本発明は、電力増幅器の分野に関し、特に、電力増幅器、電力増幅方法、ならびに電力増幅制御装置および方法に関する。
無線周波数信号トランシーバとして、無線基地局が、電力増幅器(英語表記:Power Amplifier、略してPA)を用いることによって、入力信号を増幅し、送信機を用いることによって、増幅された入力信号を伝送するよう構成される。電力増幅器は、無線基地局においてもっとも電力を消費する構成要素であり、電力増幅器の効率が、無線基地局全体の消費電力を直接影響する。
ドハティ(英語表記:Doherty)電力増幅器が通常、既存の無線基地局において用いられ、無線基地局の消費電力を低減させる。
ドハティ電力増幅器は、一次電力増幅器と、少なくとも1つのピーク電力増幅器とを備える。一次電力増幅器は、各ピーク電力増幅器に並列に接続されている。ドハティ電力増幅器の動作原則は、一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器が、アクティブロードプル技術を用いることによって、これらの飽和領域において動作できることであり、それにより、ドハティ電力増幅器全体が、可能な限り広い入力電力範囲内に比較的高効率性を有することを確保する。
本発明を実装するプロセスにおいて、発明者は、従来技術が少なくとも以下の問題を有することを発見した。
既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が、高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は、比較的小さく、かつ、消費電力は、入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加する。このことは、無線基地局が消費電力に対する要求を満たすことができない。
既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった従来技術における問題を解決するために、本発明の実施形態は、電力増幅器、電力増幅方法、ならびに電力増幅制御方法および装置を提供する。技術的解決手段は、以下の通りである。
第1の態様によれば、電力増幅器が提供され、当該電力増幅器は、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージング(英語表記:Outphasing)コンバイナとを備え、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数である。各ドハティ電力増幅ユニットは、1つの入力端と、1つの出力端を有し、nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個の入力端および1つの出力端を含み、ドハティ電力増幅ユニットの出力端は、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端に別々に接続されている。
第1の態様の第1の可能な実装方式において、各ドハティ電力増幅ユニットは、mウェイドハティ電力増幅ユニットであり、mウェイドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および(m−1)個のピーク電力増幅器を有し、ここで、m≧2であり、かつ、mは整数であり、ドハティ電力増幅ユニットは、同じ数または異なる数のウェイを有する。各mウェイドハティ電力増幅ユニットにおいて、一次電力増幅器は、各ピーク電力増幅器に並列に接続されており、ピーク電力増幅器は、並列に接続されている。
第1の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第1の態様の第2の可能な実装方式において、mウェイドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであり、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器と、1つのピーク電力増幅器とを含み、同じ電力を有するトランジスタが、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器において用いられる、または、mウェイドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであり、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器と、1つのピーク電力増幅器とを有し、異なる電力を有するトランジスタが、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器において用いられる。
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実装方式、および第1の態様の第2の可能な実装方式に関連して、第1の態様の第3の可能な実装方式において、nウェイアウトフェージングコンバイナは、チャイレックス(英語表記:Chireix)コンバイナである。
第2の態様によれば、電力増幅方法が提供され、第1の態様に係る電力増幅器に適用され、当該方法は、ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって入力信号を受信する段階と、入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階とを備える。
第2の態様の第1の可能な実装方式において、入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階は、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階であって、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい、段階と、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値よりより大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階とを含み、非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせる動作状態であり、アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
第2の態様の第2の可能な実装方式において、入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階は、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第2の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階であって、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である、段階と、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第2の電力閾値より大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階を含み、非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせる動作状態であり、アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
第3の態様によれば、電力増幅制御装置が提供され、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、第1の態様に係る電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数であり、当該装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成される処理モジュールであって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられ、処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、処理モジュールと、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するよう構成される送信モジュールとを備える。
第3の態様の第1の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第3の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第3の態様の第2の可能な実装方式において、処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第3の態様の第3の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第3の態様の第3の可能な実装方式に関連して、第3の態様の第4の可能な実装方式において、処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第4の態様によれば、電力増幅制御装置が提供され、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、第1の態様に係る電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数であり、当該装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成されるプロセッサであって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる、プロセッサを備え、ここで、プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成され、プロセッサはさらに、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するように、トランシーバを制御するよう構成される。
第4の態様の第1の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号をn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第4の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第4の態様の第2の可能な実装方式において、プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第4の態様に関連して、第4の態様の第3の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する構成される。
第4の態様の第3の可能な実装方式に関連して、第4の態様の第4の可能な実装方式において、プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第5の態様によれば、電力増幅制御方法が提供され、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、第1の態様に係る電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数であり、当該方法は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定する段階であって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる、段階と、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階と、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する段階とを備える。
第5の態様の第1の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階は、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階を含む。
第5の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第5の態様の第2の可能な実装方式において、方法はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する段階を備える。
第5の態様の第3の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階は、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する段階を含む。
第5の態様の第3の可能な実装方式に関連して、第5の態様の第4の可能な実装方式において、方法はさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階を備える。
本発明の実施形態において提供されている技術的解決手段は、以下の有益な効果を有する。
並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングコンバイナとを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するために必要な添付の図面を簡潔に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は単に本発明のいくつかの実施形態を示しており、当業者は、創造的努力なく、これらの添付の図面から、他の図面をさらに導き出し得る。
本発明の実施形態に係る無線基地局の構造のブロック図である。
ドハティ電力増幅器、アウトフェージング電力増幅器、および従来のクラスBの電力増幅器の効率曲線図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。
本発明の別の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。
本発明の別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。
本発明の実施形態に係る第1の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。
本発明のさらに別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。
本発明の実施形態に係る第2の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置の構造ブロック図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置のブロック図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。
本発明の別の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。
本発明の目的、技術的解決手段、および利点をより明確にするために、以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
容易に理解するために、まず、本発明の実施形態におけるいくつかの用語を説明する。
アウトフェージング電力増幅器:アウトフェージング電力増幅器は、並列に接続されている2つの電力増幅器と、2ウェイアウトフェージングコンバイナとを含む。アウトフェージング電力増幅器の動作原則は、2つの電力増幅器が2つの受信されたアウトフェージング入力信号を別々に増幅し、アウトフェージングコンバイナが、当該2つの増幅された入力信号を組み合わせることであり、それにより、電力増幅器の効率を向上させる。
無線基地局は、無線周波数信号トランシーバであり、無線基地局の信号カバレッジ範囲内に移動端末のために無線周波数信号を提供するよう構成される。図1に示されているように、無線基地局10は一般に、制御サブシステム11と、無線周波数サブシステム12と、アンテナサブシステム13とを備える。
無線基地局10が無線周波数信号を伝送することを例として用いると、アンテナサブシステム13により送信されたベースバンド信号を受信した後、制御サブシステム11は、ビルディングベースバンドユニット(英語表記:Building Base band Unit、略してBBU)111を用いることによって、変調されていないベースバンド信号を処理し、公衆無線インタフェース(英語表記:Common Public Radio Interface、略してCPRI)によって、処理された信号を無線周波数サブシステム12へ送信する。移動端末14により受信された無線周波数信号の強度を確保するために、無線周波数サブシステム12は、無線周波数サブシステム12内部の電力増幅器121を用いることによって、受信された信号を増幅する必要がある。信号を増幅した後、電力増幅器121は、増幅された信号をアンテナサブシステム13へ送信する。アンテナサブシステム13におけるGSM(登録商標)アンテナ・TMA制御モジュール(英語表記:GSM Antenna and TMA control Module、略してGATM)131は、信号を伝送するように、タワーマウントアンプ(英語表記:Tower Mounted Amplifier、略してTMA)132を制御する。
