JP2018522990A - イヌリン生成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多分散系であり、かつS/D比として定義される係数Lを有するイヌリン生成物であって:・Sが、全炭水化物に対する重量%で表される前記イヌリン生成物中の化合物GF2、F3、およびF4の和に等しく;・Dが[(Fi/Gi)+1]に等しく、Fは、イヌリン生成物中のイヌリン関連フルクトースの量であり、Giが、イヌリン生成物中のイヌリン関連グルコースの量であり、FiおよびGiは全炭水化物に対する重量%で表され、Lの値が2.0〜3.0の範囲にあり、かつ全炭水化物に対するイヌリン生成物3〜20重量%が:・GFn化合物(nは10以上である)かつ/または・Fm化合物(mは11以上である)からなる、イヌリン生成物に関する。本発明はさらに、イヌリン生成物を製造する方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明はイヌリン生成物に関する。チコリーの根からの天然イヌリンなどのイヌリン生成物の一般的な特徴は、水に入れると、イヌリン生成物は容易にゲル形成を引き起こし、これが、固形分60%、65%、または70%以上の濃度など、高濃度で行われるとなおさらゲル形成される。かかるゲル形成は時に望まれるが、不要である場合も多い。
本発明の目的は、イヌリンに伴う一般的かつ望ましい特性を提供すると同時に、ゲル形成に対して明らかに低い傾向を有するイヌリン生成物を提供することである。
本発明に従って、イヌリン生成物は多分散系であり、かつS/D比として定義される係数Lを有し:
・Sは、全炭水化物に対して重量%で表されるイヌリン生成物における化合物GF、F、およびFの和に等しく;
・Dは、[(F/G)+1]に等しく、式中、Fは、イヌリン生成物中のイヌリン関連フルクトースの量であり、Gは、イヌリン生成物中のイヌリン関連グルコースの量であり、FおよびGは、全炭水化物に対して重量%で表され、Lの値は、2.0〜3.0であり、かつ全炭水化物に対してイヌリン生成物3〜20重量%は、
・GF化合物(nは10以上である)、かつ/または
・F化合物(mは11以上である)からなる。
本発明のイヌリン生成物の利点は、水性分散液中のゲル形成の傾向が大幅に低減されているか、またはその傾向がないことである。
米国特許出願公開第A−2001/016572号明細書は、式GF(nおよびmは2〜20である)の末端グルコースを有するフルクトース単位の鎖によって構成されるフルクトオリゴ糖の乾燥物を少なくとも93.5重量%含有する、グルコース(G)、フルクトース(F)およびサッカロース(GF)において乏しく、かつ乾燥物で合計5重量%未満のグルコース、フルクトースおよびサッカロースの内容物を含む、多分散系サッカリド組成物を調製する方法に関する。この方法は、フルクタンを含有する物質を部分的加水分解にかけることにあり、前記物質は、平均重合度7以上のフルクタンを含有し、かつ乾燥物で最大で合計3.5重量%のグルコース、フルクトースおよびサッカロースを含有する。
国際公開第A−2009/129985号パンフレットは、フルクタン含有粒子の水性分散液であって、そのフルクタン含有粒子のD50が2μm〜50μmにあり、水性分散液の固形分が全体として、61重量%〜80重量%である、水性分散液に関する。本発明はさらに、フルクタン含有粒子の水性分散液を調製するプロセスであって、a)フルクタンおよび水を合わせて、混合物を形成する工程;b)任意に、混合物中のフルクタンの一部が加水分解され、その結果、この工程b)の最後に、混合物中のすべてのフルクタンの5重量%〜25重量%が室温で本質的に不溶性となる、加水分解工程;c)任意に、混合物を精製剤(purification agent)と接触させ、続いて混合物から精製剤を除去する、精製工程;d)固形分が61〜80%になるように混合物が濃縮され、それによって、水性分散液が形成される、濃縮工程;を含むプロセスに関する。
本発明は、イヌリン生成物に関する。イヌリン自体は公知であり、本明細書において、任意にグルコース開始単位とのフルクトシル−フルクトース連結から主になる、通常、多分散系−炭水化物オリゴマーまたはポリマーである一般的な意味を有する。イヌリンにおけるフルクトシル−フルクトース連結は、主にβ(2→1)タイプである。
本明細書で使用される、イヌリンという用語の意味は、オリゴフルクトースとして知られる化合物なども包含し;イヌリン化合物である、オリゴフルクトースが代表的であり、そのため重合度(DP)が2〜10の範囲である。実際には、オリゴフルクトースは、フルクトオリゴ糖とも呼ばれ、本明細書において意味されるように、これらの用語は同義語とみなされる。
