上述の欠点を克服する、または少なくとも軽減する自動回収機用の軸装置を設けることは有利である。
本発明の第1の態様によれば、この目的およびその他の目的は自動回収機内の軸装置により達成される。軸装置は内側および外側ならびに少なくとも1つの開口部を有する側壁を含み、軸装置はさらにこの少なくとも1つの開口部を通って延びる少なくとも1つの軸を含み、この少なくとも1つの軸は径方向の溝を含む。軸装置はさらに、側壁の外側に配置された軸受装置を含み、軸受装置は少なくとも1つの軸に連結された軸受ブロックおよび軸受を含む。軸装置はさらに、側壁内の少なくとも1つの開口部内、および少なくとも1つの軸周りに配置されたシールを含む。軸受ブロックは側壁から間隔を空けて配置され、側壁と軸受ブロックの間に空隙を生み出す。軸装置はさらに側壁の内側に配置されたプレートを含む。プレートは、径方向の溝とプレートの間に通路を形成するように径方向の溝の中へと延びる突起部を含む。
本発明は、上に記載された特徴の組み合わせにより自動回収機用の改良された軸装置が提供されるという認識に基づいている。第1に、プレート、突起部、および径方向の溝により生み出された通路は、液体が側壁内の開口部に到達するのを遅らせるか、または防ぐ。プレートは飛び散る液体が直接開口部に到達するのを阻止し、径方向の溝と突起部との間の通路に入る液体は軸から流れ出ることができる。第2に、通路を通ることができ、側壁内の開口部のシールに到達するすべての液体は、シールにより開口部を通ることができない。第3に、側壁の外側へとシールを通過するすべての液体は、空隙に到達し、軸受に到達する前に軸から流れ出る可能性が高い。この装置は軸受ブロックと側壁との間の空隙により、空隙または側壁に蓄積されるあらゆる残留物および/または破片を除去することもできるというさらなる利点を有する。本出願の文脈における流れ出るという表現は、例えば重力により少なくとも1つの軸から離れる液体であると理解されるべきである。
本発明の1つの実施形態において、少なくとも1つの軸はさらに、側壁に向かって軸方向に延びるフランジを含み、径方向の溝と少なくとも1つの開口部との間でシールを受けるように軸方向の溝を形成してもよい。シールを受ける軸方向の溝はさらに、残液が軸受に到達する可能性を低減する。シールに到達する液体は、シールを受けている軸方向の溝も通りぬけなければならない。したがって、液体が少なくとも1つの軸からより流れ出やすくなるように、より長い経路が生み出される。シールは側壁内の少なくとも1つの開口部の中に配置される。例えば、シールは少なくとも1つの軸と少なくとも1つの開口部の縁部との間に配置される。少なくとも1つの開口部の中にシールを配置することにより、シールを側壁に固定し、側壁内の少なくとも1つの開口部と少なくとも1つの軸との間に封止機能を提供することができる。あるいは、シールは側壁の一部によって形成される。例えば、少なくとも1つの開口部の縁部は、少なくとも1つの開口部が側壁内に形成または作製されるとき打ち抜いて絞り、シールの形状を形成することができる。
本発明に関して、側壁という用語は内側壁または外側壁を指し、換言すれば側壁は例えば自動回収機のハウジングの一部であるか、またはハウジングの内部に配置されたプレートもしくは側壁であるか、またはハウジングがない場合は複数のプレートもしくは壁の1つであってもよい。
本発明のすべての実施形態において、軸受装置は場合によりさらに軸受シールを含んでもよく、軸受シールは少なくとも1つの軸に取り付けられた内側リングと、軸受ブロックに取り付けられた外側リングとを含み、それにより内側リングと外側リングは互いに対して回転してもよい。軸受シールは軸受と少なくとも1つの軸の少なくとも1つに沿った空隙との間に配置される。軸受シールはさらに、空隙を通過したあらゆる液体から軸受を保護する。内側リングと外側リングが互いに対して回転することができる軸受シールは、一般にカセットシールとして知られる。
本発明の様々な実施形態において、軸受シールは軸方向および各軸周りに軸対称であってもよい。