無線基地局はさらに、別の従来のサブシステムを備え、制御サブシステム、無線周波数サブシステム、およびアンテナ周波数サブシステムはさらに、他の従来の構成要素を含むということを当業者が理解し得ることに注意すべきであり、詳細はここでは再び説明されない。
無線基地局においてもっとも電力を消費する構成要素である電力増幅器の動作効率は、無線基地局全体の消費電力に直接影響を与える。無線基地局の消費電力を低減させるために、従来技術において、ドハティ電力増幅器は通常、主要な高効率性の電力増幅器として、無線基地局において用いられる。
図2は、ドハティ電力増幅器、アウトフェージング電力増幅器、および従来のクラスBの電力増幅器の効率曲線図である。効率曲線図の横座標は、正規化後の電力増幅器の出力電圧であり、効率曲線図の縦座標は、電力増幅器の効率である。
出力電圧は、入力電力と正比例する。明らかに、従来のクラスBの電力増幅器と比較すると、ドハティ電力増幅器およびアウトフェージング電力増幅器は明らかに、比較的大きい入力電力範囲内により高い効率を有する。
図3を参照すると、図3は、本発明の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。電力増幅器は、並列に接続されている2つのドハティ電力増幅ユニットと、1つの2ウェイアウトフェージングコンバイナとを含む。
第1のドハティ電力増幅ユニット31と第2のドハティ電力増幅ユニット32とが、並列に接続されている。第1のドハティ電力増幅ユニット31は、入力端311および出力端312を含む。第2のドハティ電力増幅ユニット32は、入力端321および出力端322を含む。
2ウェイアウトフェージングコンバイナ33は、2つの入力端および1つの出力端を含み、それぞれが、第1の入力端331、第2の入力端332、および出力端333である。2ウェイアウトフェージングコンバイナは、チャイレックスコンバイナ、またはアウトフェージング組み合わせ機能を有する別のコンバイナであってよい。アウトフェージングコンバイナの種類は、本発明において限定されない。
第1のドハティ電力増幅ユニット31の出力端312は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ33の第1の入力端331に電気的に接続される。第2のドハティ電力増幅ユニット32の出力端322は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ33の第2の入力端332に電気的に接続される。
第1のドハティ電力増幅ユニット31の入力端311、および第2のドハティ電力増幅ユニット32の入力端321の両方とも、信号制御システム34により送信された入力信号を受信するよう構成される。第1のドハティ電力増幅ユニット31の出力端312、および第2のドハティ電力増幅ユニット32の出力端332の両方とも、増幅された入力信号を2ウェイアウトフェージングコンバイナ33へ送信するよう構成される。2ウェイアウトフェージングコンバイナ33は、第1の入力端331および第2の入力端332によって受信された信号を増幅し、当該信号を組み合わせ、その後に、伝送のために、出力端333によって、組み合わせ後の信号を送信機(不図示)へ送信する。
図3において、第1のドハティ電力増幅ユニット31および第2のドハティ電力増幅ユニット32はそれぞれ、2ウェイドハティ電力増幅ユニットである。すなわち、第1のドハティ電力増幅ユニット31および第2のドハティ電力増幅ユニット32はそれぞれ、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器を含む。一次電力増幅器は、クラスBまたはクラスABでバイアスされ、ピーク電力増幅器は、クラスCでバイアスされる。加えて、一次電力増幅器は、動作状態に保持し、ピーク電力増幅器は、入力電力が初期動作電力に達した場合のみ、動作を開始する。
図3に示されているように、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314を有し、第2のドハティ電力増幅ユニット32は、一次電力増幅器324およびピーク電力増幅器323を有する。一次電力増幅器313と、ピーク電力増幅器314とが並列に接続されている。一次電力増幅器324と、ピーク電力増幅器323とが並列に接続されている。一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314は、ドハティコンバイナ(不図示)を用いることによって接続される必要があることに注意すべきである。ドハティコンバイナは、一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314によって増幅された信号を組み合わせるよう構成される。それに対応して、一次電力増幅器324およびピーク電力増幅器323は、ドハティコンバイナを用いることによって接続される必要がある。
第1のドハティ電力増幅ユニット31において、第1のマイクロストリップ315は、一次電力増幅器313の後端に直列に接続され、第2のマイクロストリップ316は、ピーク電力増幅器314の前端に直列に接続される。第1のマイクロストリップ315は、インピーダンス変換のために用いられ、第2のマイクロストリップ315は、位相平衡のために用いられる。第1のマイクロストリップ315および第2のマイクロストリップ316はそれぞれ、4分の1波長のマイクロストリップまたは等価回路であってよい。
それに対応して、第2のドハティ電力増幅ユニット32において、第3のマイクロストリップ325は、一次電力増幅器324の後端に直列に接続され、第4のマイクロストリップ326は、ピーク電力増幅器323の前端に直列に接続される。加えて、第3のマイクロストリップ325は、第1のマイクロストリップ315と同じ機能を有し、第4のマイクロストリップ326は、第2のマイクロストリップ316と同じ機能を有する。第3のマイクロストリップ325および第4のマイクロストリップ326はそれぞれ、4分の1波長のマイクロストリップまたは等価回路であってよい。
同じ電力を有するトランジスタが、第1のドハティ電力増幅ユニット31における一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314において用いられる場合、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットである。異なる電力を有するトランジスタが、第1のドハティ電力増幅ユニット31における一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314に用いられる場合、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットである。この実施形態において、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよく、または、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよい。それに対応して、第2のドハティ電力増幅ユニット32は、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよく、または2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよい。このことは、本発明において限定されない。
この実施形態において、ドハティ電力増幅ユニットの構造が、旧知なドハティ電力増幅器の構造と同様であり、2ウェイアウトフェージングコンバイナの構造が、旧知なアウトフェージング電力増幅器におけるアウトフェージングコンバイナの構造と同様であることに注意すべきである。当業者は、この実施形態において、ドハティ電力増幅ユニットおよび2ウェイアウトフェージングコンバイナはさらに、他の従来の要素を含むことを理解し得て、詳細は、この実施形態において再び説明されない。
任意選択的な実施形態において、各ドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイドハティ電力増幅ユニットであってよく、mウェイドハティ電力増幅ユニットであってよい。すなわち、各ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および(m−1)個のピーク電力増幅器を含み、ここで、m≧2であり、かつ、mは整数である。以下では、別の実施形態を用いることによって説明を行う。
図4を参照すると、図4は、本発明の別の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。この実施形態において、電力増幅器におけるドハティ電力増幅ユニットが3ウェイドハティ電力増幅ユニットであることが、説明のための例として用いられる。電力増幅器は、並列に接続されている第1のドハティ電力増幅ユニット41および第2のドハティ電力増幅ユニット42と、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43とを含み、第1のドハティ電力増幅ユニット41は、入力端411および出力端412を有し、第2のドハティ電力増幅ユニット42は、入力端421および出力端422を有し、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43は、2つの入力端および1つの出力端を含み、それぞれが、第1の入力端431、第2の入力端432、および出力端433である。2ウェイアウトフェージングコンバイナは、チャイレックスコンバイナ、またはアウトフェージング機能を有する別のコンバイナであってよい。アウトフェージングコンバイナの種類は、本発明において限定されない。
第1のドハティ電力増幅ユニット41の出力端412は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43の第1の入力端431に電気的に接続される。第2のドハティ電力増幅ユニット42の出力端422は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43の第2の入力端432に電気的に接続される。
第1のドハティ電力増幅ユニット41の入力端411、および第2のドハティ電力増幅ユニット42の入力端421の両方とも、信号制御システム44により送信された入力信号を受信するよう構成される。第1のドハティ電力増幅ユニット41の出力端412、および第2のドハティ電力増幅ユニット42の出力端432の両方とも、増幅された入力信号を、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43へ送信するよう構成される。2ウェイアウトフェージングコンバイナ43は、第1の入力端431および第2の入力端432によって受信された信号を増幅し、当該信号を組み合わせ、その後に、伝送のために、出力端433によって、組み合わせ後の信号を送信機(不図示)へ送信する。
図4において、第1のドハティ電力増幅ユニット41および第2のドハティ電力増幅ユニット42はそれぞれ、3ウェイドハティ電力増幅ユニットである。すなわち、第1のドハティ電力増幅ユニット31および第2のドハティ電力増幅ユニット32はそれぞれ、一次電力増幅器および2つのピーク電力増幅器を含む。
一次電力増幅器は、クラスBまたはクラスABでバイアスされ、ピーク電力増幅器はクラスCでバイアスされる。加えて、一次電力増幅器は動作状態に保持し、ピーク電力増幅器は、入力電力が各ピーク電力増幅器に対応する初期動作電力に達した場合のみ、動作を開始する。加えて、ピーク電力増幅器に対応する初期動作電力は、同じ又は異なってよい。このことは本発明において限定されない。
図4に示されているように、第1のドハティ電力増幅ユニット41は、一次電力増幅器413と、第1のピーク電力増幅器414と、第2のピーク電力増幅器415とを有し、第2のドハティ電力増幅ユニット42は、一次電力増幅器425と、第1のピーク電力増幅器423と、第2のピーク電力増幅器424とを有する。一次電力増幅器は、ピーク電力増幅器に並列に接続されており、ピーク電力増幅器は、並列に接続されている。同じ電力または異なる電力を有するトランジスタが、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器において用いられてよい。このことは、本発明において限定されない。
この実施形態において、3ウェイドハティ電力増幅ユニットおよび2ウェイアウトフェージングコンバイナはさらに、他の従来の要素を含むことを当業者が理解し得ることに注意すべきであり、詳細は、この実施形態において再び説明されない。
本発明のこの実施形態において、アウトフェージングコンバイナは、n個の入力端を含んでよく、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数である。すなわち、アウトフェージングコンバイナは、nウェイアウトフェージングコンバイナであってよい。それに対応して、電力増幅器は、n個のドハティ電力増幅ユニットを含み、ドハティ電力増幅ユニットの出力端は、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端に別々に接続されている。
加えて、ドハティ電力増幅ユニットは、同じ数または異なる数のウェイを有してよい。すなわち、各ドハティ電力増幅ユニットに含まれる電力増幅器の合計数は、同じでもよく又は異なってもよい。
例えば、電力増幅器は、第1のドハティ電力増幅ユニット、第2のドハティ電力増幅ユニット、および第3のドハティ電力増幅ユニットを含む。第1のドハティ電力増幅ユニット、第2のドハティ電力増幅ユニット、および第3のドハティ電力増幅ユニットはそれぞれ、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器を含む。
別の例において、電力増幅器は、第1のドハティ電力増幅ユニット、第2のドハティ電力増幅ユニット、および第3のドハティ電力増幅ユニットを含む。第1のドハティ電力増幅ユニットは、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器を含む(すなわち、第1のドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイドハティユニットである)。第2のドハティ電力増幅ユニットは、一次電力増幅器および2つのピーク電力増幅器を含む(すなわち、第2のドハティ電力増幅ユニットは、3ウェイドハティユニットである)。第3のドハティ電力増幅ユニットは、一次電力増幅器および3つのピーク電力増幅器を含む(すなわち、第3のドハティ電力増幅ユニットは、4ウェイドハティユニットである)。
動作するとき、本発明の実施形態において提供されている各電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする必要があり、それにより、電力増幅器の効率を向上させる。
図5を参照すると、図5は、本発明の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。この実施形態において、当該電力増幅方法が先述の実施形態において示されている電力増幅器に適用されることである。電力増幅方法は、以下の段階を備える。
段階501:ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって入力信号を受信する。
段階502:入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅方法において、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が、高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
電力増幅器の設計の過程において、電力増幅器の動作モードは、実際の動作の要求に従って、第1の動作モードまたは第2の動作モードに設定されてよい。第1の動作モードにおいて、電力増幅器はまず、ドハティ電力増幅ユニットを、動作状態になるようにトリガし、その後に、nウェイアウトフェージングコンバイナを、動作状態になるようにトリガする。第2の動作モードにおいて、電力増幅器はまず、nウェイアウトフェージングコンバイナを、動作状態になるようにトリガし、その後に、ドハティ電力増幅ユニットを、動作状態になるようにトリガする。以下では、2つの実施形態を用いることによって説明を行う。
図6Aを参照すると、図6Aは、本発明の別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。この実施形態において、電力増幅方法が第1の動作モードで動作する電力増幅器に適用されることが、説明のための例として用いられる。電力増幅方法は、以下の段階を備える。
