しかしながら、立てられた水門は、特に建物の火災のような発生の場合には、使用中の安全上のリスクを課す可能性がある。このような状況では、立てられた水門パネルは、建物の出口を妨害し、緊急時に避難プロセスを妨げる可能性がある。したがって、上記の懸念に対処するための改善された水門を提供することが望ましい。
一般に、本発明は、ほぼ垂直な軸を有するヒンジを中心に旋回可能なパネルを有する水門を提案する。このパネルは、パネルが開位置に向かって揺動するときに、パネルを地面から離すようにパネルと協働し、パネルの下縁に結合されたシール要素が持ち上げられてパネルが開位置に移動できるようにする。これは、パネルが閉位置にあるときに、洪水を防ぐために、シーリング要素が地面との防水シールを形成することを可能にし、地面に対してシール要素を摩耗させたり破損させたりすることなくパネルを開位置に容易に移動させる。このような水門は、建物の緊急出口に設けられてもよい。そのパネルは、特に緊急時に、インフラ内の人々が外部にアクセスできるように出口を開放するために容易に揺動することができるからである。
具体的には、本発明の態様では、出入口に設置して洪水に対する障壁を形成するためのパネルを有する水門が提供される。水門は、さらにヒンジを有し、パネルは、ヒンジの軸を中心として開位置と閉位置との間で移動可能である。使用時には、ヒンジの軸線は、直立方向に延びている。水門は、パネルが閉位置にあるときに、地面との密封係合を提供するパネルの縁に結合されたシール要素をさらに含み、それにより、水門に対する障壁を形成する。使用時、ヒンジは、パネルと協働して、パネルが閉位置から開位置に向かって移動すると、パネルを地面から離して移動させ、それにより、シール要素と地面との間の密封係合を解除する。
水門は、水平軸の代わりに実質的に垂直な軸の回りで水門パネルを動かすことができるので、有利である。これは、水門パネルを持ち上げるために、パネルの重量に直接対抗するために手動の力が必要ないことを意味する。換言すれば、水門はヒンジ付ドアのように揺動することが可能である。さらに、シール要素は、パネルが開位置に向かって移動するときに、地面に対する擦れから保護され、その結果、シール要素は、パネルが閉位置にあるときに、使用又は揺動を繰り返しても、地面との摩擦を最小限にして容易に動くことができ、緊急時の迅速な避難が容易になる。さらに、大雨や洪水の際に遮断される電源を必要とせずに、水門を手動で(開閉の両方で)操作することができる。
一例では、ヒンジは、典型的には、物体間の相対角度運動だけでなく、ヒンジ軸に平行な方向に沿った物体間の相対並進運動を可能にする2つの物体を連結する可動機構である上昇ヒンジを含む。
シール要素は、地面と密封係合を形成するシール面を含み、シール面は、波形を含む。例えば、波形は、パネルに垂直な方向に対してある角度をなす方向に延びるリブを含む。これにより、より効果的なシールを形成するために、シール要素のリブ(多層バリアとして機能することができる)により侵入する水の流れが妨げられる。
密封係合が形成されると、シール面は、地面に結合された閾板と連続することができる。
いくつかの実施形態では、複数のシール要素がパネルの複数の縁部に取り付けられる。これにより、水密障壁を達成するために、隣接する構造体とのそれぞれの縁部で密封係合を形成することが可能になる。
一例では、シール要素は、地面に向かって先細になった横断面を有する。断面は、エッジの長さに対して垂直である。これにより、シール要素を、パネルの縁部及び隣接する構造体により画定された間隔により密接に嵌合させることができ、それにより、より効果的なシールが提供される。
水門は、典型的には、入ってくる水の圧力に耐えるためにパネルを閉位置に固定するためのロック部材を有する。作動部材は、パネルが開位置に向かって移動することを可能にするために、ロック部材を停止させるために設けられてもよい。
パネルは、ヒンジを介して壁に結合されてもよい。一例では、パネルはヒンジを介して支柱に接続され、支柱は壁により画定される平面から横方向に突出する。ヒンジに隣接するパネルの縁部は、支柱と密封係合を形成することができる。
パネルは、アルミニウムベースの複合材料で形成される。これは、構造部材に通常必要とされる重い重量なしに十分な剛性を提供する。
他の実施形態では、第2のヒンジの軸を中心に開位置と閉位置との間で移動可能な第2のパネルが設けられてもよい。軸はまた、使用時に、直立方向に延びる。第2のパネルは、第1のパネルと同様に動作し、2つのパネルは、2つのヒンジの軸の間に配置され、協働して、パネルの対向する隣接縁部に密封係合を形成する。
