が完全に電極を覆うようにピペットでIDEに移した。次に、Dymax Bluewave 75UV sourceを用いて、溶液を60秒間UV照射にさらした。結果として生じる遊離ラジカル重合により、IDEを覆うOCPCが生じるだろう。
OCPC堆積を、マイクロピペットを用いて手動で行った。しかしながら、これは、より小さい(例えばナノリットル(nL)の)堆積が可能なロボットシリンジ分与技法を用いて、容易に自動化することができる。液体またはポリマーに基づいた堆積技法も用いることが可能である。これらの技法としては、限定するわけではないが、インクジェットプリンティング、スクリーンプリンティング、およびロール・ツー・ロール(roll−to−roll)プリンティングが挙げられる。
電極のサイズ、間隔、パターン、および向きなどのパラメータを変更して電極特性を最適化することが可能である。これは、例えば、シグナル対ノイズ比を改善することを通し、電気測定を改善することができる。想定されるIDE修飾のタイプの特異的な例としては:
・IDEのサイズを縮小して、より小さい複合体液滴を用いることができるようにすること(反応時間の高速化および/または電気シグナル対ノイズ比の改善を可能にする)、
・単一チップ上の多数のセンサ用に、IDEのパターン化アレイを作成すること、
・パッシベーション層、より複雑な形状、またはチップ上でのマイクロ流体送達を含むようにチップ設計を修正すること、
・代わりとなる、低コストで可処分なチップ組み立て用材料、例えば、紙、プラスチック、
・スクリーンプリント電極、導電性インクのロール・ツー・ロールプリンティング、および/またはインクジェットプリンティング、が挙げられる。
ポリマー
使用する塩基ポリマーは、モノマー(アクリルアミド、15重量%)と、結果として生じるヒドロゲルの物理的特性を要求に応じて調整するために変更することが可能な濃度(典型的には、モノマーに対し0.2〜2.0mol%の範囲である)の標準的架橋剤(N,N’−メチレン−ビスアクリルアミド)とからなる、ポリアクリルアミドヒドロゲルとした。これに対し、光開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)および塩化ナトリウム(NaCl、150mM)を加えた。光開始剤は、重合をUV照射により開始できるように機能し、Naclは、ポリマーに組み込まれた任意のオリゴヌクレオチドを固定するだろう。ヒドロゲルに用いる溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)および1mMのリン酸緩衝液の当量混合物とすることが可能である。これらのヒドロゲルを調製する正確な方法は、用いる導電性複合体に応じて変わる(この方法は、[1]より採用した)。追加の実験研究では、DMSOを悪影響なく方法論から省くことが可能であり、実際にDMSOを省くことが標準アプローチになることが分かった(図13は、本明細書に記載の方法を、DMSOを使用せずに繰り返した実験のグラフを示す)。しかしながら、一部の場合は、分散の補助として機能する溶媒が有益であり得る。
しかしながら、オリゴヌクレオチド架橋ヒドロゲンは、限定するわけではないが、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(エチレングリコール);ポリ(N,N’−ジアルキルアクリルアミド);ポリ(2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート);ポリ(2−メトキシエチルアクリレート);およびポリ(ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)を含む任意の親水性ポリマーから構成され得る。
各例では、ヒドロゲルは、さらに、主なモノマーと第2モノマーの共重合により、調整することが可能である。このモノマーは必ずしも親水性である必要はなく、該モノマーには、前記ポリマーを形成するモノマーだけでなく、任意の他のアクリレート、メタクリレート、ビニルアセテート、スチレン、アクリロニトリル、および他のそのようなオレフィンを含有するモノマーが含まれ得る。物質の組成には、通常、この第2モノマーがさらに少量(<10%)含有されるだろう。
導電性充填剤
浸透複合体がカーボンナノパウダーを含む場合、このプレゲル混合物を次に所望の質量のカーボンナノパウダーに加え、ナノパウダーを、パルスモード(10秒オン、15秒オフ)で60%振幅に設定した500W音波プローブを12分15秒用いた高出力音波処理により、溶液内に分散させた。この音波処理は間接的に起こり、これは、ソニケーターを用いて水槽を音波処理し、複合体混合物がその槽において、プローブチップに近接しておかれていることを意味する。実行に成功した別の例では、サンプルを低出力音波処理水槽に懸濁した。さらに別の成功した例では、サンプルを、5分間手で単純に撹拌した。
浸透複合体がカーボンナノチューブを含む場合、カーボンナノチューブは、適切には、多層で、10nm×6μmである。所望の重量、典型的には、2mg/mLおよび潜在的にはそれより少ないナノチューブを、DMSOおよび1mMのリン酸緩衝液の等量混合物に、低出力音波処理により分散させる。混合物を、音波槽(約12W)において、8〜24時間音波処理した。分散を補助するため、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)を炭素重量の10倍加えた(参考文献[2]より採用した方法)。音波処理後、ナノチューブ懸濁液を、必要量のモノマー、架橋剤、光開始剤、およびNaClの乾燥混合物に加えて、所望の濃度のプレゲル/ナノチューブ懸濁液を作った。