段階601:ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって入力信号を受信する。
電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットは、入力端によって、信号制御システムにより送信された入力信号を受信する。
段階602:ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。
電力増幅器の設計の過程において、電力閾値は、電力増幅器のために事前に設計される必要がある。電力閾値は、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガするために用いられる。
第1の動作モードで動作するように設定された電力増幅器について、電力増幅器に対応する第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きくなる必要があり、それにより、入力信号の電力が第1の電力閾値に達する前に、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器が動作状態にあることを確保する。
加えて、入力信号の電力が第1の電力閾値未満である場合、信号制御システムによりドハティ電力増幅ユニットへ送信される入力信号は、非アウトフェージング入力信号である。ドハティ電力増幅ユニットは、非アウトフェージング入力信号を増幅する(信号は依然として非アウトフェージング入力信号である)。nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個のアウトフェージング入力信号を組み合わることを目的とし、入力信号の電力が第1の電力閾値未満である場合、nウェイアウトフェージングコンバイナにより受信される信号は、非アウトフェージング入力信号である。したがって、入力信号の電力が第1の電力閾値未満である場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、非アウトフェージング動作状態にある。非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせ、かつ、位相調整を実行する必要がない動作状態である。
段階603:ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値より大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。
ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値より大きい場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器は、動作状態にある。入力信号の電力が連続的に増加すると、一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器は、飽和状態となり、もっとも高い効率で動作する。
加えて、入力信号の電力が第1の電力閾値より大きい場合、信号制御システムは、ドハティ電力増幅ユニットへ送信された入力信号を、アウトフェージング入力信号になるように調整し、ドハティ電力増幅ユニットは、アウトフェージング入力信号の電力を増幅する(信号は依然としてアウトフェージング入力信号である)。この場合、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がn個のアウトフェージング信号を受信したとき、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態になるようにトリガされる。アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
簡潔に言うと、入力電力が比較的低い場合、第1の動作モードで動作する電力増幅器は、低電力条件下で効率を向上させるように、ドハティモードで動作する。入力電力が比較的高い場合、電力増幅器は、高電力条件下で高効率性を維持するように、アウトフェージングモードで動作する。
図6Bは、本発明に係る第1の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。明らかに、第1の動作モードにおいて、入力電力が比較的低い場合、電力増幅器は、ドハティモードで動作し、電力増幅器の効率曲線は、ドハティ電力増幅器の効率曲線である。入力電力が比較的高い場合、電力増幅器は、アウトフェージングモードで動作し、電力増幅器の効率曲線は、アウトフェージング電力増幅器の効率曲線である。従来のドハティ電力増幅器と比較すると、電力増幅器は、より大きい入力電力範囲内に高効率性を維持することができる。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅方法において、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングコンバイナとを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図7Aを参照すると、図7Aは、本発明のさらに別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。この実施形態において、電力増幅方法が第2の動作モードで動作する電力増幅器に適用されることが、説明のための例として用いられる。電力増幅方法は、以下の段階を含む。
段階701:ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって、信号制御システムにより送信された入力信号を受信する。
電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットは、入力端によって入力信号を受信する。
段階702:ドハティ電力増幅ユニットによって受信された入力信号の電力が第2の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。
電力増幅器の設計の過程において、電力閾値は、電力増幅器のために事前に設計される必要がある。電力閾値は、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガするために用いられる。
第1の動作モードで動作するように設定される電力増幅器について、電力増幅器に対応する第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であることが必要であり、それにより、入力信号の電力が第1の電力閾値に達する前に、ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器が動作を開始しないことを確保する。
加えて、入力信号の電力が第2の電力閾値未満である場合、信号制御システムによりドハティ電力増幅ユニットへ送信される信号は、アウトフェージング入力信号である。ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器は、動作を開始しない。したがって、一次電力増幅器のみが、アウトフェージング入力信号の電力を増幅する(増幅された信号は依然としてアウトフェージング信号である)。nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個のアウトフェージング信号を組み合わることを目的とする。したがって、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がドハティ電力増幅ユニットにより送信されたn個のアウトフェージング信号を受信する場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態において動作している。アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
段階703:ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が、第2の電力閾値より大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器よび各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。
ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第2の電力閾値より大きい場合、入力信号の電力が増加すると、ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器は、続いて動作状態に入る。
加えて、入力信号の電力が第2の電力閾値より大きい場合、信号制御システムは、ドハティ電力増幅ユニットへ送信された入力信号を、非アウトフェージング入力信号になるように調整し、ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器およびピーク電力増幅器は、非アウトフェージング入力信号の電力を増幅する(増幅された信号は依然として非アウトフェージング信号である)。この場合、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端により受信された信号がn個の非アウトフェージング信号であるため、nウェイアウトフェージングコンバイナは、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガされる。非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせ、かつ、位相調整を実行する必要がない動作状態である。
図7Bは、本発明に係る第2の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。明らかに、第2の動作モードにおいて、入力電力が比較的低い場合、電力増幅器は、アウトフェージングモードで動作し、かつ、電力増幅器の効率曲線は、アウトフェージング電力増幅器の効率曲線である。入力電力が比較的高い場合、電力増幅器は、ドハティモードで動作し、かつ、電力増幅器の効率曲線は、ドハティ電力増幅器の効率曲線である。従来のドハティ電力増幅器と比較すると、電力増幅器は、より大きい入力電力範囲内に高効率性を維持することができる。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅方法において、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングコンバイナとを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図8を参照すると、図8は、本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置の構造ブロック図である。電力増幅制御装置は、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、図3または図4において示されている電力増幅器のために入力信号を提供するために用いられる。電力増幅制御装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成される処理モジュール810であって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられ、処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、処理モジュール810と、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するよう構成される送信モジュール820とを備える。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定し、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号を調整し、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図8に基づいて、任意で、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、処理モジュール810は、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
図9を参照すると、図9は、本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置のブロック図である。電力増幅制御装置900は、バス910と、バス910を用いることによって接続されるプロセッサ920、メモリ930、およびトランシーバ940とを備えてよい。メモリ1030は、1つまたはより多くの命令を記憶するよう構成される。当該1つまたはより多くの命令は、プロセッサ920により実行されるよう構成される。
プロセッサ920は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成され、ここで、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる。プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成され、プロセッサ920はさらに、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するように、トランシーバ1040を制御するよう構成される。
任意で、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定し、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号を調整し、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
電力増幅器の高動作効率を確保するために、電力増幅器のために入力信号を提供する信号制御システムは、電力増幅器の動作モードに対応する電力閾値に従って、リアルタイムで入力信号を調整する必要がある。以下では、実施形態を用いることによって説明を行う。
図10を参照すると、図10は、本発明の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。この実施形態において、電力増幅制御方法が先述の実施形態における信号制御システムに適用されることが、説明のための例として用いられる。方法は、以下の段階を備える。
段階1001:電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定する。ここで、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる。
信号制御システムはさらに、増幅される必要がある信号の電力と電力増幅器の動作モードとに従って、n個の入力信号の電力が電力閾値に達していない場合、n個の入力信号をどのように設定するかを決定してよい。
段階1002:n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する。
n個の入力信号の電力が電力閾値に達していない場合、信号制御システムは、n個の入力信号の電力が電力閾値に達していない場合、段階1001において決定された、n個の入力信号に対応する信号設定方式で、n個の入力信号を設定する。
段階1003:n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御方法において、電力増幅器に対応する電力閾値は、電力増幅器の動作モードに従って決定され、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号は調整され、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図11を参照すると、図11は、本発明の別の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。この実施形態において、電力増幅制御方法が図3または図4において示されている信号制御システムに適用されることが、説明のための例として用いられる。方法は、以下の段階を備える。
段階1101:電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定する。ここで、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる。
信号制御システムは、各種動作モードの電力増幅器に対応する電力閾値を事前に記憶してよい。当業者が接続されるべき電力増幅器の動作モードを選択した場合、信号制御システムは、当該動作モードに対応する電力閾値を取得することができる。