軸受シールはさらに、軸方向に対して直交する方向において少なくとも2つの封止リップの間に封止チャンバを形成するこの少なくとも2つの封止リップを含んでもよい。封止リップは内側リングから外側リングに向かって延びるか、または外側リングから内側リングに向かって延びてもよい。封止リップは内側リングおよび外側リングの双方から内側リングと外側リングのもう一方に向かって延びてもよい。封止リップおよび封止チャンバは液体がシールに貫入するのを困難にする迷路を形成する。
封止チャンバには封止組成物が充填される。封止組成物は液体がシールに入るのを阻止することを通じて、さらなる保護効果をもたらす。なぜなら、いかなる液体も封止組成物に貫入し、またはそれを変位させる必要があるはずだからである。封止組成物は、例えばグリースであってもよい。
上で論じた軸受シールを設けることで、同程度に液体がシールの中に入らないように排液性が向上する。さらに、空の容器内に時々存在する粘り気のある残留物は、時間の経過とともに排液口を覆うか、または埋めることがあり、表面上をこすって、例えばシール上に裂け目を作る可能性もある。上で論じた軸受シールを軸に備えると、軸受の寿命を延ばし、破壊的な不良のリスクを軽減し、定期保守のコストを低減し得る。
本発明の1つの実施形態において、径方向の溝は側壁から距離を置いて配置される。通路および径方向の溝を貫通するすべての液体は、その後少なくとも1つの開口部に到達する前に軸に沿ってさらに長い距離を輸送される必要がある。径方向の溝が配置される側壁からの距離、すなわち軸方向の距離は、30mm、25mm、20mm、15mm、10mm、5mm、またはこれらの間の任意の値であってよい。さらに、液体は突起部、径方向の溝、および場合によってはシールを受ける軸方向の溝により形成される通路のような軸の径方向の距離も通過するため、液体が通過する総距離はさらに長くなり得ると理解されるべきである。液体が軸に沿って空隙に到達するまでに通過する総距離は、35〜85mmであってよく、例えば60mmであってよい。
本発明の別の実施形態において、突起部は、少なくとも1つの軸周りで軸の円周の少なくとも10%、好ましくは25%、より好ましくは40%以上にわたって部分的に延び得る。少なくとも1つの軸の円周周りに突起部を延ばすことにより、飛び散る液体が側壁または少なくとも1つの開口部に到達する前に径方向の溝および通路を飛び越えるのを防ぐことができる。
軸受ブロックと側壁との間に形成された空隙は、少なくとも4mm幅であってよく、または空隙は少なくとも5mm幅であってもよく、または空隙は少なくとも6mm幅であってもよく、または空隙は少なくとも7mm幅であってもよく、または空隙は少なくとも8mm幅であってもよい。空隙により、液体が軸受ブロックに到達する前に少なくとも1つの軸から流れ出得る距離が設けられる。したがって、より幅広い空隙によりあらゆる液体が軸受に到達する可能性が低減される。
突起部はプレートの第1の端部に配置され、プレートは第1の端部の反対側にある第2の端部と、第1の端部および第2の端部の間に配置されたテーパ部とを含む。テーパ部は第1の端部から見て側壁に向かってテーパ付けられる。プレートの一部をテーパ付けることで、例えばボトルや缶、または別のタイプの容器などの圧縮対象物がプレートの上面に貼りつくことが少なくなる。したがって、第2の端部はプレートの上面として理解されるのに対し、第1の端部および突起部はプレートの底面として理解される。テーパ部は、テーパ部の長さをプレートの他の部分に対して増加させるか、プレートの長さを全体的に増加させるか、またはプレートの厚さを減少させることにより、望ましいテーパを備える。
プレートの厚さはプレートの第1の端部において軸方向に25mm未満、好ましくは20mm未満、より好ましくは15mm未満であってよい。プレートは単体で形成される。プレートは容器が引っ張られ圧縮されながらプレートに対して押し付けられる圧縮装置内の稼働状態に耐えるのに十分な強度と剛性を提供するために堅くてよい。プラスチック材料は比較的安価で強く、製造しやすいため、プレートはPEまたはABSのようなプラスチック材料で作られる。あるいは、プレートはPTFEで作られる。