学究的な文献は、他の導電性充填剤パウダーを絶縁ポリマーと組み合わせて使用して、体積変化とともに電気抵抗が変化するという同様の特性を有する浸透複合体(つまり、ピエゾ抵抗複合体)を作成する、非常に多くの例を提供する。一般的に言及される例は、(所望により)容易に組み込むことが可能だが、該例としては、カーボンブラック、ニッケル、金、銀、亜鉛、銅などが挙げられる。高導電性充填剤が、膨潤時の抵抗変化を最大化させるのに好適である。文献の大部分が、これまで、低コストおよび購入の容易さにより、マイクロサイズのパウダーに焦点を当ててきた。しかしながら、今後の低コストセンサには、インクジェットプリンティングなどの大規模なプリンティング工程に対しより適合性を持つことから、ナノサイズのパウダーが好適である。より小さい充填剤粒子は、また、均一な粒子分布と、関連する良好な電気的再現性を維持しながら、(より速い反応のための)センサの体積のさらなる小型化を可能にする。
金属充填剤粒子の代案として、本質的に導電性のポリマーも用いることが可能であり、これは、上記の絶縁(感知)ポリマー物質と混合することが可能である。導電性ポリマー充填剤の例としては、限定するわけではないが、ポリ(チオフェン)(PT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS)、ポリ(アニリン)(PANI)、ポリ(ピロール)(PPY)、ポリ(アセチレン)(PAC)、ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV)、ならびにその混合物およびブレンドが挙げられる
交流電流(AC)電気インピーダンス測定を反応の電気的測定に利用する場合(詳細については以下を参照されたい)、充填剤粒子を用いて、複合体の誘電特性(つまり、その抵抗と複素インピーダンスの両方)を調整して、膨潤に対する測定可能な反応を最適化することが可能である。この場合、感度がより高い領域に対し、複合体のインピーダンスを下げるまたは上げることが好適な場合がある。これらの場合、他の導電性の充填剤粒子が好適であり得、該充填剤粒子としては、半導体粉末または絶縁粒子までもが挙げられ得る。
オリゴヌクレオチド架橋剤
ヒドロゲルを、脆弱なオリゴヌクレオチド系架橋剤の添加により官能化した。これらの架橋剤は、2つのオリゴヌクレオチド配列からなり、それぞれ5’末端が重合可能化学修飾剤アクリダイト(図4)、重合化反応に関与するアクリルアミド誘導体で終端処理され、それにより、オリゴヌクレオチドはヒドロゲルネットワークに固定される。オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイズし、架橋を形成するように、互いに部分的に相補的であるように設計し、その末端にはアクリダイト分子を提供した(図4)。2つの架橋鎖の一方に対し完全に相補的なヌクレオチド鎖を導入する際に、この鎖は、好適にはそのマッチング鎖にハイブリダイズし、それゆえ架橋を破壊するだろう。このプロセスは架橋密度の変化をもたらし、これは、ヒドロゲルの膨張特徴に影響を与えるだろう。この膨張の変化は、結果として生じる複合体の電気的特性についての分析により変換することが可能である。
架橋剤で使用する官能化オリゴヌクレオチド配列、ならびに、標的配列および対照配列である官能化オリゴヌクレオチド配列は全て、Integrated DNA Technologies社から調達した。オリゴヌクレオチド標的は、miRNA mir−92aのDNAアナログであるように設計した。これは、任意の配列またはmiRNAを選択することが可能であるものの、それの白血病の確認済みバイオマーカとしての関連性のために選択した。プローブ鎖(「センサ鎖」ともいう)は、標的配列に対し厳密に相補的であるように設計した。カスタムMatLabアルゴリズムを用いて、ブロッカー配列を、図4に示すように、(5’末端から)最初の10塩基がランダム配列であり、残りの12塩基がセンサ鎖の最終の12塩基に対し完全に相補的であるように設計した。ランダム配列は、対照として機能するように設計した。上記の全核酸鎖の配列を表1に示す。「Acr」はアクリダイト部分を示す。
オリゴヌクレオチド架橋剤をポリマー複合体に組み込むために、プローブおよびブロッカー官能化オリゴヌクレオチドを、所望の濃度の1mMのリン酸緩衝液において混ぜ合わせ(適切には、2分間で95℃まで加熱し、次に室温まで冷却する)、その後、標準エタノール沈殿を用いて溶液から抽出し、乾燥した官能化オリゴヌクレオチドを残した。これに、適切な体積のプレゲル溶液/ナノ粒子懸濁液を加え、適切には3時間放置して、オリゴヌクレオチドを完全に溶解し、ハイブリダイズさせた。(カーボンナノパウダーの場合、典型的には、3時間の間に懸濁液から沈降してしまうであろうナノパウダーを再懸濁するために、結果として生じる混合物を振り混ぜるか、または前に記載したのと同じ方法を用いて音波処理を行った。)
最終の複合体ヒドロゲルを、光により誘導された、in situで生成されたラジカルにより開始されるラジカル重合により作成する。このラジカル重合は、また、過酸化物、金属アルキル、アゾ、または他の関連化合物から熱または光により誘導されたラジカル形成により、開始され得る。あるいは、ヒドロゲルを、選択したモノマーおよび末端機能に応じ、配位挿入、アニオン性、カチオン性、制御ラジカル、環開、および他の重合技法を含む他の戦略により形成することが可能である。