本発明の実施形態において提供される電力増幅器は、2つの動作モードを含み、当該2つの動作モードは、異なる電力閾値に対応する。したがって、信号制御システムに接続される電力増幅器の動作モードが第1の動作モードである場合、信号制御システムは、電力増幅器に対応する電力閾値が第1の電力閾値であると決定し、信号制御システムに接続される電力増幅器の動作モードが第2の動作モードである場合、信号制御システムは、電力増幅器に対応する電力閾値が第2の電力閾値であると決定する。
第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きく、それにより、入力電力が第1の電力閾値に達した場合、ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器が動作状態にあることを確保する。第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であり、それにより、入力電力の場合が第2の電力閾値に達した場合、ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器が動作を開始しないことを確保する。
段階1102:n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する。
第1の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的低い場合、電力増幅器がドハティモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットが動作状態にあり、かつ、アウトフェージングコンバイナが非アウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していないとき、信号制御システムは、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせ、かつ、位相調整を実行する必要がない動作状態である。
段階1103:n個の非アウトフェージング入力信号を、ドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個のアウトフェージング信号を組み合わることを目的とする。したがって、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がn個の非アウトフェージング信号を受信する場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、非アウトフェージング動作状態にあり、受信した非アウトフェージング信号を組み合わせる。
段階1104:n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する。
第1の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的高い場合、電力増幅器がアウトフェージングモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットが動作状態にあり、かつ、アウトフェージングコンバイナがアウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達したとき、信号制御システムは、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。
先述の段階1104を実行した後、信号制御システムは、段階1108を実行する。
段階1105:n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する。
第2の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的低い場合、電力増幅器がアウトフェージングモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器の各ドハティ電力増幅ユニットにおいて、一次電力増幅器のみが動作状態にあり、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していないとき、信号制御システムは、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態に入るようにトリガするように、n個の入力信号をn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。
段階1106:n個のアウトフェージング入力信号を、ドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
それに対応して、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がn個のアウトフェージング入力信号を受信した場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態に入るようにトリガされ、n個の受信されたアウトフェージング入力信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる。
段階1107:n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号に調整する。
第2の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的高い場合、電力増幅器がドハティモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器の各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器が動作状態にあり、かつ、アウトフェージングコンバイナが非アウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達したとき、信号制御システムは、n個のアウトフェージング入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。
先述の段階1107を実行した後、信号制御システムは、段階1108を実行する。
段階1108:n個の調整された入力信号を、ドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
それに対応して、ドハティ電力増幅ユニットは、ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって、n個の調整された入力信号を受信し、入力信号を増幅し、かつ、組み合わせのために、増幅された信号をnウェイアウトフェージングコンバイナへ送信する。先述の段階1104が実行された後、n個のアウトフェージング入力信号は、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態に入るようにトリガし、先述の段階1107が実行された後、n個の非アウトフェージング入力信号は、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態に入るようにトリガする。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御方法において、電力増幅器に対応する電力閾値は、電力増幅器の動作モードに従って決定され、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号は調整され、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
当業者は、実施形態の段階のうちの全てまたは一部が、ハードウェアまたは関連ハードウェアを命令するプログラムにより実装されてよいことを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体において記憶されてよい。記憶媒体は、リードオンリメモリ、磁気ディスク、または光ディスクを含んでよい。
先述の説明は単に本発明の実施形態の例であり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の思想および原理から逸脱することなく行われるあらゆる変更、均等な置換、および改良は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
本発明は、電力増幅器の分野に関し、特に、電力増幅器、電力増幅方法、ならびに電力増幅制御装置および方法に関する。
無線周波数信号トランシーバとして、無線基地局が、電力増幅器(英語表記:Power Amplifier、略してPA)を用いることによって、入力信号を増幅し、送信機を用いることによって、増幅された入力信号を伝送するよう構成される。電力増幅器は、無線基地局においてもっとも電力を消費する構成要素であり、電力増幅器の効率が、無線基地局全体の消費電力を直接影響する。
ドハティ(英語表記:Doherty)電力増幅器が通常、既存の無線基地局において用いられ、無線基地局の消費電力を低減させる。
ドハティ電力増幅器は、一次電力増幅器と、少なくとも1つのピーク電力増幅器とを備える。一次電力増幅器は、各ピーク電力増幅器に並列に接続されている。ドハティ電力増幅器の動作原則は、一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器が、アクティブロードプル技術を用いることによって、これらの飽和領域において動作できることであり、それにより、ドハティ電力増幅器全体が、可能な限り広い入力電力範囲内に比較的高効率性を有することを確保する。
本発明を実装するプロセスにおいて、従来技術が少なくとも以下の問題を有することが分かった。
既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が、高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は、比較的小さく、かつ、消費電力は、入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加する。このことは、無線基地局が消費電力に対する要求を満たすことができない。
既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった従来技術における問題を解決するために、本発明の実施形態は、電力増幅器、電力増幅方法、ならびに電力増幅制御方法および装置を提供する。技術的解決手段は、以下の通りである。
第1の態様によれば、電力増幅器が提供され、当該電力増幅器は、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージング(英語表記:Outphasing)コンバイナとを備え、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数である。各ドハティ電力増幅ユニットは、1つの入力端と、1つの出力端を有し、nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個の入力端および1つの出力端を含み、ドハティ電力増幅ユニットの出力端は、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端に別々に接続されている。
第1の態様の第1の可能な実装方式において、各ドハティ電力増幅ユニットは、mウェイドハティ電力増幅ユニットであり、mウェイドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および(m−1)個のピーク電力増幅器を有し、ここで、m≧2であり、かつ、mは整数であり、ドハティ電力増幅ユニットは、同じ数または異なる数のウェイを有する。各mウェイドハティ電力増幅ユニットにおいて、一次電力増幅器は、各ピーク電力増幅器に並列に接続されており、ピーク電力増幅器は、並列に接続されている。
第1の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第1の態様の第2の可能な実装方式において、mウェイドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであり、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器と、1つのピーク電力増幅器とを含み、同じ電力を有するトランジスタが、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器において用いられる、または、mウェイドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであり、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器と、1つのピーク電力増幅器とを有し、異なる電力を有するトランジスタが、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器において用いられる。
第1の態様、第1の態様の第1の可能な実装方式、および第1の態様の第2の可能な実装方式に関連して、第1の態様の第3の可能な実装方式において、nウェイアウトフェージングコンバイナは、チャイレックス(英語表記:Chireix)コンバイナである。
第2の態様によれば、電力増幅方法が提供され、第1の態様に係る電力増幅器に適用され、当該方法は、ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって入力信号を受信する段階と、入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階とを備える。
第2の態様の第1の可能な実装方式において、入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階は、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階であって、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい、段階と、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値よりより大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階とを含み、非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせる動作状態であり、アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
第2の態様の第2の可能な実装方式において、入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階は、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第2の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階であって、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である、段階と、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第2の電力閾値より大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階を含み、非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせる動作状態であり、アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
第3の態様によれば、電力増幅制御装置が提供され、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、第1の態様に係る電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数であり、当該装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成される処理モジュールであって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられ、処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、処理モジュールと、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するよう構成される送信モジュールとを備える。