本発明の様々な実施形態において、少なくとも1つの軸の各々は、例えば自動回収機の中で容器圧縮装置として使用される。したがって軸装置は、ボトルまたは缶、およびその他の容器のリサイクルを取り扱う自動回収機において効果的に使用される。ゆえに、少なくとも1つの軸の各々は、自動回収機が使用中であるとき容器を圧縮するために使用される。
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の特許請求の範囲および以下の説明で明らかになる。当業者は本発明の異なる特徴を組み合わせて本発明の範囲から逸脱することなく以下で説明される以外の実施形態を生み出すことができることを理解する。
次に、本発明のこれらおよび他の態様を、本発明の異なる実施形態を示す添付の図面を参照して詳細に説明する。
すべての図は概略図であり、必ずしも一定の縮尺ではなく、一般に実施形態を説明するために必要な部材を示すだけであって、他の部材は省略または単に示唆されている。明細書全体にわたり同じ参照符号は同じ要素を指す。
この詳細な説明において、自動回収機用の容器圧縮装置内の軸装置を示す概略図を参照して、本発明による軸装置の実施形態について主に議論する。これは決して本発明の範囲を制限するものではなく、添付図面に示す実施形態以外の、例えば他のタイプの軸、軸受もしくはシール、またはこれらの変形態を有する他の環境においても本発明を適用可能であることに留意されたい。さらに、特定の構成要素が本発明の実施形態に関連して言及されているということは、それらの構成要素が本発明の他の実施形態と共に効果的に使用することができないということを意味するものではない。ここで、第1に構造に、そして第2に機能に注目する同封の図面を参照して本発明を説明する。
図1は本発明の実施形態による軸装置を含む自動回収機用の容器圧縮装置100の斜視図を示す。図1を参照して説明される軸装置の様々な特徴の例は、添付図面を参照して以下に説明する他の実施形態と組み合わせ可能であることは諒解されよう。
容器圧縮装置100は内側102と外側104とを有する。内側102と外側104とは2つの側壁、第1の側壁106および第2の側壁108で離間されている。第1および第2の側壁106、108は、例えば亜鉛メッキまたは塗装などのいくつかの腐食防止策が施された、例えば金属板などの金属で作られる。第1および第2の側壁106、108は平坦であってよい。
容器圧縮装置100は第1および第2の側壁106、108の間に配置された第1の軸110と第2の軸112とを含む。第1の軸110は長手方向軸Aを有し、第2の軸112は長手方向軸Bを有する。第1および第2の軸110、112は互いに隣接して配置され、それぞれの長手方向軸A、Bは平行に配置されている。第1および第2の軸110、112は、例えば、鋼、ステンレス鋼などの金属で作られる。第1の軸110の長手方向端部116は側壁106、108内の開口部115を通り、第1の側壁106の外側104に配置された軸受装置122を通り、第2の側壁108の外側104に配置された軸受装置122を通って延びる。同様に、第2の軸の長手方向端部118は側壁106、108内の開口部117を通り、側壁106、108の外側に配置された軸受装置122を通って延びる。
図2〜5において、図1の片側、容器圧縮装置100の第2の側壁108を含む右側を参照して本発明の軸装置が示されている。各軸受ブロック122に配置された軸受を保護するために、同じ機能および構造上の関係は容器圧縮装置100のもう一方の側にももちろん適用されることに留意されたい。