あるいは、本発明は、洪水に対して障壁を形成するための出入口に設置するための第1のパネルを有する水門として表現できる。水門は、少なくとも1つのヒンジと、ヒンジの軸線を中心に開位置と閉位置との間で移動可能な第1のパネルと、使用中に直立方向に伸長する軸と、第1のパネルが閉位置にあるときに、地面との密封係合を提供するために第1のパネルの縁部に結合するシール要素とを含み、それにより、洪水に対する障壁を形成するように構成される。ヒンジは、パネルが閉位置から開位置に向かって移動する際に、第1のパネルを地面から離れる方向に移動させ、それにより、シール要素と地面との間の密封係合を解除するように構成される。水門は、ヒンジの軸に平行な第2の軸を中心に移動可能な第2のパネルと協働するように構成された連結機構をさらに含む。連結機構は、第2のパネルが第2の軸を中心に旋回すると、第1のパネルを対応する角度でヒンジの軸を中心に旋回させるように構成される。この水門は、建物の緊急出口に設置するために、消火扉(例えば、第2のパネル)に取り付けるために使用することができる。連結機構は、有利には、対応するペースでそれぞれの軸を中心に同時に旋回させるときに、防火扉と水門パネルとの間の相対運動が収容されるようにする。
例えば、連結機構は、直立方向及び直立方向に直交する横方向のいずれか又は両方に沿ったパネルの相対的な移動を収容するように構成されてもよい。
一例では、連結機構は、パネルの横方向に沿って延びる案内スロットと協働するように構成された連結部材を有し、連結部材は、案内スロットを中心に旋回するように動作可能である。
本発明の可能な実施形態を示す添付の図面に関して本発明をさらに説明することは便利であろう。本発明の他の実施形態が可能であり、その結果、添付の図面の詳細は、本発明の前述の説明の一般性に取って代わるものとして理解されるべきではない。
図1(a)、図1(b)及び図1(c)は、洪水の侵入に対する防止のために入口又は出口の出入口1に設置された水門10を示す。この実施形態では、出口の出入口1(緊急防火口など)は、壁3の壁フレーム5により画定される。水門10は、ヒンジ112を介して直立支柱105のような直立支柱に旋回可能に結合された1つの縁部110aを有するパネル110を有する。この例では、ヒンジ112は、上昇ヒンジである。垂直支柱105は、壁フレーム5に近接して配置され、図1(c)に示すように、壁3から建物に向かって横方向に突出している。他の支柱105aは、後述するように、出入口1の対向する側に対称的に設けられ、パネル110の接点となる。パネル110は、図2(a)及び図2(b)に示すように、ヒンジ112の回りの縁部110aで開位置と閉位置との間でヒンジ112を中心に旋回可能である。閉位置では、パネル110は、隣接する構造体と密封係合し、それにより、洪水の侵入に対する障壁を形成する。開位置では、パネル110は、閉位置から枢動して出入口1に沿ってアクセス通路を提供する。
好ましくは、パネル110は、構造部材に通常必要とされる重い重量なしで剛性を提供する複合材料で作られる。例えば、パネル110は、アルミニウムシートで覆われたエッグクレートパネルからなる。エッグクレートパネル108及びアルミニウムクラッド109の厚さは、それぞれ4mm及び6mmである(図1(c)参照)。クラッド109の厚さは、水門パネル110が耐えるように設計された水門の水の高さ及び/又は圧力に依存することが理解されよう。この例では、クラッド109の厚さは、少なくとも3mmであることが好ましい。
この例では、垂直支柱105、105aは、パネル110の構造的完全性を提供するために少なくとも3mmの厚さのステンレス鋼で作られている。ステンレス鋼は、また、良好な耐腐食性及びシール要素(後述する)に対する摩擦を低減するために滑らかな表面を提供し、したがって、この用途に適している。垂直支柱105、105aは、建築構造物に永久的に固定されてもよく、マスト状シーラント層は、建築構造物との防水シールを提供するように裏打ちされてもよい。
複数のシール要素114a、114c、114dは、パネル110のそれぞれの縁部110a、110c、110dに結合され、パネル110が閉位置にあるときに、それぞれの隣接する構造体と密封係合を形成する。例えば、シール要素114dは、出入口1の閾板116と防水シールを形成するように構成される。閾板116は、地面と平らで、パネル110が閉位置に出入りするときに、シール要素114dに対する摩擦を最小にするステンレス鋼のような金属材料で作られる。他のタイプの材料も可能である。この例では、対向縁部110a、110cにそれぞれ配置されたシール要素114a、114cは、垂直支柱105、105aと協働して、洪水に対して水密障壁を提供する。