第3の態様の第1の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第3の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第3の態様の第2の可能な実装方式において、処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第3の態様の第3の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第3の態様の第3の可能な実装方式に関連して、第3の態様の第4の可能な実装方式において、処理モジュールはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第4の態様によれば、電力増幅制御装置が提供され、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、第1の態様に係る電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数であり、当該装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成されるプロセッサであって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる、プロセッサを備え、ここで、プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成され、プロセッサはさらに、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するように、トランシーバを制御するよう構成される。
第4の態様の第1の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号をn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第4の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第4の態様の第2の可能な実装方式において、プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第4の態様に関連して、第4の態様の第3の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する構成される。
第4の態様の第3の可能な実装方式に関連して、第4の態様の第4の可能な実装方式において、プロセッサはさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
第5の態様によれば、電力増幅制御方法が提供され、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、第1の態様に係る電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数であり、当該方法は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定する段階であって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる、段階と、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階と、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する段階とを備える。
第5の態様の第1の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階は、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階を含む。
第5の態様の第1の可能な実装方式に関連して、第5の態様の第2の可能な実装方式において、方法はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する段階を備える。
第5の態様の第3の可能な実装方式において、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階は、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する段階を含む。
第5の態様の第3の可能な実装方式に関連して、第5の態様の第4の可能な実装方式において、方法はさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階を備える。
本発明の実施形態において提供されている技術的解決手段は、以下の有益な効果を有する。
並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングコンバイナとを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するために必要な添付の図面を簡潔に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は単に本発明のいくつかの実施形態を示しており、当業者は、創造的努力なく、これらの添付の図面から、他の図面をさらに導き出し得る。
本発明の実施形態に係る無線基地局の構造のブロック図である。
ドハティ電力増幅器、アウトフェージング電力増幅器、および従来のクラスBの電力増幅器の効率曲線図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。
本発明の別の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。
本発明の別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。
本発明の実施形態に係る第1の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。
本発明のさらに別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。
本発明の実施形態に係る第2の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置の構造ブロック図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置のブロック図である。
本発明の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。
本発明の別の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。
本発明の目的、技術的解決手段、および利点をより明確にするために、以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態をさらに詳細に説明する。
容易に理解するために、まず、本発明の実施形態におけるいくつかの用語を説明する。
アウトフェージング電力増幅器:アウトフェージング電力増幅器は、並列に接続されている2つの電力増幅器と、2ウェイアウトフェージングコンバイナとを含む。アウトフェージング電力増幅器の動作原則は、2つの電力増幅器が2つの受信されたアウトフェージング入力信号を別々に増幅し、アウトフェージングコンバイナが、当該2つの増幅された入力信号を組み合わせることであり、それにより、電力増幅器の効率を向上させる。
無線基地局は、無線周波数信号トランシーバであり、無線基地局の信号カバレッジ範囲内に移動端末のために無線周波数信号を提供するよう構成される。図1に示されているように、無線基地局10は一般に、制御サブシステム11と、無線周波数サブシステム12と、アンテナサブシステム13とを備える。
無線基地局10が無線周波数信号を伝送することを例として用いると、アンテナサブシステム13により送信されたベースバンド信号を受信した後、制御サブシステム11は、ビルディングベースバンドユニット(英語表記:Building Base band Unit、略してBBU)111を用いることによって、変調されていないベースバンド信号を処理し、公衆無線インタフェース(英語表記:Common Public Radio Interface、略してCPRI)によって、処理された信号を無線周波数サブシステム12へ送信する。移動端末14により受信された無線周波数信号の強度を確保するために、無線周波数サブシステム12は、無線周波数サブシステム12内部の電力増幅器121を用いることによって、受信された信号を増幅する必要がある。信号を増幅した後、電力増幅器121は、増幅された信号をアンテナサブシステム13へ送信する。アンテナサブシステム13におけるGSM(登録商標)アンテナ・TMA制御モジュール(英語表記:GSM Antenna and TMA control Module、略してGATM)131は、信号を伝送するように、タワーマウントアンプ(英語表記:Tower Mounted Amplifier、略してTMA)132を制御する。
無線基地局はさらに、別の従来のサブシステムを備え、制御サブシステム、無線周波数サブシステム、およびアンテナ周波数サブシステムはさらに、他の従来の構成要素を含むということを当業者が理解し得ることに注意すべきであり、詳細はここでは再び説明されない。
無線基地局においてもっとも電力を消費する構成要素である電力増幅器の動作効率は、無線基地局全体の消費電力に直接影響を与える。無線基地局の消費電力を低減させるために、従来技術において、ドハティ電力増幅器は通常、主要な高効率性の電力増幅器として、無線基地局において用いられる。
図2は、ドハティ電力増幅器、アウトフェージング電力増幅器、および従来のクラスBの電力増幅器の効率曲線図である。効率曲線図の横座標は、正規化後の電力増幅器の出力電圧であり、効率曲線図の縦座標は、電力増幅器の効率である。
出力電圧は、入力電力と正比例する。明らかに、従来のクラスBの電力増幅器と比較すると、ドハティ電力増幅器およびアウトフェージング電力増幅器は明らかに、比較的大きい入力電力範囲内により高い効率を有する。
図3を参照すると、図3は、本発明の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。電力増幅器は、並列に接続されている2つのドハティ電力増幅ユニットと、1つの2ウェイアウトフェージングコンバイナとを含む。
第1のドハティ電力増幅ユニット31と第2のドハティ電力増幅ユニット32とが、並列に接続されている。第1のドハティ電力増幅ユニット31は、入力端311および出力端312を含む。第2のドハティ電力増幅ユニット32は、入力端321および出力端322を含む。
2ウェイアウトフェージングコンバイナ33は、2つの入力端および1つの出力端を含み、それぞれが、第1の入力端331、第2の入力端332、および出力端333である。2ウェイアウトフェージングコンバイナは、チャイレックスコンバイナ、またはアウトフェージング組み合わせ機能を有する別のコンバイナであってよい。アウトフェージングコンバイナの種類は、本発明において限定されない。
第1のドハティ電力増幅ユニット31の出力端312は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ33の第1の入力端331に電気的に接続される。第2のドハティ電力増幅ユニット32の出力端322は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ33の第2の入力端332に電気的に接続される。
第1のドハティ電力増幅ユニット31の入力端311、および第2のドハティ電力増幅ユニット32の入力端321の両方とも、信号制御システム34により送信された入力信号を受信するよう構成される。第1のドハティ電力増幅ユニット31の出力端312、および第2のドハティ電力増幅ユニット32の出力端322の両方とも、増幅された入力信号を2ウェイアウトフェージングコンバイナ33へ送信するよう構成される。2ウェイアウトフェージングコンバイナ33は、第1の入力端331および第2の入力端332によって受信された信号を増幅し、当該信号を組み合わせ、その後に、伝送のために、出力端333によって、組み合わせ後の信号を送信機(不図示)へ送信する。
図3において、第1のドハティ電力増幅ユニット31および第2のドハティ電力増幅ユニット32はそれぞれ、2ウェイドハティ電力増幅ユニットである。すなわち、第1のドハティ電力増幅ユニット31および第2のドハティ電力増幅ユニット32はそれぞれ、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器を含む。一次電力増幅器は、クラスBまたはクラスABでバイアスされ、ピーク電力増幅器は、クラスCでバイアスされる。加えて、一次電力増幅器は、動作状態に保持し、ピーク電力増幅器は、入力電力が初期動作電力に達した場合のみ、動作を開始する。
図3に示されているように、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314を有し、第2のドハティ電力増幅ユニット32は、一次電力増幅器324およびピーク電力増幅器323を有する。一次電力増幅器313と、ピーク電力増幅器314とが並列に接続されている。一次電力増幅器324と、ピーク電力増幅器323とが並列に接続されている。一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314は、ドハティコンバイナ(不図示)を用いることによって接続される必要があることに注意すべきである。ドハティコンバイナは、一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314によって増幅された信号を組み合わせるよう構成される。それに対応して、一次電力増幅器324およびピーク電力増幅器323は、ドハティコンバイナを用いることによって接続される必要がある。
第1のドハティ電力増幅ユニット31において、第1のマイクロストリップ315は、一次電力増幅器313の後端に直列に接続され、第2のマイクロストリップ316は、ピーク電力増幅器314の前端に直列に接続される。第1のマイクロストリップ315は、インピーダンス変換のために用いられ、第2のマイクロストリップ315は、位相平衡のために用いられる。第1のマイクロストリップ315および第2のマイクロストリップ316はそれぞれ、4分の1波長のマイクロストリップまたは等価回路であってよい。
それに対応して、第2のドハティ電力増幅ユニット32において、第3のマイクロストリップ325は、一次電力増幅器324の後端に直列に接続され、第4のマイクロストリップ326は、ピーク電力増幅器323の前端に直列に接続される。加えて、第3のマイクロストリップ325は、第1のマイクロストリップ315と同じ機能を有し、第4のマイクロストリップ326は、第2のマイクロストリップ316と同じ機能を有する。第3のマイクロストリップ325および第4のマイクロストリップ326はそれぞれ、4分の1波長のマイクロストリップまたは等価回路であってよい。
同じ電力を有するトランジスタが、第1のドハティ電力増幅ユニット31における一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314において用いられる場合、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットである。異なる電力を有するトランジスタが、第1のドハティ電力増幅ユニット31における一次電力増幅器313およびピーク電力増幅器314に用いられる場合、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットである。この実施形態において、第1のドハティ電力増幅ユニット31は、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよく、または、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよい。それに対応して、第2のドハティ電力増幅ユニット32は、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよく、または2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであってよい。このことは、本発明において限定されない。
この実施形態において、ドハティ電力増幅ユニットの構造が、旧知なドハティ電力増幅器の構造と同様であり、2ウェイアウトフェージングコンバイナの構造が、旧知なアウトフェージング電力増幅器におけるアウトフェージングコンバイナの構造と同様であることに注意すべきである。当業者は、この実施形態において、ドハティ電力増幅ユニットおよび2ウェイアウトフェージングコンバイナはさらに、他の従来の要素を含むことを理解し得て、詳細は、この実施形態において再び説明されない。
任意選択的な実施形態において、各ドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイドハティ電力増幅ユニットであってよく、mウェイドハティ電力増幅ユニットであってよい。すなわち、各ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および(m−1)個のピーク電力増幅器を含み、ここで、m≧2であり、かつ、mは整数である。以下では、別の実施形態を用いることによって説明を行う。