図4は、標的核酸導入時の、オリゴヌクレオチオ架橋ヒドロゲルの膨潤反応を示す。見られるように、プローブ(感知)鎖472およびブロッキング鎖474は、部分的に相補的なオリゴヌクレオチド架橋を形成する。標的核酸476の導入時に、標的核酸476が感知鎖472と好適にハイブリダイズすることから、架橋は切断される。これは、ポリマーの架橋密度を低下させ、そのため、ポリマー478を膨潤させる480。また、架橋剤の核酸配列が連結する化学修飾剤アクリダイト482も示す。
電気測定
DC抵抗測定を、2端子抵抗モードのKeithley2000マルチメータを用いて行って、IDE上のOCPCの抵抗を測定した。この技法を用いて、OCPCが(周囲室内条件での)乾燥状態と(リン酸緩衝液中で平衡状態の)飽和状態の間を移動する際に起きる抵抗の変化を測定した。センサの反応は、いくつかの方法で測定することが可能である。標的オリゴヌクレオチドが存在している飽和状態と標的オリゴヌクレオチドが存在しない飽和状態との間で(つまり、バイオセンサは予め膨潤している)、または、乾燥状態と飽和状態の間で、比較を行うことが可能である。これらの方法の選択は、センサの性能および実際の使用環境面に左右されるだろう。
特注の電流源(図5)も用いて1.11μAの定電流を供給し、マルチメータを用いてDC電圧を測定した。図5は、電流源の回路図590を示す。Rは5.1MΩ抵抗器であり、Rはテスト中のOCPC電極である。オペアンプはLM 741CNである。結果として生じる出力電流を、較正により1.11μAと求めた。抵抗は、これらの2つの情報より推測した。センサの反応にずれを生じさせ得るジュール発熱または空間電荷制限電流などの不所望の影響を最小にするため、低電流を選択した。3タイプの複合体の非線形電流−電圧特徴(非オーム挙動)により引き起こされる抵抗測定の誤りを避けるには、定電流も好適である。
代替の/今後の電気測定技法:
−ACインピーダンス測定:複合体電気インピーダンスのAC測定(つまり、キャパシタンスおよび/またはインダクタンス)が、DC抵抗測定と比較し、センサ反応の測定に対し利点を提供するか否かを判断するため、調査が現在進行中である。本技法は、競合するイオン導電性メカニズムからの貢献を排除すると仮定される。
−ACインピーダンス分光法(または、自己共振周波数(SRF)測定)が文書化されており、これも用いることが可能である。複合体等価回路を、電極とポリマー(および、ポリマー内に分散した導電性粒子とも)との容量性連結を介して形成される。この回路の共振振動数はポリマー膨潤時に変化し、これを高感度な検出方法として用いることが可能である。
−パターン認識ソフトウェアおよび主成分分析(PCA)などの技法が、電子鼻技法において広範囲にわたって用いて、複合体の香りを非常に特異的に認識するのに役立ってきた。同様のアプローチが本発明でも想定され、それにより、それぞれが異なるオリゴヌクレオチド配列を標的にする多数のOCPCセンサを用いて、多数のmiRNAを単一の使い捨てチップ上で検出する。病状の検出および診断は、非常に高い可能性で濃度が異なる、多数のバイオマーカの複雑な組み合わせであるだろう。デバイスのユーザは、必ずしも、個々のセンサからの個々のmiRNAシグナルデータを解釈する知識または技能を有するわけではなく、そのため、パターン認識を用いて、生データを有用な診断に変換するだろう。将来の医療研究が進展するにつれ、バイオマーカパターンを比較し認識するためのアルゴリズムおよびライブラリがデバイスにアップデートされ、該デバイスの性能を継続して改善することが可能になるだろう。
−オンチップ集積:上記の電気的技法およびソフトウェア技法は、全て、発展した(例えば、CMOS)マイクロエレクトロニクス製造技法を用いて、OCPCセンサ自体を有するチップ上に実行可能に統合させることが可能であり、したがって、幅広い電気的診断デバイスに統合することが可能である。しかしながら、OCPCの使い捨てかつ不可逆な反応のために、おそらく、電気測定回路を含み、使い捨てのセンサチップが挿入される、別の照合モジュールが発展する可能性が高い。
感知および他の結果
図6は、ビスアクリルアミド架橋密度が0.8mol%であるポリアクリルアミドのカーボンナノパウダーの浸透曲線を示す(いずれのオリゴヌクレオチド架橋剤もなし)。図6は、ナノ粒子濃度および浸透が生じる濃度で、OCPCの導電性が如何に変化するかを示す。浸透閾値のちょうど上で、複合体は膨潤により起きる体積の任意の変化に対し最も感度が高いだろう。これらは、複合体が周囲条件の空気中で乾燥している際に測定し、2端子抵抗モードのマルチメータを用いて測定した。カーボンナノパウダーの臨界容積負荷におけるコンダクタンスの急激な変化は、ポリマー膨潤に対して、強化された電気的変換を提供する。
図7は、10μMのオリゴヌクレオチド溶液に浸したOCPCの抵抗が時間とともに如何に変化するかを示す。丸および三角で示したデータセット(例1および例2)は、相補的な分析物鎖を含む溶液に浸したOCPCの抵抗の変化についての別個の反復実験を示す。四角で示したデータセットは、ランダムなオリゴヌクレオチド鎖を含む対照溶液に浸したOCPCの抵抗を示す。分析物溶液中のOCPCの膨潤挙動は、対照溶液と比較し、明確な違いがあることが見て取れる。特に、正事例および負事例の間の膨潤反応速度に差が見られ、これを用いて識別することが可能であろう。予め決めておいた膨潤量(抵抗値)に到達するのにかかる時間を単純に測定すること、または、OCPC反応間の他の時間的特徴を比較することが可能であろう。あるいは、特定の時間(この場合、約200秒)の後、抵抗を単純に測定することと、この時点での抵抗値を比較することが可能であろう。センサの一部の実施形態では、種々のOCPC間で、飽和し完全膨潤した最終状態での差を比較することもできる。ただし、この特定の例は、3つの事例全てにおいて、最終の膨潤状態が同様であることを示す。