グルコース単位は本明細書において、「G」と呼ばれ、フルクトース単位は本明細書において、「F」と呼ばれる。したがって、スクロースは、「GF」と表すことができ、個々のイヌリン化合物は、「GF」または「F」と表すことができ、nおよびmは、2以上の値を有する整数である。
本発明によるイヌリン生成物は多分散系である。本明細書で使用される多分散系という用語は、関心のある生成物が、異なる重合度の化合物の混合物からなることを示す意味を有する。
本発明のイヌリン生成物の重要な特徴の1つは、イヌリン生成物の全炭水化物に対する重量%で表される化合物GF、F、およびFの和であり;この和は、別々に決定され、かつ本明細書において係数「S」と示される。化合物GF、FおよびFの量を決定する適切な既知の一方法は、Joye & Hoebregs,J.AOAC International,Vol.83,No.4,2000,pp1020−1025に開示される具体的な方法を用いた、高温キャピラリーガスクロマトグラフィー(HGC)による方法である。
本発明のイヌリン生成物の更なる重要な特徴は、イヌリン関連フルクトースFの合計量が、GFまたはFの形で結合される、イヌリン生成物中のフルクトースの重量%(全炭水化物に対するパーセンテージ)であることである。したがって、スクロース中または他の非イヌリン化合物中の何れかの遊離フルクトースおよび何れかの結合されたフルクトースは、Fに寄与しない。Fを決定する適切な既知の一方法は、AOAC 997.08方法(version 2013)によるものである。前記方法は、イヌリン生成物の完全な酵素加水分解を含み、GFまたはFにおいて、または他の炭水化物において、結合されたすべてのFおよびG単位が、遊離フルクトースおよび遊離グルコースへと転化された、混合物が生じる。次いで、遊離フルクトースの量は、HGCなどの適切な分析法によって決定される。次いで、その結果は、非イヌリン起源のフルクトースに対して補正しなければならず、したがって、元の試料(加水分解前)中の遊離フルクトースの量および元の試料(加水分解前)中の例えばスクロースなどのフルクトース含有非イヌリン生成物の量も決定すべきであり;HGCも本明細書において適切な方法である。
本発明のイヌリン生成物のさらに他の重要な特徴は、イヌリン関連グルコースGの総量が、GF形で結合される、イヌリン生成物中のグルコースの重量%(全炭水化物に対するパーセンテージ)であることである。したがって、スクロース中または非イヌリン化合物中の何れかの遊離フルクトースおよび何れかの結合されたフルクトースは、Gに寄与しない。Gを決定する適切な既知の一方法は、AOAC 997.08方法(version 2013)であり、つまりFを決定する方法と同じ方法が適している。実際に、イヌリン生成物のGおよびFは、同時に決定することができ、しばしば同時に決定される。
本発明に従って、FおよびGを用いて、D=[(F/G)+1]と定義される係数「D」が計算される。
係数SおよびDの決定によって、本発明に従って、本明細書においてL=S/Dと定義される、係数「L」の計算が可能となる。意外なことに、係数Lが特定の限界内に維持される場合、水性システム中でゲル形成する傾向が低減されるか、またはその傾向が全くないイヌリン生成物が得られ;それと同時に、そのイヌリン生成物は、前生物的(prebiotic)特性および組織付与(texture−giving)特性などのイヌリンについて既知の特性を有し得ることが判明した。このように、本発明に従って係数Lは、2.0〜3.0の範囲内の値を有するはずである。
本発明のイヌリン生成物は、式GF(nは10以上である)および/または式F(mは11以上である)のイヌリン化合物を少なくとも3重量%(全炭水化物に対して測定された)含有する。これは、生成物が、多少高いDPのイヌリン化合物と関連する一般的な特性を示すという利点を有する。好ましくは、本発明のイヌリン生成物は、式GF(nは10以上である)および/または式F(mは11以上である)のイヌリン化合物を少なくとも5、6、7、8、9または少なくとも10重量%(全炭水化物に対して測定された)含有する。