図4を参照すると、図4は、本発明の別の実施形態に係る電力増幅器の概略構造図である。この実施形態において、電力増幅器におけるドハティ電力増幅ユニットが3ウェイドハティ電力増幅ユニットであることが、説明のための例として用いられる。電力増幅器は、並列に接続されている第1のドハティ電力増幅ユニット41および第2のドハティ電力増幅ユニット42と、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43とを含み、第1のドハティ電力増幅ユニット41は、入力端411および出力端412を有し、第2のドハティ電力増幅ユニット42は、入力端421および出力端422を有し、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43は、2つの入力端および1つの出力端を含み、それぞれが、第1の入力端431、第2の入力端432、および出力端433である。2ウェイアウトフェージングコンバイナは、チャイレックスコンバイナ、またはアウトフェージング機能を有する別のコンバイナであってよい。アウトフェージングコンバイナの種類は、本発明において限定されない。
第1のドハティ電力増幅ユニット41の出力端412は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43の第1の入力端431に電気的に接続される。第2のドハティ電力増幅ユニット42の出力端422は、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43の第2の入力端432に電気的に接続される。
第1のドハティ電力増幅ユニット41の入力端411、および第2のドハティ電力増幅ユニット42の入力端421の両方とも、信号制御システム44により送信された入力信号を受信するよう構成される。第1のドハティ電力増幅ユニット41の出力端412、および第2のドハティ電力増幅ユニット42の出力端422の両方とも、増幅された入力信号を、2ウェイアウトフェージングコンバイナ43へ送信するよう構成される。2ウェイアウトフェージングコンバイナ43は、第1の入力端431および第2の入力端432によって受信された信号を増幅し、当該信号を組み合わせ、その後に、伝送のために、出力端433によって、組み合わせ後の信号を送信機(不図示)へ送信する。
図4において、第1のドハティ電力増幅ユニット41および第2のドハティ電力増幅ユニット42はそれぞれ、3ウェイドハティ電力増幅ユニットである。すなわち、第1のドハティ電力増幅ユニット31および第2のドハティ電力増幅ユニット32はそれぞれ、一次電力増幅器および2つのピーク電力増幅器を含む。
一次電力増幅器は、クラスBまたはクラスABでバイアスされ、ピーク電力増幅器はクラスCでバイアスされる。加えて、一次電力増幅器は動作状態に保持し、ピーク電力増幅器は、入力電力が各ピーク電力増幅器に対応する初期動作電力に達した場合のみ、動作を開始する。加えて、ピーク電力増幅器に対応する初期動作電力は、同じ又は異なってよい。このことは本発明において限定されない。
図4に示されているように、第1のドハティ電力増幅ユニット41は、一次電力増幅器413と、第1のピーク電力増幅器414と、第2のピーク電力増幅器415とを有し、第2のドハティ電力増幅ユニット42は、一次電力増幅器423と、第1のピーク電力増幅器424と、第2のピーク電力増幅器425とを有する。一次電力増幅器は、ピーク電力増幅器に並列に接続されており、ピーク電力増幅器は、並列に接続されている。同じ電力または異なる電力を有するトランジスタが、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器において用いられてよい。このことは、本発明において限定されない。
この実施形態において、3ウェイドハティ電力増幅ユニットおよび2ウェイアウトフェージングコンバイナはさらに、他の従来の要素を含むことを当業者が理解し得ることに注意すべきであり、詳細は、この実施形態において再び説明されない。
本発明のこの実施形態において、アウトフェージングコンバイナは、n個の入力端を含んでよく、ここで、n≧2であり、かつ、nは整数である。すなわち、アウトフェージングコンバイナは、nウェイアウトフェージングコンバイナであってよい。それに対応して、電力増幅器は、n個のドハティ電力増幅ユニットを含み、ドハティ電力増幅ユニットの出力端は、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端に別々に接続されている。
加えて、ドハティ電力増幅ユニットは、同じ数または異なる数のウェイを有してよい。すなわち、各ドハティ電力増幅ユニットに含まれる電力増幅器の合計数は、同じでもよく又は異なってもよい。
例えば、電力増幅器は、第1のドハティ電力増幅ユニット、第2のドハティ電力増幅ユニット、および第3のドハティ電力増幅ユニットを含む。第1のドハティ電力増幅ユニット、第2のドハティ電力増幅ユニット、および第3のドハティ電力増幅ユニットはそれぞれ、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器を含む。
別の例において、電力増幅器は、第1のドハティ電力増幅ユニット、第2のドハティ電力増幅ユニット、および第3のドハティ電力増幅ユニットを含む。第1のドハティ電力増幅ユニットは、一次電力増幅器およびピーク電力増幅器を含む(すなわち、第1のドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイドハティユニットである)。第2のドハティ電力増幅ユニットは、一次電力増幅器および2つのピーク電力増幅器を含む(すなわち、第2のドハティ電力増幅ユニットは、3ウェイドハティユニットである)。第3のドハティ電力増幅ユニットは、一次電力増幅器および3つのピーク電力増幅器を含む(すなわち、第3のドハティ電力増幅ユニットは、4ウェイドハティユニットである)。
動作するとき、本発明の実施形態において提供されている各電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする必要があり、それにより、電力増幅器の効率を向上させる。
図5を参照すると、図5は、本発明の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。この実施形態において、当該電力増幅方法が先述の実施形態において示されている電力増幅器に適用されることが、説明のための例として用いられる。電力増幅方法は、以下の段階を備える。
段階501:ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって入力信号を受信する。
段階502:入力信号の電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅方法において、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が、高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
電力増幅器の設計の過程において、電力増幅器の動作モードは、実際の動作の要求に従って、第1の動作モードまたは第2の動作モードに設定されてよい。第1の動作モードにおいて、電力増幅器はまず、ドハティ電力増幅ユニットを、動作状態になるようにトリガし、その後に、nウェイアウトフェージングコンバイナを、動作状態になるようにトリガする。第2の動作モードにおいて、電力増幅器はまず、nウェイアウトフェージングコンバイナを、動作状態になるようにトリガし、その後に、ドハティ電力増幅ユニットを、動作状態になるようにトリガする。以下では、2つの実施形態を用いることによって説明を行う。
図6Aを参照すると、図6Aは、本発明の別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。この実施形態において、電力増幅方法が第1の動作モードで動作する電力増幅器に適用されることが、説明のための例として用いられる。電力増幅方法は、以下の段階を備える。
段階601:ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって入力信号を受信する。
電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットは、入力端によって、信号制御システムにより送信された入力信号を受信する。
段階602:ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。
電力増幅器の設計の過程において、電力閾値は、電力増幅器のために事前に設計される必要がある。電力閾値は、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガするために用いられる。
第1の動作モードで動作するように設定された電力増幅器について、電力増幅器に対応する第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きくなる必要があり、それにより、入力信号の電力が第1の電力閾値に達する前に、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器が動作状態にあることを確保する。
加えて、入力信号の電力が第1の電力閾値未満である場合、信号制御システムによりドハティ電力増幅ユニットへ送信される入力信号は、非アウトフェージング入力信号である。ドハティ電力増幅ユニットは、非アウトフェージング入力信号を増幅する(信号は依然として非アウトフェージング入力信号である)。nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個のアウトフェージング入力信号を組み合わることを目的とし、入力信号の電力が第1の電力閾値未満である場合、nウェイアウトフェージングコンバイナにより受信される信号は、非アウトフェージング入力信号である。したがって、入力信号の電力が第1の電力閾値未満である場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、非アウトフェージング動作状態にある。非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせ、かつ、位相調整を実行する必要がない動作状態である。
段階603:ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値より大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。
ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第1の電力閾値より大きい場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器は、動作状態にある。入力信号の電力が連続的に増加すると、一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器は、飽和状態となり、もっとも高い効率で動作する。
加えて、入力信号の電力が第1の電力閾値より大きい場合、信号制御システムは、ドハティ電力増幅ユニットへ送信された入力信号を、アウトフェージング入力信号になるように調整し、ドハティ電力増幅ユニットは、アウトフェージング入力信号の電力を増幅する(信号は依然としてアウトフェージング入力信号である)。この場合、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がn個のアウトフェージング信号を受信したとき、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態になるようにトリガされる。アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
簡潔に言うと、入力電力が比較的低い場合、第1の動作モードで動作する電力増幅器は、低電力条件下で効率を向上させるように、ドハティモードで動作する。入力電力が比較的高い場合、電力増幅器は、高電力条件下で高効率性を維持するように、アウトフェージングモードで動作する。
図6Bは、本発明に係る第1の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。明らかに、第1の動作モードにおいて、入力電力が比較的低い場合、電力増幅器は、ドハティモードで動作し、電力増幅器の効率曲線は、ドハティ電力増幅器の効率曲線である。入力電力が比較的高い場合、電力増幅器は、アウトフェージングモードで動作し、電力増幅器の効率曲線は、アウトフェージング電力増幅器の効率曲線である。従来のドハティ電力増幅器と比較すると、電力増幅器は、より大きい入力電力範囲内に高効率性を維持することができる。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅方法において、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングコンバイナとを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図7Aを参照すると、図7Aは、本発明のさらに別の実施形態に係る電力増幅方法の方法フローチャートである。この実施形態において、電力増幅方法が第2の動作モードで動作する電力増幅器に適用されることが、説明のための例として用いられる。電力増幅方法は、以下の段階を含む。
段階701:ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって、信号制御システムにより送信された入力信号を受信する。
電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットは、入力端によって入力信号を受信する。
段階702:ドハティ電力増幅ユニットによって受信された入力信号の電力が第2の電力閾値未満であり、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。
電力増幅器の設計の過程において、電力閾値は、電力増幅器のために事前に設計される必要がある。電力閾値は、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガするために用いられる。
第1の動作モードで動作するように設定される電力増幅器について、電力増幅器に対応する第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であることが必要であり、それにより、入力信号の電力が第1の電力閾値に達する前に、ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器が動作を開始しないことを確保する。
加えて、入力信号の電力が第2の電力閾値未満である場合、信号制御システムによりドハティ電力増幅ユニットへ送信される信号は、アウトフェージング入力信号である。ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器は、動作を開始しない。したがって、一次電力増幅器のみが、アウトフェージング入力信号の電力を増幅する(増幅された信号は依然としてアウトフェージング信号である)。nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個のアウトフェージング信号を組み合わることを目的とする。したがって、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がドハティ電力増幅ユニットにより送信されたn個のアウトフェージング信号を受信する場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態において動作している。アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる動作状態である。
段階703:ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が、第2の電力閾値より大きく、かつ、ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器よび各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする。
ドハティ電力増幅ユニットにより受信された入力信号の電力が第2の電力閾値より大きい場合、入力信号の電力が増加すると、ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器は、続いて動作状態に入る。