これらの結果は、本発明のバイオセンサが、サンプル中のオリゴヌクレオチドを上手く検出できることを明確に実証するものである。当然、バイオセンサは、さらなる最適化により利益を得る可能性があるが、本発明の実用性および有望性は明確に実証された。
アプタマー配列のポリマーマトリックスへの統合
核酸アプタマーは、miRNA標的核酸プローブについて上記した方法に類似したものを用いて、導入することが可能である。
アプタマーは、種々の商業的供給源から入手可能であり、文献に広く記載されている。例えば、Base Pair Biotechnologies,Inc.が、タンパク質、細胞表面、ペプチド、および小分子標的用の有効なアプタマーを販売している(http://www.basepairbio.com/project−phases−2/existing−aptamers/を参照されたい。
本例では、アンピシリンを標的にするアプタマープローブに言及するが、他の標的用のアプタマーも容易に用いることが可能である。
Ampicillin Aptamer 5E01♯284として知られる商業的に入手可能なアンピシリンアプタマーは、Base Pair Biotechnologies,Inc.より入手可能である(http://www.basepairbio.com/wp―content/uploads/2013/04/Ampicillin−ATW0001−284−datasheet.pdfを参照されたい)。アンピシリン向けのいくつかの他のアプタマー配列は、5’−CACGGCATGGTGGGCGTCGTG−3’(SEQ ID NO5)、5’−GCGGGCGGTTGTATAGCGG−3’(SEQ ID NO6)および5’−TTAGTTGGGGTTCAGTTGG−3’(SEQ ID NO7)など、文献に記載されている。
アプタマー配列を重合可能モノマーと組み合わせるため、第一級アミン官能化アンピシリンアプタマー配列、例えば、NH(5’−CACGGCATGGTGGGCGTCGTG−3’)、NH(5’−GCGGGCGGTTGTATAGCGG−3’)またはNH(5’−TTAGTTGGGGTTCAGTTGG−3’)を、アクリロイルクロリドまたはアクリロイルブロミドと反応させて、アクリルアミド終端化オリゴヌクレオチド配列(つまり、CH2=CHN(=O)配列)を提供する。これは、上記で論じたアクリダイト修飾配列と本質的に同等のモノマーを提供する。一部の場合、スペーサ配列(例えば、1〜20ヌクレオチド長)を、アクリルアミド配列およびアプタマー配列の間に提供することが可能である。
配列を、上記方法論を用いて、あまりマッチしていないブロッキング鎖に沿って膨潤性ポリマーに組み込んで脆弱な架橋を形成する。標的(つまり、この場合、アンピシリン)の結合は、架橋を切断し、ヒドロゲルの膨潤の増大を可能にする。
代わりのアプローチでは、アプタマー配列とハイブリダイズするように適合させた2つのブロッカーオリゴヌクレオチド鎖を、前述の方法論を用いてポリマーに統合する。アプタマー配列(ここでは官能化されていない)をポリマーに加え、これらの2本のブロッカー鎖にハイブリダイズさせ、該二本のブロッカー鎖を架橋し、部分的マッチを形成する(例えば、各側で〜10塩基対)。標的化合物(つまり、アンピシリン)の存在は、アプタマー配列を3部分の架橋から解離させ、膨潤を増大させ、反応を変換させる。
代わりのアプローチでは、アンピシリンのアミン(NH)を、上記のオリゴヌクレオチド官能化に類似した方法で官能化することにより、アンピシリンをポリマーに統合させる。任意選択的に、単スペーサ鎖を用いてアンピシリンをポリマー骨格から間隔をおいて置く(例えば、10以下の炭素長のスペーサで、これは(CHNHCOCH=CH(式中、n=0〜10)を提供する)。
アプタマーのヒドロゲルへの統合についてのさらなる詳細は、Yang et al.[29]に記載されている。
修正および改善を、本発明の範囲から外れることなく行うことが可能である。例えば、代わりの変換メカニズムも可能である。該メカニズムには、種々の微小電気機械システム(MEMS)に基づくアプローチが含まれ、これは、ポリマーと組み合わせることが可能である。
さらなる例示
実施例1−アクリルアミドおよびN−イソプロピルアクリルアミドモノマーを用いた追加のポリマー
アクリルアミドモノマーの量を変更し、アクリルアミドとN−イソプロピルアクリルアミドモノマーの組み合わせを用いて、さらなるポリマー変異体を生成した。用いた方法論は、別段の指示がある場合を除き、概して上記の通りであった。
特に明記されていない限り、150mMというNaCl濃度を有するpH7.4リン酸緩衝液(1mM)において、全てのサンプルを調製した。モノマー/プレゲル化剤溶液を、コポリマーゲル用のアクリルアミド(AAm);およびN−イソプロピルアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(Bis−AAm)ならびに1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(エチレングリコールに溶解されている)の原液から調製した。これらの原液を混合すると、それぞれ、10または15wt%全モノマー、0.6mol%架橋剤、および0.13mol%開始剤という濃度となった。原液を次に、DNAを含む1.5mLのEppendorf遠心分離機のチューブにピペットで移して、最終のオリゴヌクレオチド濃度を0.4mol%とした。