本発明のイヌリン生成物は、式GF(nは10以上である)および/または式F(mは11以上である)のイヌリン化合物を最大で20重量%(全炭水化物に対して測定された)含有する。これは、生成物が、多少高いDPのイヌリン化合物によって付与される特性とDP10までのイヌリン化合物によって付与される特性との間で釣り合いがとられるという利点を有する。好ましくは、本発明のイヌリン生成物は、式GF(nは10以上である)および/または式F(mは11以上である)のイヌリン化合物を最大で18、16、14、12または最大で11重量%(全炭水化物に対して測定された)含有する。
公知のように、イヌリン生成物は実際には、非イヌリン炭水化物などの非イヌリン化合物をいくらかの量で含有することができ、かつしばしば含有する。非イヌリン炭水化物の一般的な例は、遊離グルコース、遊離フルクトース、およびスクロースである。本発明によるイヌリン生成物は好ましくは、非イヌリン炭水化物を最大で30重量%(全炭水化物に対して測定された)含有する。さらに好ましくは、本発明によるイヌリン生成物は好ましくは、非イヌリン炭水化物を0.5または1〜30、好ましくは最大で25、20、15、またはさらには最大で12、10、8、6、5、または4重量%(全炭水化物に対して測定された)含有する。
本発明のイヌリン生成物の好ましい実施形態において、係数Lの値は、少なくとも2.05、さらに好ましくは少なくとも2.10、2.15、2.20、2.25、2.30、2.35、2.40、2.45、または少なくとも2.50である。好ましくは、係数Lの値は、最大で2.95、2.90、2.85、2.80、2.75、2.70、2.65、または2.60である。
本発明のイヌリン生成物中のイヌリン化合物は、何れかの適切な原料または原料の組み合わせから得られ;好ましい実施形態において、イヌリン化合物は、チコリーの根に少なくとも40重量%由来し;さらに好ましくは、イヌリン化合物は、チコリーに少なくとも50、60、70、80、90または本質的に100重量%由来する。好ましくは、イヌリン化合物は、チコリーに100%由来する。
本明細書で使用される、「本質的に」、「本質的に〜からなる」、「本質的にすべての」という用語および同義語は、別段の指定がない限り、組成またはプロセス工程に関して、その組成またはプロセスの本質的な特徴および効果がかかる逸脱によって実質的に影響を受けないような程度にのみであるが、組成およびプロセス工程の逸脱が起こり得るという通常の意味を有する。
上記のように、本発明のイヌリン生成物の利点は、ゲルを形成するその傾向が大幅に低減されているか、またはないことである。したがって、本発明の好ましい実施形態は、本発明のイヌリン生成物の水性分散液または溶液に関する。次に、本発明の具体的な利点は特に、前記水性分散液または溶液が、本発明のイヌリン生成物を45〜80重量%、好ましくは少なくとも50、55、60、65、70重量%、または少なくとも71、72、73、74、または75重量%含有する場合に、はっきりと分かる。
本発明はさらに、本発明によるイヌリン生成物またはその水性分散液もしくはその溶液を含有する食品またはペットフード製品または動物の餌に関する。
主な実施形態において、本発明は、本発明のイヌリン生成物を製造する有利な方法に関する。この方法は:
・イヌリン原料を水溶液状態にし、イヌリン溶液を形成し、それによって、イヌリン原料が2.0未満の係数Lの値を有し、かつイヌリン原料がGF化合物(nは10以上である)および/またはFm化合物(mは11以上である)を8〜75重量%含有する、調製工程;
・イヌリン溶液中のイヌリン原料の加水分解が行われ、その結果、本発明のイヌリン生成物が形成される、転化工程;
を含む。
本発明の方法の調製工程において、イヌリン原料が使用される。イヌリン原料は、2.0未満のL値を有するという条件で、何れかの適切な源の原料であることができる。好ましくは、イヌリン原料のL値は、0.25〜0.75にある。さらに、イヌリン原料は、以下に説明される転化工程中に本発明のイヌリン生成物を確実に形成することができるようにするため、GF化合物(nは10以上である)かつ/またはF化合物(wは11以上である)を8〜75重量%、好ましくは少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、または少なくとも50重量%の十分な量で含有すべきである。
好ましくは、イヌリン原料はチコリーの根に由来する。かかる原料はそれ自体が公知である。チコリーの根から得られる天然イヌリン、つまり、根からそれを単離するのに必要な工程のみにかけられているが、その性質を改変する更なる工程にはかけられておらず、天然チコリーイヌリンとも呼ばれるイヌリンは、適切なイヌリン原料の一例である。