第1および第2の軸110、112の各々は、圧縮装置100に投入されるボトルまたは缶をつかみ、圧縮し、裂き、または切断するための歯または他の手段を含む。第1および第2の軸110、112は、第1または第2の軸110、112上に載るすべての液体が流れ出るように、例えば概して円筒状の軸であるなど、総じて実質的に円形の断面を有すると理解されるべきである。第1および第2の軸110、112の長手方向端部116、118は、歯、車輪、またはチェーンのような軸を回転させるのに適した手段(不図示)を介して、軸110、112を駆動させるための手段(不図示)に連結される。本発明による第1および第2の軸110、112の各々はさらに、軸の各端部にあるそれぞれの開口部115、117から距離を置いて配置された径方向の溝114を含む。すなわち第1および第2の軸110、112は、第1の側壁106から距離を置いて配置された1つの径方向の溝114と、第2の側壁108から距離を置いて配置されたもう1つの径方向の溝114の2つの径方向の溝をそれぞれ有する。第2の軸112の径方向の溝114は、例えば図3においてより明確に見える。第2の軸112の径方向の溝114は第1の軸110の径方向の溝114と実質的に同一であってよい。
本発明の軸装置は各側壁106、108の内側102に配置されたプレート120を含む。プレート120は残液が直接飛び散って開口部115、117に到達するのを防ぐ。プレート120は軸110、112から上方向と理解される方向に配置される。すなわち、プレート120は、容器圧縮装置100が通常運転用に配置されている場合、軸110、112の上の側壁106、108に取り付けられる。
側壁106、108の外側に配置された軸受装置122は軸受ブロック122を含む。軸受(不図示)は各軸用の各軸受ブロック122の中に配置されており、それにより第1および第2の軸110、112は軸受ブロック122内の軸受に連結されて支持されている。軸受は、転がり軸受や玉軸受などのような任意の適するタイプのものであってよい。軸受ブロック122はスペーサ124により側壁に取り付けられ、かつ側壁から間隔が空けられている。スペーサ124は軸受ブロック122の材料で形成される。軸受ブロック122およびスペーサ124は金属で作られる。したがってスペーサ124は、軸受ブロック122が、例えば鋳造などにより作製されるときに形成される。あるいは、スペーサ124は別の構成要素であり、ナットボルト装置などを含んでよい。
もちろん、完全な容器圧縮装置100は、例えば完全な筐体を形成する長手方向の壁、圧縮装置を駆動する駆動装置、圧縮装置にボトルまたは缶を投入するための手段等のようなさらなる構成要素を含んでもよいことに留意されたい。
使用時、容器圧縮装置100を用いてリサイクル用のボトルまたは缶を圧縮または破砕する。第1および第2の軸110、112は回転し、具体的には第1および第2の軸110、112は互いに対して逆方向に回転し、例えば長手方向軸AおよびBに沿って見ると、第1の軸110は時計回りに回転し、第2の軸112は反時計回りに回転する。これにより、第1および第2の軸110、112が回転し、それらの歯がボトルまたは缶と噛み合って第1および第2の軸110、112の間でボトルまたは缶を引っ張るため、容器圧縮装置100に入るすべてのボトルまたは缶は、第1および第2の軸110、112の間で圧縮される。そのような容器内の残液は、軸110、112の間で圧縮される間に側壁106、108に向かって飛び散ったり、軸110、112上に漏れたりすることがある。
図2は本発明の軸装置の斜視図であり、図3は図2の直線Xおよび矢印に沿った軸装置の断面図を示し、図4aおよび4bは図2に示す直線Yおよび矢印に沿った軸装置の断面図を示す。
図3において、軸受ブロック122内に配置され、第1および第2の軸110、112の各々に連結される2つの軸受128を示す。軸装置はさらに、開口部115、117において第1および第2の軸110、112の外面周りに配置されたシール136を含む。シール136の一方は第1の軸110と開口部115の縁部との間で開口部115内に配置され、シール136の他方は第2の軸112と開口部117の縁部との間で開口部117内に配置される。シール136は開口部115、117の縁部および側壁108の両方またはどちらか一方に取り付けられる。したがって、シール136は軸110、112と共に回転しない。シール136は好ましくはプラスチック材料で作られる。添付図面には示されていないが、代替としてシール136は側壁108の一部で形成される。例えば、開口部115、117は金属を打ち抜く、および/または絞ることによって形成され、それにより開口部115、117の縁部が図3および4に示すシール136に対応する形を形成してもよい。