加えて、入力信号の電力が第2の電力閾値より大きい場合、信号制御システムは、ドハティ電力増幅ユニットへ送信された入力信号を、非アウトフェージング入力信号になるように調整し、ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器およびピーク電力増幅器は、非アウトフェージング入力信号の電力を増幅する(増幅された信号は依然として非アウトフェージング信号である)。この場合、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端により受信された信号がn個の非アウトフェージング信号であるため、nウェイアウトフェージングコンバイナは、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガされる。非アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせ、かつ、位相調整を実行する必要がない動作状態である。
図7Bは、本発明に係る第2の動作モードにある電力増幅器の効率曲線図である。明らかに、第2の動作モードにおいて、入力電力が比較的低い場合、電力増幅器は、アウトフェージングモードで動作し、かつ、電力増幅器の効率曲線は、アウトフェージング電力増幅器の効率曲線である。入力電力が比較的高い場合、電力増幅器は、ドハティモードで動作し、かつ、電力増幅器の効率曲線は、ドハティ電力増幅器の効率曲線である。従来のドハティ電力増幅器と比較すると、電力増幅器は、より大きい入力電力範囲内に高効率性を維持することができる。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅方法において、並列に接続されているn個のドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングコンバイナとを含む構造を有する電力増幅器が用いられ、当該電力増幅器は、受信された信号の入力電力に従って、ドハティ電力増幅ユニットおよびnウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図8を参照すると、図8は、本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置の構造ブロック図である。電力増幅制御装置は、信号制御システムに適用される。信号制御システムは、図3または図4において示されている電力増幅器のために入力信号を提供するために用いられる。電力増幅制御装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成される処理モジュール810であって、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられ、処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、処理モジュール810と、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するよう構成される送信モジュール820とを備える。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定し、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号を調整し、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図8に基づいて、任意で、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。処理モジュール810はさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、処理モジュール810は、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
図9を参照すると、図9は、本発明の実施形態に係る電力増幅制御装置のブロック図である。電力増幅制御装置900は、バス910と、バス910を用いることによって接続されるプロセッサ920、メモリ930、およびトランシーバ940とを備えてよい。メモリ930は、1つまたはより多くの命令を記憶するよう構成される。当該1つまたはより多くの命令は、プロセッサ920により実行されるよう構成される。
プロセッサ920は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成され、ここで、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる。プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成され、プロセッサ920はさらに、n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信するように、トランシーバ940を制御するよう構成される。
任意で、電力増幅器の動作モードは、第1の動作モードであり、対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、ここで、第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい。プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、電力増幅器の動作モードは、第2の動作モードであり、対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、ここで、第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である。プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
任意で、プロセッサ920はさらに、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御装置は、電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定し、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号を調整し、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
電力増幅器の高動作効率を確保するために、電力増幅器のために入力信号を提供する信号制御システムは、電力増幅器の動作モードに対応する電力閾値に従って、リアルタイムで入力信号を調整する必要がある。以下では、実施形態を用いることによって説明を行う。
図10を参照すると、図10は、本発明の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。この実施形態において、電力増幅制御方法が先述の実施形態における信号制御システムに適用されることが、説明のための例として用いられる。方法は、以下の段階を備える。
段階1001:電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定する。ここで、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる。
信号制御システムはさらに、増幅される必要がある信号の電力と電力増幅器の動作モードとに従って、n個の入力信号の電力が電力閾値に達していない場合、n個の入力信号をどのように設定するかを決定してよい。
段階1002:n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する。
n個の入力信号の電力が電力閾値に達していない場合、信号制御システムは、n個の入力信号の電力が電力閾値に達していない場合、段階1001において決定された、n個の入力信号に対応する信号設定方式で、n個の入力信号を設定する。
段階1003:n個の調整された入力信号をドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御方法において、電力増幅器に対応する電力閾値は、電力増幅器の動作モードに従って決定され、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号は調整され、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
図11を参照すると、図11は、本発明の別の実施形態に係る電力増幅制御方法のフローチャートである。この実施形態において、電力増幅制御方法が図3または図4において示されている信号制御システムに適用されることが、説明のための例として用いられる。方法は、以下の段階を備える。
段階1101:電力増幅器の動作モードに従って、電力増幅器に対応する電力閾値を決定する。ここで、電力閾値は、n個の入力信号の電力が電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、信号制御システムに命令するために用いられる。
信号制御システムは、各種動作モードの電力増幅器に対応する電力閾値を事前に記憶してよい。当業者が接続されるべき電力増幅器の動作モードを選択した場合、信号制御システムは、当該動作モードに対応する電力閾値を取得することができる。
本発明の実施形態において提供される電力増幅器は、2つの動作モードを含み、当該2つの動作モードは、異なる電力閾値に対応する。したがって、信号制御システムに接続される電力増幅器の動作モードが第1の動作モードである場合、信号制御システムは、電力増幅器に対応する電力閾値が第1の電力閾値であると決定し、信号制御システムに接続される電力増幅器の動作モードが第2の動作モードである場合、信号制御システムは、電力増幅器に対応する電力閾値が第2の電力閾値であると決定する。
第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きく、それにより、入力電力が第1の電力閾値に達した場合、ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器が動作状態にあることを確保する。第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であり、それにより、入力電力の場合が第2の電力閾値に達した場合、ドハティ電力増幅ユニットにおけるピーク電力増幅器が動作を開始しないことを確保する。
段階1102:n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する。
第1の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的低い場合、電力増幅器がドハティモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットが動作状態にあり、かつ、アウトフェージングコンバイナが非アウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達していないとき、信号制御システムは、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。アウトフェージング動作状態は、nウェイアウトフェージングコンバイナが入力端により受信された信号を直接組み合わせ、かつ、位相調整を実行する必要がない動作状態である。
段階1103:n個の非アウトフェージング入力信号を、ドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個のアウトフェージング信号を組み合わることを目的とする。したがって、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がn個の非アウトフェージング信号を受信する場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、非アウトフェージング動作状態にあり、受信した非アウトフェージング信号を組み合わせる。
段階1104:n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する。
第1の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的高い場合、電力増幅器がアウトフェージングモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器における各ドハティ電力増幅ユニットが動作状態にあり、かつ、アウトフェージングコンバイナがアウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第1の電力閾値に達したとき、信号制御システムは、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。
先述の段階1104を実行した後、信号制御システムは、段階1108を実行する。
段階1105:n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していない場合、n個の入力信号を、n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する。
第2の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的低い場合、電力増幅器がアウトフェージングモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器の各ドハティ電力増幅ユニットにおいて、一次電力増幅器のみが動作状態にあり、かつ、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達していないとき、信号制御システムは、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態に入るようにトリガするように、n個の入力信号をn個のアウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。
段階1106:n個のアウトフェージング入力信号を、ドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
それに対応して、nウェイアウトフェージングコンバイナの入力端がn個のアウトフェージング入力信号を受信した場合、nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージング動作状態に入るようにトリガされ、n個の受信されたアウトフェージング入力信号に対して位相調整を実行し、その後に、当該信号を組み合わせる。
段階1107:n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達した場合、n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号に調整する。
第2の動作モードにおいて、入力信号の電力が比較的高い場合、電力増幅器がドハティモードで動作することを有効にするために、すなわち、電力増幅器の各ドハティ電力増幅ユニットにおける一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器が動作状態にあり、かつ、アウトフェージングコンバイナが非アウトフェージング動作状態にあるために、n個の入力信号の電力が第2の電力閾値に達したとき、信号制御システムは、n個のアウトフェージング入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する必要がある。
先述の段階1107を実行した後、信号制御システムは、段階1108を実行する。
段階1108:n個の調整された入力信号を、ドハティ電力増幅ユニットの入力端へ別々に送信する。
それに対応して、ドハティ電力増幅ユニットは、ドハティ電力増幅ユニットの入力端によって、n個の調整された入力信号を受信し、入力信号を増幅し、かつ、組み合わせのために、増幅された信号をnウェイアウトフェージングコンバイナへ送信する。先述の段階1104が実行された後、n個のアウトフェージング入力信号は、nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態に入るようにトリガし、先述の段階1107が実行された後、n個の非アウトフェージング入力信号は、nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態に入るようにトリガする。
要するに、この実施形態において提供される電力増幅制御方法において、電力増幅器に対応する電力閾値は、電力増幅器の動作モードに従って決定され、入力信号の電力が電力閾値に達した場合、入力信号は調整され、これにより、入力信号は、電力増幅器の動作モードに適合する。したがって、既存のアーキテクチャを有するドハティ電力増幅器が高効率性を維持するために用いられる場合、対応する入力電力変動範囲は比較的小さく、かつ、消費電力は入力電力変動範囲が比較的大きいとき、増加するといった問題が、解決される。この構造を有する電力増幅器を用いることによって、高効率性がより大きい入力電力変動範囲内に維持され、それにより、さらに消費電力を低減する。