図8は、分析物鎖(SEQ.ID:3)の存在下で、ランダム対照鎖(SEQ.ID:4)と比較した、ポリマーおよびコポリマーのゲル(10wt%)の選択的膨潤を示す。分析物鎖によるオリゴヌクレオチド架橋の切断が原因である、膨潤のより大きい増大が観察される。50:50コポリマーゲルでは、わずかに小さい全体的な膨潤が、N−イソプロピルアクリルアミドの親水性の低下により、観察される。
以下のバリエーションを生成した:
1.10、15、20、または25wt%のAAmゲル
・AAMに対し、Bis0.4、0.6、0.8、1.0、および1.2mol%
・Bisではなく、グラム対グラムベースでのPDA(ピペラジンジアクリルアミド)の使用
2.DNAを有する、10または15wt%のAAmゲル
・AAMに対しBis0〜1mol%
・AAMに対しDNA0.1〜2mol%
・典型的には、AAMに対し、0.6mol%Bis、0.4mol%DNA
3.50:50のAAm/NIPAAmゲル(10および15wt%)、ならびに、80:20および20:80のAAm/NIPAAmゲル(15wt%)。DNA架橋ありおよびなしで調製した全サンプル(0.4mol%DNAを有するおよび有さない0.6mol%Bis)
これらの変異体は全て、意図された目的の点で十分に機能することが示された。ただし、各変異体の個々の特性は当然異なり、異なる用途にふさわしいだろう。
実施例2−アプタマー系の脆弱な架橋剤
Yang et al.[29]に基づくアプローチを用い、アプタマー系架橋剤を用いてポリマーを生成した。この例では、選択的にアデノシンに結合するアプタマーを用いるという2つの異なるアプローチを用いた。前記2つのアプローチを、概略的に図9に示し、以下に記載する。アプタマーは、配列5’−ACCTGGGGGAGTATTGCGGAGGAAGGT−3’(SEQ ID NO:8)を有する。
アプローチ1:
アプローチ1では、2本の核酸鎖をポリマーに連結させ(ブロッキング鎖1およびブロッキング鎖2という)、アプタマー配列を含む「感知」核酸鎖を、両ブロッキング鎖に結合するように適合させた第3配列として提供した。それにより、2本のブロッキング鎖は感知鎖と組み合わさって、脆弱な架橋剤を形成する。
−感知鎖を含むアプタマーは、配列5’ACTCATCTGTGAAGAGAACCTGGGGGAGTATTGCGGAGGAAGGT−3’(SEQ ID NO:9)を有し、実際のアプタマー配列には下線を施してある。
−ブロッキング鎖1は、配列5’−TGAGTAGACACT−3’(SEQ ID NO:10)を有し、これは感知鎖の5’末端に対し相補的である。
−ブロッキング鎖2は、配列5’−TCTCTTGGACCC−3’(SEQ ID NO:11)を有し、これは、ブロッキング鎖1が結合した領域の3’の直ぐ傍の領域の感知鎖と、アプタマー配列の5’末端の最初の7塩基に対し、相補的である。アプタマー配列の活性化領域を実際にブロックするのは、ブロッキング鎖2である。
図9に見られるように、アデノシンをサンプルに導入した際、感知鎖がアデノシンに結合し、ブロッキング鎖2から解放され、それにより脆弱な架橋剤は切断される。感知鎖はブロッキング鎖1に結合したままである。そのため、ポリマーは、サンプルの存在下で膨潤することが可能であり、それにより検出可能なシグナルをもたらす。
乾燥したオリゴヌクレオチド架橋を、エタノールではなくイソプロパノールを用いて、前述したように調製した。アプタマー架橋(AAmに対し0.6mol%bisおよび0.4mol%アプタマー)を有するAAm(10および15wt%)ゲルを、AAmゲルについて記載した方法により、150mMではなく300mMのNaClを用いて、原液から調製した。緩衝液と比較し、2mMアデノシン溶液に反応した選択的膨潤が得られた。
アプローチ2:
アプローチ2では、鎖を含む感知アプタマーと対応するブロッキング鎖が、ポリマーに連結している。したがって、アプローチ2では第3鎖はなく、代わりに、ブロッキング鎖と感知鎖が共に脆弱な架橋剤を形成する。
−「感知」鎖を含むアプタマーは、配列5’AGAGAACCTGGGGGAGTATTGCGGAGGAAGGT−3’(SEQ ID NO:12)を有し、実際のアプタマー配列には下線を施してある。
−ブロッキング鎖は、配列5’−TCTCTTGGACCG−3’(SEQ ID NO:11)を有し、これは、感知鎖の5’末端からアプタマー鎖の第7塩基まで広がる領域に対し相補的である。
図9に見られるように、アデノシンをサンプルに導入した際、感知鎖がアデノシンの2つの分子に結合し、ブロッキング鎖から解放され、それにより脆弱な架橋剤は切断される。ポリマーは、サンプルの存在下で膨潤することが可能であり、それにより検出可能なシグナルがもたらされる。
乾燥したオリゴヌクレオチド架橋を、エタノールではなくイソプロパノールを用いて、前述のように調製した。アプタマー架橋(AAmに対し0.6mol%bisおよび0.4mol%アプタマー)を有するAAm(10および15wt%)ゲルを、AAmゲルについて記載した方法により、150mMではなく300mMのNaClを用いて、原液から調製した。緩衝液と比較し2mMアデノシン溶液に反応した選択的膨潤が得られた(図10)。膨潤体積は、先のアプタマー架橋ゲルより小さかった。
実施例3−モルフォリノ脆弱架橋剤
モルフォリノを、以下の反応に示すように、ポリマーフレームワークに組み込むために官能化した。