第1および第2の軸110、112はさらに、側壁108に向かう軸方向に各軸の外面に沿って延びて径方向の溝114と開口部115、117との間に配置される軸方向の溝140を形成するフランジ138を含む。軸方向の溝140は、液体が軸受128に到達するまで軸110、112に沿って通過するためのより長い経路を設けるために、図3および4に示すようにシール136の一部を受けてもよい。
軸受ブロック122はスペーサ124によって側壁108から距離を空けて配置されるため、空隙gが生み出される。空隙gは少なくとも幅4mmまたは4〜10mmの間であり、4〜10mmの任意の幅を有してよい。側壁108および軸受ブロック122は互いに向かい合う実質的に平行な面を有すると理解される。したがって、空隙gの幅は互いに向き合う側壁108および軸受ブロック122の面の間で実質的に同じにすることができる。
軸装置はさらに、第1および第2の軸110、112に沿って軸受128と空隙gとの間で軸受ブロック122内に配置される軸受シール126を含む。軸受シール126は軸受ブロック122内に配置されて軸110、112に沿って軸受ブロック122に到達する液体が軸受128に到達するのを防ぐ。
図4aおよび4bにおいて、プレート120を、第1の軸110の径方向の溝114の中へと延びて径方向の溝114とプレート120との間に通路を形成する突起部130と共に示す。径方向の溝114は側壁から距離d2の場所に配置される。距離d2は約12mmである。距離d2はもちろんこれより大きくても小さくてもよく、25〜10mm、またはこの間の任意の値でよい。
図1および図2を再び参照して、プレート120および突起部130は各軸110、112周りに部分的に延び、好ましくは軸方向に対して直交する方向に延びることに留意されたい。プレート120は、第1および第2の軸110、112の外面の周りの少なくとも約50%にわたって延び、好ましくは軸方向に対して直交する方向に延びる。プレート120および突起部130は各軸110、112の外面の10%、25%、または50%以上にわたって各軸110、112周りで部分的に延びることももちろん可能である。また、プレート120および突起部130は各軸110、112の全周にわたって延びることも可能である。代替として、プレート120および突起部130は軸110、112の一方の外面周りで、軸110、112のもう一方の外面の周りと比較して異なる量延びてもよい。
ここで図4aおよび4bを参照すると、径方向の溝114は突起部130の幅よりわずかに大きな幅d1を有し、それにより突起部130は径方向の溝114の表面に対して隙間を空けて、例えば径方向の溝114の表面と接することなく、径方向の溝114の中へと延びてよい。突起部130と、例えば径方向の溝114の表面などの径方向の溝114との間の隙間は約1mmであってよい。例えば、径方向の溝114の幅d1は6〜13mmであってよく、突起部130の幅は5〜12mmであってよい。例えば、突起部130の幅は9.5mmであってよく、径方向の溝114の幅d1は10.5mmであってよい。
径方向の溝114および突起部130の異なる幅により生み出された隙間は、毛管力または毛管効果が通路を通して液体を引き寄せるのを避けるために構成される。図4aおよび4bの径方向の溝114および突起部130は矩形の断面を有することに留意されたい。矩形の断面は、例えば第1の軸110およびプレート120の機械加工による径方向の溝114および突起部130を製造しやすくし得る。代替として、径方向の溝114および突起部は丸い隅部および縁部を有し、それにより径方向の溝114の底部は図4aおよび4bの断面から見て半円に形作られる。径方向の溝114の別の形状および突起部130に一致または対応する形状ももちろん可能であり、本発明の範囲内にある。