当業者は、実施形態の段階のうちの全てまたは一部が、ハードウェアまたは関連ハードウェアを命令するプログラムにより実装されてよいことを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体において記憶されてよい。記憶媒体は、リードオンリメモリ、磁気ディスク、または光ディスクを含んでよい。
先述の説明は単に本発明の実施形態の例であり、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の原理から逸脱することなく行われるあらゆる変更、均等な置換、および改良は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
(項目1)
電力増幅器であって、上記電力増幅器は、
並列に接続されているn個のドハティドハティ電力増幅ユニットと、nウェイアウトフェージングアウトフェージングコンバイナとを備え、n≧2であり、かつ、nは整数であり、
各ドハティ電力増幅ユニットは、1つの入力端および1つの出力端を有し、
上記nウェイアウトフェージングコンバイナは、n個の入力端および1つの出力端を有し、
上記ドハティ電力増幅ユニットの上記出力端は、上記nウェイアウトフェージングコンバイナの上記入力端に別々に接続されている、
電力増幅器。
(項目2)
各ドハティ電力増幅ユニットは、mウェイドハティ電力増幅ユニットであり、上記mウェイドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および(m−1)個のピーク電力増幅器を含み、m≧2であり、かつ、mは整数であり、上記ドハティ電力増幅ユニットは、同じ数または異なる数のウェイを有し、
各mウェイドハティ電力増幅ユニットにおいて、上記一次電力増幅器は各ピーク電力増幅器に並列に接続されており、上記ピーク電力増幅器は並列に接続されている、項目1に記載の電力増幅器。
(項目3)
上記mウェイドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットであり、上記2ウェイ対称型ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および1つのピーク電力増幅器を含み、同じ電力を有するトランジスタが、上記一次電力増幅器および上記ピーク電力増幅器において用いられる、または、
上記mウェイドハティ電力増幅ユニットは、2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットであり、上記2ウェイ非対称型ドハティ電力増幅ユニットは、1つの一次電力増幅器および1つのピーク電力増幅器を含み、異なる電力を有するトランジスタが、上記一次電力増幅器および上記ピーク電力増幅器において用いられる、項目2に記載の電力増幅器。
(項目4)
上記nウェイアウトフェージングコンバイナは、アウトフェージングチャイレックスコンバイナである、
項目1から3のいずれか一項に記載の電力増幅器。
(項目5)
項目1から4のいずれか一項に記載の電力増幅器に適用される電力増幅方法であって、上記方法は、
上記ドハティ電力増幅ユニットの上記入力端によって、入力信号を受信する段階と、
上記入力信号の電力に従って、上記ドハティ電力増幅ユニットおよび上記nウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする段階と
を備える電力増幅方法。
(項目6)
上記入力信号の電力に従って、上記ドハティ電力増幅ユニットおよび上記nウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする上記段階は、
上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号の上記電力が第1の電力閾値未満であり、かつ、上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける上記一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、上記nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階であって、上記第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きい、段階と、
上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号の上記電力が上記第1の電力閾値より大きく、かつ、上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける上記一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、上記nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階とを含み、
上記非アウトフェージング動作状態は、上記nウェイアウトフェージングコンバイナが、上記入力端により受信された上記信号を直接組み合わせる動作状態であり、
上記アウトフェージング動作状態は、上記nウェイアウトフェージングコンバイナが、上記入力端により受信された上記信号に対して位相調整を実行し、そして、上記信号を組み合わせる動作状態である、項目5に記載の方法。
(項目7)
上記入力信号の電力に従って、上記ドハティ電力増幅ユニットおよび上記nウェイアウトフェージングコンバイナのうちの全てまたは一部を、動作状態になるようにトリガする上記段階は、
上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号の上記電力が第2の電力閾値未満であり、かつ、上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号がアウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける上記一次電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、上記nウェイアウトフェージングコンバイナを、アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階であって、上記第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満である、段階と、
上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値より大きく、かつ、上記ドハティ電力増幅ユニットにより受信された上記入力信号が非アウトフェージングである場合、各ドハティ電力増幅ユニットにおける上記一次電力増幅器および各ピーク電力増幅器を、動作状態になるようにトリガし、かつ、上記nウェイアウトフェージングコンバイナを、非アウトフェージング動作状態になるようにトリガする段階とを含み、
上記非アウトフェージング動作状態は、上記nウェイアウトフェージングコンバイナが、上記入力端により受信された上記信号を直接組み合わせる動作状態であり、
上記アウトフェージング動作状態は、上記nウェイアウトフェージングコンバイナが、上記入力端により受信された上記信号に対して位相調整を実行して、その後に、上記信号を組み合わせる動作状態である、項目5に記載の方法。
(項目8)
信号制御システムに適用される電力増幅制御装置であって、上記信号制御システムは、項目1から4のいずれか一項に記載の電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、n≧2であり、かつ、nは整数であり、上記装置は、
上記電力増幅器の動作モードに従って、上記電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成される処理モジュールであって、前上記電力閾値は、上記n個の入力信号の電力が上記電力閾値に達した場合に、上記n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、上記信号制御システムに命令するために用いられ、上記処理モジュールはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記電力閾値に達した場合に、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、処理モジュールと、
上記n個の調整された入力信号を上記ドハティ電力増幅ユニットの上記入力端へ別々に送信するよう構成される送信モジュールと
を備える電力増幅制御装置。
(項目9)
上記電力増幅器の上記動作モードは、第1の動作モードであり、上記対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、上記第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きく、
上記処理モジュールはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第1の電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目8に記載の装置。
(項目10)
上記処理モジュールはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が、上記第1の電力閾値に達していない場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目9に記載の装置。
(項目11)
上記電力増幅器の上記動作モードは、第2の動作モードであり、上記対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、上記第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であり、
上記処理モジュールはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目8に記載の装置。
(項目12)
上記処理モジュールはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値に達していない場合、上記n個の入力信号を、上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目11に記載の装置。
(項目13)
信号制御システムに適用される電力増幅制御装置であって、上記信号制御システムは、項目1から4のいずれか一項に記載の電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、n≧2であり、かつ、nは整数であり、上記装置は、
上記電力増幅器の動作モードに従って、上記電力増幅器に対応する電力閾値を決定するよう構成されるプロセッサであって、上記電力閾値は、上記n個の入力信号の電力が上記電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、上記信号制御システムに命令するために用いられる、プロセッサとを備え、
上記プロセッサはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号または上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成され、
上記プロセッサはさらに、上記n個の調整された入力信号を上記ドハティ電力増幅ユニットの上記入力端へ別々に送信するように、トランシーバを制御するよう構成される、
電力増幅制御装置。
(項目14)
上記電力増幅器の上記動作モードは、第1の動作モードであり、上記対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、上記第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きく、
上記プロセッサはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第1の電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目13に記載の装置。
(項目15)
上記プロセッサはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第1の電力閾値に達していない場合、上記n個の入力信号を上記n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目14に記載の装置。
(項目16)
上記電力増幅器の上記動作モードは、第2の動作モードであり、上記対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、上記第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であり、
上記プロセッサはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目13に記載の装置。
(項目17)
上記プロセッサはさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値に達していない場合、上記n個の入力信号を、上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整するよう構成される、項目16に記載の装置。
(項目18)
信号制御システムに適用される電力増幅制御方法であって、上記信号制御システムは、項目1から4のいずれか一項に記載の電力増幅器のためにn個の入力信号を提供するよう構成され、n≧2であり、かつ、nは整数であり、上記方法は、
上記電力増幅器の動作モードに従って、上記電力増幅器に対応する電力閾値を決定する段階であって、上記電力閾値は、上記n個の入力信号の電力が上記電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、n個の非アウトフェージング入力信号またはn個のアウトフェージング入力信号になるように調整するように、上記信号制御システムに命令するために用いられる、段階と、
上記n個の入力信号の上記電力が上記電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号または上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階と、
上記n個の調整された入力信号を、上記ドハティ電力増幅ユニットの上記入力端へ別々に送信する段階と
を備える電力増幅制御方法。
(項目19)
上記電力増幅器の上記動作モードは、第1の動作モードであり、上記対応する電力閾値は、第1の電力閾値であり、上記第1の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力より大きく、
上記n個の入力信号の上記電力が上記電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号または上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する上記段階は、
上記n個の入力信号の上記電力が上記第1の電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階を含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
上記方法はさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第1の電力閾値に達していない場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する段階を備える、項目19に記載の方法。
(項目21)
上記電力増幅器の上記動作モードは、第2の動作モードであり、上記対応する電力閾値は、第2の電力閾値であり、上記第2の電力閾値は、各ドハティ電力増幅ユニットにおける各ピーク電力増幅器の初期動作電力未満であり、
上記n個の入力信号の上記電力が上記電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号または上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する上記段階は、
上記n個の入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値に達した場合、上記n個の入力信号を、上記n個の非アウトフェージング入力信号になるように調整する段階を含む、項目18に記載の方法。
(項目22)
上記方法はさらに、上記n個の入力信号の上記電力が上記第2の電力閾値に達していない場合、上記n個の入力信号を、上記n個のアウトフェージング入力信号になるように調整する段階を備える、項目21に記載の方法。