使用時には、シール要素が変形して隣接する構造体に押しつけられ、それにより、パネルの縁部と対応する隣接する構造体との間の間隔がぴったり嵌合して防水シールを形成する。この例で使用されるシール要素114a、114c、114dは、加硫熱可塑性加硫剤タイプ(TPV)エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)シールである。有利には、この材料は、UV及びオゾンに対して良好な耐性を有し、−40〜130℃の耐熱性も有する。図1(a)及び図1(c)に示すように、シール要素114a、114c、114dは、細長く、それぞれの縁部110a、110c、110dに沿って延びる。シール要素114a、114c、114dは、自由端に向かって先細になる断面を有する(隣接する構造体と接触する)。例えば、D字形の断面は、圧縮時にシール要素114a、114c、114dが、垂直支柱105、105aと閾板116とが交差する縁部により画定された角の間隔により密接に適合することを可能にする。パネル110の縁部110dの反対側の対応する縁部110bに、他のシール要素114bを設けることもできる。
シール要素114a、114b、114c、114dの端部がそれぞれの隣接する構造体に対して圧縮されると、それぞれのシール要素のシール面がそれぞれの隣接する構造体との密封係合を形成する。シール面には、平らなシール面と比較して、洪水の侵入に対する複数の障壁として機能し、したがって、水漏れをさらに防止する波状部が設けられている。波形は、シール面の一般的な輪郭から突出したリブにより形成されてもよく、リブは、パネル110の平面に垂直な方向に対してある角度(すなわち、平行ではなく)の方向に又は流入する洪水の方向に表面に沿って延びている。したがって、流入する水の流れは、シール要素のリブにより妨げられる。波形は、シール要素114dと閾板116との間の摩擦を最小にするように設計することができる。シール要素は、典型的には、シールを形成するのに必要な圧縮荷重に耐えることができる材料で作られている。他の例では、シール要素は、耐水性及び/又は腐食防止コーティングを有する。
ヒンジ112は、パネル110が開位置に向かって移動すると、パネル110と協働してパネル110を地面から離すように構成される。この例では、ヒンジ112は、パネル110が閉位置から枢動するにつれて、パネル110が地面から持ち上げられるような上昇ヒンジである。これは、次に、シール要素114dと閾板116又は地面との間の密封係合を解除し、シール要素114dは、閾板116又は地面との接触を失う。上昇ヒンジの作用機構は、後により詳細に説明される(例えば、図13(a)に関して)。図1(b)に示すように、ロック機構がパネル110に結合され、パネル110を閉位置に固定する。
この例では、端部プラグ120aを有するシュートボルト120が地面に付勢され、押さえ板120bのような保持機構により保持される。押さえ板120bは、パネル110が閉位置にあるとき、地面と一緒に平らになる。押さえ板120bは、地面の窪みと連通する開口部を有する閾板116により形成することができる。これにより、パネル110がヒンジ112を中心に揺動することが防止される。洪水の間、ロック機構は、パネル110をラッチし、それにより、パネル110を水の侵入に耐える閉位置に保持する(図2(b)参照)。作動部材は、シュートボルト120の端部プラグ120aを地面から引っ込めてロック部材を不作動にして、パネル110が図2(a)に示される開位置に向かってピボットを移動させるように動作可能である。一実施形態では、シュートボルト120に機械的に連結されたプッシュバー121が作動機構として設けられている。プッシュバー121は、パネル110に向かって押し下げられたときに枢動して、シュートボルト120及びその端部プラグ120aを地面から持ち上げて、パネル110を外側に開位置まで揺動させる。これにより、建物の火災の場合に建物の居住者が緊急出口に容易にアクセスすること、すなわち、パネル110を開位置に押して建物の外面に遮られていない通路を設けることにより水門10を停止させることができる。