SEQ ID NO:1および2それぞれと同じ配列を有するが、第1級アミンと交換されたアクリダイト基を有する「感知/ブロッカー」モルフォリノオリゴヌクレオチド物質(第1級アミンとオリゴヌクレオチド配列の間にエチルリンカーを有する)を、丸底フラスコ中の(1mM濃度の)蒸留水に溶解し、2モル当量のN−スクシンイミジルアクリレートの水溶液を加えた。これを室温において〜20時間撹拌した。MALDI−ToF分光法を実行して、生成物の形成を判断した。凍結乾燥後、生成物を過剰に熱い(〜50℃)エチルアセテートで洗浄して、スクシンイミドを取り除き、次に、凍結乾燥させてアクリルアミド官能化生成物を得た。
全てのゲルサンプルを、ポリマーおよびコポリマーゲルについて前述した方法により、原液から調製したが、次に、モノマー/プレゲル化溶液を、修飾モルフォリノセンサおよびブロッカー鎖を含むEppendorfチューブに加えて、0.4mol%および0.6mol%bis濃度という最終モルフォリノ架橋密度を得た。
AAmゲルならびにモルフォリノ架橋(0.6mol%bisおよび0.4mol%モルフォリノ)を有する50:50(10および15wt%)ゲルが形成され得、これらは、分析物(SEQ ID NO:3)およびランダム対照(SEQ ID NO:4)を含む溶液への浸漬中に、選択的膨潤を示し得る。全体的な膨潤は、DNA架橋を有するゲルと比較し、モルフォリノ架橋を含むゲルでは小さい。(オリゴヌクレオチド配列と分子のアクリルアミド末端の間に)エチルリンカーではなくペンチルリンカーを有するモルフォリノ物質を用いた場合、選択的膨潤が示され、全体的な膨潤はやはりDNAゲルより小さかった。膨潤は、図11に示すように、(AAm(10wt%)ゲルに対し)エチルリンカー部を含むモルフォリノ架橋ゲルよりもわずかに大きかった。このペンチルリンカー含有モルフォリノ物質を、GeneToolsにより合成し、これを次に、HPLCを用いて精製した。
モルフォリノ架橋(エチルリンカー)を含むゲル(10wt%AAm)またはモルフォリノ((アクリルアミド部分とオリゴヌクレオチド配列の間にペンチルリンカーを有する)感知鎖とDNAブロッカー鎖を含むゲル(10wt%AAm)(「ハイブリッド」ゲル)は、精製DNA含有ゲルと比較し、塩濃度(0〜200mMのNaCl濃度)により受ける影響が少ないようだ(図12)。前述のように、ただし、NaCl濃度が0〜200mMである溶液を用いてサンプルを調製したが、該サンプルは、標的分析物が存在する場合にのみ膨潤した(SEQ ID NO:3)。
実施例4−代替開始剤
種々の開始剤を用いて、重合を開始することが可能である。過硫酸アンモニウム(APS)を用いた開始は、以下のように、さらなる例として用いた:
オリゴヌクレオチド架橋(AAmに対し0.6mol%bis)のないAAm(10および15wt%)ゲルのプレゲル化溶液を、光開始剤なしに調製した。不活性雰囲気下、この場合は窒素下で、AAMに対し0.125mol%のAPS(過硫酸アンモニウム)および0.5または1.0%最終濃度のTEMED(テトラメチルエチレンジアミン)を、プレゲル化溶液に加えた。次に、適切な体積(1または2μL)を前述のシラン処理したシリコン表面にピペットで移し、不活性雰囲気において、90〜120分の間、重合させた。乾燥オリゴヌクレオチドをプレゲル化溶液中に可溶化させた後、APSおよびTEMEDをオリゴヌクレオチド架橋ゲルに加えた。
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Claims (46)

  1. 核酸プローブを含む、膨潤性で生物学的に高感度なエレメントと;
    前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに関連付けられた物理電気的変換器とを含む、バイオセンサ。
  2. 前記プローブの標的は核酸、タンパク質/ペプチド、薬物、脂質、多糖、他の小分子、または細胞表面である、請求項1に記載のバイオセンサ。
  3. 前記核酸プローブはアプタマーである、請求項1または2に記載のバイオセンサ。
  4. 前記物理電気的変換器は、前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤の物理的効果を、検出可能/測定可能な電気的指標に変換するように適合されている、請求項1〜3の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  5. 検出される前記電気的指標は、抵抗、コンダクタンス、リアクタンス、サセプタンス、キャパシタンス、インダクタンス、もしくはその組み合わせなどの電気インピーダンスまたはアドミタンスの変化である、請求項4に記載のバイオセンサ。
  6. 前記核酸プローブは、膨潤性ポリマー物質の脆弱な架橋剤の一部を定義し、前記架橋剤は、前記標的が前記核酸プローブに結合する際に切断される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のバイオセンサ。
  7. 前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、少なくとも部分的に相補的な核酸鎖の少なくとも一対を含み、各対の少なくとも一本の鎖は核酸プローブを含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  8. 前記脆弱な架橋剤は、核酸プローブ鎖とブロッカー鎖とを含む部分的に相補的な核酸を少なくとも一対含む、請求項6または7に記載のバイオセンサ。