イヌリン原料を水溶液状態にする。多くのイヌリン原料に関して、長鎖イヌリン化合物を溶解してイヌリン溶液を形成するために、室温を超える温度に、例えば50〜110℃に、好ましくは少なくとも60、70、80に、または90または95℃にその温度を上げることを必要とする。好ましくは、イヌリン溶液は、イヌリン原料を20〜50重量%含有する。
調製工程後に、イヌリン溶液を転化工程にかける。転化工程において、イヌリン溶液中でのイヌリン原料の加水分解が行われる。かかる加水分解はそれ自体が公知であり、化学的経路を介して、例えばpHを下げることによって、またはイヌリン溶液を酵素の作用にさらすことによって行うことができる。係数Lの値が2.0未満から、上述の本発明のイヌリン生成物の係数Lの値または好ましい値の範囲内に上がるように、加水分解を行わなければならない。すなわち、加水分解工程では、係数S、つまりGF、F、およびFを構成する化合物の十分な量の形成が起こらなければならず;これによって、Sの値が増加し、その結果として、係数Lの値が増加する。酵素加水分解によって転化工程を実施する場合において、イヌリン化合物の末端テール(end tail)から1つのフルクトース部位を除去することによって主に作用する酵素(エキソイヌリナーゼの間でしばしば見られる作用様式)は一般に、本発明の方法にはあまり適していない。対照的に、特にEC3.2.1.7に分類される酵素などのエンドイヌリナーゼは、本発明の転化で使用するのにかなり適している場合が多いことが判明した。
転化工程における加水分解の必要強度は異なり、つまり、イヌリン原料からオリゴフルクトースを調製する目標を有する加水分解と比べて、その強度は低いことに留意されたい。その結果、転化工程の正確な条件は、イヌリン原料からオリゴフルクトースを調製する方法とは異なる。酵素転化については、その違いは一般に、固形分、温度、pHおよび/または時間などのプロセスパラメーターと共に、オリゴフルクトース調製プロセスと比較して、本発明の方法では低いかもしれない、異なる酵素濃度の組み合わせにある。したがって、一部の通常の実験が、本発明の転化工程を実施するために、酵素の適切なタイプおよび量を見つけるため、かつ温度、pHまたは濃度の適切な値を見つけるために必要であり;転化工程が酸性加水分解によって実施される場合にも、必要に応じて変更を加えて、これが適用される。
本発明はさらに、イヌリン組成物を調製するプロセスであって:
・イヌリン原料を水溶液状態にして、イヌリン溶液が形成される初期工程であって、前記イヌリン原料が、L値2.0未満を有し、かつ天然チコリーイヌリンである、工程;
・イヌリン溶液中のイヌリン原料の加水分解が、L値が2.0〜3.0にあるように実施されて、イヌリン組成物が形成される、反応工程;
を含む、プロセスに関する。
イヌリン組成物を調製するプロセスにおける初期工程は、調製工程の何れかの実施形態を含む、本発明のイヌリン生成物の調製に関して上述される調製工程と同じであるが、原料が天然チコリーイヌリン、つまりチコリーの根に由来する天然イヌリンであるべきであるという境界条件を有する。イヌリン組成物を調製するプロセスにおける反応工程は、転化工程の何れかの実施形態を含む本発明のイヌリン生成物の調製に関して上述される転化工程と同じである。
本発明は、それに限定されることなく、以下の実施例および比較的評価によって説明される。
チコリーの根に由来する天然イヌリンがイヌリン原料として使用された。係数Lの値は上述の方法に従って決定され、0.40と判明した。DP11以上を有する化合物GFおよび/またはFの重量パーセンテージ(全炭水化物に対する)は50.6重量%であると決定された。
本発明の調製工程は、64℃でイヌリン原料の28重量%水溶液を調製することによって行われた。本発明による転化工程は、酵素としてNovozymes 960(非固定化)乾燥物0.15U/グラムの低用量を用いて、64℃にてpH5.1で20時間、酵素加水分解することによってバッチ反応器内で行われた。加水分解は、pHを6.5にすることによって止められた。
上記で参照される方法に従って、HGCを用いて、得られた生成物を分析した。係数Sは25.4重量%であると決定され;係数Dは10.8であると決定され;その結果、係数Lは2.35であると算出された。DP11以上を有する化合物GFおよび/またはFの重量パーセンテージ(全炭水化物に対する)は15.9重量%であると決定された。イヌリン生成物中の非イヌリン炭水化物は、合計量9.7重量%の遊離グルコース、遊離フルクトースおよびスクロースであった。