他の実施形態では、図3(a)〜図3(c)に示すように、水門10は、ヒンジ112を介して垂直支柱105のような直立支柱に旋回可能に結合された1つの縁部110aを有するパネル110を有する。垂直支柱105は、壁フレーム5に近接して配置され、壁3から建物の内部に向かって横方向に突出している(図3(c)参照)。他の垂直支柱105aは、出入口1の対向する側に対称的に設けられ、パネル110の接点となる。図4(b)及び図4(a)にそれぞれ示すように、パネル110は、ヒンジ112を中心にして、ヒンジ112の回りの縁部110aで開位置と閉位置との間でヒンジ112を中心に旋回可能である。言い換えれば、パネル110は、出入口1に沿ってアクセス通路を提供するために、開かれた位置に向かって内側に(すなわち、建物の居住者又は建物の内部に向かって)旋回することができる。上述の実施形態と同様に、閉位置において、パネル110は、隣接する構造体と密封係合する複数のシール要素を有し、それにより、洪水の侵入に対する障壁を形成する。この実施形態では、プルバー122が作動部材として設けられ、プルバーが建物の居住者に引き寄せられたときに、ラッチが解除され、パネル110が建物の内部に向かって開位置に向かって揺動する。
図4(a)及び図4(b)を参照すると、水門10の近傍には音声又は映像メッセージシステム124が設けられており、緊急時に警報信号を提供し、及び/又は緊急避難中の水門10を如何に停止するかの指示を建物の居住者に提供する。
他の実施形態では、図5(a)〜図5(c)に示すように、二枚葉式の水門20が設けられる。水門20は、出入口1の対向する側に配置された支柱205の間にある2つのパネル210、211を有し、パネル210、211はそれぞれ支柱205に連結されて支柱を中心に旋回可能に移動する。パネル210、211の各々は、先の実施形態で説明した水門パネル110と同様の方法で動作することが理解されるであろう。例えば、パネル210、211が閉位置にあるとき、パネル210、211が地面との密封係合を形成するために、シール要素214d、214fが設けられている。図6(a)〜図7(b)を参照すると、パネル211は、ヒンジ212(この例では、上昇ヒンジである)を中心に移動可能であり、パネル211が開位置に向かって移動するときに、地面から離れるように配置される。パネル210の縁部210aに配置されたシール要素214aは、パネル211の端部211cに配置された対向するシール要素214eと協働して、パネル210、211が閉位置にあるときに、密封係合を形成する。他のシール要素214c、214g、214b、214hは、パネル210、211の他の縁部210c、211a、210b、211bに設けられ、水門20と支柱205のような設置位置との間の水密性を維持する。上記の例では、全てのシール要素は、加硫可能な波形のEPDMシールである。
同様に、水門20は、パネル210、211を図5(b)に示すような閉位置に固定するように付勢されたロック機構を有する。図6(a)〜図7(b)を参照すると、緊急避難の間、プッシュバー221の作動時に、端部プラグ220aが押さえ板220bから解放される。パネル210、211の各々は、例えば、図6(b)及び図7(b)に示されるように、互いに独立して開放、閉鎖又は他の方法で操作されてもよい。同様に、プルバー222は、図8(a)〜図10(b)に示されるように、二枚葉式水門を示す他の実施形態により、作動機構として使用することができる。
図11(a)〜図11(c)は、他の実施形態に係る水門30を示す。水門30は、建物の緊急出口に設置するために、避難扉31に取り付けるために使用することができる。この場合、出口は、壁33の壁フレーム35により画定される。避難扉31は、ドアの縁部を中心に旋回してドアを開閉させる。避難扉31は、避難扉31を閉位置に向けて付勢するために、扉31の上端に隣接して設けられた自動ドアクローザ340により、壁フレーム35に接続されている。これにより、使用時に、直立方向に延びる軸線に沿って扉31を旋回可能に移動させることができる。当業者であれば、扉31の旋回可能な移動を可能にするために、ヒンジ機構を設けてもよいことが理解されよう。さらに、扉31は、内外に揺動可能に構成されてもよい。
先に説明した水門10と同様に、水門30は、ヒンジ312を介して垂直支柱305に旋回可能に結合された1つの縁部310aを有するパネル310を有する。一般に、扉31とパネル310とが回転する軸線は互いに平行である。垂直支柱305は、壁フレーム35に近接して配置され、壁33から横方向に突出している。他の垂直支柱305は、出入口1の反対側に対称的に設けられている。パネル310は、ヒンジ312を中心として、ヒンジ312の回りの縁部310aで開位置と閉位置との間でヒンジ312を中心に旋回可能である。閉位置では、パネル310は、隣接する構造体と密封係合を形成し、洪水の侵入に対する障壁を形成する。パネル310は、閉位置から離れるように旋回されて、図13(a)及び図13(b)に示されるように出入口に沿ってアクセス通路を提供することができる。同様に、複数のシール要素314a、314b、314c、314dは、パネル310のそれぞれの縁部310a、310b、310c、310dに結合され、パネル310が閉位置にあるときに、それぞれの隣接する構造体と密封係合を形成する。