  9. 前記核酸プローブは、ハイブリダイゼーションを介して核酸標的に結合するように適合されているか、または、前記核酸プローブは、非核酸標的に結合するように適合させたアプタマーである、請求項6〜8の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  10. 前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、ポリマーに連結した2本の核酸ブロッカー鎖と、前記ブロッカー鎖の両方に対し少なくとも部分的に相補的であって、そのため、前記ブロッカー鎖の両方にハイブリダイズして脆弱な架橋を形成する核酸プローブ配列とを含む脆弱な架橋剤を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  11. 前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、アプタマープローブを含む脆弱な架橋剤と、対応する前記アプタマー向け標的とを含む、請求項1〜6の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  12. スペーサが、前記核酸プローブと、該核酸プローブが連結するモノマー/ポリマーとの間に設けられる、請求項1〜11の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  13. 不完全に相補的な核酸の1つまたは複数の対を含む脆弱な架橋剤を含む、請求項1〜12の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  14. 前記脆弱な架橋剤は、その長さの一部でのみ対応するブロッカー鎖と対になり、その長さのより大きい部分で前記標的と対になるプローブ配列を含む、請求項13に記載のバイオセンサ。
  15. 前記核酸プローブは、核酸アナログ/ミメティック、または他の形態の修飾されたもしくは変更された核酸を含む、請求項1〜14の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  16. 前記核酸プローブは、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴ(PMO)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)、架橋化核酸(BNA)、またはトレオース核酸(TNA)である、請求項15に記載のバイオセンサ。
  17. 2つ以上のタイプの標的を検出するための核酸プローブを含む、請求項1〜16の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  18. 前記核酸プローブは重合可能部分に連結し、好適には、前記核酸プローブは、膨潤性ポリマーへの統合が可能なモノマー部分に共有結合する、請求項1〜17の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  19. 前記核酸プローブに連結した重合可能部分はアクリダイトである、請求項18に記載のバイオセンサ。
  20. 非脆弱性架橋剤と脆弱性核酸架橋剤とを含む膨潤性ポリマーを含む、請求項1〜19の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  21. 前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントは、膨潤性ポリマー、好適には、親水性の水膨潤性ポリマーを含む、請求項1〜20の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  22. 前記親水性ポリマーは、ポリアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(エチレングリコール);ポリ(N,N’−ジアルキルアクリルアミド);ポリ(2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート);ポリ(2−メトキシエチルアクリレート);およびポリ(ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)のうち1つまたは複数を含む、請求項21に記載のバイオセンサ。脆弱な核酸架橋剤をこのようなポリマーに統合することは、前記核酸に連結した適切な重合可能部を用いることにより容易に実現することが可能である。
  23. 前記親水性ポリマーは、ポリアクリルアミドヒドロゲルを含む、請求項22に記載のバイオセンサ。
  24. 塩化ナトリウムまたは別の無機金属塩を含む、請求項20〜23の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  25. 溶媒を含む、請求項20〜24の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  26. 膨潤性で生物学的に高感度なエレメントはコポリマーを含む、請求項20〜25の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  27. 前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントはオリゴヌクレオチド架橋ポリマー複合体(OCPC)を含む、請求項1〜26の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  28. 前記物理電気的膨潤変換器は、ピエゾ抵抗物質または電気浸透複合体物質を含み、該ピエゾ抵抗物質または電気浸透複合体物質の体積における外部誘発された変化に起因する電気インピーダンスの変化を示し得る、請求項1〜27の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  29. 前記浸透複合体は、特定の形態の電気導電性物質を含む、請求項28に記載のバイオセンサ。