イヌリン生成物の水溶液は、蒸発させることによって固形分70重量%に濃縮され、その工程によって、酵素の恒久的な不活性化も生じ、次いで静置され、室温に冷却された。ゲル形成は確認されず;初期にも、室温に冷却された後にも、確認されなかった。
比較的評価
米国特許出願公開第A−2001/016572号明細書の実施例1の評価を行った。この評価から、以下の情報が得られた:
・米国特許出願公開第A−2001/016572号明細書の表1には、「The composition of the invention...」のタイトルでイヌリン生成物の組成物が詳述されている。
・イヌリン生成物は、GFを0.18重量%、Fを32重量%、およびFを31.11重量%含有する。その結果として、パラメーターSの値が63.29となる。
・イヌリン生成物は天然イヌリンから調製されず、GF、遊離F、または遊離Gを含有しない、平均重合度(DP)27を有するイヌリンからなる原料から調製された。このことから、結果として、パラメーターDは27の値を有する。
・係数Lは63.29/27であり、2.34に等しい。
・イヌリン生成物は、GF化合物(nは10以上である)もF化合物(mは11以上である)も含有しない。
組織化特性(texturizing property)を提供した、本発明による実施例のイヌリン生成物とは対照的に、比較的評価のイヌリン生成物は、ヨーグルトまたはフルーツ調製物などの食品に有意な組織化特性を提供しなかった。

Claims (10)

  1. 多分散系であり、かつS/D比として定義される係数Lを有するイヌリン生成物において、
    ・Sが、全炭水化物に対する重量%で表される前記イヌリン生成物中の化合物GF、F、およびFの和に等しく;
    ・Dが、[(F/G)+1]に等しく、Fが、前記イヌリン生成物中のイヌリン関連フルクトースの量であり、Gが、前記イヌリン生成物中のイヌリン関連グルコースの量であり、FおよびGは全炭水化物に対する重量%で表され;
    Lの値が2.0〜3.0の範囲にあり、かつ全炭水化物に対して前記イヌリン生成物3〜20重量%が、
    ・GF化合物(nは10以上である)かつ/または
    ・F化合物(mは11以上である)
    からなることを特徴とする、イヌリン生成物。
  2. 請求項1に記載のイヌリン生成物において、遊離グルコース、遊離フルクトース、およびスクロースなどの非イヌリン炭水化物を、全炭水化物に対して最大で30重量%含有することを特徴とする、イヌリン生成物。
  3. 請求項1乃至2の何れか一項に記載のイヌリン生成物において、Lの値が2.2〜2.8にあることを特徴とする、イヌリン生成物。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のイヌリン生成物において、天然チコリーイヌリンから調製されることを特徴とする、イヌリン生成物。
  5. 水または水相に分散または溶解されたイヌリン生成物からなる、水性分散液または水溶液において、前記イヌリン生成物が、請求項1乃至4の何れか一項に記載のイヌリン生成物であることを特徴とする、水性分散液または水溶液。
  6. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のイヌリン生成物または水性分散液または水溶液を含有することを特徴とする、食品。
  7. 請求項1乃至5の何れか一項に記載のイヌリン生成物または水性分散液または水溶液を含有することを特徴とする、動物の餌またはペットフード製品。
  8. ・イヌリン原料を水溶液状態にして、イヌリン溶液を形成する調製工程であって、イヌリン原料が2.0未満の係数Lの値を有し、かつ前記イヌリン原料が、GF化合物(nは10以上である)および/またはF化合物(mは11以上である)を8〜75重量%含有する、工程;
    ・前記イヌリン溶液中の前記イヌリン原料の加水分解を行い、その結果、イヌリン生成物が形成される、転化工程;
    を含むことを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載のイヌリン生成物を製造するプロセス。
  9. 請求項9に記載のプロセスにおいて、前記イヌリン原料が天然チコリーイヌリンであることを特徴とする、プロセス。
  10. 請求項10に記載のプロセスにおいて、前記天然チコリーイヌリンが、0.25〜0.75にあるL値を有することを特徴とする、プロセス。
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