図13(a)及び図14を参照すると、パネル310が閉位置から開位置に回転すると、上昇ヒンジ312が水門パネル310を持ち上げる。特に、上昇ヒンジ312は、軸を中心に回転するように協働する1対のヒンジ脚部312a、312bを備える。一対のヒンジ脚部312a、312bは、それぞれ、パネル310及び垂直支柱305に結合されている。パネル310が軸を中心に開位置に回転すると、ヒンジ脚部312a、312bの間の当接面の上昇により、ヒンジ脚部312aがパネル310とともに持ち上げられる。
緊急避難中、扉31は、扉が通路の方向と実質的に平行になるように、壁33により画定された平面に対して90度の位置に開かれることが要求されることがある。図12(a)〜図12(b)に示されるように、扉31とパネル310とが開位置に向かう(互いに平行な)軸を中心に旋回すると、扉31とパネル310との間の相対角度位置は、変化し得る。さらに、パネル310が開位置に向かって移動する際に、パネル310が上昇するので、扉31とパネル310との間の相対的な高さも変化し得る。
扉31の移動に伴って水門30を移動させるために、避難扉31と連動する連結機構が設けられており、避難扉31が開位置に旋回するとき、対応するペースで同時にパネル310がヒンジを中心に旋回する。連結機構は、以下に説明するように、直立方向に直交する横方向に沿った扉31とパネル310との間の相対的な移動を収容するように構成される。
この例では、扉31とパネル310との間の相対変位を調整するためのタンデム連結機構が設けられている。特に、パネル310は、連結部材330を介して避難扉31に機械的に連結されている。連結部材330は、取り付けブラケット344及び連結アーム342とパネル310とを連結するコネクタ348を介して、避難扉31の外部対向面31aに旋回可能に取り付けられた連結アーム342を備える。連結アーム342の一端は、扉31の平面及び床に平行なヒンジピン346を介して取り付けブラケット344に結合されており、この例では、連結アーム342の第2の端部が、連結アーム342を所定の角度範囲内で旋回させることにより、上下され得る。連結アーム342の第2の端部は、連結アーム342とコネクタ348との間の全方向回転運動を可能にするために、パネル310に結合されたコネクタ348とのボール及びソケットベアリング接続を形成する。ガイドスロット350が、連結アーム342の移動をコネクタ348とともにスロット350に沿って案内するために、パネル310の横方向寸法に沿って設けられている。ガイドスロット350は、スロット350に沿って摺動可能に移動するのを助けるために、コネクタ348に結合された密封ベアリング352と協働するC字形断面を有する。密封ベアリング352は、コネクタ348のソケットに結合され、それにより、移動中の摩擦を最小限に抑えながら、リンク部材330とパネル310との間の相対的な移動を案内することができる。この結果、連結機構330は、扉31とパネル310との間の、直立方向、直立方向に直交する横方向及び回転軸に対して角度方向への相対的な移動を可能にする。ボール及びソケットベアリングのような連結機構330の部品は、ステンレス鋼又は他の適切な材料で作ることができる。当業者であれば、パネルと扉との間の相対的な移動を案内して収容するために、それぞれの軸の回りで同時に枢動できるように、連結機構を実施する他の方法が利用可能であることを理解するであろう。
この実施形態では、ロック機構が扉31のラッチボルト342として実施されており、これは、洪水の場合に、水からの入圧に抗するために、避難扉31を閉位置にロックする。ラッチボルト342は、建物の居住者がプッシュバー321を作動させ、それにより、パネル310を開位置に動かすときに、解放されてもよい。同様に、図15(a)〜図19により示すように、水門は、二枚葉式の緊急出口/避難扉で実施することができる。
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示され説明されてきたが、そのような図示及び説明は、実例的又は例示的であり、限定的なものではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、請求の範囲に記載の発明を実施する際に当業者により理解され、達成され得る。
例えば、シール要素及び/又はパネルは、緊急出口扉とともに使用するための高い耐熱性を有する材料のような、用途に適した他の適切な材料で作ることができる。
他の例として、水門は、非常口又は緊急出口扉と連動する以外の場所で使用することができる。