突起部130はプレート120の第1の端部に配置されている。プレート120は第1の端部とは反対側に第2の端部134を有する。第1および第2の端部134の間で、プレート120はテーパ部132を有する。テーパ部132は第1の端部から見て第2の端部134および側壁に向かってテーパ付けられる。第2の端部134は側壁108に対して垂直な平坦部を含む。テーパ部132が側壁108まで完全に延び、第2の端部134に平坦部がないことも可能である。テーパ部132は図4aに示すように、プレート120の一部のみにわたって延びてもよい。あるいは、プレートはくさび形であってよく、くさびの幅広い部分は突起部130に向かって配置され、くさびの薄い部分が第2の端部134に向かって配置され、テーパ部132は、図4bに示すように突起部130と第2の端部134との間の総距離または実質的に総距離にわたって延びてもよい。プレート120はプレート120の第1の端部における厚さに対応する厚さDを有する。プレート120の厚さDは好ましくは、例えば図4aおよび4bの長手方向軸Aに沿って見て、軸方向に25mm未満である。プレートの厚さDは25mm未満であってよく、それにより径方向の溝114の幅d1および突起部130に対応する幅も縮小される。あるいは、プレート120の厚さDが減少する際に径方向の溝114および突起部130がそれらの幅を維持できるように、径方向の溝114が配置される側壁108からの距離d2が縮小される。プレート120は、プラスチック材料のような固体材料の単体で形成される。
図5は第1の軸110に連結された軸受シール126の断面図である。軸受シール126は第1の軸110に連結された内側リング142と、軸受ブロック122に連結された外側リング144とを含む。内側および外側リング142、144は図5の断面図で見てL字型であってよい。内側および外側リング142、144は互いに対して回転してもよい。したがって、内側リング142は第1の軸110に取り付けられ、外側リング144は軸受ブロック122に取り付けられる。内側および外側リング142、144の軸方向および径方向のセクションは互いに対してほぼ平行に並んでいる。軸受シール126はさらに、内側リング142から外側リング144と、外側リング144から内側リング142とに向かって延びる複数の封止リップ146を含む。封止リップ146はそれら自体の間で第1の軸110の軸方向に対して直交する方向に、すなわち径方向に封止チャンバ148を形成する。封止チャンバ148は、軸受シール126の内側リング142および外側リング144の間に生み出された軸110の周りの径方向の経路に沿って延びると理解される。封止チャンバ148は、液体が軸受シール126に入るか、または通過するのをさらに防ぐグリースまたは別の組成物または材料が充填される。
ここに示した以外の本発明の例および変形ももちろん可能である。例えば、軸の長手方向の延長線上に沿って配置される径方向の溝は2つ以上あってよく、したがって径方向の溝の中へと延びる2つ以上の突起部が、液体が通過しなければならないいくつかの通路を形成してもよい。軸装置内に追加のシールを配置してもよい。図3および4の長手方向において見える軸の外形または断面はもちろん変化してよい。もう1つの例は、軸受シール126に連結された軸受ブロック122に補充ニップルを含み、これにより封止チャンバ内の封止組成物が補充ニップルを介して補充されるようにするものである。
さらに、開示された実施形態の変形は、図面、開示内容、添付の特許請求の範囲を検討することで、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、達成されると理解される。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という語は他の要素や工程を除外することではなく、不定冠詞「a」、または「an」は、複数形を除外するものではない。単に特定の対策が互いに異なる従属項に記載されているということは組み合わせを効果的に使用してはならないということを示すものではない。