  30. 前記浸透複合体は、前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントに分散した導電性粒子を含む、請求項28または29に記載のバイオセンサ。
  31. 前記浸透複合体は、カーボンナノパウダーおよび/またはカーボンナノチューブを、前記導電性粒子として含むか、または、カーボンブラック、ニッケル、金、銀、亜鉛、および銅の粒子のうち1つもしくは複数を前記導電性粒子として含む、請求項28〜30の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  32. 前記導電性粒子のサイズはサブマイクロメータであり、好適には500nm未満、より好適には100nm未満である、請求項28〜31の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  33. 導電性粒子の割合は、膨潤する前は、前記複合体が浸透閾値を超え、そのため、導電性が最大の状態にあり、膨潤が起きた後は、前記複合体は非浸透性になり、導電性が最小の状態にあるという程度である、請求項28〜32の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  34. 前記核酸架橋剤の切断時の前記ポリマーの膨潤が、浸透閾値内でまたは浸透閾値の少なくとも一部にわたって前記導電性粒子材料の体積分率の変化をもたらすように適合させた、請求項28〜33の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  35. 前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの膨潤の結果としてのバイオセンサの電気シグナルまたは電気特性の変化を検出および/または測定することを可能にする電極を含んだ基板を含む、請求項1〜34の何れか一項に記載のバイオセンサ。
  36. 前記電極の活性領域は、前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメント(例えば、OCPC)で完全に覆われている、請求項35に記載のバイオセンサ。
  37. 前記基板は、少なくとも部分的に、前記膨潤性で生物学的に高感度なエレメントを、該膨潤性で生物学的に高感度なエレメントの前記基板および/または電極への付着を高める薬剤を用いて堆積させる領域において修正された表面である、請求項35または36に記載のバイオセンサ。
  38. 請求項1〜37の何れか一項に記載のバイオセンサの基板上のアレイであって、前記基板は、前記バイオセンサのそれぞれと相互作用する適切な電極を含む、アレイ。
  39. 請求項1〜37の何れか一項に記載のバイオセンサか、または、前記バイオセンサからの電気的指標を検出および/または定量化するように適合させた測定装置に連結した請求項38に記載のアレイを含む、バイオセンサデバイス。
  40. 分析すべきサンプルを受け入れるためのサンプル受入容器を含む、請求項39に記載のバイオセンサデバイス。
  41. 前記サンプル中の標的の存在または量を検出する方法であって:
    a)請求項1〜37の何れか一項に記載のバイオセンサ、請求項38に記載のバイオセンサアレイ、もしくは請求項39か請求項40に記載のバイオセンサデバイスを提供するステップと;
    b)前記バイオセンサ、アレイ、もしくはバイオセンサデバイスを前記サンプルにさらすステップと;
    c)前記サンプルにさらした結果としての、前記バイオセンサにおける電気シグナルもしくは電気特性の変化を観察するステップと;
    d)前記変化の大きさを任意選択的に求めるステップおよび/または
    e)前記変化のスピードを任意選択的に求めるステップと;
    f)前記変化の大きさおよび/もしくはスピードから前記サンプル中の標的の存在および/もしくは量を求めるステップとを含む、方法。
  42. 生物学的サンプル中の標的の検出のための請求項41に記載の方法。
  43. 対象からサンプルを得るステップを含む、請求項41または42に記載の方法。
  44. 前記サンプル中の2つ以上の標的分析物の検出のためである、請求項41〜43の何れか一項に記載の方法。
  45. a)核酸プローブを含む膨潤性で生物学的に高感度なエレメントを調製するステップと;
    b)物理電気的変換器を、前記膨潤性で生物学的に好感度なエレメントに関連付けるステップとを含む、バイオセンサを製造する方法。
  46. −適切なモノマーを提供して膨潤性ポリマーマトリックスを提供するステップと、
    −核酸架橋モノマーを提供するステップと、
    −電気導電性粒子を提供するステップと、
    −非脆弱な架橋剤を任意選択的に提供するステップと、
    −前記のものを混ぜ合わせるステップと、
    −前記モノマー、および、任意選択的に、非脆弱な架橋剤を重合させることにより、関連付けられた物理電気的変換器を有する、脆弱な核酸架橋を含む膨潤性ポリマーを形成するステップとを含む、請求項45に記載の方法。
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